JP4836477B2 - インク組成物、それを用いた画像形成方法および記録物 - Google Patents

インク組成物、それを用いた画像形成方法および記録物 Download PDF

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Description

本発明は、インク組成物及びこれを用いた画像形成方法に関し、詳しくは、記録後の重合硬化が可能で、堅牢な画像の記録に好適なインク組成物及びこれを用いた画像形成方法に関する。
水性のインクジェット用インクは、普通紙に印字した場合に耐水性が劣ったり、滲みが生じやすく、さらに、プラスチックなど非吸水性の被記録媒体に印字した場合には、インク液滴の付着が悪いために画像形成ができなかったり、溶剤の乾燥が極めて遅いために印字直後には記録物を重ねずに乾燥させる必要があるといった欠点があった。
非吸水性の被記録媒体に対する印刷に適するものとして、被記録媒体との接着性に優れた多官能モノマーを用いた紫外線硬化性インクが開発されたが、水分散型のインクのために乾燥が遅く、フルカラーの画像を形成するには不十分であった。乾燥性を解決するために、インク溶剤として揮発性有機溶剤を用いる方法が行われてきたが、乾燥が速いメチルエチルケトン及びエタノールなどの低沸点溶媒は、引火性や臭気に問題があった。
一方、重合性モノマーのみをインク溶剤として用い、印字後放射線により固化させることにより、揮発成分を無くすインクジェット画像形成法およびそのためにインク組成物が開発されている。例えば、特許文献1〜3には、重合性基を有するモノマーと油溶性染料とを含むインクが開示されている。また、特許文献4には、光重合可能な化合物と光重合開始剤とを含む光重合性組成物が開示されている。また、特許文献5〜7には、オキシランモノマー、オキセタンモノマー、ビニルエーテルなどを光カチオン重合による硬化型組成物が開示されている。しかし、これらは、インクの硬化が不十分であり、またインクの硬化収縮が大きいため、プラスチック基材などでは、硬化インクが基材より剥がれやすく、密着性が悪いことが問題であった。特許文献8では、インクの硬化収縮を抑える目的で、光カチオン重合性インクに3級アミン類や3級アミンモノマーを添加することが提案されている。しかし、これらのアミン類を添加したインクでは、インクの保存安定性が著しく低下することが新たな問題として生じた。
特開2003−221528号公報 特開2003−221532号公報 特開2003−221530号公報 特開2001−222105号公報 特開2000−169552号公報 特開2001−220526号公報 特開2004−10625号公報 特開2003−305839号公報
本発明の目的は、上記のような問題点を解消するため、硬化性及び安定性に優れたインク組成物および該インク組成物を用い、密着性がよい印刷物とその記録方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、カチオン重合性化合物と、光重合開始剤と、イオン性塩基化合物を含有するインクを活性電子線で硬化させることにより、上記目的が達成できることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされるに至ったものである。すなわち、本発明は
(1)カチオン重合性化合物と、光重合開始剤と、イオン性塩基化合物とを含有するインク組成物であって、前記イオン性塩基化合物が、そのカチオン部もしくはアニオン部に塩基性置換基としての含窒素複素環基を有する化合物であることを特徴とするインク組成物。
(2)前記イオン性塩基化合物が下記一般式(I)で表される化合物又は下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とする(1)に記載のインク組成物。
Figure 0004836477
(ただし、Qは窒素原子と共に5又は6員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表す。Rはアルキル基、アルケニル基、またはアリール基を表す。 及び の少なくとも一方は塩基性置換基としての含窒素複素環基を有する基を表す。n1は0〜4の整数を表す。ただし、n1が0の場合、R は塩基性置換基としての含窒素複素環基を有する基である。はアニオンを表す。)

[(A−L)n2−B]・ X (II)


(式(II)中、Aは負電荷を有する基を表す。Bは塩基性置換基としての含窒素複素環基を表す。Xはカチオンを表す。Lは2価連結基又は単なる結合を表す。n2は1〜3の整数を表す。)
(3)前記含窒素複素環基がピリジル基又はイミダゾリル基であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のインク組成物。
(4)前記含窒素複素環基がピリジル基であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のインク組成物。
(5)前記イオン性塩基化合物において塩基性置換基がカチオン部に置換していることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のインク組成物。
(6)前記イオン性塩基化合物において塩基性置換基がアニオン部に置換していることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載に記載のインク組成物。
(7)前記カチオン重合性化合物が、オキシラン化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル類、及びスチレン類からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のインク組成物。
(8)着色剤を更に含有する前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載のインク組成物。
(9)前記着色剤が、顔料又は油溶性染料である前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載のインク組成物。
(10)インクジェット記録に用いられる前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載のインク組成物。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかに記載のインク組成物を用いて被記録材に画像を記録する画像記録工程と、
前記画像記録工程において前記被記録材に記録された画像に活性エネルギー線を照射して硬化させる画像硬化工程と、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
(12)前記画像記録工程は、前記インク組成物を吐出するインクジェット記録によって前記画像を記録することを特徴とする前記(11)に記載の画像形成方法。
(13)前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載のインク組成物を用いて記録したことを特徴とする記録物。
本発明のインク組成物は、耐熱性を有すると共に、活性エネルギー線による硬化性(反応速度及び膜硬化度を含む。)が高い。
本発明の画像形成方法は、上記インク組成物が用いられ、堅牢で高画質の画像を安定的に記録することができる。
また、本発明の記録物は、上記インク組成物が用いられ、堅牢で高画質の画像を安定的に記録することができる。
本発明のインク組成物は、通常の印刷に使用して、堅牢で高画質の記録物が得られるのみならず、レジスト、カラーフィルター、光ディスクの製造にも好適に使用することができ、光造形材料としても有用である。
また、インクジェット記録方法を適用することで、非吸収性の被記録材上にも、高品質の画像をデジタルデータに基づき直接形成しうることから、本発明のインク組成物は大面積の記録物の作製にも好適に使用される。
以下、本発明のインク組成物、並びにこれを用いた画像形成方法及び記録物について、詳細に説明する。
A インク組成物
本発明のインク組成物は、カチオン重合性化合物と、光重合開始剤と、イオン性塩基化合物を含み、被記録材への画像記録後、活性エネルギー線の照射によって記録画像の硬化が可能なように構成されている。また、上記成分以外に、着色剤を含む構成が好ましく、必要に応じて各種添加剤等の他の成分を用いて構成することができる。
A−1 カチオン重合性化合物
本発明のインク組成物に用いられるカチオン重合性化合物は、重合性の程度やインク組成物の物性等を調整する目的で任意に選択可能である。中でも、重合速度や汎用性の観点から、オキシラン化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル類、またはスチレン類などが好ましい。これらは単独で用いることもでき、2種以上併用してもよい。以下にそれらの例を示す。
[オキシラン化合物]
オキシラン化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシドなどが挙げられる。芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのオキシラン化合物のなかでも、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
またオキシラン化合物のうち官能基数が少ないものは、上述したように溶解性及び粘度の調整作用も同時に兼ね備えることができるため、好ましい。
本発明で用いられる単官能エポキシドの例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
多官能エポキシドの例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
[オキセタン化合物]
本発明におけるオキセタン化合物としては、オキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526、同2001−310937、同2003−341217の各公報に記載されるような、公知オキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましく、上述したように、なかでもインク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインクの被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
本発明で用いられるオキセタン化合物には、単官能オキセタンの例としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
また多官能オキセタンとしては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタンが挙げられる。
[ビニルエーテル類]
単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
多官能ビニルエーテルの例としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
[スチレン類]
具体的な例として、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
本発明においては、上記の重合性化合物として、オキシラン化合物と、オキセタン化合物から選択される少なくとも1種とを含むように構成することが、硬化速度の点で好ましい。この場合オキシラン化合物:オキセタン化合物の混合比(モル比)は90:10〜10:90が好ましく、70:30〜30:70がさらに好ましい。また。オキセタン化合物とスチレン類を90:10〜50:50の混合比で用いることも好ましい。
重合性化合物のインク組成物中の含量は、インク組成物の総量に対して5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がさらに好ましく、50〜90質量%が特に好ましい。
A−2 光重合開始剤
本発明のインク組成物は、光カチオン重合開始剤を含有する。この光カチオン重合開始剤とは、活性光線又は放射線の照射により酸を発生してカチオン重合を開始する化合物をいい、公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
光カチオン重合開始剤は、以下に挙げるものを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本光カチオン重合開始剤のインク組成物中の含量は0.1〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜10質量%の範囲であることがより好ましい。光カチオン重合開始剤の含量が0.1%以下になると酸の発生量が低下するため硬化性が低下する恐れがあり、また光カチオン重合開始剤の含量が20%以上になると硬化物の脆性や残存開始剤による酸の発生が問題となる場合があり、それぞれ好ましくない。
本発明における光カチオン重合開始剤としては、たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの光カチオン重合開始剤又は、それと同等の作用を有する基若しくは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等の各公報に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等の各公報に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
本発明に使用しうる光酸発生剤として好ましい化合物として、下記一般式(b1)、(b2)、(b3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004836477
一般式(b1)において、R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 、PF6 、SbF6 や下記に示す基などが挙げられ、好ましくは炭素原子を有する有機アニオンである。
Figure 0004836477
好ましい有機アニオンとしては下記式で表わされる有機アニオンが挙げられる。
Figure 0004836477
Rcは、有機基を表す。
Rcにおける有機基として炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rd1は、水素原子、アルキル基を表す。
Rc、Rc、Rcは、各々独立に、有機基を表す。
Rc、Rc、Rcの有機基として、好ましくはRcにおける好ましい有機基と同じものを挙げることができ、最も好ましくは炭素数1〜4のパーフロロアルキル基である。
RcとRcが結合して環を形成していてもよい。
RcとRcが結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。
Rc、Rc〜Rcの有機基として、最も好ましくは1位がフッ素原子またはフロロ
アルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(b1−1)、(b1−2)、(b1−3)における対応する基を挙げることができる。
なお、一般式(b1)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(b1)で表される化合物のR201〜R203のうち少なくともひとつが、一般式(b1)で表される他の化合物のR201〜R203の少なくともひとつと直接、又は、連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(b1)成分として、以下に説明する化合物(b1−1)、(b1−2)、及び(b1−3)を挙げることができる。
化合物(b1−1)は、上記一般式(b1)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基としては、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(b1−2)について説明する。
化合物(b1−2)は、式(b1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、より好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができ、直鎖、分岐2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができ、環状2−オキソアルキル基がより好ましい。
201〜R203の直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基としては、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(b1−3)とは、以下の一般式(b1−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 0004836477
一般式(b1−3)において、R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
x及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成してもよい。
Zcは、非求核性アニオンを表し、一般式(b1)に於けるXの非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
1c〜R7cのシクロアルキル基として、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRとRが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖状若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
x及びRyとしてのアルキル基、シクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。
x及びRyは、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基であることが好ましい。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
x、Ryは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基、シクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基、シクロアルキル基である。
一般式(b2)、(b3)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Xは、非求核性アニオンを表し、一般式(b1)に於けるXの非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
204〜R207としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。R204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
使用してもよい光カチオン重合開始剤として、更に、下記一般式(b4)、(b5)、(b6)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004836477
一般式(b4)〜(b6)中、Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
208、R209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
前記光カチオン重合開始剤のなかでも好ましいものとしては、一般式(b1)〜(b3)で表される化合物を挙げることができる。
本発明に用いうる光カチオン重合開始剤の、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
Figure 0004836477
Figure 0004836477
Figure 0004836477
Figure 0004836477
Figure 0004836477
Figure 0004836477
また、特開2002−122994公報、段落番号〔0029〕乃至〔0030〕に記載のオキサゾール誘導体、s−トリアジン誘導体なども好適に用いられる。
特開2002−122994公報、段落番号〔0037〕乃至〔0063〕に例示されるオニウム塩化合物、スルホネート系化合物も本発明に好適に使用しうる。
[活性エネルギー線]
本発明のインク組成物の重合を進行させるための活性エネルギー線としては、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などが使用できる。これらのうち、紫外線、可視光線を用いることがコスト及び安全性の点から好ましく、紫外線を用いることが更に好ましい。
紫外線を発生させる光源としては、公知の紫外線ランプである低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ショートアーク放電ランプ、紫外線発光ダイオードなどを使用することができ、開始剤に適した光量や波長により高圧放電ランプに属する高圧水銀ランプやメタルハライドランプ、ショートアーク放電ランプに属するキセノンランプが好ましく用いられる。また、省エネルギーの観点から紫外線発光ダイオードも好ましく用いられる。
A−3 イオン性塩基化合物
本発明のインク組成物は、酸素捕捉剤として少なくとも一種のイオン性塩基化合物を含有する。このイオン性塩基化合物は、酸素存在下で活性エネルギー線を照射したときの酸素による前記重合性化合物の重合阻害を抑制するものであり、重合硬化を良好に促進して硬化性を高めることができる。次に、イオン性塩基化合物について詳述する。
塩基性置換基は、イオン性化合物のカチオン部に置換していても、アニオン部に置換していてもよい。なお、イオン性塩基化合物とは正電荷を有する部位(カチオン部)と負電荷を有する部位(アニオン部)からなる塩であって、カチオン部、あるいはアニオン部に塩基性の置換基として含窒素複素環基を有する化合物である。
塩基性置換基がカチオン部に置換しているイオン性化合物の好ましい構造は、下記式(I):
Figure 0004836477
(ただし、Qは窒素原子と共に5又は6員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表し、R1は置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、またはアリール基を表し、R2 は塩基性置換基としての含窒素複素環基を有する基を有し、n1は0〜4の整数を表し、Yはアニオンを表す)で表される。
式(I)中Qの構成原子は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択されるのが好ましく、窒素原子と共に形成する5又は6員環の芳香族カチオンはイミダゾリウムカチオン又はピリジニウムカチオンであることがさらに好ましい。
式(I)中、R1として好ましいものは、置換もしくは無置換のアルキル基(好ましくは炭素原子数(以下C数)が1〜24であり、直鎖状であっても分岐鎖状であって、また環式であってもよく、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、i−プロピル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、2−ヘキシルデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、シクロペンチル)、置換もしくは無置換のアルケニル基(好ましくはC数が2〜24であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えばビニル、アリル)、置換もしくは無置換のアリール基(好ましくはC数が5〜10であり、例えばフリル、フェニル、ナフチル)を表し、好ましくはC数3〜18のアルキル基またはC数2〜18のアルケニル基を表し、より好ましくはC数4〜6のアルキル基を表す。
式(I)中、R2含窒素複素環基を有する基である。
R1およびR2は、更に置換基を有していてもよく、その置換基はアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2−カルボキシエチル基、ベンジル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、−(OCH2CH2n−OCH3(nは1〜20の整数)、−(OCH2CH2n−OCH2CH3(nは1〜20の整数)等)、アミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等)、アミド基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カルバモイル基(N,N−ジメチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基等)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)又はアルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)であるのが好ましい。
R 2に含まれる塩基性置換基は、含窒素複素環基(モルホリノ基、キヌクリジニル基、ピペラジニル基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、イミダゾリル基、2−メチルイミダゾリル基、キノリル基、アクリジニル基、ピリジル基、2−メチルピリジル基、ジアザビシクロウンデセニル基等)である
上記イミダゾリル基及びピリジル基が置換基を有する場合、その置換基はアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2−カルボキシエチル基、ベンジル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、−(OCH2CH2n−OCH3(nは1〜20の整数)、−(OCH2CH2n−OCH2CH3(nは1〜20の整数)等)、アミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等)、アミド基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カルバモイル基(N,N−ジメチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基等)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)又はアルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)であるのが好ましい。
式(I)中に含まれる塩基性置換基の総数は1〜3が好ましく、1であることが好ましい。
式(I)中のYはアニオンを表し、ハロゲン化物イオン(I,Cl,Brなど)、NCS、BF4 、PF6 、ClO4 、(CF3SO22N、(CF3CF2SO22N、CF3SO3 、Ph4B、(CF3CF2SO23Cなどが好ましい例として挙げられる。より好ましくはハロゲン化物イオン、(CF3SO22N、BF4 または、PF6 である。
アニオン部に塩基性置換基を有するイオン性化合物の好ましい構造は、例えば式(II):
[(A1−L)n2−B]・ X (II)

(式(II)中、A1は負電荷を有する基を表し、Bは塩基性置換基としての含窒素複素環基を表し、Xはカチオンを表し、Lは2価連結基又は単なる結合を表し、n2は1〜3の整数を表す)で表される。
一般式(II)中、A1は負電荷を有する基を表し、その例としては、酸素原子上に負電荷を有する基(−SO3 、−CO2 、−PO3 2−、−O等)、窒素原子上に負電荷を有する基(RSO2N−、RSO2NSO2−、RCON−、RCONCO−、RSO2NCO−、RR’PON−、RR’PONCO−等)、硫黄原子上に負電荷を有する基(−SO2S、−S(=O)2 、−S等)、炭素原子上に負電荷を有する基(RCOCHCO−等)、リン原子上に電荷を有する基(RCOP−等)等が挙げられる。上述の通り、負電荷は局在化していても非局在化していてもよい。これらの基の中で窒素原子上に負電荷を有する基が好ましく、即ち、A1はNを有するのが好ましい。A1はより好ましくはRSO2N−、RSO2NSO2−、RCON−、RCONCO−又はRSO2NCO−であり、特に好ましくはRSO2N−である。
なお、上記R及びR’はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、互いに同じであっても異なっていてもよく、該置換基の例としては脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルオキシ基等が挙げられる。R及びR’が表す脂肪族炭化水素基の具体例としては、炭素数1〜18の直鎖又は分岐の無置換アルキル基(メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基等)、炭素数1〜18の直鎖又は分岐の置換アルキル基(トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、メトキシカルボニルメチル基、n−ブトキシプロピル基、メトキシエトキシエチル基、ポリエトキシエチル基、アセチルオキシエチル基、メチルチオプロピル基、3−(N−エチルウレイド)プロピル基等)、炭素数3〜18の置換又は無置換の環状アルキル基(シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基、シクロドデシル基等)、炭素数2〜16のアルケニル基(アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基等)、炭素数2〜10のアルキニル基(プロパルギル基、3−ペンチニル基等)、炭素数6〜16のアラルキル基(ベンジル基等)等が挙げられる。R及びR’が表すアリール基の具体例としては、炭素数6〜20の置換又は無置換のフェニル基(フェニル基、メチルフェニル基、オクチルフェニル基、シアノフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ブトキシフェニル基等)、置換又は無置換のナフチル基(ナフチル基、4−スルホナフチル基等)等が挙げられる。R及びR’が表すヘテロ環基の具体例としては、置換又は無置換の含窒素ヘテロ5員環基、置換又は無置換の含窒素ヘテロ6員環基(トリアジノ基等)、フリル基、チオフリル基等が挙げられる。R及びR’が表すアミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基等が挙げられる。R及びR’が表すアルキルオキシ基の具体例としては、エチルオキシ基、メチルオキシ基等が挙げられる。これらの中で、R及びR’はそれぞれ置換又は無置換のアルキル基、或いは置換又は無置換のフェニル基であるのが好ましく、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基であるのが特に好ましい。
一般式(II)中、Bは塩基性置換基を表し、前記一般式(I)で述べた塩基性置換基と同様のものが好ましく選択される。
一般式(II)中、Xは(A1−L)n2−A2の負電荷を中和するカチオンを表す。該カチオンの例としては、アルカリ金属カチオン(リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、ルビジウムカチオン、セシウムカチオン等)、アルカリ土類金属カチオン(マグネシウムカチオン、カルシウムカチオン、ストロンチウムカチオン等)、置換又は無置換のアンモニウムカチオン(無置換アンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラ−n−ブチルアンモニウムカチオン、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムカチオン、エリルトリメチルアンモニウムカチオン等)、置換又は無置換のイミダゾリウムカチオン(1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、2,3−ジメチル−1−プロピルイミダゾリウムカチオン等)、置換又は無置換のピリジニウムカチオン(N−メチルピリジニウムカチオン、4−フェニルピリジニウムカチオン等)等が挙げられる。Mは好ましくはアルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、4級アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン又はピリジニウムカチオンであり、より好ましくはアルカリ金属カチオン又はイミダゾリウムカチオンであり、特に好ましくはリチウムカチオン又は1,3−ジアルキルイミダゾリウムカチオンである。なお、Xはカチオンの種類及び数を表すものであり、例えば、(A1−L)n2−Bが有する負電荷の総価数が1であり、カチオンの種類がMg2+である場合は、Mは「1/2(Mg2+)」である。
一般式(II)中、Lは2価連結基又は単なる結合を表す。2価連結基の例としては、炭素数1〜18の置換又は無置換の直鎖又は分岐のアルキレン基(メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、イソプロピレン基、テトラフルオロエチレン基等)、炭素数1〜18のオキシアルキレン基(−CH2CH2OCH2CH2−、−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−等)、炭素数1〜18のアルキレンオキシ及びフェニレンオキシ基(−CH2CH2O−、−CH2CH2CH2O−、−CH2CH2OCH2CH2O−、−PhO−等)、炭素数1〜18のアルキレンアミノ基及びフェニレンアミノ基(−(CH2CH22N−、−(OCH2CH22N−、−PhNH−等)、炭素数1〜18のアルキレンチオ基又はフェニレンチオ基(−CH2CH2S−、−CH2CH2CH2S−、−CH2CH2OCH2CH2CH2S−、−PhS−等)、炭素数6〜20の置換又は無置換のフェニレン基、スルファモイル連結基(−SO2NH−)、カルバモイル連結基(−CONH−)、アミド連結基(−NHCO−)、スルホンアミド連結基(−NHSO2−)、ウレイド連結基(−NHCONH−)、チオウレイド連結基(−NHCSNH−)、ウレタン連結基(−OCONH−)、チオウレタン連結基(−OCSNH−)、オキシカルボニル連結基(−OCO−)、カルボニルオキシ連結基(−CO2−)、ヘテロ環連結基、これらの組み合わせ等が挙げられる。Lは炭素数1〜6のアルキレン基又は単なる結合であるのが好ましく、単なる結合であるのが特に好ましい。
一般式(II)中、(A1−L)の数を示すn2は1〜3の整数である。n2は1であるのが好ましい。
一般式(II)において、A1が窒素原子上に負電荷を有する基であり、Bがピリジル基、イミダゾリル基又はアミノ基であり、Xがアルカリ金属カチオン又はイミダゾリウムカチオンであり、Lが単なる結合であり、且つn2が1であることが好ましい。更に、A1がRSO2N−(Rは少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す)であり、Bがピリジル基であり、Xがリチウムカチオン又はイミダゾリウムカチオンであり、Lが単なる結合であり、且つn2が1であることが特に好ましい。
以下に、本発明に用いられる、イオン性塩基化合物の具体例を示すがこれらに限定されるものではない。
Figure 0004836477
Figure 0004836477
Figure 0004836477
前記化合物は、例えば、特開2001−167630号公報、及び特開2003−68374号公報に記載の方法により容易に合成できる。
イオン性塩基化合物のインク組成物中における含有量としては、既述の重合性化合物の含有質量に対し、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。含有量を特に上記範囲とすることで、十分なインクの安定性を確保でき、硬化性と密着性の両立を図ることができる。
A−4 着色剤
本発明のインク組成物は、必要に応じて着色剤の少なくとも一種を含有して、可視画像を形成できるように構成することができる。この着色剤には、特に制限はなく、用途等に応じて公知の種々の色材(特に顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。染料には、水溶性染料及び油溶性染料が含まれ、本発明においては油溶性染料が好ましい。以下、染料及び顔料を中心に詳細に説明する。
〈染料〉
染料としては、従来より公知の染料を適宜選択して用いることができる。具体的には、特開2002−114930号公報の段落[0023]〜[0089]に記載されている染料などが挙げられる。
イエロー染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料、例えば、カップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物を有するアゾメチン染料、例えば、ベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料、例えば、ナフトキノン染料、アントラキノン染料等のキノン系染料などがあり、これ以外の染料としては、キノフタロン染料、ニトロ、ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げられる。
マゼンタ染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、ピラゾロトリアゾール類、閉環型活性メチレン化合物類(例えば、ジメドン、バルビツール酸、4−ヒドロキシクマリン誘導体)、電子過剰ヘテロ環(例えば、ピロール、イミダゾール、チオヘン、チアゾール誘導体)、を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料、例えば、カップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料、例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのキノン系染料、例えばジオキサジン染料などのような縮合多環系染料等を挙げることができる。
シアン染料としては、例えば、インドアニリン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染料、シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピロロピリミジン−オン、ピロロトリアジン−オン誘導体を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。
上記の各染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンは、アルカリ金属やアンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機カチオンであってもよく、更にそれらの部分構造を有するカチオンポリマーであってもよい。
本発明に用いることのできる染料は、油溶性のものが好ましい。「油溶性」とは、具体的に、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。したがって、いわゆる水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
本発明に用いられる染料は、インク組成物に必要量溶解させるために上記した染料母核に対して油溶化基を導入することも好ましい。
前記油溶化基としては、長鎖もしくは分岐アルキル基、長鎖もしくは分岐アルコキシ基、長鎖もしくは分岐アルキルチオ基、長鎖もしくは分岐アルキルスルホニル基、長鎖もしくは分岐アシルオキシ基、長鎖もしくは分岐アルコキシカルボニル基、長鎖もしくは分岐アシル基、長鎖もしくは分岐アシルアミノ基、長鎖もしくは分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖もしくは分岐アルキルアミノスルホニル基、並びにこれら長鎖もしくは分岐の基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基、等が挙げられる。
また、カルボン酸基やスルホン酸基を有する水溶性染料を、長鎖もしくは分岐アルコール、アミン、フェノール、又はアニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換して染料を得るようにしてもよい。
前記油溶性染料としては、融点が200℃以下のものが好ましく、融点が150℃以下のものがより好ましく、融点が100℃以下のものが更に好ましい。油溶性染料として低融点の染料を選択することにより、インク組成物中での染料の結晶析出が抑制され、インク組成物の保存安定性を良化することができる。
また、褪色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性や硬化特性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、油溶性染料としては、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であるものが好ましい。酸化電位は高い方が好ましく、酸化電位が1.1V(vs SCE)以上のものがより好ましく、1.15V(vs
SCE)以上のものが特に好ましい。
イエロー色の染料としては、特開2004−250483号公報に記載の一般式(Y−I)で表される構造の化合物が好ましい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]〜[0071]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
マゼンタ色の染料としては、特開2002−114930号公報に記載の一般式(3)、(4)で表される構造の化合物が好ましく、具体例としては、特開2002−114930号公報の段落[0054]〜[0073]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から[0122]に記載の一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
シアン色の染料としては、特開2001−181547号公報に記載の式(I)〜(IV)で表される染料、特開2002−121414号公報の段落番号[0063]から[0078]に記載の一般式(IV−1)〜(IV−4)で表される染料が好ましいものとして挙げられ、具体例として特開2001−181547号公報の段落番号[0052]から[0066]、特開2002−121414号公報の段落番号[0079]から[0081]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載の一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。なお、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
−酸化電位−
本発明における染料の酸化電位の値(Eox)は、当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著“New Instrumental Methods in Electrochemistry”(1954年,Interscience Publishers社刊)や、A.J.Bard他著“Electrochemical Methods”(1980年、John Wiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年、技報堂出版社刊)に記載されている。
酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10−2〜1×10−6モル/リットル溶解して、ボルタンメトリー装置により、作用極として炭素(GC)を、対極として回転白金電極を用いて酸化側(貴側)に掃引したときの酸化波を直線で近似して、この直線と残余電流・電位直線との交点と、直線と飽和電流直線との交点(又はピーク電位値を通る縦軸に平行な直線との交点)とで作られる線分の中間電位値をSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。また、用いる支持電解質や溶媒は、被験試料の酸化電位や溶解性により適当なものを選ぶことができる。用いることができる支持電解質や溶媒については藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)101〜118ページに記載がある。なお、上記の測定溶媒とフタロシアニン化合物試料の濃度範囲においては、非会合状態の酸化電位が測定される。
前記Eoxの値は、試料から電極への電子の移り易さを表し、Eoxの値が大きいほど、つまり酸化電位が貴であるほど、試料から電極への電子の移りにくい、換言すれば酸化されにくいことを表す。
以下、本発明において好適な染料の具体例を示す。但し、本発明においては、これら具体例に限定されるものでない。
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〈顔料〉
次に、顔料について詳述する。顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されている全ての有機顔料及び無機顔料、又は不溶性の樹脂等を分散媒としてこれに顔料を分散させたもの、顔料表面に樹脂をグラフト化したもの、等を挙げることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も使用可能である。
顔料の例としては、「顔料の辞典」(伊藤征司郎編、2000年刊)、W.Herbst,
K. Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
有機顔料及び無機顔料の具体例としては、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等)、C.I.ピグメントイエロー74等のモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17等のジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180等の非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)等のアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)等の縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)等の酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)等の塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)等のアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)等のイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)等のキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)等のイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)等のニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)等の金属錯塩アゾメチン顔料、等が挙げられる。
赤色もしくはマゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)等のモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)等のジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)等のアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)等の縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)等の酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G'レーキ等)等の塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)等のチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)等のペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)等のペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)等のキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)等のイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)等のアリザリンレーキ顔料、等が挙げられる。
青色もしくはシアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)等のジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)等のフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)等の酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)等の塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)等のアルカリブルー顔料、等が挙げられる。
緑色を呈する顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)等のフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等のアゾ金属錯体顔料、等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)等のアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
また、白色を呈する顔料として、塩基性炭酸鉛(2PbCOPb(OH);いわゆるシルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO;いわゆるジンクホワイト)、酸化チタン(TiO;いわゆるチタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO;いわゆるチタンストロンチウムホワイト)、等が挙げられる。
ここで、酸化チタンは、他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく、化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンが好適である。また必要に応じ、他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を含有することもできる。
顔料は、分散媒に必要に応じて分散剤等と共に分散させた分散物として用いることができる。顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置等の分散装置を用いることができる。
顔料を分散させる場合に分散剤や分散助剤を添加することが可能である。
前記分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、Zeneca社製のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤も好適に用いることができる。
前記分散助剤としては、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。
上記の分散剤、分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部の範囲で添加することが好ましい。
インク組成物において、顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒とし、低分子量成分である既述の重合性化合物を分散媒として用いるようにしてもよいが、本発明のインク組成物は、放射線硬化型のインクであり、インク組成物を被記録媒体上に付与した後に硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるたりするためである。このような観点から、分散媒としては重合性化合物を用い、中でも最も粘度が低い重合性化合物を選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の点で好ましい。
顔料の平均粒径としては、0.08〜0.5μmの範囲が好ましく、最大粒径が10μm以下、好ましくは3μm以下となるように、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、濾過条件を設定することが望ましい。このように粒径管理することにより、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
前記着色剤はインク組成物中、インク組成物の全質量に対して0.05〜20質量%添加されることが好ましく、0.2〜10質量%がより好ましい。着色剤として油溶性染料を用いた場合には、インク組成物の全質量(溶媒を含む)に対して、0.2〜6質量%が特に好ましい。
A−5 他の成分
本発明のインク組成物には、上記の各成分に加え、目的や用途等の必要に応じて、添加剤その他の成分として、増感色素、共増感剤、紫外線吸収剤などを併用することができる。以下、添加剤その他の成分について説明する。
−界面活性剤−
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、例えば、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。具体的には、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記公知の界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
−紫外線吸収剤−
本発明のインク組成物には、得られる画像の耐候性向上、褪色防止の観点から、紫外線吸収剤を添加することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の総量(全質量)に対して0.01〜10質量%程度である。
−酸化防止剤−
本発明のインク組成物には、安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の総量(全質量)に対して0.01〜10質量%程度である。
−褪色防止剤−
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を添加することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。また、前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の総量(全質量)に対して0.01〜10質量%程度である。
−導電性塩類−
本発明のインク組成物には、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
−溶剤−
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物の総量(全質量)に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
−高分子化合物−
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物(ポリマー)を添加することができる。
高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が挙げられる。これらは2種以上併用してもよい。
これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好適である。
本発明のインク組成物には、上記以外にも必要に応じ、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンや、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の被記録材への密着性を改善する目的で、重合阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
前記タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが挙げられる。
B インク組成物製造方法
{インク組成物の好ましい物性}
本発明のインク組成物は、インクジェット記録に適用する場合、吐出性を考慮し、吐出時の温度におけるインク粘度が、5〜30mPa・sであることが好ましく、7〜20mPa・sが更に好ましい。このため、前記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。
また、室温(25℃)でのインク組成物の粘度としては、7〜120mPa・sが好ましく、10〜80mPa・sが更に好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質を改善することができる。
本発明のインク組成物の表面張力としては、20〜40mN/mであることが好ましく、20〜30mN/mであることが更に好ましい。
また、本発明のインク組成物を、ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など種々の被記録媒体に記録する場合、滲み及び浸透の観点から、上記の表面張力は20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点では30mN/m以下であることが好ましい。
C インク組成物の用途
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用のインクとして好適に用いることができる。インクジェット記録方式には特に制限はなく、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出する電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出する音響型インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、発生した圧力を利用するサーマル型インクジェット方式、等のいずれであってもよい。なお、前記インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式、が含まれる。
前記のうち、ピエゾ素子を用いたドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)のインクジェット記録用インクとして好適である。
D 画像形成方法及びその記録物
本発明の画像形成方法は、既述した本発明のインク組成物を用いて被記録材に画像を記録する画像記録工程と、記録された画像に活性エネルギー線(活性線)を照射して硬化させる画像硬化工程とを設けて構成したものである。本発明では、画像硬化工程において活性エネルギー線を利用し、画像記録工程で被記録材に画像記録した後、記録された画像に活性エネルギー線を照射することによって、画像化に寄与する重合性化合物の重合硬化が進行し、良好に硬化され堅牢性の高い画像を形成することができる。
このインクにより得られた記録物は、画像部が紫外線などの放射線照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)としても用いることもできる。
前記画像記録工程においては、インクジェットプリンタによるインクジェット記録方法を適用するのが好ましい。具体的には、前記画像記録工程において、インク組成物を吐出することにより前記画像をインクジェット記録する態様が好ましい。インクジェット記録方法においては、本発明のインク組成物を用いて被記録材に画像記録を行なうが、その際に使用する(例えばインクジェットプリンタの)インク吐出ノズル等については特に制限はなく、目的や用途等に応じて適宜選択することができる。インクジェット記録方式には特に制限はなく、具体的には既述の通りである。
前記画像硬化工程においては、インク組成物の有する感応波長に対応する波長領域の活性エネルギー線を発する光源を用いて重合硬化を促進する露光処理を行なうことができる。具体的には、250〜450nmの波長領域に属する活性線を発する光源、例えば、LD、LED、蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプなどを用いて好適に行なうことができる。好ましい光源には、LED、高圧水銀灯、メタルハライドランプが挙げられる。露光時間及び光量は、本発明に係る重合性化合物の重合硬化の程度に応じて適宜選択すればよい。
−被記録材−
被記録材としては、インク浸透性の被記録媒体、及びインク非浸透性の被記録媒体のいずれも使用可能である。
前記インク浸透性の被記録媒体としては、普通紙、インクジェット専用紙、コート紙、電子写真共用紙、布、不織布、多孔質膜、高分子吸収体等が挙げられる。これらについては、特開2001−1891549号公報などに「被記録材」として記載されているものを用いることができる。
本発明の効果を効果的に発現させる観点からは、インク非浸透性の被記録媒体を用いるのが好ましい。前記インク非浸透性の被記録媒体としては、アート紙、合成樹脂、ゴム、樹脂コート紙、ガラス、金属、陶器、木材等が挙げられる。加えて、各機能を付加する点から、これら材質を複数組み合わせて複合化した基材も使用することができる。
前記合成樹脂としては、いずれの合成樹脂も用いることができるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;並びに、アクリル樹脂、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等や、ジアセテート、トリアセテート、ポリイミド、セロハン、及びセルロイド等が挙げられる。
合成樹脂を用いた基材の形状やその厚みについては、特に制限はなく、フィルム状、カード状、又はブロック状のいずれでもよく、所望の目的に応じて適宜選定することができる。また、合成樹脂は透明性、不透明性のいずれのものであってもよい。
前記合成樹脂の使用形態としては、いわゆる軟包装に用いられるフィルム状で用いることが好ましい態様の一つであり、各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができる。各種プラスチックス製のフィルムとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、OPS(二軸延伸ポリスチレン)フィルム、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルム、ONy(二軸延伸ナイロン)フィルム、PVC(ポリ塩化ビニル)フィルム、PE(ポリエチレン)フィルム、及びTAC(トリアセチルセルロース)フィルムを挙げることができる。
前記樹脂コート紙としては、例えば、紙の片面もしくは両面がポリオレフィン樹脂でラミネート等して被覆された紙支持体が挙げられ、特に紙の両面がポリオレフィン樹脂でラミネートされた紙支持体が好ましい。
以上のように、本発明のインク組成物を用いた画像記録(本発明の画像形成方法)によると、高画質でかつ高強度で堅牢な画像を得ることができ、得られた記録物、すなわち本発明の記録物は、画像の堅牢性並びに耐光性及び耐オゾン性に優れたものである。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本実施例ではインク組成物の一例としてインクジェット記録用のインクを作製した例を示す。
(実施例1)
下記組成の各成分を混合、攪拌して、本発明のマゼンタインク(1)を得た。
・モノマー:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド2021Aダイセルユーシービー社製) ・・・ 7.0g
・モノマー:3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン(OXT−221東亜合成社製) ・・・ 3.0g
・光カチオン重合開始剤:トリフェニルスルフォニウム塩(UVI−6992ダウケミカル社製) ・・・ 0.3g
・塩基性化合物:a−1 ・・・ 0.6g
・界面活性剤:ZONYL FSN−100(アルドリッチ社製) ・・・ 0.1g
・下記マゼンタ染料M−1(着色剤) ・・・ 0.1g
(実施例2)
実施例1において、塩基性化合物a−1(0.6g)を上記a−2(0.6g)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のマゼンタインク(2)を得た。
(実施例3)
実施例1において、塩基性化合物a−1(0.6g)を上記e−1(0.6g)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のマゼンタインク(3)を得た。
(実施例4)
実施例1において、塩基性化合物a−1(0.6g)を上記e−2(0.6g)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のマゼンタインク(4)を得た。
(実施例5)
下記組成の各成分を混合、攪拌して、本発明のシアン顔料インク(5)を得た。
・モノマー:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド2021Aダイセルユーシービー社製)
・・・ 3.0g
・モノマー:3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン(OXT−221東亜合成社製) ・・・ 5.25g
・光カチオン重合開始剤:トリフェニルスルフォニウム塩(UVI−6992ダウケミカル社製) ・・・ 0.3g
・塩基性化合物:a−1 ・・・ 0.6g
・界面活性剤:ZONYL FSN−100(アルドリッチ社製) ・・・ 0.1g
・下記のようにして調製したシアン顔料分散物 ・・・ 2.0g
顔料分散物の調製
シアン顔料C−1(下記式)を10g、高分子分散剤(Avecia社製 Solsprseシリーズ)2.5g、OXT−221 85gを、顔料粒子の粒径が0.2〜0.3μmの範囲となるように、公知の分散装置を用いて分散させ、次いで、加熱フィルターろ過を用いて得た。
(実施例6)
実施例5において、酸素補足剤a−1(0.6g)を上記a−2(0.6g)に変更したこと以外、実施例5と同様にして、本発明のシアン顔料インク(6)を得た。
(実施例7)
実施例5において、塩基性化合物a−1(0.6g)を上記e−1(0.6g)に変更したこと以外、実施例5と同様にして、本発明のシアン顔料インク(7)を得た。
(実施例8)
実施例5において、塩基性化合物a−1(0.6g)を上記e−2(0.6g)に変更したこと以外、実施例5と同様にして、本発明のシアン顔料インク(8)を得た。
(比較例1)
実施例1において、塩基性化合物a−1を含有しなかったこと以外、実施例1と同様にして、比較のマゼンタインク(9)を得た。
(比較例2)
実施例1において、塩基性化合物a−1(0.6g)を特開2003−305839号公報に記載の化合物アミン−1(0.6g)に変更したこと以外、実施例1と同様にして比較のマゼンタインク(10)を得た。
(比較例3)
実施例5において、塩基性化合物a−1を含有しなかったこと以外、実施例1と同様にして、比較のシアン顔料インク(11)を得た。
(比較例4)
実施例5において、塩基性化合物a−1(0.6g)をアミン−1(0.6g)に変更したこと以外、実施例5と同様にして比較のシアン顔料インク(12)を得た。
Figure 0004836477
Figure 0004836477
(画像記録及び評価)
上記より得た本発明及び比較のマゼンタインク及びイエローインク(1)〜(12)の各々を順次、インクジェットプリンタ(印字密度300dpi、打滴周波数1kHz、ノズル数64)に装填し、各インク毎にアート紙上に吐出して色画像の記録を行ない、記録後、Deep UVランプ SP−7(ウシオ社製)を用いて熱エネルギー100mJ/cmとなる条件で照射し、濃度約1.0の色画像サンプルを作成した。引き続いて、得られた色画像の各々について、下記の評価を行なった。評価結果は下記表1に示す。
1.硬化性
色画像の表面を次のようなタックフリーテストにて評価した。すなわち、記録後照射した直後の硬化皮膜である色画像の表面を指で触れ、ベタツキがない場合をAとし、若干ベタツキがある場合をBとし、著しくベタツキのある場合をCとして評価した。ベタツキが少ない程、硬化速度が良好であることを示し、Aのみが実用上許容可能な評価である。
2.密着性
硬化皮膜に、碁盤目状にカッターで切れ目をいれた後、その表面に粘着テープを貼り付け、ついで、粘着テープを剥離した際の基材上の硬化皮膜の残存状態を目視観察した。剥離が見られない場合をA、一部剥離が見られた場合をB、著しく剥離がみられた場合をC、硬化が不十分で評価できないものをDとして評価した。
3.耐熱性
本発明及び比較のマゼンタインク及びイエローインク(1)〜(12)の各々を60℃のオーブン中に4週間保存し、保存前後の25℃における粘度(mPa・s)をRE80型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて測定した。
Figure 0004836477
前記表1に示すように、本発明のマゼンタインク及びシアン顔料インク(1)〜(8)は、硬化性が良好であると共に、保存時の耐熱性を損なうこともなく、硬化性及び耐熱性を両立させることができた。これに対し、酸素補足剤を用いなかった比較インク(9)及び(11)では、保存時の耐熱性を損なうことはなかったが、酸素による重合阻害を受けて充分な硬化性が得られず、また酸素補足剤として一般に使用されるアミン−1を用いた比較のインク(10)及び(12)では、いずれも酸素重合阻害が抑制され、良好な硬化性を示したものの、保存時の耐熱性に顕著に劣っていた。

Claims (13)

  1. カチオン重合性化合物と、光重合開始剤と、イオン性塩基化合物とを含有するインク組成物であって、前記イオン性塩基化合物が、そのカチオン部もしくはアニオン部に塩基性置換基としての含窒素複素環基を有する化合物であることを特徴とするインク組成物。
  2. 前記イオン性塩基化合物が下記一般式(I)で表される化合物又は下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
    Figure 0004836477
    (ただし、Qは窒素原子と共に5又は6員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表す。Rはアルキル基、アルケニル基、またはアリール基を表す。 及び の少なくとも一方は塩基性置換基としての含窒素複素環基を有する基を表す。n1は0〜4の整数を表す。ただし、n1が0の場合、R は塩基性置換基としての含窒素複素環基を有する基である。はアニオンを表す。)

    [(A−L)n2−B]・ X (II)


    (式(II)中、Aは負電荷を有する基を表す。Bは塩基性置換基としての含窒素複素環基を表す。Xはカチオンを表す。Lは2価連結基又は単なる結合を表す。n2は1〜3の整数を表す。)
  3. 前記含窒素複素環基がピリジル基又はイミダゾリル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記含窒素複素環基がピリジル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記イオン性塩基化合物において塩基性置換基がカチオン部に置換していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記イオン性塩基化合物において塩基性置換基がアニオン部に置換していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  7. 前記カチオン重合性化合物が、オキシラン化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル類、及びスチレン類からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. 着色剤を更に含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク組成物。
  9. 前記着色剤が、顔料又は油溶性染料である請求項1〜8のいずれか1項に記載のインク組成物。
  10. インクジェット記録に用いられる請求項1〜9のいずれか1項に記載のインク組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のインク組成物を用いて被記録材に画像を記録する画像記録工程と、
    前記画像記録工程において前記被記録材に記録された画像に活性エネルギー線を照射して硬化させる画像硬化工程と、
    を含むことを特徴とする画像形成方法。
  12. 前記画像記録工程は、前記インク組成物を吐出するインクジェット記録によって前記画像を記録することを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のインク組成物を用いて記録したことを特徴とする記録物。
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