JP4855281B2 - 筆記具 - Google Patents

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本発明は、筆記具、特に円錐形ペン先を備えた筆記具に関する。
この種のペン先を備えた筆記具が特許文献1に記載されている。この文献1の筆記具において、ペン先は、ペン先基本体と、収束部材とを備える。ペン先基本体は、円筒形の基部と、その一端側に連続して断面円弧状に突出され、軸心の円周上に等間隔に相互の間にスリット状の溝を設けて形成され、先端に半球分割部が形成された5本乃至8本の櫛歯状片とにより構成される。収束部材はペン先基本体の外周上に嵌合可能な金属パイプからなり、これをペン先基本体上に嵌め込むことにより、各櫛歯状片がその先端方向に向けて漸次縮径する円錐形に収束されて、その先端に半球状の筆端部が形成されるとともに、各櫛歯状片間にインキ導出路が形成される。そして、ペン先(ペン先基本体)の中空内にその先端まで毛管力を有するインキ中継芯が挿着されて、これがペン軸の先端に一体的に固定され、ペン軸内部でインキ中継芯がインキタンクに接続される。このようにして構成されたペン先は、紙面に対し多方向へ筆記でき、ペン軸を中心に回動しても、どの位置、どの角度からでも書けるのに加え、筆記圧の強弱に応じ、太線、細線など線の幅を変えて種々な態様の文字を筆記することができる。
特開平9−156279号公報
しかしながら、この種の円錐形ペン先を採用する筆記具では、ペン先の内部、すなわちペン先とインキ中継芯との間に空間があるため、インキタンクにインキが入っている状態で、ペン先を下向きの状態に放置しておくと、インキの重力とペン先(のインキ導出路)及びインキ中継芯の毛管力の働きで、インキがペン先内部(ペン先とインキ中継芯との間の空間)に溜まり、インキタンクにインキが最大容量に近い状態に入っていれば、インキタンクに温度変化や圧力変化に起因する空気の膨張がなく(又は小さく)、インキ洩れはないが、インキがインキタンクの半分以下に減少すると、インキタンクに温度変化や圧力変化による空気の膨張が大きくなって、その圧力によりインキ洩れが発生することがあるという問題がある。
本発明は、このような従来の問題を解決するもので、この種の筆記具において、ペン先とインキ中継芯との間の空間にインキが溜まるのを防ぎ、インキ洩れを防止すること、を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の筆記具は、インキを収納するインキタンクを有するペン軸と、前記ペン軸の先端に固定され、毛管力を有するインキ中継芯を介して前記インキタンクに接続されるペン先とを備え、前記ペン先は、筒形形状に形成される基部と、当該基部の一端側に設けられ、先端が略半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次略円錐形に収束される複数の櫛歯状片とを有し、先端に筆端部、各櫛歯状片間にインキ導出路を有する円錐形のペン先形状に形成され、前記ペン先の中空内に前記インキ中継芯が挿着される形式の筆記具において、前記インキ中継芯に芯カバーを備え、前記芯カバーは、前記ペン先と前記インキ中継芯との間で、前記インキ中継芯の外周に装着され、少なくとも前記ペン先の先端側で前記ペン先の内周に密着する外形を有し、前記ペン先と前記インキ中継芯との間の空間に充填されることを要旨とする。この場合、ペン先はプラスチック材又は金属材又はセラミック材又はこれらの組み合わせにより形成されることが好ましい。また、芯カバーは弾性を有する材料により形成され、ペン先の内周に圧縮変形されて、少なくとも先端側に各櫛歯状片の内面に押圧される密着部と前記各櫛歯状片間に押し出される膨出部とを有することが好ましい。
本発明の筆記具は、上記の構成により、芯カバーがペン先とインキ中継芯との間で、インキ中継芯の外周に装着され、少なくともペン先の先端側でペン先の内周に密着されて、ペン先とインキ中継芯との間の空間に充填されるので、ペン先とインキ中継芯との間の空間にインキが溜まるのを防いで、インキ洩れを確実に防止することができ、また、ペン先とインキ中継芯との間で、インキ中継芯の外周が芯カバーで包囲されるので、キャップオフ時のペン先(インキ中継芯)のドライアップを確実に防止することができるという優れた効果を有する。
以下、本発明の一実施の形態について、図1を用いて、また必要に応じて図2乃至図4を参照しながら説明する。図1に筆記具の要部を示している。図1に示すように、筆記具1はペン軸2とペン先3とを備え、ペン先3は毛管力を有するインキ中継芯4によりペン軸2内部に収納されたインキに接続される。
ペン軸2は、プラスチック材により円筒形などの筒形形状に形成され、先端にマウスピース(ペン先3を固定するための(円)筒形形状の口)20が装着され、後端を封止された軸筒21と、軸筒21内部に一体に形成されたインキタンク(図示省略、以下同じ。)とを有する。このペン軸2の場合、軸筒21先端のマウスピース20にペン先3が挿着され、軸筒21内部の先端側にインキ中継芯4が挿入配置されるので、インキタンクはその後部側所定の範囲に設けられる。このインクタンクには、インキが直接充填される形式、又はインキが合成繊維収束体などのインキ貯蔵部材に保持される形式が採用されて、インキが収納される。なお、この軸筒21の先端側にはペン先3の上からキャップ(図示省略)が被着されるようになっている。この場合、キャップは、プラスチック材により後端に開口を有し、先端を封止された円筒形などの筒形形状に形成され、この筒形形状の内部にペン先を気密に包囲する筒形形状の保持部材が一体的に付設された、2重の筒構造にしてある。
ペン先3は、図2に示すように、複数の櫛歯状片31,31,…と、基部32と、収束部材33とを備え、複数の櫛歯状片31が基部32及び収束部材33により組み立てられる。
複数の櫛歯状片31,31,…はプラスチック材料又は金属材料又はセラミックス材料又はこれらの組み合わせにより形成され、先端が略半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次略円錐形に収束可能に、各櫛歯状片31が略剣形に、且つ幅方向を断面円弧状に湾曲されて形成され、さらに、その先端部には所定の大きさの半球分割部310が形成される。なお、各櫛歯状片31の先端部側には、当該先端部から(ペン先3の軸方向に沿って)基端部方向に延びる切り込み311が設けられることが好ましい。この切り込み311は1つでもよく、また2つ以上(複数)でもよく、各櫛歯状片31の先端部を切り込み始点として直線状に筆端部34の範囲内(又は範囲外)の所定の長さに形成される。各櫛歯状片31の基端部は、基部32に固定可能な被固定部になっていて、フランジ部と先端部側よりも幅広の拡幅部が設けられる。フランジ部は基部32に挿入する際に押込み治具にて押込む力点部分として、フランジ部前側を使い、治具により当接しながら押込む力を受ける役目を果たし、フランジ部後側は基部32の固定部前端につき当てその位置にて固定する役目を果たす。この時、フランジ部後側と櫛歯状片31の先端までの長さを各櫛歯状片31共精度良く一定の長さに揃えて保てば、必要枚数の櫛歯状片31を円周上に基部32に挿入した場合、櫛歯状片31の先端は円錐形のペン先形状に揃った形とすることができる。このようにして各独立分離した櫛歯状片31を使用するにも拘らず組み立てた際に精度よく筆端部34先端が可及的に半球状に揃い、先端部側全体が漸次、可及的に円錐形に収束される形状を得ることができる。なお、複数の櫛歯状片31,31,…は3本乃至8本の櫛歯状片で構成されることが好ましい。
基部32は複数の櫛歯状片31と別体に、プラスチック材料又は金属材料又はこれらの組み合わせにより形成され、全体が円筒形に形成されて、その一端面に各櫛歯状片31基端部の被固定部が(基部32の)軸方向に向けて嵌挿可能な溝形の固定部が設けられる。このようにして複数の櫛歯状片31,31,…が基端部を基部32の各固定部に差し込まれて、(基部32の一端面の)円周上に配列可能に構成される。
収束部材33は金属材料又は樹脂材料又はこれらの組み合わせにより形成され、略円柱形の収束部331と、円錐台形の絞り部332とを具備する。収束部331は、基部32により円周上に配列された複数の櫛歯状片31,31,…の外周上に嵌合可能に円筒状に形成され、基部32の外径と略同じ外径を有し、複数の櫛歯状片31,31,…の基端部側中間部を外側から内側に向けて加圧して略円柱形に収束可能な内径を有する。絞り部332は収束部331の外径及び内径が徐々に縮径され、複数の櫛歯状片31,31,…の先端部側中間部を外側から内側に向けて加圧してこれら櫛歯状片31,31,…を略円錐形に、且つ各半球分割部310を略半球状に収束可能な内径を有する。なお、この収束部材33はペン先3をペン軸2の軸筒21に装着するマウスピースと一体化して形成することもできる。
このようにして複数の櫛歯状片31,31,…が基端部を基部32の各固定部に差し込まれて、(基部32の一端面の)円周上に配列され、これらの櫛歯状片31,31,…が収束部材33により円錐形に収束されて、先端に筆端部34、各櫛歯状片31間にインキ導出路35を有する円錐形のペン先形状に形成される。なお、櫛歯状片31の先端部側に当該先端部から基端部方向に延びる切り込み311が1つ又は複数設けられ、各櫛歯状片31の先端部側がさらに分割されて、先端部を半球状に、且つ全体を先端部方向に向けて漸次円錐形に形成されることで、複数の櫛歯状片31が少ない本数でも、複数の櫛歯状片31,31,…の先端部が可及的に半球状に、且つ先端部側全体が可及的に円錐形に形成される。
そして、ペン先3の中空30内にインキ中継芯4が挿着され、このペン先3がペン軸2の先端に装着される。この場合、インキ中継芯4の外周には芯カバー5が装着される。ここで使用されるインキ中継芯4はポリエステル等の繊維芯(繊維集合体)で、ペン先3及びペン軸2の内部に配置可能な適宜の長さを有し、図3に示すように、先端がペン先3の筆端部34及びその近接周辺部の中空先端30Тに嵌合可能に略円錐形に形成され、その後部が丸棒状に形成される。なお、後部は段付きの丸棒形状になっていて、先端の略円錐形状部40に連続する前部丸棒形状部41とこの丸棒形状部41に外径を拡大して連続する後部丸棒形状部42とを有する。また、後部の後端部は後端面に向けて漸次縮径されたテーパ状に形成される。芯カバー5は、ペン先3とインキ中継芯4との間で、インキ中継芯4の外周に装着され、少なくともペン先3の先端側でペン先3の内周に密着する外形を有している。この場合、芯カバー5は、図4に示すように、特に弾性を有する樹脂材料により形成され、インキ中継芯4の先端側(特に前部丸棒形状部41)を保持可能な小径の円錐台形状部(又は円柱形状部)51と、インキ中継芯4の中間(特に後部丸棒形状部42の前部側)を保持可能な大径の円柱形状部52とを有し、これら形状部51、52間に段差53が付けられて、小径の円錐台形状部51の先端外周縁51Eと大径の円柱形状部52の前部外周縁52Eが、ペン先3の内周に圧縮されて各櫛歯状片31の内面に押圧される密着部54と各櫛歯状片31間の溝(インキ導出路35)に押し出される膨出部55になっている。このようにしてインキ中継芯4が芯カバー5の軸芯上に挿通され、インキ中継芯4の円錐形の先端が芯カバー5から突出されて、インキ中継芯4の先端側外周面上に芯カバー5が装着される。そして、このインキ中継芯4はペン先3の基部側から中空30内にその先端まで挿入配置され、インキ中継芯4の先端が中空30内の先端、すなわち筆端部34及びその近接周辺部の中空先端30Т内に嵌合され、芯カバー5の円錐台形の先端縁部と円柱形の前端縁部がペン先3の内周に密着されて、ペン先3の先端側でペン先3とインキ中継芯4との間の空間に充填され、また、ペン先3とインキ中継芯4との間で、インキ中継芯4の外周は芯カバー5により包囲される。このようにしてペン先3は基端側がペン軸2の先端にマウスピース20を介して固定され、ペン軸2(軸筒21)内部でインキ中継芯4がインキタンクに接続される。
このようにペン先3は、複数の櫛歯状片31の先端部を可及的に半球状に、且つ先端部側全体を可及的に円錐形に形成されて、先端に片ずれのない半球形の筆端部34が形成されるとともに、各櫛歯状片31間に一定のインキ導出路35が形成される。このペン先3の構造により、半球形状の筆端部34を軸心に対し斜めに紙面に押し当てたときに、各櫛歯状片31先端の半球分割部310が互いにずれ合って弾性変形し、先端半球部の外径を拡大する動作を行い、紙面に押し当てる動作を除いたときに先端部が弾性により元の半球形状に復するので、紙面に対してどの方向へも書記することができ、ペン軸2を中心に回動してもどの位置からでもどの角度からでも書けるのに加え、筆圧を強弱加減することにより線の幅を太くあるいは細く変えることができ、毛筆のような線の幅が変化する種々の態様の文字を筆記することができる。その際、筆圧の強弱に応じて櫛歯状片31が撓んで筆圧を吸収し、このクッション性によりペンタッチの柔らかい感触を筆記者の手指に与え、長時間筆記をしても疲れにくいという利点がある。このクッション性はまた、筆圧の大きい場合のペン先端の変形、磨耗を軽減し、筆記部分の耐久性を向上させることができる。また、長時間にわたりペンを放置していても、あるいはペン先端表面より水分が蒸発しインキが乾いてペン先2の先端細隙をふさいでも、再度筆記動作を行なえば、筆端部34が動いてその半球形状を変形し細隙を動かすため、乾涸したインキの膜或いは固まりが破れてインキを容易に導出することができる。さらに、各櫛歯状片31の先端側に切り込み311が設けられたことで、この切り込み311によっても筆端部34に弾性変形作用があり、またこの切り込み311に、インキ導出路35と同様のインキ導出作用があり、上記の筆記性能を可及的に高めることができる。
そして、この筆記具1では、特に、芯カバー5がペン先3とインキ中継芯4との間で、インキ中継芯4の外周に装着され、少なくともペン先3の先端側でペン先3の内周に密着されて、ペン先3とインキ中継芯4との間の空間に充填されるので、インキタンクにインキが入っている状態で、ペン先3を下向きの状態に放置しておいても、ペン先3とインキ中継芯4との間の空間にインキが溜まるのを防いで、インキ洩れを確実に防止することができる。また、ペン先3とインキ中継芯4との間で、インキ中継芯4の外周が芯カバー5で包囲されるので、ペン先3の露出部分が多いにも拘わらず、キャップオフ時のペン先3(インキ中継芯4)のドライアップを確実に防止することができる。
なお、この実施の形態では、ペン先3は各櫛歯状片31と基部32が別体に形成され、各櫛歯状31が基部32に組み付けられて、収束部材33により円錐形に収束されているが、ペン先3は、筒形形状に形成される基部と、当該基部の一端側に設けられ、先端が略半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次略円錐形に収束される複数の櫛歯状片とを備え、先端に筆端部、各櫛歯状片間にインキ導出路を有する円錐形のペン先形状に形成されていればよく、例えば各櫛歯状片と基部が一体に形成されてもよく、また、各櫛歯状片が(円錐形に)収束された状態に加工されて、収束部材が省略されてもよい。この種のペン先で、ペン先の中空内にインキ中継芯が挿着される形式において、インキ中継芯に芯カバーを同様に装着することで、同様の作用効果を得ることができる。
本発明の一実施の形態における筆記具の要部を示す一部省略拡大断面図 同筆記具に採用されるペン先を示す拡大斜視図 同筆記具に採用されるインキ中継芯を示す一部省略拡大平面図 同筆記具に採用される芯カバーを示す拡大平面図
符号の説明
1 筆記具
2 ペン軸
20 マウスピース(ペン先を固定するための(円)筒形形状の口)
21 軸筒
3 ペン先
30 中空
30Т 中空先端
31 櫛歯状片
310 半球分割部
311 切り込み
32 基部
33 収束部材
331 収束部
332 絞り部
34 筆端部
35 インキ導出路
4 インキ中継芯
40 略円錐形状部
41 前部丸棒形状部
42 後部丸棒形状部
5 芯カバー
51 小径の円錐台形状部(又は円柱形状部)
51E 先端外周縁
52 大径の円柱形状部
52E 前部外周縁
53 段差
54 密着面
55 膨出部

Claims (3)

  1. インキを収納するインキタンクを有するペン軸と、前記ペン軸の先端に固定され、毛管力を有するインキ中継芯を介して前記インキタンクに接続されるペン先とを備え、前記ペン先は、筒形形状に形成される基部と、当該基部の一端側に設けられ、先端が略半球状に、且つ全体が先端方向に向けて漸次略円錐形に収束される複数の櫛歯状片とを有し、先端に筆端部、各櫛歯状片間にインキ導出路を有する円錐形のペン先形状に形成され、前記ペン先の中空内に前記インキ中継芯が挿着される形式の筆記具において、
    前記インキ中継芯に芯カバーを備え、
    前記芯カバーは、前記ペン先と前記インキ中継芯との間で、前記インキ中継芯の外周に装着され、少なくとも前記ペン先の先端側で前記ペン先の内周に密着する外形を有し、前記ペン先と前記インキ中継芯との間の空間に充填されることを特徴とする筆記具。
  2. ペン先はプラスチック材又は金属材又はセラミック材又はこれらの組み合わせにより形成される請求項1に記載の筆記具。
  3. 芯カバーは弾性を有する材料により形成され、ペン先の内周に圧縮変形されて、少なくとも先端側に各櫛歯状片の内面に押圧される密着部と前記各櫛歯状片間に押し出される膨出部とを有する請求項1又は2に記載の筆記具。
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