JP4865146B2 - 炭化珪素焼結部品並びにそれを用いたメカニカルシール及びその製造方法 - Google Patents

炭化珪素焼結部品並びにそれを用いたメカニカルシール及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4865146B2
JP4865146B2 JP2001154398A JP2001154398A JP4865146B2 JP 4865146 B2 JP4865146 B2 JP 4865146B2 JP 2001154398 A JP2001154398 A JP 2001154398A JP 2001154398 A JP2001154398 A JP 2001154398A JP 4865146 B2 JP4865146 B2 JP 4865146B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
powder
pores
carbide sintered
seal ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001154398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002338368A (ja
Inventor
明 可児
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eagle Industry Co Ltd
Original Assignee
Eagle Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eagle Industry Co Ltd filed Critical Eagle Industry Co Ltd
Priority to JP2001154398A priority Critical patent/JP4865146B2/ja
Publication of JP2002338368A publication Critical patent/JP2002338368A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4865146B2 publication Critical patent/JP4865146B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Sealing (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素焼結部品並びにそれを用いたメカニカルシール及びその製造方法に関する。更に詳しくは、炭化珪素の結晶粒界間に気孔を有し、耐食性と、耐摩耗性と、耐熱性を付与した炭化珪素焼結部品と、その炭化珪素焼結部品を設けたメカニカルシールと、炭化珪素の微細な粉末に大きな粉末を一定割合で配合して焼結した結晶粒界間に気孔を有し、耐食性と摺動性に優れる炭化珪素焼結部品を造る製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明の炭化珪素焼結部品の先行技術として、特公平5−69066号公報(対応する米国特許第5,080,378号明細書も存在する)が存在する。この米国特許明細書及び図面には、図4に示すメカニカルシールが開示されている。
【0003】
図4はポンプ及び冷凍機などに用いられているメカニカルシール100の半断面図である。
図4に於いて、回転軸130とケーシング140との間にはメカニカルシール100が配置されている。そして、このメカニカルシール100は、ポンプ又は冷凍機などに用いられて温水などの液体をシールするものである。
【0004】
メカニカルシール100は、多孔質の炭化珪素焼結製のシールリング101が回転軸130に嵌合している。この回転環101には、側面にシール面102が設けられている。更に、回転環101における内径面の段部103に設けられたパッキング120A、120Bは、押えリング105により押さえられて回転軸130と回転環101との間をシールする。更に、ソケットねじ108により回転軸130に固定された支持リング109は、ばね装置106を支持すると共に、ばね装置106を介して押さえリング105を弾発に支持している。
【0005】
又、シール面102と密接摺動する対向シール面111が設けられている固定リング110は、ケーシング140に於ける回転軸130が貫通する孔に、Oリング115、115を介して、固着されている。この固定リング110の材質はカーボンである。
【0006】
この様に構成されたメカニカルシール100は、シールリング101と固定リング110との密接摺動により高圧P1側と低圧P2側とをシールする。
このシールリング101は、球状をした平均気孔径が0.010から0.040mmの独立気孔が点在しており、全体に対するこの独立気孔率が3〜13vol%に構成されているものである。この気孔の成形は、粉末成形体に配合されているポリスチレンビーズを仮焼結により分解・昇華させるものであるから、焼結部品としての固定リング110の強度に問題が生じてくる。又、シールリング101の気孔は油だめ用であり、潤滑油を必要とする。このために高温高圧で使用するには問題が生じてくる。
【0007】
次に、この従来の炭化珪素焼結体としての摺動特性の改善は、焼結前にポリスチレンビーズを添加し、仮焼結時に分解・昇華して気孔を形成するものであるから、ポリスチレンビーズの変形があるため高圧圧縮成形が困難であり、成形した寸法精度に問題が惹起する。
又、この気孔径と気孔率は、炭化珪素焼結体自身の機能向上としての特性に基づく数字から形成されたものではない。この気孔径0.010〜0.040mmの限定は、0.010mmの下限が、起動時に於いて気孔内に浸透している潤滑液が外表面に短時間にはみ出す目安であり、0.040mmの上限が、貫通気孔により漏洩を無くす範囲から決められたものである。
更に、相手の摺動密封環がカーボンの場合には、弱いカーボンを炭化珪素焼結体の気孔径により急速に摩耗されない範囲から決められたものであり、その根拠が炭化珪素の配合粉末の大きさや、材質とはあまり関係しない技術である。従って、摺動部品特有の炭化珪素の配合割合から生起する機能とか、焼結温度によってもたらされるとかの技術的根拠から決められたものではないから、過酷な使用条件では摩耗、腐食等の問題が生じてくる。
【0008】
又、気孔率についても、油溜まりとしての作用が生起すると思われる程度の大きさであって、しかも、連続気孔になっていない独立気孔として存在する範囲であることが必要であるとして、この数字が決められている。つまり、気孔率が3vol%未満では、油溜まりの潤滑効果が見られないとしており、又気孔率が13%を越えると強度の大幅な低下を来すと共に、液漏れの原因となる連続気孔に形成される可能性が強いとするものである。
【0009】
更に、製法に於いても、多孔質の炭化珪素としての気孔の形成は、粒子径が0.020mmのポリスチレンビーズを添加し、このポリスチレンビーズにより焼結中に気孔を形成するものである。このポリスチレンビーズは粒子径が0.020mmと大きいのに対し、母材の炭化珪素粒子は0.00045mmと小さい。そして、ポリスチレンビーズを仮焼結して気孔を形成する方法では、このポリスチレンビーズの粒子径は大きいから、微細な炭化珪素の粉末との配合による粉末成形は困難を伴う。又、この成型方法では、気孔率を大きくすればするほど連続気孔が形成されることになる。更に、この気孔の成型方法は、炭化珪素焼結体の強度を低下させることにる。
【0010】
又、この先行技術の実施例に於けるメカ鳴き防止についても気孔径及び気孔率の上述の数値限定は、球状に形成されて油溜まりの役目をさせる技術的目安を表すものであり、潤滑油がシール面に介在しないと気孔のみでは「メカ泣き」を防止する効果が発揮できないことを実験結果が示しているものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、先行技術に於いては、炭化珪素焼結体の気孔の発明としての数字限定は、摺動時の摩耗を気孔に含油させた潤滑油が摺動時の摩擦熱で容易に滲み出て油膜を形成する径以上であり、液が短時間で流失しない油溜まりとして継続的に作用し、相手摺動材の摩耗、いわゆる、下ろし金の現象を引き起こさない範囲の気孔径であり、それが0.010から0.040mmとするものである。更に、気孔率は、油溜まりとしての作用が認められる程度に大きく、連続気孔になっていない独立気孔として存在する範囲内であることが必要とし、3から13vol%と限定するものである。つまり、油だめとしての気孔の大きさと個数を限定するものである。この様な数字限定は、本質的には、炭化珪素焼結体として油による潤滑効果を如何に長く保持させるかを目的とするものであって、炭化珪素焼結部品自身の材料として、機能向上させる技術を期待することは困難である。
【0012】
更に、炭化珪素焼結体の気孔は、炭化珪素の粉末にポリスチレンビーズを添加し、それを焼結時に昇華させて形成させるものである。従って、単に気孔を形成させる手段に過ぎないから、材料として耐酸性、耐熱性、耐食性及び強度向上を期待することは困難である。
【0013】
本発明は上述のような問題点に鑑み成されたものであって、発明が解決しようとする課題は、炭化珪素焼結部品の耐食性を向上させると共に、摩擦係数を小さくして耐摩耗性を向上させることにある。同時に、炭化珪素焼結部品の強度を向上させることにある。
更に、多孔質の炭化珪素焼結部品としても強度が低下しないようにして耐熱性部品、耐食性部品、耐摩耗性部品或いは摺動部品として利用できるようにすることにある。そして、メカニカルシールの回転用及び固定用密封環として採用できるようにすることにある。
更に、その炭化珪素焼結部品の製造方法を得ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のような技術的課題を解決するために成されたものであって、その解決するための手段は、以下のように構成されている。
【0017】
請求項1に係わる本発明の炭化珪素焼結部品は、粒子平均径が0.010から0.030mmの大きさの炭化珪素粉末を20から40重量%と、粒子平均径が0.0003から0.0009mmの大きさの炭化珪素粉末を60から80重量%の配合割合で形成された結晶粒界間に気孔を有し、気孔の平均径が0.001から0.020mmの範囲に形成されて開放気孔率が3から10容量%を含有するものである。
【0018】
請求項1に係わる本発明の炭化珪素焼結部品では、大粉末と微粉末の炭化珪素粉末を大小径2種類に分けて配合してあるために各粉末の比面積の相違から結晶助剤が付着する濃度が異なるので、それに応じた結晶組織になる。そして、各炭化珪素粉末の結晶粒界の間に気孔が形成される。その結晶組織により強度が向上すると共に、耐食性、耐摩耗性が発揮される。特に、大粉末と微粉末との配合割合により形成される結晶粒界によって、耐食性が改善されると共に、粒界間に形成される気孔により長期に潤滑剤を保持、且つ供給することが可能になる。
【0019】
この微粉末に対する大粉末の介在は成形工程において成形にするから、高強度の炭化珪素焼結部品が得られる。このため強度が向上すると共に、独立気孔が形成されて、密封摺動環として利用しても被密封流体が浸透して漏洩するのを防止する。
更に、2つの異なる炭化珪素粉末の配合により耐熱性が向上するとと共に、高圧高温蒸気の雰囲気中でも耐腐食化性、耐摩耗性が向上する。
【0020】
請求項2に係わる本発明のメカニカルシールは、炭化珪素焼結部品を固定密封環及び回転密封環として有するものである。
【0021】
請求項2に係わる本発明のメカニカルシールでは、固定用密封環と回転用密封環との摺動面に於ける結晶組織の結晶粒界間に気孔が形成されているから、摺動時の耐摩耗性を有し、両密封環を炭化珪素焼結部品にしてもメカ鳴きを惹起させない。しかも、回転時に結晶粒界間に存在する気孔により被密封流体が介在して摩擦係数を低減し、摺動面の摩耗を防止し、耐久性を発揮する。又、高温蒸気に対しても、耐腐食性能力を発揮すると共に、摺動面の摩耗を防止する。
【0022】
請求項3に係わる本発明のメカニカルシールは、炭化珪素焼結部品を一方の回転密封環又は固定密封環として有すると共に、他方にカーボン材製の固定密封環又は回転密封環を有するものである。
【0023】
請求項3に係わる本発明のメカニカルシールでは、一方が炭化珪素焼結部品の密封環であり、他方がカーボン材製の密封環により構成されているから、最初にカーボン材の潤滑作用により低摩擦状態になる。次に、カーボン材の摩耗粉が炭化珪素焼結部品である密封環の結晶粒界間に形成された気孔に付着して潤滑作用の向上と共に、カーボン材製の密封環の摩耗も防止する。
【0024】
請求項4に係わる本発明の炭化珪素焼結部品の製造方法は、平均粒径が0.0003から0.0009mmの大きさの炭化珪素微粉末を60から80重量%と、平均粒径が0.010から0.030mmの大きさの炭化珪素大粉末を20から40重量%とを配合すると共に、焼結助剤を添加して造粒粉を形成し、この造粒粉を成形型内で加圧成形し、次いで、この成形体を焼結するものである。
【0025】
請求項4に係わる本発明の炭化珪素焼結部品の製造方法では、平均粒径が0.0003から0.0009mmの大きさの炭化珪素微粉末を60から80重量%と、平均粒径が0.010から0.030mmの大きさの炭化珪素大粉末を20から40重量%とを配合すると共に、焼結助剤を添加して造粒粉を形成し、これを圧縮成形するので、大きな粉末の間に微粉末が介在して圧縮成形される。このため、微粉末が大きな粉末の間に介在して圧縮され、焼結時に両者は、異なる成長の結晶粒により結合する。従って、結合強度が向上する。
【0026】
又、大きな粉末の間に微粉末が介在するから、焼結により結晶粒界の谷間に形成された気孔が潤滑油を保持して潤滑機能を発揮する。
更に、炭化珪素の粉末平均径が大きい程比表面積が小さくなるから、この大きい炭化珪素粉末に付着する焼結助剤の量が少なくなり、焼結助剤濃度を低下させることができる。このために。後述する平均径の微粉末の部分が十分に緻密化する焼結条件でも、いくらかの気孔が残存する状態で焼結が完了する。
【0027】
これに対して、炭化珪素粉末の平均径が小さい微粉末ほど比表面積が大きくなるから、炭化珪素粉末に付着する焼結助剤の量も多くなる。このために焼結助剤濃度が高濃度となって結晶粒度が成長し、結合促進される。
【0028】
又、従来の製法に於いては、炭化珪素の微粉末を100重量%使用していたが、この微粉末は約0.030mm前後の炭化珪素の粉末を粉砕・分級して製造するためにコストが上昇していた。しかし、粉砕しないままの大きい炭化珪素の粉末を30重量%も添加するために、材料を安価にすることが可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の炭化珪素焼結部品並びにそれを用いたメカニカルシール及びその製造方法について詳述する。
【0030】
本発明の炭化珪素焼結部品は、粒子平均径が0.010から0.030mmの大きさの炭化珪素大粉末を20から40重量%と、粒子平均径が0.0003から0.0009mmの大きさの炭化珪素微粉末を60から80重量%の配合割合で含有する。そして、この2種類の炭化珪素粉末を配合して炭化珪素粉末を100重量部を製造する。
【0031】
この炭化珪素粉末100重量部に対し、焼結助剤として炭化硼素粉末を0.2から0.5重量部と、カーボンブラック粉末を0.8から2.5重量部を配合するものである。
更に、結合材として、ポリビニルアルコールを2から4重量部を添加する。
【0032】
これらの配合した粉末に水を加えて35%から45%の濃度、好ましくは40%前後の濃度のスラリーを造り、ボールミルの中で約10時間撹拌混合した後に、スプレードライヤにより平均粒径0.070から0.090mm、このましくは0.080mm前後の造粒粉を得る。この造粒分を成形型に充填して成形プレスにより110から180MPa、好ましくは120MPa前後の圧力でプレス成形する。
【0033】
この成形体を不活性雰囲気中、例えばアルゴンガス(この他、N2 などが利用できる )で約2100°Cの温度で約2時間に渡り焼結する。
この様にして得られた炭化珪素焼結部品は、必要に応じて機能面を研削加工するとか、取付箇所に応じて機械加工するとかの加工をする。そして、摺動面には、気孔平均径が0.001から0.020mmの範囲に形成されて開放気孔率が3から10容量%を有するものである。
【0034】
この様にして得られた炭化珪素焼結部品の粉末の割合は、炭化珪素の大粉末の平均径が0.010から0.030mmであるが、この下限の0.010mm未満にすると気孔の大きさの形成が不十分となる。又、上限の0.030mmを越えるものは全個数を均一なものに製造することが困難になる。
【0035】
又、炭化珪素焼結部品に形成される気孔の大きさは、0.001から0.020mmであるが、上限の0.020mmを越えるものは、いわゆる、下ろし金の効果が生じて摩耗を増大させる可能性がある。又、下限の0.001mm未満は、気孔としての効果が従来品より特に優れていると認められないからである。
更に、気孔率3から10%に於いて、上限の10%を越えるものは、強度が低下する恐れがある。又、下限の3%未満は、気孔から生起する効果が顕著に認められなくなる可能性が大きい。
【0036】
この炭化珪素焼結部品は、炭化珪素の大粉末が強度の基本となる。つまり、大粉末と微粉末との混合による互いの比表面積の相違から、各粉末に付着する結晶助剤の濃度を大粉末では低濃度になると共に、微粉末では高濃度になるので、焼結の際に、高濃度に比例して結晶の成長を促進させるので、微粉末の方の結晶が促進されて、強度を効果的に強化する働きがある。
微粉末は、大粉末の間に存在して焼結の際に結合力を高め炭化珪素焼結部品としての高強度を実現する。更には、耐食性、耐熱性、耐摩耗性が向上する。
【0037】
次に、本発明に係わる実施の形態のメカニカルシール1を図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明の炭化珪素焼結部品を固定密封環として取り付けたメカニカルシール1の断面図である。
【0038】
図1は、ハウジング60と回転軸80との間の中空部65に本発明のメカニカルシール1を装着した断面図である。
図1に於いて、1はメカニカルシールである。メカニカルシール1のシール部は、固定用相対密封環50と、回転用密封環3から構成されている。この両密封環は、回転用と固定用とが逆に取り付けられることも可能である。このメカニカルシール1を構成する一方のシール装置2には、カーボン材製の密封環3が設けられている。尚、この密封環3を本発明の炭化珪素焼結部品にすることもできる。その場合は、シール面6が図示よりも径方向幅が広く形成される。更に、この密封環3は耐酸化性の成分を含有する含有層を摺動面に有するカーボン材製とすることもできる。この含有層を有する密封環は、特開平9−87067号公報に記載された耐酸化性カーボン材等を利用したものである。
【0039】
そして、この密封環3を外周ケース12から離脱しないように保持すると共に、シール面6が対抗シール面51に接面するように保持されている。この密封環3を案内するT形状の案内支持部13は、密封環3の外周の対称を成す両側に外周ケース12と一体で図示左側へ突出する形状に設けられている。更に、密封環3を弾発に押圧する弾発手段15を内装した金属材製の外周ケース12は、その内周孔が回転軸80に嵌着状態に取り付けられている。
【0040】
密封環3は、内周面が回転軸80と摺動自在に嵌通する嵌合面10のOリング溝7に第1Oリング8が装着されて密封環3と回転軸80との嵌合面間をシールしている。又、密封環3のシール面6が対向する相対密封環50の相対シール面51と摺動可能に密接して中空部65の流体領域65Aと大気領域65Bとをシールする。この密封環3は炭化珪素焼結部品を用いることもできる。
【0041】
更に、密封環3のシール面6側外周には、フランジ5が形成されている。このフランジ5には、ほぼ対称を成す2カ所の位置に、側面から見て貫通する軸方向の溝部9と溝部9より幅のある段状凹部11との組み合わせによるT型溝に形成されている。このT型溝部が連結係止部4であって両側に一対を成すように設けられている。
そして、このT形溝の連結係止部4に案内支持部13の先端のT形部が係合するように構成され、密封環3が弾発手段15により押圧されて移動しても先端部で両者が係止するものである。この両部品の組立ては、強度のある密封環を炭化珪素焼結部品で構成することにより、外周ケース12に直接組立てることが可能になる。
【0042】
これに対し、固定用の相対密封環50は、本発明の炭化珪素焼結部品により形成されているものである。この相対密封環50には、相対シール面51が設けられて、シール面6と密封接触するように構成されている。相対密封環50は、炭化珪素の結晶粒の大きさが0.010から0.030mmの結晶組織に構成されて結晶粒界の間に気孔が形成されている。
この気孔平均径が0.001から0.020mmの範囲に形成されて気孔率が3から10容量%を含有するものである。そして、ハウジング60取付孔には第2Oリン55を介して相対密封環50が密封固着されている。
【0043】
この様に構成されたメカニカルシール1は、シール面6と相対シール面51との摺動時に「メカ鳴き」が惹起するのを効果的に防止する。尚、密封環3をカーボン材の代わりに炭化珪素焼結部品に構成しても「メカ鳴き」は防止される。更に、高温の乾燥摩擦状態に於いても低摩擦状態を保持する効果がある。更に又、密封面3の強度が強く損傷と共に摩耗を効果的に防止する。又更に、高温蒸気雰囲気中においても耐食性を発揮する。
【0044】
【実施例1】
以下に本発明の実施例を述べる。
平均粒径が0.0006mmの炭化珪素部微粉末70%と、平均粒径が0.015mmの炭化珪素大粉末30%を配合して炭化珪素100重量部を製造した。この炭化珪素100重量部に対し、焼結助剤である炭化硼素粉末0.3重量部と、カーボンブラック粉末1.0重量部を配合した。これに結合材としてポリビニルアルコール3.0重量部を添加すると共に、水を加えて撹拌し、40%濃度のスラリーを製造した。このスラリーをスプレイドライヤを用いて平均粒径が0.080mmの造粒に形成した。この造粒を成形型に充填してプレス成形し、成形体に加工した。この成形圧力は120MPaである。そして、これらの成形体を温度2100°Cのアルゴン雰囲気中で2時間かけて焼結した。
【0045】
この炭化珪素焼結部品の端面を研磨して摺動面とし、この摺動面を顕微鏡を用いて結晶組織を撮影したのが図2の写真である。この写真で黒色部イが気孔である。又、黒線部ロは結晶粒界である。
この測定結果は、気孔平均径が0.010mmで、気孔率が5.9%である。又、結晶組織の結晶粒径は0.010から0.030mmで、結晶粒平均径が0.018mmであった。又、ビッカース圧子で炭化珪素焼結部品の圧痕及び亀裂を測定した。そして、押し込み加重、圧痕の対角線長さ、亀裂の長さ及び弾性率から破壊靭性値を求めるIF法により、この炭化珪素焼結部品の破壊靭性値を測定した結果は3.0MPam1/2 である。この値は従来のものに対して高い値である。
【0046】
この炭化珪素焼結部品を3×4×37の直方体に加工し、300°Cで40MPaの30wt%アンモニア水中に100時間浸積させて浸食度試験を実施した。
その結果は、浸食度は0.07%の重量減少である。
【0047】
【比較例1】
一方、比較例として、平均粒径0.0006mmの炭化珪素微粉末100重量部に対し気孔形成用のポリスチレンビーズを3重量部を混合して実施例と同様な製造方法で焼結した。この焼結部品は0.002から0.006mmの結晶粒径であって、気孔率が6.1容量%、気孔平均径が0.010mmである。
【0048】
この各比較例について、実施例と同一の浸食度試験をしたところ0.15%の重量減少が生じた。
【0049】
【実施例2】
次に、炭化珪素焼結部品を固定密封環と回転密封環に加工し、図3に示す摩擦摩耗試験器に取り付けて、以下の条件で試験を実施した。
1)被密封流体は、 :水
2)摺動面の周速度は、 :7.8m/s
3)摺動した時間は、 :100時間
4)被密封流体の温度は、 :90°C
5)被密封流体の圧力は、 :0.7MPa
6)試験結果。
(a)平均した摩擦係数は、 :0.05
(b)固定用摺動部品の摩耗量は、 :0.0002mm
(c)回転用摺動部品の摩耗量は、 :0.0002mm
【0050】
この図3は、以上の試験に利用した摩擦摩耗試験機の断面図である。図3に於いて、20は、摩擦摩耗試験機である。摩擦摩耗試験機20は試験用の高温水が入れられた液槽25が設けられており、液槽25の上部に回転軸22が設けられていると共に、下部に保持部23が設けられている。そして、回転軸22に炭化珪素焼結部品である回転用摺動部品21Aを取り付けると共に、回転用摺動部品21Aに対向する位置の保持部23に炭化珪素焼結部品の固定用摺動部品21Bが取り付けられている。尚、回転軸22側に取り付けられた回転用摺動部品21Aが実施例のテスト用摺動部品である。
液槽25内には熱電対26が設けられている。又、固定用摺動部品21B側の保持部23には、ロードセル27とカンチレバ28が設けられている。そして、24は軸受である。
【0051】
【比較例2】
結晶粒径が0.010から0.020mmのもので、気孔径が0.003mm、気孔率が1.2容量%の焼結部品を固定用摺動部品と回転用摺動部品に加工し、上述と同様に図3の摩擦摩耗試験機を用いて実験をした。
その結果は、
1)摩擦係数は、 :0.08
2)固定用摺動部品の摩耗量 :0.0004mm
3)回転用摺動部品の摩耗量 :0.0004mm
【0052】
【発明の効果】
本発明に係わる炭化珪素焼結部品によれば、以下のような効果を奏する。
炭化珪素焼結部品は、結晶粒平均径が0.010から0.030mmの大きな結晶に構成された結晶組織で、結晶粒界の間に気孔が形成されているから、強度が向上すると共に、常温、又は高温でも耐食性と、耐高温性に優れている。
更に、炭化珪素の大粉末の隙間に微粉末が介在し、且つ焼結助剤の濃度の大きさが粉末の大きさに対応して付着するので、圧縮成形時の結合度と、焼結時の結晶速度割合により結合力を高め、炭化珪素焼結部品の強度を向上させると共に、気孔を独立に形成するように結合し、被密封流体が浸透して漏洩することを効果的に防止することができる。
【0053】
又、メカニカルシールにおいても、上述の大粉末と微粉末の割合によって形成される気孔が、結晶粒界の間に形成されて、平均径が0.001から0.020mmの範囲の大きさで、気孔率が3から10容量%を含むように構成されている。従って、従来品のように炭化珪素粉末に混入した樹脂粉末を焼結時に昇華して気孔を形成するものに比べて、耐食性と、耐摩耗性を向上させる効果を奏する。特に、高温に於ける耐食性と共に、耐摩耗性が向上する。又、高温の乾燥摩擦状態でもメカ鳴きを防止すると共に、摩擦係数を小さく押さえてカジリによる損傷や摩耗が防止できる効果を奏する。このため、炭化珪素焼結部品は、メカニカルシールの密封環として高温、高圧状態でも優れた効果を発揮する。
【0054】
更に、製造方法においても、炭化珪素の混合粉末成形は、大粉末と微粉末とを配合するから、粉砕工程の少ない大粉末の配合により生産コストを低減することが可能になる。又、気孔形成のための樹脂粉末の添加やその仮焼結を省略できる。更に、結晶粒の大きさを設定することにより気孔径及び気孔率が形成されるから、機能設計の容易化と共に、品質管理を容易にさせることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるメカニカルシールの断面図である。
【図2】本発明に係わる炭化珪素焼結部品の摺動面を見た結晶組織の顕微鏡写真である。
【図3】本発明の炭化珪素焼結部品を試験した摩擦摩耗試験機の断面図である。
【図4】従来のメカニカルシールの断面図である。
【符号の説明】
1 メカニカルシール
2 シール装置
3 密封環
4 連結係止部
5 フランジ
6 シール面
7 Oリング溝
8 第1Oリング
9 溝部
10 嵌合面
11 段状凹部
12 外周ケース
50 相対密封環
51 対向シール面
55 第2Oリング

Claims (4)

  1. 粒子平均径が0.010から0.030mmの大きさの炭化珪素大粉末を20から40重量%と、粒子平均径が0.0003から0.0009mmの大きさの炭化珪素微粉末を60から80重量%とを配合すると共に焼結助剤を添加して造粒粉を形成し、焼結して形成された結晶粒界間に気孔を有し、前記気孔は独立気孔であり、前記気孔の平均径が0.001から0.020mmの範囲に形成されて気孔率が3から10容量%を有することを特徴とする炭化珪素焼結部品。
  2. 請求項1に記載の炭化珪素焼結部品を固定密封環及び回転密封環として有することを特徴とするメカニカルシール。
  3. 請求項1に記載の炭化珪素焼結部品を一方の回転密封環又は固定密封環として有すると共に、他方にカーボン材製の固定密封環又は回転密封環を有することを特徴とするメカニカルシール。
  4. 平均粒径が0.0003から0.0009mmの大きさの炭化珪素微粉末を60から80重量%と、平均粒径が0.010から0.030mmの大きさの炭化珪素大粉末を20から40重量%とを配合すると共に焼結助剤を添加して造粒粉を形成し、この造粒粉を成形型内で加圧成形し、次いで、この成形体を焼結することを特徴とする炭化珪素焼結部品の製造方法。
JP2001154398A 2001-05-23 2001-05-23 炭化珪素焼結部品並びにそれを用いたメカニカルシール及びその製造方法 Expired - Lifetime JP4865146B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001154398A JP4865146B2 (ja) 2001-05-23 2001-05-23 炭化珪素焼結部品並びにそれを用いたメカニカルシール及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001154398A JP4865146B2 (ja) 2001-05-23 2001-05-23 炭化珪素焼結部品並びにそれを用いたメカニカルシール及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002338368A JP2002338368A (ja) 2002-11-27
JP4865146B2 true JP4865146B2 (ja) 2012-02-01

Family

ID=18998742

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001154398A Expired - Lifetime JP4865146B2 (ja) 2001-05-23 2001-05-23 炭化珪素焼結部品並びにそれを用いたメカニカルシール及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4865146B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002338367A (ja) * 2001-05-23 2002-11-27 Eagle Ind Co Ltd 炭化珪素焼結部品並びにその炭化珪素焼結部品を用いたメカニカルシール及びその製造方法
JP5530739B2 (ja) * 2010-02-10 2014-06-25 日本ピラー工業株式会社 メカニカルシール用密封環とその製造方法
JP5530738B2 (ja) * 2010-02-10 2014-06-25 日本ピラー工業株式会社 メカニカルシール
US20200152425A1 (en) * 2018-11-13 2020-05-14 Applied Materials, Inc. Substrate processing chamber component assembly with plasma resistant seal

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61127664A (ja) * 1984-11-27 1986-06-14 イビデン株式会社 炭化珪素質摺動部材
JPS62105956A (ja) * 1985-10-30 1987-05-16 イビデン株式会社 炭化珪素質摺動部材
JPH04187578A (ja) * 1990-11-22 1992-07-06 Ibiden Co Ltd 多孔質炭化珪素焼結体の製造方法
JPH06287061A (ja) * 1993-03-31 1994-10-11 Toshiba Corp SiC基複合セラミックスおよびその製造方法
JPH09132478A (ja) * 1995-11-07 1997-05-20 Eagle Ind Co Ltd 多孔質炭化珪素焼結体及びその製造方法
JP2002338367A (ja) * 2001-05-23 2002-11-27 Eagle Ind Co Ltd 炭化珪素焼結部品並びにその炭化珪素焼結部品を用いたメカニカルシール及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002338368A (ja) 2002-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4925490A (en) Mechanical seal using pore-dispersed material, and pore-dispersed cemented carbide and method for manufacturing same
KR0145490B1 (ko) 3개 모드의 세공조성을 가진 sic 다공성 베어링재
US5538649A (en) Carbon composite mateiral for tribological applications
JP5289464B2 (ja) 摺動部品およびこれを備えたメカニカルシール,フォーセットバルブならびに転がり支持装置
US6398991B1 (en) Processes for making a silicon carbide composition
EP0864549B1 (en) Sintered silicon carbide with graphite added thereto, sintered composite containing the same, and mechanical seal
JP5637513B2 (ja) 摺動材料およびメカニカルシール
US20020160902A1 (en) Composite material based on silicon carbide and carbon, process for its production and its use
EP1988067B1 (en) Sintered ceramic, slide part therefrom, and process for producing sintered ceramic
KR101275873B1 (ko) 메카니컬 씰 장치
KR101217580B1 (ko) 슬라이딩 부재, 메커니컬 시일 링, 메커니컬 시일 및 포셋 밸브
JP4199504B2 (ja) 摺動部品及びその製造方法
JP2002147617A (ja) メカニカルシール用密封環及びこれを使用したメカニカルシール
JP2002338368A (ja) 炭化珪素焼結部品並びにそれを用いたメカニカルシール及びその製造方法
JP4141778B2 (ja) 摺動部品及びその製造方法
JP4417584B2 (ja) メカニカルシール及びそのメカニカルシール用の炭化珪素焼結密封環の製造方法
JP2009156294A (ja) 遊動環形メカニカルシール
JP3654861B2 (ja) Cmp装置用ロータリジョイント
JP2002338367A (ja) 炭化珪素焼結部品並びにその炭化珪素焼結部品を用いたメカニカルシール及びその製造方法
JPH09132478A (ja) 多孔質炭化珪素焼結体及びその製造方法
JP2003042305A (ja) 摺動部品並びにそれを用いたメカニカルシール及びその製造方法
JP2744856B2 (ja) メカニカルシール用硼化チタン複合炭化珪素焼結体およびメカニカルシール
JP2543093B2 (ja) シ−ル用摺動部品
JP2002363714A (ja) 摺動材料及びその摺動部品を用いたメカニカルシール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100914

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111110

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4865146

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term