JP4860329B2 - 表面被覆光輝性粉体及びそれを含有する化粧料 - Google Patents

表面被覆光輝性粉体及びそれを含有する化粧料 Download PDF

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Description

本発明は表面被覆光輝性粉体およびそれを含有する化粧料に関し、より詳細には、特定のダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物を用いて光輝性粉体を表面被覆した表面被覆光輝性粉体と、それを含有する化粧料に関するものである。
化粧料においてはツヤを付与するなど、化粧効果を高める目的で様々な光輝性粉体が使用されている。光輝性粉体はそれらのもつ干渉反射光により通常の顔料等の色材では得られない彩度や質感を付与するものであり、近年のメイクアップ化粧料には汎用される粉体である。最近では光輝性粉体の特性を高めるために従来から用いられてきた雲母の母体のみならず、ガラスを母体として透明性を向上させたり、多層コーティングにより、より強い干渉光を得る等、更に光輝性を高める試みが行われている。
化粧料としての、光輝性を高めるために、固型粉末化粧料の成形性を向上させ、光輝性粉体を多量に配合する方法(例えば特許文献1、2)や疎水化処理された光輝性寸対と油剤との組み合わせにより光輝性粉体の特徴を引き出す方法(例えば特許文献3)が知られている。
これらの光輝性粉体を化粧料に用いる場合、肌への付着性が問題になることがある。一般的にその大きさ(長径)は数十〜数百μであるが、大きいものほど付着性が悪く、落せつしやすい傾向にあり、特に多層状板状ポリマーや上記のガラスパールなどはその傾向が顕著に現れる。そこで、付着性を高めるためにカルボキシメチルセルロース又はその塩、皮膜形成剤、液状油などを組み合わせる方法(例えば特許文献4)などが知られている。
またこれらの粉体は、撥水性を付与したり、表面活性を抑える等目的に応じて、種々の表面被覆剤で被覆することが行われている。例えばカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等の界面活性剤による表面被覆処理、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン油による表面被覆処理が知られている。
特開平7−215822号公報 特許公開2004−238366号公報 特許公開2001−302453号公報 特許公開2001−294514号公報
しかしながら、光輝性粉体の特性を高めるためには特許文献1及び2の方法で光輝性を高めるには、多量の光輝性粉体を配合する必要があり、そのため、化粧料の付着性が劣る結果となり、化粧持ちが悪化するものであった。また、界面活性剤やシリコーン油等の表面被覆剤で被覆する方法では撥水性の付与、表面活性抑制などの機能性は向上するもののくすみが生じ、粉体の発色が悪くなってしまう等の問題があった。いずれの方法も光輝性粉体そのものの光輝性を高めたり、付着性を付与したりするものではないため、光輝性粉体の持つ色の特徴を高め、肌への付着性を高める方法が望まれていた。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、光輝性粉体に特定のエステル化合物であるダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物を表面被覆することにより、くすみがなく光輝性粉体のもつ発色に優れ、皮膚に対する親和性、付着性を有する表面被覆光輝性粉体が得られることを見出し、本発明を完成させた。更には、該被覆粉体を含有する化粧料が、ツヤ、発色に優れ、皮膚に対する親和性、付着性を有する化粧料であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、光輝性粉体を下記一般式(1)に示すダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物で表面被覆して得られた光輝性粉体であることを特徴とする表面被覆光輝性粉体を提供するものである。
OCO−R−(−COO−R−OCO−R−)−COOR ・・・(1)
(式中、Rはダイマー酸残基を、Rはダイマージオール残基を、Rはイソステアリルアルコール残基を示し、nは4〜6の数を示す。)
本発明の表面被覆光輝性粉体は、くすみがなく光輝性粉体のもつ発色、付着性に優れ、それを含有する化粧料は、ツヤ、発色に優れ、皮膚に対する親和性、付着性を有するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられるダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物(以下、単に「エステル化合物」と表す場合がある)は、下記一般式(1)で表すことができる。
OCO−R−(−COO−R−OCO−R−)−COOR ・・・(1)
(式中、Rはダイマー酸残基を、Rはダイマージオール残基を、Rはイソステアリルアルコール残基を示し、nは4〜6の数を示す。)
本発明の表面被覆光輝性粉体の被覆剤として用いられるエステル化合物は、ダイマー酸とダイマージオールから得られるオリゴマーエステルの両末端に存在するカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物である。
出発物質である、ダイマー酸は、不飽和脂肪酸の分子間重合反応によって得られるが、炭素数が11〜22の不飽和脂肪酸を2量化して得られ、炭素数36程度の二塩基酸が主成分である。CAS番号で、61788−89−4が該当する。また、ダイマー化反応において、二重結合を水素化した、水素添加ダイマー酸が好ましい。市販品としては、例えばPRIPOL1006、同1009、同1015、同1025等(ユニケマ社製)が挙げられる。
ダイマージオールは、前記ダイマー酸及び/又はその低級アルコールエステルを触媒存在下で水素添加して、ダイマー酸のカルボン酸部分をアルコールとした炭素数36程度のジオールを主成分としたものである。市販品としては、例えばPRIPOL2033等(ユニケマ社製)が挙げられる。
イソステアリルアルコールは、ダイマー酸の副産物から得られた脂肪酸を還元して得られるものや、ガーベット法により得られるもの、アルドール縮合法により得られるもの等が挙げられるが、特に限定されずいずれのものを使用することもできる。市販品としては、例えばSpeziol C18 ISOC(コグニス社製)等が挙げられる。
該エステル化合物の製造方法は特に限定されないが、例えば、ダイマー酸とダイマージオールをエステル化してオリゴマーエステルを得た後、更にイソステアリルアルコールで、カルボキシル基をエステル化することにより得ることができる。また、ダイマー酸とダイマージオール及びイソステアリルアルコールを一度にエステル化させることにより得ることができる。
該エステル化合物の製造において、中間体としてオリゴマーエステルを得る場合、中間体であるダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルは、それぞれの仕込み比を変えることにより、得られるエステルの平均エステル化度や平均分子量を調整することができる。その仕込み比の範囲は、ダイマー酸1モル当量に対してダイマージオールを0.4〜0.9モル当量であることが好ましい。更に、イソステアリルアルコールでエステル化する場合、残存するカルボキシル基に対し0.8〜1.5モルであることが好ましい。
該エステル化合物を得る場合の、エステル化反応の条件は特に限定されず、通常用いられる方法で行われる。例えば、触媒としてパラトルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、三フッ化硼素ジエチルエーテル錯体等を用い、溶媒としてヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等を用いて、50〜260℃で行うことができる。あるいは無溶剤、無触媒でも100〜260℃でエステル化を行うことができる。
該エステル化合物は、25℃における粘度が10,000〜20,000mPa・sであることが好ましい。このようなエステル化合物としては、LUSPLAN DA−DD−IS(日本精化社製)が挙げられる。尚、粘度は、コーンプレート型粘度計(Haake社製ROTO visco1)を用い、条件は、ずり速度100(1/s)、コーン直径35mm、角度2°で測定した。
本発明において表面被覆の対象となる光輝性粉体としては、大きさ、形状等特に限定されず、光輝性を有する粉体であれば、何れのものも使用することができる。具体的には、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆合成金雲母、ガラス末、酸化チタン被覆ガラス末、酸化鉄雲母チタン、黒酸化鉄雲母チタン、酸化鉄・黒酸化鉄被覆雲母チタン、コンジョウ被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、カルミン・コンジョウ被覆雲母チタン、酸化鉄・カルミン被覆雲母チタン、酸化鉄・コンジョウ被覆雲母チタン、酸化クロム被覆雲母チタン、黒酸化チタン被覆雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、酸化鉄被覆雲母、有機顔料被覆雲母チタン、多層被覆雲母チタン、ケイ酸・酸化チタン被覆雲母、ベンガラ被覆無水ケイ酸、酸化チタン被覆無水ケイ酸、酸化チタン被覆酸化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミニウムパウダー、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等の光輝性粉体類等が用いられる。
特に好ましい光輝性粉体としてはポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等の樹脂積層末のラメ剤、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化チタン被覆ガラス末が挙げられる。これらの光輝性粉体は光輝性が高く、落せつしやすいため、本発明の効果が特に発揮されやすい。また、粒径は特に限定されないが、60μm〜200μmであると、光輝性が高く、落せつしやすいため、本発明の効果が発揮され易い。
市販品としては、例えば酸化チタン被覆雲母である、フラメンコスパークルシリーズ、チミカシリーズ(以上、エンゲルハード社製)、チミロンスーパーシリーズ(メルク社製)、酸化鉄・コンジョウ被覆雲母チタンであるクロイゾネシリーズ、デュオクロームシリーズ(以上、エンゲルハード社製)、酸化チタン被覆合成金雲母として、プロミネンスシリーズ(トピー工業社製)、酸化チタン被覆ガラス末として、メタシャインシリーズ(日本板硝子社製)、ポリエチレンテレフタラート・アルミニウム・エポキシ積層末としては、DCグリッターシリーズ、ASグリッターシリーズ(以上、藤山産業社製)、多層被覆雲母チタンとしてチミロンスプレンディドシリーズ(メルク社製)、酸化チタン被覆無水ケイ酸としてXIRONA INDIAN SUMMER(メルク社製)などを使用することができる。
本発明で用いられる表面被覆光輝性粉体に用いられる被覆剤であるエステル化合物の量は、用いる光輝性粉体の種類や被覆方法によって異なり、特に限定されないが、光輝性粉体と該被覆剤であるエステル化合物との比率は質量比で、光輝性粉体:エステル化合物=99.99:0.01〜70:30が好ましく、98:2〜90:10が特に好ましい。この範囲であれば、くすみがなく光輝性粉体のもつ発色が特に優れた表面被覆光輝性粉体が得られるため好ましい。
これら光輝性粉体は本発明の効果を損なわない量的、質的範囲において、シリコーン類、フッ素化合物類、金属石鹸類、油剤類等の通常公知の方法により、他の表面被覆処理を併用可能である。
本発明で用いられる表面被覆光輝性粉体の製造方法としては特に限定はされないが、従来既知の方法で行われる。例えば、該エステル化合物が溶解又は分散可能な溶媒中に、該エステル化合物と光輝性粉体を混合し、攪拌処理あるいはボールミル、ビーズミル、ロールミル処理等の処理を行った後に乾燥、熱処理、粉砕する湿式法や、光輝性粉体に該エステル化合物単体又は溶媒に希釈したものをスプレーする処理あるいは攪拌混合処理後、乾燥、熱処理を行う乾式法等の方法が採用される。上記の溶媒としては、特に限定はされないが、例えばエーテル系、ケトン系、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素、アルコール類または水が挙げられる。またこれらの反応を促進する為の触媒を添加しても良い。
本発明の表面被覆光輝性粉体は化粧料、塗料、インク等に配合することができる。この中でも化粧料に配合すると、ツヤ、発色が良好で、皮膚に対する付着性を有するといった点で、効果が発揮しやすく特に好ましい。
化粧料に配合する場合、表面被覆光輝性粉体の配合量は化粧料の形態によって異なるが、通常は0.01〜99質量%(以下、単に「%」で示す)、好ましくは0.1〜95%である。配合量がこの範囲において、ツヤ、発色および使用性において良好なものが得られる。また、これらの特定の表面被覆光輝性粉体は必要に応じて一種又は二種以上用いることができる。
本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で油剤を配合することができる。ここで用いられる油剤としては、通常化粧料に用いられる油剤であれば特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。
本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で、本発明の表面被覆光輝性粉体以外の粉体を配合することができる。ここで用いられる粉体としては、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に制限はない。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、微粒子酸化チタン、針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、薄片状酸化亜鉛等の紫外線遮断粉体、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、タール色素等の着色顔料、タルク、雲母、セリサイト、合成雲母、カオリン、シリカ、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料、ナイロン粉末、ポリスチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、カーボンブラック、炭化珪素、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、スメクタイト、オルガノポリシロキサンエラストマー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダーやポリメチルシルセスキオキサンパウダーといった有機樹脂粉末、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−ラウロイルリジン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を複合化したものを用いてもよい。
本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に使用される成分、保湿剤、界面活性剤、色素、低級アルコール、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、香料、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、核酸、ホルモン、包接化合物等を添加することができる。
本発明の化粧料としては、乳液、クリーム、美容液、リップクリーム、洗顔料などのスキンケア化粧料、ファンデーション、メイクアップ下地、ほほ紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメイクアップ化粧料、ヘアクリーム、シャンプー、リンス、コンデショナー、整髪料等の毛髪用化粧料などが挙げられ、その剤型は、液状、乳液状、固形状、ペースト状、ゲル状等の形態を適宜選択することができる。
特に好ましい化粧料としてはファンデーション、ほほ紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、口紅等光輝性粉体が多く配合されるメイクアップ化粧料である。
本発明の化粧料は、通常の化粧料を製造する方法にて製造されるものであり、その製法は限定されない。
以下、本発明に関して実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(合成例1)
「ダイマー酸ダイマージオールオリゴマーエステルイソステアリルアルコールエステル化合物」
水素添加ダイマー酸(PRIPOL1006:ユニケマ社製)200g(0.348モル)及びダイマージオール(PRIPOL2033:ユニケマ社製)132g(0.243モル)を反応器に仕込み、窒素気流中210〜220℃に加熱し、生成する水を留去しながら5時間エステル化反応を行い、中間体であるダイマー酸ダイマージオールオリゴマーエステル(ダイマー酸:ダイマージオール=1:0.7)323gを得た。さらに、当該オリゴマーエステル307gとイソステアリルアルコール(Speziol C18 ISOC:コグニス社製)59g(0.217モル)を反応器に仕込み、窒素気流中210〜220℃に加熱し、生成する水を留去しながら10時間エステル化反応を行い、目的のエステル化合物351gを得た。得られたエステル化合物は、色相ガードナー2、酸価5.2、ケン化価111、粘度15,000mPa・s、屈折率1.48であった。
実施例1及び比較例1〜3:表面被覆光輝性処理粉体
下記表1に示す成分の光輝性処理粉体を下記製造方法により調製して、光輝性、発色、付着性について下記の方法を用いて評価を行った。その結果も併せて表1に示した。
尚、光輝性は「ツヤ」を測定し、発色は「くすみのなさ」を指標とした。
Figure 0004860329
注1:FLAMENCO SUPER REARL 120C(メルク社製)
注2:合成例1のエステル化合物
注3:コスモール168ARNV(日清オイリオグループ社製)
(製造方法)
A:成分(2)〜(4)を成分(5)に溶解した後、成分1に混合し、スラリー状とし、万能攪拌機を用いて混合攪拌する。
B:Aを70℃に加温しながら減圧し、(5)の揮発性溶剤を除去して表面被覆光輝性粉体を得た。
(評価方法)
光輝性:「ツヤ」に関しては、8cm×5cmの両面テープに表面被覆光輝性粉体10mg/40cm2を均一に塗布した後、黒台紙に貼り付けサンプルとし、2次元変角分光測色計(株式会社村上色彩技術研究所、GCMS−3)を用いて表面反射光量を測定した。
評価は入射光角45°、受光角45°における「L」値を「ツヤ」の指標とした。「L」は明度であり、正反射におけるLが大きいほどツヤがあると判断できる。表面被覆した後の「L」値を表面被覆する前の「L」値にて割った比の値「L/L」を用いて以下の基準に従って判定した。
(判定):(L/L) :(内容)
◎:1.1以上 :非常にツヤが向上している。
○:1.0以上1.1未満:ややツヤが向上しているか同等。
△:0.9以上1.0未満:ややツヤが減少している。
×:0.9以下 :非常にツヤが減少している。
発色:「くすみのなさ」に関しては、白いパール剤を用い被覆処理によって「くすみ」が生じるかどうかを評価し、「くすみのなさ」で表した。
8cm×5cmの両面テープに表面被覆光輝性粉体10mg/40cm2を均一に塗布した後、黒台紙に貼り付けサンプルとし、2次元変角分光測色計(株式会社村上色彩技術研究所、GCMS−3)を用いて表面反射光量を測定した。
評価は入射光角45°、受光角−35〜75°における「b」値の平均値を「くすみのなさ」の指標とした。「b」値は黄度であり、「b」が小さいほど黄色にくすんでおらず、発色が良好であると判断できる。表面被覆した後の「b」値を表面被覆する前の「b」値を引いた値「△b」を用いて以下の基準に従って判定した。
(判定):(△b) :(内容)
◎:0.3未満 :ほとんど変化無くくすみがない。
○:0.3以上1.0未満:やや変化しているもののくすみがない。
△:1.0以上1.7未満:かなり変化があり、くすみがある。
×:1.7以上 :非常に変化が感じられ、くすみがある。
付着性:上腕部に試料を0.3mg/cmずつ、1つの試料に対し2箇所塗布した。1箇所は、チークブラシを用いて5回擦り、もう1箇所は擦らずにスタンダードとした。擦った箇所をスタンダードと比べ、塗布膜の変化を目視にて観察した。評価は専門評価パネル10名により、下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、試料毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
(絶対評価)
(評点):(評価)
6:全く変化なし。
5:わずかに膜薄になるが判別は困難である。
4:少し膜薄になり差が少しわかる。
3:膜薄になり差が分かる。
2:かなり膜薄であるが、粉体は残っている。
1:わずかに粉体は残っている。
0:ほとんど粉体が残っていない。
(判定基準)
(評点平均値) :(判定)
5点以上 :非常に良好:◎
3.5点以上5点未満:良好 :○
2点以上3.5点未満:やや不良 :△
2点未満 :不良 :×
表1の結果から明らかなように、本発明に係わる実施例1は光輝性(ツヤ)、発色に優れ(くすみが無く)、皮膚に対する付着性を有するといった特徴を兼ね備える表面被覆光輝性粉体であった。一方、エステル化合物の代わりにワセリンを用いた比較例1は、付着性は向上することができたが、光輝性や発色で良好なものが得られず、エステル化合物の代わりにジペンタエリスリット脂肪酸エステルを用いた比較例2も同様に付着性は向上することができたが、光輝性や発色で良好なものが得られなかった。何も被覆しなかった比較例3は付着性において劣っていた。
実施例2:表面被覆光輝性粉体2
(成分) (部)
1.酸化チタン被覆ガラス末(注4) 95
2.エステル化合物(注2) 5
溶剤
3.2−プロパノール 65
注4:メタシャイン1080RC−R(日本板硝子社製)
(製造方法)
A:成分(2)を成分(3)に溶解した後、成分(1)に混合し、スラリー状とし、万能攪拌機を用いて混合攪拌する。
B:Aを70℃に加温しながら減圧し、(3)の揮発性溶剤を除去して表面被覆光輝性粉体を得た。
実施例2はくすみがなく光輝性粉体のもつ発色に優れ、皮膚に対する親和性、付着性を有するといった特徴を兼ね備える表面被覆光輝性粉体であった。
実施例3:表面被覆光輝性粉体3
(成分) (部)
1.酸化チタン被覆合成金雲母(注5) 85
2.エステル化合物(注2) 15
溶剤
3.2−プロパノール 60
注5:プロミネンスRH(トピー社製)
(製造方法)
A:成分(2)を成分(3)に溶解した後、成分(1)に混合し、スラリー状とし、万能攪拌機を用いて混合攪拌する。
B:Aを70℃に加温しながら減圧し、(3)の揮発性溶剤を除去して表面被覆光輝性粉体を得た。
実施例3はくすみがなく光輝性粉体のもつ発色に優れ、皮膚に対する親和性、付着性を有するといった特徴を兼ね備える表面被覆光輝性粉体であった。
実施例4:表面被覆光輝性粉体4
(成分) (部)
1.樹脂積層末のラメ剤(注6) 90
2.エステル化合物(注2) 10
溶剤
3.2−プロパノール 50
注6:イリデセントグリッターIF−4101(ダイヤケムコ社製)(ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末)
(製造方法)
A:成分(2)を成分(3)に溶解した後、成分(1)に混合し、スラリー状とし、万能攪拌機を用いて混合攪拌する。
B:Aを70℃に加温しながら減圧し、(3)の揮発性溶剤を除去して表面被覆光輝性粉体を得た。
実施例4はくすみがなく光輝性粉体のもつ発色に優れ、皮膚に対する親和性、付着性を有するといった特徴を兼ね備える表面被覆光輝性粉体であった。
実施例5:固形粉末状ファンデーション
(成分) (%)
1.実施例1の表面被覆光輝性粉体1 10
2.セリサイト 残量
3.タルク 20
4.粉末状炭化水素ワックス 2
5.ベンガラ 0.3
6.黒酸化鉄 0.2
7.黄酸化鉄 0.8
8.防腐剤(p−オキシ安息香酸エステル) 適量
9.スクワラン 5
10.ジメチルポリシロキサン(100CS) 3
(製造方法)
A:成分(1)〜(8)をヘンシェルミキサーにて均一に混合後、成分(9)〜(10)を添加し、更に混合する。
B:Aをパルベライザーにて粉砕する。
C:Bを金皿に圧縮成型し固形粉末状ファンデーションを得た。
本発明の固形粉末状ファンデーションはツヤ、発色に優れ、皮膚に対する親和性、付着性を有するといった特徴を兼ね備えるものであった。
実施例6:固形粉末状ほほ紅
(成分) (%)
1.実施例1の表面被覆光輝性粉体1 20
2.セリサイト 残量
3.タルク 20
4.粉末状炭化水素ワックス 2
5.赤色226 0.2
6.ベンガラ 0.1
7.防腐剤(p−オキシ安息香酸エステル) 適量
8.香料 適量
(製造方法)
A:成分(1)〜(7)をヘンシェルミキサーにて均一に混合後、成分(8)を添加し、更に混合する。
B:Aをパルベライザーにて粉砕する。
C:Bを金皿に圧縮成型し固形粉末状ほほ紅を得た。
本発明の固形粉末状ほほ紅はツヤ、発色に優れ、皮膚に対する親和性、付着性を有するといった特徴を兼ね備えるものであった。
実施例7:固形粉末状アイシャドウ
(成分) (%)
1.実施例1の表面被覆光輝性粉体1 45
2.実施例4の表面被覆光輝性粉体4 5
3.雲母 残量
4.タルク 20
5.粉末状炭化水素ワックス 2
6.赤色226 0.2
7.青色1号 0.5
8.防腐剤(p−オキシ安息香酸エステル) 適量
9.香料 適量
10.ジメチルポリシロキサン(100CS) 3
(製造方法)
A:成分(1)〜(8)をヘンシェルミキサーにて均一に混合後、成分(9)〜(10)を添加し、更に混合する。
B:Aをパルベライザーにて粉砕する。
C:Bを金皿に圧縮成型し固形粉末状アイシャドウを得た。
本発明の固形粉末状アイシャドウはツヤ、発色に優れ、皮膚に対する親和性、付着性を有するといった特徴を兼ね備えるものであった。
実施例8:O/W型アイシャドウ
(成分) (%)
1.ステアリン酸 1
2.セタノール 0.5
3.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(注7) 0.2
4.ジメチルポリシロキサン(10CS) 10
5.パーフルオロポリエーテル(注8) 3
6.1,3−ブチレングリコール 5
7.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注9) 0.1
8.トリエタノールアミン 1
9.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
10.ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン モノオレート 0.4
11.精製水 残量
12.実施例1の表面被覆光輝性粉体1 5
13.実施例3の表面被覆光輝性粉体3 5
注7:シリコンKF−6028(信越化学工業社製)
注8:FOMBLIN HC/04(アウシモント社製)
注9:CARBOPOL 1342(グッドリッチケミカル社製)
(製造方法)
A:成分(6)〜(11)を70℃に加熱し混合する。
B:Aに成分(12)、(13)を加えて、均一分散し、70℃に保温する。
C:成分(1)〜(6)を加熱し混合して、70℃に保温する。
D:BにCを加えて、乳化する。
E:Dを室温まで冷却し、容器に充填してO/W型アイシャドウを得た。
本発明のO/W型アイシャドウはツヤ、発色に優れ、皮膚に対する親和性、付着性を有するといった特徴を兼ね備えるものであった。
実施例9:マスカラ
(成分) (%)
1.軽質流動イソパラフィン 残量
2.黒酸化鉄 10
3.有機変性ベントナイト(注10) 5
4.ポリオキシアルキレン変性オレガノポリシロキサン(注11) 1
5.精製水 10
6.塩化ナトリウム 0.1
7.フェノキシエタノール 0.1
8.ポリアクリル酸アルキルエマルションポリマー(注12) 10
9.実施例2の表面被覆光輝性粉体2 5
注10:BENTONE 27V(エレメンティス社製)
注11:シリコンKF−6015(信越化学工業社製)
注12:ヨドゾール32A707(日本NSC社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(4)を混合し、成分(5)〜(9)を加えて均一に混合する。
B:Aを容器に充填して、マスカラを得た。
本発明のマスカラはツヤ、発色に優れ、まつ毛に対する親和性、付着性を有するといった特徴を兼ね備えるものであった。
実施例10:アイライナー
(成分) (%)
1.精製水 残量
2.1,3−ブチレングリコール 5
3.赤色202号 1
4.群青 1
5.カルボキシビニルポリマー 0.1
6.水酸化ナトリウム 0.1
7.美容剤(カミツレ抽出液) 0.1
8.防腐剤(p−オキシ安息香酸エステル) 0.1
9.ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン モノオレート 0.4
10.ポリアクリル酸アルキルエマルションポリマー(注12) 10
11.実施例1の表面被覆光輝性粉体1 20
(製造方法)
A:成分(1)〜(10)を均一に混合する。
B:Aを容器に充填してアイライナーを得た。
本発明のアイライナーはツヤ、発色に優れ、皮膚に対する親和性、付着性を有するといった特徴を兼ね備えるものであった。
実施例11:口紅
(成分) (%)
1.マイクロクリスタリンワックス 5
2.ポリエチレンワックス 3
3.キャンデリラワックス 5
4.2−エチルへキサン酸セチル 残量
5.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 30
6.セレシンワックス 4
7.ワセリン 5
8.ショ糖脂肪酸エステル(注13) 2
9.タルク 12
10.シリカ 1
11.赤202号 0.2
12.ベンガラ 0.2
13.黒酸化鉄 0.1
14.防腐剤(p−オキシ安息香酸エステル) 0.2
15.実施例1の表面被覆光輝性粉体1 5
注13:シュガーワックスA−10E(第一工業製薬社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(8)を100℃で加熱溶解して均一に混合した後、成分(9)〜(15)を加え、均一に混合する。
B:Aを充填して、口紅を得た。
本発明の口紅はツヤ、発色に優れ、口唇に対する親和性、付着性を有するといった特徴を兼ね備えるものであった。

Claims (5)

  1. 光輝性粉体を、下記一般式(1)に示すダイマー酸とダイマージオールとのオリゴマーエステルの両末端のカルボキシル基をイソステアリルアルコールでエステル化した化合物で表面被覆して得られることを特徴とする表面被覆光輝性粉体。
    OCO−R−(−COO−R−OCO−R−)−COOR・・・(1)
    (式中、Rはダイマー酸残基を、Rはダイマージオール残基を、Rはイソステアリルアルコール残基を示し、nは4〜6の数を示す。)
  2. 前記化合物の被覆量が、光輝性粉体と前記化合物との比率は質量比で、99.99:0.01〜70:30であることを特徴とする請求項1記載の表面被覆光輝性粉体。
  3. 前記光輝性粉体が樹脂積層末のラメ剤、酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン被覆合成金雲母から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面被覆光輝性粉体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の表面被覆光輝性粉体が化粧料用であることを特徴とする表面被覆光輝性粉体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の表面被覆光輝性粉体を含有することを特徴とする化粧料。
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