JP4882735B2 - 連鋳鋳造鋼片の切断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連鋳鋳造鋼片の切断方法に関するものであり、特に、連続鋳造鋼片切断時で使用する補正係数の算出方法に関するものである。
連続鋳造設備では、取鍋により運搬された溶鋼は、取鍋の底部よりタンディッシュ内に注がれた後、ここで一時貯留され安定した流れとなって鋳型に導かれる。そして溶鋼は鋳型内で冷却され周囲が凝固してシェルが形成され、オッシレーションで振動されながら引抜かれた後、スプレー帯からの冷却水にて冷却されると共に湾曲したローラエプロンによって水平に矯正されたストランドとなる。このストランドは1次ピンチロールにてトーチカーへ給送され、ここで所定長の鋳片に溶断される。
このような製造過程において切断すべき鋳片長は、後続プロセスにおける請求重量に応じて、公称単位重量 (以後、公称単重という) とこれを補正する補正係数とから求められていた。ここで公称単重とは、鋳型の断面積及び溶鋼の成分より定まる比重を用いて求められるストランドの単位長さ当たりの重量であるが、例えばストランドの断面積は鋳型から引抜かれた直後と冷却された後とは変化するため、補正係数を用いて切断直前のストランドの単位重量に補正される。
この補正係数は、これまで連鋳オペレータが経験に基づいて決定、または、補正係数のテーブルを設けてそれに従っての操業が行われていた。しかし、オペレータにより補正係数の指定にばらつきがあるため鋼片重量が目標に対してばらつくという問題点がある。また、工程において発生する条件に変化が生じた時、補正係数のテーブルを見直す必要があるという問題点もある。
そこで、特許文献1に開示された技術がある。この技術は、切断された複数の鋳片に関する鋳込条件情報及び該複数の鋳片の重量より前記補正係数に対する鋳込条件情報の寄与率を求め、該寄与率及び切断すべき鋳片に関する鋳込条件情報から切断すべき鋳片に係る補正係数を求め、該補正係数を用いて所要の重量となる鋳片の長さを求めるものである。
特開平6−114519号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、それまでに切断されたすべての鋳片を対象にそれらに合う寄与率を求めるようにしているため、例えば、これから切断しようとしている鋳片が、それまで余りデータの少ない又は条件が大きく異なるといった鋳込条件情報の場合には、鋼片重量が目標に対してばらつくという問題点がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、鋼片重量が目標に対してばらつかない補正係数を決定する連鋳鋳造鋼片の切断方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、連続鋳造製造過程において対象とする新規な連鋳鋳造鋼片の切断方法であって、前記連鋳鋳造鋼片の鋼片重量に影響を与える補正係数を決定するにあたり、過去の実績操業データベースに収められた操業条件を表す実績入力変数と、前記連鋳鋳造鋼片の新規入力変数との類似度を計算する類似度計算工程と、計算された類似度が高い所定数のデータを選択し、選択されたデータに対する重み付け係数を計算する重み付け計算工程と、選択されたデータを用いて、モデルを作成するモデル作成工程と、作成したモデルから前記補正係数を算出する補正係数算出工程とを、有することを特徴とする連鋳鋳造鋼片の切断方法である。
また請求項2に係る発明は、請求項1に記載の連鋳鋳造鋼片の切断方法において、前記入力変数は、少なくとも鋳込速度、比水量、鋼片表面速度、およびモールドから2次冷却帯までの鋼片通過時間のいずれかを含むことを特徴とする連鋳鋳造鋼片の切断方法である。
さらに請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の連鋳鋳造鋼片の切断方法において、
前記データ選択には、対象とする新規な連鋳鋳造鋼片の新規入力変数および前記実績操業データベースに収められた実績入力変数を、前記実績操業データベースに収められた実績入力変数の統計量でそれぞれ正規化し、
この正規化された、新規入力変数と実績入力変数との差のノルムを算出して、この算出されたノルムが小さい所定数の実績操業データを類似度の高いデータとして選択することを特徴とする連鋳鋳造鋼片の切断方法である。
本発明は、補正係数を決定すべき各鋼片について、それぞれの鋼片毎に最適な回帰式を作成し、作成した回帰式に基づいて補正係数を決定するようにしたので、鋼片重量の適中精度が良くなり歩留まりを向上することができる。また、各鋼片毎に回帰式を作成するようにしているので、工程で条件の変化が生じても迅速に対応することができる。
本発明では、補正係数の決定に当たり、補正係数を直接計算することのできる近似モデルを作成し、作成した近似モデルから補正係数を計算する。そして本発明では、この近似モデルを作成するに当たり、補正係数の計算対象となる鋼片と類似した過去の鋼片を集め、その集まった実績データから適切なモデルを構築する。このモデルの構築方法は数多く考えられるが、本発明は、そのうちの1つの方法を提供するものであり、そして、この手法は、補正係数指定の対象となる鋼片の操業条件の近傍を集め、その近傍で成立するモデルをその都度構築するというものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面および式を用いて説明する。図1は、本発明による補正係数決定方法を示すフローチャートである。
先ず、S1およびS2にて、新規および実績鋳込条件を、上位計算機または事例データベースより入力する。ここで、入力変数および鋼片重量を、以下に示すように定義する。なお、入力変数については、以下は例示であり他の変数を用いるようにしても良い。
X :入力変数
Y:鋼片重量
ここで、
n:データ数
n=0の時は、推定したい新規鋼片のデータ
n=1〜Nの時は、過去の鋼片の実績データ
m:各入力変数を表す添字であり、例えば、以下の種類がある。
m=1:鋳込速度、m=1:比水量
m=3:鋼片表面温度、m=4:モールドから2次冷却帯までの鋼片通過時間
m=5:補正係数、m=6:日付
次に、S3にて、各入力変数の最小値Xm、minおよび最大値Xm、maxの計算を行う。そして、S4にて、以下の(1)式より、入力変数の正規化を行う。
Figure 0004882735
そして、S5にて、過去の実績データと推定したい新規鋼片のデータとの類似度計算を行う。ここ計算には、例えば、以下の(2)式のような2-normとして計算するが、他の距離測度を利用してもよい。
Figure 0004882735
さらに、類似度の高い順に並べ替えて、k番目(例えば、400番目)までのデータに、以下の(3)式に示す重み付け係数Wkを計算する(S6)。
Figure 0004882735
次に、S7にて、選択した類似度の高いデータを用いて重み付け最小二乗法により、以下の(4)式に示すような、目標鋼重量Yを求める線形重回帰モデルを作成する。
Figure 0004882735
そして、最終的にS8にて、(4)式を(5)式のように変形して、推定したい鋼片に対する補正係数を求める。
Figure 0004882735
以下、本発明に係る実施例について説明する。なお、本実施例は発明の有効性を示すためのものであり、かつ、一例を示したものである。従って、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
本実施例では、補正係数指定鋼片として非定常部(鍋交換等のイベントが発生した部分)について扱った。要因項目としては、鋳込速度、比水量、鋼片表面温度、モールドから2次冷却帯までの鋼片通過時間の操業条件を用いた。抽出した類似データに基づいて最小二乗法により回帰式を作成し、作成した回帰式に基づいて補正係数を算出し、そして、この補正係数を使用した場合の鋼片重量の適中精度をシミュレーションにより評価した。
図2は、本発明で提案する方法と従来法との比較例を示す図である。目標とした鋼片重量に対する適中度合いを割合で示す付加重量を横軸に、縦軸に鋼片数をとっており、図2に示すように、提案法は従来法と比べて鋼片重量のばらつきを削減することができていることが分かる。
本発明による補正係数決定方法を示すフローチャートである。 本発明で提案する方法と従来法との比較例を示す図である。

Claims (3)

  1. 連続鋳造製造過程において対象とする新規な連鋳鋳造鋼片の切断方法であって、
    前記連鋳鋳造鋼片の鋼片重量に影響を与える補正係数を決定するにあたり、
    過去の実績操業データベースに収められた操業条件を表す実績入力変数と、前記連鋳鋳造鋼片の新規入力変数との類似度を計算する類似度計算工程と、
    計算された類似度が高い所定数のデータを選択し、選択されたデータに対する重み付け係数を計算する重み付け計算工程と、
    選択されたデータを用いて、モデルを作成するモデル作成工程と、
    作成したモデルから前記補正係数を算出する補正係数算出工程とを、
    有することを特徴とする連鋳鋳造鋼片の切断方法。
  2. 請求項1に記載の連鋳鋳造鋼片の切断方法において、
    前記入力変数は、少なくとも鋳込速度、比水量、鋼片表面速度、およびモールドから2次冷却帯までの鋼片通過時間のいずれかを含むことを特徴とする連鋳鋳造鋼片の切断方法。
  3. 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の連鋳鋳造鋼片の切断方法において、
    前記データ選択には、対象とする新規な連鋳鋳造鋼片の新規入力変数および前記実績操業データベースに収められた実績入力変数を、前記実績操業データベースに収められた実績入力変数の統計量でそれぞれ正規化し、
    この正規化された、新規入力変数と実績入力変数との差のノルムを算出して、この算出されたノルムが小さい所定数の実績操業データを類似度の高いデータとして選択することを特徴とする連鋳鋳造鋼片の切断方法。
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