JP4865176B2 - Cvdソース物質回収装置及び回収方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学的気相成長(以下、「CVD」と記載する)装置からの排ガス中に含まれるCVDソース物質を回収するための装置、及びこれを用いたCVDソース物質回収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造プロセス等で用いられる薄膜の形成方法の1つに、CVD法がある。CVD法は、形成させようとする薄膜材料を構成する元素からなる1種または2種以上の化合物(ソース物質)のガスを基板上に供給し、気相または基板表面での化学反応(例えば高温中で熱分解、酸化、還元、重合、気相化合反応等)により所望の薄膜を基板上に沈着、形成させる方法である。
CVD法は化学反応であるため、非常に広範囲かつ多様な物質の薄膜形成が可能であり、また、種々の気体反応材料の組み合わせにより、自由な組成の制御が可能となり、今までに知られていなかった全く新しい構造・組成の薄膜を合成することができ、しかも、それらの物質の融点よりも充分に低い温度で薄膜を形成できる方法である。
【0003】
しかし、CVD装置からの排ガスには、薄膜形成に寄与しなかった未反応のソース物質やその溶剤等のガス或いはそのミスト、形成薄膜からの粉塵、成膜過程において副生するアルコール、アルデヒド等が含まれ、排ガス中のこれらの成分は有害なものが多く、大気中にそのまま排出することは人体及び環境に悪影響を及ぼす恐れがあるために禁止されている。
このためCVD排ガスを処理するためCVD排ガスの排出装置にフィルター装置を設置することがおこなわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、CVD排ガスには上記のように形成薄膜からの粉塵や未反応のソース物質やその溶剤等のガス或いはそのミストが含まれており、特にソース物質が粘度の高い物質であると、単にフィルターでこれらを捕集しようとしたとき、粉塵とソース物質(ガス状のソース物質等はフィルタ中で液化する)等が複合して目詰まりを起こし、短時間のうちに圧力損失が増大して排気効率が著しく悪化するため頻繁なフィルターの交換が必要であり、実用的ではなかった。
また、フィルターの空隙率を増大させて目詰まりを抑制しようとすると、粉塵のなかの微粒子粉塵や、有害物質の一部がフィルターを通過してしまい実用的ではなかった。
従って、本発明の目的は、圧力損失の増大が無いか又は極軽微であるにもかかわらず、CVD排ガス中の未反応のCVDソース物質を効率的に捕集・回収することのできる、CVDソース物質回収装置、及びこれを用いたCVDソース物質回収方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記に鑑み鋭意研究の結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、CVD装置と排気ポンプの間にフィルタ装置を設けた、CVDソース物質回収装置において、該フィルタ装置内のフィルタがアクリロニトリル単位を50重量%以上含有しイオン性基を0.1〜6.0mmol/g含有するアクリロニトリル系重合体により形成された繊維の集合体からなるものであり、且つ、フィルタの空隙率が70〜99%であり、フィルタ孔径の異なる複数の層を積層したものであることを特徴とするCVDソース物質回収装置を提供するものである。
好ましくは、本装置は、フィルタ装置内若しくはフィルタ装置下側に液溜器を設けた上記CVDソース物質回収装置を提供するものである。
【0006】
また、本発明は、上記のCVDソース物質回収装置を用いて、フィルタ或いは、フィルタ及び液溜器にCVDソース物質を捕集し、ここからCVDソース物質を回収する事を特徴とする、CVDソース物質回収方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するフィルタは、アクリロニトリル単位を50重量%以上含有しイオン性基を0.1〜6.0mmol/g含有するアクリロニトリル系重合体により形成された繊維の集合体からなるものである。
含有するイオン性基としては、カチオン性基単独でもアニオン性基単独でも、これらを組み合わせてもよいが、好ましくは、カチオン性基単独でないものが良く、より好ましくは、イオン性基中の割合としてカチオン性基0〜30%、アニオン性基100〜70%がよい。
イオン性基を含有する繊維としては、イオン性基の含有量が0.1〜6.0mmol/gである限りいかなる方法で製造しても差しつかえないが次の方法が好適に使いられる。
【0008】
アニオン性基を含有する繊維としては特公昭62−62181号に記載されている方法が好適である。すなわち、出発アクリル系繊維としてはアクリロニトリル(以下、ANという)を50重量%以上含有するAN系重合体により形成された繊維であり形態は短繊維、トウ、不織布等いずれでもかまわない。該AN系繊維にアニオン性基を付与する方法として、アルカリ加水分解によってニトリル基(以下、CN基という)をカルボキシル基に変成するものである。
【0009】
ここで加水分解処理する時のアルカリ金属水酸化物水溶液濃度は6.0mol/1000g以上であって、使用する金属水酸化物としては、Na、K、Li等のアルカリ金属類の水酸化物もしくはそれ等の混合物を挙げることができる。又、アルカリ金属水酸化物水溶液の処理量は該繊維1重量部に対し4重量部以上使用することが望ましい。なお、以上のアルカリ金属水酸化物水溶液を作用せしめる際の温度条件或いは処理時間等反応条件としては、該繊維の供試形態、結晶性等重合体の微細構造或いはアルカリ金属水酸化物水溶液濃度等により好適条件範囲が異なるため、一義的に規定することは不可能であるが、一般には高温下に作用させる程反応速度は増大し処理効果を有利に達成し得ることから、好ましくは80℃以上の温度条件を使用することが望ましい。なお、ここで言うアニオン性基とは、水性媒体中において電離し陰イオンとなる性質を有するものでカルボキシル基の他に、例えばスルホン酸基、リン酸基などがある。
【0010】
カチオン性基を含有する繊維としては文献 Stela Dragan,G.Grigoriu,Die Angewandte Makromolekulare Chemie 200 (1992)27-36 に記載されている方法が好適である。すなわち、ANを50重量%以上含有するAN系繊維にアミノ基を含有する薬剤を処理することによってCN基との反応でアミノ基を付与するものである。ここでのアミノ化処理の浴条件はmol濃度比でH2 O/CN基=2/1、アミン/CN基=5/1、処理温度=108℃、処理時間=2〜15時間である。
【0011】
薬剤としては、N,N−ジメチル−1,2−ジアミノエタン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパンなどを挙げることができる。なお、ここで言うカチオン性基とは水性媒体中において電離し陽イオンとなる性質を有するもので、例えばアミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム基などがある。
【0012】
該フィルターに使用される繊維のイオン性基含有量は一般に0.1〜6.0mmol/g、好ましくは1.0〜5.5mmol/gが好適である。なお、イオン性基が0.1mmol/g未満の場合は本発明の効果が発現しにくい。6.0mmol/gを超える場合は繊維としての引っ張り強度が弱くなりフィルター等の加工性が悪化することとなる。
【0013】
本発明は、以上のようなイオン性基を含有する繊維を常法により集合体としたものであり、繊維を集合体とする方法は特に限定されないが、フィルタの空隙率が70〜99%、好ましくは80〜97%となるようにする必要がある。
空隙率が上記未満であると、フィルターにCVDソース物質等を捕集しようとしたとき目詰まりを起こし、短時間のうちに圧力損失が増大して排気効率が著しく悪化する。一方、空隙率が上記を超えると、捕集機能が著しく低下し、上記したようなイオン性基を有する繊維をもってしてもCVDソース物質等を効果的に捕集することができない。
【0014】
なお、本発明においては単にフィルターの密度は重要ではなく、空隙率が上記の通りであればよいので、使用する繊維自体の密度を種々選択することによって、空隙率を上記の範囲としながら広範なフィルター密度の種々のフィルターを使用することができ、使用目的、使用環境に応じて種々選択することができる。
本発明に使用するフィルターは、空隙率が上記の通りでることに加えて、更にフィルタ孔径が不均一であることが好ましい。不均一であることの好ましい理由は定かではないが、捕集物質がフィルタ内の一定の層に集中しないため目詰まりを起こし難いと考えられる。
【0015】
フィルタ孔径の不均一さは、少なくとも、CVD排ガス流に平行方向に不均一であればよく、CVD排ガス流に垂直方向には必ずしも不均一である必要はない。
CVD排ガス流に対する平行方向、垂直方向いずれにも不均一である(等方的に不均一)構造は、例えば、公知の技術により製造される3次元不織布構造をとるフィルタ材料を使用することで得ることができる。
また、CVD排ガス流に垂直方向には不均一でなく、平行方向に不均一なフィルタは、例えば、フィルタ孔径の異なる複数のフィルタを積層して得ることができる。勿論、積層する個々のフィルタが等方的に不均一であっても差し支えないが、個々のフィルタの不均一さが同様では、全体として等方的に不均一な上記の場合と何ら違いが無いので、この場合好ましくは、フィルタ孔径の分散が小さい範囲で等方的に不均一で、平均のフィルタ孔径の異なる複数のフィルタを積層することが好ましい。
【0016】
また、フィルタ孔径の不均一さの程度は、上記等方的に不均一なフィルタ、或いは積層フィルタの何れの場合も、CVD排ガス流に平行方向でのフィルタ孔径の平均が100〜800μmであり、その標準偏差が150〜350μm、好ましくはフィルタ孔径の平均が150〜500μmであり、その標準偏差が170〜310μmの範囲にあることが、より目詰まりを起こし難い点で好ましいものである。
【0017】
本発明のCVDソース物質回収装置は、CVD装置と排気ポンプの間に、上記特定のフィルタを用いたフィルタ装置を設けることによりCVDソース物質を効果的に捕集し回収することのできるものである。
本発明のCVDソース物質回収装置は、好ましくは、CVD装置とフィルタ装置の間の配管にヒーターが設置されていることがよい。
これは、CVDソース材料は通常加熱されてガス化されているので、CVD装置からの排ガスが室温などの比較的低温の配管に排出された場合、フィルタ装置へ到達する以前に液化し効果的に回収することができない場合があるからである。
【0018】
本発明のCVDソース物質回収装置は、フィルタ装置内若しくはフィルタ装置下側に液溜器を設けることが好ましいものである。即ち、上記フィルタを使用した本発明の装置を用いてCVDソース物質の捕集を続けると、液体のCVDソース物質、若しくは溶剤に溶解したCVDソース物質を含む液体がフィルタ上に包含しきれずに滴下する。該フィルタはこれら液体を包含しきれなくなっても捕集能力には変化ないので、捕集を続けるだけフィルタの下部に、液体のCVDソース物質、若しくは溶剤に溶解したCVDソース物質を含む液体が溜まることとなる。従って、フィルタ装置内のフィルタ下部位置に液溜器を設けることによりフィルタの含液能力以上のCVDソース物質を、フィルタ交換なしに回収することを可能にするものである。フィルタ下部位置の液溜器としては、単に、フィルタ下部を空間部とするだけでも良い。
【0019】
また、液溜器をフィルタ装置の下側に設け、フィルタから滴下したCVDソース物質等を該液溜器に導入するように構成することもでき、このようにするとフィルタ交換を長期にわたり不要とするだけでなく、液溜器の容量を超える量のCVDソース物質を捕集しても、CVD装置の運転を停止することなく液溜器の交換のみを行うことによりCVDソース物質の捕集を継続することができるので、より好ましいものである。
【0020】
本発明のCVDソース物質回収装置における、フィルタの形状、フィルタ装置の構造等は特に限定されるものではなく、公知のものを採用することができるが、一例としての具体例は、後述の本発明のCVDソース物質回収方法の説明中に記載する。また、上記液溜器の構成についても、上記機能を有していればよく特に限定されるものではなく、任意の構成とすることができるが、一例としての具体例は、後述の本発明のCVDソース物質回収方法の説明中に記載する。
【0021】
以下、本発明のCVDソース物質回収方法について説明する。
図1は、本発明のCVDソース物質回収装置の模式図である。(1)はCVD装置であり、(2)はフィルター装置であり、(3)は排気ポンプである。フィルタ装置内のフィルタはアクリロニトリル単位を50重量%以上含有しイオン性基を0.1〜6.0mmol/g含有するアクリロニトリル系重合体により形成された繊維の集合体からなるものであり、且つ、フィルタの空隙率が70〜99%となっている。
【0022】
CVD装置(1)のCVD排ガス排出口より排出されたCVD排ガスは、配管を通ってフィルタ装置(2)へ導かれる。フィルタ装置(2)内にはフィルタが設置してあり、CVD排ガス中の未反応のソース物質、その溶剤、粉塵等がフィルターに捕集され、排気ポンプ(3)から系外に排出される。また、低沸点溶媒や、ソース物質の分解物(水、炭酸ガス、配位子成分等)などのガス状物質が含まれる場合など、任意に排気ポンプ(3)以降に除害設備を設けることもできる(ここでは図示を省略)。
【0023】
図2は、図1に於けるフィルタ装置の構造を表す模式図である。フィルタ装置(2)内には円筒形のフィルタ(7)が設置されておりCVD装置(1)から排出された排ガスは円筒形のフィルタ(7)の中心部に向かって流れ、排気ポンプ(3)に導かれる構成となっている。
フィルタ(7)にはCVD排ガス中の未反応のソース物質、その溶剤、粉塵等が捕集されるので、適宜フィルター(7)をフィルタ装置(2)から取り出して常法により処理してCVDソース物質を回収することができる。
【0024】
図3は、図1に於ける他のフィルタ装置の構造を表す模式図である。図3は、フィルタ装置(2)において、フィルタ(7)の下部に空間部を設け、ここを液溜器としている点で図2と異なるものである。
フィルタ(7)に捕集されたCVDソース物質等の量が、フィルタ(7)の保液能力を超えるとフィルタ(7)の下部に滴下するので、フィルタ装置(2)の下部空間、即ち液溜器に捕集物(8)が貯留されることとなる。
適宜、液溜器から捕集物(8)、及びフィルター(7)をフィルタ装置(2)から取り出して常法により処理してCVDソース物質を回収することができる。
【0025】
図4は、フィルタ装置(2)の下側(下部)に、別途液溜器(4)を設けた点で図1と異なる構成である。フィルタ装置(2)で捕集されたCVDソース物質等は、フィルタ装置(2)下側(下部)の液溜器(4)に貯留される。
【0026】
図5は、このようなフィルタ装置と液溜器の構成を示す模式図である。フィルタ装置(2)の下側(下部)にはバルブ(9)を介して液溜器(4)が接続されている。フィルタ(7)でCVDソース物質等を捕集時にはバルブ(9)は開放にしておくと、フィルタ(7)の保液能力を超えるとフィルタ(7)の下部に滴下するので、バルブ(9)を通って捕集物(8)は液溜器(4)に貯留される。
捕集物(8)が液溜器(4)の容量に満ちてきたら、バルブ(9)を閉じ、液溜器(4)の交換、あるいは液溜器(4)を切り離して捕集物(8)を回収したのち該液溜器(4)を再装填し、再度バルブ(9)を開放することにより、CVD装置を停止させずとも捕集物(8)を回収することができ、常法によりCVDソース物質を効率的に回収することができる。
【0027】
図6は、液溜器(4)をフィルタ装置(2)の下側ではあるが、CVD装置(1)の下部に設けた例である。この場合のフィルタ装置及び液溜器の構成を示す模式図が図7である。
CVD装置(1)からの排ガスをフィルタ装置(2)に導く配管は、一部、フィルタ装置(2)から液溜器(4)へ捕集物(8)を導く配管と共用している例である。
図8〜図10は、CVD装置(1)から2系統の回収装置を接続してある例である。CVD装置(1)内にはソース材料の気化器(5)及び反応器(チャンバ)(6)が含まれている。気化器(5)でソース材料はガス化されて反応器(6)へ送られ、反応器(6)でCVD反応に供される。CVD装置(1)からの排ガスは、反応器(6)から排出されるものと、反応器(6)内でのCVD反応の安定化のための調節として、気化器(5)から分流され反応器(6)を迂回して排出されるものとがある場合があり、図8〜10の構成はこのような場合に使用される。
【0028】
なお、これらの図では記載を省略したが、何れの図に表された装置においても、CVD装置のCVD排ガス排出口とフィルタ装置の間の配管にヒーターが設置されていることが好ましいことは上記の通りである。
【0029】
本発明のCVDソース物質回収装置及びCVDソース物質回収方法は、一般に高沸点タイプと言われるCVDソース物質の回収に特に有用なものであり、例えば、トリス(2,4−オクタンジオナト)ルテニウム、トリス(6−メチルへプタン−2,4−ジオナト)ルテニウム、トリス(5−メチルヘプタン−2,4−ジオナト)ルテニウム、トリス(3−メチルデカン−4,6−ジオナト)ルテニウム、トリス(2,2,6−トリメチルオクタン−3,5−ジオナト)ルテニウム、トリス(2,6−ジメチルノナン−3,5−ジオナト)ルテニウム、トリス(3−メチルノナン−4,6−ジオナト)ルテニウム、トリス(6−メチルオクタン−3,5−ジオナト)ルテニウム、トリス(3,8−ジメチルノナン−4,6−ジオナト)ルテニウム、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ルテニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム、シクロペンタジエニル(n−ブチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、シクロペンタジエニル(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、ビス(2,4−オクタンジオナト)白金、トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金、トリメチル(エチルシクロペンタジエニル)白金、ジメチル(1,5−シクロオクタジエン)白金、メチルシクロペンタジエニル(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム、エチルシクロペンタジエニル(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム、ビス(6−エチル−2,2−ジメチル−3,5−デカンジオナト)銅、ビス(1−(2−メトキシ−エトキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)バリウム、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)バリウム、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ストロンチウム、ビス(1−(2−メトキシ−エトキシ)−2,2,6,6,−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ストロンチウム、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)ハフニウム、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)ジルコニウム、テトラキス(1−(2−メトキシ−エトキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジルコニウム、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジルコニウム、トリス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)ビスマス、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ビスマス、ビス(1−(2−メトキシ−エトキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)鉛、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)鉛、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)(2−メチル−2,4−ペンタンジオキシ)チタニウム等のCVDソース物質の回収に有用なものである。
【0030】
CVDソース物質が高沸点タイプの材料である場合、ソース物質を有機溶剤に溶解して使用される場合が多い。ここで用いられる有機溶剤は、特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等の酢酸エステル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類、テトラヒドロフラン、グライム、ジグライム、トリグライム、ジブチルエーテル等のエーテル類、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭化水素が挙げられ、溶質の溶解性、使用温度と沸点、引火点の関係などによって適宜選定されるが、特にテトラヒドロフラン、グライム、ジグライム等のエーテル類が錯体の安定化効果もあり好ましく用いられる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に説明するが、これらに限定されるものではない。なお、実施例1は参考例である。
〔実施例1〕
アクリロニトリル単位を85重量%含有し、イオン性基としてアニオン性基(カルボキシル基)を0.5mmol/g、カチオン性基(アミノ基)を4.5mmol/g含有する重合体により形成された繊維の集合体からなる円筒形フィルタ(外径180mm、内径50mm、長さ130mm、空隙率が91.5%、平均孔径350μm、標準偏差250μm)を使用して図7のようにフィルタ装置及び液溜器を構成し、2系統の回収装置共に同様のフィルタ装置及び液溜器を接続し、図10と同様の構成のCVDソース物質回収装置を構成し、CVD装置を使用して以下の表1の条件でCVD法により、シリコンウェーハー基板上にメタル薄膜を形成させ、発生するCVD排ガスからCVDソース物質を回収した。
【0032】
【表1】
【0033】
その結果、2系統の排ガス回収物の合計として、フィルタ中には22.2gの、液溜器には164.2gのCVDソース物質が回収された。但し、プロセス排ガス中に含まれるRuメタル量はソース物質重量に換算して上記回収量に含まれる。薄膜形成により消費されたCVDソース材料は約1%と推定されるので、CVDソース材料の回収率は95.2%であった。
【0034】
〔実施例2〕
フィルタには、実施例1で使用した繊維を用い、同様の外径、内径、長さの円筒形フィルタとしたが、空隙率及び孔径分布の異なる2層からなるフィルタ(外側層は空隙率が91.5%、平均孔径350μm、標準偏差250μm、厚さ35mm、内側層は空隙率が86.4%、平均孔径200μm、標準偏差235μm、厚さ30mm、2層フィルタ全体としては空隙率が89.9%、平均孔径300μm、標準偏差250μm)を使用して、実施例1と同様に実施した。
その結果、2系統の排ガス回収物の合計として、フィルタ中には23.1gの、液溜器には164.5gのCVDソース物質が回収された。但し、プロセス排ガス中に含まれるRuメタル量はソース物質重量に換算して上記回収量に含まれる。薄膜形成により消費されたCVDソース材料は約1%と推定されるので、CVDソース材料の回収率は95.8%であった。
【0035】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成したので、圧力損失の増大が無いか又は極軽微であるにもかかわらず、CVD排ガス中の未反応のCVDソース物質を効率的に捕集・回収することのできる、CVDソース物質回収装置、及びこれを用いたCVDソース物質回収方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCVDソース物質回収装置の模式図である。
【図2】図1に於けるフィルタ装置の構造を表す模式図である。
【図3】図1に於ける他のフィルタ装置の構造を表す模式図である。
【図4】フィルタ装置(2)の下側(下部)に、別途液溜器(4)を設けた点で図1と異なる構成である。
【図5】フィルタ装置と液溜器の構成を示す模式図である。
【図6】液溜器(4)をフィルタ装置(2)の下側ではあるが、CVD装置(1)の下部に設けた例である。
【図7】液溜器(4)をフィルタ装置(2)の下側ではあるが、CVD装置(1)の下部に設けた例を示す模式図である。
【図8】CVD装置(1)から2系統の回収装置を接続してある例である。
【図9】CVD装置(1)から2系統の回収装置を接続してある他の例である。
【図10】CVD装置(1)から2系統の回収装置を接続してある他の例である。
【符号の説明】
1 CVD装置
2 フィルター装置
3 排気ポンプ
4 液溜器
5 気化器
6 反応器
7 フィルター
8 捕集物
9 バルブ
Claims (4)
- CVD装置と排気ポンプの間にフィルタ装置を設けた、CVDソース物質回収装置において、該フィルタ装置内のフィルタがアクリロニトリル単位を50重量%以上含有しイオン性基を0.1〜6.0mmol/g含有するアクリロニトリル系重合体により形成された繊維の集合体からなるものであり、且つ、フィルタの空隙率が70〜99%であり、フィルタ孔径の異なる複数の層を積層したものであることを特徴とするCVDソース物質回収装置。
- CVD装置のCVD排ガス排出口とフィルタ装置の間の配管にヒーターが設置されている請求項1に記載のCVDソース物質回収装置。
- フィルタ装置内若しくはフィルタ装置下側に液溜器を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のCVDソース物質回収装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のCVDソース物質回収装置を用いて、フィルタ或いは、フィルタ及び液溜器にCVDソース物質を捕集し、ここからCVDソース物質を回収する事を特徴とする、CVDソース物質回収方法。
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