JP4880930B2 - 非水電解液及びリチウム二次電池 - Google Patents

非水電解液及びリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、有機溶媒等の非水溶媒に電解質を溶解してなるリチウム二次電池用の非水電解液、及び該非水電解液を利用したリチウム二次電池に関する。
非水系電解液を用いたリチウム二次電池は、高電圧・高エネルギー密度が得られ、小型・軽量化が図れるため、パソコンや携帯電話等の情報通信機器の関連分野で実用が進み、広く一般に普及するに至っている。また、環境問題及び資源問題から電気自動車の開発が進められる中、リチウム二次電池は、電気自動車やハイブリッド電気自動車に搭載される電源として期待されている。
リチウム二次電池は、正極と、負極と、これらの正極及び負極間でリチウムイオンを移動させる非水電解液とを主要な構成としている。具体的には、例えば正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を含有する正極と、負極活物質として炭素材料を含有する負極と、有機溶媒に電解質としてのリチウム塩を溶解してなる非水電解液とを備えるリチウム二次電池が用いられている。
電解質であるリチウム塩には、その電気伝導性の高さからLiPF6が用いられることが多い。また、正極としては、一般にLiCoO2、LiNiO2、LiMn24等の正極活物質を例えばアルミニウム集電体に塗工して得られるシート状の電極が用いられ、負極としては、黒鉛やコークス等の負極活物質を例えば銅集電体に塗工して得られるシート状の電極が利用されている。リチウム電池は、上述の正極及び負極を組み合わせ、アルミニウムやアルミネートフィルム等からなる電池ケース内に収納し、上記非水電解液を注入して作製することができる。このようなリチウム二次電池は、単セルにおいて3〜4V級の高エネルギー密度を発揮することができる。
上記のごとく高出力のリチウム二次電池を構成する上では、高い電気伝導性を有するリチウム塩LiPF6を電解質の主成分とすることが必須条件となりつつある。
ところが、LiPF6は、二次電池の製造時又は使用中に電池内に侵入する微量の水分と反応し、HF(フッ化水素)を生成することが知られている(非特許文献1参照)。そして、生成したHFは、電池内の構成材料に悪影響を与え、出力や寿命等の電池特性を低下させるおそれがあった。
具体的には、HFは、特に高温環境下等において、例えば集電体や電池ケース等のアルミニウムからなる電池部材を腐食してしまうおそれがあった。アルミニウムは両性金属であり、酸やアルカリに容易に侵されやすいからである。その結果、電池出力が低下したり、充放電を繰り返すことにより容易に電池容量が劣化してしまうおそれがあった。また、電池内にガスが発生し、電池ケースを破損させてしまうおそれがあった。
これまでに、上記のようなHFによる副反応を抑制して電池特性の劣化を防止するため、種々の二次電池が開発されてきた(特許文献1〜5参照)。しかし、このような二次電池においては、新たな副反応が起こり、二次電池の初期容量を減少させたり、初期抵抗を増大させてしまうおそれがあった。また、電池の作製が複雑で煩雑になってしまうという問題があった。したがって、高出力で長寿命なリチウム二次電池を作製する上では有効な解決手段ではなかった。
一方、HFによる副反応を抑制するために、リン酸リチウム誘導体、ホウ酸リチウム誘導体等の誘導体成分を電解液に添加する方法が開発されている(特許文献6参照)。このような誘導体成分を電解液に添加することにより、より効果的にHFによる電池特性の劣化を防止し、リチウム二次電池の高出力化及び長寿命化を図ることができる。
しかしながら、上記誘導体成分が電解液に添加されたリチウム二次電池においては、誘導体成分の一部が負極で被膜等の被覆物を形成し、この被覆物が電池内の高抵抗成分となってしまうおそれがあった。即ち、上記誘導体成分を電解液中に含有するリチウム二次電池においては、該リチウム二次電池を充電すると、上記誘導体成分が分解し、負極に被覆物を形成する。この被覆物は、電極と電解液との界面抵抗を低減させ電池の出力を向上させることができるが、その反面、被覆物自身が高抵抗成分となり、リチウム二次電池の電池抵抗を若干増大させてしまうおそれがあった。そして、上記被覆物により、初期出力、初期放電容量、容量維持率等の電池特性が低下するおそれがあった。
特開2002−260735号公報 特開2002−367584号公報 特開2004−63156号公報 特開2004−134236号公報 特開2004−342504号公報 特開2003−331917号公報 「ジャーナル オブ パワーソースィズ(Journal of Power Sources)」米国、エルセビア(ELSEVIER)、1997年、第68巻、p.91−98
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、リチウム二次電池の出力、容量維持率、初期放電容量等の電池特性を向上させることができる非水電解液及びリチウム二次電池を提供しようとするものである。
第1の発明は、LiPF6を主成分とする電解質を非水溶媒に溶解してなり、該非水溶媒中にLi+イオンとPF6 -イオンとを含有するリチウム二次電池用の非水電解液において、
該非水電解液には、下記の一般式(1)で表されるアニオン化合物と、Na+イオン、K+イオン、Rb+イオン、Cs+イオン、及びテトラアルキルアンモニウムイオンから選ばれる1種以上の添加陽イオンとが添加されており、
上記非水電解液中においては、上記PF6 -イオンと上記アニオン化合物との合計量(モル)に対して、上記アニオン化合物がモル比で1〜30%存在しており、Li+イオンと上記添加陽イオンとの合計量(モル)に対して、上記添加陽イオンがモル比で0.1〜20%存在していることを特徴とする非水電解液にある(請求項1)。
Figure 0004880930
{但し、MはB又はP、b=1MがBの場合にはm=2かつn=0又はm=1かつn=2、MがPの場合にはm=3かつn=0又はm=2かつn=2又はm=1かつn=4、q=0をそれぞれ表し、R2、X1、X2 はOである。
上記第1の発明の非水電解液は、上記一般式(1)で表される上記アニオン化合物を含有する。そして、該アニオン化合物は、LiPF6を主成分とする上記電解質が水分等と反応することによって生じるHF(フッ化水素)を捕獲することができる。
そのため、上記非水電解液においては、HFが上記リチウム二次電池の構成部材に悪影響を及ぼすこと抑制することができる。即ち、上記非水電解液は、HFが上記リチウム二次電池の内部抵抗を増大させたり、電池寿命を低下させることを抑制することができる。また、上記リチウム二次電池内でガスが発生することを抑制することができる。そのため、上記非水電解液は、リチウム二次電池の出力を向上させることができると共に、充放電を繰り返すことによって起こる容量の低下を抑制することができる。また、HFによる内部抵抗の増大やガスの発生は高温環境下において特に顕著に起こりやすいが、上記非水電解液においては、高温環境下においてもHFによる内部抵抗の増大やガスの発生を抑制することができる。
また、上記非水電界液においては、上記アニオン化合物と共に上記添加陽イオンを含有している。そのため、上記非水電解液は、リチウム二次電池の出力、容量維持率、初期放電容量等の電池特性をさらに向上させることができる。
特に、上記添加陽イオンがNa+イオンの場合には、上記リチウム二次電池の初期放電容量を向上させることができると共に、充放電を繰り返しても初期の高い放電容量を維持することができ、容量維持率を向上させることができる。
また、上記添加陽イオンがK+イオン、Rb+イオン、Cs+イオン、及びテトラアルキルアンモニウムイオンから選ばれる1種以上の場合には、初期出力を向上させることができる。また、この場合には、充放電を繰り返すことによる上記リチウム二次電池の内部抵抗の上昇を抑制し、充放電を繰り返しても高い出力を発揮することができる。
上記添加陽イオンによる電池特性の向上のメカニズムについては、詳細は明らかではないが、次のように推察される。
一般に、上記一般式(1)で表されるアニオン化合物を含有する電解液においては、充電によりアニオン化合物の少なくとも一部が分解し、リチウム二次電池の例えば負極等において高抵抗な被膜等の被覆物を形成するおそれがある。
本発明の非水電解液のように、該非水電解液中に上記添加陽イオンがあると、上記アニオン化合物によって形成される上記被覆物を低抵抗な被覆物に改質することができる。この原因としては、上記添加陽イオンは、上記被覆物が生成する卑な電位において負極界面にも存在し、そのイオン半径が上記電解質LiPF6の陽イオンであるLi+イオンのイオン半径に比べて大きいことが影響していると考えられる。即ち、イオン半径がLi+イオンに比べて著しく大きい上記添加陽イオンは、負極等における上記アニオン化合物による緻密な被覆物の形成を阻害し、低抵抗な多孔質の被覆物に改質することができる。そのため、出力、容量維持率、初期放電容量等の電池特性を向上させることができると推定される。なお、各イオンのイオン半径は、Li+イオンが0.76Å、Na+イオンが1.02Å、K+が1.38、Rb+が1.52Å、Cs+が1.67Åである。
このように、本発明の非水電解液においては、上記一般式(1)で表されるアニオン化合物と上記添加陽イオンとの相乗効果により、上記リチウム二次電池の電池特性を向上させることができる。即ち、上記第1の発明によれば、出力、容量維持率、初期放電容量等の電池特性を向上できるリチウム二次電池用の非水電解液を提供することができる。
第2の発明は、正極活物質を含有する正極合材をアルミニウムからなる集電体に結着してなる正極と、負極活物質を含有する負極と、有機溶媒に電解質を溶解してなる電解液とを電池ケース内に有するリチウム二次電池において、
上記電解液としては、請求項1〜のいずれか一項に記載の非水電解液を採用することを特徴とするリチウム二次電池にある(請求項)。
上記第2の発明のリチウム二次電池は、電解液として、上記第1の発明の非水電解液を採用している。
そのため、上記リチウム二次電池は、上記非水電解液が有する上述の優れた特徴を生かして、初期放電容量、出力、容量維持率等の電池特性が優れている。
特に、上記リチウム二次電池においては、正極にアルミニウムからなる集電体を用いているため、上記非水電解液による上述の電池特性の向上効果をより顕著に発揮することができる。
即ち、アルミニウムからなる集電体を有するリチウム二次電池においては、一般に、電解質LiPF6によって生じるHFによって集電体が浸食され易く、初期放電容量、出力及び容量維持率等の電池特性の低下が起こり易い。
本発明のリチウム二次電池においては、上記アニオン化合物と上記添加陽イオンとがその相乗効果により、上記集電体の浸食による電池特性の低下を充分に抑制することができる。よって、上記リチウム二次電池は、上記のごとく優れた電池特性を発揮することができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明において、上記非水電解液は、LiPF6を主成分とする電解質を非水溶媒に溶解してなり、Li+イオンとPF6 -イオンとを含有する。
上記非水溶媒としては、例えば有機溶媒等があり、該有機溶媒としては、非プロトン性の有機溶媒等を用いることができる。このような有機溶媒としては、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等から選ばれる1種又は2種以上からなる混合溶媒を用いることができる。
ここで、上記環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等がある。上記鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等がある。上記環状エステルとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。上記環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。上記鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等がある。上記有機溶媒としては、これらのもののうちいずれか1種を単独で用いることもできるし、2種以上を混合させて用いることもできる。
また、上記非水電解液には、上記一般式(1)で表される上記アニオン化合物と、Na+イオン、K+イオン、Rb+イオン、Cs+イオン、及びテトラアルキルアンモニウムイオンから選ばれる1種以上の添加陽イオンとが添加されている。
上記一般式(1)で表される上記アニオン化合物は、例えば該アニオン化合物の塩を上記非水溶媒に溶解することにより形成させることができる。
上記アニオン化合物の塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、セシウム塩、ルビジウム塩、銀塩、亜鉛塩、銅塩、コバルト塩、鉄塩、ニッケル塩、マンガン塩、チタン塩、鉛塩、クロム塩、バナジウム塩、ルテニウム塩、イットリウム塩、ランタノイド塩、アクチノイド塩、テトラアルキルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、プロトン塩、テトラエチルホスホニウム塩、テトラメチルホスホニウム塩、テトラフェニルホスホニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、トリエチルスルホニウム塩等が挙げられる。上記テトラアルキルアンモニウム塩としては、具体的には、例えばテトラブチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリエチルメチルアンモニウム塩等がある。
また、上記アニオン化合物の塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩、及びテトラアルキルアンモニウム塩から選ばれる1種以上を用いて、その塩を上記非水溶媒に溶解させると、該非水溶媒中に上記アニオン化合物と共に、上記添加陽イオンを形成することができる。
また、上記非水電解液においては、最終的にLi+イオン及びPF6 -イオンと共に、上記アニオン化合物と上記添加陽イオンとが存在すればよく、上記アニオン化合物と上記添加陽イオンの量が同じである必要はない。即ち、上記アニオン化合物及び上記添加陽イオンは、例えば上記アニオン化合物の塩と上記添加陽イオンを含む塩とを別々に上記非水電解液中に加えることにより形成することもできる。
上記添加陽イオンは、上記のごとく上記アニオン化合物の塩を構成するカチオンとして、上記非水電解液中に添加することにより形成できるが、その他にも例えば、上記添加陽イオンをカチオンとするPF6塩、ClO4塩、BF4塩、SbF6塩、CF3SO3塩、(CF3SO2)2N塩、(CF3SO2)(C49SO2)N塩、及び(C25SO2)2N塩等を上記非水電界液中に添加することにより形成することができる。
また、上記非水電解液中には、上記PF6 -イオンと上記アニオン化合物との合計量(モル)に対して、上記アニオン化合物がモル比で1〜30%存在している。
上記アニオン化合物が1%未満の場合には、上記リチウム二次電池内で生成するHFを充分に捕獲できなくなるおそれがある。一方、30%を越える場合には、副反応が起こり、電池特性が劣化するおそれがある。
また、上記非水電解液中においては、上記Li+イオンと上記添加陽イオンとの合計量(モル)に対して、上記添加陽イオンがモル比で0.1〜20%添加されている。上記添加陽イオンが0.1%未満の場合には、上記アニオン化合物によって生成する被覆物の改質を充分に行うことができず、上記添加陽イオンによる電池特性の向上効果が充分に発揮できなくなるおそれがある。一方、20%を越える場合には、副反応が起こり、電池特性が劣化するおそれがある。
また、上記一般式(1)において、アニオンの価数bは1である。bが3より大きい場合には、上記アニオン化合物の塩の結晶格子エネルギーが大きくなるため、上記アニオン化合物の塩を上記非水溶媒に溶解して上記アニオン化合物を形成することが困難になる。そのため、b=1が最も好ましい。
また、同様の理由により、上記アニオン化合物の塩を構成するカチオンの価数も1〜3がよく、最も好ましくはカチオンの価数は1がよい。このようなカチオンとしては、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、カリウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、プロトン等がある。
また、上記一般式(1)で表されるアニオン化合物は、イオン性金属錯体構造をとっており、その中心となるMは、B又はPである
好ましくは、上記一般式(1)中のMは、B又はPがよい
この場合には、上記アニオン化合物の合成が容易となる。
また、上記一般式(1)中のMがB又はP場合には、上記アニオン化合物の合成が容易になることに加えて、上記アニオン化合物の毒性が低くなり、また製造コストが低くなるという効果を得ることができる。
次に、上記アニオン化合物(イオン性金属錯体)の配位子の部分について説明する。以下、ここでは上記一般式(1)において、Mに結合している有機又は無機の部分を配位子とよぶ。
2 としては、電子吸引性の基がよく、特にフッ素がよい。この場合には、上記アニオン化合物の塩の溶解度や解離度が向上し、これに伴ってイオン伝導度が向上するという効果を得ることができる。さらにこの場合には、耐酸化性が向上し、これにより副反応の発生を防止することができる。
1 2 Oであり、これらのヘテロ原子を介して配位子がMに結合する。ここで、O以外で結合することが、不可能ではないが、合成上非常に煩雑なものとなる。上記一般式(1)で表される化合物の特徴として、同一の配位子内におけるX1とX2によるMとの結合があり、これらの配位子はMとキレート構造を形成している。この配位子中の定数qは、0である。q=0の場合には、キレートリングが五員環となり、上記添加剤の錯体構造が安定化する。そのため、この場合には、上記添加剤が上記被覆物の形成以外の副反応を起こすことを防止することができる。
また、上述した配位子の数に関係する定数m及びnは、中心のMの種類によって決まってくるものであるが、mは1〜4、nは0〜8である
次に、上記アニオン化合物は、下記の式(2)〜(5)で表される1種以上であること好ましい(請求項)。
この場合には、上記アニオン化合物の塩の溶解度や解離度が向上し、上記非水電解液のイオン伝導度を向上させることができる。さらにこの場合には、耐酸化性を向上させることができる。
Figure 0004880930
Figure 0004880930
Figure 0004880930
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また、上記アニオン化合物の合成方法としては、例えば下記の式(2)で表される化合物の場合には、非水溶媒中でLiBF4と2倍モルのリチウムアルコキシドを反応させた後、シュウ酸を添加して、ホウ素に結合しているアルコキシドをシュウ酸で置換する方法等がある。この場合には、下記の式(2)で表されるアニオン化合物のリチウム塩を得ることができる。
Figure 0004880930
また、上記非水電解液において、上記添加陽イオンの量(モル)は、上記アニオン化合物の量(モル)よりも少ないことが好ましい(請求項)。
この場合には、上記リチウム二次電池の初期抵抗及び抵抗増加率をより一層抑制し、上記リチウム二次電池の出力をより一層向上させることができる。これは、上記添加陽イオンによる上記被覆物の改質は、上記アニオン化合物によるHFの捕獲とは異なり、一過性の作用によるものであるからと考えられる。
また、上記非水電解液中に含まれる上記アニオン化合物は、上記リチウム二次電池を少なくとも一回以上充電させることにより、上記アニオン化合物のすべてもしくは一部が分解して、上記正極又は/及び上記負極の表面や、上記正極活物質又は/及び上記負極活物質の表面に被覆して被膜等の被覆物を形成することができる。上記被覆物は、例えばX線光電子分光分析(XPS)やIR分析等により検出することができる。
次に、上記リチウム二次電池は、上記正極及び負極と、これらの正極と負極との間に狭装されるセパレータと、正極と負極との間でリチウムを移動させる上記非水電解液等を主要構成要素として構成することができる。
正極は、例えば上記正極活物質に導電材及び結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを、アルミニウムからなる集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することができる。上記集電体としては、具体的にはアルミニウム箔等を用いることができる。
上記正極活物質は、リチウムを可逆的に吸蔵及び脱離できるリチウム含有複合酸化物からなる。具体的には、例えばリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム鉄複合リン酸化物等がある。
これらの複合酸化物を上記正極活物質として用いた場合には、上記リチウム二次電池の高容量化を図ることができると共に、熱的安定性を向上させることができる。即ち、この場合には、上記リチウム二次電池のさらなる長寿命化及び安全性の向上を図ることができる。
上記リチウムニッケル複合酸化物としては、例えばLiNiO2や、LiNiaM1(1-a)2(但し、M1はMg、Co、Mn及びAlから選ばれる一種以上、0.4<a<0.95)で表される化合物を用いることもできる。
さらに、上記リチウムニッケル複合酸化物としては、LiNixM2yAlz2(但し、M2はMg、Co、及びMnから選ばれる一種以上、x+y+z=1、0.5<x<0.95、0.01<y<0.4、0.001<z<0.2)で表される化合物を用いることもできる。
また、上記のLiNiaM1(1-a)2で表されるリチウムニッケル複合酸化物において、a≦0.4の場合には、上記リチウム二次電池の充放電容量が減少するおそれがある。また、a≧0.95の場合には、熱安定性が低下し、上記リチウム二次電池の安全性が低下するおそれがある。
また、上記のLiNixM2yAlz2で表されるリチウムニッケル複合酸化物において、x、y、zが0.5<x<0.95、0.01<y<0.4、0.001<z<0.2の範囲を外れる場合には、これを用いた上記リチウム二次電池の充放電容量が減少し、また、高温耐久性が低下するおそれがある。またこの場合には、上記リチウム二次電池の熱安定性が低下して安全性が低下するおそれがある。
また、上記導電材は、正極の電気伝導性を確保するためのものであり、例えばカーボンブラック、アセチレンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類等の炭素物質粉末状体の1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
上記結着剤は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴムの水分散体等を用いることもできる。
これら活物質、導電材、結着剤を分散させる溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
次に、負極は、負極活物質に結着剤を混合し、適当な溶媒を加えてペースト状にした負極合材を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布、乾燥し、その後にプレスにて形成することができる。また、正極と同様に、負極活物質に混合する結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂等を、溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
上記負極活物質は、炭素材料であることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記リチウム二次電池の負極側にて、上記アニオン化合物による被覆物が形成されやすくなる。そのためこの場合には、上述のごとく上記被覆物を改質することによる電池特性の向上効果をより顕著に発揮することができる。
上記負極活物質の炭素材料としては、例えば天然或いは人造の黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチ系炭素繊維及びその混合材、気相法炭素化繊維、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維等が挙げられる。これらの炭素材料は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
正極及び負極に狭装させるセパレータは、正極と負極とを分離し非水電解液を保持するものであり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜等を用いることができる。
また、上記リチウム二次電池の形状としては、例えば円筒型、積層型、コイン型、角型等がある。正極、負極、及び非水電解液等を収容する上記電池ケースとしては、これらの形状に対応したものを用いることができる。
上記リチウム二次電池は、例えば上記正極と上記負極との間に上記セパレータを狭装してなる電極体を、所定の形状の電池ケースに収納し、上記正極集電体及び上記負極集電体を、リード線を介して正極外部端子及び負極外部端子に電気的に接続し、上記電極体に上記非水電解液を含浸させて、電池ケース密閉することにより作製することができる。
また、上記電池ケースは、アルミラミネートフィルムからなることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記リチウム二次電池の小型化及び軽量化を図ることができる。
またこの場合には、上記非水電解液中に含まれる上記アニオン化合物と添加陽イオンとの相乗効果により、上記電池ケースの損傷及び電池特性の低下を防止できる。
即ち、一般に、アルミラミネートフィルムからなる電池ケースは、アルミニウムからなる上記集電体と同様に、電解質LiPF6が生成するHFによって損傷を受けやすい。その結果、電池内にガスが発生して電池ケースに膨れが起こったり、電池ケースが損傷して電解液が外部に漏れ出すおそれがある。
本発明においては、上記非水電解液中に、上記アニオン化合物を含有しており、該アニオン化合物によってHFを捕獲し、上記電池ケースの損傷を抑制することができる。さらに、上記非水電解液中には上記添加陽イオンが存在しているため、上記アニオン化合物により形成される上記被覆物によって、電池特性が低下することを抑制することができる。
したがって、上記電池ケースがアルミラミネートフィルムからなる場合には、上記アニオン化合物と上記添加陽イオンとの相乗効果による本発明の効果をより顕著に発揮することができる。
(実施例1)
次に、本発明の非水電解液及びこれを用いたリチウム二次電池の実施例につき図1を用いて説明する。本例は、非水電解液を作製し、該非水電解液を用いてリチウム二次電池を作製する例である。
本例の非水電解液は、LiPF6を主成分とする電解質を非水溶媒に溶解してなり、該非水溶媒中にLi+イオンとPF6 -イオンとを含有する。非水電解液には、アニオン化合物として、下記の式(2)で表される化合物(以下適宜「BFO」という)、下記の式(3)で表される化合物(以下適宜PTFOという)、下記の式(4)で表される化合物(以下適宜「PFO」という)、又は下記の式(5)で表される化合物(以下適宜「PO」という)と、添加陽イオンとしてK+イオンとが添加されている。非水電解液中においては、PF6 -イオンとアニオン化合物との合計量(モル)に対して、アニオン化合物がモル比で1〜30%存在している。また、Li+イオンと添加陽イオンとの合計量(モル)に対して、添加陽イオンがモル比で0.1〜20%存在している。
Figure 0004880930
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また、図1に示すごとく、本例のリチウム二次電池1は、正極2、負極3、セパレータ4、ガスケット59、及び電池ケース6等よりなっている。電池ケース6は、18650型の円筒形状の電池ケースであり、キャップ63及び外装缶65よりなる。電池ケース6内には、シート状の正極2及び負極3が、該正極2及び負極3の間に挟んだセパレータ4と共に捲回した状態で配置されている。
また、電池ケース6のキャップ63の内側には、ガスケット59が配置されており、電池ケース6の内部には、電解液が注入されている。この電解液としては上記非水電解液が用いられている。
また、正極2は、正極活物質としてLiNi0.80Co0.15Al0.052を含有し、負極3は負極活物質として炭素材料を含有している。
正極2及び負極3には、それぞれ正極集電リード23及び負極集電リード33が熔接により設けられている。正極集電リード23は、キャップ63側に配置された正極集電タブ235に熔接により接続されている。また、負極集電リード33は、外装缶65の底に配置された負極集電タブ335に熔接により接続されている。
以下、本例の非水電解液及びリチウム二次電池の製造方法について説明する。
まず、非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7の体積比で混合した有機溶媒を準備した。
また、電解質としてLiPF6を、添加陽イオン(K+)の塩としてKPF6を準備した。さらに、アニオン化合物の塩として、上記式(2)で表されるアニオン化合物のリチウム塩(以下適宜「LBFO」という)を準備した。
次に、有機溶媒中に、上記電解質、添加陽イオンの塩、及びアニオン化合物の塩を溶解し、濃度0.95mol/lのLi+イオンと、濃度0.05mol/lのK+イオンと、濃度0.95mol/lのPF6 -イオンと、濃度0.05mol/lのアニオン化合物(BFO)とを含む非水電解液を調整した。これを試料E1とする。
次に、以下のようにして、正極及び負極を準備した。
正極においては、まず正極活物質としてLiNi0.80Co0.15Al0.052を準備し、該正極活物質と、導電材としてのカーボンブラック(東海カーボン株式会社製、TB5500)と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(呉羽化学工業株式会社製、KFポリマ)とを混合し、分散剤としてn−メチル−2−ピロリドンを適量添加し、混練してスラリー状の正極合材を得た。正極活物質と導電材と結着剤との混合比は、重量比で、正極活物質:導電材:結着剤=85:10:5とした。
次いで、上記のようにして得られた正極合材を、厚さ20μmのアルミニウム箔集電体の両面に塗布して、乾燥させた。その後、ロールプレスで高密度化させ、幅52mm、長さ450mmの形状に切り出し、シート状の正極を作製した。なお、正極活物質の付着量は、片面当たり、7mg/cm2程度とした。
一方、負極においては、負極活物質として、人造球状黒鉛(大阪ガスケミカル株式会社製、MCMB)を準備し、該負極活物質と結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(呉羽化学工業株式会社製、KFポリマ)とを混合し、分散剤としてn−メチル−2−ピロリドンを適量添加し、混練してスラリー状の負極合材を得た。負極活物質と結着剤との混合比は、重量比で、負極活物質:結着剤=95:5とした。
次いで、上記のようにして得られた負極合材を、厚さ10μmの銅箔集電体の両面に塗布して、乾燥させた。その後、ロールプレスで高密度化させ、幅54mm、長さ500mmの形状に切り出し、シート状の負極を作製した。なお、負極活物質の付着量は、片面当たり、5mg/cm2程度とした。
次に、図1に示すごとく、上記のようにして得られたシート状の正極2及び負極3にそれぞれ正極集電リード23及び負極集電リード33を熔接した。次いで正極2及び負極3を、これらの間に幅56mm、厚さ25μmのポリエチレン製のセパレータ4(東燃タルピス株式会社製)を挟んだ状態で捲回し、スパイラル状の巻き電極を作製した。
続いて、この巻き電極を、外装缶65及びキャップ63よりなる18650型の円筒形状の電池ケース6に挿入した。このとき、電池ケース6のキャップ63側に配置した正極集電タブ235に、正極集電リード25を熔接により接続すると共に、外装缶6の底に配置した負極集電タブ335に負極集電リード33を熔接により接続した。
次に、電池ケース6内に上記のようにして準備した非水電解液(試料E1)を含浸させた。そして、キャップ63の内側にガスケット59を配置すると共に、このキャップ63を外装缶65の開口部に配置した。続いて、キャップ63にかしめ加工を施すことにより電池ケース6を密閉し、リチウム二次電池1を作製した。これを電池E1とした。
また、本例においては、Li+イオン、K+イオン、PF6 -イオン、アニオン化合物の濃度、及びアニオン化合物の種類を上記試料E1とは変えてさらに6種類の非水電解液(試料E2〜試料E7)を作製し、これらの非水電解液を用いてリチウム二次電池を作製した。試料E2〜試料E7は、上記試料E1と同様に、電解質(LiPF6)と、添加陽イオン(K+)の塩(KPF6)と、アニオン化合物の塩とを、ECとDECとを3:7の体積比で混合してなる有機溶媒中に溶解して作製したものである。
試料E2〜試料E5においては、アニオン化合物の塩として、上記式(4)で表されるアニオン化合物(PFO)のリチウム塩(以下適宜「LPFO」という))を用いた。
また、試料E6においては、アニオン化合物の塩として、上記式(5)で表されるアニオン化合物(PO)のリチウム塩(以下適宜「LPO」という))を用い、試料E7においては、アニオン化合物の塩として上記式(3)で表されるアニオン化合物(PTFO)のリチウム塩(以下適宜「LPTFO」という))を用いた。
具体的には、試料E2は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.95mol/l、K+イオン濃度が0.05mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(KPF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを上記有機溶媒中に溶解して作製した。
また、試料E3は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.99mol/l、K+イオン濃度が0.01mol/l、PF6 -イオン濃度が0.99mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.01mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(KPF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを有機溶媒中に溶解して作製した。
試料E4は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.9mol/l、K+イオン濃度が0.1mol/l、PF6 -イオン濃度が0.9mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.1mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(KPF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを有機溶媒中に溶解して作製した。
また、試料E5は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.99mol/l、K+イオン濃度が0.01mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(KPF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを有機溶媒中に溶解して作製した。
試料E6は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.95mol/l、K+イオン濃度が0.05mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(KPF6)と、アニオン化合物の塩(LPO)とを上記有機溶媒中に溶解して作製した。
また、試料E7は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.95mol/l、K+イオン濃度が0.05mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PTFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(KPF6)と、アニオン化合物の塩(LPTFO)とを上記有機溶媒中に溶解して作製した。
上記のようにして作製した試料E1〜試料E7の非水電解液中に含まれる各イオンの濃度を表1に示す。
Figure 0004880930
次いで、これらの非水電荷液(試料E2〜試料E7)をそれぞれ用いて、上記電池E1と同様にして、6種類のリチウム二次電池(電池E2〜電池E7)を作製した。各電池E2〜電池E7は、電解液としてそれぞれ試料E2〜試料E7を用いた点を除いては、上記電池E1と同様にして作製したものである。
また、本例においては、上記添加陽イオンを含有しない3種類の比較用の非水電解液(試料C1〜試料C3)を作製し、これらをそれぞれ用いて3種類のリチウム二次電池(電池C1〜試料C3)を作製した。
具体的には、試料C1は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7の体積比で混合した有機溶媒中に、電解質LiPF6を濃度が1mol/lとなるように溶解して作製した。したがって、試料C1は、Li+を1mol/l、PF6 -を1mol/l含有する。
また、試料C2は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7の体積比で混合した有機溶媒中に、Li+イオン濃度が1mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(BFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)及びアニオン化合物の塩(LBFO)を溶解して作製した。
また、試料C3は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7の体積比で混合した有機溶媒中に、Li+イオン濃度が1mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)及びアニオン化合物の塩(LPFO)を溶解して作製した。
このようにして作製した試料C1〜試料C3の非水電解液中に含まれる各イオンの濃度を上記表1に示す。
次に、上記比較用の試料C1〜試料C3をそれぞれ電解液として用いて3種類のリチウム二次電池(電池C1〜C3)を作製した。各電池C1〜電池C3は、電解液としてそれぞれ試料C1〜試料C3を用いた点を除いては、上記電池E1と同様にして作製したものである。
また、本例においては、上記添加陽イオンを過剰に加えた2種類の比較用の非水電解液(試料C4及び試料C5)を作製し、これらをそれぞれ用いて2種類のリチウム二次電池(電池C4及び電池C5)を作製した。
具体的には、試料C4は、Li+イオン濃度が0.7mol/l、K+イオン濃度が0.3mol/l、PF6 -イオン濃度が0.7mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.3mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(KPF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを、ECとDECとを3:7の体積比で混合してなる上記有機溶媒中に溶解して作製した。
また、試料C5は、Li+イオン濃度が0.7mol/l、K+イオン濃度が0.3mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(KPF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを、ECとDECとを3:7の体積比で混合してなる上記有機溶媒中に溶解して作製した。
このようにして作製した試料C4及び試料C5の非水電解液中に含まれる各イオンの濃度を上記表1に示す。
次に、上記のようにして作製した12種類のリチウム二次電池(電池E1〜電池E7及び電池C1〜電池C5)の電池特性を評価した。具体的には、電池特性として、各電池の容量維持率、初期抵抗、及び抵抗増加率を調べた。
「初期抵抗」
各電池(電池E1〜電池E7及び電池C1〜電池C5)を、電池容量50%(SOC=50%)の状態に調整し、0.12A、0.4A、1.2A、2.4A、4.8Aの電流を流して10秒後の電池電圧を測定した。各電池に流した電流と電圧とを直線近似し、その傾きから初期抵抗を求めた。各電池の初期抵抗値は、電池C1の値を1としたときの相対値として算出した。即ち、各電池の初期抵抗の結果を、電池C1の値を基準に規格化した値で表した。その結果を表2に示す。
「充放電サイクル試験」
電池の実使用温度範囲の上限と目される60℃の温度条件下で、上記電池E1〜電池E7及び電池C1〜電池C5を、電流密度2.0mA/cm2の定電流で充電上限電圧4.1Vまで充電し、次いで電流密度2.0mA/cm2の定電流で放電下限電圧3Vまで放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計500サイクル行った。
「容量維持率」
充放電サイクル試験前後において、温度20℃、電流密度0.2mA/cm2での充放電容量を測定した。充放電サイクル試験前の放電容量を放電容量A、充放電サイクル試験後の放電容量を放電容量Bとしたとき、容量維持率を下記の式(a)により算出した。その結果を表2に示す。
容量維持率(%)=放電容量B/放電容量A×100 ・・・・(a)
「抵抗増加率」
各電池を電池容量の50%(SOC=50%)に調整し、0.12A、0.4A、1.2A、2.4A、4.8Aの電流を流して10秒後の電池電圧を測定した。流した電流と電圧とを直線近似し、その傾きからIV抵抗を求めた。
抵抗増加率は、上記充放電試験後のIV抵抗を抵抗Y、充放電試験前のIV抵抗を抵抗Xとすると、下記の式(b)にて算出することができる。その結果を表2に示す。
抵抗増加率(%)=(抵抗Y−抵抗X)×100/抵抗X ・・・・(b)
Figure 0004880930
表2より知られるごとく、電池C1と電池C2及び電池C3とを比較すると、アニオン化合物を含有する電池C2及び電池C3は、電池C1に比べて、容量維持率が高く、抵抗増加率が低い。即ち、電池C2及び電池C3においては、アニオン化合物が添加されることにより、充放電を繰り返し行うことによる容量の低下及び電池抵抗の上昇が抑制されていることがわかる。また、アニオン化合物と添加陽イオンとを電解液中に含有する電池E1〜電池E7は、アニオン化合物及び添加陽イオンを含有していない電池C1に比べて容量維持率、初期抵抗、抵抗増加率のいずれもが向上していた。
また、電解液中にアニオン化合物としてBFOを含有する電池E1と電池C2とを比較すると、添加陽イオン(K+)を含有する電池E1は、添加陽イオンを含有しない電池C2に比べて、容量維持率及び抵抗増加率はほぼ同程度であるが、初期抵抗が抑制されている。即ち、電池E1は、電池C2に比べて、初期出力が向上していることがわかる。
また、電解液中にアニオン化合物としてPFOを同量含有する電池E2及び電池E5と電池C3とを比較すると、添加陽イオン(K+)を含有する電池E2及び電池E5は、添加陽イオンを含有しない電池C3に比べて、初期抵抗及び抵抗増加率が抑制されており、より高い出力を発揮することができる。
電池E3及び電池E4と電池C3とは、アニオン化合物の量が異なるため、単純に比較することはできないが、少なくとも初期抵抗が抑制されており初期出力が向上している。
また、電池E6及び電池E7と電池C2及び電池C3とは、アニオン化合物の種類が異なるため、単純に比較することはできないが、初期抵抗や抵抗増加率が抑制されており、出力が向上している。
また、非水電解液として試料E5を含有する電池E5は、特に抵抗増加率が顕著に抑制されている。これは、非水電解液として、添加陽イオンの量(モル)がアニオン化合物の量(モル)よりも少ない試料E7を用いているためである。
よって、非水電解液において、上記添加陽イオンの量(モル)は、上記アニオン化合物の量(モル)よりも少ないことが好ましいことがわかる。
また、非水電解液として、添加陽イオン(K+)を過剰量(Liイオンと添加陽イオンとの合計量(モル)に対して30%)含有する試料C4及び試料C5をそれぞれ用いた電池C4及び電池C5は、添加陽イオンを含有していない電池C2及び電池C3に比べて容量維持率、初期抵抗、及び抵抗増加率の全ての特性が悪化していた。
このことから、添加陽イオンを過剰に加えると、電池特性に悪影響を及ぼすことがわかる。
以上のように、本例によれば、アニオン化合物と、K+イオンとを電解液中に適量添加することにより、出力等の電池特性を向上できることがわかる。
(実施例2)
本例は、添加陽イオンとしてテトラエチルアンモニウムイオンを含有する非水電解液を作製し、該非水電解液を用いてリチウム二次電池を作製する例である。
具体的には、まず、非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7の体積比で混合した有機溶媒を準備した。
また、電解質としてLiPF6を、添加陽イオン(テトラエチルアンモニウムイオン)の塩としてN(C25)4PF6を準備した。さらに、アニオン化合物の塩としてLBFOを準備した。
次に、上記有機溶媒中に、上記電解質、添加陽イオンの塩、及びアニオン化合物の塩を溶解し、濃度0.95mol/lのLi+イオンと、濃度0.05mol/lのテトラエチルアンモニウムイオンと、濃度0.95mol/lのPF6 -イオンと、濃度0.05mol/lのアニオン化合物(BFO)とを含む非水電解液を調整した。これを試料E8とする。
また、本例においては、Li+イオン、テトラエチルアンモニウムイオン(TEA+)、PF6 -イオン、及びアニオン化合物の濃度や、アニオン化合物の種類を上記試料E8とは変えて、さらに6種類の非水電解液(試料E9〜試料E14)を作製した(後述の表3参照)。試料E9〜試料E14は、上記試料E8と同様に、電解質(LiPF6)と、添加陽イオン(TEA+)の塩(N(C25)4PF6)と、アニオン化合物の塩とを、ECとDECとを3:7の体積比で混合してなる有機溶媒中に溶解して作製したものである。
試料E9〜試料E12においては、アニオン化合物の塩として、上記式(4)で表されるアニオン化合物(PFO)のリチウム塩(LPFO)を用いた。
また、試料E13においては、アニオン化合物の塩として、上記式(5)で表されるアニオン化合物(PO)のリチウム塩(LPO)を用い、試料E14においては、アニオン化合物の塩として上記式(3)で表されるアニオン化合物(PTFO)のリチウム塩(LPTFO)を用いた。
具体的には、試料E9は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.95mol/l、TEA+イオン濃度が0.05mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(N(C25)4PF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを有機溶媒中に溶解して作製した。
また、試料E10は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.99mol/l、TEA+イオン濃度が0.01mol/l、PF6 -イオン濃度が0.99mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.01mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(N(C25)4PF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを有機溶媒中に溶解して作製した。
試料E11は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.9mol/l、TEA+イオン濃度が0.1mol/l、PF6 -イオン濃度が0.9mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.1mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(N(C25)4PF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを有機溶媒中に溶解して作製した。
また、試料E12は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.99mol/l、TEA+イオン濃度が0.01mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(N(C25)4PF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを有機溶媒中に溶解して作製した。
試料E13は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.95mol/l、TEA+イオン濃度が0.05mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(N(C25)4PF6)と、アニオン化合物の塩(LPO)とを上記有機溶媒中に溶解して作製した。
また、試料E14は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.95mol/l、TEA+イオン濃度が0.05mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PTFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(N(C25)4PF6)と、アニオン化合物の塩(LPTFO)とを上記有機溶媒中に溶解して作製した。
また、本例においては、添加陽イオン(TEA+)を過剰に加えた2種類の比較用の非水電解液(試料C6及び試料C7)を作製した。
具体的には、試料C6は、Li+イオン濃度が0.7mol/l、TEA+イオン濃度が0.3mol/l、PF6 -イオン濃度が0.7mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.3mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(N(C25)4PF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを、ECとDECとを3:7の体積比で混合してなる上記有機溶媒中に溶解して作製した。
また、試料C7は、Li+イオン濃度が0.7mol/l、TEA+イオン濃度が0.3mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを、ECとDECとを3:7の体積比で混合してなる上記有機溶媒中に溶解して作製した。
このようにして、9種類の非水電解液(試料E8〜試料E14、試料C6及び試料C7)を作製した。各試料の非水電解液中に含まれる各イオンの濃度を表3に示す。
Figure 0004880930
次に、上記のようにして作製した9種類の非水電解液(試料E8〜試料E14、試料C6及び試料C7)をそれぞれ用いて、9種類のリチウム二次電池(電池E8〜電池E14、電池C6及び電池C7)を作製した。各電池E8〜電池E14、電池C6及び電池C7は、電解液としてそれぞれ試料E8〜試料E14、試料C6及び試料C7を用いた点を除いては、実施例1の上記電池E1と同様にして作製したものである。
次に、各リチウム二次電池(電池E8〜電池E14、電池C6、電池C7)について、容量維持率、初期抵抗、及び抵抗増加率を実施例1と同様にして調べた。その結果を表4に示す。なお、表4中には、比較用として実施例1において測定した電池C1〜電池C3の結果を併記する。
Figure 0004880930
表4より知られるごとく、アニオン化合物と添加陽イオン(TEA+)とを電解液中に含有する電池E8〜電池E14は、アニオン化合物及び添加陽イオンを含有していない電池C1に比べて容量維持率、初期抵抗、抵抗増加率のいずれもが向上していた。
また、電解液中にアニオン化合物としてBFOを含有する電池E8と電池C2とを比較すると、添加陽イオン(TEA+)を含有する電池E8は、添加陽イオンを含有しない電池C2に比べて、容量維持率、初期抵抗、及び抵抗増加率のすべての特性が向上している。
また、電解液中にアニオン化合物としてPFOを同量含有する電池E9及び電池E12と電池C3とを比較すると、添加陽イオン(TEA+)を含有する電池E9及び電池E12は、添加陽イオンを含有しない電池C3に比べて、初期抵抗及び抵抗増加率が抑制されており、高い出力を発揮することができる。
電池E10及び電池E11と電池C3とは、アニオン化合物の量が異なるため、単純に比較することはできないが、電池E10及び電池E11は、電池C3に比べて、少なくとも初期抵抗が抑制されており、初期出力が向上している。
また、電池E13及び電池E14と電池C2及び電池C3とは、アニオン化合物の種類が異なるため、単純に比較することはできないが、電池E13及び電池14は、電池C2及び電池C3に比べて、初期抵抗及び抵抗増加率が抑制されており、高い出力を発揮することができる。
また、非水電解液として、添加陽イオン(TEA+)を過剰量(Liイオンと添加陽イオンとの合計量(モル)に対して30%)含有する試料C6及び試料C7をそれぞれ用いた電池C6及び電池C7は、アニオン化合物及び添加陽イオンを含有していない電界液を用いた電池C1に比べて、さらに容量維持率及び初期抵抗が劣化していた。このことから、添加陽イオンを過剰に加えると、電池特性に悪影響を及ぼすことがわかる。
以上のように、本例によれば、アニオン化合物と、TEA+イオンとを電解液中に適量添加することにより、出力等の電池特性を向上できることがわかる。
(実施例3)
本例は、添加陽イオンとしてナトリウムイオンを含有する非水電解液を作製し、該非水電解液を用いてリチウム二次電池を作製する例である。
具体的には、まず、非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7の体積比で混合した有機溶媒を準備した。
また、電解質としてLiPF6を、添加陽イオン(Na+イオン)の塩としてNaPF6を準備した。さらに、アニオン化合物の塩としてLBFOを準備した。
次に、上記有機溶媒中に、上記電解質、添加陽イオンの塩、及びアニオン化合物の塩を溶解し、濃度0.95mol/lのLi+イオンと、濃度0.05mol/lのNa+イオンと、濃度0.95mol/lのPF6 -イオンと、濃度0.05mol/lのアニオン化合物(BFO)とを含む非水電解液を調整した。これを試料E15とする。
また、本例においては、Li+イオン、Na+イオン、PF6 -イオン、及びアニオン化合物の濃度や、アニオン化合物の種類を上記試料E15とは変えて、さらに6種類の非水電解液(試料E16〜試料E21)を作製した(後述の表5参照)。試料E16〜試料E21は、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(NaPF6)と、アニオン化合物の塩とを、ECとDECとを3:7の体積比で混合してなる有機溶媒中に溶解して作製したものである。
試料E16〜試料E19においては、アニオン化合物の塩として、上記式(4)で表されるアニオン化合物(PFO)のリチウム塩(LPFO)を用いた。
また、試料E20においては、アニオン化合物の塩として、上記式(5)で表されるアニオン化合物(PO)のリチウム塩(LPO)を用い、試料E21においては、アニオン化合物の塩として上記式(3)で表されるアニオン化合物(PTFO)のリチウム塩(LPTFO)を用いた。
具体的には、試料E16は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.95mol/l、Na+イオン濃度が0.05mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(NaPF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを有機溶媒中に溶解して作製した。
また、試料E17は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.99mol/l、Na+イオン濃度が0.01mol/l、PF6 -イオン濃度が0.99mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.01mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(NaPF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを有機溶媒中に溶解して作製した。
試料E18は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.9mol/l、Na+イオン濃度が0.1mol/l、PF6 -イオン濃度が0.9mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.1mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(NaPF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを有機溶媒中に溶解して作製した。
また、試料E19は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.99mol/l、Na+イオン濃度が0.01mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(NaPF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを有機溶媒中に溶解して作製した。
試料E20は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.95mol/l、Na+イオン濃度が0.05mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(NaPF6)と、アニオン化合物の塩(LPO)とを上記有機溶媒中に溶解して作製した。
また、試料E21は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.95mol/l、Na+イオン濃度が0.05mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PTFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(NaPF6)と、アニオン化合物の塩(LPTFO)とを上記有機溶媒中に溶解して作製した。
また、本例においては、添加陽イオン(Na+)を過剰に加えた2種類の比較用の非水電解液(試料C8及び試料C9)を作製した。
具体的には、試料C8は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.7mol/l、Na+イオン濃度が0.3mol/l、PF6 -イオン濃度が0.7mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.3mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(NaPF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを有機溶媒中に溶解して作製した。
試料C9は、非水電解液中におけるLi+イオン濃度が0.7mol/l、Na+イオン濃度が0.3mol/l、PF6 -イオン濃度が0.95mol/l、アニオン化合物(PFO)濃度が0.05mol/lとなるように、電解質(LiPF6)と、添加陽イオンの塩(NaPF6)と、アニオン化合物の塩(LPFO)とを有機溶媒中に溶解して作製した。
このようにして、9種類の非水電解液(試料E15〜試料E21、試料C8及び試料C9)を作製した。各試料の非水電解液中に含まれる各イオンの濃度を表5に示す。
Figure 0004880930
次に、上記のようにして作製した9種類の非水電解液(試料E15〜試料E21、試料C8及び試料C9)をそれぞれ用いて、9種類のリチウム二次電池(電池E15〜電池E21、電池C8及び電池C9))を作製した。各電池E15〜電池E21、電池C8及び電池C9)は、電解液としてそれぞれ試料E15〜試料21、試料C8及び試料C9を用いた点を除いては、実施例1の上記電池E1と同様にして作製したものである。
次に、各リチウム二次電池(電池E15〜電池E21、電池C8及び電池C9)について、容量維持率、初期抵抗、及び抵抗増加率を実施例1と同様にして調べた。その結果を表6に示す。なお、表6中には、比較用として実施例1において測定した電池C1〜電池C3の結果を併記する。
Figure 0004880930
表6より知られるごとく、添加陽イオンとしてNa+を含有する試料E15〜試料E21の非水電解液を含有する電池E15〜電池E21においては、電池C1〜電池C3に比べて、容量維持率はほぼ同程度であるが、初期放電容量が向上していることがわかる。よって、電池E15〜電池E21は、充放電の初期段階において優れた放電容量を発揮することができる。
一方、添加陽イオンNa+を過剰量含有する電池C8及び電池C9は、電池E15〜電池E21に比べて、初期放電容量の向上幅が小さく、さらに、容量維持率が小さい。このことから、添加陽イオンを過剰に加えると、電池特性に悪影響を及ぼすおそれがあることがわかる。
以上のように、本例によれば、アニオン化合物と、Na+イオンとを電解液中に適量添加することにより、初期放電容量等の電池特性を向上できることがわかる。
実施例1にかかる、リチウム二次電池の構成を示す説明図。
符号の説明
1 リチウム二次電池
2 正極
3 負極
4 セパレータ
6 電池ケース

Claims (6)

  1. LiPF6を主成分とする電解質を非水溶媒に溶解してなり、該非水溶媒中にLi+イオンとPF6 -イオンとを含有するリチウム二次電池用の非水電解液において、
    該非水電解液には、下記の一般式(1)で表されるアニオン化合物と、Na+イオン、K+イオン、Rb+イオン、Cs+イオン、及びテトラアルキルアンモニウムイオンから選ばれる1種以上の添加陽イオンとが添加されており、
    上記非水電解液中においては、上記PF6 -イオンと上記アニオン化合物との合計量(モル)に対して、上記アニオン化合物がモル比で1〜30%存在しており、Li+イオンと上記添加陽イオンとの合計量(モル)に対して、上記添加陽イオンがモル比で0.1〜20%存在していることを特徴とする非水電解液。
    Figure 0004880930
    {但し、MはB又はP、b=1MがBの場合にはm=2かつn=0又はm=1かつn=2、MがPの場合にはm=3かつn=0又はm=2かつn=2又はm=1かつn=4、q=0をそれぞれ表し、R2、X1、X2 はOである。
  2. 請求項1において、上記一般式(1)で表される上記アニオン化合物は、下記の式(2)〜(5)で表される1種以上であることを特徴とする非水電解液。
    Figure 0004880930
    Figure 0004880930
    Figure 0004880930
    Figure 0004880930
  3. 請求項1又は2において、上記添加陽イオンの量(モル)は、上記アニオン化合物の量(モル)よりも少ないことを特徴とする非水電解液。
  4. 極活物質を含有する正極合材をアルミニウムからなる集電体に結着してなる正極と、負極活物質を含有する負極と、有機溶媒に電解質を溶解してなる電解液とを電池ケース内に有するリチウム二次電池において、
    上記電解液としては、請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水電解液を採用することを特徴とするリチウム二次電池。
  5. 請求項4において、上記負極活物質は、炭素材料であることを特徴とするリチウム二次電池。
  6. 請求項4又は5において、上記電池ケースは、アルミラミネートフィルムからなることを特徴とするリチウム二次電池。
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