JP4848061B2 - コンデンサ - Google Patents

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本発明は、碍子を端子とする金属ケース入りコンデンサに関するものであり、特に環境対応および信頼性改善を図ったコンデンサに関するものである。
従来、電力用、各種産業機器用、および車輌用等の電気回路に用いられている金属ケース入りコンデンサは、引出導体端子に碍子を用いている。
上記碍子は、磁器碍子のトップ金具との接合部、および磁器碍子のベースリングとの接合部をはんだ付けした碍子を、上記金属ケースにはんだ付け接合して密閉構造とし、内部の気密性を維持し、絶縁油またはガス漏れを防止している。
上記の各接合部のはんだ付けは、Sn−Pb合金を主体としたはんだを用いている(例えば特許文献1参照)。
実開昭52−58445号公報
具体的に、金属ケース入りコンデンサ用引出導体端子の碍子について説明する。
碍子は、磁器碍子を絶縁体にして、上部に導体接続用のトップ金具、および下部に金属ケース接合用のベースリングをSn−Pb系はんだ(例えばSn50wt%−Pbwt50%、その他微量の不純物含有)にてはんだ付けを行う。
上記磁器碍子は、はんだ付け部にAgを焼き付け、Cuメッキを予め施しておく。また、トップ金具とベースリングは、鋼または黄銅を加工して表面にCuメッキした後、Sn−Pb系メッキ(例えば、Pb10wt%)を施しておく。
そして、コンデンサ素子体を収納した金属ケース上蓋の碍子孔に、上記碍子のベースリングを接合し、その接合部を上記のSn−Pb系はんだにてはんだ付けを行う。
その後、絶縁油を真空含浸して、上蓋に設けられた封印栓を、上記のSn−Pb系はんだにて、はんだ付けして密閉し、コンデンサを作製する。
しかしながら、従来用いられているはんだは、主にPb37〜60wt%を含有するSn−Pb系はんだで、環境を汚染する有害物質のPb(鉛)を多量に含んでおり、環境対策としてPbフリー化(Pbを含まないはんだで、不純物として0.1wt%以下)を図る必要がある。
これに代わるものとして、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Zn系等のはんだが考えられるが、耐久性および内圧性能に劣るという問題があった。
上記のような問題があったため、環境対策が可能であり、かつ耐久性の改善もできるはんだを使用した碍子を端子とするコンデンサが望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するものであり、金属ケースと、前記金属ケースに収納されたコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子に接続される碍子とを備えたコンデンサにおいて、前記碍子は、前記コンデンサ素子のリード線と接続されるトップ金具と、前記金属ケースとはんだ接続されるベースリングと、前記トップ金具および前記ベースリングとの接合部でそれぞれ、はんだ接合される磁器碍子とを有し、前記磁器碍子のうち前記トップ金具および前記ベースリングとそれぞれ、はんだ接合されるメッキ部がCuメッキされており、前記金属ケースの材質が亜鉛メッキ鋼、ブリキ、または黄銅であり、前記トップ金具および前記ベースリングは、鋼または黄銅にCuメッキした後、Snメッキ、またはSn−Cu系メッキを施したものからなり、前記トップ金具と前記磁器碍子との接合部、前記ベースリングと前記磁器碍子との接合部および前記ベースリングと前記金属ケースとの接合部が、Cu組成が1.0〜2.5wt%であるSn−Cu系はんだではんだ接合されることを特徴とするコンデンサである。
本発明の碍子を端子とする金属ケース入りコンデンサは、磁器碍子とトップ金具の接合部、ベースリングとの接合部、および碍子の金属ケース上蓋への取付接合部を、PbフリーはんだであるCu0.7〜2.5wt%のSn−Cu系はんだではんだ付けしている。
また、トップ金具とベースリングのメッキとして、SnまたはSn−Cu系メッキを施している。よって、環境汚染物質のPbを含まず、耐久性に優れ、かつ、はんだ付け性が良好なコンデンサを提供することができる。
碍子を端子とする金属ケース入りコンデンサにおいて、碍子の磁器碍子とトップ金具、ベースリングとの接合部、および碍子の金属ケース上蓋への取付接合部を、Cu0.7〜2.5wt%のSn−Cu系はんだではんだ付けし密閉する。
上記の磁器碍子は、トップ金具、ベースリングとのはんだ付け部にAgを焼き付け、Cuメッキを予め施しておく。
また、上記のトップ金具、ベースリングは、鋼板または黄銅を加工し表面にCuメッキした後、SnまたはSn−Cu系メッキを施す。磁器碍子にトップ金具、ベースリングを組合せて、Cu0.7〜2.5wt%のSn−Cu系はんだではんだ付けし碍子を作製する。
上記金属ケースには、0.8〜3.2mm厚さの亜鉛メッキ鋼板、0.3〜0.8mm厚さのブリキ板または黄銅板が用いられる。
亜鉛メッキ鋼板は、上蓋、側面、底蓋を裁断し、側面と底蓋を組み合わせて接合部を溶接する。このケースにコンデンサ素子単体または複数の素子集合体を挿入し、上蓋を組合せ溶接したあと、上蓋の碍子孔に上記碍子を組合せ、ベースリングと上蓋をCu0.7〜2.5wt%のSn−Cu系はんだではんだ付けする。
また、ブリキ板または黄銅板は、上蓋、ケース側面、底蓋に、切断・加工し、上蓋には端子を取付ける。このケース側面と底蓋とを組合せ、巻締めを行い、巻締め部とケース側面を接合したハゼ部(つなぎ部)をはんだ付けする。
このケースにコンデンサ素子単体または複数の素子集合体を挿入し、上蓋を組合せ、巻締めを行い、巻締め部をCu0.7〜2.5%のSn−Cu系はんだではんだ付けする。
ブリキ板または黄銅管のケース接合部に用いるはんだは、Cu1.0〜2.5wt%のSn−Cu系はんだ)である。
上記のように組立てたコンデンサを、真空乾燥し、絶縁油または絶縁ガス充填して封印する。
[実施例1−〜1−6、比較例1−7、1−8、参考例1−1]コンデンサの温度サイクル試験
本発明の実施例を図1、図2において説明する。図1(a)は碍子組立前の部品であり、磁器碍子1、トップ金具2、およびベースリング3を示す。
磁器碍子1は、トップ金具2、ベースリング3とのはんだ付け部にAgを焼き付け、Cuメッキ4,5を予め施しておく。
トップ金具2は、黄銅を加工し、表面にCuメッキ(厚さ3〜8μm)した後、Sn−Cu系メッキ(厚さ7〜15μm)を施す。上記トップ金具2には予め、リード線6を接続しておく。
また、ベースリング3は、鋼板を加工し表面にCuメッキした後、Sn−Cu系(Cu0.5〜3wt%)のメッキを施す。
碍子は、磁器碍子1のメッキ部4にトップ金具2を、また、磁器碍子1のメッキ部5にベースリング3を組合せ、それぞれの接合部8、9をはんだごてにてはんだ付けし、図1(b)の碍子7を組み立てた。
はんだ付けにおいては適正なフラックスを用いた(以下同様)。なお、はんだは表1に示す、Sn−Cu系のPbフリーを使用した(以下同様)。
コンデンサの金属ケースは、図2に示すように厚さ1mmの亜鉛メッキ鋼板を上蓋11、ケース側面12、および底蓋13に切断、加工する。上蓋には碍子孔および封印孔(いずれも図示せず)を設ける。
ケース側面12と底蓋13を組合せ、溶接した金属ケースに、コンデンサ素子単体または複数の素子集合体(図示せず)を挿入し、リード線6を接続した後、上蓋11をケース側面12に組合せて溶接する(溶接部14)。
その後、上記のとおり加工した碍子7を上蓋11の碍子孔に嵌め込み、はんだごてまたはバーナーにてはんだ付けして、コンデンサを組み立てる。また、上蓋11には油の封印栓15をはんだ付けする。
組立てたコンデンサは、真空乾燥した後絶縁油を含浸して、大気圧下で封印栓15を封印し密封して図2のコンデンサを作製した。
ここで用いたSn−Cu系はんだは、表1に示すCuの組成が0.5、0.7、1.0、1.5、2.0、2.5、および3.0wt%の7種類である(比較例1−8、参考例1−1、実施例1−〜1−6、比較例1−7)。
上記実施例に用いたコンデンサケースは、幅385mm、奥行105mm、高さ330mmのサイズである。
また、碍子は、磁器碍子の外形76mm、ケース上蓋からトップ金具までの高さが136mm、ベースリング外形65mmのものを用いた。なお、試料数は各々、n=3とした。
碍子のはんだ付け部の耐久性評価として、温度サイクル試験(−20℃/2h〜+90℃/2h、2回/日)を500回まで行い、はんだ付け部に膨張収縮の歪み応力が加わり、はんだにクラックが入り油洩れするかどうかを確認し、表1の結果を得た。
(比較例1−1〜1−6)コンデンサの温度サイクル試験
比較例として、表1に示すPbフリーはんだに、Sn−Ag−Cu系としてSn−3Ag−0.5Cu、Sn−1Ag−0.7Cu、Sn−0.3Ag−0.8Cuを、Sn−Ag系としてSn−3.5Ag、Sn−0.3Agを、Sn−Zn系としてSn−10Znを用い、上記実施例と同様に金属ケース入りコンデンサを作製し、上記温度サイクル試験(−20℃/2h〜+90℃/2h、2回/日)を500回まで行い、比較した。しかし、Sn−10Znは、はんだの流れ性が悪く、はんだ付け性に劣るため、作製を中止した。
(従来例1)コンデンサの温度サイクル試験
更に、従来のSn−Pb系はんだとして、Sn−50Pbを用い、上記実施例と同様に金属ケース入りコンデンサを作製し、上記温度サイクル試験(−20℃/2h〜+90℃/2h、2回/日)を500回まで行い、比較した。
表1(左欄)の温度サイクル試験より、従来例1によるSn−50Pbはんだは500回の耐久性があるが、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag系はんだは200〜320回で、いずれもトップ金具取付のはんだ部にクラックが入り、油洩れが発生し、耐久性が劣る。
一方、Sn−Cu系はんだにおいては、Cuが0.5wt%では405回、0.7wt%では440回まで油洩れせず、また1.0wt%以上では500回でも油洩れしていない。したがって、Cuが0.5〜3.0wt%では、比較例のはんだより優れた耐久性を示している。
ここで、Sn−Cu系はんだの融点は図3に示すとおり、Cuが0.7wt%(共晶)より大きくなると、液相温度が上昇し、3.0wt%では335℃となり、はんだ付け時のはんだの流れ性が劣り、また、引けすが発生するため、作業性も考慮すると、Cu2.5wt%が上限となる。
Figure 0004848061
フィールドでの耐久性と温度サイクル試験の加速性との関係は、次のCoffin−Manson式[数1]で推定できる。
Figure 0004848061
ここで、f1=1[回/日]、f2=2[回/日]、ΔT1=25[K]、ΔT2=110[K]、T1max=343[K]、T2max=363[K]、ΔE=1.97×10−20[J]、K=1.38×10−23JK−1、m=1/3、n=2を代入すると、α≒19.3となる。
そして、耐用年数={(試験サイクル数)×α}/365の関係より、耐用年数10年は189回に相当する。
したがって、本発明のCu0.5wt%(比較例1−)の温度サイクル試験405回であっても、耐久性は20年以上の耐用年数に相当し、実用上充分な性能であることが分かる。
[実施例2−2〜2−6、比較例2−7、2−8、参考例2−1]空ケースの水圧試験
次に、上記実施例のコンデンサにおいて、コンデンサ素子単体または複数の素子集合体を入れないケースに、実施例と同様に碍子を取り付けた空ケースを作製した。Sn−Cu系はんだも表1と同じものを使用した。
コンデンサケースの内圧性能を評価するために、上記空ケースを用い、封印栓より水による加圧を行いケースが破壊する圧力の試験(水圧試験と称す)を行い、表1の結果を得た。
(比較例2−1〜2−6)空ケースの水圧試験
比較例1−1〜1−6と同様の表1に示すPbフリーはんだを用い、上記実施例と同様に空ケースを作製し、上記の水圧試験を行い、表1の結果を得た。
(従来例2)空ケースの水圧試験
更に、従来のSn−Pb系はんだとしてSn−50Pbを用い、上記実施例と同様の空ケースを作製し、上記の水圧試験を行い、表1の結果を得た。
水圧試験による破壊箇所はすべて、ケースの膨張による、ケース上蓋に取り付ける碍子のベースリングとのはんだ付け部で、はんだの剥離またはクラックによるものであった。
表1(右欄)の内圧は、従来例2によるSn−60Pbはんだは1.3〜1.8MPaに対し、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag系は0.5〜0.8MPaで約1/2と低い。
一方、Sn−Cu系においては、Cuが0.5wt%では0.7〜1.0MPaと従来のはんだより低いが、Cuが0.7wt%以上では1.3〜2.5MPaを有し、従来のはんだと同等以上の優れた性能がある。
上記したとおり、Sn−Cu系はんだは、Pbフリーはんだとして優れ、従来のSn−Pb系はんだと同等以上の性能があり、代替使用できる。耐久性能、水圧試験、およびはんだ付け性より、Cuは0.7〜2.5wt%が優れている。
Sn−Cu系はんだは、Pbフリーはんだとして優れ、Cu組成が0.7〜2.5wt%のものを用いると、はんだ付け性が良好で、従来のはんだと同等の耐久性、および内圧性能を有し、有害物質のPbを用いないPbフリーはんだ化により、地球環境の改善を図ることができる。
なお、このSn−Cu系はんだの不純物としては、Sb、Bi、Zn、Pb、Fe等があるが、いずれも0.1wt%以下である。
また、金属ケース材料としてブリキまたは黄銅板を用いた金属ケースに、上記の碍子をはんだ付けした場合も、上記の実施例と同様の効果を得た。この金属ケースの製缶は、PbフリーはんだのSn−Cu系(Cu1.0〜2.5wt%)によるものである。
上記コンデンサに使用したコンデンサ素子は、金属化フィルム、若しくは金属化フィルムとプラスチックフィルムを巻回するか、または、プラスチックフィルムおよび/または絶縁紙を誘電体として電極箔と重ね合わせて巻回したものである。
また、実施例の油含浸ではなく、気体(ガス)でも同様の効果がある。さらに、碍子の個数は、コンデンサの設計により、1個または複数個の場合がある。
また、磁器碍子のトップ金具、ベースリング、および封印後のメッキは、Cuメッキした後、SnメッキまたはSn―Cu系メッキのいずれとしてもよい。
本発明の実施例による碍子を説明する図であり、(a)は碍子の組立図、(b)は組立後の碍子の図である。 図1の碍子を取り付けた金属ケース入コンデンサの完成図である。 Sn−Cu系はんだにおけるCu組成と融点との関係を表す図である。
符号の説明
1 磁器碍子
2 トップ金具
3 ベースリング
4、5 磁器表面メッキ部
6 リード線
7 碍子
8、9、10 はんだ付け部
11 上蓋
12 ケース側面
13 底蓋
14 溶接部
15 封印栓
16 金属ケース入りコンデンサ

Claims (1)

  1. 金属ケースと、前記金属ケースに収納されたコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子に接続される碍子とを備えたコンデンサにおいて、
    前記碍子は、前記コンデンサ素子のリード線と接続されるトップ金具と、前記金属ケースとはんだ接続されるベースリングと、前記トップ金具および前記ベースリングとの接合部でそれぞれ、はんだ接合される磁器碍子とを有し、
    前記磁器碍子のうち前記トップ金具および前記ベースリングとそれぞれ、はんだ接合されるメッキ部がCuメッキされており、
    前記金属ケースの材質が亜鉛メッキ鋼、ブリキ、または黄銅であり、
    前記トップ金具および前記ベースリングは、鋼または黄銅にCuメッキした後、Snメッキ、またはSn−Cu系メッキを施したものからなり、
    前記トップ金具と前記磁器碍子との接合部、前記ベースリングと前記磁器碍子との接合部および前記ベースリングと前記金属ケースとの接合部が、Cu組成が1.0〜2.5wt%であるSn−Cu系はんだではんだ接合されることを特徴とするコンデンサ。
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