JP4825713B2 - 制動装置および建具 - Google Patents

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Description

本発明は、制動装置および建具に関し、詳しくは、枠体に回動開閉自在に支持された面材の開閉速度を制御する制動装置、この制動装置を備えた建具に関する。
従来、引き戸の開閉速度を減速させる制動装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された制動装置は、引き戸をスライド案内する鴨居(上枠)に固定した制動部材と、引き戸(面材)の上端縁に固定した当接部材とで構成されている。そして、制動部材は、長尺なレール状に形成され、その側面に一対の制動板を有し、当接部材は、断面凹溝状に形成されるとともに凹溝内部における一対の側面に固定され摺動部材を有して構成されている。このような制動装置では、引き戸を閉じる際に、当接部材の摺動部材が制動部材の制動板を挟み込むようにして互いに摺動することで、摺動部材と制動板とに摩擦抵抗力を発生させ、この摩擦抵抗力によって引き戸の閉鎖速度を減速させる構成になっている。
特許第3423180号公報
しかしながら、従来の制動装置が設けられた建具は、引き戸つまり面材がスライド開閉可能に支持されたものであり、面材の閉鎖(または開放)直前位置に制動部材が設けられ、スライド開閉の中間位置には制動部材が設けられていない。すなわち、従来の制動装置は、面材が閉鎖(または開放)された際に勢いよく柱(縦枠)に当接することを防止するためのもので、スライド開閉の中間位置における面材の開閉速度を制御するものではない。ここで、制動部材を上枠の全長に渡る長さ寸法にすることも考えられるが、このようにすると、面材の開閉抵抗が大きくなって操作性が悪化してしまうとともに、制動部材が長くなってコスト増加を招いてしまうという不都合もある。
また、従来の制動装置では、摺動部材が摩擦抵抗の大きな材質で構成されているため、面材を閉鎖する直前位置において制動板と摺動した際に急激かつ大きな摩擦抵抗力が発生することとなる。このため、閉鎖操作の途中で面材が止まってしまったり、急に大きな操作力が必要になったり、閉鎖状態から開放する際においても初期に大きな操作力が必要で途中から急に軽くなったりなど、開閉操作の途中で操作力が大きく変動することから良好な操作性が得られないという問題がある。さらに、摩擦抵抗の大きな摺動部材を用いているため、発生する摩擦抵抗力の調節範囲が狭く、前述のような操作力の変動を摩擦抵抗力の調節により解消することも困難である。
本発明の目的は、制動力の調節範囲が拡大できて面材の開閉操作性の向上を図ることができる制動装置および建具を提供することにある。
本発明の制動装置は、枠体に回動開閉自在に支持された面材を備えた建具に設けられて前記面材の開閉速度を制御する制動装置であって、前記枠体および面材の一方に設けられて互いに対向する一対の対向面を有した案内部と、前記対向面間に設けられて前記案内部にスライド案内されるスライダと、前記スライダに回動自在に連結されるとともに前記枠体および面材の他方に軸支されたアームと、前記一対の対向面の少なくとも一方に設けられて前記スライダと摺接可能な低摩擦面と、前記低摩擦面と前記スライダとの押圧力を調節する押圧力調節手段とを備え、前記一対の対向面は、それぞれ金属板材から形成され、前記押圧力調節手段は、前記スライダのスライド方向に沿った前記案内部の両端部のうち、少なくとも一方側の端部に設けられるとともに、前記金属板材に螺合する螺合部材を有して前記案内部の対向面間の距離を変更することで押圧力を調節可能な距離調節機構で構成されていることを特徴とする。
ここで、本発明の制動装置が設けられる建具としては、面材である扉体が回動開閉可能に設けられたドア等の出入り口に用いられるものであってもよく、また面材である障子が回動開閉可能に設けられた開き窓や突き出し窓、外倒し窓、内倒し窓等であってもよい。また、低摩擦面としては、対向面を構成する部材自体の表面で構成されていてもよく、また対向面を構成する部材と別体で形成したものを対向面とスライダとの間に介挿して構成されていてもよい。
以上の本発明によれば、枠体と回動開閉可能に設けられた面材とをアームを用いた制動装置で連結し、ドア等の扉体や開き窓等の障子の開閉速度を適宜に制御することで、開閉に伴って面材が枠体や壁等に勢いよく衝突することが防止でき、開閉音も抑制することができる。そして、スライダが案内部にスライド案内されることで、案内される全長に渡って低摩擦面を設けることも可能になり、面材の開閉操作の全区間において、その開閉速度を制御することもできる。この際、スライダがアームを介してスライド移動される、すなわちアームがリンクとして機能するので、アームと枠体や面材との連結位置、アームの長さ等を適宜に設定すれば、案内部の長さ寸法をさほど長くしなくても、面材の開閉全区間に対応してスライダをスライド案内することができる。
さらに、案内部の対向面にスライダと摺接可能な低摩擦面を設けるとともに、それらの間の押圧力を押圧力調節手段で調節することで、小さな摩擦抵抗力から大きな摩擦抵抗力までの広い範囲で摩擦抵抗力を調節することができる。すなわち、小さな押圧力と高い摩擦係数とによって摩擦抵抗力を得る場合には、部品の製作精度や押圧力の調節精度、装置の長期使用による摩耗等が大きく影響して所定の摩擦抵抗力を確保することが困難となるが、低い摩擦係数に対して相対的に大きな押圧力を作用させることで所定の摩擦抵抗力を高精度に発生させることができる。従って、ある程度小さな押圧力で低摩擦面とスライダとを押圧した状態から、押圧力を調節して大きくしていくだけで摩擦抵抗力を略線形に高めることができ、容易な調節作業によって調節範囲を拡大させることができる。
以上により、面材の閉鎖直前位置や開放直前位置に限らずに開閉全区間において面材の開閉速度を制御することができ、開閉途中における操作力の急激な変動が防止できるとともに、所定の摩擦抵抗力を高精度に発生させることができるので、操作性を向上させることができる。
この際、本発明の制動装置では、前記押圧力調節手段は、前記案内部の対向面間の距離を変更することで押圧力を調節可能な距離調節機構で構成されている
このような構成によれば、距離調節機構によって対向面間の距離を変更することで押圧力を調節することで、押圧力の調節が容易にでき、所定の摩擦抵抗力を確実に得ることができる。距離調節機構としては、例えば、ボルト等の螺合部材を用いた締め付け機構が例示できるが、このような機構を用いれば、螺合部材を締め付けていくだけで大きな押圧力を容易に作用させることができ、低摩擦面に発生する摩擦抵抗力を高精度に調節することができる。
さらに、本発明の制動装置では、前記距離調節機構は、前記スライダのスライド方向に沿った前記案内部の両端部のうち、少なくとも一方側の端部に設けられている
このような構成によれば、案内部の両端部のうちの一方または両方に距離調節機構を設けることで、スライダのスライド方向に沿った一方側と他方側とで対向面間の距離が相違するようにも距離調節可能になる。従って、スライダのスライド位置に応じて押圧力を変動させることができ、例えば、面材の閉鎖側に対応して押圧力が大きくなるように対向面間の距離を変更すれば、閉鎖方向に向かって徐々に摩擦抵抗力が大きくなり、面材が緩やかかつ静かに閉じるようにできる。
以上において、本発明の制動装置では、前記低摩擦面と前記スライダとは、互いの動摩擦係数が0.03〜0.13の範囲となる材質の組み合わせで構成されていることが好ましい。
ここで、動摩擦係数が0.03〜0.13の範囲となる低摩擦面およびスライダの材質の組み合わせとしては、例えば、鋼鉄同士や樹脂同士、あるいは一方が鋼鉄で他方が樹脂など、各種素材の組み合わせが利用可能である。さらに、両方が鋼鉄で摩擦面に潤滑油を塗布した組み合わせや、一方が鋼鉄で他方がフッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の四フッ化エチレン樹脂)からなる組み合わせによれば、動摩擦係数を0.05程度以下に設定することができ、より好ましい。
そして、本発明の制動装置では、前記低摩擦面は、フッ素樹脂を含んで形成され、前記一対の対向面の少なくとも一方と前記スライダとの間に介挿された低摩擦樹脂シートで構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、前述のように小さな摩擦抵抗力から大きな摩擦抵抗力までの広い範囲で摩擦抵抗力を調節することができ、容易な調節作業によって調節範囲を拡大させることができる。ここで、低摩擦樹脂シートを構成するフッ素樹脂としては、例えば四フッ化エチレン樹脂が利用可能である。
また、本発明の制動装置では、前記案内部は、一対の側面部を有して全体ケース状に形成された案内部材で構成されていることが好ましい。
また、前記一対の対向面は、前記一対の側面部の各々の内面で構成され、前記一対の側面部に前記低摩擦面が設けられるとともに、これらの低摩擦面に当接しかつ当該一対の側面部間に前記スライダが挟持された状態において、前記案内部材が前記枠体および面材の一方に形成された凹溝部に取り付けられることが好ましい。
このような構成によれば、案内部材にスライダを組み合わせた状態、つまりアームを除く制動装置を組み立てた状態で枠体や面材に取り付けることで、取付作業を容易にできる。さらに、低摩擦面に当接させてスライダを案内部材に組み込んだ状態で、押圧力調節手段によって低摩擦面とスライダとの間の押圧力を予め調節しておくことができ、枠体や面材に取り付けてから調節するよりも調節作業を容易かつ高精度に実施することができる。
一方、本発明の建具は、枠体と、この枠体に回動開閉自在に支持された面材と、この面材の開閉速度を制御する前記いずれかの制動装置とを備えたことを特徴とする。
このような建具によれば、前述の制動装置と略同様の効果、すなわち制動装置の制動力を広い範囲で調節することができるとともに、面材の開閉操作性の向上を図ることができるという効果を奏する。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る建具であるドア1を示す斜視図である。図2は、ドア1における面材を示す平面図である。図3(A),(B)は、ドア1に設けられる制動装置11を示す平面図および側面図である。図4、図5は、それぞれ制動装置11を示す斜視図および断面図である。
図1および図2において、ドア1は、建物の玄関や屋内各室の出入り口等に設けられるものであって、枠体としての建具枠2と、この建具枠2に回動開閉自在に支持された面材としての扉体3とを有して構成されている。建具枠2は、上枠4、下枠5および左右の縦枠6を四周枠組みして形成され、扉体3は、上框7、下框8および左右の縦框9を四周框組みした内部にガラス製や樹脂製のパネル材10を嵌め込んで構成されている。そして、扉体3は、その吊り元側端縁である一方の縦框9Aの上下端部がそれぞれ上枠4および下枠5に軸支され、戸先側端縁である他方の縦框9Bが縦枠6から離れる方向に開放可能に設けられている。そして、上枠4と上框7とは、扉体3の開閉速度を制御する制動装置11で連結されている。なお、制動装置11は、扉体3の開閉速度を制御するとともに、扉体3の開放角度を規制する開放角度規制装置としても機能するようになっている。
制動装置11は、図3〜図5にも示すように、扉体3の上框7の凹溝部7Aに取り付けられる制動装置本体12と、この制動装置本体12と上枠4とを連結するアーム13とを備えて構成されている。制動装置本体12は、上框7に固定される全体ケース状の案内部材(案内部)14と、この案内部材14内部に設けられてスライド案内されるスライダ15と、このスライダ15と摺接可能に案内部材14内部に固定された低摩擦部材としての低摩擦樹脂シート16とを有して構成されている。そして、アーム13は、その一端がピン13Aを介してスライダ15に軸支されるとともに、他端が上枠4の下面に回動自在に連結されている。また、低摩擦樹脂シート16は、フッ素樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)を含有した合成樹脂製であって、シート状に加工されたものである。
案内部材14は、金属板材から折り曲げ加工により形成されたもので、底面部141と、この底面部141から立ち上がって互いに対向する一対の側面部142と、これらの側面部142の長手方向の一方側(図3の右側)端縁同士を連結する第1端面部143と、長手方向の他方側に設けられる第2端面部144とを有して構成されている。そして、案内部材14の第2端面部144側には、一対の側面部142の各々に連続して当該案内部材14の長手方向外方に延びる一対の延出片部145が形成され、これらの延出片部145同士は、それぞれを貫通する螺合部材である六角ボルト146で連結されている。また、底面部141における長手方向両端部には、当該案内部材14を上框7の凹溝部7A底面に固定するための固定片部147が形成されている。このような案内部材14において、一対の側面部142の内面によって、互いに対向する一対の対向面142Aが構成され、これらの対向面142Aに低摩擦樹脂シート16が接着剤等で貼り付け固定されている。
スライダ15は、エンジニアリングプラスチック等からなる樹脂成形品であって、全体略直方体状に形成されている。なお、スライダ15は、ステンレス鋼や炭素鋼等の鋼鉄製でもよく、またアルミや黄銅等の適宜な合金製であってもよい。このスライダ15は、案内部材14の長手方向に沿い一対の対向面142Aに対向する一対の摺接面部151を有して形成されるとともに、スライダ15の上面には、アーム13のピン13Aが挿入される挿通孔152が設けられている。このようなスライダ15は、扉体3の開閉に伴ってアーム13からの移動規制を受け、案内部材14の内部をスライド移動するようになっている。そして、スライダ15の一対の摺接面部151は、それぞれ一対の対向面142Aに固定された低摩擦樹脂シート16と摺接可能になっており、このようにスライダ15と低摩擦樹脂シート16とが摺接することで、摩擦抵抗力が発生するようになっている。このようなスライダ15と低摩擦樹脂シート16とにおける互いの動摩擦係数μは、0.03〜0.13(0.03≦μ≦0.13)の範囲に設定され、好ましくは0.05程度以下(μ≦0.05)となるように設定されている。
以上の制動装置本体12において、延出片部145と、六角ボルト146と、一対の延出片部145間に介挿されるスペーサ171とによって、押圧力調節手段としての距離調節機構17が構成されている。すなわち、一対の延出片部145間に適宜な厚さ寸法および剛性を有したスペーサ171を介挿した状態で、六角ボルト146を締め付けることで延出片部145同士の距離、つまり一対の側面部142(対向面142A)間の距離が調節可能になっている。従って、対向面142A間にスライダ15を配置した状態において、六角ボルト146を締め付けて対向面142A間の距離を短くするか、または六角ボルト146を緩めて対向面142A間の距離を長くすることで、低摩擦樹脂シート16とスライダ15の摺接面部151との押圧力が調節でき、これにより押圧力調節手段が構成されている。
なお、本実施形態において、押圧力調節手段としての距離調節機構17は、前述のように案内部材14の片側だけに設けられたものに限らず、以下の図6および図7に示すように、案内部材14におけるスライダ15のスライド方向両側に設けられたものでもよい。ここで、図6(A),(B)は、本実施形態の変形例に係る制動装置11Aを示す平面図および側面図であり、図7は、制動装置11Aを示す斜視図である。
この制動装置11Aでは、案内部材14の第1端面部143側および第2端面部144側の両側に、それぞれ前述と同様の一対の延出片部145が形成され、これらの延出片部145同士がスペーサ171を介して六角ボルト146で連結され、これらの延出片部145、六角ボルト146およびスペーサ171によって2箇所の距離調節機構17が構成されている。従って、左右の距離調節機構17によって異なる厚さ寸法を有するスペーサ171を用いたり、六角ボルト146の締め付け力を変えたりすることで、スライダ15のスライド位置に応じて発生する摩擦抵抗力を変動させることができるようになっている。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、扉体3の上框7に取り付けた制動装置本体12のスライダ15と、建具枠2の上枠4に回動自在に連結されたアーム13とが連結され、扉体3の開閉に伴ってスライダ15が案内部材14内をスライドして低摩擦樹脂シート16に摺動することで、扉体3の開閉速度を適宜に制御することができる。従って、開閉に伴って扉体3が建具枠2や壁等に勢いよく衝突することが防止でき、開閉音も抑制することができる。
(2)この際、スライダ15がアーム13を介してスライド移動される、すなわちアーム13がリンクとして機能するので、上框7の長さ寸法と比較して案内部材14の長さ寸法が短くても、扉体3の開閉全区間に対応したスライドストロークが確保でき、開閉全区間に渡って案内部材14でスライダ15を案内することができる。従って、扉体3の閉鎖直前位置や開放直前位置に限らずに開閉全区間において開閉速度を制御することができ、開閉途中における操作力の急激な変動が防止できる。
(3)さらに、低摩擦樹脂シート16とスライダ15とが互いに摺接するように配置され、それらの間の押圧力が距離調節機構17によって調節できるので、スペーサ171の交換や六角ボルト146の締め付けなどの容易な調節作業によって調節範囲を拡大させることができ、小さな摩擦抵抗力から大きな摩擦抵抗力までの広い範囲で高精度に摩擦抵抗力を調節することができる。従って、所望の摩擦抵抗力を高精度に発生させることができるので、操作性を向上させることができる。
(4)また、低摩擦樹脂シート16とスライダ15とが案内部材14に組み込まれた状態でユニット化し、このユニット化した制動装置本体12を上框7に取り付けることで、取付作業を容易にできる。さらに、ユニット化した制動装置本体12において、距離調節機構17によって低摩擦樹脂シート16とスライダ15との間の押圧力を予め調節しておくことができ、扉体3に取り付けてから調節するよりも調節作業を容易かつ高精度に実施することができる。さらに、扉体3を建具枠2に建て込んだ後においても、上框7の上方から六角レンチ等の工具を用いて六角ボルト146を回転操作することで、摩擦抵抗力の調節が容易に実施できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を図8〜図10に基づいて説明する。
図8(A),(B)は、第2実施形態の制動装置11Bを示す平面図および側面図である。図9、図10は、それぞれ制動装置11Bを示す斜視図および断面図である。
本実施形態の制動装置11Bでは、その制動装置本体12Bの構成が前記第1実施形態と相違するものである。以下、相違点について詳しく説明する。
制動装置11Bの制動装置本体12Bは、上框7の凹溝部7A底面に取り付けられる案内部としてのベース部材14Bと、このベース部材14Bの上側に設けられるスライダ15Bと、このスライダ15Bと摺接可能にベース部材14Bに固定された低摩擦部材としての低摩擦樹脂シート16とを有して構成されている。そして、スライダ15Bは、前記第1実施形態と同様のアーム13を介して上枠4と連結されるとともに、ベース部材14Bと上框7の一対の折返し片7Bとで上下方向の移動が規制された状態で、上框7の長手方向に沿ってスライド自在に支持されている。そして、本実施形態において、スライダ15Bの底面に摺接面部153が形成され、この摺接面部153と低摩擦樹脂シート16とが摺接可能に構成されている。
案内部材14Bは、金属板材から折り曲げ加工により形成されたもので、上框7の凹溝部7A底面に沿った底面部148と、この底面部148の長手方向一方の端部に立ち上がった立上り部149と、当該案内部材14Bを上框7の凹溝部7A底面に固定するための固定片部147とを有して形成されている。このような案内部材14Bにおいて、底面部148の上面によって、互いに対向する一対の対向面のうち一方の対向面が構成され、上框7の折返し片7B下面によって他方の対向面が構成されている。そして、一方の対向面である底面部148上面に低摩擦樹脂シート16が接着剤等で貼り付け固定されている。このような低摩擦樹脂シート16上面とスライダ15B底面の摺接面部153とが互いに摺接可能になっており、スライダ15Bと低摩擦樹脂シート16とが摺接することで、摩擦抵抗力が発生するようになっている。
また、案内部材14Bの立上り部149には、螺合部材であるビス172が傾斜した状態で螺合され、このビス172の先端が上框7の凹溝部7A底面に当接されている。そして、このビス172を回転操作することで、案内部材14Bの底面部148が上方または下方に移動し、この底面部148と上框7の折返し片7Bとの距離が調節可能になっている。すなわち、立上り部149、ビス172および上框7の凹溝部7A底面によって、距離調節機構17Bが構成されている。従って、底面部148と上框7の折返し片7Bとの間にスライダ15Bを配置した状態において、ビス172を締め付けて底面部148と折返し片7Bとの距離を短くするか、またはビス172を緩めて底面部148と折返し片7Bとの距離を長くすることで、低摩擦樹脂シート16とスライダ15Bの摺接面部153との押圧力が調節でき、これにより押圧力調節手段が構成されている。
以上の本実施形態の制動装置11Bによれば、前記(1)〜(3)と略同一の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態の制動装置11Bによれば、案内部材14Bを上框7の凹溝部7Aに取り付けた状態において、案内部材14Bの側方からドライバー等の工具を用いてビス172を回転操作することで、低摩擦樹脂シート16とスライダ15Bとの押圧力を調節することができ、扉体3を建具枠2に建て込んだ後の摩擦抵抗力の調節が容易に実施できる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、建具としてドア1を例示して説明したが、本発明の建具としては、ドア1に限らず、開き窓や突き出し窓、外倒し窓、内倒し窓等の窓であってもよい。
また、前記実施形態においては、上枠4と上框7とを制動装置11,11A,11Bで連結したが、制動装置の設置位置は、特に限定されるものではなく、枠体と面材とに相対移動が生じる位置であれば任意の位置に制動装置を設置すればよく、また複数箇所に制動装置を設置してもよい。さらに、枠体側に制動装置本体を設置し、面材側にアームを連結するように構成してもよい。
また、前記実施形態では、押圧力調節手段として対向面間の距離を変更する距離調節機構17,17Bを採用したが、これに限らず、押圧力調節手段としては、例えば、適宜なばね等の弾性体を利用したものや、磁力等を利用したものなど、任意の構成のものが採用できる。
また、低摩擦部材としては、低摩擦樹脂シート16に限らず、任意の素材を用いるとともに、板状や、棒状、突起状など任意の形態に加工したものが利用できる。さらに、前記第1実施形態では、一対の対向面142Aの両方に低摩擦樹脂シート16を固定したが、これに限らず、いずれか一方の対向面142Aに低摩擦樹脂シート16を固定し、他方の対向面142Aには低摩擦樹脂シート16を設けないようにしてもよい。このようにすれば、対向面142Aにおける一方(低摩擦樹脂シート16)および他方の摩擦係数を相違させることで、摩擦抵抗力の調節範囲を拡大させることができる。さらに、面材の開放側と閉鎖側とで摩擦抵抗力を変化させるように構成することも可能である。また、両方の対向面142Aともに低摩擦樹脂シート16を設けずに、これらの対向面142Aを表面処理したり潤滑油を塗布したりして、対向面142A自体を低摩擦面としてもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る建具を示す斜視図である。 前記建具における面材を示す平面図である。 (A),(B)は、前記建具に設けられる制動装置を示す平面図および側面図である。 前記制動装置を示す斜視図である。 前記制動装置を示す断面図である。 (A),(B)は、前記制動装置の変形例を示す平面図および側面図である。 前記変形例の制動装置を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る制動装置を示す平面図および側面図である。 前記制動装置を示す斜視図である。 前記制動装置を示す断面図である。
符号の説明
1…建具であるドア、2…枠体である建具枠、3…面材である扉体、7A…凹溝部、11,11A,11B…制動装置、13…アーム、14…案内部である案内部材、14B…案内部であるベース部材、15,15B…スライダ、16…低摩擦部材である低摩擦樹脂シート、17,17B…押圧力調節手段である距離調節機構、142…側面部、142A…対向面。

Claims (6)

  1. 枠体に回動開閉自在に支持された面材を備えた建具に設けられて前記面材の開閉速度を制御する制動装置であって、
    前記枠体および面材の一方に設けられて互いに対向する一対の対向面を有した案内部と、
    前記対向面間に設けられて前記案内部にスライド案内されるスライダと、
    前記スライダに回動自在に連結されるとともに前記枠体および面材の他方に軸支されたアームと、
    前記一対の対向面の少なくとも一方に設けられて前記スライダと摺接可能な低摩擦面と、
    前記低摩擦面と前記スライダとの押圧力を調節する押圧力調節手段とを備え
    前記一対の対向面は、それぞれ金属板材から形成され、前記押圧力調節手段は前記スライダのスライド方向に沿った前記案内部の両端部のうち、少なくとも一方側の端部に設けられるとともに、前記金属板材に螺合する螺合部材を有して前記案内部の対向面間の距離を変更することで押圧力を調節可能な距離調節機構で構成されている制動装置。
  2. 前記低摩擦面と前記スライダとは、互いの動摩擦係数が0.03〜0.13の範囲となる材質の組み合わせで構成されている請求項1に記載の制動装置。
  3. 前記低摩擦面は、フッ素樹脂を含んで形成され、前記一対の対向面の少なくとも一方と前記スライダとの間に介挿された低摩擦樹脂シートで構成されている請求項1または請求項2に記載の制動装置。
  4. 前記案内部は、一対の側面部を有して全体ケース状に形成された案内部材で構成され、前記一対の対向面は、前記一対の側面部の各々の内面で構成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の制動装置。
  5. 記一対の側面部に前記低摩擦面が設けられるとともに、これらの低摩擦面に当接しかつ当該一対の側面部間に前記スライダが挟持された状態において、前記案内部材が前記枠体および面材の一方に形成された凹溝部に取り付けられる請求項4に記載の制動装置。
  6. 枠体と、この枠体に回動開閉自在に支持された面材と、この面材の開閉速度を制御する請求項1から請求項5のいずれかに記載の制動装置とを備えた建具。
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