JP4882025B2 - 高温マイクロ波クロマトグラフィーに使用する加熱式移送ライン - Google Patents

高温マイクロ波クロマトグラフィーに使用する加熱式移送ライン Download PDF

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Description

本発明は、液体ガスクロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーの分野で使用される加熱式移送ライン装置であって、マイクロ波オーブン内のカラムに装着され、かつこれから延長する移送ライン中で発生するサンプルの凝縮を抑制する加熱式移送ライン、およびこの製造方法および使用方法に関する。
より具体的には、本発明は、液体クロマトグラフィー分析機器およびガスクロマトグラフィー分析機器に使用される加熱式移送ライン装置であって、ロッドを有し、このロッドからの一端からロッドの第2端部付近まで延長する移送ラインを受け取る開口をロッドに設けた加熱式移送ライン装置に関する。このロッドの第2端部がカラムのリード部分を受け取るように構成するため、カラムの非加熱部分の量が最小になる。本発明装置は、また、移送ラインを所望の高温に維持する加熱素子およびロッドをその長さの一部において包囲するハウジングを有する。さらに、本発明は、本装置の製造方法および使用方法、並びに本装置を利用した分析機器にも関する。
ガスクロマトグラフィーおよび液体クロマトグラフィーは、化合物を分離、同定および定量する物理的方法である。これら方法は、応用範囲が広く、例示すれば、分析化学における物質純度の測定、環境汚染物の検出、測定および/または同定、自然界に存在する物質の検出、測定、同定および/または特性化や薬剤の開発がある。
化学的成分を分離するためにガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーに利用される基本的方法は、ほぼ同じである。流動している中性キャリヤ流れにサンプル混合物を注入し、次に、注入合体したものを管即ちクロマトグラフィーカラムに流す。このカラムの内表面は、固定相と呼ばれる材料でコーティングまたは充填する。キャリヤ流れ中のサンプル混合物がカラムに流れると、流れ内の成分が移動相(流れ)および固定相に分かれ、ガスクロマトグラフィーの場合は個々の成分の相対的揮発性に応じて、そして液体クロマトグラフィーの場合は個々の成分の相対的溶解度に応じて、かつ固定相に対するそれぞれのアフィニティーに応じて程度の差はあるが、固定相によって保持される。個々の混合物成分が、固定相によってキャリヤ流れに戻された場合には、これらはカラムの出口の方に掃引され、検出器によって検出測定される。異なる化合物は、固定相によって異なる時間保持される。保持時間を測定することによって、混合物内にある特定の化合物を識別および/または同定できる。各化合物について検出器によって測定されたピーク振幅を比較することによって化合物の相対濃度を決定する。
ガスクロマトグラフィーと液体クロマトグラフィーの第1の違いは、分離モードである。ガスクロマトグラフィーの場合、サンプルを揮発させ、流動しているガスの流れによって分析カラム内に流下させる。液体クロマトグラフィーの場合は、サンプルを溶解し、流動している液体流れによって分析カラムを流下させる。ガスクロマトグラフィーと液体クロマトグラフィーの第2の違いは、液体クロマトグラフィーに使用されるカラムは、一般に、固定相で充填されているが、ガスクロマトグラフィーに利用されるカラムは、その内壁に固定相が被覆または接着されていることである。
クロマトグラフィーカラムに熱を加えてその温度を変化させると、GC測定およびLC測定が簡単になる。ガスクロマトグラフィーシステムに加熱式カラムオーブンを利用すると、分析できる化合物の数が増え、またより高分子量の化合物の揮発性を高めることによって各分析に必要な時間を短縮できる。LCカラムを加熱すると、これが2つの相状態にある混合物の成分の相対的溶解性に影響するため、分離度を高くできるだけでなく、成分である化学物質の溶離時間の繰り返し精度を改善できる。
クロマトグラフィーカラムを加熱するために多くの方法が発表されている。最も簡単で、最も普通に利用されている方法は、抵抗加熱素子を利用して、空気を加熱し、次に加熱された空気を、カラムが配置されている絶縁オーブンに流す方法である。例えば、Philyaw et al.を発明者とするUSP3,527,567には、抵抗素子で加熱されるGCオーブンが記載されている。
この抵抗素子加熱方法には、いくつかの制限がある。カラムを均等に加熱するために、クロマトグラフィーカラムの周囲に大容量の空気を急速循環させる。カラムを加熱することに加えて、空気がオーブンそれ自体を加熱する。オーブンの熱質量は、カラムよりもはるか大きいため、カラムの加熱度はこれに応じて低くなる。関連する問題は、冷却時間である。分析時にオーブンをより高い温度に加熱した後、オーブンに加えてカラムをこれらの初期温度に冷却して、次のサンプルを分析できるようにするためには、カラムのみを冷却する場合よりもかなり長い冷却時間が必要である。これら制限があるため、クロマトグラフィー分析方法および機器の処理量が少なくなる。
カラムそれ自体に抵抗加熱素子を配設して“オーブン”の周辺加熱を抑制またはなくす試みは、Green et al.を発明者とするUSP3,169,389、Burow et al.を発明者とするUSP3,232,093、およびHoltzclaw et al.を発明者とするUSP5,005,399に記載されている。これら各公報には、クロマトグラフィーカラムを抵抗加熱素子で直接包み込むか、被覆する方法が開示されている。得られた金属クラッドカラムを冷却源に隣接配置して冷却時間を短縮する方法も開示されている。この加熱方法は、実際に行うことが難しい。というのは、カラムを取り囲む抵抗加熱素子に高温や低温のスポットが発生するため、カラムの加熱が不均等になるからである。カラムが不均等に加熱されると、分析精度が劣化する。
すべての抵抗加熱式クロマトグラフィー装置のさらに別な制限は、操作が不適切な場合には、温度が所定のカラムの最大許容範囲より高い温度になり、結果的にカラムが損傷するか、あるいは破壊することである。
クロマトグラフィーカラムを加熱する別な方法は、Jordanを発明者とするUSP4,204,423に開示されているように、マイクロ波加熱である。マイクロ波加熱の潜在的な作用効果は、効率と選択性である。マイクロ波オーブンの場合、この内部に置かれた適当な物体が加熱されることになるが、オーブンそれ自体の温度は不変である。マイクロ波加熱は、材料中で起こり、マイクロ波エネルギーを吸収し、これを熱に転換する。現在普及しているクロマトグラフィーカラムは、一般的にいって、適正な吸収度でマイクロ波エネルギーを吸収しない材料で構成されている。例えば、大半のGCキャピラリーカラムはポリイミドおよび溶融シリカから構成されている。このため、マイクロ波オーブン内に置かれたときに、適正な加熱度でカラムの加熱を行わない。Jordanの装置は、これらのカラムでは実際的ではない。
さらに、USP6,514,316、USP6,316,759、USP6,182,504、USP6,093,921、USP6,029,498およびUSP5,939,614には、GCおよびLC分析におけるマイクロ波加熱の各種の態様が記載されている。いずれも、本明細書で援用するものである。これらマイクロ波加熱は、いずれも有用であるが、他の全ての加熱システムと同様に、いくつかの問題がある。一つの問題は、マイクロ波オーブン、特に高温でのマイクロ波オーブンのカラムへ物質を送ることに関連して発生するもので、伝送ラインにおける凝縮がGCおよびLC分析値に大きな悪影響を与えることである。
USP3,527,567 USP3,169,389 USP3,232,093 USP5,005,399 USP4,204,423 USP6,514,316 USP6,316,759 USP6,182,504 USP6,093,921 USP6,029,498 USP5,939,614
マイクロ波加熱式クロマトグラフィー分析機器は、高温用途でもますます普及しているが、分析機器における移送ライン冷却を原因とする凝縮問題が依然として解決できていない。従って、サンプルがマイクロ波加熱式カラムに入り、これから出る間、サンプル成分の凝縮を抑制および/または実質的になくす移送ラインが求められている。
本発明は、貫通開口を有する熱伝導率の高い部材を有する加熱式移送ライン装置を提供するものである。この部材は、第1端部から第2端部付近の位置まで延長する移送ラインを受け取るもので、第2端部がカラム端部を受け取るようになっている。また、本発明装置は、全サンプル成分を気相状態(vapor or gas phase)に維持するのに十分高い温度に上記部材および移送ラインを維持する加熱素子を有する。一般的に、サンプルの最低気化温度を上記高温として使用する。さらに、本装置は、上記部材の一部を取り囲むハウジングを有する。本装置の場合、オーブンに装入できるため、カラムの被加熱部分は、臨界距離より短い。即ち、この未加熱部分は、十分短いため、カラムの未加熱部分におけるサンプルの凝縮を抑制できるか、完全に排除できる。
また、本発明は、マイクロ波加熱装置を有するハウジング、入り口および出口を有するクロマトグラフィーカラムおよび2つの加熱式移送ライン装置を有するオーブン装置を提供するものでもある。カラムの入り口および出口は、移送ライン装置の端部に挿入できるため、カラムの入り口および出口の非加熱部分の距離を、臨界距離以下に設定できる。加熱式移送ラインの場合、全サンプル成分を気相状態に維持し、かつ移送ラインの所定の長さにそって実質的に均質な温度プロフィルを維持するのに十分高い温度に加熱できる。この実質的に均質な温度プロフィルとは、プロフィル間の温度が、所定の温度から±20℃の範囲内で変動できることを意味する。一部の実施態様では、所定の温度からの温度変動は±15℃であり、また一部の実施態様では、±10℃である。さらに、一部の実施態様では、所定の温度からの温度変動は±5℃である。ここでの移送ライン装置は、オーブンに挿入するが、その挿入距離は、カラムの未加熱部分を臨界距離未満に設定でき、しかもマイクロ波オーブンにおいて発生されるマイクロ波場を妨害しない程度に設定する。
さらに、本発明は、サンプル搬送装置を有するマイクロ波加熱式クロマトグラフィー分析機器を提供するものである。本分析機器は、マイクロ波加熱装置を有するハウジング、入り口および出口を有するクロマトグラフィーカラム、および2つの加熱式移送ライン装置、即ち一端で入り口を受け取る一つの加熱式移送ライン装置と一端で出口を受け取る一つの加熱式移送ライン装置を有するオーブン装置を有するものである。ここでの移送ライン装置は、オーブンに挿入するが、その挿入距離は、カラムの入り口および出口を受け取るのに十分な距離で、しかもハウジングにおいてマイクロ波オーブンが発生するマイクロ波場を妨害しない程度に設定するため、カラムを加熱できる。また、移送ライン装置は、ハウジング内に設けるため、カラムの露出長さを最小限に設定できる。一部の実施態様では、その長さを5mm以下に設定できる。本発明分析機器は、また、酸化装置および/または還元装置を有する検出/分析装置を有するものである。
さらに、本発明は、本発明の分析機器を設定する工程を有する、マイクロ波加熱式クロマトグラフィー分析機器の信頼性を改善する方法を提供するものである。さらに、本方法は、入力移送ラインおよびクロマトグラフィーカラムの入り口リード部分を、一端でカラムの入り口部分を受け取るようにした、オーブン装置上のサンプル搬送装置間においてサンプルを気相状態に完全に維持するのに十分高い温度に維持する工程を有する。また、本方法は、出力移送ラインおよびカラムの出口リード部分を、オーブンを検出/分析装置に接続するか、あるいは加熱装置と適宜使用する装置との間においてこの適宜使用する装置に接続する分析機器の断面において均質な加熱プロフィルを維持するのに十分高い温度に維持する工程も有する。
本発明者によれば、特に高温領域でのマイクロ波加熱式クロマトグラフィー分析機器を使用対象とする移送ライン装置を構成できることが見出された。マイクロ波加熱式クロマトグラフィー分析機器、特に高温領域でのマイクロ波加熱式クロマトグラフィー分析機器の場合、入り口温度の影響が強く、クロマトグラフィー測定データの繰り返し精度および再現性に悪影響を与える。本発明者によれば、入り口即ち注入器を、サンプルループから分析機器に注入されるか、あるいは送られている状態にあるサンプルを完全に気化するのに十分高い温度に維持することが有利なことが見出された。また、本発明者によれば、場合にもよるが、オーブンを検出器またはその他の分析機器構成部分に接続する分析機器の断面において均質な加熱プロフィルを維持することも有利であることも見出された。さらに、本発明者によれば、加熱式移送ライン装置の場合、注入器またはサンプルループからカラム入り口リード部分に至る移送ラインの長さ全体にわたって最低の気化温度を均質に維持することが必要であることが見出された。移送ラインが均質に加熱されず、そして最低の気化温度に維持されない場合、サンプルまたはサンプル成分がライン内で、あるいはカラムへの入り口で凝縮し、再現性が低くなり、時には、完全な測定を実施できなくなる。さらに、本発明者によれば、マイクロ波加熱式クロマトグラフィー分析機器の場合、許容しても分析機器性能に悪影響を与えない非加熱カラム部分の臨界的な長さがあることも見出された。一般的にいって、5mmを超えない程度(≦5mm)に上記の非加熱カラムリード部分の臨界的な長さを設定する。一部の実施態様では、臨界的な長さ即ち臨界的な距離は≦4mmに設定する。他の一部の実施態様では、≦3mmに設定する。他の一部の実施態様では、≦2mmに設定し、また≦1mmに設定することもある。事実、本発明者によれば、本発明の加熱式移送ライン装置を使用しない限り、マイクロ波加熱を利用する高温クロマトグラフィーは実現できないことが見出された。
広くいって、本発明は、近位端部キャップ、遠位端部キャップ、中位部分、近位管状部材、および遠位管状部材を有するハウジングを有する加熱式移送ライン装置に関する。この場合、両端部キャップが中位部分に嵌合して密封断熱ゾーンを形成し、そして近位管状部材が近位端部キャップから延長して装置の第1端部を形成し、サンプル導入ユニットに接続する接続部分を有する。本装置は、また、第1端部、テーパ加工した第2端部および貫通開口を有する細長い部分を有する。この細長い部分は、近位管状部材、中位部分および遠位管状部材内に設けられ、遠位管状部材から延長するため、細長い部材の第2端部が装置の第2端部を形成する。さらに、本装置は、装置の第1端部接続部分から装置の第2端部付近の位置まで延長する移送ラインを有する。さらに、本装置は、近位端部キャップから遠位管状部材の遠位端部にわたって細長い部材を取り囲み、装置間において最小温度差未満の温度差をもつ高温に上記部材および移送ラインを維持する加熱素子を有する。なお、上記の高温は、移送ラインを通過している状態のサンプルの全成分を気相状態に維持するのに十分高い温度である。また、テーパ加工第2端部は、クロマトグラフィーカラムを有するマイクロ波オーブンに挿入でき、かつカラム端部部分を受け取ることができるため、カラムの非加熱部分について、カラムの非加熱部分でのサンプル凝縮を抑制あるいは完全になくすのに十分な程度に小さくできる。
広くいって、本発明は、マイクロ波加熱装置およびマイクロ波加熱式ゾーンを有するハウジング、マイクロ波加熱式ゾーン内に設けられ、入り口および出口を有するクロマトグラフィーカラム、およびハウジング内に延長し、出口および入り口を受け取ることができるため、上記のように、出口および入り口のいずれかにおける非加熱カラムの距離を臨界距離以下に抑えることができる2つの加熱式ライン装置を有するオーブン装置を提供するものでもある。
広くいって、本発明は、サンプル搬送装置、上記のようにサンプル搬送装置に接続されたオーブン装置、および第2移送ラインの遠位端部に接続され、サンプルの成分を検出分析する検出/分析装置を有するマイクロ波加熱式クロマトグラフィー分析機器にも関する。
広くいって、本発明は、本発明の分析機器を設ける工程を有するマイクロ波加熱式クロマトグラフィー分析機器の信頼性を改善する方法にも関する。さらに、本方法は、±20℃以下の第1温度差をもつサンプル搬送装置とオーブン装置との間においてサンプルを気化状態に維持するのに十分高い第1温度に第1移送ラインを維持する工程を有する。さらに、本方法は、±20℃の第2温度差をもつオーブンと検出器との間において分離されたサンプル成分を気化状態に維持するのに十分高い第2温度に第2移送ラインを維持する工程を有する。さらに、本方法は、サンプル成分を検出/分析する工程を有する。さらに、本方法は、検出/分析の前にサンプル成分を対応する酸化物に酸化する工程を有することができる。さらに、本方法は、検出/分析に先立って、サンプル成分を対応する酸化物に酸化し、かつ酸化物の一部を対応する還元状態に還元する工程を有することができる。
広くいえば、加熱式移送ライン装置は、移送管、および入り口端部/出口端部をもつ金属ロッドを有する。ロッドは、外径(OD)および内径(ID)をもつ。ロッドのODについては、ロッドが所望の蓄熱容量をもつ程度の大きさにし、IDについては、クロマトグラフィーカラムのリード部分をちょうど受け取ることができる大きさに設定する。移送管については、カラムリード部分または接続体を受け取る部分を除いて、ロッドの長さにそって延長する。カラムリード部分を装置の出口端部に挿入したときに、リード部分の端部が移送管の端部に当接する。さらに、本装置は、ロッドおよび移送ラインを高温に加熱し、維持する加熱素子を有する。ここでの高温は、サンプル中の沸点が最も高い成分の最低気化温度以上の温度に移送ラインを維持するのに十分高い温度である。さらに、本装置は、加熱素子およびロッド長さの一部を取り囲む絶縁ハウジングを有する。さらに、本装置は、パワーを加熱素子に供給する温度制御器を有する。本装置によれば、装置の長さ間の温度差が±10℃以下に設定された温度に移送ラインを維持することができる。一部の実施態様の場合、装置長さ間の温度差については、±5℃以下に設定し、一部の実施態様の場合、±2.5℃以下に設定する。さらに、一部の実施態様の場合、±1℃以下に設定する。一部の実施態様の場合、ロッドは、熱伝導率の高い金属で構成する。一部の実施態様の場合、IDは約0.035インチに設定するが、このIDは使用するマイクロ波カラムに応じて変更可能である。不均質性という大きな問題は、金属ロッドのすぐれた熱伝導率および管の熱質量によって解決できる。さらに、本装置は、装置のほぼ中間点に熱電対を有し、制御器のフィードバックとして作用する。寿命およびパワーの点から、場合に応じて、加熱素子に酸化ジルコニウムを被覆処理する。加熱式移送ライン装置は、400℃の設定温度でその全長間にわたって±1℃以下〜±10℃以下の温度差を維持できる。一部の実施態様では、熱伝導率の高い金属でロッドを構成するため、使用する金属の熱伝導率および管の熱質量により温度の不均質性に関する問題および保守に関する問題を解決できる。本装置により、温度の不均質性に関する問題および非加熱リード部分の問題を解決できる上に、マイクロ波場の離調も起きず、危険な状態を回避できる。一般的にいって、本発明の加熱式移送ラインは、約30℃〜約500℃の範囲にある高い温度に加熱できる。正確な動作温度は、サンプルの性質によるが、一般的にいって、ここでの高温は、約100℃〜約450℃である。一部の実施態様では、約100℃〜約400℃である。
ロッドを構成する好適な金属には、制限するわけではないが、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、アンチモン(Sb)、ジルコニウム(Zr)、ベリリウム(Be)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、これらの合金、混合体や複合体がある。なお、ここでの混合体は、金属または金属合金を混合して得られる均質あるいは不均質な混合体を意味し、複合体は、これら金属あるいは合金の断面材または複合体で管を構成することを意味する。さらに、管については、異なる金属の断面材で構成することも可能である。これら金属の合金の熱伝導率は、銅真鍮と同じく、少なくとも100(W/mK)である。
添付図面を参照して、以下の詳細な説明を読めば、本発明をより良く理解できるはずである。図面中、同じ符号は同じ素子を示す。
本発明の加熱式移送ライン装置の一実施態様を示す図である。 図1の加熱式移送ライン装置を設けた本発明のクロマトグラフィー分析機器とともに使用するマイクロ波オーブンを示す図である。 図2Aのオーブンの断面を示す拡大図である。 本発明の分析機器の3つの実施態様を示すブロック図である。 本発明の分析機器の3つの実施態様を示すブロック図である。 本発明の分析機器の3つの実施態様を示すブロック図である。
ここで図1について説明すると、全体を参照符号100で示す移送ライン装置の一実施態様は、図示のように、第1端部102を有する。この第1端部102は、装置がサンプル注入器またはサンプルループをカラムに接続するか、あるいはカラムを検出器に接続するかどうかに応じて、注入器、サンプルループまたは検出器(図示省略)に接続する接続体104を有する。さらに、装置100は、移送管106、および長手貫通開口110を形成した細長い部材即ちロッド108を有する。このロッド108は、第1ロッド端部112および第2ロッド端部114を有し、この第2ロッド端部114が装置100の第2端部になる。移送管106は、接続体104から第1端部112のロッド開口110内に入り、ロッド108の長さlにそって第2ロッド端部114付近の位置116まで延長する。この位置116から第2ロッド端部114まで延長する開口110の部分118が、カラムリード部分(図示省略)を受け取る。さらに、装置100は、加熱素子120を有し、この場合、図示のように、加熱素子は素子リード部分122a&bを有する長さlの部分でロッド108に巻きまわしたワイヤで構成する。さらに、装置100は、絶縁ハウジング124を有する。このハウジング124は、第1/第2端部キャップ126a&bおよび中位部分128を有し、注意部分128が絶縁体129を有する。ハウジング124は外側に延長する近位管130を有し、これによって、ロッド108の近位部分131、接続体104とロッド108の近位端部112との間の管106の部分131、および接続体104を遮断する。さらに、ハウジング124は、近位締め付け接続体132を有し、これによって、第1端部キャップ126aの中位部分128への固定を確保する。さらに、ハウジング124は、端部接続体136を形成した外側に延長する遠位管134を有し、この管134によって、ロッド108の遠位部分および加熱素子120を遮断する。さらに、ハウジング124は、遠位締め付け接続体138を有し、これによって第2端部キャップ126bの中位部分128への固定を確保する。ロッド108の遠位端部114がカラムリード部分を受け取る。
次に、図2A&Bについて説明すると、全体を参照符号200で示す本発明のマイクロ波オーブン装置の一実施態様は、図示のように、マイクロ波オーブンハウジング202、加熱されるゾーン204、およびこのゾーン204内部に設けられたカラム206を有する。さらに、装置200は、入り口移送ライン装置208aおよび出口移送ライン装置208bを有する。2つの移送ライン装置208aおよび208bは、図1で説明したものである。移送ライン装置208a&bの遠位端部210a&bについては、マイクロ波オーブンハウジング202内に設定し、入口カラムリード部分212aおよび出口カラムリード部分212bをそれぞれ装置208a&bの遠位端部210a&bに挿入できるように構成する。遠位端部210a&bの位置については、リード部分212a&bの非加熱部分214a&bが5mm未満に設定され、かつマイクロ波オーブン内において発生されるマイクロ波場への干渉を最小限に抑えるように設定する。
[分析機器]
次に図3Aについて説明すると、全体を参照符号300で示す本発明の分析機器の一実施態様は、図示のように、サンプル供給装置302、およびクロマトグラフィーカラム308をもつ加熱ゾーン306を有するマイクロ波オーブン装置304を有する。さらに、この装置300は、サンプル供給装置302を入り口カラムリード部分312に接続する第1の加熱式移送ライン装置310を有する。さらに、装置300は、検出/分析装置314を有し、そして場合に応じて、出口カラムリード部分318を検出/分析装置314に接続する第2の加熱式移送ライン装置316を有する。サンプル供給装置302としては、ポートが一つの注入器、自動化サンプル注入システム、サンプルループ、インラインサンプルループ、数多くのサンプルをカラムに送り込む自動化サンプルループ装置、あるいは、現在利用されているか将来利用される分析機器に使用されている他の任意のサンプル供給装置が利用できる。検出/分析装置314としては、現在利用されているか、将来開発されると考えられる酸化物検出/分析システムを利用できる。制限するものではないが、IR分光計、FTIR分光計、MS分光計、UV分光計、UV蛍光分光計、ICR分光計やその他の立体検出/分析システムなどがあり、これらを併用してもよい。
次に図3Bについて説明すると、全体を参照符号300で示す本発明の分析機器の別な実施態様は、図示のように、サンプル供給装置302、およびクロマトグラフィーカラム308をもつ加熱ゾーン306を有するマイクロ波オーブン装置304を有する。さらに、この装置300は、サンプル供給装置302を入り口カラムリード部分312に接続する第1の加熱式移送ライン装置310を有する。さらに、装置300は、酸化剤供給装置322を有する酸化ユニット320、および酸化剤供給装置322と酸化ユニット320を接続する導管324を有し、そして場合に応じて、出口カラムリード部分318を酸化ユニット320に接続する第2の加熱式移送ライン装置316を有する。さらに、装置300は、検出/分析装置314を有し、そして場合に応じて、酸化ユニット320を検出/分析装置314に接続する第3の加熱式移送ライン装置326を有する。場合に応じて使用される第2の加熱式移送ライン装置316は、酸化即ち燃焼ユニット320の直ぐ上流に混合ユニットまたは煙霧化ユニット(図示省略)を有し、これから、完全に混合されたサンプル/酸化剤混合物を燃焼ユニット320に供給するか、あるいは噴霧化サンプル/酸化剤混合物を燃焼ユニット320に供給する。装置326に煙霧器を利用する場合、よく知られているように、導管324に煙霧器を接続する。サンプル供給装置302としては、ポートが一つの注入装置、自動化サンプル注入システム、サンプルループ、インラインサンプルループ、数多くのサンプルをカラムに送り込む自動化サンプルループ装置、あるいは、現在利用されているか将来利用されると考えられる分析機器に使用される他の任意のサンプル供給装置が利用できる。検出/分析装置314としては、現在利用されているか、将来開発されると考えられる酸化物検出/分析システムを利用できる。制限するものではないが、IR分光計、FTIR分光計、MS分光計、UV分光計、UV蛍光分光計、化学発光分光計、ICR分光計やその他の立体検出/分析システムなどがあり、これらを併用してもよい。検出システムが、化学発光検出器を有している場合には、検出器にオゾン源を配置するとともに、オゾン発生器と検出器との間に導管を設ける。
次に図3Cについて説明すると、全体を参照符号300で示す本発明の分析機器のさらに別な実施態様は、図示のように、サンプル供給装置302、およびクロマトグラフィーカラム308をもつ加熱ゾーン306を有するマイクロ波オーブン装置304を有する。さらに、この装置300は、サンプル供給装置302を入り口カラムリード部分312に接続する第1の加熱式移送ライン装置310を有する。さらに、装置300は、酸化剤供給装置322を有する酸化ユニット320、および酸化剤供給装置322と酸化ユニット320を接続する導管324を有し、そして場合に応じて、出口カラムリード部分318を酸化ユニット320に接続する第2の加熱式移送ライン装置316を有する。さらに、装置300は還元剤供給装置330を有する還元ユニット328、および還元剤供給装置330を還元ユニット328に接続する導管332を有する。さらに、場合に応じて、装置300は、酸化ユニット310を還元ユニット328に接続する第3の加熱式移送ライン装置326を有する。さらに、装置300は検出/分析装置314を有し、そして場合に応じて、還元ユニット328を検出/分析装置314に接続する第4の加熱式移送ライン装置334を有する。場合に応じて使用される第2の加熱式移送ライン装置316は、酸化即ち燃焼ユニット320の直ぐ上流に混合ユニットまたは煙霧化ユニット(図示省略)を有し、これから、完全に混合されたサンプル/酸化剤混合物を燃焼ユニット320に供給するか、あるいは噴霧化サンプル/酸化剤混合物を燃焼ユニット320に供給する。サンプル供給装置302としては、ポートが一つの注入装置、自動化サンプル注入システム、サンプルループ、インラインサンプルループ、数多くのサンプルをカラムに送り込む自動化サンプルループ装置、あるいは、現在利用されているか将来利用される分析機器に使用されると考えら得る他の任意のサンプル供給装置が利用できる。検出/分析装置314としては、現在利用されているか、将来開発されると考えられる酸化物検出/分析システムを利用できる。制限するものではないが、IR分光計、FTIR分光計、MS分光計、UV分光計、UV蛍光分光計、化学発光分光計、ICR分光計やその他の立体検出/分析システムなどがあり、これらを併用してもよい。検出システムが、化学発光検出器を有している場合には、検出器にオゾン源を配置するとともに、オゾン発生器と検出器との間に導管を設ける。
本開示において言及した従来例はいずれも本発明に援用するものである。なお、本発明を好適な実施態様について説明してきたが、当業者ならば、以上説明し、かつ特許請求の範囲に記載した発明の範囲および精神から逸脱しなくても各種の適正な変更などが可能であることを理解できるはずである。

Claims (4)

  1. 内部に流れるサンプルを気相状態に維持できる十分高い温度に設定され、未加熱状態部分を十分小さくして凝縮を防止した加熱式クロマトグラフィー装置において、
    マイクロ波加熱装置およびマイクロ波加熱式ゾーンを有するハウジング、
    マイクロ波加熱式ゾーン内部に配置され、テーパ加工した入り口およびテーパ加工した出口を有するクロマトグラフィーカラム、
    上記ハウジング内に延長する2つの加熱式移送ライン装置であって、これらのうちの第1加熱式移送ラインを上記テーパ加工入口に接続し、そして第2加熱式移送ラインを上記テーパ加工出口に接続し、これら第1および第2加熱式移送ライン装置が、
    近位端部キャップ、遠位端部キャップ、中位部分、近位管状部材、および遠位管状部材を有する装置ハウジングであって、両端部キャップが中位部分に嵌合して密封絶縁ゾーンを形成し、上記近位管状部材が上記近位端部キャップから延設し、上記の第1加熱式移送ライン装置に取り付けられて上記サンプルを受け取るか排出する装置ハウジングを有する加熱式移送ライン装置、
    第1端部、テーパ加工した第2端部および貫通開口を有する細長い部材であって、上記近位管状部材、上記中位部分、および上記遠位管状部材内部に配設されるとともに、上記遠位管状部材から延長するため、上記のテーパ加工した第2端部が上記クロマトグラフィーカラムの上記のテーパ加工した入口または出口に接続できる細長い部材、
    上記の細長い部材に全長にわたって設けられる、上記開口によって形成した移送ライン、
    上記近位端部キャップから上記遠位管状部材の遠位端部にわたって上記細長い部材を取り囲む加熱素子であって、その間に上記の高温を維持して、上記移送ライン中に上記気相状態を維持する加熱素子、
    凝縮を引き起こさずに上記クロマトグラフィーカラムの上記のテーパ加工入口または上記テーパ加工出口のいずれかに接続する上記の細長い部材のテーパ加工第2端部、
    上記の第2加熱式移送ライン装置の上記第1端部に接続され、上記サンプルを検出/分析する前に対応する酸化物に酸化する酸化装置、および
    上記酸化装置に接続され、上記サンプルの成分を検出/分析する検出/分析装置を有することを特徴とする加熱式クロマトグラフィー装置。
  2. さらに、上記検出/分析装置の前に、検出/分析に先だって上記酸化物の一部を対応する還元状態に還元する還元装置を有する、内部に流れるサンプルを気相状態に維持できる十分高い温度に設定され、未加熱状態部分を十分小さくして凝縮を防止した請求項1に記載の加熱式クロマトグラフィー装置。
  3. 上記移送ラインの未加熱状態部分を5mm未満に設定した、内部に流れるサンプルを気相状態に維持できる十分高い温度に設定され、未加熱状態部分を十分小さくして凝縮を防止した請求項2に記載の加熱式クロマトグラフィー装置。
  4. 内部に流れるサンプルを気相状態に維持できる充分高い温度に設定され、上記高温が30℃〜500℃の範囲にあり、温度のバラつきが±20℃以下である請求項3に記載の加熱式クロマトグラフィー装置。
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