JP4855196B2 - 置換光学活性ジホスフィン化合物 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、メチレンジオキシベンゼンとは異なるベンゼン環にメトキシ基を導入した非対称のジホスフィン化合物が記載されているが、このメトキシ基を導入した非対称のジホスフィン化合物についての合成例は記載されておらず、また、メトキシ基を導入した対称のジホスフィン化合物についての合成例についても記載されてなく、更に、そのジホスフィン化合物を配位子として用いて不斉水素化反応を行うことについての反応例も記載されていない。
非特許文献1には、メチレンジオキシベンゼンのメチレンプロトンをフッ素で置換したSEGPHOS誘導体の合成と、ルテニウム錯体としての不斉水素化反応に使用することが記載されているが、実際のデータは記載されていない。また、非特許文献2には、メチレンジオキシベンゼンのメチレンプロトンをアルキル基で置換したSEGPHOS誘導体の合成と、ルテニウム錯体としての不斉水素化反応に使用することが記載されているが、不斉認識能の改善がほとんどない。
特許文献3では3,3’−位を置換した配位子の記載が、特許文献2では、二つのベンゼン環上の置換形態が異なる配位子についての記載があるが、いずれも合成ルートが煩雑で、不斉水素化における基質/触媒比も100程度と不十分であり、工業的に利用するのは困難である。
で表されるジホスフィン化合物に関する。本発明の一般式(1)で表されるジホスフィン化合物は、2個のベンゼン環の回転障害による軸性不斉の化合物であり、ラセミ体又は光学活性体のいずれでもよいが、不斉合成用の触媒における配位子としては光学活性体が好ましい。
で表されるジフェニルホスフィンオキシド化合物に関する。
さらに、本発明は、前記遷移金属錯体を含有してなる不斉合成用触媒、好ましくは不斉還元反応用触媒又は不斉水素化反応用触媒に関する。本発明は、前記遷移金属錯体の不斉合成用触媒、好ましくは不斉還元反応用触媒又は不斉水素化反応用触媒としての使用に関する。
(1)前記した一般式(1)(ただし、式中、2個のR1は同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、2個のR2及びR3は夫々独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、2個のQは同一又は異なって、スペーサーを示す。)で表されるジホスフィン化合物。
(2)前記した一般式(1)で表されるジホスフィン化合物が、光学活性ジホスフィン化合物である、前記(1)に記載のジホスフィン化合物。
(3)前記した一般式(6)(ただし、式中、2個のR1は同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、2個のR2及びR3は夫々独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、2個のQは同一又は異なって、スペーサーを示す。)で表されるジフェニルホスフィンオキシド化合物。
(4)前記した一般式(6)で表されるジフェニルホスフィンオキシド化合物が、光学活性ジフェニルホスフィンオキシド化合物である、前記(3)に記載のジフェニルホスフィンオキシド化合物。
(5)前記(2)に記載の光学活性ジホスフィン化合物を含有する不斉配位子。
(6)前記(2)に記載の光学活性ジホスフィン化合物又は前記(4)に記載の光学活性ジフェニルホスフィンオキシド化合物を含有する不斉触媒。
(7)前記(1)若しくは(2)に記載のジホスフィン化合物を含有してなる遷移金属錯体。
(8)前記(1)若しくは(2)に記載のジホスフィン化合物と、遷移金属錯体前駆体とを反応させることにより得られる遷移金属錯体。
(9)遷移金属錯体が、光学活性遷移金属錯体である前記(7)又は(8)に記載の遷移金属錯体。
(10)前記(9)に記載の光学活性遷移金属錯体を含有する不斉触媒。
(11)前記(2)に記載のジホスフィン化合物と、遷移金属錯体前駆体とを含有する不斉触媒。
(12)前記(10)又は(11)に記載の不斉触媒が、不斉合成用触媒である前記(10)又は(11)に記載の不斉触媒。
(13)不斉合成用触媒が不斉還元反応用触媒である、前記(12)に記載の不斉合成用触媒。
(14)前記(10)又は(11)に記載の不斉触媒の存在下で、プロキラル中心を有する化合物を反応させる、光学活性化合物を製造する方法。
(15)前記(2)に記載の光学活性ジホスフィン化合物の不斉配位子としての使用。
(16)前記(7)に記載の遷移金属錯体が、下記一般式(11)又は一般式(12)
MmLnXpYq (11)
[MmLnXpYq]Zs (12)
(上記式中、Lは上記一般式(1)で表されるジホスフィン化合物の光学活性体を示し、Mは遷移金属を示し、Xはハロゲン原子、カルボキシラート基、アリル基、1,5−シクロオクタジエン又はノルボルナジエンを示し、Yは配位子を示し、Zはアニオン又はカチオンを示し、nは1〜5の整数を示し、m、p、q及びsは0〜5の整数を示す。)
で表される遷移金属錯体である、前記(7)に記載の遷移金属錯体。
本発明者らは、ビフェニル骨格の2個のベンゼン環を有する光学活性ジホスフィン化合物の当該ベンゼン環の4位及び4’位にアルコキシ基等の酸素原子で結合する含酸素官能基を導入することにより、ジホスフィン化合物のビフェニル骨格における2個のベンゼン環による2面角が変化することを化学計算で確かめた。この構造変化により、本発明の一般式(1)で表されるジホスフィン化合物を配位子として含有する遷移金属錯体からなる不斉合成用触媒が、収率及び不斉収率が良好な光学活性化合物の製造を可能にしたものと考えられる。 また、合成時に不用な反応点をあらかじめ置換しておくことにより、ハロゲン化、カップリング反応が容易で、かつ選択的となり、さらに脂溶性を増すことで反応や、反応後の精製時の取り扱いが容易になり、目的とする光学活性ジホスフィン化合物を効率よく製造することが出来るようになる。
一般式(1)において、2個のR1は、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、2個のR1は同一又は異なっていてもよいが、2個のR1は同一である場合が好ましい。また、2個のR2及びR3は夫々独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。
炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルカジエニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも或いは環状でもよく、例えば炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基や、炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜15、より好ましくは炭素数3〜10の単環式、多環式、縮合環式、又は架橋環式のシクロアルキル基が挙げられ、その具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、tert−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−メチルペンタン−3−イル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、例えば炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜15、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基が挙げられ、その具体例としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。
アルカジエニル基としては、前記アルキル基の鎖中に二重結合を2個有する、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよく、例えば、炭素数4以上、好ましくは炭素数4〜20、より好ましくは炭素数4〜15、更に好ましくは炭素数4〜10のアルカジエニル基が挙げられ、その具体例としては、例えば、1,3−ブタジエニル基、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエニル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、前記アルキル基の少なくとも1個の水素原子が前記アリール基で置換された、例えば炭素数7〜20、好ましくは炭素数7〜15のアラルキル基が挙げられ、その具体例としては、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルプロピル基、3−ナフチルプロピル基等が挙げられる。
置換炭化水素基の具体例における、置換アルキル基の具体例としては、メトキシメチル基等が挙げられる。置換アリール基の具体例としては、トリル基(例えば4−メチルフェニル基)、キシリル基(例えば3,5−ジメチルフェニル基)、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル基、4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基等が挙げられる。
脂肪族複素環基としては、例えば、炭素数2〜14で、少なくとも1個、好ましくは1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、3〜8員、好ましくは5又は6員の単環の脂肪族複素環基、多環又は縮合環の脂肪族複素環基が挙げられる。脂肪族複素環基の具体例としては、例えば、ピロリジル−2−オン基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、モルホリニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、チオラニル基等が挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば、炭素数2〜15で、少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等の異種原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環式ヘテロアリール基、多環式又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられ、その具体例としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピリダジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基、シンノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、アクリジニル基等が挙げられる。
置換複素環基(置換基を有する複素環基)としては、上記複素環基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換された複素環基、即ち、置換脂肪族複素環基及び置換芳香族複素環基が挙げられる。
スペーサーQにおけるアルキレン基としては、例えば炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基が好ましく、その具体例としてはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、プロピレン基、ジメチルメチレン基等が挙げられる。
前記アルキレン基が置換基を有する場合の具体例としては、ジフルオロメチレン基等が挙げられる。
[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
[4,4’−ビ−(7−エトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
[4,4’−ビ−(7−n−プロポキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
[4,4’−ビ−(7−n−ブトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
[4,4’−ビ−(7−フェノキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(4−メチルフェニル)ホスフィン]、
[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン]、
[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン]、
[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィン]等が挙げられる。なお、本明細書における1,3−ベンゾジオキソールは、1,2−メチレンジオキシベンゼンを示し、そのナンバリングは酸素原子を1とするものである。これらの化合物を化学構造式で示せば次のとおりとなる。
(+)−[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
(+)−[4,4’−ビ−(7−エトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
(+)−[4,4’−ビ−(7−n−プロポキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
(+)−[4,4’−ビ−(7−n−ブトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
(+)−[4,4’−ビ−(7−フェノキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
(+)−[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(4−メチルフェニル)ホスフィン]、
(+)−[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン]、
(+)−[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン]、
(+)−[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィン]などが挙げられ、これらを化学構造式で示せば、次のとおりとなる。
(−)−[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
(−)−[4,4’−ビ−(7−エトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
(−)−[4,4’−ビ−(7−n−プロポキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
(−)−[4,4’−ビ−(7−n−ブトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
(−)−[4,4’−ビ−(7−フェノキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)、
(−)−[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(4−メチルフェニル)ホスフィン]、
(−)−[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン]、
(−)−[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン]、
(−)−[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィン]等が挙げられる。これらの(−)−ジホスフィン化合物を化学構造式で示せば次の
とおりとなる。
(1)工程1
次の一般式(2)
で表される化合物と、次の一般式(3)
PR2R3(=O)X3 (3)
(式中、X3はハロゲン原子を示し、R2及びR3は前記と同じ。)
で表されるホスホン酸ハロゲン化物とをマグネシウムの存在下、適当な溶媒中で反応させることにより、次の一般式(4)
で表されるホスフィンオキシド化合物を製造する。
(2)工程2
前記の工程(1)で得られた一般式(4)で表されるホスフィンオキシド化合物を、リチウム化合物、及び必要に応じて塩基の存在下、必要に応じて溶媒中で、ハロゲン化剤と反応させることにより、次の一般式(5)
で表される4−ハロゲノホスフィンオキシド化合物を製造する。
(3)工程3
前記の工程(2)で得られた一般式(5)で表される4−ハロゲノホスフィンオキシド化合物を、適当な溶媒中でカップリング反応させることにより、次の一般(6)
で表されるジフェニルホスフィンオキシド化合物を製造する。
(4)工程4
前記の工程(3)で得られた一般式(6)で表されジフェニルホスフィンオキシド化合物を、適当な溶媒中で還元することにより、目的の一般式(1)で表されるジホスフィン化合物を製造することができる。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、6−ブロモ−4−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール、6−ブロモ−4−エトキシ−1,3−ベンゾジオキソール、6−ブロモ−4−n−プロポキシ−1,3−ベンゾジオキソール、6−ブロモ−4−n−ブトキシ−1,3−ベンゾジオキソール、6−ブロモ−4−フェノキシ−1,3−ベンゾジオキソール等が挙げられ、これらの化合物、及び他の化合物を化学構造式で例示すれば、下記式で表される化合物等が挙げられる。
ジフェニルホスホン酸クロリド、ジ(4−メチルフェニル)ホスホン酸クロリド、ジ(3,5−ジメチルフェニル)ホスホン酸クロリド、ジ(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスホン酸クロリド、ジ(4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスホン酸クロリド等が挙げられ、これらの化合物、及び他の化合物を化学構造式で例示すれば、下記式で表される化合物等が挙げられる。
シ−1,3−ベンゾジオキソール)−6−イル−ジ(4−メチルフェニル)ホスフィンオキシド、(4−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−6−イル−ジ(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド、(4−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−6−イル−ジ(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド、(4−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−6−イル−ジ(4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド等が挙げられ、これらの化合物、及び他の化合物を化学構造式で例示すれば、下記式で表される化合物等が挙げられる。
マグネシウムの使用量は、上記一般式(2)で表される化合物に対して通常1〜5当量、好ましくは1〜3当量の範囲から適宜選択される。
溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
溶媒の使用量は、上記一般式(2)で表される化合物に対して通常1〜20倍容量、好ましくは2〜10倍容量の範囲から適宜選択される。
反応温度は、用いる原料や溶媒の種類等により異なるが、通常0℃〜溶媒の還流下、好ましくは15〜40℃の範囲から適宜選択される。
反応時間は、通常0.1〜24時間、好ましくは5〜12時間の範囲から適宜選択される。
工程(1)で製造された上記一般式(4)で表されるホスフィンオキシド化合物は、そのまま次の反応に用いても、必要に応じて後処理、精製、単離等を行った後に用いてもよい。後処理、精製、単離等の具体的手段としては、自体公知の手段、例えば、溶媒抽出、塩析、晶出、再結晶、各種クロマトグラフィー等が挙げられる。
尚、一般式(2)で表される化合物及び一般式(3)で表されるホスホン酸ハロゲン化物は、市販品を用いても適宜製造したものを用いてもよい。
前記した一般式(5)において、X4で示されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(5)で表される4−ハロゲノホスフィンオキシド化合物の具体例としては、例えば、(4−ヨード−7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−5−イル−ジフェニルホスフィンオキシド、(4−ヨード−7−エトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−5−イル−ジフェニルホスフィンオキシド、(4−ヨード−7−n−プロポキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−5−イル−ジフェニルホスフィンオキシド、(4−ヨード−7−n−ブトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−5−イル−ジフェニルホスフィンオキシド、(4−ヨード−7−フェノキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−5−イル−ジフェニルホスフィンオキシド、(4−ヨード−7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−5−イル−ジ(4−メチルフェニル)ホスフィンオキシド、(4−ヨード−7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−5−イル−ジ(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド、(4−ヨード−7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−5−イル−ジ(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド、(4−ヨード−7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−5−イル−ジ(4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド等が挙げられ、これらの化合物
、及び他の化合物を化学構造式で例示すれば、下記式で表される化合物等が挙げられる。
アルキルリチウムの具体例としては、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等が挙げられる。
上記有機リチウム化合物は、市販品を用いても、例えば金属リチウムと有機ハロゲン化物とを反応させる等、適宜製造したものを用いてもよい。
リチウム化合物の使用量は、上記一般式(4)で表されるホスフィンオキシド化合物に対して、通常1〜5当量、好ましくは1〜3当量の範囲から適宜選択される。
ハロゲン化剤としては、例えば、無機ハロゲン化剤、有機ハロゲン化剤等が挙げられる。無機ハロゲン化剤の具体例としては、例えば、臭化リチウム、臭化ナトリウム、フッ化カリウム、ヨウ化カリウム、等のアルカリ金属ハロゲン化物、三塩化リン、三臭化リン等のハロゲン化リン、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン類等が挙げられる。有機ハロゲン化剤の具体例としては、例えば、N−クロロコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド等のコハク酸イミド類等が挙げられる。これらハロゲン化剤は、中でもハロゲン類が好ましく、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン類がより好ましい。
ハロゲン化剤の使用量は、上記一般式(4)で表されるホスフィンオキシド化合物に対して、通常1〜5当量、好ましくは1〜3当量の範囲から適宜選択される。
必要に応じて用いる塩基としては、無機塩基、有機塩基等が挙げられる。
無機塩基としては、例えば、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩及び水酸化物、水素化ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物類等が挙げられる。
有機塩基としては、例えばカリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド類、カリウムナフタレニド、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の有機酸塩、例えばジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリ−n−ブチルアミン、N−メチルモルホリン等の有機アミン類、4級アンモニウム塩等が挙げられる。これら塩基は、中でも有機アミン類が好ましい。
塩基の使用量は、上記一般式(4)で表されるホスフィンオキシド化合物に対して、通常1〜5当量、好ましくは1〜3当量の範囲から適宜選択される。
、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−エトキシエタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセリン等の多価アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、アセトニトリル等の含シアノ有機化合物類、N−メチルピロリドン、水等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
溶媒の使用量は、原料やハロゲン化剤、溶媒の種類等により異なるが通常0.1〜25倍容量、好ましくは5〜15倍容量の範囲から適宜選択される。
反応温度は、用いるハロゲン化剤や溶媒の種類等により異なるが、通常−78℃〜溶媒の還流下、好ましくは−78〜0℃の範囲から適宜選択される。
反応時間は、通常0.11〜24時間、好ましくは2〜10時間の範囲から適宜選択される。
工程(2)で製造された上記一般式(5)で表される4−ハロゲノホスフィンオキシド化合物は、そのまま次の反応に用いても、必要に応じて後処理、精製、単離等を行った後に用いてもよい。後処理、精製、単離等の具体的手段としては、上記と同じである。
一般式(6)で表されるジフェニルホスフィンオキシド化合物の具体例としては、例えば、[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)、[4,4’−ビ−(7−エトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)、[4,4’−ビ−(7−n−プロポキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)、[4,4’−ビ−(7−n−ブトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)、[4,4’−ビ−(7−フェノキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)、[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(4−メチルフェニル)ホスフィンオキシド]、[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド]、[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド]、[4,4’−ビ−(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)]−5,5’−ジイル−ビス[ジ(4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド]等が挙げられ、これらの化合物、及び他の化合物を化学構造式で例示すれば、下記式で表される化合物等が挙げられる。
カップリング試薬の使用量は、4−ハロゲノホスフィンオキシド化合物に対して、通常1〜10当量、好ましくは2〜5当量の範囲から適宜選択される。
カップリング反応は、溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−エトキシエタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、アセトニトリル等の含シアノ有機化合物類、N−メチルピロリドン、水等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合
わせて用いてもよい。
溶媒の使用量は、上記一般式(5)で表される4−ハロゲノホスフィンオキシド化合物に対して、通常1〜15倍容量、好ましくは2〜10倍容量の範囲から適宜選択される。
反応温度は、用いる金属、溶媒の種類等により異なるが、通常50〜200℃、好ましくは80〜150℃の範囲から適宜選択される。
反応時間は、通常1〜15時間、好ましくは2〜10時間の範囲から適宜選択される。
工程(3)で製造された上記一般式(6)で表されジフェニルホスフィンオキシド化合物は、必要に応じて、そのまま光学分割を行っても、必要に応じて後処理、精製、単離等を行った後光学分割を行ってもよい。後処理、精製、単離等の具体的手段としては、上記と同じである。
化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−エトキシエタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、アセトニトリル等の含シアノ有機化合物類、N−メチルピロリドン、水等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
光学活性な酸性化合物としては、(+)または(−)−酒石酸、(+)または(−)−ジベンゾイル酒石酸、(+)または(−)−トルオイル酒石酸、(+)または(−)−ピバロイル酒石酸、(+)または(−)−カンファースルホン酸、(+)または(−)−マンデル酸等が挙げられる。
このような方法で製造された本発明の一般式(6)で表されジフェニルホスフィンオキシド化合物は、該光学活性ジフェニルホスフィンオキシド化合物を不斉触媒として、使用することができる。
光学活性ジフェニルホスフィンオキシド化合物を不斉触媒として用いる場合の不斉反応としては、アルドール反応(Aldol reaction)等の不斉合成反応等が挙げられる。
工程(4)の還元反応は、例えばシラン化合物等の還元剤の存在下で行えばよい。シラン化合物としては、トリクロロシラン等が挙げられる。
還元剤の使用量は、上記一般式(6)で表されるジフェニルホスフィンオキシド化合物に対して、通常5〜20当量、好ましくは5〜15当量の範囲から適宜選択される。
還元反応は、塩基の存在下で行うことが好ましい。塩基としては、上記工程(2)で説明した塩基と同じであってよい。
塩基の使用量は、上記一般式(6)で表されるジフェニルホスフィンオキシド化合物に対して、通常5〜20当量、好ましくは5〜15当量の範囲から適宜選択される。
溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、2
−プロパノール、n−ブタノール、2−エトキシエタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、アセトニトリル等の含シアノ有機化合物類、N−メチルピロリドン、水等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
溶媒の使用量は、上記一般式(6)で表されるジフェニルホスフィンオキシド化合物に対して、通常0.12〜25倍容量、好ましくは5〜15倍容量の範囲から適宜選択される。
反応温度は、用いる塩基、溶媒の種類等により異なるが、通常室温〜200℃、好ましくは100〜150℃の範囲から適宜選択される。
反応時間は、通常0.1〜15時間、好ましくは2〜10時間の範囲から適宜選択される。
工程(4)で製造された本発明の一般式(1)で表されるジホスフィン化合物は、そのままでも、或いは必要に応じて後処理、精製、単離等を行った後、不斉配位子として用いてもよい。後処理、精製、単離等の具体的手段としては、上記と同じである。
このような方法で製造された本発明の一般式(1)で表される光学活性ジホスフィン化合物は、該光学活性ジホスフィン化合物を不斉触媒として、また、遷移金属錯体の存在下で行う不斉合成やin situで行う不斉合成、特に不斉水素化反応等の不斉還元反応に不斉配位子として用いれば、所望の光学活性体を収率及び不斉収率よく得ることができる。
光学活性ジホスフィン化合物を不斉触媒として用いる場合の不斉反応としては、ベイリス・ヒルマン反応(Baylis-Hillman reaction)等の不斉合成反応が挙げられる。
MmLnXpYq (11)
[MmLnXpYq]Zs (12)
(上記式中、Lは上記一般式(1)で表されるジホスフィン化合物を示し、Mは遷移金属を示し、Xはハロゲン原子、カルボキシラート基、アリル基、1,5−シクロオクタジエン又はノルボルナジエンを示し、Yは配位子を示し、Zはアニオン又はカチオンを示し、m及びnは夫々独立して1〜5の整数を示し、p、q及びsは夫々独立して0〜5の整数を示す。)
尚、上記一般式(11)及び(12)において、Lで示される上記一般式(1)で表されるジホスフィン化合物は、光学活性体が好ましい。この場合、Lが上記一般式(1)で表されるジホスフィン化合物の光学活性体(即ち、上記一般式(1)で表される光学活性ジホスフィン化合物)である場合は、本発明の上記遷移金属錯体は、光学活性遷移金属錯体である。
Yで示される配位子としては、同一又は異なって、芳香族化合物、オレフィン化合物等の中性配位子、アミン類等が挙げられる。
芳香族化合物としては、ベンゼン、p−シメン、1,3,5−トリメチルベンゼン(メシチレン)、ヘキサメチルベンゼン等が挙げられる。オレフィン化合物としては、エチレン、1,5−シクロオクタジエン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等が挙げられる。その他の中性配位子としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ベンゾニトリル、アセトン、クロロホルム等が挙げられる。
アミン類としては、1,2−ジフェニルエチレンジアミン(DPEN)、1,2−ジシクロヘキシルエチレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、エチレンジアミン、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−2−イソプロピルエチレンジアミン(DAIPEN)等のジアミン類、トリエチルアミン等の脂肪族アミン類、ピリジン等の芳香族アミン類等が挙げられる。
Xで示されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
カチオンとしては、例えば、次の一般式(13)
[(R11)2NH2]+ (13)
(式中、2個のR11は同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)で表される。
一般式(13)において、R11で示される置換基を有していてもよい炭化水素基は、一般式(1)について上記で説明した置換基を有していてもよい炭化水素基と同様である。前記R11で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよりフェニル基、置換基を有していてもよりベンジル基等が好ましい。
このようなカチオンの具体例としては、[Me2NH2]+、[Et2NH2]+、[Pr2NH2]+等が挙げられる。
[1]一般式(11)
MmLnXpYq (11)
1)MがIrあるいはRhのとき、XはCl、Br又はIであり、m=n=p=2、q=0である。
2)MがRuのとき、(i)XはCl、Br又はIであり、Yはトリアルキルアミノ基を示す場合には、m=n=2、p=4、q=1である。
(ii)XはCl、Br又はIを示し、Yはピリジル基あるいは環置換ピリジル基を示す場合には、m=n=1、p=2、q=2である。
(iii)Xはカルボキシラート基の場合には、m=n=1、p=2、n2=q=0である。
(iv)XはCl、Br又はIである場合には、m=n=p=2、q=0である。
3)MがPdのとき、(i)XはCl、Br又はIである場合には、m=n=1、p=2、q=0である。
(ii)Xはアリル基である場合には、m=n=p=2、q=0である。
4)MがNiのとき、XはCl、BrあるいはIである場合には、m=n=1、p=2、q=0である。
[MmLnXpYq]Zs (12)
1)MがIrあるいはRhのとき、Xは1,5−シクロオクタジエン又はノルボルナジエンであり、ZはBF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4であり、m=n=p=s=1、q=0、m=s=1、n=2、p=q=0、又はm=s=1、n=1、p=q=0である。
2)MがRuのとき、(i)XはCl、Br又はIであり、Yは芳香族化合物、オレフィン化合物等の中性配位子を示し、ZはCl、Br、I、I3、スルホネートであり、m=n=p=s=q=1である。
(ii)ZがBF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4で、m=n=1、p=q=0、s=2である。
(iii)Zがアンモニウムイオンの場合には、m=n=2、p=5、q=0である。
3)MがPd及びNiのとき、ZはBF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4であり、m=n=1、p=q=0、s=2である。
ここで、「反応させることにより得る」とは、必要に応じて後処理等をして得られた遷移金属錯体、後処理等をした後に単離及び/又は精製した遷移金属錯体、後処理や単離、精製等を行わずに、反応混合物をそのまま用いる遷移金属錯体等を意味する。
また、上記本発明の遷移金属錯体は、本発明のジホスフィン化合物、又は本発明のジホスフィン化合物及び他の不斉配位子と、遷移金属錯体前駆体とを反応させることにより得ることができる。
遷移金属錯体前駆体としては、例えば、次の一般式(15)
[MXpYq]Zs (15)
(式中、M、X、Y、Z、p、q及びsは前記と同じ。)で表される遷移金属錯体前駆体等が挙げられる。
本発明で用いられる上記一般式(15)で表される遷移金属錯体前駆体の具体例として
は、上記一般式(15)におけるMで示される遷移金属がルテニウム、ロジウム及びイリジウムである場合を例示すると、例えば、[RuCl2(benzene)]2、[RuBr2(benzene)]2、[RuI2(benzene)]2、[RuCl2(p-cymene)]2、[RuBr2(p-cymene)]2、[RuI2(p-cymene)]2、RuCl2(hexamethylbenzene)]2、[RuBr2(hexamethylbenzene)]2、[RuI2(hexamethylbenzene)]2、[RuCl2(mesitylene)]2、[RuBr2(mesitylene)]2、[RuI2(mesitylene)]2、[RuCl2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[RuBr2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[RuI2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[RuCl2(cod)]n、[RuBr2(cod)]n、[RuI2(cod)]n、[RuCl2(nbd)]n、[RuBr2(nbd)]n、[RuI2(nbd)]n、RuCl3水和物、RuBr3水和物、RuI3水和物、[RhCl2(cyclopentadiene)]2、[RhBr2(cyclopentadiene)]2、[RhI2(cyclopentadiene)]2、[RhCl2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[RhBr2(pentamethy
lcyclopentadiene)]2、[RhI2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[RhCl2(cod)]n、[RhBr2(cod)]n、[RhI2(cod)]n、[RhCl2(nbd)]n、[RhBr2(nbd)]n、[RhI2(nbd)]n、[Rh(cod)2]SbF6、RhCl3水和物、RhBr3水和物、RhI3水和物、[IrCl2(cyclopentadiene)]2、[IrBr2(cyclopentadiene)]2、[IrI2(cyclopentadiene)]2、[IrCl2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[IrBr2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[IrI2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[IrCl2(cod)]n、[IrBr2(cod)]n、[IrI2(cod)]n、[IrCl2(nbd)]n、[IrBr2(nbd)]n、[IrI2(nbd)]n、IrCl3水和物、IrBr3水和物、IrI3水和物等が挙げられる。尚、上記式中、nは正数を示し、codは1,5−シクロオクタジエンを、nbdはノルボルナジエンを夫々示す。
尚、以下に示す遷移金属錯体の式中で使用されている記号は、それぞれ、Lは1)本発明の光学活性ジホスフィン化合物、又は2)本発明の光学活性ジホスフィン化合物及び他の不斉配位子を、Tfはトリフラート基(SO2CF3)を、Phはフェニル基を、Acはアセチル基を夫々示す。また、具体例としては煩雑さを避けるために不斉配位子として二座配位子を用いたものを挙げる。
[1]ロジウム錯体:
ロジウム錯体は、例えば、日本化学会編「第4版 実験化学講座」、第18巻、有機金属錯体、339−344頁、1991年(丸善)等に記載の方法に従って製造することができる。具体的には、ビス(シクロオクタ−1,5−ジエン)ロジウム(I) テトラフロロホウ酸塩と本発明のジホスフィン化合物、又は本発明のジホスフィン化合物及び他の不斉配位子と、を反応させることにより得ることができる。
ロジウム錯体の具体例としては、例えば以下に示す錯体が挙げられる。
[Rh(L)Cl]2、[Rh(L)Br]2、[Rh(L)I]2、[Rh(cod)(L)]BF4、[Rh(cod)(L)]ClO4、[Rh(cod)(L)]PF6、[Rh(cod)(L)]BPh4、[Rh(cod)(L)]OTf、[Rh(nbd)(L)]BF4、[Rh(nbd)(L)]ClO4、[Rh(nbd)(L)]PF6、[Rh(nbd)(L)]BPh4、[Rh(nbd)(L)]OTf、[Rh(L)2]ClO4、[Rh(L)2]PF6、[Rh(L)2]OTf、[Rh(L)2]BF4
ルテニウム錯体は、例えば、T.Ikariyaら, J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1985,922等に記載の方法に従って得ることができる。具体的には、[Ru(cod)Cl2]nと本発明のジホスフィン化合物、又は本発明のジホスフィン化合物及び不斉配位子と、をトリエチルアミンの存在下、トルエン溶媒中で加熱還流することにより製造することができる。
また、K.Mashimaら, J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1989,1208に記載の方法によっても得ることができる。具体的には、[Ru(p−cymene)I2]2と本発明のジホスフィン化合物、又は本発明のジホスフィン化合物及び他の不斉配位子と、をジクロロメタン及びエタノール中で加熱撹拌することにより得ることができる。
ルテニウム錯体の具体例としては、例えば以下に示す錯体が挙げられる。
Ru(OAc)2(L)、Ru2Cl4(L)2NEt3、[RuCl(benzene)(L)]Cl、[RuBr(benzene)(L)]Br、[RuI(benzene)(L)]I、[RuCl(p−cymene)(L)]Cl、[RuBr(p−cymene)(L)]Br、[RuI(p−cymene)(L)]I、[Ru(L)](BF4)2、[Ru(L)](ClO4)2、[Ru(L)](PF6)2、[Ru(L)](BPh4)2、[Ru(L)](OTf)2、Ru(OCOCF3)2(L)、[{RuCl(L)2}(μ−Cl)3][Me2NH2]、[{RuCl(L)}2(μ−Cl)3][Et2NH2]、[{RuBr(L)2}(μ−Cl)3][Me2NH
2]、[{RuBr(L)2}(μ−Cl)3][Et2NH2]、RuCl2(L)、RuBr2(L)、RuI2(L)、RuCl2(L)(diamine)、RuBr2(L)(diamine)、RuI2(L)(diamine)、[{RuI(L)}2(μ−I)3][Me2NH2]、[{RuI(L)}2(μ−I)3][Et2NH2]、RuCl2(L)(pyridine)、RuBr2(L)(pyridine)、RuI2(L)(pyridine)
イリジウム錯体は、例えば、K.Mashimaら, J.Organomet.Chem.,1992,428,213等に記載の方法に従って得ることができる。具体的には、本発明のジホスフィン化合物、又は本発明のジホスフィン化合物及び他の不斉配位子と、[Ir(cod)(CH3CN)2]BF4と、をテトラヒドロフラン中で撹拌反応させることにより得ることができる。
イリジウム錯体の具体例としては、例えば以下に示す錯体が挙げられる。
[Ir(L)Cl]2、[Ir(L)Br]2、[Ir(L)I]2、[Ir(cod)(L)]BF4、[Ir(cod)(L)]ClO4、[Ir(cod)(L)]PF6、[Ir(cod)(L)]BPh4、[Ir(cod)(L)]OTf、[Ir(nbd)(L)]BF4、[Ir(nbd)(L)]ClO4、[Ir(nbd)(L)]PF6、[Ir(nbd)(L)]BPh4、[Ir(nbd)(L)]OTf
パラジウム錯体は、例えば、Y.Uozumiら, J.Am.Chem.Soc.,1991,9887等に記載の方法に従って得ることができる。具体的には、本発明のジホスフィン化合物、又は本発明のジホスフィン化合物及び他の不斉配位子とπ−アリルパラジウムクロリドと、を反応させることにより得ることができる。
パラジウム錯体の具体例としては、例えば以下に示す錯体が挙げられる。
PdCl2(L)、(π−allyl)Pd(L)、[(Pd(L)]BF4、[(Pd(L)]ClO4、[(Pd(L))PF6、[(Pd(L))BPh4、[(Pd(L))OTf
ニッケル錯体は、例えば、日本化学会編「第4版 実験化学講座」第18巻、有機金属錯体、376頁、1991年(丸善)等に記載の方法により得ることができる。また、Y.Uozumiら, J.Am.Chem.Soc.,1991,113,9887に記載の方法に従って、本発明のジホスフィン化合物、又は本発明のジホスフィン化合物及び他の不斉配位子と塩化ニッケルと、を2−プロパノールとメタノールとの混合溶媒に溶解し、加熱撹拌することにより得ることができる。
ニッケル錯体の具体例としては、例えば以下に示す錯体が挙げられる。
NiCl2(L)、NiBr2(L)、NiI2(L)
また、本発明の一般式(1)で表される光学活性ジホスフィン化合物と上記遷移金属錯体前駆体とを含有する不斉合成用触媒は、不斉配位子として一般式(1)で表される光学活性ジホスフィン化合物を含有しているため、特に不斉還元反応用触媒として、不飽和化合物を不斉還元反応させる際に用いることにより、上記と同様に所望の光学活性化合物を収率及び不斉収率よく得ることができる。
本発明の光学活性化合物の製造方法は、本発明の不斉合成用触媒の存在下で行う。この本発明の光学活性化合物の製造方法の例としては、例えば、不飽和化合物を不斉還元反応させることによる光学活性化合物の製造方法が挙げられる。以下、本発明の光学活性化合物の製造方法について、不飽和化合物を不斉還元反応させることによる光学活性化合物の製造方法を例にとって説明する。
また、不斉還元反応は、水素源の存在下で行う。水素源としては、水素ガス及び水素供与性物質が挙げられる。
ここで、本発明における好ましい不斉還元反応としては不斉水素化反応が挙げられ、当該不斉水素化反応は、水素ガスの存在下で行う接触型不斉水素化反応、及び水素供与性物質の存在下で行う水素移動型不斉水素化反応が挙げられる。
本発明の光学活性化合物の製造方法は、例えば下記のようにして行えばよい。
即ち、不飽和化合物を上記不斉水素化反応用触媒及び上記水素源の存在下、不斉水素化反応させることにより、該不飽和化合物の水素化物である光学活性化合物を得ることができる。尚、前記反応は、必要に応じてその反応系内(反応混合物中)に、本発明の遷移金属錯体、本発明の不斉配位子及び遷移金属錯体前駆体との混合物を含有す本発明の不斉水素化反応用触媒、本発明の不斉配位子、及び/又は遷移金属錯体前駆体を更に添加してもよい。
アルケン類としては、プロキラルなアルケン類が好ましく、例えば、下記の一般式(21)で表されるアルケン類等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭化水素基としては、炭化水素基及び置換炭化水素基が挙げられる。
炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルカジエニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。
基、4−メチルペンチル基、2−メチルペンタン−3−イル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよい、例えば炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜15、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基が挙げられ、その具体例としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、前記アルキル基の少なくとも1個の水素原子が前記したアリール基で置換された、例えば炭素数7〜20、好ましくは炭素数7〜15のアラルキル基が挙げられ、その具体例としては、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルプロピル基、3−ナフチルプロピル基等が挙げられる。
置換炭化水素基の具体例における、置換アルキル基の具体例としては、メトキシメチル基等が挙げられる。置換アリール基の具体例としては、トリル基(例えば4−メチルフェニル基)、キシリル基(例えば3,5−ジメチルフェニル基)、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル基、4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基等が挙げられる。
脂肪族複素環基としては、例えば、炭素数2〜14で、少なくとも1個、好ましくは1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、3〜8員、好ましくは5又は6員の単環の脂肪族複素環基、多環又は縮合環の脂肪族複素環基が挙げられる。脂肪族複素環基の具体例としては、例えば、ピロリジル−2−オン基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、モルホリニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、チオラニル基等が挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば、炭素数2〜15で、少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等の異種原子を含んでいる、3〜8員、好ましくは5又は6員の単環式ヘテロアリール基、多環式又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられ、その具体例としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピリダジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基、シンノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、アクリジル基、アクリジニル基等が挙げられる。
置換複素環基(置換基を有する複素環基)としては、上記複素環基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換された複素環基、即ち、置換脂肪族複素環基及び置換芳香族複素環基が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素基は、上記炭化水素基の少なくとも1個の水素原子がハロゲン化(例えばフッ素化、塩素化、臭素化、ヨウ素化等)された基、即ち、上記炭化水素基の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ハロゲン化アラルキル基等が挙げられる。
ハロゲン化アルキル基としては、例えば、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基が挙げられ、その具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、クロロエチル基、ブロモプロピル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基、フルオロブチル基、フルオロペンチル基、フルオロヘキシル基、フルオロヘプチル基、フルオロオクチル基、フルオロノニル基、フルオロデシル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロエチル基、フルオロシクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,4,4
,4−ペンタフルオロブチル基、ペルフルオロ−n−プロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロ−n−ブチル基、ペルフルオロイソブチル基、ペルフルオロ−tert−ブチル基、ペルフルオロ−sec−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロイソペンチル基、ペルフルオロ−tert−ペンチル基、ペルフルオロ−n−ヘキシル基、ペルフルオロイソヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロノニル基、ペルフルオロデシル基、ペルフルオロオクチルエチル基、ペルフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。前記ハロゲン化アルキル基は、中でも炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基が好ましい。
ハロゲン化アリール基としては、例えば炭素数6〜20のハロゲン化アリール基が挙げられ、その具体例としては、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル、2−トリクロロ
メチルフェニル基、3−トリクロロメチルフェニル基、4−トリクロロメチルフェニル基、ペルフルオロフェニル基、ペルフルオロナフチル基、ペルフルオロアントリル基、ペルフルオロビフェニル基等が挙げられる。前記アリール基は、中でも炭素数6〜15のハロゲン化アリール基が好ましい。
ハロゲン化アラルキル基としては、例えば炭素数7〜20のハロゲン化アラルキル基が挙げられ、その具体例としては2−フルオロベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、2−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、4−ブロモベンジル基、4−ヨードベンジル基、2−トリフルオロメチルベンジル基、3−トリフルオロメチルベンジル基、4−トリフルオロメチルベンジル基、4−トリクロロメチルベンジル基、ペルフルオロベンジル基等が挙げられる。前記ハロゲン化アラルキル基は、中でも炭素数6〜15のハロゲン化アラルキル基が好ましい。
アルコキシ基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよい、例えば炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられ、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、2−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、3−メチルブトキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が
挙げられる。前記アルコキシ基は、中でも炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルコキシ基がより好ましい。
置換アルコキシ基(置換基を有するアルコキシ基)としては、前記アルコキシ基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアルコキシ基が挙げられる。
アリールオキシ基としては、例えば炭素数6〜20のアリールオキシ基が挙げられ、その具体例としては、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基等が挙げられる。前記アリールオキシ基は、中でも炭素数6〜14のアリールオキシ基が好ましい。
置換アリールオキシ基(置換基を有するアリールオキシ基)としては、前記アリールオキシ基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアリールオキシ基が挙げられる。
アラルキルオキシ基としては、例えば炭素数7〜20のアラルキルオキシ基が挙げられ、その具体例としては、ベンジルオキシ基、1−フェニルエトキシ基、2−フェニルエトキシ基、1−フェニルプロポキシ基、2−フェニルプロポキシ基、3−フェニルプロポキシ基、1−フェニルブトキシ基、2−フェニルブトキシ基、3−フェニルブトキシ基、4−フェニルブトキシ基、1−フェニルペンチルオキシ基、2−フェニルペンチルオキシ基、3−フェニルペンチルオキシ基、4−フェニルペンチルオキシ基、5−フェニルペンチルオキシ基、1−フェニルヘキシルオキシ基、2−フェニルヘキシルオキシ基、3−フェニルヘキシルオキシ基、4−フェニルヘキシルオキシ基、5−フェニルヘキシルオキシ基、6−フェニルヘキシルオキシ基等が挙げられる。前記アラルキルオキシ基は、中でも炭素数7〜12のアラルキルオキシ基が好ましい。
置換アラルキルオキシ基(置換基を有するアラルキルオキシ基)としては、前記アラルキルオキシ基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアラルキルオキシ基が挙げられる。
ヘテロアリールオキシ基としては、例えば、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜15のヘテロアリールオキシ基が挙げられ、その具体例としては、2−ピリジルオキシ基、2−ピラジルオキシ基、2−ピリミジルオキシ基、2−キノリルオキシ基等が挙げられる。
置換ヘテロアリールオキシ基(置換基を有するヘテロアリールオキシ基)としては、前記アラルキルオキシ基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたヘテロアリールオキシ基が挙げられる。
アルキルチオ基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよい、例えば炭素数1〜20のアルキルチオ基が挙げられ、その具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、2−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、2−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基等が挙げられる。前記アルキルチオ基は、中でも炭素数1〜10のアルキルチオ基が好ましく、炭素数1〜6のアルキルチオ基がより好ましい。
置換アルキルチオ基(置換基を有するアルキルチオ基)としては、前記アルキルチオ基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアルキルチオ基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリールチオ基は、アリールチオ基及び置換アリールチオ基が挙げられる。アリールチオ基としては、例えば炭素数6〜20のアリールチオ基が挙げられ、その具体例としては、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。前記アリールチオ基は、中でも炭素数6〜14のアリールチオ基が好ましい。
置換アリールチオ基(置換基を有するアリールチオ基)としては、前記アリールチオ基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアリールチオ基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアラルキルチオ基は、アラルキルチオ基及び置換アラルキルチオ基が挙げられる。アラルキルチオ基としては、例えば炭素数7〜20のアラルキルチオ基が挙げられ、具体的にはベンジルチオ基、2−フェネチルチオ基等が挙げられる。前記アラルキルチオ基は、中でも炭素数7〜12のアラルキルチオ基が好ましい。
置換アラルキルチオ基(置換基を有するアラルキルチオ基)としては、前記アラルキルチオ基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアラルキルチオ基が挙げられる。
ヘテロアリールチオ基としては、例えば、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜15のヘテロアリールチオ基が挙げられ、その具体例としては、4−ピリジルチオ基、2−ベンズイミダゾリルチオ基、2−ベンズオキサゾリルチオ基、2−ベンズチアゾリルチオ基等が挙げられる。
置換ヘテロアリールチオ基(置換基を有するヘテロアリールチオ基)としては、前記ヘテロアリールチオ基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたヘテロアリールチオ基が挙げられる。
アシル基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよい、例えば、カルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸等の酸由来の炭素数1〜20のアシル基が挙げられる。
カルボン酸由来のアシル基としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等のカルボン酸由来のアシル基が挙げられ、例えば−CORb[式中、Rbは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基等を示す(該置換基を有していてもよい炭化水素基及び置換基を有していてもよい複素環基は、上記で説明した各基と同じであってよい。)。]で表される。カルボン酸由来のアシル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ラウロイル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル
基、2−ナフトイル基等が挙げられる。前記アシル基は、中でも炭素数2〜18のアシル基が好ましい。
スルホン酸由来のアシル基としては、スルホニル基が挙げられる。スルホニル基としては、例えばRc−SO2−[Rcは、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す(該置換基を有していてもよい炭化水素基及び該置換基を有していてもよい複素環基は、上記で説明した各基と同じであってよい。)。]で表される置換スルホニル基が挙げられる。スルホニル基の具体例としては、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等が挙げられる。
スルフィン酸由来のアシル基としては、スルフィニル基が挙げられる。スルフィニル基としては、例えばRd−SO−[Rdは、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は置換アミノ基を示す(該置換基を有していてもよい炭化水素基及び置換基を有していてもよい複素環基は、上記で説明した各基と同じであってよい。また、該置換アミノ基については後述する。)。]で表される置換スルフィニル基が挙げられる。スルフィニル基の具体例としては、メタンスルフィニル基、tert−ブチルスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基等が挙げられる。
ホスフィン酸由来のアシル基としては、ホスフィニル基が挙げられる。ホスフィニル基としては、例えば(Re)2−PO−[2個のReは同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す(該置換基を有していてもよい炭化水素基は、上記で説明した置換基を有していてもよい炭化水素基と同じであってよい。)。]で表される置換ホスフィニル基が挙げられる。ホスフィニル基の具体例としては、ジメチルホスフィニル基、ジフェニルホスフィニル基等が挙げられる。
ホスホン酸由来のアシル基としては、ホスホニル基が挙げられる。ホスホニル基としては、例えば(RfO)2−PO−[2個のRfは同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す(該置換基を有していてもよい炭化水素基は、上記で説明した置換基を有していてもよい炭化水素基と同じであってよい。)。]で表される置換ホスホニル基が挙げられる。ホスホニル基の具体例としては、ジメチルホスホニル基、ジフェニルホスホニル基等が挙げられる。
置換アシル基(置換基を有するアシル基)としては、上記アシル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアシル基が挙げられる。
アシルオキシ基としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等のカルボン酸由来の例えば炭素数2〜20のアシルオキシ基が挙げられ、その具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。前記アシルオキシ基は、中でも炭素数2〜18のアシルオキシ基が好ましい。
置換アシルオキシ基(置換基を有するアシルオキシ基)としては、前記アシルオキシ基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアシルオキシ基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよい、例えば炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が挙げられ、その具体例としてメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、2−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ラウリルオキシカルボニル基、ステアリルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換アルコキシカルボニル基(置換基を有するアルコキシカルボニル基)としては、前記アルコキシカルボニル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアルコキシカルボニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基は、アリールオキシカルボニル基及び置換アリールオキシカルボニル基が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、例えば炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基が挙げられ、その具体例としてフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換アリールオキシカルボニル基(置換基を有するアリールオキシカルボニル基)としては、前記アリールオキシカルボニル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアリールオキシカルボニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基は、アラルキルオキシカルボニル基及び置換アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
アラルキルオキシカルボニル基としては、例えば炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基が挙げられ、その具体例としてベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換アラルキルオキシカルボニル基(置換基を有するアラルキルオキシカルボニル基)としては、前記アラルキルオキシカルボニル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
ニル基の具体例としては、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、フェノキシスルホニル基、ベンジルオキシスルホニル基等が挙げられる。
上記アミノ保護基におけるアルキル基、アリール基及びアラルキル基等の置換基を有していてもよい炭化水素基は、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基及び置換スルホニル基は、上記で説明した各基と同じである。
アルキル基で置換されたアミノ基、即ち、アルキル置換アミノ基の具体例としては、例えば、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基等のモノ又はジアルキルアミノ基が挙げられる。
アリール基で置換されたアミノ基、即ちアリール置換アミノ基の具体例としては、例えば、N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基、N−ナフチル−N−フェニルアミノ基等のモノ又はジアリールアミノ基が挙げられる。
アラルキル基で置換されたアミノ基、即ちアラルキル置換アミノ基の具体例としては、例えば、N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等のモノ又はジアラルキルアミノ基が挙げられる。
また、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N−ベンジル−N−メチルアミノ基等のジ置換アミノ基が挙げられる。
アシル基で置換されたアミノ基、即ちアシルアミノ基の具体例としては、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアルコキシカルボニルアミノ基の具体例としては、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、ペンチルオキシカルボニルアミノ基、ヘキシルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアリールオキシカルボニルアミノ基の具体例としては、例えば、アミノ基の1個の水素原子が前記したアリールオキシカルボニル基で置換されたアミノ基が挙げられ、その具体例としては、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、ナフチルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アラルキルオキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアラルキルオキシカルボニルアミノ基の具体例としては、例えば、ベンジルオキシカルボニルアミノ基、フェネチルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
置換スルホニル基で置換されたアミノ基の具体例としては、例えば、−NHSO2CH3、−NHSO2C6H5、−NHSO2C6H4CH3、−NHSO2CF3等が挙げられる。
また、環状のアミノ基としては、例えばアルキレン基で結合して含窒素環を形成する場合等が挙げられる。アルキレン基としては、直鎖状でも分岐状でもよい、例えば炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられ、具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、2−メチルプロピレン基、ペンチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、2−エチルプロピレン基等が挙げられる。また、前記アルキレン基は、該アルキレン基の末端又は鎖中の任意の位置に酸素原子、窒素原子、カルボニル基等や二重結合を有していてもよい。
カルボニル基、ラウリルオキシチオカルボニル基、ステアリルオキシチオカルボニル基、シクロヘキシルオキシチオカルボニル基等が挙げられる。
置換アルコキシチオカルボニル基(置換基を有するアルコキシチオカルボニル基)としては、上記アルコキシチオカルボニル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアルコキシチオカルボニル基が挙げられる。
置換アリールオキシチオカルボニル基(置換基を有するアリールオキシチオカルボニル基)としては、上記アリールオキシチオカルボニル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアリールオキシチオカルボニル基が挙げられる。
置換アラルキルオキシチオカルボニル基(置換基を有するアラルキルオキシチオカルボニル基)としては、上記アラルキルオキシチオカルボニル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアラルキルオキシチオカルボニル基が挙げられる。
ステアリルチオカルボニル基、シクロヘキシルチオカルボニル基等が挙げられる。
置換アルキルチオカルボニル基(置換基を有するアルキルチオカルボニル基)としては、上記アルキルチオカルボニル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアルキルチオカルボニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリールチオカルボニル基は、アリールチオカルボニル基及び置換アリールチオカルボニル基が挙げられる。アリールチオカルボニル基としては、例えば炭素数7〜20のアリールチオカルボニル基が挙げられ、その具体例としては、フェニルチオカルボニル基、ナフチルチオカルボニル基等が挙げられる。
置換アリールチオカルボニル基(置換基を有するアリールチオカルボニル基)としては、上記アリールチオカルボニル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアリールチオカルボニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアラルキルチオカルボニル基は、アラルキルチオカルボニル基及び置換アラルキルチオカルボニル基が挙げられる。アラルキルチオカルボニル基としては、例えば炭素数8〜20のアラルキルチオカルボニル基が挙げられ、その具体例としては、ベンジルチオカルボニル基、フェネチルチオカルボニル基、9−フルオレニルメチルチオカルボニル基等が挙げられる。
置換アラルキルチオカルボニル基(置換基を有するアラルキルチオカルボニル基)としては、上記アラルキルチオカルボニル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアラルキルチオカルボニル基が挙げられる。
置換シリルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜18で、シリルオキシ基の1〜3個の水素原子が上記置換基を有していてもよい炭化水素基、上記置換基を有していてもよいアルコキシ基等の置換基で置換されたトリ置換シリルオキシ基が挙げられる。置換シリルオキシ基の具体例としては、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリ(2−プロピル)シリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、tert−ブチルメトキシフェニルシリルオキシ基、tert−ブトキシジフェニルシリルオキシ基等が挙
げられる。
前記置換基を有していてもよいアルキレン基は、アルキレン基及び置換アルキレン基が挙げられる。アルキレン基としては、直鎖状でも分岐状でもよい、例えば炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられ、その具体例としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、2−メチルプロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、2−エチルプロピレン基等が挙げられる。また、環を構成する炭素鎖中には、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、置換イミノ基、カルボニル基(C=O)、チオカルボニル基(C=S)等を有していてもよい。環を形成する場合の環の具体例としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、例えば5〜7員のラクトン環、例えば5〜7員のラクタム環、シクロペンタノン環、シクロヘキサノン環等が挙げられる。これら形成する環は、不斉水素化する部位の炭素原子が、均一系不斉水素化反応により不斉炭素となり得るような環が好ましい。置換イミノ基における置換基は後述する置換基と同じである。
置換アルキレン基(置換基を有するアルキレン基)としては、上記アルキレン基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアルキレン基が挙げられ、
置換基を有していてもよいアルキレンジオキシ基は、アルキレンジオキシ基及び置換アルキレンジオキシ基が挙げられる。アルキレンジオキシ基としては、アルキレンジオキシ基としては、例えば炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基が挙げられ、その具体例としては、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基等が挙げられる。
置換アルキレンジオキシ基(置換基を有するアルキレンジオキシ基)としては、上記アルキレンジオキシ基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアルキレンジオキシ基が挙げられる。置換アルキレンジオキシ基の具体例としては、ジフルオロメチレンジオキシ基等が挙げられる。
アルキレン基としては、例えば炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられ、その具体例としてはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。
アリーレン基としては、例えば炭素数6〜20のアリーレン基が挙げられ、その具体例としては、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ビナフタレンジイル基、ビスベンゾジオキソールジイル基等が挙げられる。
ヘテロアリーレン基としては、例えば、炭素数2〜20で、少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等の異種原子を含んでいる、3〜8員、好ましくは5又は6員の単環式ヘテロアリーレン基、多環式又は縮合環式のヘテロアリーレン基が挙げられ、その具体例としては、ビピリジンジイル基、ビスベンゾチオールジイル基、ビスチオールジイル基等が挙げられる。
異種原子又は原子団を有する2価の有機基としては、−CH2−O−CH2−,−C6H4−O−C6H4−等が挙げられる。
これら2価の有機基は後述する置換基で置換されていてもよい。
いてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキレンジオキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、スルホ基、置換シリル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールチオカルボニル基、置換基を有し
ていてもよいアラルキルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換ホスフィノ基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基、オキソ基基等が挙げられる。これら置換基は、上記で説明した各基と同じであってよい。
置換アルキレンジオキシ基(置換基を有するアルキレンジオキシ基)としては、上記アルキレンジオキシ基の少なくとも1個の水素原子が前記置換基で置換されたアルキレンジオキシ基が挙げられる。置換アルキレンジオキシ基の具体例としては、ジフルオロメチレンジオキシ基等が挙げられる。
本発明の製造方法により得られる不飽和化合物の水素化物は、好ましくは光学活性化合物が得られる。即ち本発明において、水素化反応は、不斉水素化反応が好ましい。そのため、本発明において好ましく得られる光学活性化合物は、各不飽和化合物に相当する光学活性化合物が得られる。例えば、アルケン類を水素化反応させることにより得られる化合物は光学活性アルカン類であり、ケトン類を不斉水素化反応させることにより得られる化合物は光学活性アルコール類であり、イミン類を水素化反応させることにより得られる化合物は光学活性アミン類であり、ケトカルボン酸類を水素化反応させることにより得られ
る化合物は光学活性ヒドロキシエステル類であり、ケトアルケン類を水素化反応させることにより得られる化合物はヒドロキシアルケン類、ヒドロキシアルカン類及び/又はケトアルカン類が夫々得られる。
光学活性化合物の具体例は、例えば、上記不飽和化合物で例示した夫々の化合物から得られる水素化物が挙げられる。
尚、得られた光学活性化合物は、必要に応じて精製、単離等の後処理や、官能基の保護等を行った後、必要に応じて精製、単離等の後処理を行ってもよい。後処理の具体的な方法は上記と同じである。
また、水素源として用いる水素供与性物質としては、例えば、ギ酸又はその塩類、ギ酸と塩基との組み合わせ、ヒドロキノン、シクロヘキサジエン、亜リン酸、アルコール類等が挙げられる。これらの中では、ギ酸又はその塩類、ギ酸と塩基との組み合わせ、アルコール類等が特に好ましい。
ギ酸又はその塩類におけるギ酸の塩類としては、ギ酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のギ酸の金属塩、アンモニウム塩、置換アミン塩等が挙げられる。
また、ギ酸と塩基との組み合わせとしては、反応系内でギ酸がギ酸の塩の形態となるもの、或いは実質的にギ酸の塩の形態となるものであればよい。
これらギ酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のギ酸の金属塩や、アンモニウム塩、置換アミン塩等を形成する塩基、並びに、ギ酸と塩基との組み合わせにおける塩基としては、アンモニア、無機塩基、有機塩基等が挙げられる。
ギ酸と塩を形成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。
無機塩基としては、例えば、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ又はアルカリ土類金属塩、水素化ナトリウム等の金属水素化物類等が挙げられる。
有機塩基としては、例えば、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシド、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、等のアルカリ金属アルコキシド、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等のアルカリ・アルカリ土類金属の酢酸塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリ−n−ブチルアミン、N−メチルモルホリン等の有機アミン類、臭化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化プロピルマグネシウム、塩化tert−ブチルマグネシウム、臭化tert−ブチルマグネシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機金属化合物類、4級アンモニウム塩等が挙げられる。
水素供与性物質の使用量は、不飽和化合物に対して通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜20当量の範囲から適宜選択される。
ル、ベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、、1,3−プロパンジオール、グリセリン等の多価アルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても、2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
溶媒の使用量は、用いる不飽和化合物の種類や溶解度、経済性等により異なるため特に限定されないが、例えば溶媒としてアルコール類を用いた場合には、用いる不飽和化合物によっては1%以下の低濃度から無溶媒あるいは無溶媒に近い状態で行うことができる。溶媒の使用量としては、例えば、反応基質に対しが通常0〜200倍量、好ましくは0〜40倍量の範囲となるように適宜選択すればよい。
反応温度は、用いる上記触媒の種類や使用量、用いる不飽和化合物の種類により異なるため特に限定されないが、経済性等を考慮して、通常−30〜250℃、好ましくは0〜100℃の範囲から適宜選択される。反応温度は、−30〜0℃の低温でも、或いは100〜250℃の高温でも反応を実施することができる。
反応時間は、用いる上記触媒の種類や使用量、用いる不飽和化合物の種類や濃度、反応温度、水素の圧力等の反応条件等により異なるが、通常1分〜48時間、好ましくは10分〜24時間の範囲から適宜選択される。
不斉水素化反応は、反応形式がバッチ式においても連続式においても実施することができる。また、フラスコや反応釜、オートクレーブ等、この分野で用いられる反応容器中で行うことができる。
不斉水素化反応は、必要に応じて添加剤の存在下で行うことができる。添加剤としては、酸、含フッ素アルコール、塩基、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、ハロゲン、還元剤等が挙げられる。
無機酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、テトラフルオロホウ酸、過塩素酸、過ヨウ素酸等挙げられる。
有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、吉草酸、ヘキサン酸、クエン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、フタル酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸等のカルボン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸等が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム等のハロゲン化アルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、塩化ジイソプロピルアルミニウム等のハロゲン化ジアルキルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム等のトリアルコキシアルミニウム、四塩化チタン等のハロゲン化チタン、テトライソプロポキシチタン等のテトラアルコキシチタン、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等のハロゲン化ホウ素、塩化亜鉛、臭化亜鉛等のハロゲン化亜鉛
等が挙げられる。
これら酸は、夫々単独で用いても、2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
酸の使用量は、不飽和化合物に対して通常0.0001〜100当量、好ましくは0.001〜10当量の範囲から適宜選択される。
含フッ素アルコールの使用量は、不飽和化合物に対して通常0.01〜100当量、好ましくは0.1〜10当量の範囲から適宜選択される。
塩基の使用量は、不飽和化合物に対して、通常0〜100当量、好ましくは0〜10当量の範囲から適宜選択される。
四級アンモニウム塩の使用量は、不飽和化合物に対して、通常0〜100当量、好ましくは0〜10当量の範囲から適宜選択される。
四級ホスホニウム塩としては、例えば炭素数4〜36の四級ホスホニウム塩が挙げられる。四級ホスホニウム塩の具体例としては、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムヨージド、メチルトリフェニルホスホニウムクロリド、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド等が挙げられる。
四級ホスホニウム塩の使用量は、不飽和化合物に対して、通常0〜100当量、好ましくは0〜10当量の範囲から適宜選択される。
ハロゲンとしては、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
ハロゲンの使用量は、不飽和化合物に対して、通常0〜100当量、好ましくは0〜10当量の範囲から適宜選択される。
還元剤の使用量は、不飽和化合物に対して、通常0〜100当量、好ましくは0〜10当量の範囲から適宜選択される。
上記添加剤は、夫々単独で用いても、2種以上適宜併用してもよい。
また、本発明のジホスフィン化合物は、合成時に不用な反応点をあらかじめ置換しておくことにより、容易かつ選択的にハロゲン化、カップリング反応を行うことができ、また脂溶性を増すことで反応、精製時の取り扱いが容易になるとなり、目的とする光学活性ジホスフィン化合物を効率よく製造することが出来る。したがって、当該光学活性ジホスフィン化合物を配位子として含有する遷移金属錯体を触媒とする反応により、医薬、農薬等の中間体や香料等として有用な前記不飽和化合物の水素化物、特に光学活性化合物を効率及び光学純度よく得られるばかりでなく、作業性が向上し、更に、経済性よく得られる、
という効果を奏するものである。
本発明の光学活性ジホスフィン化合物を有する遷移金属錯体、特にメトキシ基を導入した光学活性遷移金属錯体は、褐色であることが特徴である。それにより、反応の進行が、従来のものに比べてより容易に目視で確認できる。
尚、以下の実施例において、物性等の測定に用いた装置は次の通りである。
NMR:DRX−500(BRUKER JAPAN CO.LTD.)
1H−NMR;500.13MHz
31P−NMR;202.46MHz
ガスクロマトグラフィー(GC):GLC Agilent 6850 Series
高速液体クロマトグラフィー(HPLC):日立製作所 LaCrom 7000
マグネシウム片0.27g(11.1mmol)を3つ口フラスコに量り取り、窒素置換を行った後、テトラヒドロフラン(以下、THFという)を2mL加えた。撹拌を開始し、5−ブロモ−7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール2.34gとTHF10mlの混合溶液を20℃から32℃にて、2時間かけて滴下した。室温でさらに1.5時間撹拌した後、ジフェニルホスホン酸クロリド2.63gとTHF6mLの混合溶液を23℃から38℃にて1時間かけて滴下し、40℃にて2時間撹拌反応させた。その後、氷冷下で、反応混合物を1N塩酸11mLに少しずつあけ、30分撹拌した。ジクロロメタン20mLで反応生成物を2回抽出し、2.5%炭酸水素ナトリウム水溶液15mLで2回、水15mLで2回の順に洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた固体を酢酸エチル32mLに加熱溶解し、その後0℃で再結晶して2.65gの表題化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 3.87(3H,s), 6.03(2H,s), 6.60(1H, dd, J=11.7, 1.3Hz), 7.07(1H, dd, J=13.4, 1.2Hz), 7.45-7.55(6H,m), 7.56-7.71(4H,m).
(2−1) 窒素気流下、ジイソプロピルアミン0.83g(8.17mmol)をTHF6mLに溶解した。撹拌を開始し、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.6M)5.1mLを−10℃にて20分かけて滴下し、同温度にて2.5時間撹拌した。この溶液に(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−5−イル−ジフェニルホスフィンオキシド2.40g(6.81mmol)をTHF48mLに溶解した溶液を−10℃にて30分
かけて滴下し、同温度にて30分撹拌を続けた。得られた混合溶液によう素1.73g(6.81mmol)を加え、その後室温まで昇温させ、さらに3時間撹拌反応させた。氷冷下1N塩酸10mLを加え、反応生成物をジクロロメタン25mLで2回抽出した。5%炭酸水素ナトリウム水溶液10mLで2回、水20mLで2回の順に洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた固体を酢酸エチル15mLに加熱溶解し、その後0℃で再結晶して0.63gの表題化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ
3.60(3H,s), 6.10(2H,s), 6.70(1H, d, J=14.3Hz), 7.48-7.50(4H,m),
7.55-7.56(2H,m), 7.70-7.74(4H,m).
上記(2−1)で得られたよう化物である(4−ヨード−7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール)−5−イル−ジフェニルホスフィンオキシド1.6g(3.34mmol)を3つ口フラスコに量り取り、窒素置換を行った後、ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)を8mL加えた。加熱撹拌を開始し、銅粉末0.64g(10.1mmol)を95℃にて加え、同温度で4時間撹拌反応させた。反応液を室温まで冷却してから20mLの水にあけ、セライト濾過した。得られた濾液から反応生成物をジクロロメタン20mLで2回抽出し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製し、0.9gの表題化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 3.68(6H,s), 5.28(2H, d, J=1.6Hz), 5.71(2H, d, J=1.6Hz), 6.47(2H, d, J=5.0Hz), 7.26-7.37(6H,m), 7.41-7.46(6H,m), 7.59-7.63(4H,m), 7.71-7.75(4H,m).
31P−NMR(CDCl3):δ 30.4
(±)−(4,4−ビス(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール))−5−ジイル−ジフェニルホスフィンオキシド(以下、(±)−SEGPHOSO2−4−MeOということがある。)0.82gを80mLの1,2−ジクロロエタンに溶解し、以下に示す液体クロマトグラフィー条件にて分取精製し、光学純度99.2%eeの(+)−(4,4−ビス(7−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール))−5−ジイル−ジフェニルホスフィンオキシド (以下、(+)−SEGPHOSO2−4−MeOという)0.36gを得た。
液体クロマトグラフィー条件:使用HPLC Waters 600E、使用カラム SUMICHIRAL OA−3100、溶離液
ヘキサン:1,2−ジクロロエタン:エタノール=40:20:40
上記(4)で製造した(+)−SEGPHOSO2−4−MeO0.36g(0.52mmol)を3つ口フラスコに量り取り、窒素置換を行った後、トルエン18mLとジメチルアニリン1.36g(11.2mmol)を加え、室温にて撹拌を開始した。混合溶液にトリクロロシラン1.38g(10.2mmol)を室温にて加え、2.5時間かけて105℃まで加熱し、同温度で4時間撹拌した。反応混合物を氷冷し、15%水酸化ナトリウム水溶液15mLを加え、室温で30分撹拌した。分液後、水層中の反応生成物をトルエン20mLで2回抽出し、先の有機層と合わせた。得られた有機層を1N塩酸15mLで2回、水20mLで2回の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製し、白色固体の表題化合物0.32g(収率93%)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 3.68(6H,s), 5.28(2H, d, J=1.6Hz), 5.71(2H, d, J=1.6Hz), 6.47(2H, d, J=5.0Hz), 7.26-7.37(6H,m), 7.41-7.46(6H,m), 7.59-7.63(4H,m), 7.71-7.75(4H,m).
31P−NMR(CDCl3):δ -11.0
実施例1で製造した(+)−SEGPHOS−4−MeO 100mg(0.15mmol)を20mLシュレンク管に量り取り、窒素置換を行った後、エタノール4mL、ジクロロメタン4mL、および[RuCl2(p−cymene)]2 43.5mgを加え、50℃で3時間撹拌反応させた。溶媒を減圧留去後、真空乾燥し、黄橙色固体の表題化合物140mgを得た。
31P−NMR(CDCl3):δ 26.4(d,J=62.1Hz),41.5(d,J=62.1Hz).
実施例2で得られた[RuCl(p−cymene)((+)−SEGPHOS−4−MeO)]Cl 140mg(142μmol)とジメチルアミン塩酸塩13.9mg(170μmol)を30mlシュレンク管に量り取り、窒素置換を行った後、1,4−ジオキサン4mLを加え、115℃で16時間撹拌反応させた。反応混合物から過剰のジメチルアミン塩酸塩を窒素下で濾別し、得られた濾液から溶媒を減圧留去後、真空乾燥して褐色固体の表題化合物125mgを得た。
31P−NMR(CDCl3):δ 50.7(d,J=37.5Hz),51.5(d,J=38.9Hz).
実施例2と同様の方法で得られた[RuCl(p−cymene)((+)−SEGPHOS−4−MeO)]Cl 5.9mg(6.1μmol)をステンレスオートクレーブに入れ、窒素置換を行った後、THF5mL、エタノール5mL、4−クロロ−3−オキソ−ブタン酸エチル10.0g(60.8mmol)を入れ、100℃、水素圧1.0MPaで4.5時間撹拌反応させた。反応混合物をGLCで測定した結果、目的の光学活性4−クロロ−3−ヒドロキシブタン酸エチルを転化率85.1%、光学純度95.2%eeで得た。なお、転化率はHP Innowaxを用い、また光学純度はCHIRALCEL OJを用いてそれぞれ定法により測定した。
実施例3で得られた[Me2NH2][{RuCl((+)−SEGPHOS−4−MeO)}2(μ−Cl)3] 5.0mg(5.6μmol)をステンレスオートクレーブに入れ、窒素置換を行った後、メタノール1.5mL、2−オキソ−3−フェニルプロピオン酸メチル500mg(2.8mmol)を入れ、60℃、水素圧5.0MPaで17時間撹拌反応させた。反応混合物をGLCで測定した結果、目的の光学活性2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸メチルを転化率100%、光学純度91.3%eeで得た。なお、転化率はNEUTRA BOND−1を用い、また光学純度はCP CHIRASILDEX−CBを用いてそれぞれ定法により測定した。
実施例3で得られた[Me2NH2][{RuCl((+)−SEGPHOS−4−MeO)}2(μ−Cl)3] 4.3mg(4.8μmol)をステンレスオートクレーブに入れ、窒素置換を行った後、エタノール1.5mL、2−オキソ−4−フェニルブタン酸エチル500mg(2.4mmol)を入れ、50℃、水素圧5.0MPaで17時間撹拌反応させた。反応混合物をGLCで測定した結果、目的の光学活性2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン酸エチルを転化率100%、光学純度79.7%eeで得た。なお、転化率はNEUTRA BOND−1を用い、また光学純度はCP CHIRASILDEX−CBを用いてそれぞれ定法により測定した。
実施例3で得られた[Me2NH2][{RuCl((+)−SEGPHOS−4−MeO)}2(μ−Cl)3] 6.0mg(6.7μmol)をステンレスオートクレーブに入れ、窒素置換を行った後、メタノール1.0mL、アセトール500mg(6.7mmol)を入れ、65℃、水素圧3.0MPaで7時間撹拌反応させた。反応混合物をGLCおよびHPLCで測定した結果、目的の光学活性1,2−プロパンジオールを転化率100%、光学純度94.2%eeで得た。なお、転化率はTC−FFAPを用い、また光学純度はCHIRALCEL OJ−Hを用いてそれぞれ定法により測定した。
実施例3で得られた[Me2NH2][{RuCl((+)−SEGPHOS−4−MeO)}2(μ−Cl)3] 5.4mg(6.1μmol)をステンレスオートクレーブに入れ、窒素置換を行った後、エタノール4mL、4−クロロ−3−オキソ−ブタン酸エチル2.0g(12.2mmol)を入れ、90℃、水素圧3.0MPaで4時間撹拌反応させた。反応混合物をGLCおよびHPLCで測定した結果、目的の光学活性4−クロロ−3−ヒドロキシブタン酸エチルを転化率100%、光学純度94.1%eeで得た。なお、転化率はHP Innowaxを用い、また光学純度はCHIRALCEL OJ−Hを用いてそれぞれ定法により測定した。
Claims (14)
- 一般式(1)で表されるジホスフィン化合物が、軸性不斉を有する光学活性ジホスフィン化合物である請求項1に記載のジホスフィン化合物。
- 一般式(6)で表されるジフェニルホスフィンオキシド化合物が、軸性不斉を有する光学活性ジフェニルホスフィンオキシド化合物である請求項3に記載のジフェニルホスフィンオキシド化合物。
- 請求項2に記載の光学活性ジホスフィン化合物又は請求項4に記載の光学活性ジフェニルホスフィンオキシド化合物を含有する不斉触媒。
- 請求項1若しくは2に記載のジホスフィン化合物を含有してなる遷移金属錯体。
- 請求項1若しくは2に記載のジホスフィン化合物と遷移金属錯体前駆体とを反応させることにより得られる遷移金属錯体。
- 遷移金属錯体が、請求項2に記載の光学活性ジホスフィン化合物を含有してなる光学活性遷移金属錯体である請求項6又は7に記載の遷移金属錯体。
- 請求項8に記載の光学活性遷移金属錯体を含有する不斉触媒。
- 請求項2に記載のジホスフィン化合物と遷移金属錯体前駆体とを含有する不斉触媒。
- 請求項9又は10に記載の不斉触媒が、不斉合成用触媒である請求項9又は10に記載の不斉触媒。
- 不斉合成用触媒が不斉還元反応用触媒である、請求項11に記載の不斉合成用触媒。
- 請求項9又は10に記載の不斉触媒の存在下で、プロキラル中心を有する化合物を反応させる、光学活性化合物を製造する方法。
- 請求項2に記載の光学活性ジホスフィン化合物の不斉配位子としての使用。
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