JP4810075B2 - ズームレンズ及びそれを有する画像投射装置 - Google Patents

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Description

本発明はズームレンズに関し、例えば高精細モバイル液晶プロジェクターの投射光学系に好適なものである。
従来、液晶表示素子等の表示素子を用いて、その表示素子に形成された画像をスクリーン面に投射する液晶プロジェクター(画像投射装置)が種々提案されている。
特に、液晶プロジェクターはパソコン等の画像を大画面に投影してみることができる装置として会議およびプレゼンテーション等に広く利用されている。
液晶表示素子を3枚使用する3板方式のカラー液晶プロジェクターでは、液晶表示素子により変調された色光を合成するダイクロイックプリズムおよび偏光板等の素子を配置するスペースを液晶表示素子と投写レンズとの間に設けなければならず、投写レンズに関してある一定長のバックフォーカスを確保することが必要となる。
カラー液晶プロジェクターに用いる投影光学系(投写レンズ)としては、
・ダイクロイックプリズムに設けている色合成膜の角度依存の影響を極小にする為、また照明系との良好な瞳整合性を確保するために液晶表示素子(縮小)側の瞳が無限遠方にある所謂テレセントリック光学系であること、
・3色の液晶表示素子の絵(画像)をスクリーンに合成投写したとき、パソコンの文字等が二重に見えたりして解像感および品位がそこなわれないように各色の画素を画面の全域にて重ね合わせられなければならない。そのため、投写レンズにて発生する色ずれ(倍率色収差)を可視光広帯域において良好に補正されていること、
・また、投影された画像に関して輪郭部で歪んで見苦しくならないように歪曲収差も良好に補正されていること、
等が要望されている。
また最近では、画面の高輝度・画像の高精細化といったニーズの一方で、小型液晶パネルを搭載し、機動・携帯性を重視した装置も求められている。
液晶プロジェクター用の投写レンズとして、拡大共役側(前方)より順に、負・正・正・負・正(もしくは負)・正の屈折力の第1〜第6レンズ群の配列による全体として6つのレンズ群より構成し、このうち所定のレンズ群を適切に移動させてズーミングを行っている6群ズームレンズが提案されている(特許文献1)。
この6群ズームレンズは、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1および6レンズ群を固定として、内部の第2〜第5レンズ群を全て縮小共役側(後方側)へ移動させるため、ズーミング時にレンズ全長が一定に保たれている。またズーミングの際の歪曲収差と色収差を少なくし、縮小共役側にテレセントリックなズームレンズとなっている。
この他の従来の液晶プロジェクター用の投写レンズとして、拡大側(前方)より順に負、正、正、負、正、正の屈折力を有した第1〜第6レンズ群の配列による全体として6つのレンズ群より構成し、このうち所定のレンズ群を適切に移動させてズーミングを行っている6群ズームレンズが提案されている(特許文献2)。この6群ズームレンズは、第1、4及び6レンズ群を固定として、広角端から望遠端への変倍に際して、内部の第2、3及び5レンズ群を移動させるため、レンズ全長が一定に保たれ、変倍時の色収差等、諸収差の変動を抑えた、縮小共役側にテレセントリックなズームレンズとなっている。
特開2001−235679号公報 特開2001−108900号公報
現在、液晶プロジェクターの更なる小型の要望とともに、特にホームシアター用に大きなメリットとなる近距離投影できること、つまり液晶プロジェクターの広画角化が強く求められている。
また投影映像の高輝度化を目的として投影レンズとして明るい大口径比のものが求められている。
一般に長いバックフォーカスを確保しながら、さらに広画角化を進めると、最も拡大側のレンズ群の屈折力が大きくなる。
また縮小共役側にテレセントリックなズームレンズを実現しようとすると開口絞りから縮小共役側に配置したレンズ群全体について正の屈折力が大きくなり、レンズ系全体がレトロフォーカス型の屈折力配置となり、レンズ系全体の非対称性が増大し、特に歪曲・倍率色収差などの補正が困難となってくる。
この他、画角が広くなるに伴ってペッツバール和を小さくしておかないと像面湾曲が増大し、それの補正が困難になってくる。
本発明は、レンズ系全体の小型化を図りつつ、ズーミングに伴う諸収差を良好に補正し、画面全体にわたり良好なる光学性能を有した、例えば液晶プロジェクター用に好適なズームレンズの提供を目的とする。
本発明のズームレンズは、開口絞りと、前方より順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、1枚の負レンズより構成された負の屈折力の第4レンズ群、負または正の屈折力の第5レンズ群、正の屈折力の第6レンズ群より構成され、ズーミングに際して前記第2レンズ群乃至前記第5レンズ群が移動し、
後方に配置された表示ユニットに表示される原画を前方に向かって投射するズームレンズにおいて、
前記開口絞りに最も近いレンズ及び該レンズの両隣に配置されるレンズのうち少なくとも一つのレンズは、非球面形状の面を1以上有しており、
前記第1レンズ群は、プラスチック材から成り、非球面形状の面を有する正の屈折力のプラスチックレンズを含んでおり、
前記第4レンズ群の焦点距離をf4、前記プラスチックレンズの焦点距離をfp、
前記ズームレンズ全系の短焦点距離端における焦点距離をfw、
最も前方に位置するレンズ面から、最も前方に位置する非球面形状の面までの距離をL1、最も前方に位置するレンズ面から最も後方に位置するレンズ面までの距離をLとするとき、
1.0< |f4/fw| <2.8
0< |f/f| ≦0.062
0.51< L /L <0.8
なる条件を満足することを特徴としている。
本発明によれば、レンズ系全体の小型化を図りつつ、ズーミングに伴う諸収差を良好に補正し、画面全体にわたり良好なる光学性能を有したズームレンズが得られる。
図1は本発明の実施例1のズームレンズを用いた画像投射装置(液晶ビデオプロジェクター)の要部概略図である。図2(A)、(B)は本発明の実施例1に対応する後述する数値実施例1の数値をmm単位で表わした時の物体距離(第1レンズ群からの距離)2.4mのときの広角端(短焦点距離側)と望遠端(長焦点距離側)における収差図である。
図3は本発明の実施例2のズームレンズを用いた画像投射装置(液晶ビデオプロジェクター)の要部概略図である。図4(A)、(B)は本発明の実施例に対応する後述する数値実施例2の数値をmm単位で表わした時の物体距離(第1レンズ群からの距離)2.4mのときの広角端(短焦点距離端)と望遠端(長焦点距離端)における収差図である。
図5は本発明の実施例3のズームレンズを用いた画像投射装置(液晶ビデオプロジェクター)の要部概略図である。図6(A)、(B)は本発明の実施例に対応する後述する数値実施例3の数値をmm単位で表わした時の物体距離(第1レンズ群からの距離)2.4mのときの広角端(短焦点距離端)と望遠端(長焦点距離端)における収差図である。
図7は本発明の参考例1のズームレンズを用いた画像投射装置(液晶ビデオプロジェクター)の要部概略図である。図8(A)、(B)は本発明の参考例1に対応する後述する数値実施例4の数値をmm単位で表わした時の物体距離(第1レンズ群からの距離)2.4mのときの広角端(短焦点距離端)と望遠端(長焦点距離端)における収差図である。
図9は本発明の実施例4のズームレンズを用いた画像投射装置の要部概略図である。図10(A)(B)は本発明の実施例4に対応する後述する数値実施例5の数値をmm単位で表したときの物体距離2.4mのときの広角端と望遠端における収差図である。
図1、図3、図5、図7、図9の実施例1〜3、参考例1、実施例4における画像投射装置ではLCDの原画(被投影画像)をズームレンズ(投影レンズ、投写レンズ)PLを用いてスクリーン面S上に拡大投影している状態を示している。
Sはスクリーン面(投影面)、LCDは液晶パネル(液晶表示素子)等の原画像(被投影画像)である。スクリーン面Sと原画像LCDとは共役関係にあり、一般にはスクリーン面Sは距離の長い方の共役点(第1共役点)で拡大側(前方)に、原画像LCDは距離の短い方の共役点(第2共役点)で縮小側(後方)に相当している。尚、ズームレンズを撮影系として用いるときは、スクリーン面S側が物体側、原画像LCD側が像側となる。
GBは色合成プリズムや偏光フィルター、そしてカラーフィルター等に対応して光学設計上設けられたガラスブロックである。
ズームレンズPLは接続部材(不図示)を介して液晶ビデオプロジェクター本体(不図示)に装着されている。ガラスブロックGB以降の液晶表示素子LCD側はプロジェクター本体に含まれている。
L1は負の屈折力の第1レンズ群、L2は正の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群、L4は負の屈折力の第4レンズ群、L5は正又は負の屈折力の第5レンズ群、L6は正の屈折力の第6レンズ群である。
各実施例では広角端から望遠端へのズーミング(変倍)に際して矢印のように第2レンズ群L2、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4そして第5レンズ群L5を拡大側である第1共役点側(スクリーンS側)へ移動させている。
尚、図3の実施例2は、ズーミングに際して第4レンズ群L4と第5レンズ群L5が一体的に移動している為、第4、第5レンズ群の間隔は一定である。このときの第4、第5レンズ群の合成屈折力は負である。
実施例2は、全体として5つのレンズ群より成るズームレンズとして取扱うこともできる。
なお、第1レンズ群L1、第6レンズ群L6はズーミングのためいには移動しない。第1レンズ群L1を光軸上移動させてフォーカスを行っている。尚、フォーカスは表示パネルLCDを移動させて行っても良い。
開口絞りSTは第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間に設けている。各レンズ面には反射防止用の多層コートが施されている。
図2、図4、図6、図8、図10の収差図においてGは波長550nm、Rは波長620nm、Bは波長450nmでの収差を示し、S(サジタル像面の倒れ)、M(メリジオナル像面の倒れ)はどちらも波長550nmでの収差を示す。FはFナンバーである。ωは半画角である。
次に各実施例のズームレンズの特徴について説明する。
◎各実施例のズームレンズは、最も前方側に負の屈折力のレンズ群が位置し、全体として6つのレンズ群を有している。
尚、実施例2では、前方から4番目の第4レンズ群L4と、第5レンズ群L5との間隔は一定である。開口絞りSTに対し光軸方向に最も近いレンズGa、もしくはそのレンズGaの両隣に配置されるレンズのうち少なくとも1つのレンズは、非球面形状の面を1以上有している。
実施例1〜3、参考例1では、開口絞りSTに最も近いレンズ群(第3レンズ群L3)の後方のレンズ群(第4レンズ群L4)を単一の負の屈折力のレンズGbより構成し、該レンズGbの前方と後方の両側の面を非球面形状としている。このレンズGbの材料は、ガラス材である。
また非球面形状の面をもったレンズGbは、両面を非球面形状とするのが良く、これによれば収差補正自由度が向上し、より高性能を実現することができる。またレンズGbは開口絞りST近傍で強い負の屈折力が与えられるレンズとして、特に望遠端のズーム位置で球面収差が補正過剰となるのを低減している。
一般的に軸上マージナル(周辺)光線の高さが低くなる開口絞りST付近に強い負の屈折力のレンズを配置すれば、効果的にペッツバール和を小さくでき像面湾曲を小さくすることができる。この場合、単純に負の屈折力のレンズを与えると、投写レンズなどレトロフォーカスタイプのズームレンズでは望遠端のズーム位置付近で球面収差が補正過剰となってくる。そこで本実施例では開口絞りST近傍に強い負の屈折力レンズ群を配置し、さらに開口絞りST近傍の最も小さいレンズ径のレンズ面を非球面形状とすることによって望遠端のズーム位置で球面収差が補正過剰になることを低減している。
また、第4レンズ群L4の焦点距離をf4、広角端での全系の焦点距離をfwとするとき、
1.0< |f4/fw| < 2.8 ・・・・(1)
なる条件を満足している。
条件式(1)は第4レンズ群L4の焦点距離を規定するものである。条件式(1)の下限値を超えて、第4レンズ群L4の焦点距離が短くなりすぎると、必要以上にバックフォーカスが長くなったり、望遠端における球面収差が補正過剰となる。逆に上限値を超えて、第4レンズ群L4の焦点距離が長くなりすぎると、ペッツバール和が大きくなるため、像面湾曲などが大きくなる。
◎又、各実施例では、ズーミングに際して、各レンズ群のレンズストロークを各レンズ群にて各々分担して小さくしてレンズ系をコンパクトにしている。またこのとき最も前方側および後方側のレンズ群は、ズーミングに際して、後方の共役面(LCD)に対して固
定として、投写レンズ系として堅牢性を確保している。
又、ズーミング時、径の大きなレンズ群が固定されているため重量バランス等の変化が少ないレンズ系を実現している。
◎最も前方に位置する第1レンズ面から、最も前方に位置する非球面形状の面までの距離をL1、最も前方に位置する第1レンズ面から最も後方に位置する最終レンズ面までの距離をLとするとき、
0.51< L/L <0.8 ・・・・(2)
の条件式を満足している。
条件式(2)は非球面形状のレンズ面の位置を規定するものである。下限値を超えると、開口絞りSTの位置が前方側に配置されるか、または非球面形状のレンズ面の位置が開口絞りSTの位置から離れて配置されてしまうため、望遠端のズーム位置において球面収差などの補正が難しくなって収差補正上好ましくない。逆に上限値を超えると前玉径が大きくなるか、前述同様、非球面形状のレンズ面の位置が開口絞りSTの位置から離れて配置されてしまう。
更に好ましくは、条件式(2)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
0.65<L/L<0.78・・・・(2a)
◎非球面形状の面を有するレンズGbの材料の屈折率温度係数をαとするとき、
1×10−8<|α|<5×10−5・・・・(3)
の条件式を満足している。
条件式(3)の上限値を超えると、温度変化に対する屈折率変化が大きすぎて焦点距離・バックフォーカス等の基本性能が大きく変化してしまう。逆に下限値を超えるようなものとなると光学ガラスとして屈折率や分数等の点で適切でなくなってくる。
更に好ましくは、条件式(3)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
5×10−7<|α|<1×10−5・・・・(3a)
◎実施例1〜3において、最も前方側の第1レンズ群L1は非球面形状の面を含み、プラスチック材より成る正の屈折力のレンズGcを有している。
第1レンズ群L1には少なくとも1枚の非球面形状の面を含むようにしている。バックフォーカスが長い広画角レンズに関しては、特に最も前方側のレンズ群の屈折力が大きくなり、屈折力配置について非対称性が増大し、レトロフォーカスタイプ特有の歪曲・内向性コマなどの補正が難しくなってくる。
そのため、最も前方側の第1レンズ群L1に少なくとも1枚の非球面形状の面を導入して、非対称性の収差を補正している。
また非球面形状の面の導入に関しては、径(有効径)が大きなレンズ群ということもあって重量増加を抑えるという観点からプラスチックより成るレンズの面を非球面形状としている。
◎プラスチック材より成るレンズGcの焦点距離をf、広角端のズーム位置における全系の焦点距離をfとするとき、
0< |f/f≦0.062 ・・・・(4)
の条件式を満足している。
条件式(4)の上限値を超えるとレンズGcの屈折力が強くなりすぎ、温度ドリフト等の基本仕様などの変化量が大きくなり好ましくない。
当然負の屈折力のレンズの材料をプラスチック材として非球面の導入も考えられる。
しかしながら最も前方側に配置される第1レンズ群L1は広画角かつバックフォーカスが長いこともあって大きな負の屈折力を有する傾向を示す。これよりそれを構成する負の屈折力のレンズは、どうしても偏肉比が大きくなって成形上精度が出し難くなる。このためプラスチック材より成る非球面形状の面を有するレンズは正の屈折力とすることが好ましい。
更に好ましくは、条件式(4)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
0.005<|f/f≦0.062・・・・(4a)
広角端のズーム位置から望遠端のズーム位置へのズーミングに際して、第1レンズ群L1および第6レンズ群L6は固定で全長一定である。各レンズ面には多層コートを採用している。
最も大きな屈折力(絶対値)を有する第1レンズ群L1は、前方側より順に、正、負、負、正のレンズの4枚構成として、そのうち最も後方側に配置された正レンズGcは弱い屈折力をもち、材料にプラスチックを用いている。
また、レンズGcの両面は非球面形状である。レンズGbによって光軸から離れたレンズ周辺部にて、大きな屈折力を有する負レンズにて発生する歪曲収差などを効率よく補正している。プラスチック材より成るレンズGcが持っている屈折力は広角端のズーム位置における全系の屈折力との比において約6%と小さいため、温度などの環境変化に対して焦点距離やバックフォーカスなど主たる基本光学性能はほとんど変化しない。
最も前方側の正レンズの面に、同様の非球面形状を採用することも当然考えられるがプラスチックが外気にさらされる配置となってしまうため、保護硝材が別途必要となってしまい好ましくない。
第2レンズ群L2は、主たる変倍作用の役割を担っており、大きな正の屈折力が与えられている。この為、第2レンズ群L2を構成している正レンズの材料には高屈折率の硝材を採用することがペッツバール和およびズーミング時の球面収差等の収差変動を小さくするためにも望ましい。また可視光の広帯域にて良好に倍率色収差を補正する観点から正レンズの材料には、La(ランタン)系重フリント材を採用することが好ましい。
第3レンズ群L3は、主に変倍用の第2レンズ群L2中の移動によって発生するピント面位置を補正する役割を果たしており、1枚の正レンズにて構成されている。
第3レンズ群L3の前方には、開口絞りSTが配置されており、ズーミングに際して第3レンズ群L3とともに移動している。
実施例1では第4レンズ群L4のレンズGbの面を非球面形状としているが、特にこの限りではなく第3レンズ群L3のレンズGaの面を非球面形状としても良い。
第4レンズ群L4は、第2レンズ群L2で確保できなかった変倍比を補う役割を担っており、所謂副変倍作用のレンズ群である。実施例1では1枚の負レンズで構成され、前述のように両面を非球面形状としている。これによって、球面で構成したときよりも強い負の屈折力を与えることが可能になり、ペッツバール和を小さくしている。第4レンズ群L4は広角端のズーム位置から望遠端のズーム位置への変倍全域に関して倍率が等倍以上であり第2および3レンズ群L2、L3と同じ前方側へ移動している。
第5レンズ群L5は、最も前方側に強い負の屈折力のレンズを配置している。
この強い負の屈折力のレンズの配置によってペッツバール和を小さくしている。
さらに主平面位置を後方側に配置して、良好なテレセントリック性能およびバックフォーカスを効果的に確保している。
また、貼合わせレンズを用い、この貼合わせレンズの材料にS−FPL51((株)OHARA社製)などの異常分散硝子を採用してもよく、これによれば可視光広帯域について色収差を良好に補正することが容易となる。
第6レンズ群L6は、両レンズ面が凸形状の正レンズで構成されている。この正レンズは開口絞りSTから遠い配置となり歪曲などの軸外収差に少なからず影響を及ぼす傾向を示すため、屈折力N=1.85と高い屈折率を有するTi(チタン)系重フリント材を使用している。この重フリント材は大きな異常分散性を有しており、通常補正が困難となる画面周辺領域に関する短波長(青紫)での倍率色収差を良好に補正できるといった効果を有する。また、前述のように屈折率が1.85と高いため歪曲・内向性コマおよびペッツバール条件などの収差補正面でも有利に作用している。
(実施例2)
実施例2のズームレンズは、前方側より後方側へ順に、負、正、正、負、正、正の屈折力のレンズ群より成る6群構成より成っている。ズーミングに際して第4レンズ群L4と、第5レンズ群L5を一体に動かしている。また、この第4レンズ群L4と第5レンズ群L5の合成屈折力は負となっており、前方側から後方側へ順に、負、正、正、負、正といった構成となっている。また、本実施例でも開口絞りST近傍の第4レンズ群L4のレンズGbの面を非球面形状としている。
その他の構成については、実施例1と同じため詳細説明は割愛する。
(実施例3)
実施例3のズームレンズは、前方側より後方側へ順に負、正、正、負、負、正の屈折力のレンズ群より成る6群構成より成っている。
本実施例でも開口絞りST近傍の第4レンズ群L4のレンズGbの面を非球面形状としている。
第5レンズ群L5の最も前方側に配置されたレンズに強い負の屈折力をもたせてペッツバール和を小さくしている。そのため第5レンズ群L5の屈折力は負である。
その他の構成については、実施例1と同じため詳細説明は割愛する。
(参考例1)
参考例1のズームレンズは、前方側から後方側へ順に、負、正、正、負、正、正の屈折力のレンズ群より成る6群構成より成っている。また、本実施例でも開口絞りST近傍の第4レンズ群L4のレンズGbの面を非球面形状としている。
参考例では、第1レンズ群L1にプラスチック材より成り、非球面形状の面を有するレンズを採用せず、すべて球面より成るレンズにて構成している。前方側から後方側へ順に、正、負、負、負レンズといった4枚レンズ構成を採用している。負の屈折力を3つのレンズで分担することによって、歪曲などの軸外収差発生を低減している。
その他の構成については、実施例1と同じため詳細説明は割愛する。
実施例4
実施例4のズームレンズは前方側から後方側へ順に負正正負正正の屈折力のレンズ群より成る6群構成よりなっている。また本実施例では開口絞りSTに最も近い第3レンズ群L3のレンズGaの前方側面を非球面形状としている。その他の構成については実施例1と同じため詳細説明は割愛する。
以下に実施例1〜3、参考例1、実施例4のズームレンズに各々対応する数値実施例1〜5を示す。各数値実施例においてiは拡大側(前方側)からの光学面の順序を示し、riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径、diは第i面と第i+1面との間の間隔、niとνiはそれぞれd線を基準とした第i番目の光学部材の材質の屈折率、アッベ数を示す。fは焦点距離、FNOはFナンバーである。ωは半画角である。
また数値実施例1〜5の最も後方側の2つの面はガラスブロックGBを構成する面である。
またkを円錐定数、A、B、C、D、Eを非球面係数、光軸からの高さhの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてxとするとき、非球面形状は、
x=(h2/r)/[1+[1−(1+k)(h/R)21/2
+Ah4+Bh6+Ch8+Dh10+Eh12
で表示される。但しrは近軸曲率半径である。
なお、例えば「e−Z」の表示は「10-Z」を意味する。
前述の各条件式1〜4と数値実施例1〜5における諸数値との関係を表1に示す。
数値実施例5
f: 21.4mm 〜 31.5mm FNO: 2.06 〜 2.72 ω:36.66deg.〜 26.85deg.

r d N ν
1 97.407 4.16 1.699 55.5
2 468.382 0.14
3 71.968 2.40 1.625 58.2
4 20.677 12.96
5 -49.654 1.90 1.489 70.2
6 56.689 2.41
7 ( ) 4.19 1.532 55.8
8 ( )( )
9 446.937 6.71 1.754 35.3
10 -29.718 1.95 1.854 23.8
11 -58.447 0.15
12 45.411 2.65 1.839 37.2
13 150.237 ( )
14 ( ) 2.09 1.810 40.9
15 -109.846 ( )
16 43.276 1.20 1.725 34.7
17 21.241 ( )
18 -16.145 1.62 1.854 23.9
19 53.673 7.40 1.498 81.5
20 -21.794 0.15
21 222.447 8.41 1.498 81.5
22 -27.510 ( )
23 74.368 5.10 1.854 23.9
24 -135.320 ( )
25 inf. 28.00 1.518 64.1
26 inf.

間隔データ
W T
d 8 16.56 1.98
d13 22.44 19.76
d15 0.71 7.29
d17 6.77 6.18
d22 0.53 11.80
d24 7.62 7.62

非球面データ
1/r k A B C
7 4.642e-003 8.762e+001 1.264e-005 3.801e-009 -1.921e-011
D E
-8.214e-014 3.578e-017

1/r k A B C
8 -3.066e-004 2.618e+004 8.706e-006 7.900e-009 -3.193e-011
D E
-4.224e-014 5.856e-019

1/r k A B C
14 1.739e-002 1.087e-001 9.533e-008 -8.057e-010 3.283e-011
D E
0.000e+000 0.000e+000
図11は本発明の画像投射装置の実施形態の要部概略図である。
同図は前述したズームレンズを3板式のカラー液晶プロジェクターに適用し複数の液晶表示素子(表示ユニット)に基づく複数の色光の画像情報を色合成手段を介して合成し、投射レンズでスクリーン面上に拡大投射する画像投射装置を示している。図9においてカラー液晶プロジェクター1はR、G、Bの3枚の液晶パネル5、5G、5からのRGBの各色光を色合成手段としてのプリズム2で1つの光路に合成し、前述したズームレンズより成る投影レンズ3を用いてスクリーン4に投影している。
図12は本発明の撮像装置の実施形態の要部概略図である。本実施形態ではビデオカメラ、フィルムカメラ、デジタルカメラ等の撮像装置に撮影レンズとして前述したズームレンズを用いた例を示している。
図12においては被写体9の像を撮影レンズ8で感光体7に結像し、画像情報を得ている。
以上のように各実施例によれば、レンズ系全体の小型化を図りつつ、ズーミングに伴う諸収差を良好に補正し、画面全体にわたり良好なる光学性能を有した液晶プロジェクター用に好適なズームレンズを達成することができる。
この他、画像情報を銀塩フィルム、CCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)上に形成するビデオカメラ、フィルムカメラ、デジタルカメラ等の撮像装置に好適なズームレンズを達成することができる。
実施形態1のズームレンズを用いた画像投射装置の要部概略図 数値実施例1のズームレンズの収差図 実施形態2のズームレンズを用いた画像投射装置の要部概略図 数値実施例2のズームレンズの収差図 実施形態3のズームレンズを用いた画像投射装置の要部概略図 数値実施例3のズームレンズの収差図 実施形態4のズームレンズを用いた画像投射装置の要部概略図 数値実施例4のズームレンズの収差図 実施形態5のズームレンズを用いた画像投射装置の要部概略図 数値実施例5のズームレンズの収差図 カラー液晶プロジェクターの要部概略図 撮像装置の要部概略図
符号の説明
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群
L5 第5レンズ群
L6 第6レンズ群
ST 開口絞り
LCD 液晶表示装置(像面)
GB 硝子ブロック(色合成プリズム)
ΔS Sagittal像面の倒れ
ΔM Meridional像面の倒れ
1 液晶プロジェクター
2 色合成手段
3 投射レンズ
4 スクリーン
5(5B、5G、5R) 液晶パネル
6 撮像装置
7 撮像手段
8 撮影レンズ
9 被写体

Claims (8)

  1. 開口絞りと、前方より順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、1枚の負レンズより構成された負の屈折力の第4レンズ群、負または正の屈折力の第5レンズ群、正の屈折力の第6レンズ群より構成され、ズーミングに際して前記第2レンズ群乃至前記第5レンズ群が移動し、
    後方に配置された表示ユニットに表示される原画を前方に向かって投射するズームレンズにおいて、
    前記開口絞りに最も近いレンズ及び該レンズの両隣に配置されるレンズのうち少なくとも一つのレンズは、非球面形状の面を1以上有しており、
    前記第1レンズ群は、プラスチック材から成り、非球面形状の面を有する正の屈折力のプラスチックレンズを含んでおり、
    前記第4レンズ群の焦点距離をf4、前記プラスチックレンズの焦点距離をfp、
    前記ズームレンズ全系の短焦点距離端における焦点距離をfw、
    最も前方に位置するレンズ面から、最も前方に位置する非球面形状の面までの距離をL1、最も前方に位置するレンズ面から最も後方に位置するレンズ面までの距離をLとするとき、
    1.0< |f4/fw| <2.8
    0< |f/f| ≦0.062
    0.51< L /L <0.8
    なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. 前記第1レンズ群及び前記第6レンズ群は、ズーミングに際して移動しないことを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  3. 前記少なくとも一つのレンズの材料はガラス材であることを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
  4. 前記少なくとも一つのレンズの材料の屈折率温度係数をαとするとき、
    1×10−8< |α| <5×10−5
    の条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のズームレンズ。
  5. 前記少なくとも一つのレンズは、前方と後方の両側の面が非球面形状であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のズームレンズ。
  6. 前記少なくとも一つのレンズは、負の屈折力より成ることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のズームレンズ。
  7. 前記第4、第5レンズ群は、ズーミングに際して、一体的に移動し、その合成屈折力は負であることを特徴とする請求項1のズームレンズ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項のズームレンズと、原画を形成する表示ユニットとを有し、前記表示ユニットによって形成された原画を前記ズームレンズによってスクリーン面上に投射することを特徴とする投射装置。
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