JP4888548B2 - 炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭化珪素(以下、SiCという)単結晶の製造装置および製造方法に関するものである。
従来、特許文献1において、SiC単結晶の成長表面以外の不要な箇所でSiC多結晶が堆積することを抑制し、長時間にわたるSiC単結晶の成長が行えるようにしたSiC単結晶の製造装置が提案されている。
このSiC単結晶の製造装置では、種結晶が設置される台座周囲にSiC多結晶をエッチングする効果のあるエッチングガスを導入することで、不要な箇所にSiC多結晶が堆積することを抑制している。
特開2002−362998号公報
しかしながら、上記のようにエッチングガスを用いる場合、SiC単結晶の表面における必要な成長部分についてもエッチングされることになり、SiC単結晶の成長が遅くなるという問題が発生する。また、エッチングガスを使用しても台座近傍の原料ガスの飽和度が未飽和にならず、SiC多結晶の形成を十分に抑制できないこともある。さらに、エッチングガスとしてHClを用いた場合にはカーボン残渣が残るし、水素を用いた場合にはカーボンで構成される成長容器そのものがエッチングされるという問題もある。そして、エッチングガスを使用するため、そのための設備が必要になるというコスト面においても問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、エッチングガスを使用しなくても、種結晶が設置される台座周囲にSiC多結晶が堆積することを抑制できるSiC単結晶の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、台座(10)のうち種結晶(5)が配置される面と反対側となる背面側に備えられた温度調整パイプ(11a)と、該温度調整パイプ(11a)に流す冷却水の温度調整を行う冷却水温度調節器(11c)とを含む冷却機構(11)が備えられていることを特徴としている。
このように、台座(10)の円板部(10a)の背面に温度調整パイプ(11a)を備え、温度調整パイプ(11a)によって台座(10)の円板部(10a)を冷却できるようにしている。これにより、種結晶(5)の表面の温度を所望温度に維持しつつ、台座(10)の周囲の温度をそれよりも高温にすることができる。これにより、エッチングガスを使用しなくても、種結晶(5)が設置される台座(10)の周囲にSiC多結晶が堆積することを抑制できる。
請求項2に記載の発明では、台座(10)は、種結晶(5)が配置される円板部(10a)と、該円板部(10a)の背面側において該円板部(10a)の外周に沿って形成された収容部(10b)と、収容部(10b)の内側において棒状部材(13a)を囲む断熱材(10c)とを含み、温度調整パイプ(11a)は、収容部(10b)内における断熱材(10c)よりも内側に配置されていることを特徴としている。
このように、収容部(10b)内に温度調整パイプ(11a)を配置することができる。そして、断熱材(10c)よりも内側に温度調整パイプ(11a)が配置されるようにすれば、収容部(10b)内の空間の温度と台座(10)の周囲の温度とが熱的に分離できる。
請求項3に記載の発明では、冷却機構(11)は、誘導加熱電源(11b)を含み、該誘導加熱電源(11b)からの電力供給に伴って温度調整パイプ(11a)の加熱量の調整が行え、冷却水温度調整器(11c)の冷却水温度に応じた冷却量の調整と誘導加熱電源(11b)からの電力供給による加熱量の調整の双方が行える構成とされていることを特徴としている。
このように、誘導加熱電源(11b)から誘導電流を投入しつつ、冷却水温度調節器(11c)にて冷却水を通水して温度調整パイプ(11a)の温度を制御できるようにすれば、温度調整パイプ(11a)の微調整を行うことができ、SiC単結晶(6)の成長表面の温度制御をきめ細かく行うことが可能となる。
請求項4に記載の発明では、温度調整パイプ(11a)は、棒状部材(13a)の外周を少なくとも1周囲んだ構成とされていることを特徴としている。
このように、温度調整パイプ(11a)は、棒状部材(13a)の外周を少なくとも1周囲んだ構成であれば良いが、他の構造とすることで、更なる効果を得ることが可能となる。
例えば、請求項5に記載の発明のように、温度調整パイプ(11a)は、棒状部材(13a)を中心とし、かつ、円板部(10a)に沿って螺旋状に配置された構成であっても良い。
このように、温度調整パイプ(11a)を螺旋状に配置することで、より広面積の範囲において台座(10)における円板部(10a)を冷却することが可能となる。これにより、より大口径の種結晶(5)を用いて大口径なSiC単結晶(6)を成長させる場合にも、広い範囲で冷却することができる。したがって、大口径のSiC単結晶(6)を成長させるときでも、台座(10)の周囲にSiC多結晶が堆積することを抑制することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、温度調整パイプ(11a)は、棒状部材(13a)に沿って巻線状に巻回された構成であっても良い。
このように、温度調整パイプ(11a)をパイプ材(13a)に対して巻線状に複数回巻回することで、より高い位置まで温度調整パイプ(11a)が配置された構造となる。このため、温度調整パイプ(11a)のうち台座(10)内に配置される部分に流せる冷却水の量(密度)を多くすることが可能となり、より冷却効率を高めることが可能となる。
また、請求項7に記載の発明のように、温度調整パイプ(11a)は、棒状部材(13a)を中心として螺旋状に配置され、かつ、棒状部材(13a)からの離れるほど、台座(10)の円板部(10a)との間隔が離されて配置された構成であっても良い。
このように、温度調整パイプ(11a)と台座(10)の円板部(10a)までの間隔を台座(10)の外周に近づくほど大きくすることで、台座(10)の円板部(10a)の中央部が冷却され易くなるようにでき、円板部(10a)内で冷却度合いを変化させることができる。これにより、円板部(10a)の中心部ほど冷却させられるため、SiC単結晶(6)の成長表面内において温度分布を設けることが可能となる。したがって、例えば、SiC単結晶(6)の成長が中央部においてより進むような凸面成長が行い易くなるようにすることができる。
また、請求項8に記載の発明のように、温度調整パイプ(11a)は、棒状部材(13a)を中心として螺旋状に配置され、かつ、円板部(10a)の面内において密集度が変化させられ、円板部(10a)の中央部の方が外周部よりも温度調整パイプ(11a)の密集度が高くされた構成とされていても良い。
このように、温度調整パイプ(11a)の密集度を変化させることによっても、台座(10)の円板部(10a)の中央部が冷却され易くなるようにでき、円板部(10a)内で冷却度合いを変化させることができる。これにより、円板部(10a)の中心部ほど冷却させられるため、SiC単結晶(6)の成長表面内において温度分布を設けることが可能となる。したがって、例えば、SiC単結晶(6)の成長が中央部においてより進むような凸面成長が行い易くなるようにすることができる。
請求項9に記載の発明では、断熱材(10c)によって収容部(10b)内の空間が該断熱材(10c)の内周側となる内周領域と外周側となる外周領域とに分けられており、内周領域と外周領域それぞれに対して、温度調整パイプ(11a)として、独立して温度調整が行える第1、第2温度調整パイプ(11aa、11ab)が備えられていることを特徴としている。
このように、収容部(10b)を内周領域と外周領域に分離し、それぞれに対して第1、第2温度調整パイプ(11a)を配置した構造とすることもできる。このような構造の場合、例えば、請求項3に示すように、温度調整パイプ(11a)を加熱できる誘導加熱電源(11b)を備えた構造とするのであれば、請求項11に記載したように、内周領域に配置される第1温度調整パイプ(11aa)に関しては冷却を行いつつ、外周領域に配置される第2温度調整パイプ(11ab)に関しては加熱を行うようにしても良い。このようにすれば、第2温度調整パイプ(11ab)によって、台座(10)の収容部(10b)を内側から加熱できることから、台座(10)の円板部(10a)の中央部に関しては冷却しつつ、外周部に関しては加熱することができる。したがって、より台座(10)の円板部(10a)の中央と外周部との間に温度差を設けることが可能となり、より台座(10)の周囲にSiC多結晶が堆積することを抑制することが可能となる。
請求項10に記載の発明では、冷却機構(11)は、台座(10)の円板部(10a)からの温度調整パイプ(11a)の高さを調整する機構(11d)が備えられていることを特徴としている。
このように構成されたSiC単結晶製造装置によれば、温度調整パイプ(11a)の位置調整を行うことで、よりSiC単結晶(6)の成長表面の温度が一定になるように制御することが可能となる。例えば、請求項12に記載したように、SiC単結晶(6)の成長に伴って温度調整パイプ(11a)が台座(10)の円板部(10a)に近づくようにしながら、SiC単結晶(6)を成長させるようにすれば良い。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 図1に示すSiC単結晶製造装置1の主要部分の拡大図である。 本発明の第2実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1によってSiC単結晶6を成長させる様子を示した模式図である。 本発明の第3実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の部分断面図である。 本発明の第4実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の部分断面図である。 本発明の第5実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の部分断面図である。 本発明の第6実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の部分断面図である。 本発明の第7実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図を示す。また、図2に、図1に示すSiC単結晶製造装置1の主要部分の拡大図を示す。以下、これらの図を参照してSiC単結晶製造装置1の構造について説明する。
図1に示すSiC単結晶製造装置1は、底部に備えられた流入口2を通じてキャリアガスと共にSiおよびCを含有するSiCの原料ガス3(例えば、シラン等のシラン系ガスとプロパン等の炭化水素系ガスの混合ガス)を供給し、上部の流出口4を通じて排出することで、SiC単結晶製造装置1内に配置したSiC単結晶基板からなる種結晶5上にSiC単結晶6を結晶成長させるものである。
SiC単結晶製造装置1には、真空容器7、第1断熱材8、反応容器9、台座10、冷却機構11、第2断熱材12、回転引上機構13および第1、第2加熱装置14、15が備えられている。
真空容器7は、珪素などで構成され、中空円筒状を為しており、アルゴンガス等が導入でき、かつ、SiC単結晶製造装置1の他の構成要素を収容すると共に、その収容している内部空間の圧力を真空引きすることにより減圧できる構造とされている。この真空容器7の底部に原料ガス3の流入口2が設けられると共に、上部(具体的には側壁の上方位置)に原料ガス3の流出口4が設けられている。
第1断熱材8は、円筒形状を為しており、真空容器7に対して同軸的に配置され、中空部により原料ガス導入管8aを構成している。第1断熱材8は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)にてコーティングした黒鉛などで構成される。
反応容器9は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)にてコーティングした黒鉛などで構成され、台座10よりも原料ガス3の流動経路上流側に配置されている。この反応容器9により、流入口2から供給された原料ガス3を分解して種結晶5に導き、種結晶5の表面で再結晶化反応させることで、種結晶5の表面にSiC単結晶6を成長させる。
具体的には、反応容器9は、中空円筒状部材を有した構造とされ、中空部の内径が第1断熱材8側から台座10側に向かって徐々に拡大していくテーパ部9aと、テーパ部9aから同径とされ、台座10の周囲を囲んでいる外周部9bとを有した構成とされている。反応容器9は、テーパ部9a側の端部の開口部が第1断熱材8の中空部と連通させられるガス導入口9cとされていて、第1断熱材8の中空部を通過してきた原料ガス3がガス導入口9cを通じて反応容器9内に導入される構造とされている。
台座10は、例えば有底筒状とされており、反応容器9の中心軸と同軸的に配置され、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)にてコーティングした黒鉛などで構成される。台座10は、図2に示すように、種結晶5が貼り付けられる円板部10aと、円板部10aの背面側において円板部10aの外周に沿って形成され、反応容器9の外周部9bと対向する円筒形状とされた収容部10bと、収容部10b内に配置された断熱材10cによって構成されている。この台座10の円板部10aにおける原料ガス3の上流側の面に同等寸法の径を有する種結晶5が貼り付けられ、種結晶5の表面にSiC単結晶6を成長させる。また、台座10の収容部10bが構成する中空部内に回転引上機構13に備えられたパイプ材13aの先端が挿入され、円板部10aにおける種結晶5が貼り付けられる面と反対側の面にパイプ材13aが接続されている。そして、本実施形態では、収容部10bに隣接して断熱材10cが備えられ、収容部10b内の空間の温度と台座10の周囲の温度とが熱的に分離できる構造となっている。
冷却機構11は、台座10の円板部10aを背面側、つまり種結晶5が貼り付けられた面と反対側の面から冷却することで、種結晶5の表面やSiC単結晶6の成長表面を台座10の周囲(外周)よりも相対的に低温とするものである。冷却機構11は、台座10の収容部10b内に配置された温度調整パイプ11aと、温度調整パイプ11aでの加熱量を制御する誘導加熱電源11b、および温度調整パイプ11aでの冷却量を制御する冷却水温度調節器11cを有した構成とされている。温度調整パイプ11aは、誘導加熱電源11bからの電力供給に伴って加熱量の調整が行え、かつ、冷却水温度調節器11cで調整される冷却水温度に応じて冷却量の調整が行えるRFコイルからなる冷却パイプで構成されている。温度調整パイプ11aは、パイプ材13aの外周を少なくとも1周囲んだ構成とされている。温度調整パイプ11aのパイプ内に冷却水が流動する構造とされ、冷却水温度調節器11cから冷却水が導入されると共に、冷却に用いられた冷却水が再び冷却水温度調節器11cに戻されるように構成されている。なお、真空容器7には、温度調整パイプ11aが挿入される穴が形成されているが、この穴は、真空が保てるように、気密が保持されている。
第2断熱材12は、真空容器7の側壁面に沿って配置され、中空円筒状を為していて、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)にてコーティングした黒鉛などで構成されている。この第2断熱材12によって、反応容器9や台座10の外周を囲みつつ、台座10側に導かれた原料ガス3を流出口4側に導く。具体的には、種結晶5に供給された後の原料ガス3の残りが台座10と第2断熱材12との間の隙間を通過し、流出口4に導かれるようになっている。
回転引上機構13は、パイプ材13aの回転および引上げを行うものである。回転引上機構13は、パイプ材13aの引き上げを行うベローズ13bを備えていると共に、内部にモータなどの回転駆動機構を備えており、パイプ材13aは、一端が台座10のうち種結晶5が貼り付けられる面と反対側の面に接続され、他端が回転引上機構13の本体に接続されている。このような構成により、真空容器7に形成されたパイプ材13aの挿入穴をベローズ13bによって塞ぐことで真空を保ちつつパイプ材13aの昇降が行え、かつ、回転駆動機構によってパイプ材13aを回転させられるようになっている。
このような構造により、パイプ材13aと共に台座10、種結晶5およびSiC単結晶6の回転および引き上げが行え、SiC単結晶6の成長面が所望の温度分布となるようにしつつ、SiC単結晶6の成長に伴って、その成長表面の温度が常に成長に適した温度に調整できる。なお、パイプ材13aも、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)にてコーティングした黒鉛などで構成される。このパイプ材13aは台座10を支持するものであって、回転軸や引上軸となるものであればどのようなものであっても良いため、棒状部材であればパイプ状のものでなくても良い。
第1、第2加熱装置14、15は、例えば誘導加熱用コイルやヒータなどで構成され、真空容器7の周囲を囲むように配置されている。これら第1、第2加熱装置14、15は、それぞれ独立して温度制御できるように構成されている。このため、より細やかな温度制御を行うことができる。第1加熱装置14は、台座10の先端位置や反応容器9と対応した位置に配置されている。第2加熱装置15は、台座10により構成される反応室に対応した位置に配置されている。このような配置とされているため、第1、第2加熱装置14、15を制御することにより、反応室の温度分布をSiC単結晶6の成長に適した温度に調整できると共に、反応容器9の温度をパーティクルの除去に適した温度に調整できる。
続いて、このように構成されたSiC単結晶製造装置1を用いたSiC単結晶6の製造方法について説明する。
まず、第1、第2加熱装置14、15を制御し、所望の温度分布を付ける。すなわち、種結晶5の表面において原料ガス3が再結晶化されることでSiC単結晶6が成長しつつ、反応容器9内において再結晶化レートよりも昇華レートの方が高くなる温度となるようにする。例えば、反応容器9で2400℃、種結晶5の表面で2200℃となるようにする。
また、真空容器7を所望圧力にしつつ、図2中矢印で示したように、必要に応じてArガスなどの不活性ガスによるキャリアガスを導入しながら原料ガス導入管8aを通じて原料ガス3を導入する。これにより、図2の矢印で示したように、原料ガス3が流動し、種結晶5に供給されてSiC単結晶6を成長させることができる。
このとき、誘導加熱電源11bから誘導電流を投入し、かつ、冷却水温度調節器11cにて冷却水を通水して温度調整パイプ11aの温度を制御する。このようにすれば、冷却水の温度調整や誘導加熱による加熱電力制御による温度調整に基づき、適温とされた温度調整パイプ11aによって台座10の円板部10aを背面側から冷却することができる。
このため、第2加熱装置15による加熱温度を高くしても、種結晶5の表面の温度を所望温度に冷却することが可能となる。これにより、種結晶5の表面の温度を例えば2200℃に維持しつつ、台座10の周囲の温度を例えば2400℃程度にすることができる。つまり、台座10の円板部10aを背面側から冷却することにより、相対的に台座10の周囲の温度を台座10の中央部よりも高温にできる。したがって、エッチングガスを使用しなくても、種結晶5が設置される台座10の周囲にSiC多結晶が堆積することを抑制できる。
そして、このように台座10の周囲にSiC多結晶が堆積することを抑制できることから、台座10と第2断熱材12の間の隙間、つまり原料ガス3の流動経路が塞がれることが防止され、SiC単結晶6の成長を連続して実施することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、台座10の円板部10aの背面に温度調整パイプ11aを備え、温度調整パイプ11aによって台座10の円板部10aを冷却している。これにより、種結晶5の表面の温度を所望温度に維持しつつ、台座10の周囲の温度をそれよりも高温にすることができる。したがって、エッチングガスを使用しなくても、種結晶5が設置される台座10の周囲にSiC多結晶が堆積することを抑制できる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して冷却機構11に備えられる温度調整パイプ11aの高さ調整を行えるようにしたものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図3は、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1によってSiC単結晶6を成長させる様子を示した模式図であり、図3(a)は、SiC単結晶6の成長前の様子、図3(b)は、SiC単結晶6の成長中の様子を示している。
図3(a)、(b)に示されるように、本実施形態の冷却機構11に備えられた温度調整パイプ11aは、台座10の中心軸方向の位置調整、つまり台座10の円板部10aからの高さが調整できるように構成されている。例えば、温度調整パイプ11aにベローズ11dを備え、真空容器7に形成された温度調整パイプ11aの挿入穴をベローズ13bによって塞ぐことで真空を保ちつつ温度調整パイプ11aが昇降させられるようになっている。このように構成されたSiC単結晶製造装置1により、温度調整パイプ11aの位置調整を行うことで、よりSiC単結晶6の成長表面の温度が一定になるように制御することを可能とする。
具体的には、まず、図3(a)に示すように、台座10における円板部10aに種結晶5を配置した状態のとき、つまりSiC単結晶6が成長する前の状態のときには、温度調整パイプ11aを円板部10aから離れた位置に配置しておく。続いて、SiC単結晶6を成長させる際に、誘導加熱電源11bから誘導電流を投入し、かつ、冷却水温度調節器11cにて冷却水を通水して温度調整パイプ11aの温度を制御することで、種結晶5の表面にSiC単結晶6を成長させていく。そして、SiC単結晶6の成長に伴って、成長表面の温度が上昇していくため、図3(b)に示すように、温度調整パイプ11aを台座10における円板部10aに近づけるようにする。温度調整パイプ11aを下降させても良いし、SiC単結晶6の成長に伴って台座10を引上げているのであれば、温度調整パイプ11aの引上げ量を台座10の引上げ量よりも小さくすることで、温度調整パイプ11aが台座10における円板部10aに近づくようにしても良い。このようにすることで、SiC単結晶6の成長表面を一定温度に維持することが可能となる。
以上説明したように、温度調整パイプ11aを台座10の円板部10aからの高さが調整できる構成とすることができる。このようにすれば、第1実施形態で説明したような温度調整パイプ11aの冷却水の温度調整や誘導加熱での加熱電力制御による温度調整に加えて、温度調整パイプ11aの高さ調整による温度調整も行えるため、よりSiC単結晶6の成長表面を一定温度に維持することが可能となる。したがって、台座10の周囲にSiC多結晶が堆積することを抑制しつつ、より高品質のSiC単結晶6を形成することが可能となる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して台座10および冷却機構11の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図4は、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の部分断面図である。本実施形態では、第1実施形態に対して台座10や冷却機構11における温度調整パイプ11aの構造などを変更しただけであるため、これらの部分についてのみ図示してある。
図4に示すように、本実施形態では、温度調整パイプ11aを台座10における円板部10aの裏面に沿って螺旋状にレイアウトすると共に、台座10の収容部10b内に配置した断熱材10cによって温度調整パイプ11aの外周と上方(温度調整パイプ11aを挟んで円板部10aと反対側)を覆う構造としている。
このように、温度調整パイプ11aを螺旋状に配置することで、より広面積の範囲において台座10における円板部10aを冷却することが可能となる。これにより、より大口径の種結晶5を用いて、大口径なSiC単結晶6を成長させる場合にも、広い範囲で冷却することができる。したがって、大口径のSiC単結晶6を成長させるときでも、台座10の周囲にSiC多結晶が堆積することを抑制することができる。
なお、ここでは、温度調整パイプ11aの上方を断熱材10cによって覆っているため、第2実施形態のような温度調整パイプ11aの高さ調整が行えない構造となっているが、勿論、温度調整パイプ11aの上方が断熱材10cによって覆われないようにして、温度調整パイプ11aの高さ調整が行えるような構造としても良い。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して台座10および冷却機構11の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図5は、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の部分断面図である。本実施形態では、第1実施形態に対して台座10や冷却機構11における温度調整パイプ11aの構造などを変更しただけであるため、これらの部分についてのみ図示してある。
図5に示すように、本実施形態では、温度調整パイプ11aがパイプ材13aに対して巻線状に複数回巻回することで、より高い位置まで温度調整パイプ11aが配置された構造としている。
このように、温度調整パイプ11aをより高い位置まで形成することにより、温度調整パイプ11aのうち台座10内に配置される部分に流せる冷却水の量(密度)を多くすることが可能となり、より冷却効率を高めることが可能となる。
なお、本実施形態も、勿論、第2実施形態のような温度調整パイプ11aの高さ調整が行える構造とすることができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、第3実施形態に対して台座10および冷却機構11の構成を変更したものであり、その他に関しては第3実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図6は、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の部分断面図である。本実施形態では、第3実施形態に対して台座10や冷却機構11における温度調整パイプ11aの構造などを変更しただけであるため、これらの部分についてのみ図示してある。
図6に示すように、本実施形態では、温度調整パイプ11aを螺旋状にレイアウトしつつ、温度調整パイプ11aと台座10の円板部10aとの間隔がパイプ材13aから離れるほど大きくなるような構成としている。
このように、温度調整パイプ11aと台座10の円板部10aまでの間隔を台座10の外周に近づくほど大きくすることで、台座10の円板部10aの中央部が冷却され易くなるようにでき、円板部10a内で冷却度合いを変化させることができる。これにより、円板部10aの中心部ほど冷却させられるため、SiC単結晶6の成長表面内において温度分布を設けることが可能となる。したがって、例えば、SiC単結晶6の成長が中央部においてより進むような凸面成長を行い易くなるようにできる。
なお、ここでも、温度調整パイプ11aの上方を断熱材10cによって覆っているため、第2実施形態のような温度調整パイプ11aの高さ調整が行えない構造となっているが、勿論、温度調整パイプ11aの上方が断熱材10cによって覆われないようにして、温度調整パイプ11aの高さ調整が行えるような構造としても良い。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態も、第3実施形態に対して台座10および冷却機構11の構成を変更したものであり、その他に関しては第3実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図7は、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の部分断面図である。本実施形態では、第3実施形態に対して台座10や冷却機構11における温度調整パイプ11aの構造などを変更しただけであるため、これらの部分についてのみ図示してある。
図7に示すように、本実施形態では、温度調整パイプ11aを螺旋状にレイアウトしているが、温度調整パイプ11aの密集度を円板部10aの面内において変化させており、円板部10aの中央部の方が外周部よりも温度調整パイプ11aの密集度が高くなるようにしている。
このように、温度調整パイプ11aの密集度を変化させることによっても、台座10の円板部10aの中央部が冷却され易くなるようにでき、円板部10a内で冷却度合いを変化させることができる。これにより、円板部10aの中心部ほど冷却させられるため、SiC単結晶6の成長表面内において温度分布を設けることが可能となる。したがって、例えば、SiC単結晶6の成長が中央部においてより進むような凸面成長を行い易くなるようにできる。
なお、ここでも、温度調整パイプ11aの上方を断熱材10cによって覆っているため、第2実施形態のような温度調整パイプ11aの高さ調整が行えない構造となっているが、勿論、温度調整パイプ11aの上方が断熱材10cによって覆われないようにして、温度調整パイプ11aの高さ調整が行えるような構造としても良い。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態も、第1実施形態に対して台座10および冷却機構11の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図8は、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の部分断面図である。本実施形態では、第1実施形態に対して台座10や冷却機構11における温度調整パイプ11aの構造などを変更しただけであるため、これらの部分についてのみ図示してある。
図8に示すように、本実施形態では、パイプ材13aと収容部10bとの間に断熱材10cを備えており、収容部10b内の空間を断熱材10cの内周側(パイプ材13a側)である内周領域と断熱材10cの外周側(収容部10b側)である外周領域とに分離している。
また、本実施形態では、温度調整パイプ11aは第1、第2温度調整パイプ11aa、11abの2つに分けられており、第1温度調整パイプ11aaは収容部10bにおける内周領域に配置され、第2温度調整パイプ11abは収容部10bにおける外周領域に配置されている。これら第1、第2温度調整パイプ11aa、11abは、別々に加熱量や冷却量が調整できるようになっている。
このような構成のSiC単結晶製造装置1でも、SiC単結晶6の成長時に、誘導加熱電源11bから誘導電流を投入し、かつ、冷却水温度調節器11cにて冷却水を通水して第1、第2温度調整パイプ11aa、11abの温度を制御することができる。このとき、上記各実施形態で説明したように、第1、第2温度調整パイプ11aa、11abの双方で台座10の円板部10aを冷却しても良いが、第2温度調整パイプ11abに関しては、加熱を行うようにしても良い。このようにすれば、第2温度調整パイプ11abによって、台座10の収容部10bを内側から加熱できることから、台座10の円板部10aの中央部に関しては冷却しつつ、外周部に関しては加熱することができる。したがって、より台座10の円板部10aの中央と外周部との間に温度差を設けることが可能となり、より台座10の周囲にSiC多結晶が堆積することが抑制できる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、冷却機構11に備えられた温度調整パイプ11aを、誘導加熱電源11bからの電力供給に伴って加熱量の調整が行え、かつ、冷却水温度調節器11cで調整される冷却水温度に応じて冷却量の調整が行えるRFコイルからなる冷却パイプで構成した。しかしながら、これは単なる一例を示したものであり、誘導加熱電源11bからの電力供給に伴って加熱量の調整が行えなくても、単に冷却水温度調節器11cで冷却量の調整が行える冷却パイプであっても良い。ただし、誘導加熱電源11bからの電力供給に伴って加熱量の調整が行えるものであれば、温度調整パイプ11aの温度を微調整することができ、よりSiC単結晶6の成長表面の温度制御をきめ細かく行うことが可能になる。
また、上記各実施形態では、温度調整パイプ11aの構成例を挙げて説明したが、上記各実施形態で示した構成例以外の構成であっても構わない。例えば、図4のように螺旋状の部分と、図5ようにパイプ材13aに沿って巻線状に配置する部分を両方共備えた構造や、図8のように、断熱材10cによって収容部10bの内部を内周部と外周部に分離する構造において、図7に示すように、内側の方が温度調整パイプ11aの巻線数が多くなるような構造としても良い。
また、上記各実施形態では、真空容器7に対して温度調整パイプ11aが通る穴を形成したが、台座10の回転引上機構13のパイプ材13aの中空部内に温度調整パイプ11aを通過させるようにしても良い。
1 単結晶製造装置
3 原料ガス
5 種結晶
6 SiC単結晶
7 真空容器
9 反応容器
10 台座
10a 円板部
10b 収容部
10c 断熱材
11 冷却機構
11a 温度調整パイプ
11b 誘導加熱電源
11c 冷却水温度調節器
11d ベローズ
13 回転引上機構
13a パイプ材
13b ベローズ
14 第1加熱装置
15 第2加熱装置

Claims (12)

  1. 真空容器(7)内において棒状部材(13a)に支持された台座(10)に対して炭化珪素単結晶基板からなる種結晶(5)を配置し、該種結晶(5)の下方から炭化珪素の原料ガス(3)を供給することにより、前記種結晶(5)の表面に炭化珪素単結晶(6)を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記台座(10)のうち前記種結晶(5)が配置される面と反対側となる背面側に備えられた温度調整パイプ(11a)と、該温度調整パイプ(11a)に流す冷却水の温度調整を行う冷却水温度調節器(11c)とを含む冷却機構(11)が備えられていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  2. 前記台座(10)は、前記種結晶(5)が配置される円板部(10a)と、該円板部(10a)の前記背面側において該円板部(10a)の外周に沿って形成された収容部(10b)と、前記収容部(10b)の内側において前記棒状部材(13a)を囲む断熱材(10c)とを含み、
    前記温度調整パイプ(11a)は、前記収容部(10b)内における前記断熱材(10c)よりも内側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 前記冷却機構(11)は、誘導加熱電源(11b)を含み、該誘導加熱電源(11b)からの電力供給に伴って前記温度調整パイプ(11a)の加熱量の調整が行え、前記冷却水温度調整器(11c)の冷却水温度に応じた冷却量の調整と前記誘導加熱電源(11b)からの電力供給による加熱量の調整の双方が行える構成とされていることを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  4. 前記温度調整パイプ(11a)は、前記棒状部材(13a)の外周を少なくとも1周囲んだ構成とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  5. 前記温度調整パイプ(11a)は、前記棒状部材(13a)を中心とし、かつ、前記円板部(10a)に沿って螺旋状に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  6. 前記温度調整パイプ(11a)は、前記棒状部材(13a)に沿って巻線状に巻回されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  7. 前記温度調整パイプ(11a)は、前記棒状部材(13a)を中心として螺旋状に配置され、かつ、前記棒状部材(13a)からの離れるほど、前記台座(10)の前記円板部(10a)との間隔が離されて配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  8. 前記温度調整パイプ(11a)は、前記棒状部材(13a)を中心として螺旋状に配置され、かつ、前記円板部(10a)の面内において密集度が変化させられ、前記円板部(10a)の中央部の方が外周部よりも前記温度調整パイプ(11a)の密集度が高くされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  9. 前記断熱材(10c)によって前記収容部(10b)内の空間が該断熱材(10c)の内周側となる内周領域と外周側となる外周領域とに分けられており、前記内周領域と前記外周領域それぞれに対して、前記温度調整パイプ(11a)として、独立して温度調整が行える第1、第2温度調整パイプ(11aa、11ab)が備えられていることを特徴とする請求項3に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  10. 前記冷却機構(11)は、前記台座(10)の前記円板部(10a)からの前記温度調整パイプ(11a)の高さを調整する機構(11d)が備えられていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  11. 請求項9に記載の炭化珪素単結晶の製造装置を用いた炭化珪素単結晶の製造方法であって、
    前記冷却水温度調節器(11c)による冷却水温度に応じた前記第1温度調整パイプ(11aa)の冷却によって前記内周領域を冷却しつつ、前記誘導加熱電源(11b)からの電力供給によって前記第2温度調整パイプ(11ab)を加熱することで、前記台座(10)の外周を該台座(10)の前記円板部(10a)の中央部よりも高温化させた状態で、前記種結晶(5)の上に前記炭化珪素単結晶(6)を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  12. 請求項10に記載の炭化珪素単結晶の製造装置を用いた炭化珪素単結晶の製造方法であって、
    前記炭化珪素単結晶(6)の成長に伴って前記温度調整パイプ(11a)が前記台座(10)の前記円板部(10a)に近づくようにしながら、前記炭化珪素単結晶(6)を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
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