JP4843254B2 - ルータ - Google Patents

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Description

本発明はルータに関し、特にベースに対して本体を移動させることにより刃物の位置を微調整して、被削材に形成される溝の深さを調整するルータに関する。
被削材に溝等を形成するための電動工具たるルータが従来より知られている。ルータは、ベースと本体と刃物とハンドルとを備えており、ベースは被削材上を摺動する摺動面を有する。摺動面には、当該摺動面を垂直の方向に貫通するベース貫通孔が形成されている。
本体は、摺動面の反被削材側、即ち被削材が当接する摺動面の側とは反対の側において摺動面に垂直の方向にベースに対して移動可能に支持されている。通常では、摺動面が当接する被削材の面は水平に配置され、摺動面も水平に配置されるため、本体の移動方向である摺動面に垂直の方向は、鉛直上下方向に略一致する。従って、本体は、通常では、ベースに対して上下動可能に支持されている。また本体には、後述の一対の円柱部材を挿入するための一対の貫通孔が形成されている。
ベースに対する本体の支持は一対のコラムと呼ばれる円柱部材を介して行われる。一対の円柱部材は、摺動面に垂直の方向に指向し互いに平行に配置される。一対の円柱部材の一端はベースに対して移動不能に固定され、他端側は、本体に形成された一対の貫通孔に挿入されている。一対の貫通孔が形成されている本体の部分の一方には、本体に対して一対の円柱部材を一時的に移動不能に固定するための固定部材が設けられている。本体に対して一対の円柱部材を一時的に移動不能に固定することにより、ベースに対して本体を一時的に移動不能に固定することができる。
また、本体は、被削材にベースの摺動面が当接し摺動面が水平とされた状態の本体の左右方向外方へ突出する本体突出部を有する。ハンドルは本体突出部の突出端にそれぞれ1つずつ設けられており、右手、左手でそれぞれ把持することができるように構成されている。
また、本体内には電動機が内蔵されている。電動機には、摺動面に垂直の方向であって略ベースへ向かう方向へ延出する出力軸が設けられている。刃物は出力軸の端部に装着されている。本体が上下動することによりベース貫通孔内において、ベースの摺動面よりも被削材側、即ち、摺動面の被削材に当接している側へ突出可能である。
ルータを用いて被削材に溝を形成する方法の一例を挙げると次のとおりである。固定部材による一対の円柱状部材の本体への固定を解除しベースに対して本体を移動可能の状態とし、作業者は、ルータのハンドルを右手、左手でそれぞれ把持することにより本体を支持しながら、ベースに対する所望の位置へ本体を移動させる。そして、固定部材によって一対の円柱状部材を本体へ固定して本体をベースに対して移動不能の状態とする。このことによりベース貫通孔内において、ベースの摺動面よりも被削材側へ刃物を所望の量だけ突出させる。この所望の量が被削材に形成される溝の深さとなる。
この状態で、ルータのハンドルを右手、左手でそれぞれ把持することによりルータ支持しながら、略水平とされた被削材上でベースの摺動面に当接する被削材の面に沿ってルータを移動させる。このことにより、ベースの摺動面よりも被削材側へ突出する刃物によって被削材に溝が形成される。このようなルータは、例えば特公平6−020726号公報(特許文献1)に記載されている。
特公平6−020726号公報
しかし従来のルータでは、上述のように作業者は、ルータのハンドルを右手、左手でそれぞれ把持することにより本体を支持しながら、ベースに対する所望の本体の位置へ本体を移動させて、ベースの摺動面よりも被削材側へ刃物を所望の量だけ突出させていたため、刃物の突出量を微調整することは困難であった。
また、他のルータの使用方法としては、いわゆるルータテーブルの端縁部にルータを支持するための支持部材をルータに取付け、ルータのベースを本体に対して鉛直上方に位置させた状態で、当該支持部材によりルータテーブルの端縁部においてルータを支持した状態で使用する方法がある。この場合にはハンドルを右手、左手でそれぞれ把持することにより比較的重い本体を重力に抗して支持して鉛直上下方向に移動させて刃物の突出量を調整するため、刃物の突出量の微調整は更に困難であった。
また、例えば、ベースに対する本体の移動量を微調整可能とする微調整機構を設けることが考えられるが、微調整を行う前の段階では、本体を所望の位置の近傍へ移動させることは従来と同様に必要であるため、ハンドルを右手、左手でそれぞれ把持することにより本体を支持して移動させることもできなければならない。このため、微調整機構による微調整が可能な微調整モードと、微調整機構による微調整を行うことができずハンドルを把持して本体を支持しながら移動させる本体移動モードとの切替えが可能でなければならない。更に、これらのモードを、作業者が手で支持等することなく維持することができなければ、ハンドルを把持することにより本体を支持して移動させることや、微調整することを容易に行うことは困難である。
そこで、本発明は、ベースに対する本体の移動量を容易に微調整可能とすることにより刃物の突出量を微調整可能として、且つ、当該微調整を行う微調整のモードを維持することが可能なルータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、開口部と被削材上を摺動する摺動面とを有するベースと、該摺動面の反被削材側において該摺動面の該反被削材側に対向して該ベースに垂直の方向に上下動可能に該ベースに支持され、電動機を内蔵し、該摺動面に略垂直の方向であって該ベースへ向かう方向へ該電動機から延出する出力軸を有する本体と、該出力軸の端部に装着された刃物とを備え、該開口部は該ベースを貫通して該被削材側と該反被削材側とに開口し、該刃物は、該本体の上下動により該反被削材側から該被削材側へと向かう方向において該ベースへ接近させられて該ベースの該摺動面よりも該被削材側に該開口部から突出可能なルータにおいて、該摺動面の該反被削材側において該摺動面に略垂直の方向に延出し、一端が該摺動面に垂直の方向へ移動不能且つ回転可能に該ベースに支承され、少なくとも一部に該反被削材側から該被削材側へと向かう方向において該本体を位置調整するための雄ネジ部を有するボルトと、該ボルトの該雄ネジ部と係合して螺合可能であり該反被削材側から該被削材側へと向かう方向において該本体を位置調整するための雌ネジを有し、該ボルトの該雄ネジ部と該雌ネジとが係合する係合位置と、該雄ネジ部と該雌ネジとの係合が解除される係合解除位置との間で移動可能な係合部材と、該係合部材を該係合解除位置に保持するための係合解除位置保持手段と、該係合部材を該係合位置に保持するための弾性部材と、を有し、該本体には本体雌ネジが螺刻され、該係合解除位置保持手段は該係合部材の移動方向において当接可能な駆動部材を備え、該駆動部材の外周面には該本体雌ネジと螺合する駆動部材雄ネジが設けられ、該駆動部材の雄ネジの螺進退により該係合部材を該係合位置又は該係合解除位置とするルータを提供している。
また、該駆動部材雄ネジと該本体雌ネジとの螺合による該駆動部材の螺進退方向は該ボルトの軸心に垂直の方向に一致し、該係合部材は該駆動部材の螺進退に連動して該係合位置又は該係合解除位置となることが好ましい。
また、該係合部材は、該係合部材の移動方向へ該係合部材の外周面から延出する係合部材延出部を有し、該係合部材延出部の延出端にはフランジ状の当接部材が設けられ、該駆動部材は、該係合部材延出部の周面上であって該当接部材と該係合部材の外周面との間に配置され、該係合部材延出部の軸を中心として回動可能、且つ該当接部材と該係合部材の外周面とに当接可能であることが好ましい。
また、該駆動部材は、該駆動部材雄ネジと該本体雌ネジとの螺合により該ボルトの軸心に垂直の方向に螺進退可能であり、該駆動部材が該ボルト側へ螺進することにより該駆動部材は該係合部材に対し当接押圧して該係合部材を該係合解除位置へ移動させ、該駆動部材を螺退させるときには、該係合部材は該弾性部材の押圧力により該係合位置へと移動させられることが好ましい。
また、回動操作可能であり、回動操作されることにより該駆動部材が螺進退するように該駆動部材へ回動力を伝達する操作部材と、該操作部材の回動位置を規制する規制手段とを有し、該規制手段は該係合部材が該係合位置または該係合解除位置にあるときに該操作部材の回動を規制することが好ましい。
また、該操作部材は、該駆動部材の回動軸に垂直の方向に延びる延出部を有するレバー部材であり、該規制手段は該延出部の回動範囲内の該本体の部分に設けられ、該延出部が回動して該延出部に当接することにより該レバー部材の回動を規制することが好ましい。
また、該レバー部材と該駆動部材とは互いに連結される連結部を有し該レバー部材と該駆動部材と相対的に回動可能であり、該連結部には、該レバー部材と該駆動部材との相対的な回動を規制し該レバー部材を該駆動部材に対して回動不能に固定する固定部材が設けられていることが好ましい。
請求項1記載のルータによれば、該摺動面の反被削材側において該摺動面に略垂直の方向に延出し、一端が該摺動面に垂直の方向へ移動不能且つ回転可能に該ベースに支承され、少なくとも一部に雄ネジ部を有するボルトと、該ボルトの該雄ネジ部とが係合して螺合可能な雌ネジを有し、該ボルトの該雄ネジ部と該雌ネジとが係合する係合位置と、該雄ネジ部と該雌ネジとの係合が解除される係合解除位置との間で移動可能な係合部材と、該係合部材を該係合解除位置に保持するための係合解除位置保持手段とを有するため、係合部材が係合位置にあるときに、ボルトを回転させることによってボルトに対して係合部材が螺進退し、係合部材が本体と一体でボルトの軸方向に移動可能である場合には、係合部材の螺進退により本体を当該螺進退方向へ移動させることができる。このため、ベース及びボルトに対する本体の位置を微調整することができる。また、係合部材を係合位置に保持するための弾性部材を有しているため、駆動部材の螺進退に伴い駆動部材と係合部材とが一体で移動可能な場合には、駆動部材の雄ネジを本体雌ネジに押圧させることができ、雄ネジと本体雌ネジとの間のガタの発生を防止することができる。また、該本体には本体雌ネジが螺刻され、該係合解除位置保持手段は該係合部材の移動方向において当接可能な駆動部材を備え、該駆動部材の外周面には該本体雌ネジと螺合する駆動部材雄ネジが設けられ、該駆動部材の雄ネジの螺進退により該係合部材を該係合位置又は該係合解除位置とするため、雄ネジを螺進退させなければ、係合部材を係合位置、又は係合解除位置に維持させることができる。このため、作業者が係合部材を係合位置、又は係合解除位置に維持させるための煩わしい操作の必要性をなくすことができる。
請求項3記載のルータによれば、該係合部材は、該係合部材の移動方向へ該係合部材の外周面から延出する係合部材延出部を有し、該係合部材延出部の延出端にはフランジ状の当接部材が設けられ、該駆動部材は、該係合部材延出部の周面上であって該当接部材と該係合部材の外周面との間に配置され、該係合部材延出部の軸を中心として回動可能、且つ該当接部材と該係合部材の外周面とに当接可能であるため、係合部材は駆動部材の螺進退に伴い駆動部材と一体で、係合位置から係合解除位置への移動、又は係合解除位置から係合解除位置への移動を行うことができる。
請求項4記載のルータによれば、該駆動部材は、該駆動部材雄ネジと該本体雌ネジとの螺合により該ボルトの軸心に垂直の方向に螺進退可能であるため、該駆動部材が該ボルト側へ螺進することにより該駆動部材は該係合部材に対し当接押圧して該係合部材を該係合解除位置へ移動させることができる。また、該駆動部材を螺退させるときには、該係合部材を該弾性部材の押圧力により該係合位置へと移動させることができる。
請求項5又は請求項6記載のルータによれば、回動操作可能であり、回動操作されることにより該駆動部材が螺進退するように該駆動部材へ回動力を伝達する操作部材と、該操作部材の回動位置を規制する規制手段とを有し、該規制手段は該係合部材が該係合位置または該係合解除位置にあるときに該操作部材の回動を規制するため、係合部材が係合位置又は係合解除位置にあるときの操作部材の位置よりも更に操作部材が回動しすぎてしまうことを規制することができる。
請求項7記載のルータによれば、該レバー部材と該駆動部材とは互いに連結される連結部を有し該レバー部材と該駆動部材と相対的に回動可能であり、該連結部には、該レバー部材と該駆動部材との相対的な回動を規制し該レバー部材を該駆動部材に対して回動不能に固定可能な固定部材が設けられているため、連結部において固定部材による固定を解除してレバー部材と駆動部材との相対的な回動位置を微調整することができる。このため、規制手段によって操作部材が回動規制されているときに、係合部材が最適な係合位置、係合解除位置となるように駆動部材の位置を微調整することができる。
本発明の実施の形態によるルータについて図1乃至図34を参照しながら説明する。ルータ101は、図1に示すようにベース110と本体130と刃物151とを備えている。ベース110は所定の厚みを有し、一方の面110Aは図示せぬ被削材上を摺動する摺動面をなしている。摺動面をなす一方の面110Aに対する他方の面110Bの略中央の位置には、図示せぬ被削材に対して摺動面が摺動しているときの被削材側へ向けて、即ち、他方の面110Bから一方の面110Aへ向けて窪んだ略円柱形状の凹部110aが形成されている。凹部110aは、後述のダストガイド176を収容可能であり、反被削材側たるベース110の他方の面110Bの側へ開口する。当該開口する部分を画成するベース110の部分は開口部をなし、開口部を含む開口部近傍のベース110の部分はダストガイド収容部をなす。
開口部の略中央位置、即ち略円柱形状をした凹部110aの軸心の位置には、ベース貫通孔110bが形成されている。ベース貫通孔110bは、ベース110の一方の面110Aと他方の面110Bとを結ぶ方向に貫通しており、その径は後述の刃物151が同方向において通過可能な程度の大きさになっている。
ダストガイド収容部であって後述のダストガイド176の排出口176Bに対向するベース110の位置には、図23に示されるように傾斜面110Cが設けられている。傾斜面110Cは、ダストガイド収容部の凹部の底面からベース110の他方の面110B、即ち、ベース110の反被削材側の面へ向けて傾斜しており、後述のように、切粉をダストガイド176の内周面176Cにより画成される空間からダストガイド176の排出口176Bを通して、ベース110の反被削材の面側、即ち、他方の面110B側へ排出することができるように構成されている。
ベース110の反被削材側、即ち、他方の面110B側であってダストガイド収容部の外方の直径方向の位置には、図19に示されるように、コラム挿入凹部110cが形成されている。コラム挿入凹部110cは略円柱形状をなし、反被削材側から被削材側に向けて、即ち、ベース110の他方の面110Bから一方の面110Aに向けてベース110を貫通せずに所定の深さで形成されている。コラム挿入凹部110cには、平行に配置された円筒状のコラム111、112の一端が挿入されている。コラム111、112は円柱部材に相当する。
コラム挿入凹部110cを画成するベース110の部分であってダストガイド収容部に最も近い位置に対するコラム挿入凹部110cの直径方向の位置には、それぞれピン挿入穴110d、110dが形成されている。ピン挿入穴110d、110dは、図1又は図19におけるベース110の左右側面からコラム挿入凹部110cの半径方向内方へ向けて形成されており、それぞれ1本ずつ図示せぬピンが挿入されている。図示せぬピンがコラム挿入凹部110cに挿入されたコラム111、112の一端部を図19の左方向又は右方向から押圧することにより、一対のコラム111、112はその一端がベース110に固定されベース110に対して移動不能となり、ベース110の反被削材側である他の面から垂直に起立した状態となっている。
また、ベース110のダストガイド収容部を間に挟んで図1の紙面の表寄り及び裏寄りの位置には、図19に示されるように、ベース110の略左右方向に直線状に一対の溝110e、110eが形成されている。一対の溝110e、110eは平行に形成されており、一対の溝110e、110eの所定の位置には固定ネジ113、114が設けられている。被削材の端面と当接する当接面を有する図示せぬ2本のL字状のガイドを一対の溝110e、110eにそれぞれ挿入して、固定ネジ113、114で図示せぬガイドをベース110に固定することにより、被削材に直線的な溝を切削する作業を行うことができるように構成されている。
また、ベース110には、後述のボルト117の一端を挿入し固定するためのボルト固定用貫通孔110fが形成されている。ボルト固定用貫通孔110fは、ベース110の被削材側である一方の面110Aと反被削材側である他方の面110Bとを結ぶ方向にベース110を貫通している。一方ボルト117の一端よりの所定の位置には、図5に示されるように、段部117Aが設けられている。ボルト固定用貫通孔110fには、後述の円柱形状のボルト117の一端が挿入され、段部117Aがボルト固定用貫通孔110fの後述の本体130に対向する位置にある開口部の部分に当接する。そして、被削材側に位置するボルト117の一端にロックナット118が螺合することにより、図5に示されるように、ボルト117がベース110に対して固定される。ボルト117は、コラム111、112に平行に且つベース110に対して垂直に起立して設けられている。
また、ベース110には、後述のストッパポール165の一端が当接可能なストッパポール当接位置調節手段115が設けられている。ストッパポール当接位置調節手段115は、図4、図19に示されるように、ターンテーブル部115Aと、複数の突出部115B、115Cと、固定手段115Dとを備える。ターンテーブル部115Aは、図19に示されるように、本体130からベース110へ向う方向で見た形状が略円形をなしており、その軸心がベース110の摺動面たる一方の面110Aに対して垂直をなし回転軸となるようにベース110に回転可能に支承されている。
より具体的には、図4に示されるように、ターンテーブル部115Aの軸心位置には略円柱形状の貫通孔115aが形成されており、貫通孔115aには、ベース110から本体130へ向けて突出する円柱形状の突出部110Dが挿入されている。突出部110Dの先端には、ワッシャ115Eを介してネジ115Fが突出部110Dに同軸的に螺着されている。ワッシャ115Eは、突出部110Dの先端においてフランジ状をなし、ターンテーブル部115Aに当接することによりターンテーブル部115Aが突出部110Dから外れてしまうことを防止する。
複数の突出部115B、115Cは、ターンテーブル部115Aの周方向に沿った位置であって、図19で上方を0°とし反時計方向の角度を+の角度とした場合に120°の位置と240°の位置とにそれぞれ設けられている。突出部115B、115Cはそれぞれターンテーブル部115Aから垂直に延出しており、延出長さは異なり、それぞれ所定の延出長さを有する。また、突出部115B、115Cには、図示せぬ突出部雄ネジが設けられており、突出部115B、115Cを回転させることにより突出部115B、115Cをその軸方向へターンテーブル115Aに対して螺進退するように構成されている。
ストッパポール当接位置調節手段115が設けられているため、被削材に対して溝を段階的に切削して、最終的に深い溝を形成することが可能となっている。例えば、加工材を切削することにより60mm等の比較的深い溝を形成する場合、後述のモータたる電動機131への負荷が大きいことから1回の切削作業で形成するのは困難であるため、溝を段階的に切削して最終的に深い溝とする必要がある。
このような作業の際には、まず、ストッパポール165が、ターンテーブル部115Aの上面に当接した状態で刃物151がベース110の一方の面110Aから60mm突出した状態となるように調整する。また、ターンテーブル部115Aの上面からの突出部115Bの突出量が40mmとなるよう調整し、ターンテーブル部115Aの上面からの突出部115Cの突出量が20mmとなるよう調整する。
そして、突出量が40mmである突出部115Bにストッパポール165を当接させた状態で20mmの溝を切削する。その後、ターンテーブル部115Aを回転させ、突出量が20mmである突出部115Cにストッパポール165を当接させ、この状態で切削作業を行うと、既に形成されている20mmの溝の底から更に20mmの深さの溝、すなわち40mmの深さの溝が形成される。次いで更にターンテーブル部115Aを回転させ、ストッパポール165をターンテーブル部115Aに上面に当接させた状態で切削をすると40mmの深さ溝の底から更に20mmの深さの溝が形成され、合計60mmの深さの溝を形成することができる。
このようにベース110上面に対して突出量が異なる突出部115B、115Cを有するストッパポール当接位置調節手段115にストッパポール165下端が当接することとしたため、被削材を段階的に切削して深い溝を形成する作業を容易に行うことができるようになっている。
また、固定手段115Dは、ターンテーブル部115Aの周方向に沿った位置であって、図19で上方を0°としたときの当該0°の位置に設けられている。固定手段115Dは、図4に示されるように、ベース110の一方の面110Aと他方の面110Bとを連通するようにしてベース110に形成された固定部貫通孔110gと、固定部貫通孔110gと平行にターンテーブル部115Aを貫通するターンテーブル部固定部貫通孔115bと、雄ネジと115Gとを有している。一方、後述のストッパポール165の一端部は、その内周面に第2雌ネジが螺刻されている。
ベース110の一方の面110A、即ち、被削材側から固定部貫通孔110g内、ターンテーブル部固定部貫通孔115b内にこの順で雄ネジ115Gを挿入してゆき、ベース110の他方の面110Bの側において後述のストッパポール165の一端部の第2雌ネジに螺合させることにより、ストッパポール165をベース110に固定して保持することができ、後述のように、本体130に対するストッパポール165の相対的な移動量、又は、本体130に対するベース110の相対的な移動量を検出することができるように構成されている。
また、ダストガイド収容部の開口部の内周面には、図19に示されるように、2つの爪部110E、110Eが設けられている。爪部110Eは、開口部の内周面において図19の上方を0°とし時計方向の角度を+の角度とした場合に120°の位置と240°の位置とに設けられている。
また、ベース110の他方の面110B、即ち、反被削材側の面には、図19に示されるようなダストガイド固定ネジ176Eが螺合する雌ネジが螺刻された図示せぬ穴部が形成されている。ダストガイド固定ネジ176Eは、後述のダストガイド176に設けられた延出部176Dに形成された貫通孔176bを貫通し、当該図示せぬ穴部に螺合することにより、ダストガイド176がダストガイド収容部内に収容された状態でダストガイド176をベース110に固定するように構成されている。
一対のコラム111、112の外周は、図1、図2に示されるように、それぞれ保護部材111A、112Aにより保護されており、一対のコラム111、112の他端側は、後述のようにコラム111、112が本体貫通孔130b、130cに挿入されることにより本体130をコラム111、112に対して摺動可能に支承している。このことにより、本体130はベース110の摺動面である一方の面110Aに対して垂直の方向に、即ち図1において上下方向に移動可能に支持されている。
本体130は、電動機131の出力軸131Aを回転可能に支持しているが、変形等によって、電動機131の出力軸131Aが位置ずれしてしまい切削精度が低下することがないよう、電動機131の受け面となる図1の本体130の下部は硬度の高い金属等の導電性の材料(例えばアルミ合金)から構成される導電性ケーシング部130Aからなる。それよりも図1の上方の部分は樹脂製ケーシング部130Bとなっている。
本体130内部であって図1に示される左右方向の略中央の位置には、電動機131が内蔵されている。電動機131からは、図1の下方、即ち、摺動面たる一方の面110Aに垂直の方向であってベース110へ向かう方向へ出力軸131A(モータ軸)が延出しており、出力軸131Aの下端には、図1に示されるように、コレットチャック132を介して刃物(ビット)151が着脱可能に装着されている。
刃物151は、電動機131が駆動することにより回転し、本体130の上下動により、即ち、本体130がベース110に対して接近することより、ベース110の摺動面たる一方の面110Aよりも被削材側に開口部のベース貫通孔110bから突出可能である。従って、被削材上をベース110の摺動面が摺動しているときには、開口部のベース貫通孔110bから突出する刃物151が被削材に切込み、溝等を形成することができるように構成されている。また、図1に示されるように電動機131の出力軸131Aと同軸的に遠心ファン133が設けられており、ファン風を本体130からベース110へ向う方向へと送ることができるように構成されている。
電動機131は、本体130を構成する導電性ケーシング部130Aの、図3の略中央の位置に載置固定される。導電性ケーシング部130Aには、図3に示されるように、コレットチャック132を外部に露出させるための貫通孔130aが図の略中央の位置に形成されており、また、電動機131が固定されている位置の図に示される左右両端には、一対の本体貫通孔130b、130cが形成されている。一対の本体貫通孔130b、130cには、それぞれ一対のコラム111、112の他端側が導電性ケーシング部130Aに対して摺動可能に挿入されている。また、ボルト117を挿入するためのボルト挿入用貫通孔130eが形成されている。
(ファン風の流れについて)
また、請求項に係る発明と無関係であるが参考のためファン風の流れについて説明する。導電性ケーシングには、図1、図3に示されるように、貫通孔130aと同軸的にファン風をベース110へ送るための略環状貫通孔130dが形成されている。略環状貫通孔130dは、図1に示されるように、ベース110の開口部の略中央位置にあるベース貫通孔110bの方向へ傾斜する本体傾斜面130Cを有しており、ファン風がベース110に到達するまでの間に図1に示されるルータ1の左右外方へ流れ出てしまうことを防止することができるように構成されている。略環状貫通孔130dはファン風排出口に相当する。
一対のコラム111、112の外径は同一であるが、これに対して一対の本体貫通孔130b、130cの径は同一ではない。図3に示されるように、図の右方に形成されている一方の本体貫通孔130cの径は、図の左方に形成されている他方の本体貫通孔130bの径よりも僅かに大きい。従って、一方の本体貫通孔130cの径と一方の本体貫通孔130cに挿入されている一方のコラム112の外径との差は、他方の本体貫通孔130bの径と他方の本体貫通孔130bに挿入されている他方のコラム111の外径との差よりも大きい。更に、図5に示されるように、他方の本体貫通孔130b内には環状部材134が圧入されており、環状部材134の内径はコラム111の外径と略同一である。従って、図3の左側に形成されている他方の本体貫通孔130bの方が、右側に形成されている一方の本体貫通孔130cよりもコラム111の位置の精度が高くなるように構成されている。
図5に示されるように、本体130内部であって一対のコラム111、112の他端と樹脂製ケーシング部130Bの一部との間には、外径がコラム111、112の内径よりも径の小さい一対の小径コラム135が配置されている。小径コラム135の一端は樹脂製ケーシング部13Bに固定されており、他端はコラム111、112の内部に摺動挿入可能である。なお、図5においては、一対の小径コラム135のうちの1本のみが現れている。
小径コラム135の外周面上には圧縮バネ136がそれぞれ巻回されており、圧縮バネ136の一端は樹脂製ケーシングに当接し、他端はコラム111、112の他端と環状部材134の内周面とにより規定される段部に当接している。圧縮バネ136は本体130を図5の上方へ、即ち、本体130をベース110から離間させる方向へ常時付勢している。
本体130の背面であって導電性ケーシングの部分には、図2に示されるように、ロックレバー137が回動可能に設けられている。ロックレバー137はノブ部137Aと図示せぬ雄ネジが螺刻された軸部137Bとを備えており、軸部137Bは、導電性ケーシング部130Aに形成され導電性ケーシング部130A外部と一方の本体貫通孔130cとを連通し内周面に雌ネジが螺刻された図示せぬロックレバー貫通孔に螺合している。軸部137Bの先端は一方のコラム112に対し当接押圧可能である。
ロックレバー137を回動させて軸部137Bの先端を一方のコラム112に対して当接押圧することにより本体130を一方のコラム112に固定することができるように構成されている。また、ロックレバー137を逆方向に回動させて軸部137Bの先端をコラム112の外周面から離間させることによって、本体130のコラム112への固定が解除される。
ベース110に対して垂直に起立して設けられたボルト117の、ベース110に固定されている一端部に対する他端側は、図5に示されるように本体130のボルト挿入用貫通孔130eを貫通している。ボルト挿入用貫通孔130e内に位置しているボルト117の外周面には、図6〜図9に示されるように雄ネジ部117Bが螺刻されている。ボルト挿入用貫通孔130eは、その内部がボルト117の軸方向に垂直の方向に向けて広く形成されており、当該内部に外形が略直方体形状をした係合部材138や後述の駆動部材139が設けられている。係合部材138は、このようにボルト挿入用貫通孔130eの内部が広く形成されているため、ボルト117の軸方向に垂直の方向へ移動可能である。広く形成されているボルト挿入用貫通孔130eの部分は、本体130の背面に向けて開口している。
係合部材138の略中央の位置には略円柱形状のボルト挿入孔138aが形成されており、ボルト挿入穴の径はボルト117の外径よりも大きい。ボルト挿入孔138aの内周面であって図7の右側の一部には、ボルト挿入孔138aの半径方向外方へ窪んだ円弧状の凹部138bが形成されており、凹部138bには雌ネジが螺刻されている。凹部138bの雌ネジには、ボルト117の雄ネジ部117Bが螺合可能である。図9に示されるように、ボルト117の雄ネジ部117Bと凹部138bの雌ネジとが係合する位置が係合位置であり、図7に示されるように、雄ネジ部117Bと雌ネジとの係合が解除される位置が係合解除位置であり、係合部材138は、係合位置と係合解除位置との間で移動可能である。
係合部材138の外周面138Aには円柱形状の係合部材延出部138Bが設けられている。係合部材延出部138Bは、係合部材138の外周面138Aから本体130の背面の方向、即ち、図6の左方向へ向けて延出しており、その周面には略円柱形状の駆動部材139が、係合部材延出部138Bの軸と同軸的に且つ係合部材延出部138Bの軸を中心として回転可能に環装されている。駆動部材139は係合部材138の外周面138A寄りの部分が拡径部139Aとなっており、拡径部139Aの外周面には雄ネジ139Cが螺刻されている。駆動部材139は、拡径部139Aの部分までが、広く形成されているボルト挿入用貫通孔130e内に位置しており、その先の縮径部139Bは、本体130の背面から外部に突出している。
係合部材延出部138Bの延出端には凹部138cが形成されており、凹部138cには、ワッシャ140が環装されてネジ141が螺着されている。ワッシャ140は、係合部材延出部138Bの延出端においてフランジ状に係合部材延出部138Bの半径方向外方へ突出しており、駆動部材139の縮径部139Bが当接している。また、駆動部材139の拡径部139Aは係合部材138の外周面138Aに当接している。このことにより、係合部材延出部138Bの延出端と駆動部の縮径部139Bとは面一になっており、駆動部材139は、ワッシャ140と係合部材138の外周面138Aとの間に配置されて保持されている。ワッシャ140は当接部材に相当する。
広く形成されているボルト挿入用貫通孔130eの一部を画成する本体130の一部であって拡径部139Aの雄ネジ139Cに対向する位置には、雌ネジ130fが螺刻されている。雌ネジ130fには駆動部材139の拡径部139Aの雄ネジ139Cが螺合しており、駆動部材139が係合部材延出部138Bを中心として回転することにより、ボルト117の軸方向へ螺進退可能に構成されている。雌ネジ130fは本体雌ネジに相当する。
駆動部材139の縮径部139Bにはレバー部材142が環装されている。レバー部材142は、図6に示されるように、駆動部材139の回動軸に垂直の方向に延びる延出部142Aを有している。レバー部材142が環装されている駆動部材139の縮径部139Bと当該レバー部材142の部分は、レバー部材142と駆動部材139とを連結する連結部をなしており、レバー部材142の連結部の部分には内周面に雌ネジが螺刻された円柱形状の凹部142aが形成されている。凹部142aには、端部に六角形状の凹部が形成された無頭ネジ143が螺合しており、無頭ネジ143が螺進してゆき駆動部材139とレバー部材142とを押圧することによりレバー部材142を駆動部材139に対して回動不能に固定することができるように構成されている。レバー部材142は操作部材に相当する。
レバー部材142が駆動部材139に対して回動不能に固定された状態のときに、作業者は延出部142Aを摘んで回動させることにより、駆動部材139を回転させボルト117の軸心に垂直の方向へ螺進退させて、係合部材138の凹部138bの雌ネジとボルト117の雄ネジ部117Bとが螺合する係合位置に係合部材138を移動させたり、係合部材138の凹部138bの雌ネジとボルト117の雄ネジ部117Bとの螺合が解除される係合解除位置に係合部材138を移動させたりすることができるように構成されている。
このように、駆動部材139を回転させることにより係合部材138を係合位置から係合解除位置へと移動させたり、また、係合解除位置から係合位置へと移動させたりするようにしたため、係合解除位置において駆動部材139を回転させないようにすることにより、係合部材138を係合解除位置に維持することができる。駆動部材139の雄ネジ139Cと当該雄ネジが螺合する本体130の雌ネジ130fとは係合解除位置保持手段に相当する。
本体130の背面には、図2に示されるように背面から突出する回動規制部材144が設けられている。回動規制部材144は、レバー部材142の延出部142Aの回動範囲内に設けられており、延出部142Aが回動して延出部142Aに当接することによりレバー部材142の回動を規制するように構成されている。
ここで、前述の無頭ネジ143を螺退させて駆動部材139に対してレバー部材142を回動可能とし、回動角度を調整した後に無頭ネジ143を螺進させて駆動部材139に対してレバー部材142を回動不能とすることにより、レバー部材142の延出部142Aが回動規制部材144に当接した状態のときに係合部材138が係合位置となるようにすることができ、または、延出部が回動規制部材144に当接した状態のときに係合部材138が係合解除位置となるようにすることができる。
また、無頭ネジ143を螺退させて駆動部材139に対してレバー部材142を回動可能とし、回動角度を微調整した後に無頭ネジ143を螺進させて駆動部材139に対してレバー部材142を回動不能とすることにより、レバー部材142の延出部142Aが回動規制部材144に当接した状態のときに係合部材138が係合位置となるようにしたときに、係合部材138の凹部138bの雌ネジとボルト117の雄ネジ部117Bとの螺合の具合を微調整することができ、強く螺合しすぎたり螺合が浅すぎたりしないように微調整することができる。
広く形成されているボルト挿入用貫通孔130e内であって、係合部材延出部138Bが延出する方向に対して反対の側には、図6〜図9に示されるように圧縮バネ145が設けられている。圧縮バネ145は、図6〜図9に示されるように、一端がボルト挿入用貫通孔130eを画成する本体130の部分に当接し、他端が係合部材138に当接しており、係合部材138を常時本体130の背面方向、即ち、図6の左方向へ付勢している。このため、駆動部材139の雄ネジ139Cが、その螺進退方向において当該雄ネジが螺合する雌ネジ130fに押圧された状態となっているため、螺合におけるガタが生ずることを防止することができる。この結果、レバー部材142にガタが生ずることを防止することができる。
ボルト117の上方、即ち、ボルト117の他端側には、図5に示されるように、円筒状の軸146が接続部材147を介してボルト117に同軸的に接続されて設けられている。接続部材147は略円筒形状をなしており、内部において軸方向の一端側の空間と他端側の空間とを分離する壁部147Aが設けられている。壁部147Aには内周面に雌ネジが螺刻された貫通孔が形成されており、当該雌ネジには雄ネジ148が螺合している。雄ネジ148は、ボルト117の他端に形成され内周面に雌ネジが形成された凹部の当該雌ネジに螺合することにより、接続部材147とボルト117とを一体回転可能に連結している。
軸146は、図5に示すように、コラム111、112の軸方向に平行の方向へ向けて本体130の樹脂製ケーシング部130Bに形成された円柱形状の挿通孔130gに挿通している。軸146の一端の周面には雄ネジ146Aが螺刻されており、一方、接続部材147の一端部の内周面には雌ネジ147aが螺刻されている。当該雌ネジ147aに雄ネジ146Aが螺合することにより、接続部材147と軸146とを一体回転可能に連結している。前述のように接続部材147とボルト117とが一体回転可能に連結されていることと相まって、軸146を回転させればボルト117が軸146と一体回転するように構成されている。
接続部材147に接続されている軸の一端に対する他端には微調整ノブ149が固着されている。微調整ノブ149は、軸146に垂直の面で切った断面が円形状をなしており、その半径は軸146の半径よりもはるかに大きい。このため、微調整ノブ149を少し回すことによってボルト117を僅かに回転させることができ、ボルト117が回転することにより係合位置にある係合部材138をボルト117の雄ネジ部117Bに対して相対的に僅かに螺進退させることができる。係合部材138はボルト挿入用貫通孔130e内においてボルト117の軸方向には移動不能であるため、係合部材138が僅かに螺進退することにより、本体130を係合部材138と一体でボルト117の軸方向へ進退させることができる。
本体130の他方のコラム111が設けられた部分、即ち、図1に示される本体130の左側の部分の近傍の位置には、図10に示されるように、ストッパポール165が組み込まれたデジタル表示ユニット160が設けられている。デジタル表示ユニット160は、図1に示されるように、ビス162によって本体130に取り付けられたカバー161によってその周囲が覆われている。
(ストッパポールについて)
請求項に係る発明と無関係であるが参考のためストッパポールについて説明する。デジタル表示ユニット160においては、互いに結合一体化されたハウジング163、164(図14)内に略板状をした長方形状のストッパポール165が、ハウジング163、164に対して移動可能に挿通支持されている。ストッパポール165の長手方向は、デジタル表示ユニット160を本体130に固着したときに、コラム111、112及びボルト117と平行の方向に指向し、後述のようにストッパポール165は、この方向へ本体130又はベース110に対して相対的に移動可能である。
ハウジング163、164には、図14に示されるように、ハウジング163、164内部と外部とを連通する連通孔160aが形成されている。連通孔160aは、デジタル表示ユニット160を本体130に固着したときに最もベース110寄りとなるハウジング163、164の位置に形成されており、ベース110の方向に向けて開口している。連通孔160aにおいては、ストッパポール165がハウジング163、164内部から外部へと突出しており、ストッパポール165が上述のように移動し、連通孔160aから所定の長さだけベース110へ向けてストッパポール165が突出するように構成されている。
ここでハウジング163、164内には、後述のように精密なスリットの形成されたテープ166や当該スリットを検出するための検出部171が設けられており、粉塵等のハウジング163、164内への浸入を避けるために、ハウジング163、164とハウジング163、164との接続面は図示せぬシール部材によりシールされている。また、連通孔160aの部分においても粉塵等の浸入を防止する必要があり、連通孔160aの開口の部分には、ストッパポール165に接触するフェルト167、167が設けられており、内部への粉塵等の侵入を防止可能としている。フェルト167はシール部材を構成する。
ストッパポール165の一部であってハウジング163、164内に位置している部分には、図11に示されるように、切欠き165aが形成されている。切欠き165aは、ストッパポール165の幅を部分的に狭くしたような形状となっており、当該部分は狭幅部165Aをなす。切欠き165aの部分には、狭幅部165Aに平行に多数の細いスリット166a(図15)が形成された薄いテープ166が掛渡されており、テーブ166の長手方向の両端は、図11に示されるように、ネジによって切欠き165aを画成するストッパポール165の部分に固着されている。テープ166のスリット166aは、テープ166の長手方向において1インチの間に150個形成されている。
ストッパポール165の狭幅部165Aであって図11に表れている部分の裏側には、図14に示されるようにラック165Bが形成されている。また、ハウジング20,21には、ハウジング163、164内部と外部とを連通する軸挿入用貫通孔160bが形成されている。
軸挿入用貫通孔160bは、図11に示されるように、ストッパポール165に対して垂直の方向へ向けてハウジング163、164外部へ開口しており、軸挿入用貫通孔160b内には、軸168が当該軸挿入用貫通孔160b内で回転可能且つその軸方向に移動可能に支承されている。軸168の一端部はピニオン168Aを有しており、ストッパポール165のラック165Bに係合可能である。軸挿入用貫通孔160bがハウジング163、164外部へ開口する開口部には段部160Aが設けられており、後述のピン168Cが係合可能に構成されている。なお、図14においては、説明の便宜上ラック165Bは一部のみを図示している。
軸168の他端にはノブ168Bが設けられている。ノブ168Bは、軸168に垂直に切った断面における外形輪郭が円形をなしており、その中心位置には、後述の雄ネジ169と螺合可能な雌ネジの形成された貫通孔が形成されている。貫通孔には、貫通孔の一方の開口部から雄ネジ169が螺合してゆき、貫通孔を貫通し、雄ネジの頭がノブ169に当接した状態となり、更に、貫通孔の他方の開口から突出した雄ネジ169が、軸の他端に形成され内周面に雌ネジが螺刻された図示せぬ凹部の当該図示せぬ雌ネジに螺合することにより、ノブ169は軸168と一体で回転可能且つ軸方向に移動可能となっている。また、軸168の長手方向における略中央の位置には、図13に示されるように、軸168の直径方向へ突出する円柱形状のピン168Cが設けられている。
ピニオン168Aが設けられている部分の軸168の他端寄りの端部には、図12、図13に示されるように段部168Dが設けられている。軸168の一部であってピニオン168Aよりも軸の他端寄りの位置には、圧縮バネ170が軸168の周りに巻回されている。圧縮バネ170の一端は段部168Dに当接し、他端は、ハウジング163、164の一部であって軸挿入用貫通孔160bを画成している部分に当接している。圧縮バネ170は、常時軸168を図12、図13の右方、即ち、図12、図13に示されるようにラック165Bにピニオン168Aが重なって係合するピニオン168Aの係合位置となる方向へ付勢している。
軸168の長手方向においてノブ168Bの一部と軸挿入用貫通孔160bを画成するハウジング163、164の一部とは、ノブ168Bに対して外部から本体130の外方へ引張る力が加わっていないときには、図11に示されるように互いに当接している。このときピニオン168Aは、ラック165Bと係合する係合位置にあり、ノブ168Bを回転させることにより、ストッパポール165をその長手方向へ移動させて、ストッパホールの位置を微調整することができるように構成されている。
ノブ168Bに対して外部から本体130の外方へ引張る力が加わることにより、ノブ168Bが図12に示されるように図の左方向に移動させられているときには、軸168の長手方向においてノブ168Bの一部と軸挿入用貫通孔160bを画成するハウジング163、164の一部とは互いに当接しておらず、ピニオン168Aは、ラック165Bと係合していない非係合位置にある。このため、ノブ168Bを回転させてもストッパポール165は移動しない。
この状態のときに、ノブ168Bを回転させることにより軸168を回転させて、図12に示される状態から図13に示される状態とすると、ピン168Cが段部160Aに係合し、圧縮バネ170の付勢力に抗して軸168及びノブ168Bが図の右方向へ移動しようとすることを阻止し、ラック165Bとピニオン168Aとが係合していない状態が維持されるように構成されている。ピン168C及び段部160Aは非係合位置維持手段に相当する。
図14に示されるように、ハウジング163、164内であってストッパポール165の切欠き165aに掛渡されたテープ166の位置には、ストッパポール165と一体に移動するテープ166の移動量を検出することによりストッパポール165の移動量を検出するための光電方式の検出部171が設けられている。検出部171は、図14に示されるように、テープ166をその厚さ方向において挟むようにして配置されており、テープ166の一方の側に光の照射部171Aが設けられ、テープ166の他方の側に光の受光部171Bが設けられている。照射部171Aと受光部171Bのセットは計2セット設けられ、1/4周期位相をずらして配置されており、テープ166の移動量のみならず、テープ166が図14に示される上方向に移動したのか下方向へ移動したのかを検出できるように構成されている。
図11に示されるように、ハウジング163、164内であって、ストッパポール165に対向する位置には板バネ172が設けられている。板バネ172は、円弧状に湾曲され更にその湾曲された円弧の略中央位置をその円弧の半径方向に押圧することにより2箇所で円弧状に湾曲した形状をなしている。板バネ172は当該略中央位置とその両端の位置とにおいてハウジング163、164に支持されており、2個所の湾曲した部分がストッパポール165に当接することにより、常時ストッパポール165の長手方向に略垂直の方向からストッパポール165を押圧する。板バネ172が常時ストッパポール165を押圧するため、ストッパポール165がハウジング163、164内においてガタつくことを防止することができる。板バネ172は押圧手段に相当する。
(デジタル表示ユニットについて)
請求項に係る発明と無関係であるが参考のためデジタル表示ユニットについて説明する。デジタル表示ユニット160の正面には、図10に示すように表示部160Bが設けられており、この表示部160Bには、ストッパポール165の移動量をデジタル表示するためのLCD(液晶表示装置)160Cと、その周囲に配されたライトON/OFFスイッチ160D、零設定スイッチ160E、及び切替/TABLEスイッチ160Fとが設けられている。
ライトON/OFFスイッチ160Dは、ルータ1を図34に示すようにベース110を本体130に対して鉛直上方に位置させてルータテーブル2に取り付けた場合等において、表示部160Bが暗くて見づらいときに表示部160Bを照明するためのスイッチである。スイッチを押す毎に、「数値等の表示を一切しない表示なしの状態」と、「バックライトOFFで数値を表示する状態」と、「バックライトONで数値を表示する状態」との3つの状態にこの順で変わるように構成されている。零設定スイッチ160Eは、LCD160Cにデジタル表示されるストッパポール165の移動量の値を基準値である「0」にリセットするためのスイッチである。
(上下逆転表示について)
請求項に係る発明と無関係であるが参考のため上下逆転表示について説明する。切替/TABLEスイッチ160Fは、切替スイッチとしての機能とTABLEスイッチとしての機能を兼備しており、これを所定時間(本実施の形態では、3秒)以上押し続けるとその機能が切り替えられる。切替スイッチとしては、LCD160Cにデジタル表示される数値たる移動量の単位を、図16、図17に示されるように「inch」又は「mm」に切り替える機能を果たし、TABLEスイッチとしては、図34に示されるように、LCD160Cにデジタル表示される数値たる移動量の上下を逆転させる機能を果たす。切替/TABLEスイッチ160Fは上下逆転表示手段に相当する。
デジタル表示ユニット160への電力の供給に際しては、電動機131へ電力を供給する電源回路173(図18)が共用される。図1に示される本体130の上部には、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル101Aの一端部101Bが接続されており、電源回路173は、図18に示されるように、本体130内であって電源ケーブル101Aの一端部101Bが接続されている位置の近傍に配置されている。この位置に電源回路173が配置されているため、電源ケーブル101Aから供給された電力が電源回路173に入るまでの間に、本体130内においてノイズを拾ってしまうことを極力防止することができる。
電源回路173からはコード173Aがデジタル表示ユニット160へ至るまで延出しており、所定の電圧に変換されて、デジタル表示ユニット160へ電力供給される。また、電源回路173からはコード173Bがコネクタ173Cを介して電動機131へ至るまで延出しており、所定の電圧に変換されて電動機131へ電力供給される。電動機131へ電力を供給するためのコード173Bの途中には、ON/OFFスイッチ173Dが設けられており、スイッチ173DをONにすることにより電動機131の駆動が開始される。スイッチ173DをOFFにすることにより、電動機131の駆動が停止するように構成されている。また、ストッパポール165に対向する本体130の導電性ケーシング部130Aの位置には、図1に示されるように、ストッパポール165を一時的に本体130に対して移動不能とするためのノブ130Dが設けられている。
(ハンドルについて)
請求項に係る発明と無関係であるが参考のためハンドルについて説明する。図1に示される本体130の左右両端にはハンドル130E、130Eが設けられている。より具体的には、本体130を構成する導電性ケーシング部130Aの図1に示される左右両端の位置には、本体130の左右方向外方へ延出する本体突出部130F、130Fが設けられており、ハンドル130E、130Eは、本体突出部130F、130Fの先端に本体突出部130F、130Fに対してそれぞれ回動可能に支承されて設けられている。ハンドル130Eは略直方体形状をなしており、内部が中空でハンドル内空間130Gが形成されており、本体突出部130Fの突出方向に垂直な面で切った断面は、図24、図25に示されるように、長方形の長手方向の一端側における2つの角のうちの1つの角を曲線としたような形状をなしている。
当該2つの角のうちの曲線とされていない方の角の部分には、図24、図25に示されるように、ハンドル130Eの外方であって当該略長方形の長辺に略垂直の方向に突出する突出部130Hが設けられている。ハンドル130Eは、作業者の手によって図29、図30に示されるように把持される。このとき、作業者の人差し指の側面が突出部130Hに当接することによって、作業者の手に対して把持されているハンドル130Eの位置が、ハンドル130Eの長手方向へ移動することを防止することができる。
(速度可変ダイヤルについて)
請求項に係る発明と無関係であるが参考のため速度可変ダイヤルについて説明する。突出部130H近傍のハンドル130Eの位置であって、ハンドル130Eを作業者が手で把持したときに親指で操作可能なハンドル130Eの位置、即ち、図24、図25に示されるように本体突出部130Fの突出方向に垂直な面で切った断面形状である略長方形の角のうちの前述のように1つの角を曲線とした部分の位置には、電動機131の回転速度を調整可能な速度可変ダイヤル130Iが設けられている。速度可変ダイヤル130Iは可変抵抗器により構成されており、図24、図25に示されるように円形状をなし、その軸心を回転軸としてハンドル130Eに対して回転可能に支承され、その回転軸は本体突出部130Fの突出方向に平行である。
速度可変ダイヤル130Iは、図24、図25に示されるように、大部分がハンドル130Eの内部に収容されており、その周面の一部のみがハンドル130E外部に露出されている。外部に露出している速度可変ダイヤル130Iの部分はハンドル130Eの外形の輪郭よりも内方に位置しており、ハンドル130Eの外形の輪郭から突出していない。このため、作業者が誤って速度可変ダイヤル130Iを回転させてしまうことを防止することができる。
本体突出部130Fは、図27に示されるように、円柱の一部を切欠いた形状をしている。切欠かれた部分である円柱切欠き部130iは、円柱の軸心を中心として90°の扇形の部分であり、軸方向に沿って切欠かれた形状となっている。一方、ハンドル130Eの側には、円柱切欠き部130iの円弧の部分を補うような形状の円弧状部130Jがハンドル130Eから突出して設けられており、円弧状部130Jが本体突出部130Fに同軸的に配置されることにより、図24〜図26に示されるように、本体突出部130Fと円弧状部130Jとの間に本体突出部内空間130hが画成されている。
本体突出部130Fの円柱切欠き部130iには、絶縁性の材料により構成される絶縁部材174が設けられている。絶縁部材174は、図27に示されるように、円柱切欠き部130iの形状に倣った形状をしており、円柱切欠き部130iを覆うように設けられている。円柱切欠き部130iに対向する本体130の樹脂製ケーシング部130Bの部分には、コード175が挿通されるコード挿通孔130mが形成されている。
一方、本体突出部130Fに対向するハンドル130Eの部分には、ハンドル内空間130Gとハンドル130Eの外部とを連通するハンドル連通孔130jが形成されている。絶縁部材174は、その一部がハンドル連通孔130j内に突出しており、ハンドル130Eの回動方向におけるハンドル連通孔130jの一端及び他端を画成するハンドル130Eの部分にそれぞれ当接可能である。このように、絶縁部材174が当該ハンドル130Eの部分に当接することにより、ハンドル130Eの回動が規制されるように構成されている。ハンドル連通孔130jに対向する本体突出部内空間130hの部分は本体突出部連通孔130k(図26)を構成する。
ハンドル内空間130Gと本体突出部内空間130hとは、ハンドル連通孔130jと本体突出部連通孔130kとを介して連通しており、その一部は、ハンドルの回動位置に関わらず連通した状態が維持されている。前述のようにハンドル130Eは本体突出部130Fに対して回動可能であるが、ハンドル130Eの回動に伴いハンドル内空間130Gと本体突出部内空間130hとが非連通状態とならないようにする必要がある。後述のようにハンドル内空間130Gと本体突出部内空間130hとに渡ってコード175(図24等)が配置されるためである。
このため、ハンドル130Eの回動方向におけるハンドル連通孔130jの一端には、図24、図25に示されるように、一端の位置よりもハンドル130Eの回動方向へ窪んだ凹部130lが形成されている。凹部130lを介してハンドル内空間130Gと本体突出部内空間130hとが常時連通状態となっており、凹部130lには、ハンドル130Eが回動されてハンドル連通孔130jの一端に絶縁部材174が当接するときに、コード175が一時的に退避可能に構成されている。
コード175は、一端が電動機131(図1)に接続され、コード挿通孔130mを通り絶縁部材174を跨ぐようにして本体突出部内空間130h内を通り本体突出部連通孔130kとハンドル連通孔130jとを通り、ハンドル内空間130G内へ入り、速度可変ダイヤル130Iに接続されている。
ハンドル130Eが回動可能であるため、作業者はハンドル130Eを所望の角度としてルータ1を使用することができる。ハンドル130Eが回動させる際に、ハンドル連通孔130jに凹部130lが形成されているため、ハンドル内空間130Gと本体突出部内空間130hとを常時連通状態とすることができ、コード175を通すことができる。
また、上述のように、突出部130H近傍のハンドル130Eの位置であってハンドル130Eを作業者が手で把持したときに親指で操作可能なハンドル130Eの位置に、電動機131の回転速度を調整可能な速度可変ダイヤル130Iが設けられているため、刃物151で被削材に対して切込みながらその状態を目視して、電動機131を最適な回転数に調整することができる。
(ダストガイドについて)
請求項に係る発明と無関係であるが参考のためダストガイドについて説明する。導電性ケーシング部130Aの略環状貫通孔130dに対向するベース110の位置に配置され前述のダストガイド収容部に収容されているダストガイド176は、図20に示されるように、軸方向の長さの短い略円筒形状部176Aと排出口176Bとを有しており、後述のように刃物151によって被削材に対して切込んでいるときには、ダストガイド176の略円筒形状部176Aの内周面176Cは、刃物151の回転軸を中心とする半径方向外方の位置において刃物151を中心として略円形に取囲んでいる。
ダストガイド176の略円筒形状部176Aの外周面には、図19に示されるように2つの凹部176a、176aが形成されている。凹部176a、176aは、図19に示されるように本体130からベース110へ向う方向から見て時計周り方向を+の角度とした場合に、略円筒形状部176Aの後述の排出口176Bを略45°の位置としたときの120°の位置と240°の位置とに形成されており、ダストガイド収容部の2つの爪部110E、110Eにそれぞれ係合可能である。ダストガイド176の略円筒形状部176Aはダストガイド収容部の凹部110aの内壁のほぼ全周に渡って当接しており、ダストガイド176のダストガイド収容部内における半径方向の位置決めがなされている。また、ダストガイド固定ネジ176Eによってダストガイド176をベース160に固定することで、ダストガイド176の回転が規制される構造をしている。
また、ダストガイド176の排出口176B近傍には、図19に示されるように、延出部176Dが設けられており、延出部176Dには、貫通孔176b(図20等)が形成されている。ダストガイド176がダストガイド収容部に収容されたときに、2つの爪部110E、110Eが2つの凹部176a、176aに一つずつ係合し、略円筒形状部176Aの延出部176Dの貫通孔176bをダストガイド固定ネジ176Eが貫通し、ダストガイド固定ネジ176Eが前述のベース110に形成された図示せぬ穴部に螺合することによってダストガイド176がベース110に固定される。
軸方向における一端であって本体130に対向する上端部には、ダストガイド176の略円筒形状部176Aの周面から半径方向へ延出する上壁部176Fが設けられている。上壁部176Fにおいては、図19に示されるように、ダストガイド176の略円筒形状部176Aの周方向へ略270°に渡り、軸方向に貫通する略台形状の貫通孔176cが所定間隔を隔てて計12個形成されており、貫通孔176cを通してファン風を略円筒形状部176Aの軸方向上端部から下端部へと通すことができるように構成されている。
上壁部176Fが設けられているため、略円筒形状部176Aの上壁部176Fの開口面積が小さくなっている。このため、後述のように刃物151が被削材に対して切込む際に生ずる切粉が、略円筒形状部176Aの内周面176Cにより画成される空間内から外部へ飛散することを極力防止することができると共にダストガイド176に図示せぬ集塵機と接続された図示せぬホースを接続して集塵しながら作業を行う際の集塵率を向上させることができるようにしている。
ダストガイド176の略円筒形状部176Aの内周面176Cには第1壁部176Gと第2壁部176Hとが設けられている。第1壁部176G、第2壁部176Hは、上壁部176Fの略台形状の貫通孔と略同一形状の板状部材を、その一の角の近傍の位置であって当該一の角を挟む2つの辺の所定の位置を結ぶ直線で折り曲げたような形状をしており、第1壁部176Gは、当該折り曲げられた直線の位置を境界線として、当該折曲げられた板状部材の一方に相当し、第2壁部176Hは当該折曲げられた板状部材の他方に相当する。当該境界線を中心として第1壁部176Gの面と第2壁部176Hの面とは鈍角をなしている。
第1壁部176Gは、ダストガイド176の内周面176Cの図19における時計方向へ向って、即ち、刃物151の回転駆動方向へ向かって、内周面176の軸方向の上端部から下端部へ、即ち、図19の紙面の表から裏へと傾斜している。第2壁部176Hは、ダストガイド176の内周面176Cの図19における時計方向へ向って即ち、刃物151の回転駆動方向へ向かって、且つ内周面176Cの半径方向外方へ向って、内周面176の軸方向の上端部から下端部へ、即ち、図19の紙面の表から裏へと傾斜している。
このように第1壁部176Gと第2壁部176Hとが設けられているため、図21において矢印で示されるように、略円筒形状部176Aの内周面176C側において、略円筒形状部176Aの半径方向内方から略外方へ斜めにファン風を流すことができ、ファン風が流れる向きは刃物151の回転方向、即ち、切粉の飛散方向と一致するので、効率良く切粉を排出口176Bまでガイドすることができる。第1の壁部176Gと第2の壁部176Hは指向手段に相当する。
排出口176Bは、図20、図21略円筒形状部176Aの周面から突出して設けられている。排出口176Bは、内部が中空になっておりファン風の流路が画成されている。ダストガイド176の略円筒形状部176Aに接続されている排出口176Bの部分は、図21に示されるように、略円筒形状部176Aの接線方向にファン風の流路が形成されるように、略円筒形状部176Aの内周面176Cに沿って当該内周面176Cにより画成される空間に対して開口しており、略円筒形状部176Aから所定距離だけ離間した位置から少し折曲がり、略円筒形状部176Aの略半径方向外方へ流路が形成されるように構成されている。
略円筒形状部176Aに接続されている排出口176Bは、図示せぬ集塵機のホースの一端を接続可能である。従って、図示せぬ集塵機を駆動させることにより、略円筒形状部176A内の切粉をダストガイド176の排出口176Bを介して集塵機に吸引することができる。
また、集塵機のホースが接続されていない場合であっても、第1壁部176Gと第2壁部176Hとが設けられているため、上壁部176Fの貫通孔を通って略円筒形状部176Aの内周面176Cにより画成される空間内に入ってきたファン風を、図21、図23において矢印で示すように、略円筒形状部176Aの内周面176Cに沿って周方向へ流すことができる。このため、内周面176C近傍の位置に堆積しやすい切粉を、効果的に周方向へ飛ばすことができ、排出口176Bから排出させることができる。
(電気的な構成及び制御について)
請求項に係る発明と無関係であるが参考のため電気的な構成及び制御について説明する。ルータ1の回路基板構成について、図31に示されるブロック図に基づき説明する。図31に示されるように、ルータ1の回路基板上には、マイクロプロセッサ201と、操作指示キー202と、エンコーダシステム203と、液晶表示装置204と、定速度制御装置205と、直流変換器206とが設けられている。後述のアップダウンカウンタと、アップダウンクロックと、演算処理装置と、インターフェイスコントローラユニットの各機能とは、マイクロプロセッサ201のハードウェア及びソフトウェアにより実現される。
直流変換器206は前述の電源回路173である。マイクロプロセッサ201は、電動機131及び電動機131を定速度で制御する定速度制御装置205が接続された交流電源に直流変換器206を介して接続されている。定速度制御装置205には、速度可変ダイヤル130Iと、電動機131のモータの回転数を検出する回転数検出器208とが接続されている。直流変換器206は、交流電流を直流電流へ変換してマイクロプロセッサ201へ供給する。また、マイクロプロセッサ201は、操作指示キー202とエンコーダシステム203とに接続されている。マイクロプロセッサ201は、液晶表示装置204において被削材に形成される溝等の深さの値、即ち、切込み深さの値を表示するように、液晶表示装置204へ表示データを出力する。
液晶表示装置204は、前述のデジタル表示ユニット160の表示部160BのLCD160Cである。エンコーダシステム203は前述の検出部171であり、前述のように位相をずらして配置された2セットの照射部171Aと受光部171Bとにより、切込み深さの値のみならず、切込みの方向をも検出可能に構成されている。エンコーダは、図32に示されるように、信号Aと信号Bとの2つの信号をマイクロプロセッサ201に出力可能である。
切込み深さが深くなる方向へストッパポール165が本体130に対して相対移動しているときには、図32に示されるように、信号Aが信号Bよりも90°位相が進んでいることを示しており、切込み深さが浅くなる方向へストッパポール165が本体130に対して相対移動しているときには、信号Aが信号Bよりも90°位相が遅れていることを示している。
信号A、信号Bの立上がりと立下がりのタイミングで生ずる短いパルスを4分割パルスと呼ぶが、これは、この信号を入力するマイクロプロセッサ201内のアップダウンカウンタのアップダウンクロックとなる。
アップダウン信号は、信号Aと信号Bとの位相の遅進により変化する信号であり、図32においては、切込み深さが深くなる方向では、信号Aが信号Bよりも90°位相が進むことによりアップダウン信号がハイレベルになり、アップダウンカウンタは、アップダウンクロックを入力する毎にインクリメントされる。切込み深さが浅くなる方向では、信号Aが信号Bよりも90°位相が遅れることによりアップダウン信号がロウレベルになり、アップダウンカウンタは、アップダウンクロックを入力する毎にデクリメントされるように構成されている。
操作指示キー202のSW1、SW2、SW3は、それぞれデジタル表示ユニット160の液晶表示装置204たる表示部160Bの周囲に配されたライトON/OFFスイッチ160D、切替/TABLEスイッチ160F、零設定スイッチ160Eである。前述のようにデジタル表示ユニット160の表示部160Bに表示される値の単位は、切替/TABLEスイッチ160FであるSW2が操作されることによりインチ法(inch)とメートル法(mm)とが切り換る。演算処理装置では、現在における状態がインチ法であるときには、アップダウンカウンタの値をインチ目盛りの長さの表示に換算する。現在における状態がメートル法であるときには、アップダウンカウンタの値をmm単位の長さの表示に換算する。
現在における状態、即ち、インチ法であるかメートル法であるかの状態は、図示せぬ記憶手段に記憶されており、電源スイッチたるON/OFFスイッチ173DがOFFにされた後に再びONにされたときに、OFFにされる前の状態となるように構成されている。
また、演算処理装置では、図示せぬ記憶装置に記憶されている「正常表示/逆表示フラグ」の状態が、正常表示の状態であるのか逆表示の状態であるのかを読出すことにより、液晶表示装置204たるデジタル表示ユニット160の表示部160BのLCD160Cに表示される数値を、正常の表示パターンコードに倣った表示とするか逆表示パターンコードに倣った表示とするか決定するように構成されている。
次に、上述の構成のルータ1のマイクロプロセッサ201の動作について、図33に示されるフローチャートに基づき説明する。ON/OFFスイッチ173DがONにされると(スタート)、先ず、マイクロプロセッサ201自身のイニシャライズを行う(S1)。次に、「バックライトOFFで数値を表示する状態」とし(S2)、マイクロプロセッサ201のアップダウンカウンタの値をゼロにする(S3)。
次に、ストッパポール165の移動により生ずる信号A、信号Bの読込みの処理を開始する(S4)。先ず、信号A、信号Bの出力が変化することによりストッパポール165が移動したことを検出すると(S5:Yes)、ストッパポール165の移動方向がベース110から離間する方向か否かの判断を行う(S6)。このとき信号Aと信号Bとの組合せが00→10→11→01と変化した場合には、ベース110から離間する方向であると判断され(S6:Yes)、アップダウンカウンタに1プラスし(S8)、デジタル表示ユニット160の表示部160Bに表示される数値がインチ法か否かの判断を行う(S9)。
信号Aと信号Bとの組合せが01→11→10→00と変化した場合には、ベース110に接近する方向であると判断され(S6:No)、アップダウンカウンタから1マイナスし(S7)、デジタル表示ユニット160の表示部160Bに表示される数値がインチ法か否かの判断を行う(S9)。信号A、信号Bの出力が変化せずストッパポール165の移動を検出できない場合には(S5:No)、デジタル表示ユニット160の表示部160Bに表示される数値がインチ法か否かの判断を行う(S9)。
図示せぬ記憶手段に記憶されている現在におけるインチ法であるかメートル法であるかの状態が、メートル法であるときには、アップダウンカウンタの値をmm単位の長さの表示に換算する(S10)。現在における状態がインチ法であるときには、アップダウンカウンタの値をインチ目盛りの長さの表示に換算する(S11)。
次に、図示せぬ記憶装置に記憶されている「正常表示/逆表示フラグ」の状態が、逆表示の状態である場合には(S12:Yes)、デジタル表示ユニット160の表示部160Bにおける切込み深さの表示を上下逆に表示させる(S14)。また、「正常表示/逆表示フラグ」の状態が、正常表示の状態である場合には(S12:No)、デジタル表示ユニット160の表示部160Bにおける切込み深さの表示を正常に表示させる(S13)。
次に、ライトON/OFFスイッチ160Dが操作されたか否かの判断を行う(S15)。ライトON/OFFスイッチ160Dが操作されていないために状態が変化していない場合には(S15:変化なし)、零設定スイッチ160Eが操作されたか否かの判断を行う(S19)。ライトON/OFFスイッチ160Dが、nを0以上の整数としてn+1回押されることによりバックライトをONにする状態となった場合には(S15:バックライトON)、表示部160Bに数値の表示を行い且つバックライトをONの状態とし(S18)、零設定スイッチ160Eが操作されたか否かの判断を行う(S19)。
ライトON/OFFスイッチ160Dがnを0以上の整数としてn+2回押されることによりバックライト及び数値等の表示を消す状態となった場合には(S15:消灯)、表示部160Bにおいて数値の表示をせず且つバックライトをOFFの状態とし(S16)、零設定スイッチ160Eが操作されたか否かの判断を行う(S19)。ライトON/OFFスイッチ160Dがnを0以上の整数としてn+3回押されることによりバックライトをOFFにする状態となった場合には(S15:バックライトOFF)、表示部160Bに数値の表示を行い且つバックライトをOFFの状態とし(S17)、零設定スイッチ160Eが操作されたか否かの判断を行う(S19)。
次に、零設定スイッチ160Eが操作された場合には(S19:Yes)、アップダウンカウンタの値をゼロにし(S20)、再びストッパポール165の移動により生ずる信号A、信号Bの読込みの処理を開始する(S4)。零設定スイッチ160Eが操作されない場合には(S19:No)、再びストッパポール165の移動により生ずる信号A、信号Bの読込みの処理を開始する(S4)。
次に、ルータ1を用いて被削材に対して切込みを行う作業について説明する。ルータ1を手で持って移動させることによって加工を行う手持ち作業においては、ルータ1は、図1に示すようにベース110が本体130に対して鉛直下方とされて使用される。手持ち作業に際しては、先ずベース110を被削材W上に載せ、ON/OFFスイッチ173DをONにして本体130に内蔵された電動機131に通電して電動機131を駆動させ、電動機131の出力軸131Aと出力軸131Aに装着された刃物151とを回転駆動する。
この状態で、ストッパポール165の下端がベース110上のストッパポール位置調整手段115に当接するまで本体130をコラム111、112に沿って下動させると、刃物151は、ベース110の中央部に形成されたベース貫通孔110bを通過してベース110の下方へ突出して被削材Wに対して切込む。この状態でルータ1を被削材W上で移動させることによって、被削材Wが刃物151によって加工される。
このとき、刃物151のベース110の摺動面からの突出量が刃物151の被削材Wへの切込深さとなり、この切込深さは、ストッパポール165の本体130に対する移動量を調整することによってなされる。以下に切込深さの調整法について説明する。
切込深さの調整に際しては、先ず、ルータ1を被削材W上に載せ、ON/OFFスイッチ173DをONにしてデジタル表示ユニット160に通電する。そして、刃物151の先端が被削材Wの上面に当接するまで本体130を圧縮バネ136の付勢力に抗してコラム111、112に沿って下降させ、刃物151の先端が被削材Wの上面に当接した時点でロックレバー137を締め付けて本体130を固定する。
その後、ノブ130Dを緩めてストッパポール165の固定を解除し、ストッパポール165を下降させてその下端をベース110のターンテーブル部115Aの固定手段115Dに突き当てる。このストッパポール165の位置は、切込深さ零に対応する位置となり、デジタル表示ユニット160の表示部160Bに設けられた零設定スイッチ160Eを押してLCD160Cにデジタル表示される数値を「0」にリセットする(零点調整)。
次に、ノブ168Bを操作して軸168を回転させれば、軸168に設けられたピニオン168Aも一体に回転し、ピニオン168Aに噛合するラック165Bと一体でストッパポール165が本体130に対して上動するが、この移動量が刃物151の切り込み深さとなる。この際、検出部171においてスリット166aを通過した光を受光部171Bにて受光し、ストッパポール165の移動量に応じたスリット166aのパルス数を検出することにより、ストッパポール165の移動量、即ち切込深さが演算される。
上述のようにして演算されたストッパポール165の移動量は、デジタル表示ユニット160の表示部160Bに設けられたLCD160Cにデジタル表示される。LCD160Cに表示される数値を見ながらその値が所望の切込深さに一致するまでストッパポール165を上動させ、デジタル表示と所望の切込深さとが一致した時点でノブ168Bを締め付けてストッパポール165をその位置に固定することにより、切込深さの調整が完了する。
次に、刃物151が被削材Wに接触しない状態で電動機131を駆動して刃物151を回転させ、ストッパポール165の下端がベース110のストッパポール位置調整手段115に当接するまで本体130をコラム111、112に沿って下降させる。この状態で本体130を所定長さ分だけ移動させて刃物151によって被削材Wを所定深さに加工した後、本体130を圧縮バネ136の付勢力によって上昇させるという作業を繰返すことにより、例えば図42に示すような被削材Wに矩形の溝W1を加工することができる。
次に、図34に示すように、ルータ1をその上下を逆転させてルータテーブル102に固定して作業を行う場合において、ルータ1のベース110に対する本体130の移動量を利用する切込深さ調整方法について説明する。
先ず、ルータ1をルータテーブル102に取り付ける前に次の作業を行う。即ち、ストッパポール165を本体130に固定しているノブ130Dを緩め、ストッパポール165を移動させてその上端部をベース110上のターンテーブル部115Aの固定手段115Dに固定することによって、ストッパポール165をベース110に固定する。
この状態では、本体130がベース110及びストッパポール165に対して相対的に上下に移動し得ることとなり、本体130が移動すると、本体130と一体に移動するラック165Bがピニオン168A及び軸23を回転させる。このため、スリット166aを通抜ける光により発生するパルスを検出部171によって検出することによって、前述と同様に本体130の移動量を演算することができ、求められた本体130の移動量をデジタル表示ユニット160のLCD160C上に表示することができる。このように、本実施の形態では、同一のLCD160C上にストッパポール165の移動量と本体130の移動量との何れをも表示することができる。
次に、図34に示すようにルータ1の上下を逆にして、つまりベース110側を本体130に対して鉛直上方として、ベース110に係合するための一対の取付ブラケット103、103を蝶ナット104、104でルータテーブル102の下面に固定することによって、ルータ1をルータテーブル102に取り付ける。そして、切替/TABLEスイッチ160Fを押し、LCD160Cにデジタル表示される本体130の移動量の数値を上下逆転させ、その数値が正面から正しく読み取れるようにする。このとき、デジタル表示ユニット160の表示部160Bの周辺が暗くてLCD160Cにデジタル表示される数値を読み取りづらい場合、またはルータ1を通常状態で使用する場合においても、薄暗い場所等でLCD160Cにデジタル表示される数値が読み取りづらい場合には、ライトスイッチ32を押して表示部160Bを照明してその部分を明るくする。なお、ルータ1をルータテーブル102に取り付けた場合においては、表示部160Bがルータテーブル102の影になって暗くなってしまうので、表示部160Bを照明してその部分を明るくすることは有用である。
次に、レバー部材142を回動させることにより係合部材138と雄ネジ部117Bとを係合させ、本体130に対してボルト117が自由に移動できない状態とする。このときの本体130の位置が切込深さ零に対応する位置となり、デジタル表示ユニット160の表示部160Bに設けられた零設定スイッチ160Eを押してLCD160Cにデジタル表示される数値を「0」にリセットする(零点調整)。
次に、微調整ノブ149を操作してボルト117を回すことにより、ボルト117に螺合する係合部材138が本体130を押上げ本体130を鉛直上方へ移動させる。このときの本体130の移動量は、ルータテーブル102の上面からの刃物151の突出量に一致しており切り込み深さとなり、この移動量は前述のようにデジタル表示ユニット160のLCD160C上に表示される。このため、LCD160Cに表示される数値を見ながらその値が所望の切込深さに一致するまで本体130を上動させ、両者が一致した時点でロックレバー137を締め付けて本体130をその位置に固定すれば、切込深さの調整がなされ、刃物151はルータテーブル102の上面から所定長さ(切込深さ)だけ突出する。
この際、微調整ノブ149が設けられていない場合には、作業者はハンドル130Eを把持して、コラム111、112外周面上の圧縮バネ136によって本体130を鉛直下方へ押下げる力及び本体130の重力に抗して本体130を鉛直上方へ持上げて、最適な位置へ本体130を移動させる必要があり、これでは本体130の位置の微調整は極めて困難であったが、本実施の形態では、微調整ノブ149を回転させることにより本体130の位置の微調整を極めて容易に行うことができる。
上述のようにして切込深さの調整を行った後に、刃物151が被削材Wに接触しない状態で電動機131を駆動させて刃物151を回転させ、この状態で被削材Wをルータテーブル102上で移動させれば、被削材Wが刃物151によって所定の切り込み深さまで加工される。
このような切込深さ調整方法について、上述のようにルータテーブル102にルータ1を固定し本体130に対してベース110を鉛直上方に位置させた状態でルータ1を使用する場合について説明したが、前述のようにルータテーブル102を用いずにルータ1を使用する場合であっても同様に行うことができる。
以上のように、本実施の形態に係るルータ1によれば、ストッパポール165の本体130に対する移動量と本体130のベース110に対する移動量の双方を切込深さとしてLCD160Cにデジタル表示するようにしたため、そのデジタル表示される移動量を見ながらストッパポール165或は本体130を移動させて切込深さを調整することができ、手持ち作業時及びルータテーブル102を使用した固定作業時の切込深さを正確且つ容易に調整することができる。
又、手持ち作業時には、ラック&ピニオン機構によってストッパポール165を本体130に対して移動させることによって、手持ち作業時の切込深さを所定値に正確に調整することができる。
更に、ルータテーブル102を使用した固定作業時には、ノブ130Dによってストッパポール165をベース110に固定した状態で、本体130をベース110に対して移動させることによって、切込深さを所定値に調整することができるが、ストッパポール165のベース110に対する固定/解除により、本体130のベース110に対する移動量のデジタル表示とストッパポール165の本体130に対する移動量のデジタル表示の切り替えを容易に行うことができる。
又、本実施の形態では、ストッパポール165の本体130に対する移動量と本体130のベース110に対する移動量とを同一のLCD160C上にデジタル表示可能としたため、デジタル表示ユニット160を小型・コンパクト化することができるとともに、手持ち作業時とルータテーブル102を使用した固定作業時のLCD160C上への移動量の表示を同一操作で簡単に行うことができ、切込深さの調整作業が簡略化される。
また、本実施の形態では、ストッパポール165の本体130に対する移動量及び本体130のベース110に対する移動量の数値を上下を逆転させてLCD160C上に表示可能としたため、ルータテーブル102を使用した固定作業時にルータ1を上下を逆転させて取り付けた場合であっても、デジタル表示ユニット160のLCD160Cには正しい向きで数値を表示することができ、その数値を正しく容易に読み取ることができる。
本発明によるルータは、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、本実施の形態では、係合部材138の係合部材延出部138Bの延出端にはワッシャ140が環装されてネジ141が螺着され、ワッシャ140には駆動部材139の縮径部139Bが当接しており、駆動部材139がボルト117から離間する方向へ移動しようとするときに、ワッシャ140に当接する駆動部材139がワッシャ140及び係合部材138を駆動部材139と一体で移動させることにより、係合部材138が係合解除位置から係合位置に移動させられるように構成されていたが、この構成に限定されない。
例えば、図35〜図38に示されるように、係合部材138に係合部材延出部138Bを設けず、延出部の延出端に設けられていたワッシャ140やネジを省いた構成としてもよい。この構成では、駆動部材139がノブ部137Aの回動により回転させられて螺進しボルト117に接近する方向へ移動させられることにより、係合部材138が駆動部材139によって図35〜図38の右方向へ移動させられて係合解除位置となる。また、駆動部材139がノブ部137Aの回動により回転させられて螺退しボルト117から離間する方向へ移動させられると、係合部材138は、圧縮バネ145の付勢力によって、図35〜図38の左方向へ移動させられて係合位置となる。
また、図39、図40に示されるように、デジタル表示部ユニット160′を本体130から着脱自在なユニット構成としてもよい。この場合であってもデジタル表示ユニット160′には、本体130に対するストッパポール165の相対的な位置等を表示できるようにするために、デジタル表示ユニット160と本体130とが電気的に接続されている必要がある。このため、デジタル表示ユニット160と本体130とは、図39、図40に示されるようにコード173A′で接続される。
このように着脱自在とし、本体130からデジタル表示ユニット160′を外した状態でルータ101′を使用する場合には、ルータ101′が本体130に対してベース110を鉛直上方に位置した状態とされた場合であっても、ルータ101′が本体130に対してベース110を鉛直下方に位置した状態とされた場合であっても、デジタル表示ユニット160′の上下は変わらず、本実施の形態のように、デジタル表示ユニット160′の表示部160B′において数値を上下逆転表示可能としなくても、作業者は常に表示された数値を正しい向きで読取ることができる。
また、この場合、コードによりデジタル表示ユニット160′と本体130とを接続せずに、無線通信によりデジタル表示ユニット160′と本体130との間で数値のデータ等のやり取りを行うようにし、電動機を駆動させるための電源とは別個独立したデジタル表示ユニット専用の電源を設けるようにしてもよい。
また、本体130の略環状貫通孔130dと対向するダストガイド176の上端部には、図41に示されるように、略環状貫通孔130dの方向へ延出する切粉飛散規制壁176Iが設けられていてもよい。切粉飛散規制壁176Iが設けられていることにより、刃物151による被削材への切込み時に、切粉飛散規制壁176Iよりもダストガイド176の外方へ切粉が飛散することを防止することができる。
また、検出部は本実施の形態の構成に限られない。例えば、遮光板の光センサを用いた光電式、静電容量変化を利用する静電容量方式、ストッパポールに等間隔で着磁された磁極の磁束を検出する磁気方式等の他の任意の検出方法を用いることができる。
また、固定手段115Dは、ストッパポール当接位置調節手段115のターンテーブル部115Aの周方向に沿った位置に設けられた構成となっていたが、この構成に限られない。ストッパポールの一端部に当接可能であり、ストッパポールをベースに対して移動不能に固定できればよい。
また、本体130内には遠心ファン133が設けられていたが、これに限定されず、他の構成のファンが設けられていてもよい。
また、ダストガイドの略円筒形状部の内周面の径、即ち内径は、略環状貫通孔に対向する略円筒形状部の上端部における位置よりもベース110のダストガイド収容部に当接する略円筒形状部の下端部の位置の方が大きくてもよい。このような構成とすることにより、刃物151による被削材への切込み作業時に略円筒形状部の内周面側において、切粉をファン風によりダストガイドの半径方向外方へ、即ち略円筒形状部の中心寄りの位置から内周面へ接近する方向へと吹飛ばすことができる。
また、本実施の形態ではストッパポール165、165が設けられていたが、ストッパポールを有しない構成としてもよい。この場合には、本体に対するコラム又ボルトの相対的な位置を検出する等の構成とすればよい。
また、図10においてライトON/OFFスイッチ160Dと零設定スイッチ160Eの位置を入れ替えて、零設定スイッチ160Eを図10における上方側の位置に配置してもよい。このような配置にすることにより、使用頻度の多い零設定スイッチ160Eがストッパポール165を微調整するノブ168B付近に位置するので、零設定スイッチ160Eを押しやすくなる。
本発明は、ストッパポールを本体に対して移動させ、或は本体をベースに対して移動させることによって刃物の被削材への切込深さを調整する方法を採用する携帯用電気ルータ等の分野において有用である。
本発明の実施の形態によるルータを示す部分断面正面図。 本発明の実施の形態によるルータを示す背面図。 本発明の実施の形態によるルータの導電性ケーシング部を示す要部断面図。 本発明の実施の形態によるルータのストッパポール位置調整手段を示す要部断面図。 本発明の実施の形態によるルータを示す断面図。 本発明の実施の形態によるルータの係合部材が係合解除位置にある状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態によるルータの係合部材が係合解除位置にある状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態によるルータの係合部材が係合位置にある状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態によるルータの係合部材が係合位置にある状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態によるルータのデジタル表示ユニットを示す正面図。 本発明の実施の形態によるルータのデジタル表示ユニットを示す分解正面図。 本発明の実施の形態によるルータのデジタル表示ユニットを示す要部分解正面図。 本発明の実施の形態によるルータのデジタル表示ユニットを示す要部分解正面図。 本発明の実施の形態によるルータのデジタル表示ユニットを示す側方断面図。 本発明の実施の形態によるルータのデジタル表示ユニットのテープを示す拡大図。 本発明の実施の形態によるルータのデジタル表示ユニットのLCDにインチ法による表示をした状態を示す拡大図。 本発明の実施の形態によるルータのデジタル表示ユニットのLCDにメートル法による表示をした状態を示す拡大図。 本発明の実施の形態によるルータの電源回路を示す概念図。 本発明の実施の形態によるルータのベースを示す平面図。 本発明の実施の形態によるルータのダストガイドを示す斜視図。 本発明の実施の形態によるルータのダストガイドを示す斜視図。 本発明の実施の形態によるルータのダストガイドの第1壁部及び第2壁部を示す要部断面図。 本発明の実施の形態によるルータのベースを示す断面図。 本発明の実施の形態によるルータのハンドルを示す側方断面図。 本発明の実施の形態によるルータのハンドルが回動した状態を示す側方断面図。 本発明の実施の形態によるルータのハンドルを示す正面方向断面図。 本発明の実施の形態によるルータのハンドルと本体突出部との関係を示す分解概念図。 本発明の実施の形態によるルータのハンドルと本体突出部との接続位置を示す要部断面図。 本発明の実施の形態によるルータのハンドルを作業者が把持している状態を示す概念図。 本発明の実施の形態によるルータのハンドルを作業者が把持しながら速度可変ダイヤルを操作している状態を示す概念図。 本発明の実施の形態によるルータの回路構成を示すブロック図。 本発明の実施の形態によるルータにおける信号A、信号Bと切込み深さとの関係を示すグラフ。 本発明の実施の形態によるルータにおける動作を示すフローチャート。 本発明の実施の形態によるルータを、ルータテーブルを用いて使用している状態を示す正面図。 本発明の実施の形態の変形例によるルータの係合部材が係合解除位置にある状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態の変形例によるルータの係合部材が係合解除位置にある状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態の変形例によるルータの係合部材が係合位置にある状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態の変形例によるルータの係合部材が係合位置にある状態を示す要部断面図。 本発明の実施の形態の他の変形例によるルータを示す正面図。 本発明の実施の形態の他の変形例によるルータを、ルータテーブルを用いて使用している状態を示す正面図。 本発明の実施の形態の他の変形例によるルータのダストガイドを示す斜視図。 溝加工が施された被削材の部分斜視図。
符号の説明
101、101′・・・ルータ 110・・・ベース 110A・・・摺動面 111、112・・・コラム 117・・・ボルト 117B・・・雄ネジ部 130・・・本体 138・・・係合部材 138A・・外周面 139・・・駆動部材 139C・・・雄ネジ 140・・・ワッシャ 142・・・レバー部材 143・・・無頭ネジ 144・・・回動規制部材 145・・・圧縮バネ 151・・・刃物

Claims (7)

  1. 開口部と被削材上を摺動する摺動面とを有するベースと、
    該摺動面の反被削材側において該摺動面の該反被削材側に対向して該ベースに垂直の方向に上下動可能に該ベースに支持され、電動機を内蔵し、該摺動面に略垂直の方向であって該ベースへ向かう方向へ該電動機から延出する出力軸を有する本体と、
    該出力軸の端部に装着された刃物とを備え、
    該開口部は該ベースを貫通して該被削材側と該反被削材側とに開口し、該刃物は、該本体の上下動により該反被削材側から該被削材側へと向かう方向において該ベースへ接近させられて該ベースの該摺動面よりも該被削材側に該開口部から突出可能なルータにおいて、
    該摺動面の該反被削材側において該摺動面に略垂直の方向に延出し、一端が該摺動面に垂直の方向へ移動不能且つ回転可能に該ベースに支承され、少なくとも一部に該反被削材側から該被削材側へと向かう方向において該本体を位置調整するための雄ネジ部を有するボルトと、
    該ボルトの該雄ネジ部と係合して螺合可能であり該反被削材側から該被削材側へと向かう方向において該本体を位置調整するための雌ネジを有し、該ボルトの該雄ネジ部と該雌ネジとが係合する係合位置と、該雄ネジ部と該雌ネジとの係合が解除される係合解除位置との間で移動可能な係合部材と、
    該係合部材を該係合解除位置に保持するための係合解除位置保持手段と、
    該係合部材を該係合位置に保持するための弾性部材と、を有し
    該本体には本体雌ネジが螺刻され、
    該係合解除位置保持手段は該係合部材の移動方向において当接可能な駆動部材を備え、該駆動部材の外周面には該本体雌ネジと螺合する駆動部材雄ネジが設けられ、該駆動部材雄ネジの螺進退により該係合部材を該係合位置又は該係合解除位置とすることを特徴とするルータ。
  2. 該駆動部材雄ネジと該本体雌ネジとの螺合による該駆動部材の螺進退方向は該ボルトの軸心に垂直の方向に一致し、該係合部材は該駆動部材の螺進退に連動して該係合位置又は該係合解除位置となることを特徴とする請求項1記載のルータ。
  3. 該係合部材は、該係合部材の移動方向へ該係合部材の外周面から延出する係合部材延出部を有し、該係合部材延出部の延出端にはフランジ状の当接部材が設けられ、
    該駆動部材は、該係合部材延出部の周面上であって該当接部材と該係合部材の外周面との間に配置され、該係合部材延出部の軸を中心として回動可能、且つ該当接部材と該係合部材の外周面とに当接可能であることを特徴とする請求項1記載のルータ。
  4. 該駆動部材は、該駆動部材雄ネジと該本体雌ネジとの螺合により該ボルトの軸心に垂直の方向に螺進退可能であり、該駆動部材が該ボルト側へ螺進することにより該駆動部材は該係合部材に対し当接押圧して該係合部材を該係合解除位置へ移動させ、
    該駆動部材を螺退させるときには、該係合部材は該弾性部材の押圧力により該係合位置へと移動させられることを特徴とする請求項1記載のルータ。
  5. 回動操作可能であり、回動操作されることにより該駆動部材が螺進退するように該駆動部材へ回動力を伝達する操作部材と、
    該操作部材の回動位置を規制する規制手段とを有し、
    該規制手段は該係合部材が該係合位置または該係合解除位置にあるときに該操作部材の回動を規制することを特徴とする請求項2又は請求項4記載のルータ。
  6. 該操作部材は、該駆動部材の回動軸に垂直の方向に延びる延出部を有するレバー部材であり、
    該規制手段は該延出部の回動範囲内の該本体の部分に設けられ、該延出部が回動して該延出部に当接することにより該レバー部材の回動を規制することを特徴とする請求項5記載のルータ。
  7. 該レバー部材と該駆動部材とは互いに連結される連結部を有し該レバー部材と該駆動部材と相対的に回動可能であり、該連結部には、該レバー部材と該駆動部材との相対的な回動を規制し該レバー部材を該駆動部材に対して回動不能に固定可能な固定部材が設けられていることを特徴とする請求項6記載のルータ。
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