JP4825575B2 - ランチャンネルの取付方法及び同取付装置 - Google Patents

ランチャンネルの取付方法及び同取付装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車のドアサッシュへ軟性部材で構成されるランチャンネルを取付ける取付方法及び同取付装置の改良に関するものである。
従来のランチャンネルの取付方法及び同取付装置として、溝部を有する軟性部材としてのランチャンネルを被取付部である自動車ドアのサッシュに装着すべく、回動可能なローラをランチャンネルの溝部に嵌合させながら、ドアサッシュに沿って移動させるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−247270公報
特許文献1の図9(c)を以下の図11で説明する。なお、符号は振り直した。
図11は従来のランチャンネル取付要領を示す作用図である。
ランチャンネル101の2ヶ所が、自動車ドア100のサッシ102におけるフロントコーナ部103及びリヤコーナ部104の凹部に挿入された後、第1ロボットアーム106に取付けられたローラ107は、サッシ102のフロント部108の凹部に順次ランチャンネル101を押し込むために、フロントコーナ部103から下方に回動しながら移動する。
同様にして、第2ロボットアーム111に取付けられたローラ107は、サッシ102のアッパ部112の凹部に順次ランチャンネル101を押し込むために、リヤコーナ部104からフロントコーナ部103へ回動しながら移動する。
図11において、例えば、自動車ドア100の位置やサッシ102の寸法のばらつきが大きい場合には、予め第1ロボットアーム106及び第2ロボットアーム111に教示されたローラ107の経路がサッシ102の凹部から外れるおそれがあり、ランチャンネル101をサッシュ102に精度良く装着することができなくなる。
例えば、自動車ドア100の位置やサッシ102の寸法のばらつきの影響を無くすために、そのばらつきを計測して、その計測結果に基づいてローラ107の経路を修正する方法が考えられる。しかし、ランチャンネル101の取付時間が増え、ランチャンネルを取付ける取付装置のコストが増大する。
本発明の目的は、コストアップを抑えるとともにランチャンネルを被取付部に精度良く装着可能なランチャンネルの取付方法及び同取付装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、連続する溝部を有する長手の軟性部材で構成するランチャンネルを自動車のサッシュのサッシュ溝に装着するランチャンネルの取付方法において、回転可能でランチャンネルの溝部に嵌合可能としたローラと、このローラを支持する支持部に連結することでローラが受ける反力を検知可能な力覚センサと、この力覚センサを支持するとともにローラを移動可能とした搬送手段と、ランチャンネルに対してローラを、ローラの回転軸に直交する方向とローラの回転軸方向とサッシュに沿う方向とに移動させるために搬送手段に設けたアクチュエータと、力覚センサで検知した反力に基づいて、アクチュエータを制御する制御手段とを備える装置を用いて、ランチャンネルに対してローラを、ローラの回転軸に直交する方向に一定押付け力で押し付けると同時に前記ローラの回転軸方向に押付け力がゼロとなるように前記ローラを回転軸方向に移動させながら、ローラを前記サッシュ溝に沿って移動させることを特徴とする。
作用として、ランチャンネルに対してローラを、ローラの回転軸に直交する方向に一定押付け力で押し付けることで、ランチャンネルがサッシュのサッシュ溝に均一に押し込まれ、ランチャンネルに対してローラを、ローラの回転軸方向に押付け力がゼロとなるように回転軸方向に移動させることで、ローラの両側面がランチャンネルに接触しないか、あるいは、ローラの両側面がランチャンネルに均等に接触する。
以上の状態でローラをサッシュのサッシュ溝に沿って移動させることで、ランチャンネルが被取付部に装着される。
請求項2に係る発明は、連続する溝部を有する長手の軟性部材で構成するランチャンネルを自動車のサッシュのサッシュ溝に装着するランチャンネルの取付装置において、回転可能で前記ランチャンネルの溝部に嵌合可能としたローラと、このローラを支持する支持部に連結することでローラが受ける反力を検知可能な力覚センサと、この力覚センサを支持するとともにローラを移動可能とした搬送手段と、ランチャンネルに対してローラを、ローラの回転軸に直交する方向とローラの回転軸方向とサッシュのサッシュ溝に沿う方向とに移動させるために搬送手段に設けたアクチュエータと、力覚センサで検知した反力に基づいて、アクチュエータを制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
作用として、制御手段でアクチュエータを制御することにより、ローラが回転軸に直交する方向にランチャンネルを一定押付け力で押付けると同時にローラがランチャンネルを回転軸方向に押し付ける押付け力がゼロになるとともに、ローラがランチャンネルに対して移動し、ランチャンネルサッシュのサッシュ溝に装着される。
請求項1に係る発明では、ランチャンネルの溝部に嵌合する回転可能なローラで押し付けることで自動車のドアのサッシュのサッシュ溝に装着するランチャンネルの取付方法であって、ランチャンネルに対してローラを、ローラの回転軸に直交する方向に一定押付け力で押し付けると同時にローラの回転軸方向に押付け力がゼロとなるようにローラを回転軸方向に移動させながら、ローラをサッシュのサッシュ溝に対して移動させるので、ランチャンネルの各部をサッシュに均一に取付けることができ、精度良くランチャンネルサッシュに装着することができる。
請求項2に係る発明では、回転可能でランチャンネルの溝部に嵌合可能としたローラと、このローラを支持する支持部に連結することでローラが受ける反力を検知可能な力覚センサと、この力覚センサを支持するとともにローラを移動可能とした搬送手段と、ランチャンネルに対してローラを、ローラの回転軸に直交する方向とローラの回転軸方向とサッシュに沿う方向とに移動させるために搬送手段に設けたアクチュエータと、力覚センサで検知した反力に基づいて、アクチュエータを制御する制御手段とを備えるので、長手のランチャンネルの各部をサッシュに均一に取付けることができ、精度良くランチャンネルサッシュに装着することができる。
また、従来よりもコストを抑えてワークの位置やワークの寸法のばらつきの影響を受けずにランチャンネルを装着することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るランチャンネル取付装置及び車両用ドアを示す斜視図であり、車両用ドア10のガラス昇降動を案内する溝に嵌め込むシーリング及び衝撃吸収用の軟性部材としてのランチャンネル11を組み付けるためのランチャンネル取付装置12を示す。
ランチャンネル取付装置12は、フロアに取付けられたベース部15と、このベース部15に旋回自在に取付けられた旋回台16と、この旋回台16に取付けられた第1アーム17と、この第1アーム17に取付けられた第2アーム18と、この第2アーム18の先端側に取付けられたローラ装置20と、このローラ装置20の先端に備えるローラ21でランチャンネル11を押付けて自動車用ドア10に組付けるときにローラ21の押付け力、搬送速度及び押付け面の周速度を制御するローラ制御装置22とからなるロボットである。
上記した旋回台16、第1アーム17、第2アーム18、後述する揺動基部28(図3参照)は、ローラ装置20を搬送する、即ちローラ21を搬送する搬送部23を構成するものであり、搬送部23は、旋回台16に設けられた第1アクチュエータ24Aと、第1アーム17の旋回台16側の関節17aに設けられた第2アクチュエータ24Bと、第1アーム17の第2アーム18側の関節17bに設けられた第3アクチュエータ24Cと、
関節17bと第2アーム18との間に介在させた連結部29に設けられた第4アクチュエータ24Dと、第2アーム18の揺動基部28側の関節18aに設けられた第5アクチュエータ24Eとに駆動される。
ここで、A1は第1アクチュエータ24Aの回転軸となる鉛直軸、A2は第2アクチュエータ24Bの回転軸となる水平軸、A3は第3アクチュエータ24Cの回転軸となる水平軸、A4は第4アクチュエータ24Dの回転軸となる鉛直軸、A5は第5アクチュエータ24Eの回転軸となる水平軸である。
これらの第1アクチュエータ24A、第2アクチュエータ24B、第3アクチュエータ24C、第4アクチュエータ24D及び第5アクチュエータ24Eは、ランチャンネル取付装置12に備えられ、これら5台で、図5に示される第1駆動部87、第2駆動部88又は第3駆動部83が構成される。
図2は車両用ドアの斜視図であり、車両用ドア10は、車室側に配置されたインナパネル25と、このインナパネル25の外側に取付けられたアウタパネル26と、これらのインナパネル25及びアウタパネル26の上部に取付けられたサッシュ27(詳しくは、アッパサッシュ27Aと、インナパネル25とアウタパネル26との間にアッパサッシュ27Aに連続する状態で前後に設けられたロアサッシュ27B,27C)とを備え、サッシュ27の内周面(詳しくは、後述するサッシュ溝)にランチャンネル11が取付けられる。なお、11aはランチャンネル11のフロント側角部、11bはランチャンネル11のリヤ側角部、11c,11dはランチャンネル11の下部、27dはアッパサッシュ27Aのフロント側コーナー部、27eはアッパサッシュ27Aのリヤ側コーナー部である。
図3は本発明に係るローラ装置を示す斜視図であり、ローラ装置20は、第2アーム18でスイング自在に支持された揺動基部28に連結された力覚センサ32と、この力覚センサ32の先端に取付けられたサーボモータ33と、このサーボモータ33で駆動されるローラ21とからなる。なお、21aはローラ21の外周面である押付け面、21b、21c(一方の符号21cは不図示)はローラ21の側面、36はローラ21を支持するためにサーボモータ33の回転軸に取付けられたローラ支持軸(ローラ21の回転軸でもある。)である。
力覚センサ32は、互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸であり、例えば、サーボモータ33の回転軸、即ち、ローラ支持軸36の延びる方向をX軸、ローラ支持軸36に直交する方向をZ軸、これらのX軸及びZ軸に直角な方向をY軸とする。)の軸方向の力と、これらのX軸、Y軸、Z軸の各軸回りのトルクを検出するものであり、検出された力は力信号として出力される。
サーボモータ33は、その回転速度がローラ制御装置22によって制御される。即ち、車両用ドアのサッシュに沿ってローラ21が搬送されるときに、そのローラ21の搬送速度(搬送部23(図1参照)によって生じる速度である。)とローラ21の押付け面21aの周速度とが同一、あるいは、搬送速度に対してローラ21の周速度が大きくとも10%増しになるように制御される。
図4は本発明に係る車両用ドアへのランチャンネルの取付状態を示す断面図であり、車両用ドア、詳しくは、サッシュ27は、車外側に設けた車外側壁部41と、この車外側壁部41から車室側へ延ばした延出部42と、この延出部42の端部に形成した車室側壁部43とを含み、これらの車外側壁部41、延出部42及び車室側壁部43とで断面がほぼコ字形状のコ字断面部44を形成した部材である。なお、46は車外側壁部41に形成した第1窪み部、47は車室側壁部43に形成した第2窪み部、48はコ字断面部44の底部、49は車外側壁部41、車室側壁部43及び底部48からなるサッシュ溝である。
ランチャンネル11は、サッシュ27の底部48に沿って延びる底部51と、この底部51から一体に車外側壁部41に沿って延びる第1延出部52と、底部51から一体に車室側壁部43に沿って延びる第2延出部53とからなる断面がほぼコ字形状の軟質部材であり、これらの底部51、第1延出部52及び第2延出部53でドアガラス60の縁部が挿入される溝部54が形成される。
第1延出部52は、第1窪み部46の端部に掛けられた車外側リップ55と、端部に形成された車外側アウタリップ56及び車外側インナリップ57とからなり、車外側アウタリップ56は、車外側壁部41の端部に倣うように掛けられ、車外側インナリップ57は、ドアガラス60に当たることでシール性が確保される部分である。
第2延出部53は、第2窪み部47の端部に掛けられた車室側リップ61と、端部に形成された車室側アウタリップ62及び車室側インナリップ63とからなり、車室側アウタリップ62は、ドアガラス60に当たることでシール性が確保され、車室側インナリップ63は、車室側壁部43の端部に倣うように掛けられた部分である。
上記した車外側リップ55が第1窪み部46に掛かり、車室側リップ61が第2窪み部47に掛かることで、ランチャンネル11がサッシュ27のコ字断面部44に嵌合し、固定される。
図5は本発明に係るローラ制御装置を説明するブロック図であり、ローラ制御装置22は、ローラの押付け面がランチャンネルを押付ける押付け力の目標値、即ち力目標値F1を設定する第1力目標値設定部71と、この第1力目標値設定部71から力目標値F1が入力される減算器72と、力覚センサ32から出力された力信号SF1に基づいてローラに作用する反力R1を演算するとともに減算器72に反力R1を与える第1力演算部73と、ローラの側面がランチャンネルを押付ける押付け力の目標値、即ち力目標値F2を設定する第2力目標値設定部74と、この第2力目標値設定部74から力目標値F2が入力される減算器76と、力覚センサ32から出力された力信号SF2に基づいてローラに作用する反力R2を演算するとともに減算器76に反力R2を与える第2力演算部77と、減算器72で求められた偏差ΔF1(=R1−F1)及び減算器76で求められた偏差ΔF2(=R−F2)が入力される制御部78と、サーボモータ33の回転速度を検出するモータ回転速度検出部81が検出した回転速度に応じて出力された回転速度信号SVに基づいてローラの押付け面の周速度を演算するローラ周速度演算部82と、後述する第3駆動部83から出力されたローラのサッシュに沿う搬送速度V1とローラ周速度演算部82で求められたローラの周速度V2とを比較して偏差ΔV(=V2−V1)を求めるとともにこの偏差ΔVを制御部78に与える減算器84とからなる。
以上に述べたランチャンネル11の取付要領を図6〜図10で説明する。
図6は本発明に係るランチャンネルの取付要領を示す第2作用図である。
まず、図2において、ランチャンネル11のフロント側角部11aをアッパサッシュ27Aのフロント側コーナー部27dに治具又は人手によって嵌合させて仮固定し、ランチャンネル11のリヤ側角部11bをアッパサッシュ27Aのリヤ側コーナー部27eに治具又は人手によって嵌合させて仮固定する。また、ランチャンネル11の下部11c,11dは、インナパネル25とアウタパネル26との間に挿入する。
そして、図6に示すように、ランチャンネル取付装置を駆動させて、ローラ21を、矢印Aの向き(ローラ21のローラ支持軸36(図3参照)に直交する向き)に移動させ、車外側インナリップ57と車室側アウタリップ62との間から挿入し、ローラ21で底部51を押し付け、ランチャンネル11を矢印Bのように移動させてサッシュ27のサッシュ溝49に嵌める。
図2に示したランチャンネル11の下部11c,11dについては、別の装置でロアサッシュ27B,27Cに嵌合させる。
図7は本発明に係るランチャンネルの取付要領を示す第2作用図であり、ランチャンネル11がサッシュ27のサッシュ溝49に嵌合された状態を示す。
この状態で、ローラ制御装置22(図1参照)による制御により、ローラ21を、ローラ支軸36と直交する方向(図6に示した矢印Bの方向)に一定押付け力F1でランチャンネル11の底部51を押し付けながら、ローラ21を所定回転速度で回転させつつ、サッシュ27のサッシュ溝49に沿って移動させる。
これと同時に、ローラ制御装置22(図1参照)による制御により、ローラ21を、ローラ支持軸36の延びる方向(以下「ローラ21の回転軸方向」と記す。)にローラ21に作用する反力(力覚センサが検知する反力)が所定値、即ちゼロになるように移動させる。
即ち、ローラ21をランチャンネル11内に挿入したときには、ローラ21の側面21bは、第1延出部52(主に、車外側インナリップ57)に反力としての押付け力Faで押し付けられ、ローラ21の側面21cは、第2延出部53(主に、車室側アウタリップ62)に反力としての押付け力Fb押し付けられるため、これらの押付け力の差(反力の差であり、Fa−Fbである。)がゼロになるようにローラ21を回転軸方向に移動させる。
ローラ21を回転軸方向に移動させるときには、ローラ21の回転軸方向にローラ21の押付け面21aとランチャンネル11の底部51との間の摩擦力(摩擦力の方向はローラ21の回転軸方向であり、ローラ21が移動する向きとは反対の向きに摩擦力が発生する。)も作用する。この摩擦力をFrとすると、Fr=μ・F1(μは摩擦係数)で表される。この影響については図9で説明する。
また、ローラ21の厚さが、ローラ21を挿入前の車外側インナリップ57と車室側アウタリップ62との間の距離よりも小さい場合には、ローラ21が車外側インナリップ57又は車室側アウタリップ62に接触しない限り、上記した押付け力Fa,Fbは発生しない。この場合も(Fa−Fb)はゼロになる。
図8(a),(b)は本発明に係るランチャンネルの取付要領を示す第3作用図である。なお、ランチャンネル取付装置12は簡略化して示した。
(a)に示すように、ローラ21をサッシュ27のコ字断面部44に沿って移動させながら、コ字断面部44内にランチャンネル11を順次嵌合させていく。
(b)ではサッシュ27のコ字断面部44の形状に各部分でばらつきがあり、例えば、図に示すようにうねりが発生している場合について説明する。図では作用が理解しやすいようにコ字断面部44のうねりを誇張して描いた。
初めにローラ21が位置P1に有り、この位置P1から矢印Dに示すように直進して位置P2(クロスハッチングを施した位置である。)に達したときには、ローラ21に側面21bの先端側(黒く塗りつぶした部分である。)がランチャンネル11を大きく撓ませるため、側面21bに作用する押付け力Fa(図7参照)が側面21c側に作用する押付け力Fb(図7参照)より大きくなり、ローラ21には進行方向に直交する白抜き矢印で示す右向きの反力R2(=Fa−Fb)が発生する。
このとき、本発明では、ローラ21を矢印Fの向き(ローラ21の回転軸方向)に移動させて反力R2をゼロになるようにする。これにより、以降はローラ21は、位置P3〜位置P6に示すようにコ字断面部44に沿って移動することが可能になる。
図9(a),(b)は本発明に係るランチャンネルの取付要領を示す第4作用図であり、ローラに作用する回転軸方向の力を示すグラフである。
(a)はローラにランチャンネルから作用するリップによる押付け力(反力)とローラの回転軸方向の位置との関係を示すグラフであり、縦軸はリップ押付け力、横軸はローラ回転軸方向位置を表す。
グラフ中の実線は車外側リップ部(図4に示した第1延出部52、特に車外側インナリップ57)のリップ押付け力Faを示し、ローラが車外側から車室側に移動するにつれて、ローラ側面に当たっている車外側リップ部の撓みが次第に小さくなり、リップ押付け力Faは次第に低下して、ローラ回転軸方向位置がB2でゼロになる。ここで車外側リップ部はローラの側面から離れる。
また、グラフ中の破線は車室側リップ部(図4に示した第2延出部53、特に車室側アウタリップ62)のリップ押付け力Fbを示し、ローラが車外側から車室側に移動するにつれてローラ回転軸方向位置B1ではローラ側面が車室側リップ部に当たり始めてリップ押付け力Fbが発生し始め、次第にリップ押付け力Fbは大きくなり、ローラ回転軸方向位置がNでリップ押付け力Fbが、車外側リップ部のリップ押付け力Faと同一になり、2本の曲線は交差する。この後、ローラが車外側から車室側に移動するにつれて車室側リップ部のリップ押付け力Fbが更に増加する。
(b)はローラの回転軸方向の移動によって力覚センサが検知する検知反力R2と、ローラ回転軸方向位置との関係を示すグラフであり、(a)のグラフを元にして作成したものである。縦軸は力覚センサの検知反力R2、横軸はローラ回転軸方向位置を表す。
ローラが車外側から車室側へ移動するにつれて、検知反力R2、即ち(車外側リップ部のリップ押付け力Faと車室側リップ部のリップ押付け力Fbとの差)は次第に小さくなる。
ローラ回転軸方向位置B1より車外側では、ローラに車外側リップ部のリップ押付け力Faだけが作用し、ローラ回転軸方向位置B1〜ローラ回転軸方向位置B2までは、ローラに(Fa−Fb)が作用し、ローラ回転軸方向位置B2から車室側ではローラに車室側リップ部のリップ押付け力Fbだけが作用する。なお、KR1はローラ回転軸方向位置がB1のときの検知反力、KR2はローラ回転軸方向位置がB2のときの検知反力である。
ローラ回転軸方向位置B1〜ローラ回転軸方向位置B2の間では、Fa=Fbとなったときに検知反力R2がゼロになる。従って、ローラのローラ回転軸方向位置を制御することで、検知反力R2をゼロに保つことができる。
図7で説明したローラ21の押付け面21aとランチャンネル11の底部51との間の摩擦力Frが大きい場合は、図9(b)において、ローラを回転軸方向に移動させると、車外側から車室側への移動のときには、移動方向の反対の方向に摩擦力Frが発生し、この摩擦力Frがリップ押付け力Fbに加わるため、検知反力としては摩擦力Fr分だけ実線で示した反力曲線の値より小さい値となる破線で示す反力曲線を描き、車室側から車外側への移動のときには、移動方向の反対の方向に摩擦力Frが発生し、この摩擦力Frがリップ押付け力Faに加わるため、検出反力としては摩擦力Fr分だけ実線で示した反力曲線の値より大きい値となる一点鎖線で示す反力曲線を描く。
例えば、破線の反力曲線上に任意の点P,Qを設け、一点鎖線の反力曲線上に任意の点R,Sを設けたときに、ローラを車外側から車室側へ移動させたときには、破線の反力曲線上を点P側から点Q側へ検知反力R2が変化し、点Qでローラの移動方向を車室側から車外側へ変更したときには点Qから点Rへ検知反力R2が変化し、更に、一点鎖線の反力曲線上を点Rから点S側へ移動し、点Sでローラの移動方向を車外側から車室側へ変更したときには点Sから点Pへ検知反力R2が変化し、更に破線の反力曲線上を点Pから点Q側へ検知反力R2が変化する。従って、ローラのローラ回転軸方向位置を制御することで、検知反力R2をFr又は−Frに保つことができる。
図10(a),(b)は本発明に係るランチャンネルの取付要領を示す第5作用図であり、ローラの搬送速度に対する回転速度の制御について説明する。(a)は比較例であり、(b)は実施例、即ち、本発明に係るランチャンネルの取付要領を示す作用図である。
(a)において、ローラ120でランチャンネル121を押付けてサッシュ122に取付けるときに、ローラ120に駆動力を与えずにフリーに回転させてローラ120を搬送速度V1で搬送する。
このとき、ローラ120の搬送速度V1による搬送に伴ってランチャンネル121が矢印Gで示すように、ローラ120の進行方向に押し出され、ローラ120の前方のランチャンネル121に湾曲するように弛んだたるみ部123が出来る。
これに対して、(b)に示す実施例では、ローラ21は、その外周面、即ちランチャンネル11を押付ける押付け面21aの周速度V2が、ローラ21の搬送速度V1と同一となるように矢印Hで示す方向に回転する。
あるいは、ローラ21は、ローラ21の周速度V2がローラ21の搬送速度V1と同一となるように回転し、ローラ21の搬送中に少なくともその搬送経路の一部(又は、全押付け時の中で少なくとも一時的に)にて最大で周速度V2が搬送速度V1+α(例えば、α=0.1V1)で矢印Hで示す方向に回転する。
これにより、ランチャンネル11は、矢印Jで示す向きに戻され、ローラ21の進行方向前側のランチャンネル11にはたるみが発生せず、サッシュ27に均一に嵌合させて取付けることができる。
以上に述べたランチャンネル11の取付要領を、図5に戻ってローラ制御装置22の側から説明する。
図5において、制御部78は、偏差ΔF1がゼロになるように、ランチャンネル取付装置に備えるロボット駆動部86、詳しくは第1駆動部87に第1位置制御信号SP1を送り、第1駆動部87で搬送部23を駆動し、ローラ21をサッシュに近づけるあるいは遠ざける方向に移動させ、ローラ21が力目標値F1一定でランチャンネルを押付けるように制御する。
また、偏差ΔF2がゼロになるように、ロボット駆動部86の第2駆動部88に第2位置制御信号SP2を送り、第2駆動部88で搬送部23を駆動し、ローラ21を回転軸方向に移動させ、力目標値F2がゼロ(ローラとランチャンネルとの間の摩擦力Frが無視できないほど大きい場合には力目標値F2がFr又は−Fr)になるように制御する。
更に、制御部78は、第3駆動部83に第3位置制御信号SP3を送り、第3駆動部83で搬送部23を駆動し、ローラ21をサッシュに沿って所定の搬送速度V1で搬送するように制御する。この搬送速度V1は、第3駆動部83から減算器84に与えられる。
更に、制御部78は、偏差ΔVがゼロになるように、ランチャンネル取付装置に備えるモータ駆動部91に回転制御信号SCを送り、モータ駆動部91でサーボモータ33の回転速度を制御し、ローラ21の周速度V2が搬送速度V1と同一か、あるいは、周速度V2が搬送速度V1と同一となるのに加えてローラ21の搬送中少なくとも搬送経路の一部で周速度V2が搬送速度V1よりも大きくなる(例えば、周速度V2を最大で搬送速度V1の10%増しとする)ようにする。
以上の図3、図4及び図7で示したように、本発明は第1に、連続する溝部54を有する長手の軟性部材としてのランチャンネル11を、溝部54に嵌合する回転可能なローラ21で押し付けることで長手の被取付部としてのサッシュ27に装着するランチャンネル取付方法であって、ランチャンネル11に対してローラ21を、ローラ21の回転軸としてのローラ支持軸36に直交する方向に一定押付け力F1で押し付けると同時にローラ21の回転軸方向に押付け力F2(=R2)がゼロとなるようにローラ21を回転軸方向に移動させながら、ローラ21をサッシュ27のサッシュ溝49に沿って移動させることを特徴とする。
これにより、長手のランチャンネル11の各部をサッシュ27に均一に取付けることができ、精度良くランチャンネル11をサッシュ27に装着することができる。
本発明は第2に、図1、図4及び図5に示したように、連続する溝部54を有する長手のランチャンネル11を長手のサッシュ27のサッシュ溝49に装着するランチャンネル取付装置10(図1参照)において、回転可能で溝部54に嵌合可能としたローラ21と、このローラ21を支持する支持部としてのサーボモータ33に連結することでローラ21が受ける反力を検知可能な力覚センサ32と、この力覚センサ32を支持するとともにローラ21を移動可能とした搬送手段としての搬送部23と、ランチャンネル11に対してローラ21を、ローラ21のローラ支持軸36に直交する方向とローラ21の回転軸方向とサッシュ27のサッシュ溝49に沿う方向とに移動させるために搬送部23に設けたアクチュエータとしての第1駆動部87、第2駆動部88、第3駆動部83と、力覚センサ32(図3参照)で検知した検知反力R2に基づいて、第1駆動部87、第2駆動部88、第3駆動部83を制御する制御手段としてのローラ制御装置22とを備えることを特徴とする。
これにより、長手のランチャンネル11の各部をサッシュ27に均一に取付けることができ、精度良くランチャンネル11をサッシュ27に装着することができる。
また、従来よりもコストを抑えてワークとしての自動車用ドア10の位置や自動車用ドア10の寸法のばらつきの影響を受けずにランチャンネル11を装着することができる。
尚、本実施形態では、図10(b)に示したように、ローラ21に駆動力を作用させながらサッシュ27に沿って移動させたが、ランチャンネル11の硬度によってはローラ21に駆動力を与えずにフリーで回転させながらランチャンネル11を嵌合させてもよい。
本発明のランチャンネルの取付装置は、自動車用ドアにサッシュを備える四輪車に好適である。
本発明に係るランチャンネル取付装置及び車両用ドアを示す斜視図である。 車両用ドアの斜視図である。 本発明に係るローラ装置を示す斜視図である。 本発明に係る車両用ドアへのランチャンネルの取付状態を示す断面図である。 本発明に係るローラ制御装置を説明するブロック図である。 本発明に係るランチャンネルの取付要領を示す第1作用図である。 本発明に係るランチャンネルの取付要領を示す第2作用図である。 本発明に係るランチャンネルの取付要領を示す第3作用図である。 本発明に係るランチャンネルの取付要領を示す第4作用図である。 本発明に係るランチャンネルの取付要領を示す第5作用図である。 従来のランチャンネル取付要領を示す作用図である。
符号の説明
10…車両用ドア、11…ランチャンネル、12…ランチャンネル取付装置、21…ローラ、22…制御手段(ローラ制御装置)、23…搬送手段(搬送部)、27…被取付部(サッシュ)、32…力覚センサ、33…支持部(サーボモータ)、36…ローラの回転軸(ローラ支持軸)、54…溝部、83,87,88…アクチュエータ、F1,F2…押付け力(力目標値)。

Claims (2)

  1. 連続する溝部を有する長手の軟性部材で構成するランチャンネルを自動車のサッシュのサッシュ溝に装着するランチャンネルの取付方法において、
    回転可能で前記ランチャンネルの溝部に嵌合可能としたローラと、このローラを支持する支持部に連結することで前記ローラが受ける反力を検知可能な力覚センサと、この力覚センサを支持するとともに前記ローラを移動可能とした搬送手段と、前記ランチャンネルに対して前記ローラを、ローラの回転軸に直交する方向とローラの回転軸方向と前記サッシュに沿う方向とに移動させるために前記搬送手段に設けたアクチュエータと、前記力覚センサで検知した反力に基づいて、前記アクチュエータを制御する制御手段とを備える装置を用いて、
    前記ランチャンネルに対して前記ローラを、ローラの回転軸に直交する方向に一定押付け力で押し付けると同時に前記ローラの回転軸方向に押付け力がゼロとなるように前記ローラを回転軸方向に移動させながら、前記ローラを前記サッシュ溝に沿って移動させる、
    ことを特徴とするランチャンネルの取付方法。
  2. 連続する溝部を有する長手の軟性部材で構成するランチャンネルを自動車のサッシュのサッシュ溝に装着するランチャンネルの取付装置において、
    回転可能で前記ランチャンネルの溝部に嵌合可能としたローラと、
    このローラを支持する支持部に連結することで前記ローラが受ける反力を検知可能な力覚センサと、
    この力覚センサを支持するとともに前記ローラを移動可能とした搬送手段と、
    前記ランチャンネルに対して前記ローラを、ローラの回転軸に直交する方向とローラの回転軸方向と前記サッシュのサッシュ溝に沿う方向とに移動させるために前記搬送手段に設けたアクチュエータと、
    前記力覚センサで検知した反力に基づいて、前記アクチュエータを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするランチャンネルの取付装置。
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