JP4820984B2 - 波形劣化補償方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、波形劣化補償方法及び装置に係り、詳しくは、伝送路を伝搬することで波形劣化した被変調波の波形劣化を補償する方法及び装置に関するものである。本発明において、一つの好ましい態様では、前記被変調波は変調信号によって変調された光信号であり、本発明に係る波形補償手段は、光伝送路を伝搬することで周波数に依存して波形劣化した光信号の劣化を補償するものである。
光通信において、通信距離・速度に上限を与える要因の一つとして波長分散がある。波長分散とは、図1に示すように、媒質を伝搬する光の波長によってその速度が異なる現象である。これにより、光通信には、ある一定距離以上光を伝送しようとすると波形に歪みが生じて、ビットエラーレート(BER)が上昇するという問題が生じる。
この波長分散を補償する方法は、現在主に分散補償ファイバ(DCF)と呼ばれる、シングルモードファイバ(SMF)とは逆の群遅延特性を有するファイバを、通信路に挿入することによっておおまかに実現されている。しかし、近い将来に実現が期待されている全光ルーティングにおいては、その伝送ルートが時々刻々変化することから、適応的な分散補償を行う必要がある。
可変分散補償デバイスには、FBGやMEMS等を利用したものがある。これを用いて適応的に分散補償を行える可能性がある。その方法の一つとして、位相シフト法等の方法で伝送路の分散値を測定し、補償デバイスの特性がその逆の値を持つように制御する方法がある。しかし、この制御方法では、正確な分散値の測定にコストと時間がかかるという問題がある。
また、受信信号の波形をフーリエ変換して、周波数領域での誤差を利用して補償する方式も提案されている(特許文献1,2)。しかし、この場合は、十分な精度のフーリエ変換には計算コストを要する。さらに、波形のフーリエ変換スペクトルが、必ずしも信号光の本来のスペクトルに直接結び付けられるわけではないため、現実に有効に稼動させるには、様々な工夫が必要となる。
特開2002−261692 特開2004−80701
本発明の目的は、分散値の測定や周波数領域への変換を行わずに、伝送路を伝搬することで周波数に依存して波形劣化した被変調波の波形劣化補償を行うことにある。
かかる目的を解決するために本発明が採用した第1の技術手段は、伝送路を伝搬することで周波数に依存して波形劣化した被変調波を、波形劣化補償手段を用いて波形劣化補償する方法であって、変調信号に対応する基準波形と、被変調波から検波された出力波形との時間波形誤差が最小になるように、該時間波形誤差を直接用いて該波形劣化補償手段の補償特性を周波数領域で制御することを特徴とするものである。
本発明が採用した第2の技術手段は、波形劣化補償装置であって、該装置は、伝送路を伝搬することで周波数に依存して波形劣化した被変調波の波形を補償する波形劣化補償手段と、被変調波から検波された出力波形を取得する手段と、変調信号に対応する基準波形を記憶する手段と、波形劣化補償手段の補償特性を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記基準波形と前記出力波形との時間波形誤差が最小になるように、該時間波形誤差を直接用いて波形劣化補償手段の補償特性を周波数領域で制御することを特徴とするものである。
本発明の特徴は、「周波数依存性が高い劣化現象を補正するために、(したがって通常は周波数領域で行う補正作業を)時間領域のデータをそのまま使って行う」点にある。補償の物理的手段も周波数領域の操作であるが、補償に際しては周波数データに変換する必要がない。本発明において、一つの好ましい態様では、被変調波は変調信号によって変調された光信号であり、前記伝送路は光伝送路である。しかしながら、本発明における波及び伝送路は、光及び光伝送路に限らず、本発明は、電気信号、電波、X線、超音波、音波などさまざまな波動が伝送路を伝搬する際の波形劣化補償に幅広く用いることができる。
一つの態様では、前記波形劣化補償手段の補償特性の制御は、前記波形劣化補償手段の制御変数を最適化することである。制御変数を最適化して補償特性を制御することは、適応的な波形劣化補償に有利である。一つの好ましい態様では、前記波形劣化補償手段は、可変分散補償器であり、前記補償特性の制御は、群遅延特性の制御変数を最適化することである。例えば、光伝送路を伝搬する光信号の波形劣化原因としては、分散、単純な減衰、非線形効果等が考えられるが、高速通信の場合には一般に、分散による影響が支配的であると考えられる。但し、本発明における波形劣化補償手段は、分散補償手段に限定されるものではなく、分散以外の原因に基づく波形劣化を補償してもよい。
一つの好ましい態様では、制御変数の最適化は、勾配を用いた最適化手段によって行う。勾配を用いた最適化手段としては、好ましくは、最急降下法が例示されるが、その他の手段、例えば、共役勾配法を用いてもよい。
一つの態様では、波形劣化補償装置は、光伝送システムにおける受信器の構成要素である。他の態様では、波形劣化補償装置は、光伝送システムにおける中継器の構成要素である。
本発明の可変分散補償器は、基本的にその制御変数と群遅延の関係がおおまかにわかっているものであれば、いかなるデバイスも用いることができる。具体的には、FBG(chirped-FBGを含む)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いたもの(微小な鏡を動かすなど)、VIPA型分散補償器(曲面ミラーによるもの)、リング共振器を用いたもの、空間光変調器とプリズムを用いたもの、等が例示される。
変調信号に対応する基準波形と出力波形の時間波形誤差は、両時間波形の差のノルムによって規定され、好適な例では、二乗ノルムである。時間波形誤差の計算処理において、出力波形の関数は、出力の波形を時間の関数として表す関数であって、出力波形そのものを表す関数、及び、出力波形のサンプリング値に基づく出力波形の概形の関数を含む。一つの態様では、時間波形誤差の計算処理では、サンプリングされた有限個の値の差を使用する。すなわち、出力波形をサンプリングした値(有限個、1つのパルスあたり3点とか5点)と理想的な波形(基準波形)のそれに相当する時刻の値(有限個)との差を評価する。他の態様では、波形をそのまま用いて時間波形誤差を求める。その場合には、基準波形も実際にパルス生成器で生成して、アナログで引き算や2乗を行う。
本発明に係る波形劣化補償は、時間波形誤差を直接利用するものであり、分散値の測定や周波数領域への変換を行う必要がないことから、システムのコストダウンが期待できる。また、本発明は、分散値の測定や周波数領域への変換を行う必要がない分、高速な分散補償が可能であり、適応的な分散補償に有利である。さらに、現在の分散補償システムでは、高速の補償が困難である2次以上の高次分散に関しても、原理的には短い時間で補償が可能である。
本発明の好ましい形態について説明する。先ず、本発明の前提となる伝送システムについて説明する。伝送システムは、送信器と、受信器と、送信器と受信器とを接続する伝送路とを有している。送信器には変調信号として入力波形が与えられる。変調信号に対応した基準波形frefを取得しておく。基準波形は、被変調波が光波の場合には、入力波形によって変調された光波(被変調波)を0kmの光ファイバ伝送後にフォトダイオード等の受光素子で受信したときに得られる電気信号であり、一般には変調信号とは異なるものになる。送信器から送り出された被変調波の波形を送信波形と呼ぶ。送信波形は、伝送路を伝搬した後に受信器に到達し、その波形を受信波形と呼ぶ。受信器内では、受信光波は補償器を通り、フォトダイオードで検波されて出力波形foutを出力する。出力波形は、電気信号である。ここでは、基準波形と出力波形(被変調波から検波された出力波形)の情報のみを直接に利用し、最急降下法を用いて、可変分散補償器の群遅延特性を最適化することで波形劣化した光信号の波形劣化を補償する、という手法について説明する。そして、シミュレーション実験により、その有効性を確認する。
[A]時間波形誤差を直接利用する最急降下法を用いた分散補償
[A−1]時間波形誤差の直接利用
波長分散は、光の波長によって媒質を伝搬する速度が異なるという周波数領域での現象である。そのため、多くの場合、その補償には、時間領域の波形をフーリエ変換するなどした周波数領域での情報が用いられている。しかし、現在の光通信において、情報の伝達に必要なのは、時間領域での情報のみであり、周波数領域の情報を求めることは、付加的な作業であるといえる。
そこで、時間領域での波形のみから、フーリエ変換を行うことなく、可変分散補償器を適応的に制御する方式を提案する。具体的には、時間領域で、実際の出力波形foutと伝送路の分散の影響を受けていないときの出力波形である基準波形frefから時間波形誤差Erを、
Figure 0004820984
と定義し、この値が最小になるように、簡単な近似(誤差関数の偏微分を求める際に、たとえば補償デバイスが持つ特性を、扱いやすい形の曲線で近似することが例示される)を用いて、最急降下法を利用することにより、可変分散補償器を制御する。
図2、図3に、適応的可変分散補償システムの模式図を示す。最急降下法を用いて、適応的に可変分散補償器の群遅延特性の係数(制御変数)を更新する。光変調器に入力される変調信号によって変調された光信号は、光ファイバに入射してある一定距離の伝搬後、分散の影響を受けて波形が劣化する。この劣化した信号は、可変分散補償器により分散補償されて出力される。分散補償器から出力された光信号は光検波器によって電気信号に変換される。このとき、可変分散補償器による分散補償の制御変数の更新は繰り返し行われ、受信光信号は分散補償される。ただし、ここでの入力信号である変調信号は、実際の伝送において使用される"1"あるいは"0"を表現するビットの波形の情報であり、受信端では、光変調器への入力信号に対応する基準波形は既知である。伝送路に分散の影響しかなく、補償対象が分散のみであると仮定した場合には、分散の影響を受けていないときの出力波形=基準波形frefであると考えられる。なお、伝送される情報は"1"または"0"の組み合わせにのっており、それら各ビットの波形にのっているわけではないため、特にパイロット信号を必要とせずに稼動状態で補償作業を行うことが可能である。
本発明は、図3に示すように、時間領域の誤差を直接利用して、周波数領域への変換を行うことなく、周波数領域の補償を行う点に特徴を有する。本発明では、フーリエ変換や分散値の直接測定の必要が無いため、高速かつ低コストの適応的分散補償システムの構築が可能である。その際、本発明では可変分散補償器の制御変数と制御特性の関係を得る必要がある。しかし、実験に示すように、その大まかな傾向が得られれば良いため、近似による簡単な計算のみで補償が実現できる。さらに、今後、通信速度の高速化に伴い、必要性が増すと考えられる高次分散の補償が要求される多変数の制御が必要なデバイスに対しても、高速の制御が期待できる。
[A−2]最急降下法
最急降下法(Steepest Descent method : SD method)は、図4に示すように、ある関数における極小点を決定する方法の一つである。この方法は、全探索や山下り法などに比べて、比較的速く安定に適応的に極小点を見つけ出すことができる。そのため、ニューラルネットをはじめとして多くの学習方式や適応システムにおいて、重要な役割を果たしている。
最急降下法のアルゴリズムは、初期値を適当に与えて、関数値を小さくする方向をその関数の傾きを目安にして決定し、局所探索に基づき繰り返し計算を行うというものである。このアルゴリズムは、多変数の場合にも拡張できる。ある多変数関数をEr (x1,x2,…,xN)としたとき、まず、初期値を適当に与える。
Figure 0004820984
次に、傾きの計算のためにEr (x1,x2,…,xN)をxiについて偏微分し、
Figure 0004820984
g1,g2,…,gNを得る。この値を利用して(x1,x2,…,xN)の値をεが適当な十分小さい定数として、
Figure 0004820984
と更新する。ここで、この更新によってEr (x1,x2,…,xN)が増加したり、大きく変化したりしなくなるまで以上の過程を繰り返し行い、極小値を決定する。
この方法では、図4に示すような極小値が複数存在するような関数では、初期値の取り方によって収束値が変化してしまうという問題点がある。これは、勾配法によってある関数の最小値を求めようと考えた場合に大きな問題となる場合がある。しかし、適切にεを設定することで、ある程度の高い確率で最小値を求めることが可能である。
このアルゴリズムを用いて、(1)式で示されている時間波形誤差Erの最小値を求めることにより、全検索や山下り法に比べて、迅速かつ適応的に最適な補償プロファイルを見つけ出すことが可能となる。
[A−3]適応的分散補償システム
図5に、本発明に係る時間波形誤差を直接利用する最急降下法を用いた適応的分散補償システムの概略図を示す。適応的分散補償システムが適用される光通信システムは、半導体レーザ及び光変調器から構成される送信器1及び送信器2と、光送信器1から出射された光信号が伝搬する光伝送路1(ルート1)と、送信器2から出射された光信号が伝搬する光伝送路2(ルート2)と、それぞれの伝送路に設けられたEDFA(エルビウム添加増幅器)と、光伝送路1と光伝送路2とを接続するOXC(光クロスコネクト装置)と、OXCを経由して送信される光信号を受信する受信装置を有する。受信装置は、OXCを経由して伝送される光信号の波形劣化を補償する可変分散補償器と、フォトダイオードから構成される受光素子と、増幅回路を備えており、可変分散補償器によって分散補償された光信号は受光素子によって電気信号に変換され(検波)、増幅回路によって増幅されて出力信号となる。そして出力信号は復調回路(判定回路)へと送られて"1"または"0"のビットが生成される。(なお実際には、多くの伝送経路と多くのOXCが複雑に入り組み、時々刻々さまざまに変化する経路を通った信号を、受信装置は受信することになる。)
光変調器によって変調された送信波形は、被変調光信号として、複数のルート(図5では二つのルートを示す)の中から任意に選択された一つのルートを通り、その距離やファイバの特性に応じた分散の影響を受ける。この劣化した信号は、可変分散補償器に入り、分散補償され、検波されて出力信号となる。可変分散補償器の補償特性は、出力波形foutと、あらかじめ記憶されている、伝送路の分散の影響を受けていないときの出力波形である基準波形frefと、から求められる時間波形誤差Erが最小となるように、最急降下法を用いて制御されている。このとき、選択されるルートは、逐次変化しているので、可変分散補償器の制御は、繰り返し行うものとする。
可変分散補償器の群遅延特性をτ(λ)とし、この可変分散補償器が、AからEまでの5つの制御変数を持つとしたとき、最急降下法による具体的な手続きを以下に示す。
(i) 可変分散補償器の初期値の設定
(A,B,C,D,E)=( A0,B0,C0,D0,E0)と置いて、初期値を、適当な値に設定する。一つの態様では、初期値を0に設定する。
(ii) 時間波形誤差の計算
(1)式に従いErを求める。適応的分散補償システムでは、基準信号、出力波形の受信電流パルスの時間波形をそれぞれ、fref(t)、fout(t,A,B,C,D,E)としたとき、一つのパルスの中で、時刻ti(i=1,2…)でサンプリングしてディジタル処理を行う場合には、まず次のように誤差関数Erが求められる。
Figure 0004820984
これは、信号をサンプリングして、その差の2乗の和を計算したA,B,C,D,Eの関数である。この値が小さくなるように最急降下法によってA,B,C,D,Eを決定することにより、適応的な分散補償が可能となる。
(iii) 傾きの計算
Erを可変分散補償器の制御変数で偏微分する。
Figure 0004820984
ここで、基準波形frefの半値幅(ガウシアン波形を仮定)をT0 、波長λの出力波形foutの最大値をとしたとき、出力信号foutの偏微分は、
Figure 0004820984
と近似できる。ただし、Tは時間、cは光速である。また、同様の方法で他の制御変数B,C,D,Eについても計算できる。
(iv) 制御変数の更新
式(9)にしたがって、制御変数を更新する。
Figure 0004820984
ただし、εは十分に小さい正の値とする。
(v) 判定
値の更新によってErが、大きく変化しなくなったら、そのときのA,B,C,D,Eが最適な制御変数となる。それ以外の場合には(ii)に戻り、同様のプロセスを繰り返す。また、分散状況が時々刻々と変化するような場合には、繰り返しを続ける。
[B]シミュレーションによる検証
[B−1]シミュレーションの条件
提案した適応的分散補償方式の有効性を確認するために、数値シミュレーションを行った。このシミュレーションでは、問題を単純化するために、伝送による光信号の影響は分散のみとし、自己位相変調などのその他の効果は考慮しなかった。また、損失に伴う振幅の変化については、光増幅器やAGC(Auto Gain Control)によって、これが回復しているものとした。
入力波形は、図6に示されているような、ガウス波形とし、中心波長は1550[nm]とした。伝送速度は、10[Gb/s]、40[Gb/s]の2通りについて、検証を行った。また、伝送路については、図7に示すような分散特性をもつSMFと分散シフトファイバ(Dispersion Shifted Fiber: DSF)を考えた。
[B−2]5項セルマイヤ式を用いたシミュレーション
光ファイバの群遅延特性は、一般的な近似式である5項セルマイヤ式によって式(10)のように表される。ファイバの種類や長さによって、具体的なA,B,C,D,Eが決まっている。
Figure 0004820984
一方、分散補償デバイスの特性もこれと類似に表されるものとし、式(10)で表し、補償変数A,B,C,D,Eを最適化によって求める。ここで、A,B,C,D,Eの初期値は全て0とした。また、基準波形は、図6に示したガウス波形である。尚、FBGやMEMS等を利用した一般の可変分散補償器を使用する場合は、そのデバイスの補償変数(制御変数)と群遅延の関係を用いることにより、本方法を有効に利用することが可能である。
図8,9にシミュレーション実験の結果を示す。図8は伝送速度10[Gb/s]で、SMFを100[km]伝送したときの結果、図9は伝送速度40[Gb/s]で、DSFを50[km]伝送したときの結果である。以上の結果より、可変分散補償器の群遅延特性を5項セルマイヤ式、つまり分散値の制限のない可変補償器と仮定した場合、本発明を用いることにより、適応的な分散補償が、可能であることを示している。またこの時、この極端な初期値からのそれぞれの計算時間は、0.188[s]、0.156[s]となり、高速な補償ができていることが確認された。
本発明は、高速の光ファイバ通信ネットワークシステム、特に頻繁に伝送経路が変化するメトロネットワークに利用され得る。
光ファイバの分散特性を示す図である。 適応的可変分散補償システムの模式図である。 適応的可変分散補償システムの模式図である。 最急降下法の模式図である。 最急降下法を用いた適応的分散補償システムを示す図である。 基準波形を示す図である。 SMF,DSFの分散特性を示す図である。 10[Gb/s],SMF,100[km]の伝送シミュレーション結果を示す図である。 40[Gb/s],DSF,50[km]の伝送シミュレーション結果を示す図である。

Claims (4)

  1. 光伝送路を伝搬することで周波数に依存して光の伝搬速度が異なること、つまり波長分散により波形劣化した被変調光信号を、時間領域の波形データを用いて可変分散補償器により波形劣化補償する方法であって、
    変調信号に対応する基準波形と、可変分散補償器により分散補償された被変調光信号から検波された出力波形と、から当該可変分散補償器の群遅延特性を決定する制御変数の応答である時間波形誤差を求め、
    時間波形誤差の値が最小になるように、関数の勾配を用いた最適化手段により該可変分散補償器の制御変数を最適化するものであり、
    前記最適化手段は、前記制御変数の関数である時間波形誤差関数を用いた最急降下法であり、
    最急降下法を用いた制御変数の最適化は、
    時間波形誤差関数の各制御変数に関する偏導関数を取得するステップと、
    可変分散補償器の制御変数の初期値を設定するステップと、
    変調信号に対応する基準波形と、可変分散補償器により分散補償された被変調光信号から検波された出力波形との時間波形誤差データを得るステップと、
    得られた時間波形誤差データに基づき、前記偏導関数によって制御変数の更新値を得るステップと、
    得られた更新値を用いて制御変数を更新するステップと、
    を備えている波形劣化補償法。
  2. 光伝送路を伝搬することで周波数に依存して光の伝搬速度が異なること、つまり波長分散により波形劣化した被変調光信号を時間領域の波形データを用いて補償する波形劣化補償装置であって、
    群遅延特性を備え、被変調光信号を分散補償する可変分散補償器と、
    可変分散補償器により分散補償された被変調光信号から検波された出力波形を取得する手段と、
    変調信号に対応する基準波形を記憶する手段と、
    前記基準波形と前記出力波形とから当該可変分散補償器の群遅延特性を決定する制御変数の応答である時間波形誤差データを得る手段と、
    可変分散補償器の制御変数を制御する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、時間波形誤差の値が最小になるように、関数の勾配を用いた最適化手段により該可変分散補償器の制御変数を最適化するものであり、
    前記最適化手段は、前記制御変数の関数である時間波形誤差関数を用いた最急降下法であり、時間波形誤差関数の各制御変数に関する偏導関数が用意されており、
    前記制御手段は、
    可変分散補償器の制御変数の初期値を設定する手段と、
    変調信号に対応する基準波形と、可変分散補償器により分散補償された被変調光信号から検波された出力波形との時間波形誤差データを得る手段と、
    得られた時間波形誤差データに基づき、前記偏導関数によって制御変数の更新値を得る手段と、
    得られた更新値を用いて制御変数を更新する手段と、
    を備えている波形劣化補償装置。
  3. 前記波形劣化補償装置は、光伝送システムにおける受信器の構成要素である、請求項に記載の波形劣化補償装置。
  4. 前記波形劣化補償装置は、光伝送システムにおける中継器の構成要素である、請求項に記載の波形劣化補償装置。
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