JP4846397B2 - メタクリル酸製造用触媒、その製造方法、およびメタクリル酸の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)触媒成分元素を含む複数の溶液を0〜25℃の温度範囲内で混合し、生成物を乾燥する方法(特許文献1)。
(2)複数の触媒原料溶液を急速に供給し、高速で攪拌混合し、かつ加熱熟成処理を高速攪拌下に行う方法(特許文献2)。
(3)触媒成分を含む混合溶液または水性スラリーを16000Hz以上の音波にて処理した後、乾燥および熱処理する方法(特許文献3)。
(4)金属塩を含む反応母液に酸またはアルカリを含む注加溶液を注加し、該注加溶液の濃度を、反応の進行に伴って段階的または連続的に上昇させることによって沈澱粒子径を調整し、触媒性能を向上させる方法(特許文献4)。
(5)モリブデンおよびケイ素を含む水性懸濁液中の凝集粒子に分散処理(ホモジナイザー、超音波)を施す方法(特許文献5)。
水性スラリーまたは水溶液にアルカリ金属化合物を加える際の温度は、30℃以下であることが好ましい。
水性スラリーまたは水溶液を攪拌する際には、ホモジナイザー等の高速回転剪断攪拌機を用いることが好ましい。
Moa Pb Vc Cud Xe Yf Og ・・・(1)。
式中、Mo、P、V、CuおよびOは、それぞれモリブデン、リン、バナジウム、銅および酸素を表し、Xは、カリウム、ルビジウム、およびセシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、Yは、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、タングステン、マンガン、銀、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、インジウム、イオウ、セレン、テルル、ランタンおよびセリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、a、b、c、d、e、fおよびgは、各元素の原子比を表し、a=12のとき、0.1≦b≦3、0.01≦c≦3、0.01≦d≦3、0.01≦e≦3、0≦f≦3であり、gは、前記各元素の原子比を満足するのに必要な酸素の原子比である。
本発明のメタクリル酸製造用触媒は、メタクリル酸選択率および収率が高い。
本発明のメタクリル酸の製造方法によれば、メタクリル酸を生産性よく製造できる。
本発明のメタクリル酸合成用触媒(以下、単に「触媒」とも記す。)は、少なくともモリブデン、リン、バナジウムおよびアルカリ金属を含有する複合酸化物である。該触媒には、ヘテロポリ酸またはヘテロポリ酸塩の構造が含まれていることが好ましい。
Moa Pb Vc Cud Xe Yf Og ・・・(1)。
式中、Mo、P、V、CuおよびOは、それぞれモリブデン、リン、バナジウム、銅および酸素を表し、Xは、カリウム、ルビジウム、およびセシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、Yは、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、タングステン、マンガン、銀、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、インジウム、イオウ、セレン、テルル、ランタンおよびセリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、a、b、c、d、e、fおよびgは、各元素の原子比を表し、a=12のとき、0.1≦b≦3、0.01≦c≦3、0.01≦d≦3、0.01≦e≦3、0≦f≦3であり、gは、前記各元素の原子比を満足するのに必要な酸素の原子比である。
本発明のメタクリル酸合成用触媒は、モリブデン、リンおよびバナジウムを含む水性スラリーまたは水溶液に昇華性物質を加えて水性スラリーまたは水溶液を冷却した後、水性スラリーまたは水溶液を攪拌しながら水性スラリーまたは水溶液にアルカリ金属化合物を加え、凝集物を生成させる工程を有する製造方法によって製造されたものである。
水性スラリーまたは水溶液の調製方法としては、共沈法、蒸発乾固法、酸化物混合法等の公知の方法が挙げられる。
水性スラリーまたは水溶液の調製方法としては、簡便である点から、水に各元素の原料を加え、加熱しながら撹拌する方法が好ましい。加熱温度は、80〜130℃が好ましく、90℃〜130℃が特に好ましい。
モリブデン原料としては、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、塩化モリブデン等が挙げられる。
リン原料としては、正リン酸、五酸化リン、リン酸アンモニウム等が挙げられる。
バナジウム原料としては、五酸化バナジウム、メタバナジン酸アンモニウム等が挙げられる。
まず、調製工程にて加熱された水性スラリーまたは水溶液を冷却する。該冷却は、水性スラリーまたは水溶液に昇華性物質を直接加えることによって行う。
昇華性物質としては、ドライアイス、六フッ化硫黄等が挙げられ、経済性・環境性の点から、ドライアイスが好ましい。
昇華性物質の添加量は、水性スラリーまたは水溶液100質量部に対して3〜20質量部が好ましく、3〜10質量部が特に好ましい。
水性スラリーまたは水溶液にアルカリ金属化合物を加える際の温度は、30℃以下が好ましく、15℃以下がより好ましい。水性スラリーまたは水溶液にアルカリ金属化合物を加える際の温度の下限は、水性スラリーまたは水溶液がアルカリ金属化合物の添加に影響を及ぼすような状態にならない限り、特に制限されない。
水性スラリーまたは水溶液にアルカリ金属化合物を加える際には、水性スラリーまたは水溶液に昇華性物質が残存していてもよく、残存してなくてもよい。
セシウム化合物としては、重炭酸セシウム、硝酸セシウム、酸化セシウム等が挙げられる。
アルカリ金属化合物の添加量は、目的とする触媒の組成に応じて適宜決定すればよい。
撹拌装置としては、撹拌の強度を容易に調節でき、工業上簡便である点から、回転翼撹拌機、高速回転剪断撹拌機等の回転式撹拌装置が好ましく、凝集物が沈殿した後も攪拌を保持でき、より優れた触媒活性および選択性を有する触媒を得ることができる点から、ホモジナイザー等の高速回転剪断撹拌機が特に好ましい。
アルカリ金属化合物添加後の液の温度は、5〜40℃が好ましく、より好ましくは5〜20℃である。撹拌時間は、5〜60分間が好ましく、より好ましくは10〜30分間である。
凝集物を含む液を、加熱して乾燥し、乾燥物を得る。
乾燥方法としては、例えば、ドラム乾燥法、気流乾燥法、蒸発乾固法、噴霧乾燥法等の公知の方法が挙げられる。
乾燥物の賦型に用いる装置としては、打錠成形機、押出成形機、転動造粒機等の公知の粉体用成形機が挙げられる。
賦型品の形状としては、特に制限はなく、球状、リング状、円柱状、星型状等の任意の形状が挙げられる。
熱処理条件としては、特に限定はなく、公知の熱処理条件を適用できる。熱処理は、通常、空気等の酸素含有ガス流通下および/または不活性ガス流通下で、200〜500℃、好ましくは300〜450℃で、0.5時間以上、好ましくは1〜40時間で行う。
次に、本発明のメタクリル酸の製造方法について説明する。
本発明のメタクリル酸の製造方法は、上記のようにして得られる本発明のメタクリル酸製造用触媒の存在下でメタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する方法である。
反応は、通常、固定床で行う。また、触媒層は1層でもよく、2層以上でもよい。メタクリル酸製造用触媒は、担体に担持させたものであってもよく、その他の添加成分を混合したものであってもよい。
原料ガス中のメタクロレイン濃度は、広い範囲で変えることができ、1〜20容量%が好ましく、3〜10容量%が特に好ましい。メタクロレインは、水、低級飽和アルデヒド等の本反応に実質的な影響を与えない不純物を少量含んでいてもよい。
原料ガス中の分子状酸素濃度は、メタクロレイン1モルに対して0.4〜4モルが好ましく、0.5〜3モルが特に好ましい。
分子状酸素源としては、経済性の点から、空気が好ましい。必要ならば、空気に純酸素を加えて分子状酸素を富化した気体等を用いてもよい。
原料ガスに、水蒸気を加えてもよい。水の存在下で反応を行うことにより、メタクリル酸をより高収率で得ることができる。原料ガス中の水蒸気の濃度は、0.1〜50容量%が好ましく、1〜40容量%が特に好ましい。
反応圧力は、大気圧〜数気圧が好ましい。
反応温度は、200〜450℃が好ましく、250〜400℃が特に好ましい。
実施例および比較例中の「部」は質量部を意味する。
触媒組成は、各元素の原料仕込み量から求めた。
凝集粒子の平均粒子径(体積基準50%径)は、島津製作所社製のSALD−7000を用い、レーザ回折式粒径分布測定法にて測定した。
ガスクロマトグラフィーの結果から、メタクロレインの反応率、メタクリル酸の選択率、およびメタクリル酸の収率を下記式にて求めた。
メタクロレインの反応率(%)=(B/A)×100、
メタクリル酸の選択率(%)=(C/B)×100、
メタクリル酸の収率(%)=(C/A)×100。
式中、Aは供給したメタクロレインのモル数、Bは反応したメタクロレインのモル数、Cは生成したメタクリル酸のモル数である。
純水400部に、三酸化モリブデン100部、メタバナジン酸アンモニウム3.4部、85質量%リン酸水溶液7.3部および硝酸銅5.6部を溶解し、これを攪拌しながら95℃に昇温し、液温を95℃に保ちつつ3時間攪拌した。得られた水性スラリーにドライアイス5部を加え、ホモジナイザーを用いて攪拌しながら冷却した。水性スラリーが15℃になった時点で、ホモジナイザーを用いて攪拌しながら水性スラリーに、重炭酸セシウム11.2部を純水20部に溶解した溶液を加えて、さらに15℃で20分間攪拌した。得られた混合液中の凝集粒子の平均粒子径は0.46μmであった。混合液を101℃に加熱し、攪拌しながら蒸発乾固させた。得られた乾燥物を130℃で16時間さらに乾燥させた後、加圧成型により賦型した。得られた賦型品を空気流通下に380℃で5時間熱処理した。
得られた触媒の酸素以外の元素組成(以下同じ)は、次の通りであった。
Mo12V0.5P1.1Cu1Cs1
水性スラリーが30℃になった時点で、水性スラリーに重炭酸セシウムの溶液を加えて、さらに30℃で20分間攪拌した以外は実施例1と同様にして混合液を得た。得られた混合液中の凝集粒子の平均粒子径は0.44μmであった。該混合液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ組成の触媒を得た。
この触媒を用いた以外は、実施例1と同様にしてメタクリル酸の製造を行い、メタクロレインの反応率、メタクリル酸の選択率、およびメタクリル酸の収率を求めた。結果を表1に示す。
水性スラリーにドライアイスを加える代わりに、水性スラリーを入れたフラスコを氷水に浸すことで冷却した以外は、実施例1と同様にして混合液を得た。得られた混合液中の凝集粒子の平均粒子径は0.39μmであった。該混合液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ組成の触媒を得た。
この触媒を用いた以外は、実施例1と同様にしてメタクリル酸の製造を行い、メタクロレインの反応率、メタクリル酸の選択率、およびメタクリル酸の収率を求めた。結果を表1に示す。
水性スラリーにドライアイスを加える代わりに水性スラリーを入れたフラスコを氷水に浸すことで冷却し、ホモジナイザーの代わりに回転翼撹拌機を用いて水性スラリーが50℃になった時点で水性スラリーに重炭酸セシウムの溶液を加えて、さらに50℃で20分間攪拌した以外は、実施例1と同様にして混合液を得た。得られた混合液中の凝集粒子の平均粒子径は0.84μmであった。該混合液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同じ組成の触媒を得た。
この触媒を用いた以外は、実施例1と同様にしてメタクリル酸の製造を行い、メタクロレインの反応率、メタクリル酸の選択率、およびメタクリル酸の収率を求めた。結果を表1に示す。
純水200部に、三酸化モリブデン100部、メタバナジン酸アンモニウム3.4部および85質量%リン酸水溶液7.3部を溶解し、これを攪拌しながら95℃に昇温し、液温を95℃に保ちつつ3時間攪拌した。得られた水性スラリーにドライアイス5部を加え、ホモジナイザーを用いて攪拌しながら冷却した。水性スラリーが15℃になった時点で、ホモジナイザーを用いて攪拌しながら水性スラリーに、硝酸セシウム11.3部を純水20部に溶解した溶液およびアンモニア水36.3部を加えて、さらに15℃で20分間攪拌した。その後、液温を70℃に昇温し、硝酸銅5.6部および硝酸鉄1.2部を加えた。得られた混合液中の凝集粒子の平均粒子径は0.54μmであった。混合液を101℃に加熱し、攪拌しながら蒸発乾固させた。得られた乾燥物を130℃で16時間さらに乾燥させた後、加圧成型により賦型した。得られた賦型品を空気流通下に380℃で5時間熱処理した。
得られた触媒の元素組成は次の通りであった。
Mo12V0.5P1.1Cu0.4Fe0.05Cs1
ホモジナイザーの代わりに回転翼撹拌機を用いた以外は、実施例3と同様にして、混合液を得た。得られた混合液中の凝集粒子の平均粒子径は4.64μmであった。該混合液を用いた以外は、実施例3と同様にして、実施例3と同じ組成の触媒を得た。
この触媒を用いた以外は、実施例1と同様にしてメタクリル酸の製造を行い、メタクロレインの反応率、メタクリル酸の選択率、およびメタクリル酸の収率を求めた。結果を表2に示す。
ホモジナイザーの代わりに回転翼撹拌機を用い、水性スラリーにドライアイスを加える代わりに水性スラリーを入れたフラスコを氷水に浸すことで冷却し、水性スラリーが50℃になった時点で水性スラリーに硝酸セシウムの溶液を加えて、さらに50℃で20分間攪拌した以外は、実施例3と同様にして、混合液を得た。得られた混合液中の凝集粒子の平均粒子径は4.67μmであった。該混合液を用いた以外は、実施例3と同様にして、実施例3と同じ組成の触媒を得た。
この触媒を用いた以外は、実施例1と同様にしてメタクリル酸の製造を行い、メタクロレインの反応率、メタクリル酸の選択率、およびメタクリル酸の収率を求めた。結果を表2に示す。
Claims (3)
- メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する際に用いられる、モリブデン、リン、バナジウムおよびアルカリ金属を含む触媒の製造方法であって、
モリブデン、リンおよびバナジウムを含む水性スラリーまたは水溶液にドライアイスを加えて水性スラリーまたは水溶液を冷却した後、水性スラリーまたは水溶液を攪拌しながら水性スラリーまたは水溶液にアルカリ金属化合物を加え、凝集物を生成させる工程を有することを特徴とするメタクリル酸製造用触媒の製造方法。 - 請求項1に記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法で製造されたメタクリル酸製造用触媒。
- 請求項1に記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法で製造されたメタクリル酸製造用触媒を用いて、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造するメタクリル酸の製造方法。
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