以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としての露光装置について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。図1は、本発明の露光装置1の構成を示す概略断面図である。
露光装置1は、図1に示すように、回路パターンが形成されたレチクルRを照明する照明装置100と、レチクルRを載置するレチクルステージ200と、投影光学系300と、ウェハWを載置するウェハステージ400と、アライメントセンサ500と、レチクル面形状検出系600と、レチクル検出系700と、主制御部800とを有する。
露光装置1は、例えば、ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式でレチクルRに形成された回路パターンを被処理体Wに露光する投影露光装置である。かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィー工程に好適であり、以下、本実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(スキャナー)を例に説明する。
照明装置100は、転写用の回路パターンが形成されたレチクルRを照明し、光源部110と、照明光学系120とを有する。
光源部110は、例えば、光源としては、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザーなどを使用することができるが、光源の種類はエキシマレーザーに限定されず、例えば、波長約157nmのF2レーザーやYAGレーザーを使用してもよいし、その個数も限定されない。また、光源部110に使用可能な光源はレーザーに限定されるものではなく、一又は複数の水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能である。
光源部110がパルス光源(即ち、レーザー)の場合、露光のオン又はオフは、パルス光源用の電源装置からの供給電力の制御により切り替えられる。光源部110が連続光源(即ち、ランプ)の場合、露光のオン又はオフは、照明光学系120内のシャッタにより切り替えられる。但し、本実施形態では、後述するように、照明光学系120は、可動ブラインド(可変視野絞り)125を有するため、可動ブラインド125の開閉によって露光のオン又はオフを切り替えてもよい。
照明光学系120は、レチクルRを照明する光学系であり、本実施形態では、長方形のスリット状の照明領域IAを均一に照明する。これにより、スリット状の照明領域IA内のレチクルRの回路パターンが、後述する投影光学系300を介して、被処理体W上に転写される。照明光学系120は、図1に示すように、照明光整形光学系121と、ハエの目レンズ122と、コンデンサーレンズ123と、視野絞り124と、可動ブラインド125と、リレーレンズ系126とを有する。
光源部110からの照明光は、照明光整形光学系121によって所定の大きさの光束径に整形され、ハエの目レンズ122に達する。ハエの目レンズ122の射出面には多数の2次光源が形成される。かかる2次光源からの照明光は、コンデンサーレンズ123によって集光され、固定の視野絞り124を経て可動ブラインド(可変視野絞り)125に達する。なお、図1では、視野絞り124は、可動ブラインド125よりもコンデンサーレンズ123側に配置されているが、リレーレンズ系126側に配置してもよい。
視野絞り124は、長方形のスリット状の開口部を有し、かかる開口部を通過した光束は、長方形のスリット状の断面を有する光束となり、リレーレンズ系126に入射する。なお、スリット状の開口部の長手方向は、紙面(図1)に対して垂直な方向であるとする。
可動ブラインド125は、後述する走査方向(X方向)の幅を規定する2つの遮光板125a及び125bと、走査方向に垂直な方向(非走査方向)の幅を規定する2つの図示しない遮光板から構成される。走査方向の幅を規定する遮光板125a及び125bは、それぞれ駆動部125c及び125dによって独立に走査方向に駆動できるように支持されている。また、非走査方向の幅を規定する図示しない遮光板もそれぞれ独立に駆動できるように支持されている。可動ブラインド125の駆動部125c及び125d、及び、非走査方向の駆動部の動作はブラインド制御部810により制御される。
本実施形態では、固定の視野絞り124によって設定されるレチクルR上のスリット状の照明領域IA内において、更に、可動ブラインド125によって設定される所望の露光領域内にのみ照明光が照射される。
リレーレンズ系126は、可動ブラインド125とレチクルR(のパターン面)とを共役にするレンズ系である。リレーレンズ系126は、両側テレセントリックな光学系であり、レチクルR上のスリット状の照明領域IAではテレセントリック性が維持されている。
レチクルRは、例えば、石英製で、その上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成され、レチクルステージ200に支持及び駆動される。レチクルRから発せられた回折光は、投影光学系300を通り、被処理体W上に投影される。レチクルRと被処理体Wとは、光学的に共役の関係に配置される。本実施形態の露光装置1はスキャナーであるため、レチクルRと被処理体Wを縮小倍率比の速度比で走査(スキャン)することによりレチクルRのパターンを被処理体W上に転写する。詳細には、スリット状の照明領域IA、且つ、可動ブラインド125により規定されたレチクルR上の回路パターンの像が、投影光学系300を介して被処理体W上に投影露光される。
レチクルステージ200は、図示しないレチクルチャックを介してレチクルRを支持し、ステージ移動機構220に接続されている。レチクルステージ200は、干渉計210で位置が検出され、ステージ移動機構220によって駆動される。レチクルステージ200は、本実施形態では、ステージ移動機構220に駆動されてレチクルRを走査方向(+X方向又は−X方向)に走査する。ここで、投影光学系300の光軸に垂直な2次平面内で、スリット状の照明領域IAに対するレチクルRの走査方向を+X方向(又は−X方向)とし、投影光学系300の光軸に平行な方向をZ方向とする。
投影光学系300は、レチクルRのパターンを被処理体W上に投影する光学系である。投影光学系300は、複数のレンズ素子のみからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型の光学系等を使用することができる。色収差の補正が必要な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複数のレンズ素子を使用したり、回折光学素子をレンズ素子と逆方向の分散が生じるように構成したりする。
被処理体Wは、本実施形態ではウェハであるが、液晶基板、その他の被処理体を広く含む。被処理体Wには、フォトレジストが塗布されている。
ウェハステージ400は、図示しないウェハチャックによって被処理体Wを支持し、ステージ移動機構420に接続されている。ウェハステージ400は、干渉計410で位置が検出され、ステージ移動機構420によって駆動される。ウェハステージ400は、例えば、投影光学系300の光軸に垂直な面内で被処理体Wを位置決めすると共に、被処理体Wを±X方向に走査するXYステージ、及び、被処理体WをZ方向に位置決めするZステージ等から構成される。ウェハステージ400には、ベースライン計測用のマーク、或いは、レチクルRの位置合わせ用のマーク等を有する基準マークFMが構成されている。
なお、レチクルRのパターンを、ステップ・アンド・スキャン方式で、投影光学系300を介して被処理体W上の各ショット領域に露光する際には、レチクルステージ200は、視野絞り124で設定されるスリット状の照明領域IAに対して−X方向(又は+X方向)に、レチクルRを速度VRで走査する。また、ウェハステージ400は、投影光学系300の投影倍率をβとすると、レチクルRの走査と同期して、+X方向(又は−X方向)に、被処理体Wを速度VW(=β・VR)で走査する。これにより、被処理体W上のショット領域にレチクルRの回路パターンが逐次転写される。
アライメントセンサ500は、ウェハW上方に配置され、本実施形態では、オフ・アクシス方式でウェハW上のアライメントマークを検出する。アライメントセンサ500の検出結果は、アライメント制御部830により処理され、主制御部800に送られる。主制御部800は、後述するように、ステージ移動機構420を介して、ウェハステージ400の位置決め動作及び走査動作を制御する。
レチクル面形状検出系600は、レチクルステージ200と投影光学系300との間に配置され、後述するように、レチクルRの形状を計測する形状計測手段としての機能を有する。レチクル面形状検出系600の検出結果は、検出系制御部820により処理され、主制御部800に送られる。
レチクル面形状検出系600は、本出願人が特開2003−297726号公報に提案する露光装置のレチクル面位置検出系と同様な構成を有するため、ここでは詳細な説明を省略して概略のみを説明する。レチクル面形状検出系600の基本的な検出原理を説明すると、被検面であるレチクルパターン面に光束を斜め方向から照射し、被検面で反射した光束の所定面上への入射位置を位置検出素子で検出し、かかる位置情報から被検面のZ方向(投影光学系300の光軸方向)の位置情報を検出する。また、レチクル面形状検出系600(検出系制御部820)は、走査方向とほぼ直交する方向に設定された複数の光束を被検面上の複数の計測点に投影し、各々の計測点で求めたZ方向の位置情報を用いて被検面の傾き情報を算出する。更に、レチクルRが走査されることにより、走査方向にも複数の計測点でのZ方向の位置情報を計測することができる。これらの位置情報から、検出系制御部820は、レチクルRのパターン面の面形状(即ち、レチクルRの形状)を算出する。
レチクル検出系700は、レチクルRの上方に配置され、レチクルRの位置を検出する位置検出手段としての機能を有する。レチクル検出系700は、図2に示すように、ファイバ710と、リレーレンズ720と、ハーフミラー730と、対物レンズ740と、ミラー750と、リレーレンズ760と、検出部770と、演算部780とを有する。ここで、図2は、レチクル検出系700の構成を示す概略断面図である。
レチクル検出系700は、照明光学系120から分岐された照明光をファイバ710によって導光する。ファイバ710によって導光された照明光は、リレーレンズ720、ハーフミラー730、対物レンズ740及びミラー750を介してレチクルRに導光され、レチクルR上に配置された位置合わせ用のマーク及び投影光学系300を介してウェハステージ400上の基準マークFMに照射される。レチクルR上に配置された位置合わせ用のマーク及びウェハステージ400上の基準マークFMの像は、ミラー750、対物レンズ740、ハーフミラー730及びリレーレンズ760を介して検出部770に結像される。検出部770の検出結果は、演算部780で演算処理されて主制御部800に送られる。
主制御部800は、CPU、メモリを有し、露光装置1の動作を制御する。CPUは、MPUなど名前の如何を問わずいかなるプロセッサも含み、各部の動作を制御する。メモリは、ROM及びRAMより構成され、露光装置1を動作するファームウェアを格納する。主制御部800は、ブラインド制御部810、検出系制御部820、アライメント制御部830、及び、ステージ移動機構220及び420に接続されている。主制御部800は、本実施形態では、後述するように、レチクル検出系700の検出結果に基づいて、レチクル面形状検出系600に対するレチクルRの位置を制御する。換言すれば、主制御部800は、レチクル面形状検出系600と協同して、レチクルRの形状を取得する形状取得手段としての機能も備える。また、主制御部800は、ステージ移動機構420を介してウェハステージ400の位置決め動作及び走査動作を制御する。なお、主制御部800が、ブラインド制御部810、検出系制御部820及びアライメント制御部830の機能を兼ね、一体的に構成されてもよいのは言うまでもない。
ここで、レチクル検出系700とレチクル面形状検出系600との関係について説明する。本実施形態では、レチクル検出系700によって検出されたレチクルRの位置に基づいて、レチクル面形状検出系600の検出位置を補正することを特徴としている。図3にレチクルRとレチクルR内に形成されたパターン領域RPA及びレチクル面形状検出系600の検出位置(検出点)DPを示す。図3を参照するに、走査方向と直交する方向にレチクル面形状検出系600の検出点DPを5箇所構成している。また、レチクルRが走査されることにより、走査方向に7列の検出点DPが構成される。なお、図3に示す検出点DPの配置は、レチクルステージ200に対してレチクルRが設計値通りに位置決めされた状態であるとする。
レチクルステージ200に対してレチクルRが走査方向と直交する方向にXだけずれて位置決めされた状態で走査された場合のレチクル面形状検出系600の検出点DP’(黒丸)を図4に示す。また、レチクルステージ200に対してレチクルRが投影光学系300の光軸を中心とする回転方向にθだけずれて位置決めされた状態で走査された場合のレチクル面形状検出系600の検出点DP’’(黒丸)を図5に示す。なお、図4及び図5において、レチクルR(のパターン)に対する設計上の検出点DP(即ち、図3に示す状態)を白丸として示している。
レチクル面形状検出系600は、理想的には、図3に示す検出点DPの位置での検出結果からレチクルRの形状を算出するが、図4及び図5に示すように、レチクルステージ200に対してレチクルRがずれて配置された場合、レチクルRの位置ずれ量X及びθのために、検出点DP’及びDP’’の位置での検出結果からレチクルRの形状を算出することになる。従って、検出点DPの位置と検出点DP’及びDP’’の位置でレチクルRのパターン分布が異なる、即ち、クロム部(又はガラス部)にあった検出点がガラス部(又はクロム部)になる、或いは、検出点領域内部のクロム部とガラス部との比率(反射率)が異なる、といったことが発生し、検出率が低下してしまう。換言すれば、レチクル面形状検出系600の検出位置の変動によってレチクルRからの反射光が影響を受け、レチクルRの形状の検出精度が著しく低下してしまう。
そこで、本実施形態では、レチクル検出系700によってレチクルRの位置、即ち、レチクルステージ200に対するレチクルRの走査方向、走査方向に直交する方向及び投影光学系300の光軸を中心とする回転方向の位置ずれ量を検出し、かかる検出結果をレチクル面形状検出系600の検出位置の補正に反映する。例えば、走査方向のレチクルRの位置ずれに対しては、検出系制御部820によってレチクル面形状検出系600の検出開始位置を制御することで補正を行う。また、走査方向と直交する方向のレチクルRの位置ずれに対しては、レチクルステージ200を駆動し、レチクルRの位置ずれを補正する。また、投影光学系300の光軸を中心とする回転方向の位置ずれに対しても同様に、レチクルステージ200を駆動し、レチクルRの位置ずれを補正する。若しくは、レチクルステージ200を走査方向及び走査方向と直交する方向に駆動し、段階的にレチクルRを移動させることで補正する。これにより、レチクルR(のパターン)に対して常に一定の位置(即ち、所定の検出位置)でレチクル面形状検出系600は面形状を計測することが可能となり、高精度にレチクルRの形状を計測することができる。
なお、レチクルRの位置ずれに対するレチクルRの形状の検出誤差が予め分かっているならば、レチクルRの位置ずれを補正せずに、ずれた検出点(例えば、検出点DP’及びDP’’)での検出結果から算出されるレチクルRの形状を直接補正すること、換言すれば、レチクルRの位置ずれとずれた検出点での検出結果とからレチクルRの形状を算出することも可能である。
レチクルRの形状の計測による投影光学系300の像面位置と被処理体Wの表面位置との位置合わせ、即ち、レチクルRの形状の計測結果に基づく投影光学系300の結像特性の補正、或いは、ウェハステージ400の走査時の位置の調整による結像特性の補正については、従来技術として示した特開平11−45846号公報に開示されているので、ここでの詳細な説明は省略する。
以上のように、本実施形態によれば、レチクルステージに対するレチクルの位置によりレチクルパターン面形状の計測結果が変動してしまうことに対処した新規な面形状計測技術を提供することができる。
レチクル面形状検出系600は、図1では、レチクルステージ200と投影光学系300との間の空間に配置され、投影光学系300の光軸中心位置に計測位置(即ち、検出点の位置)を有しているが、図6に示すように、投影光学系300の光軸中心位置から走査方向にずれた位置、即ち、転写対象領域の外側に計測位置(即ち、検出点の位置)を有するようにレチクル面形状検出系600を配置することも可能である。ここで、図6は、本発明の露光装置1の別の構成を示す概略断面図である。
また、図6には図示していないが、レチクルRの上方には、図1と同様に、レチクル検出系700が配置されており、レチクルR上の位置合わせ用のマークとウェハステージ400上の基準マークFMの相対的な位置計測によって、レチクルRの位置を検出することができる。レチクル検出系700の検出結果に基づいて、レチクル面形状検出系600の検出位置を補正することで、レチクルR(のパターン)に対して常に所定の位置で面形状を検出することが可能となり、レチクルRの形状を高精度に計測することが可能となる。
更に、図7に示すように、レチクルステージ200上に、投影光学系300の光軸方向において、レチクルRのパターン面と実質的に同じ高さに反射面及び計測用マークを構成した基準面SPと、レチクルRの位置決めを行うための基準マークを構成した基準板RFMとを配置し、レチクルR上の上方にはレチクル位置検出系900を配置するとよい。ここで、図7は、本発明の露光装置1の別の構成を示す概略断面図である。
レチクル位置検出系900とレチクル検出系700との相違点について説明する。レチクル検出系700は、投影光学系300を介してウェハステージ400上の基準マークFMを検出することができる位置に配置されているのに対して、レチクル位置検出系900は、基準マークRFMとレチクルR上の位置合わせ用のマークを検出することができる位置に配置されている。
図8及び図9は、レチクルステージ200上に配置された基準板RFM及び基準面SPを示す概略斜視図である。図8に示すように、レチクルRは、レチクルステージ200のレチクルチャック230によって(吸着)保持される。レチクルチャック230は、走査方向に対して前後2箇所、同様に、非走査方向に対して前後2箇所で構成され、4箇所においてレチクルRを(吸着)保持する。また、基準板RFMは、レチクルチャック230のレチクルチャック230の間に配置される。
レチクル位置検出系900は、図9に示すように、2眼の検出系で構成される。レチクルR上の位置合わせ用のマークは、レチクルRがレチクルチャック230に(吸着)保持された状態で、基準板RFMと共にレチクル位置検出系900で検出可能な位置に配置されている。レチクルRから走査方向にずれた位置に基準面SPが構成されている。
レチクルステージ200を移動し、基準面SPがレチクル面形状検出系600の検出位置に駆動されることで、レチクル面形状検出系600の較正が可能となる。なお、レチクル面形状検出系600を較正する方法については、特開平11−45846号公報に開示されているので、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施形態では、基準板RFMとレチクルR上の位置合わせ用のマークがレチクルステージ200上に配置されているため、レチクル位置検出系900は、レチクルステージ200のストローク内で、基準マークRFMとレチクルR上の位置合わせ用のマークを計測することができる位置に配置すればよい。また、レチクル位置検出系900は、レチクル面形状検出系600で較正用の基準面SPを計測できるレチクルステージ200の位置において、基準板RFMとレチクルR上の位置合わせ用のマークが計測できる位置に配置されている。これにより、レチクル位置検出系900でレチクルRの位置を検出する際に、レチクル面形状検出系600の較正をすることが可能となり、レチクル面形状検出系600の較正のためにレチクルステージ200を較正位置まで駆動することが不要になると共に、レチクルステージ200のストロークの不要な拡大を抑えることができる。
また、レチクル面形状検出系600の較正位置(即ち、基準面SPの検出位置)、レチクル位置検出系900の検出位置(即ち、レチクルRの位置を検出する位置)及びレチクルRの着脱位置を同一にすることで、レチクルRの交換動作からパターン転写のための露光動作に移る間に、レチクル面形状検出系600の較正、レチクルRの位置の検出、レチクルRの位置の補正、レチクルRの形状の検出の動作を行うことができ、スループットの低下を招くことなく、高精度にレチクルRの形状を計測することができる。
レチクル面形状検出系600は、図10に示すように、走査方向に対して投影光学系300の両側に配置してもよい。2つのレチクル面形状検出系600の検出結果は、検出系制御部820により処理され、主制御部800に送られる。走査方向に対して投影光学系300の両側にレチクル面形状検出系600を配置することにより、レチクルRの形状を検出するために必要とするレチクルステージ200のストロークを最小限に抑えることができる。ここで、図10は、本発明の露光装置1の別の構成を示す概略断面図である。
図11及び図12を参照して、レチクルステージ200のストロークについて説明する。図11は、レチクルR、レチクル面形状検出系600及び投影光学系300を模式的に示す部分拡大図である。図11において、LRはレチクルRの走査方向の長さを、Lは投影光学系300と物理的に干渉せずにレチクル面形状検出系600を配置する場合の投影光学系300の光軸からレチクル面形状検出系600の検出位置までの距離を、Aはレチクルステージ200が露光時の速度に到達するための加速に必要な距離を示す。なお、レチクルステージ200のストロークを検討する場合には、厳密にはレチクルRのパターン領域、或いは、レチクルRの照射領域を考慮する必要があるが、本実施形態では、レチクル面形状検出系600の配置による比較のため、かかる比較に必要な寸法のみを示し、その他の寸法は省略している。
図12は、レチクル面形状検出系600を、走査方向に対して投影光学系300の両側に配置した場合(即ち、図10に示すレチクルR、レチクル面形状検出系600及び投影光学系300)を模式的に示す部分拡大図である。図12において、LR/2はレチクル面形状検出系600によってレチクルRの形状を走査方向に計測可能な範囲(距離)を示す。図12を参照するに、レチクル面形状検出系600が投影光学系300の両側に配置されているため、1つのレチクル面形状検出系600が計測する範囲を、レチクルRの走査方向の長さLRの半分にすることができる。即ち、レチクル面形状検出系600Aによって図12に示すレチクルRの左側半分を計測し、レチクル面形状検出系600Bによって図12に示すレチクルRの右側半分を検出する構成となっている。
図11に示すレチクル面形状検出系600の構成の場合、レチクルステージ200が必要とするストロークSTは、以下の数式1で示される。
一方、図12に示すレチクル面形状検出系600の構成の場合、レチクルステージ200が必要とするストロークST’は、以下の数式2で示される。
また、ストロークSTとストロークST’の差は、以下の数式3で示される。
ST>ST’の場合にレチクルステージ200のストロークを短くすることができるため、以下の数式4に示される条件を満たす場合にレチクルステージ200のストロークが短くなり、装置の大型化を防止することができる。数式4は、レチクルRの大きさ及び加速距離が長くなると有効であることを示している。
近年、装置のスループットを向上するために、光源部110の高出力化と共に、レチクルステージ200及びウェハステージ400の高速化も進んでいる。かかる高速化に伴い、レチクルステージ200の加速距離も延びる傾向にあるため、レチクル面形状検出系600を走査方向に対して投影光学系300の両側に配置することにより、レチクルステージ200のストロークを拡大することなく、高精度にレチクルRの形状を計測することが可能となる。
図10及び図12では、レチクル面形状検出系600A及び600BによってレチクルRのパターン面を半分づつ計測することでレチクルステージ200のストロークの拡大を防止している。しかし、レチクル面形状検出系600A及び600Bは別構成の検出系であるため、2つのレチクル面形状検出系間の較正が必要となる。そこで、図13に示すように、レチクル面形状検出系600A及び600Bが、レチクルRのパターン面の半分に加えて、レチクルRの領域Bを計測することができるように構成し、図13では図示しない基準面SPをレチクル面形状検出系600A又は600Bで計測可能に配置する。ここで、図13は、レチクル面形状検出系600を、走査方向に対して投影光学系300の両側に配置した場合を模式的に示す部分拡大図である。
例えば、まず、レチクル面形状検出系600Bで基準面SPを検出し、レチクル面形状検出系600Bを較正する。較正が終了したレチクル面形状検出系600BによってレチクルRの領域Bを計測する。次いで、レチクル面形状検出系600AによってレチクルRの領域Bを計測し、レチクル面形状検出系600Bの検出結果を基準として、レチクル面形状検出系600Aを較正する。レチクル面形状検出系600A及び600BでレチクルRの領域Bを計測する場合には、走査動作時に行うのではなく、静止した状態で行う。
レチクルステージ200のストロークは、図12に対して領域Bだけ拡大するが、レチクル面形状検出系600A及び600Bによって計測可能な領域があればよいので、極端に装置の大型化を招くことはない。このような構成により、2つのレチクル面形状検出系間の較正が可能となり、より高精度にレチクルRの形状を計測することができる。
これまでは、レチクル面形状検出系600とレチクル検出系700又はレチクル位置検出系900とは、別構成で配置されていた。かかる配置では、例えば、レチクル面形状検出系600の位置がレチクル面形状検出系600を支持する構造体の熱変形等により変化した場合、レチクル検出系700又はレチクル位置検出系900によってレチクルRの位置を検出し、レチクルRの位置を補正したとしても、レチクル面形状検出系600の位置が変化しているため、レチクルパターンに対する計測位置がずれてしまうことになる。
そこで、図14に示すように、レチクル面形状検出系600とレチクル検出系700又はレチクル位置検出系900を筐体HGに収納し、レチクル計測系を構成する。これにより、レチクル計測系を支持する構造体が熱変形等により変化した場合でも、レチクル面形状検出系600とレチクル検出系700又はレチクル位置検出系900は筐体HGと共に移動し、レチクル面形状検出系600の検出位置とレチクル検出系700又はレチクル位置検出系900の検出位置との相対的位置変化を低減することができる。このため、レチクルRの形状を計測する場合に、レチクルRに対して常に所定の位置で計測することができるため、高精度にレチクルRの形状を計測することができる。
以上、説明したように、露光装置1によれば、レチクルRの形状を高精度に検出してフォーカスの合わせ込み(投影光学系300の像面位置と被処理体Wの表面との位置合わせ)を向上させ、優れた露光性能を発揮することができる。また、装置の大型化及びスループットの低下を防止することができる。
露光において、光源部110から発せられた光束は、照明光学系120によりレチクルRを、例えば、ケーラー照明する。レチクルRを通過してレチクルパターンを反映する光は、投影光学系300により被処理体400上に結像される。なお、露光の際に、露光装置1は、投影光学系300の像面位置と被処理体Wの表面との位置合わせを高精度に行うことができ、デフォーカスなどを防止して、高いスループットで経済性よく従来よりも高品位なデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
次に、図15及び図16を参照して、露光装置1を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図15は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は、前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図16は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置1によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重の回路パターンが形成される。かかるデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。このように、露光装置1を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本発明は、ウェハの一括露光ごとにウェハをステップ移動して次のショットの露光領域に移動するステップ・アンド・リピート方式の露光装置(「ステッパー」とも呼ばれる。)にも適用することができる。