JP4840723B2 - 防犯用合わせガラス及び防犯用合わせガラスシステム - Google Patents

防犯用合わせガラス及び防犯用合わせガラスシステム Download PDF

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Description

本発明は、窓ガラスの破壊を検出することができる防犯用合わせガラス、及び防犯用合わせガラスが破壊されるとそれを通報することができる防犯用合わせガラスシステムに関する。
2枚の合わせガラスをポリビニルブチラール等の中間膜を介在させて構成された合わせガラスは、従来から窓ガラスとして使用されているが、この合わせガラスに防犯機能を持たせた防犯用合わせガラスが特許文献1等に開示されている。
この防犯用合わせガラスは、合わせガラスの2枚のガラスパネルに中間膜を介して導電膜を各々形成するとともに、一方の導電膜を分割形成して等価的に複数のコンデンサを形成し、ガラスパネルが破壊された時にガラスパネルと同時に破壊される導電膜によるコンデンサの静電容量の変化に基づいて、合わせガラスの破壊の有無を検出するものである。
具体的な構成について説明すると、合わせガラスの屋内側のガラスパネルに形成される第1導電膜は、屋内側のガラスパネルと略同一の大きさに形成され、これに対して合わせガラスの屋外側のガラスパネルに形成される第2導電膜は、屋外側のガラスパネルと略同一の大きさに形成されるとともに2分割して形成され、コイルを介して接続されることにより等価回路を形成している。また、特許文献1の防犯用合わせガラスは第1導電膜、第2導電膜、及びコイルによってセンサ部を形成し、このコイルと対をなすように設けられたコイルの両端を共振周波数検出部に接続している。この共振周波数検出部は、演算部と共にガラス破壊検出部を構成し、電磁結合された前記二つのコイルを介して第1導電膜と第2導電膜によるコンデンサの静電容量の変化に対応した共振周波数を検出する。そして演算部は、共振周波数検出部が検出する共振周波数に基づいて防犯ガラスの異常の有無を判別する。
特開2005−43217号公報
しかしながら、特許文献1に開示された防犯用合わせガラスは、第1導電膜及び第2導電膜が合わせガラスのガラスパネルと略同一の大きさに形成されているため、第1導電膜及び第2導電膜をガラスパネルに形成する作業に非常に手間がかかるという問題があり、また、このような大サイズの導電膜によりコスト的にも問題があった。
更に、分割された第2導電膜を接続するコイルは、中間膜によって拘束されているため、クラックが入る程度のガラスパネルの破損ではコイルが損傷せず、よって、特許文献1の防犯用合わせガラスは、ガラスパネルの破壊を精度よく検出することができないという欠点もあった。
更にまた、特許文献1では、ガラスの破壊に伴う静電容量変化を、共振回路の共振周波数の変化として検出する方法を採っている。これは一定の周波数の発振回路から発振される交流信号を印加させて、共振回路の共振周波数の変化を見ることにより変化を検出する方法である。
しかしながら、この方法では、共振回路での共振周波数変化に伴う、負荷電流の変動を見ているため、どうしても消費電力が大きくなるという問題があるとともに、発振回路の消費電力や、インダクタンス間の結合損失も損失への影響を与えるという問題があった。また、発振回路の周波数を、実際の共振回路のばらつきに合わせるための回路が必要となり、回路が複雑になるという欠点もあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされてもので、簡単な構造でガラスパネルの破壊を精度よく検出することができ、且つ消費電力の小さい防犯用合わせガラス及び防犯用合わせガラスシステムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の防犯用合わせガラスの発明は、前記目的を達成するために、2枚のガラスパネルのうち少なくとも一方のガラスパネルが熱処理ガラスであって、2枚のガラスパネルの間に中間膜が介在された合わせガラスにおいて、前記熱処理ガラスのコーナー部に配置された2枚の電極と、前記2枚の電極を接続するとともに、前記コーナー部に沿って配置された細線と、前記細線と前記中間膜との間に介在される介挿フィルムと、前記2枚の電極に対向するように、前記合わせガラスのガラスパネルを介して取り付けられる評価ユニットとを備え、前記評価ユニットは、前記2枚の電極との間で直列のコンデンサを形成する2枚のコンデンサ電極と、前記コンデンサの静電容量を電圧に変換する電気回路と、電気回路によって変換された電圧に基づいて合わせガラスの割れの有無を検知する検知手段と、検知手段によって合わせガスの割れが検知された際に、割れを示す情報を無線で通報する通信手段とを有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、破壊の衝撃によりガラスパネル全体にクラックが入る熱処理ガラスを、合わせガラスのガラスパネルに使用し、このような破砕数が大きい熱処理ガラスの特性を利用して、熱処理ガラス全体に電極を配置するのではなく、熱処理ガラスのコーナー部にのみサイズの小さい2枚の電極を配置した。この点において、ガラスパネルの全体に導電膜を形成する特許文献1の防犯用合わせガラスと比較して、組立性が向上し、製造コスト的にも有利となる。
また、請求項1に記載の発明によれば、2枚の電極を接続する細線を熱処理ガラスのコーナー部に沿って配置している。これに対して熱処理ガラスの辺部に沿って細線を配置した場合には、熱処理ガラスの破壊時に飛散しようとしたガラス粒同士がお互いに拘束し合うため、熱処理ガラスにクラックが入っても2枚の電極は細線で接触した状態を維持し、破壊を検知しない場合がある。そこで、本発明の如く、熱処理ガラスのコーナー部に細線を配置した場合には、熱処理ガラスにクラックが入ると、コーナー部のガラスは完全に欠け落ちるため、熱処理ガラスの破壊を検知することができる。
更に、請求項1に記載の発明は、細線が中間膜に拘束されないように、細線と中間膜との間に介挿フィルムが介在されている。コーナー部であっても中間膜の拘束により、ガラスが欠け落ちない場合が有りうるが、当該介挿フィルムを使うことによりコーナー部は確実に欠け落ち、ガラスパネルの破壊を精度よく検出することができる。なお、介挿フィルムを介在させることなく、細線に対応する位置の中間膜を切除しても同様の効果を得ることができる。
ところで、請求項1の防犯用合わせガラスは、前記2枚の電極に対向するように評価ユニットを、合わせガラスのガラスパネル(室内側のガラスパネル)を介して外付けしている。この評価ユニットは、熱処理ガラスに配置された2枚の電極との間で直列のコンデンサを形成する2枚のコンデンサ電極を有している。
ガラスパネルを誘電層とした2つのコンデンサを直列に配列することで、ガラスパネルから電源線など引き出し線を出すことなく、評価ユニットをガラスパネルに設置するだけで、コンデンサの容量を評価することが可能である。
また、評価ユニットには、前記コンデンサの静電容量を電圧に変換する電気回路と、電気回路によって変換された電圧に基づいて合わせガラスの割れの有無を検知する検知手段と、検知手段によって合わせガスの割れが検知された際に、割れを示す情報を無線で発信する通信手段とを有する。このように容量電圧変換を用いた方法を採る請求項1に記載の発明は、例えば静電容量に電荷をチャージさせてその放電時間から容量を測定する方法を使うことが出来、その場合、一回の測定に対して一回の電圧印加のみでよい。これにより、特許文献1に対して、消費電力が小さくなる。
請求項2に記載の防犯用合わせガラスの発明は、前記評価ユニットは、2枚のコンデンサ電極のうち、一方のコンデンサ電極と等電位であって、他方のコンデンサ電極の評価ユニット側の全面を覆い、他方のコンデンサ電極とコンデンサを形成するようにシールドするシールド電極を有することを特徴としている。請求項2に記載の発明によれば、室内側のガラスパネルに外付けされる評価ユニットに、シールド電極を設けることによって、室内外での外乱の影響を非常に小さく抑えることができるので、誤検知を防止することができる。
請求項3に記載の防犯用合わせガラスシステムの発明は、前記目的を達成するために、請求項1、又は2に記載の前記通信手段から発信された前記情報を受信し、警報を発生する警報発生手段を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、合わせガラスの外部に警報発生手段を設け、この警報発生手段は、請求項1、又は2に記載された評価ユニットの通信手段からの割れを示す情報を無線で受信すると、警報を発生する。
なお、本発明では、通信手段から割れを示す情報を発信するように構成したが、通信手段からは、電気回路によって変換された電圧を示す情報を発信させ、警報発生手段側に割れを示す電圧か否かを判別させる回路を設けてもよい。
本発明に係る防犯用合わせガラスによれば、2枚のガラスパネルのうち少なくとも一方のガラスパネルが熱処理ガラスの合わせガラスを使用し、熱処理ガラスのコーナー部に配置された2枚の電極と、2枚の電極を接続するとともにコーナー部に沿って配置され細線と、細線と中間膜との間に介在される介挿フィルムと、2枚の電極に対向するように合わせガラスのガラスパネルを介して取り付けられる評価ユニットとを備え、評価ユニットは、2枚の電極との間で直列のコンデンサを形成する2枚のコンデンサ電極と、コンデンサの静電容量を電圧に変換する電気回路と、電気回路によって変換された電圧に基づいて合わせガラスの割れの有無を検知する検知手段と、検知手段によって合わせガスの割れが検知された際に、割れを示す情報を無線で発信する通信手段とを有するので、簡単な構造でガラスパネルの破壊を精度よく検出することができ、且つ消費電力が小さくなる。また、特にシールド電極を設けることによって、室内外での外乱の影響を非常に小さく抑えることができるので、誤検知を防止することができる。
以下、添付図面に従って本発明に係る防犯用合わせガラス及び防犯用合わせガラスシステムの好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、実施の形態の防犯用合わせガラス10、10が窓枠の単板用サッシ12に取り付けられた一例を室内側から見た斜視図である。同図に示す防犯用合わせガラス10の左上コーナー部11には、防犯用合わせガラス10の破壊(割れ)を検知するための破壊検知装置を構成する評価ユニット14が、室内側のガラスパネルに外付けされている。この評価ユニット14については後述するが、この評価ユニット14を含む破壊検知装置の配置位置は、防犯用合わせガラスの左上コーナー部11に限定されるものではなく、コーナー部であればその配置位置は問わない。また、図1で示される引き違い戸に設置する場合には、評価ユニット14は薄い方が好ましく、具体的には引き違い戸の開け閉めの際に邪魔にならない厚さ以下が好ましい。
図2は、防犯用合わせガラス10の組立斜視図である。
同図に示す防犯用合わせガラス10は、2枚のガラスパネル16、18のうち、室内側に配置されるガラスパネル18が熱処理ガラスであって、2枚のガラスパネルの間に中間膜20が介在されて合わせ加工されている。
熱処理ガラス18は、板ガラスを熱処理してガラス表面に強い圧縮応力層をつくり、破壊強度を増加させ、破損したときに細片となるように製造したものである。JISでは厚さ4ミリ以上のガラスパネルについて強化ガラスの規定があるが、実施の形態の熱処理ガラス18は、単板用サッシ12との取付関係により厚さが3ミリ(ガラスパネル16も同様の厚さ)のものが多いので、ここでは強化ガラスの表現を使用せず、熱処理ガラスと称する。また、実施の形態の熱処理ガラス18もJIS R3206で規定される破片数が40以上であることが望ましい。また、中間膜20としてはポリビニルブチラール、ポリウレタン、エチレンビニルアセテート共重合体などが選択される。なお、ガラスパネルを破壊する抗力を備えるためには、中間膜20としてポリビニルブチラール膜を使う場合、約1.5mm以上の厚さを持つことが望ましい。
熱処理ガラス18の左上コーナー部11であって、中間膜20と対向する面には、破壊検知装置を構成する2枚の矩形状電極22、24が所定の間隔を持って配置されている。また、2枚の電極22、24を直列に接続する細線26が、左上コーナー部11の2辺にまたがって直角状縁部に沿って配置されている。
電極22、24、及び細線26は導電性のものであれば良く、a)導電性フィラーと低融点ガラスフリットからなる導電ペーストを熱処理中に固化させもの、b)導電フィラーを含んだエポキシ樹脂ペーストを固化させたもの、c)あらかじめ熱処理ガラスに施された導電コーティングをトリミングしたものを例示できる。細線26は、ガラス割れを細線の断線として検出するために、細い線状である事が好ましい。なお、電極22、24、及び細線26としては脆性に富み、又はヤング率が大きく、少ない変形で破壊に至り細線が断線するものが望ましい。a)は耐久性が優れ、熱処理ガラスの熱処理工程と同時に、電極、細線を固化させることが出来るため好適である。
一方、細線26と中間膜20との間には、L字状に形成された介挿フィルム28が介在される。また、2枚の電極22、24に対向するように、熱処理ガラス18を介して前述した評価ユニット14が外付けされる。
介挿フィルム28は、防犯用合わせガラス10の構成上問題が生じないものが選択して使用される。例えば、厚すぎると、発泡、剥離などの原因になるので、実施の形態では中間膜20として、ポリビニルブチラールを使う場合の合わせガラス製造温度にも耐えうる厚さ0.1ミリのポリエチレンテレフタレートが用いられている。また、介挿フィルム28は、ガラス端まで配置される必要がある。更に、細線26のみを覆い、電極22、24を覆う必要は無い。また、ガス、水などの侵入による電極22、24の劣化を考慮すると、電極22、24は介挿フィルム28で覆われていないことが望ましい。
評価ユニット14は図3に示すように、2枚の合わせガラスのガラス板の破壊検出用の電極22、24と熱処理ガラス18を介して対向配置され、2枚の電極22、24との間で直列のコンデンサを形成する2枚のコンデンサ電極30、32を有している。また、2枚のコンデンサ電極30、32のうち、コンデンサ電極32と等電位であって、コンデンサ電極30の評価ユニットケース36側の全面を覆い、コンデンサ電極30とコンデンサを形成するようにシールドするシールド電極38を有している。更に、前記直列のコンデンサの静電容量を電圧に変換する容量・電圧変換回路(電気回路)40と、容量・電圧変換回路40によって変換された電圧に基づいて合わせガラスの割れの有無を演算(検知)する演算処理部(検知手段)42と、演算処理部42によって熱処理ガラス18の割れが検知された際に、割れを示す情報を無線で発信するアンテナと通信回路(通信手段)44と、これらの各部に電力を供給する電池46とが、コンパクトな評価ユニットケース36にそれぞれ収納されて構成されている。
また、評価ユニット14は、複層の電子基板48が用いられており、最下面に容量検知用のコンデンサ電極30、32が設けられ、中間層にシールド層を兼ねた回路グランドが設けられ、最上面に容量・電圧変換回路40、演算処理部42、アンテナと通信回路44等の回路が実装されている。更に、電子基板48は評価ユニットケース36の蓋を兼ねている。精度よい測定を行うには、直列に構成された二つのコンデンサの容量を大きくするように、コンデンサ電極22−30の間、24−32間の距離は小さいことが望ましいため、電子基板48を蓋にし、コンデンサ電極30、32と、熱処理ガラス18に配置された電極22、24との間隔を小さくしている。なお、電子基板48は一般的な電子用基板でよく、ここではガラスエポキシ基板が用いられ、コンデンサ電極30、32には銅が用いられている。
また、コンデンサ電極30、32の形状は、熱処理ガラス18に配置された電極22、24と同形状又は略同形状である。そして、電極24とコンデンサ電極32には、アンテナ44の位置に対応する位置に、図2の如く切欠き25、33が形成されている。同様に図3に示したシールド電極38にも、アンテナ44に対応する位置に切欠き(不図示)が形成されている。
図4は、4枚の電極22、24、30、32によって形成されるコンデンサの等価回路を示した回路図であり、同図のC1は電極24とコンデンサ電極32との間で発生する静電容量、C2は電極22とコンデンサ電極30との間で発生する静電容量、C3は電極22と電極24との間で発生する静電容量、C4はコンデンサ電極30とコンデンサ電極32との間で発生する静電容量である。
同図に示す等価回路によれば、細線26の破断前後での容量変化量(相対値)を大きくするには、C1、C2を大きくすること、C3を小さくすることが必要になる。また、C1、C2を大きくするには、a)電極の面積を大きく、b)C1,C2を形成するコンデンサの電極間距離を小さく、c)誘電率を大きくするのが有効であるが、a)、b)は制約があるため、適宜その大きさを設定すればよい。C3を小さくするには、コンデンサ電極32とコンデンサ電極30、電極24と電極22の距離を離すこと、対向する長さを短くすることが有効となる。C1とC2は望ましくは等しく、|C1−C2/C1|<=15%であることが好ましい。また、センシング精度の観点から、コンデンサ電極32とコンデンサ電極30が占める面積、電極24と電極22が占める面積は5〜100cmであり、C1、C2>10pf、C3<6pfであることが望ましい。
評価ユニット14の無線通信機能として、面積が1cm以下のアンテナ44が用いられている。また、住宅・オフィスなど一般的な建築物では、例えば400MHz、2.45GHz帯での周波数を用いた通信が一般的である。高周波であるほど、一般的にアンテナ44は小さくできる。またチップアンテナを使うことで、グランド層を除いた実質的な大きさを数mmにすることができる。
一方、アンテナ44から発信された無線情報を受信する、図3の警報装置(警報発生手段)50は、光・音などでアラームを出したり、電話回線などにより結果を転送したりすることができる。信頼性が高く、電池46の消費電力を小さくするアルゴリズムとして、例えば下記が考えられる。(1)比較的短い時間間隔t1(例えば、t1<=30s)毎に、評価ユニット14は容量を測定し、異常が無い場合は何も実行しない。(2)そして、容量が閾値以下になった時に、通信機能部分を起動し、警報装置50に破壊を示す情報を送信する。常時、無線に関わる部分は、起動していないため電池46の消費電力を小さくできる。一方で、比較的長い時間間隔(例えば、6時間以下)で、評価ユニット14が定期的にシステムの健全性(例えば、システムが正しく動いているかの確認)を測定し、その結果を警報装置50に送信するようにすれば信頼性が高まる。
また、前記t1毎に測定した容量を評価ユニット14の記憶部(不図示)に記憶させ、前回或いは、前回から数回遡った平均値との差を評価し、ある閾値以上になったら破壊と判断するようにしてもよい。
次に、前記の如く構成された防犯用合わせガラス10の特徴について説明する。
図1に示す防犯用合わせガラス10は、破壊の衝撃によりガラスパネル全体にクラックが入る熱処理ガラス18を、合わせガラスのガラスパネルに使用し、このような破砕数が大きい熱処理ガラス18の特性を利用して、熱処理ガラス全体に電極を配置することなく、熱処理ガラス18のコーナー部11にのみサイズの小さい2枚の電極22、24を配置している。この点において、ガラスパネルの全体に導電膜を形成する特許文献1の防犯用合わせガラスと比較して、組立性が向上し、製造コスト的にも有利となる。
また、この防犯用合わせガラス10によれば、2枚の電極22、24を接続する細線26を熱処理ガラス18のコーナー部11の直角状縁部に沿って配置している。これに対して熱処理ガラス18の辺部に沿って細線26を配置した場合には、熱処理ガラス18の破壊時に飛散しようとしたガラス粒同士がお互いに拘束し合うため、熱処理ガラス18にクラックが入っても2枚の電極22、24は細線26で接触した状態を維持し、破壊を検知しない。
そこで、実施の形態の防犯用合わせガラス10のように、熱処理ガラス18のコーナー部11に細線26を配置した場合には、熱処理ガラス18にクラックが入ると、コーナー部11のガラスは破壊するため、熱処理ガラス18の破壊を検知することができる。
更に、細線26が中間膜20に拘束されないように、細線26と中間膜20との間に介挿フィルム28が介在されている。コーナー部であっても中間膜の拘束により、ガラスが破壊しても欠け落ちない場合が有りうるが、実施の形態の防犯用合わせガラス10によれば、当該介挿フィルム28を使うことによりコーナー部はガラスが破壊すると欠け落ち、熱処理ガラス18の破壊を精度よく検出することができる。なお、介挿フィルム28を介在させることなく、細線26に対応する位置の中間膜20を切除しても同様の効果を得ることができる。
ところで、この防犯用合わせガラス10は、2枚の電極22、24に対向するように評価ユニット14を、室内側に位置する熱処理ガラス18を介して外付けしている。この評価ユニット14は、2枚の電極22、24との間で直列のコンデンサを形成する2枚のコンデンサ電極30、32と、2枚のコンデンサ電極30、32のうち、コンデンサ電極32と等電位であって、コンデンサ電極30の評価ユニットケース36側の全面を覆い、コンデンサ電極30とコンデンサを形成するようにシールドするシールド電極38を有している。
これにより、図5の如く、室内から回路に触れた場合と、室外ガラス(例えば、フロート製のガラスパネル16)を触れた場合の変換電圧の幅が、シールド有りの場合とシールド無しの場合とを比較すると、シールド有りの方が大幅に小さくなる。これにより、室内外での外乱の影響を非常に小さく抑えることができ、誤検知を防止することができる。
また、評価ユニット14は、容量電圧変換を用いる。例えば静電容量に電荷をチャージさせてその放電時間から容量を測定する方法を使うことが出来、その場合、一回の測定に対して一回の電圧印加のみでよい。これにより、特許文献1に対して、消費電力が小さくなる。
図6(A)は、図2に示した第1の実施の形態の防犯用合わせガラスの概略断面図、図6(B)は、第2の実施の形態の防犯用合わせガラス60の概略断面図、図6(C)は、第3の実施の形態の防犯用合わせガラス70の概略断面図である。
図6(B)に示す防犯用合わせガラス60は、コンデンサ電極30、32をガラスパネル16と中間膜20とを介して電極22、24に対向配置したもので、図6(C)に示し防犯用合わせガラス70は、熱処理ガラス18の表面に電極22、24を配置し、この電極22、24に対向してコンデンサ電極30、32を、絶縁層72を介して配置したものである。
図6(A)の防犯用合わせガラス10は、合わせガラス内部に電極22、24、及び細線26があるため、耐久性の点で有利であり、また、図6(B)の防犯用合わせガラス60と比較すると、電極間が近く、容量を大きくできるとともに、熱処理ガラス18が室内側にあるため、防犯性能(貫通させるまでに要する時間)が優れている。一方、図6(C)の防犯用合わせガラス70は、ガラス表面に電極22、24、及び細線26があるため耐久性上劣るが、電極22、24間距離を非常に小さくすることができるので、小さな電極形状で十分な検知性能を得ることができる。
第1の実施の形態の防犯用合わせガラスの斜視図 図1に示した防犯用合わせガラスの組立斜視図 評価ユニットのA−A部分の断面図 評価ユニットによる等価回路の回路図 シールド電極の有り無しの比較を変換電圧の変動で示した説明図 他の実施の形態の防犯用合わせガラスを示した概略断面図
符号の説明
10、60、70…防犯用合わせガラス、11…コーナー部、12…単板用サッシ、14…評価ユニット、16…ガラスパネル、18…熱処理ガラス、20…中間膜、22、24…電極、26…細線、28…介挿フィルム、30、32…コンデンサ電極、36…評価ユニットケース、38…シールド電極、40…容量・電圧変換回路(電気回路)、42…演算処理部(検知手段)、44…アンテナ(通信手段)、46…電池、48…電子基板、50…警報装置

Claims (3)

  1. 2枚の矩形のガラスパネルのうち少なくとも一方のガラスパネルが熱処理ガラスであって、2枚のガラスパネルの間に中間膜が介在された合わせガラスにおいて、
    前記熱処理ガラスの少なくとも1つのコーナー部に配置された2枚の電極と、
    前記2枚の電極を接続するとともに、前記コーナー部に沿って配置された細線と、
    前記細線と前記中間膜との間に介在される介挿フィルムと、
    前記2枚の電極に対向するように、前記合わせガラスのガラスパネルを介して取り付けられる評価ユニットとを備え、
    前記評価ユニットは、
    前記2枚の電極との間で直列のコンデンサを形成する2枚のコンデンサ電極と、
    前記コンデンサの静電容量を電圧に変換する電気回路と、
    電気回路によって変換された電圧に基づいて合わせガラスの割れの有無を検知する検知手段と、
    検知手段によって合わせガラスの割れが検知された際に、割れを示す情報を無線で発信する通信手段とを有することを特徴とする防犯用合わせガラス。
  2. 前記評価ユニットは、2枚のコンデンサ電極のうち、一方のコンデンサ電極と等電位であって、他方のコンデンサ電極の評価ユニット側の全面を覆い、他方のコンデンサ電極とコンデンサを形成するようにシールドするシールド電極を有することを特徴とした、請求項1に記載の防犯用合わせガラス。
  3. 請求項1、又は2に記載の前記通信手段から発信された前記情報を受信し、警報を発生する警報発生手段を有することを特徴とする防犯用合わせガラスシステム。


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