JP4884518B2 - アナログ−デジタル変換器 - Google Patents

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Description

本発明は、逐次比較型アナログ−デジタル変換器(SAR ADC)に関し、特に電荷共有(Charge-Sharing)SAR ADCに関する。
マイクロコンピュータやシステムLSIに搭載するアナログ−デジタル変換器(ADC)は、小型化および高精度化の観点から逐次比較(SAR)型が多く用いられている。一般的なSAR ADCは、DA変換器を利用し、アナログ入力信号の電圧とDA変換器の出力電圧をコンパレータで比較し、比較結果に基づいてDA変換器に与えるデジタル信号を高位ビットから順に決定する。言い換えれば、DA変換器を利用するSAR ADCでは、近似するデジタル値を算出する信号処理が電圧で行われる。一般的なSAR ADCでは、動作速度がDA変換器の出力の整定時間により制限されるため高速化が難しく、高速化するために駆動能力の大きな素子を使用すると、消費電力が増大するという問題があった。
このような問題を解決するため、近年、非特許文献1および2に、高速動作および低消費電力を実現できるSAR ADCとして、電荷共有SAR ADCが提案されている。電荷共有SAR ADCでは、近似するデジタル値を算出する信号処理が電荷で行われる。電荷共有SAR ADCの構成および動作について図を参照して説明する。
図1は、アナログ入力信号Vinの電圧をnビットのAD変換デジタル信号に変換して出力する電荷共有SAR ADCの構成を示す図である。図1に示すように、電荷共有SAR ADCは、入力信号容量Csと、複数の参照容量回路11−1…11−n−1と、コンパレータ12と、制御回路13と、を備える。
入力信号容量Csは、一方の端子(入力端子)がスイッチSW1を介してアナログ入力信号Vinの入力端子に接続され、他方の端子(基準端子)が基準電位(ここではGND)の電源に接続される。
参照容量回路11−1は、参照容量C1と、参照容量C1の一方の端子を参照電圧Vrefの電源に接続するスイッチSW11と、参照容量C1の他方の端子を基準電位GNDの電源に接続するスイッチSW12と、参照容量C1の一方の端子を入力信号容量Csの入力端子に接続するスイッチSW13と、参照容量C1の他方の端子を入力信号容量Csの基準端子(ここではGND)に接続するスイッチSW14と、参照容量C1の他方の端子を入力信号容量Csの入力端子に接続するスイッチSW15と、参照容量C1の一方の端子を入力信号容量Csの基準端子(ここではGND)に接続するスイッチSW16と、を備える。このような構成により、SW13〜SW16を開状態にし、SW11およびSW12を閉状態にすることにより、参照容量C1は、参照電圧Vrefに充電される。さらに、参照容量C1は、SW11、SW12、SW15およびSW16を開状態にし、SW13およびSW14を閉状態にすることにより、一方の端子が入力信号容量Csの入力端子に、他方の端子が入力信号容量Csの基準端子に接続される順接続状態になり、SW11〜SW14を開状態にし、SW15およびSW16を閉状態にすることにより、一方の端子が入力信号容量Csの基準端子に、他方の端子が入力信号容量Csの入力端子に接続される逆接続状態になる。
他の参照容量回路11−2〜11−n−1は、参照容量回路11−1と同じ構成を備えるが、参照容量C1〜Cn−1の容量値が異なる。参照容量Cn−1〜C1および入力信号容量Csの容量値は、1:2:4…2n−2:2n−1、すなわち2の累乗の比率に設定される。
コンパレータ12は、入力信号容量Csの入力端子の電圧が、基準電位(GND)より高いか低いかを判定する。
制御回路13は、コンパレータ12の判定結果に基づいて、入力信号容量Csの入力端子の電圧が基準電位GNDに近づくように、参照容量回路11−1〜11−n−1を、接続状態を選択しながら順次入力信号容量Cs接続し、すべての参照容量回路11−1〜11−n−1の入力信号容量Csへの接続がすべて終了した時の参照容量回路11−1〜11−n−1の接続状態および最後の判定結果から、アナログ入力信号の電圧に対応するデジタル値を算出する。
図2から図4は、図1の電荷共有SAR ADCの動作を説明する図である。ここでは、説明を簡単にするために、n=3の場合、すなわち3ビットの場合を例として説明する。したがって、2個の参照容量回路11−1および11−2が設けられ、参照容量C2、C1および入力信号容量Csの容量値は、1:2:4であり、C、2C、4Cで表す。また、この電荷共有SAR ADCがデジタル変換できるアナログ入力信号Vinは、+Vrefから−Vrefの範囲であり、この範囲外のVinは“111”または“000”になる。
電荷共有SAR ADCの動作を、図2から図4を参照して説明する。
まず、サンプリングステップを行う。サンプリングステップでは、図2の(A)に示すように、SW1を閉状態にして入力信号容量Csにアナログ入力信号Vinを印加すると共に、参照容量回路11−1、11−2において、SW11およびSW12を閉状態に、SW13〜SW16を開状態にして、参照容量C1、C2に参照電圧Vrefを印加する。この後、SW1を開状態に、SW11およびSW12を開状態にする。これにより、入力信号容量Csには、Qin=4C×Vinの電荷が蓄積され、参照容量C1およびC2に、2C×VrefおよびC×Vrefが蓄積される。
第1比較ステップでは、図2の(B)に示すように、コンパレータ12が、入力信号容量Csの入力端子の電圧が、GNDより高いか低いかを判定する。
第2比較ステップでは、第1比較ステップの判定結果が“1”の場合、図3の(A)に示すように、参照容量回路11−1のSW15およびSW16を閉状態にし、参照容量C1の一方の端子が入力信号容量Csの基準端子に、参照容量C1の他方の端子が入力信号容量Csの入力端子に接続される逆接続状態で接続される。これにより、入力信号容量Csおよび参照容量C1に蓄積された電荷の合計Qx=4C×Vin−2C×Vrefとなり、基準端子の電圧Vx=Qx/(4C+2C)=(4×Vin−2×Vref)/6となる。この状態で、コンパレータ12が比較を行う。
また、第1比較ステップの判定結果が“0”の場合、図3の(B)に示すように、参照容量回路11−1のSW13およびSW14を閉状態にし、参照容量C1の一方の端子が入力信号容量Csの入力端子に、参照容量C1の他方の端子が入力信号容量Csの基準端子に接続される順接続状態で接続される。これにより、入力信号容量Csおよび参照容量C1に蓄積された電荷の合計Qx=4C×Vin+2C×Vrefとなり、基準端子の電圧Vx=Qx/(4C+2C)=(4×Vin+2×Vref)/6となる。この状態で、コンパレータ12が比較を行う。
第3比較ステップでは、第2比較ステップの判定結果が“1”の場合、図4の(A)に示すように、参照容量回路11−2のSW15およびSW16を閉状態にし、参照容量C2の一方の端子が入力信号容量Csの基準端子に、参照容量C2の他方の端子が入力信号容量Csの入力端子に接続される逆接続状態で接続される。第2比較ステップを行った時の入力信号容量Csおよび参照容量C1に蓄積された電荷の合計をQx2とすると、この参照容量C2により、Qx=Qx2−C×Vrefとなり、基準端子の電圧Vx=Qx/(4C+2C+C)=(Qx2−C×Vref)/7となる。この状態で、コンパレータ12が比較を行う。
また、第2比較ステップの判定結果が“0”の場合、図4の(B)に示すように、参照容量回路11−2のSW13およびSW14を閉状態にし、参照容量C2の一方の端子が入力信号容量Csの入力端子に、参照容量C2の他方の端子が入力信号容量Csの基準端子に接続される順接続状態で接続される。これにより、Qx=Qx2+C×Vrefとなり、基準端子の電圧Vx=Qx/(4C+2C+C)=(Qx2+C×Vref)/7となる。この状態で、コンパレータ12が比較を行う。
ここで、Vinの具体的な電圧値を例として説明を行う。図5は、0(GND)<Vin<+Vref/4である場合の入力端子の電圧Vxの変化例を説明する図であり、この場合のデジタル変換値は“100”であることが正しい変換結果である。
第1比較ステップの時には、図5の(A)に示すように、入力信号容量Csに蓄積された電荷Qx=4C×Vinであり、基準端子の電圧Vx=Qx/4C=Vinとなり、0(GND)<Vin<+Vref/4であるから、判定結果は“1”となる。
第2比較ステップの時には、図5の(B)に示すように、Qx=4C×Vin−2C×Vref、Vx=(4×Vin−2×Vref)/6であり、0(GND)<Vin<+Vref/4であるから、判定結果は“0”となる。
第3比較ステップの時には、図5の(C)に示すように、Qx=4C×Vin−2C×Vref−C×Vref=(4×Vin−3×Vref)C、Vx=(4×Vin−3×Vref)/7であり、0(GND)<Vin<+Vref/4であるから、判定結果は“0”となる。
以上のようにして、変換デジタル値は“100”になる。
上記の電荷共有SAR ADCでは、参照容量Cn−1〜C1および入力信号容量Csの容量値は、1:2:4…2n−2:2n−1、すなわち2の累乗の比率に設定される。このような比率を2の累乗に設定する方法は、2進アルゴリズムと呼ばれ、デジタル値に変換する場合にもっとも効率のよい方法であり、一般に使用されている。
非特許文献2は、電荷共有SAR ADCにおいて、容量値が2進アルゴリズムで変化する複数の容量に加えて、最小重みの容量を1個余計に設け、前半で低消費電力および高ノイズのコンパレータを使用し、後半で高消費電力および低ノイズのコンパレータを使用し、最後に最小重みの容量を付加して判定するステップを余計に設け、一層の低消費電力化を図ると共に、前半で使用する高ノイズのコンパレータの誤判定を補正することを提案している。
また、非特許文献3および4は、DA変換器を使用したSAR ADCにおけるDA変換器の不完全整定誤差を補正するため、非2進(冗長)アルゴリズムを使用することを提案している。
また、非特許文献5は、DA変換器を使用したSAR ADCにおける非2進(冗長)アルゴリズムについて記載している。
非特許文献3から5のいずれも、電荷共有SAR ADCについては記載していない。
J.Craninckx and G.Van der Plas, "A 65fJ/Conversion-Step 0-to-50MS/s 0-to-0.7mW 9b Charge-Sharing SAR ADC in 90nm Digital CMOS", ISSCC Dig. Tech. Papers, pp. 246-247, Feb. 2007 V.Giannini, P.Nuzzo, V.Chironi, A.Baschirotto, G.V.Plas, J.Craninckx, "An 820uW 9b 40MS/s Noise-Tolerant Dynamic-SARADC in 90nm Digital CMOS", ISSCC (Feb. 2007) F.Kuttner "A 1.2V 10b 20MS/S Non-Binary Successive Approximation ADC in 0.13um CMOS"Tech. Digest of ISSCC (Feb. 2002) M.Hesener, T.Eichler, A.Hanneberg, D.Herbison, F.Kuttner, H.Wenske"A 14b 40MS/s Redundant SAR ADC with 480MHz Clock in 0.13um CMOS"Tech. Digest of ISSCC (Feb. 2007) T.Ogawa, H.Kobayashi, M.Hotta, Y.Takahashi, H.San, N.Takai "SAR ADC Algorithm with Redundancy", IEEE Asia Pacific Conference on Circuits and Systems, Macao, pp.268-271, Dec. 2008
コンパレータは製造バラツキの関係からオフセットを有する。DA変換器を使用する一般的なSAR ADCでは、コンパレータのオフセットは、ADC全体のオフセットとなり、レベルがシフトするだけで、ADCの線形性に問題は生じない。これに対して、電荷共有SAR ADCでの電荷による信号処理では、コンパレータのオフセットが、入力換算オフセットの形で影響するため、ADCの線形性が劣化する。この問題は、コンパレータの入力換算オフセットは電圧であり、比較ステップが進むに従って参照容量が追加されるため、電荷換算オフセットが増加するのが原因である。
図6は、図2から図5で説明した3ビット電荷共有SAR ADCにおける電荷換算オフセットの変化を示す図である。コンパレータのオフセットをVoffとすると、第1比較ステップでは電荷換算オフセットは4C×Voffであるが、第2比較ステップでは6C×Voff、第2比較ステップでは7C×Voffという具合に電荷換算オフセットが変化する。
この問題を解決するため、非特許文献1および2は、コンパレータ内部に可変容量を設け、オフセットが1/2LSB以内になるように調整することを記載している。
しかし、非特許文献1および2に記載されたようにオフセット調整して小さくするにはその分回路が複雑になり、製造工程にオフセット調整工程を設ける必要があり、その分コストが増加するという問題がある。
本発明は、簡単な構成で高精度と高速性の両方を満たす電荷共有SAR ADCを実現することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明の電荷共有SAR(Successive Approximation Register)アナログ−デジタル変換器(ADC)は、非2進アルゴリズムを適用し、入力信号容量および1個以上の参照容量の容量値が非2進であるように設定する。
すなわち、本願発明の電荷共有SARアナログ−デジタル変換器は、サンプリング時にアナログ入力信号が印加される入力端子と、基準電位に接続される基準端子と、を有し、サンプリング時に印加されるアナログ入力信号の電圧に対応した電荷量を保持する入力信号容量と、サンプリング時に印加される参照電圧の電圧に対応した電荷量を保持する1個以上の参照容量であって、各参照容量の2つの端子は、入力信号容量の入力端子と基準端子に、順接続状態と逆接続状態のいずれかの接続状態で接続可能に構成された1個以上の参照容量と、入力信号容量の入力端子の電圧が、基準電位より高いか低いかを判定するコンパレータと、コンパレータの判定結果に基づいて、入力信号容量の入力端子の電圧が基準電位に近づくように、1個以上の参照容量の入力信号容量との接続状態を選択しながら順次接続し、コンパレータの判定結果を合わせた結果からアナログ入力信号の電圧に対応するデジタル値を算出する制御回路と、を備えるアナログ−デジタル変換器であって、入力信号容量および1個以上の参照容量の容量値は、非2進で設定されていることを特徴とする。
入力信号容量および1個以上の参照容量の容量値は、すべて異なることが望ましい。
本発明によれば、冗長な非2進アルゴリズムを適用するため、参照容量の個数および比較処理(ステップ)の回数は若干増加するが、コンパレータのオフセットばらつきの許容範囲を広くできる。
本発明によれば、高速動作可能な電荷共有SAR ADCの精度が向上し、製造時の歩留まりを改善できる。
図1は、一般的な電荷共有SAR ADCの構成例を示すブロック図である。 図2は、電荷共有SAR ADCにおける変換動作を説明する図である。 図3は、電荷共有SAR ADCにおける変換動作を説明する図である。 図4は、電荷共有SAR ADCにおける変換動作を説明する図である。 図5は、電荷共有SAR ADCにおける、あるアナログ入力信号値に対する比較ステップと判定結果を説明する図である。 図6は、3ビット電荷共有SAR ADCにおける電荷換算オフセットの変化を示す図である。 図7は、本発明の実施形態の電荷共有SAR ADCの構成を示す図である。 図8は、実施形態の電荷共有SAR ADCにおける入力信号容量、複数個の参照容量およびコンパレータの部分の構成を示す図である。 図9は、実施形態の電荷共有SAR ADCにおける参照容量の容量値および許容誤差を示す図である。
図7は、本発明の実施形態の10ビット電荷共有SAR ADCの構成を示す図であり、図8は、実施形態の電荷共有SAR ADCにおける入力信号容量、複数個の参照容量およびコンパレータの部分の構成を示す図である。
図7に示すように、実施形態の電荷共有SAR ADCは、C_array22およびコンパレータ12を有する比較処理部21と、タイミング発生回路25と、Cレジスタ26と、シフトレジスタ27と、メモリー28と、加算器29と、減算器30と、マルチプレクサ31と、Aレジスタ32と、AD_outレジスタ33と、を備える。比較処理部21を除く部分が、図1の制御回路13に相当する部分を形成する。
図8に示すように、C_array22は、スイッチSW1と、入力信号容量Csと、10個の参照容量回路23−1…23−10と、を備える。図8に示すように、各参照容量回路の構成は、図1に示した従来の電荷共有SAR ADCと同じ構成を有する。しかし、従来のnビット電荷共有SAR ADCは、n−1個、すなわち10ビットの場合は9個の参照容量回路を備えるのに対して、本実施形態の10ビット電荷共有SAR ADCは、10個の参照容量回路を備え、10個の参照容量回路に設けられる参照容量C1〜C10および入力信号容量の容量値が、非2進アルゴリズムに従って設定されていることが図1に示した従来の電荷共有SAR ADCと異なる。参照容量回路は、10個設けられているため、比較ステップは11ステップ行われることになる。参照容量回路23−1…23−10のスイッチSW11およびSW12は、信号sample_CLKにより制御され、スイッチSW13〜SW16は、シフトレジスタ27の出力する信号SR_outで制御される。
図9は、参照容量C1〜C10(C(k)(k=1〜9))の容量値Cu(k)、許容される1LSB換算のオフセット誤差er(k)、およびLSBで表した誤差許容値を示す。容量値Cu(k)は、C10の容量値を1として相対値で示す。なお、入力信号容量Csの容量値は、C10の容量値の512倍で、C10の容量値をCとすると、512Cである。図9に示した参照容量の容量値Cu(k)の設定については後述する。
図7に戻り、タイミング発生回路25は、リセット信号ResetおよびクロックCLKを受けて、各部を制御するタイミング信号sample_CLK, SR_Reset, SR_CLK, Comp, CR_CLK, address1-11, AR_Reset, AR_CLK, AD_out_CLKを発生して出力する。
sample_CLKは、サンプリング期間オンになる信号で、図8のSW1および各参照容量回路のスイッチSW11、SW12は、sample_CLKがオンの期間閉状態になり、それ以外の期間は開状態になる。
コンパレータ12は、信号compに応じて比較動作結果を出力する。
Cレジスタ26は、信号CR_CLKに応じてコンパレータ12の出力をラッチしてComp_outとして出力する。
シフトレジスタ27は、信号SR_Resetに応じて保持している値をリセットした後、信号SR_CLKに応じてCレジスタ26の出力を順に取り込んでレジスタに格納し、信号SR_outとして出力する。
メモリー28は、ROMで構成され、入力信号容量Csおよび参照容量C1〜C10の容量値に対応する値を信号address1-10に対応させて記憶しており、入力された信号address1-10に応じて記憶された値を出力する。また、メモリー28は、信号address11に対応させて、加算器29には“0”を、減算器30には“1”を出力するように値を記憶している。
加算器29は、Aレジスタ32の出力値にメモリー28の出力値を加算してマルチプレクサ31に出力し、減算器30は、Aレジスタ32の出力値からメモリー28の出力値を減算してマルチプレクサ31に出力する。
マルチプレクサ31は、Cレジスタ26の出力する判定結果に基づいて加算器29または減算器30の出力の一方を選択して出力する。
Aレジスタ32は、信号AR_Resetに応じてあらかじめ設定されている初期値を出力し、それ以降信号 AR_CLKに応じてマルチプレクサ31の出力をラッチし、加算器29および減算器30に出力する。
AD_outレジスタ33は、AD_out_CLKに応じてマルチプレクサ31の出力をラッチし、デジタル変換値として出力する。
次に、実施形態の10ビット電荷共有SAR ADCの動作を説明する。実施形態の電荷共有SAR ADCは、1回のサンプリングステップと11回の比較ステップを行い、各ステップは1クロックで行われる。前述のように、従来の10ビット電荷共有SAR ADCは、9個の参照容量回路を備えており、1回のサンプリングステップと10回の比較ステップを行うのに対して、実施形態の10ビット電荷共有SAR ADCは、10個の参照容量回路23−1…23−10を備えており、11回の比較ステップを行う。10個の参照容量回路23−1…23−10は、10個の参照容量C1〜C10を備えており、参照容量C1〜C10および入力信号容量Csの容量値は、図9に示すように、非2進アルゴリズムに従って重み付けされている。
まず、信号Resetに応じて、サンプリングステップを行う。サンプリングステップでは、従来例と同様に、SW1を閉状態にして入力信号容量Csにアナログ入力信号Vinを印加すると共に、参照容量回路23−1…23−10において、SW11およびSW12を閉状態に、SW13〜SW16を開状態にして、参照容量C1〜C10に参照電圧Vrefを印加する。この後、SW1を開状態に、SW11およびSW12を開状態にする。これにより、入力信号容量Csには、Qin=512C×Vinの電荷が蓄積され、参照容量C1〜C10に、Cu(k)×Vref(k=1〜10)が蓄積される。さらに、Aレジスタ32は、初期値512、すなわち10ビットのデジタル値の中間値を出力するように設定される。
第1比較ステップでは、コンパレータ12が、入力信号容量Csの入力端子の電圧が、GNDより高いか低いかを判定する。この時、メモリー28は、1番目のアドレスに記憶されたC1のCu(1)=237を出力し、加算器29はAレジスタ32の出力する初期値512に237を加算した値749を、減算器30はAレジスタ32の出力する初期値512から237を減算した値275を、それぞれ出力する。マルチプレクサ31は、判定結果が“高(1)”の場合は加算器29の出力する値749を、判定結果が“低(0)”の場合は減算器30の出力する値275を選択し、Aレジスタ32は、マルチプレクサ31の出力する値をラッチして出力する。
第2比較ステップでは、第1比較ステップの判定結果が“1”の場合、参照容量回路23−1のSW15およびSW16を閉状態にし、参照容量C1の一方の端子が入力信号容量Csの基準端子に、参照容量C1の他方の端子が入力信号容量Csの入力端子に接続される逆接続状態で接続される。これにより、入力信号容量Csおよび参照容量C1に蓄積された電荷の合計Qx=512C×Vin−237C×Vrefとなり、基準端子の電圧Vx=Qx/(512C+237C)=(512×Vin−237×Vref)/749となる。この状態で、コンパレータ12が比較を行う。
また、第1比較ステップの判定結果が“0”の場合、参照容量回路23−1のSW13およびSW14を閉状態にし、参照容量C1の一方の端子が入力信号容量Csの入力端子に、参照容量C1の他方の端子が入力信号容量Csの基準端子に接続される順接続状態で接続される。これにより、入力信号容量Csおよび参照容量C1に蓄積された電荷の合計Qx=512C×Vin+237C×Vrefとなり、基準端子の電圧Vx=Qx/(512C+237C)=(512×Vin+237×Vref)/749となる。この状態で、コンパレータ12が比較を行う。
この時、メモリー28は、2番目のアドレスに記憶されたC2のCu(2)=127を出力し、加算器29はAレジスタ32の出力する値(749または275)に127を加算した値(876または402)を、減算器30はAレジスタ32の出力する値(749または275)から127を減算した値(622または148)を、それぞれ出力する。マルチプレクサ31は、判定結果が“高(1)”の場合は加算器29の出力する値(876または402)を、判定結果が“低(0)”の場合は減算器30の出力する値(622または148)を選択し、Aレジスタ32は、マルチプレクサ31の出力する値をラッチして出力する。
以下、第3比較ステップから第11比較ステップで、参照容量C2〜C10が前のステップの判定結果に応じて入力容量Csに接続され、ステップに応じてメモリー28の出力するCu(3)〜Cu(10)を、前の比較ステップでAレジスタ32に保持された値に対して加算または減算を繰り返し、デジタル変換値が生成される。
最終の第11比較ステップでは、メモリー28は、加算器29に“0”を、減算器30に “1”を出力しており、加算器29は、Aレジスタ32の出力する第11比較ステップの比較レベルをそのまま出力し、減算器30は、第11比較ステップの比較レベルから1を減じた値を出力する。マルチプレクサ31は、第11比較ステップの比較結果に応じて加算器29または減算器30を選択して出力し、AD_outレジスタ33は、AD_out_CLKに応じてマルチプレクサ31の出力をラッチし、AD変換値として出力する。
以上でAD変換処理が終了する。
次に、参照容量C1〜C10の容量値を設定する方法について一般化して説明する。
まず、Nビット電荷共有SAR ADCで生じる誤差を見積もる。NビットMステップのSAR ADCを考える。kステップ目での容量の合計値をCsum(k)とすると、以下のように表せる。
Figure 0004884518
コンパレータの入力換算オフセットをVosとすると、kステップ目の電荷換算オフセットOosは、次のように表せる。
Figure 0004884518
非2進冗長アルゴリズムでは最終ステップを基準に誤差を考える。したがって、kステップ目のオフセットによる電荷誤差Qer(k)は、以下のようになる。
Figure 0004884518
入力電荷のフルスケールをQFSとすると、1LSB換算のオフセット誤差er(k)は、以下のようになる。
Figure 0004884518
これを許容するアルゴリズムを設計する。
そして、最終比較値のオフセットQos(M)がADC全体のオフセットとなる。1LSB換算したADCオフセットDosは以下のようになる。
Figure 0004884518
ADC全体にオフセットがある場合、端の入力に対して出力の飽和が起きる。この出力の飽和は冗長アルゴリズムにオーバーレンジを持たせ、出力の階調が2+2*Dosになるように設計することで、無くすことができる。
図9は、10ビット11ステップで、Vin=−1V〜+1V、Vref=1V、Cs=512C、Vos=55mVの場合の例である。
以上、実施形態を説明したが、記載した実施形態は発明を説明するためのもので、当業者には、特許請求の範囲において各種の変形例があり得ることが容易に理解可能である。
本発明は、電荷共有逐次比較型AD変換回路に適用可能である。
12 比較器
21 比較処理部
22 C_array
23−1〜23−10 参照容量回路
25 タイミング発生回路
26 Cレジスタ
27 シフトレジスタ
28 メモリー
29 加算器29
30 減算器
31 マルチプレクサ31
32 Aレジスタ
33 AD_outレジスタ33

Claims (2)

  1. サンプリング時にアナログ入力信号が印加される入力端子と、基準電位に接続される基準端子と、を有し、サンプリング時に印加されるアナログ入力信号の電圧に対応した電荷量を保持する入力信号容量と、
    サンプリング時に印加される参照電圧の電圧に対応した電荷量を保持する1個以上の参照容量であって、各参照容量の2つの端子は、前記入力信号容量の前記入力端子と前記基準端子に、順接続状態と逆接続状態のいずれかの接続状態で接続可能に構成された1個以上の参照容量と、
    前記入力信号容量の前記入力端子の電圧が、前記基準電位より高いか低いかを判定するコンパレータと、
    前記コンパレータの判定結果に基づいて、前記入力信号容量の前記入力端子の電圧が前記基準電位に近づくように、前記1個以上の参照容量の前記入力信号容量との接続状態を選択しながら順次接続し、前記コンパレータの判定結果を合わせた結果から前記アナログ入力信号の電圧に対応するデジタル値を算出する制御回路と、を備えるアナログ−デジタル変換器であって、
    前記入力信号容量および前記1個以上の参照容量の容量値は、非2進で設定されていることを特徴とするアナログ−デジタル変換器。
  2. 前記入力信号容量および前記1個以上の参照容量の容量値は、すべて異なる請求項1に記載のアナログ−デジタル変換器。
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