JP4889083B2 - メタクロレイン製造用酸化物触媒、その触媒の製造方法及びその触媒を用いたメタクロレインの製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献4には、従来の転動式造粒法、マルメライザー成形法、流動層造粒法等の触媒成形方法に代えて、未焼成触媒粉体を遠心流動コーティング装置によって成形することにより、特定の表面積、細孔容積及び細孔分布を有する球状あるいは粒状触媒を再現性良く製造できることが開示されている。
しかし、これらの触媒は工業触媒としては機械強度が不十分であったり触媒活性の経時低下が大きいなどの欠点を有し、工業触媒としての使用に際しては更に改良が望まれているのが現状である。
即ち、本発明は以下に記載の(1)〜(4)である。
(2)触媒組成が、下記一般式で表されることを特徴とする上記(1)に記載の酸化物触媒の製造方法。
(Mo+W)12BiaAbBcFedXeSbfOg
Aはランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム及びイットリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり;
Bはカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり;
Xはコバルト単独、またはコバルトを必須成分として、更にマグネシウム及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む混合物であり;
モリブデン(Mo)とタングステン(W)の合計12原子に対するモリブデン(Mo)の原子数の範囲は9以上12以下であり、タングステン(W)の原子数の範囲は0以上3以下であり;
そしてa、b、c、d、e、f及びgは、それぞれ、モリブデン(Mo)とタングステン(W)の合計12原子に対するビスマス(Bi)、A、B、鉄(Fe)、X、アンチモン(Sb)及び酸素(O)の原子比率を表し、
0<a≦8、
0<b≦8、
0<c<3、
0.2<d<5、
1≦e≦12、
0≦f<3、
gは存在する他の元素の原子価状態を満足させるのに必要な酸素の原子数である。
(3)前記触媒前駆体粉末と前記結晶セルロースとの混合物の成形前のかさ比重を、該触媒前駆体粉末のかさ比重未満とすることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の酸化物触媒の製造方法。
(4)イソブチレン及び/又はtert−ブチルアルコールを気相接触酸化させてメタクロレインを製造する方法であって、触媒として上記(1)〜(3)のいずれかに記載の酸化物触媒の製造方法により製造される触媒を用いることを特徴とするメタクロレインの製造方法。
高い透明性と耐候性を持つメタクリル系樹脂の原料としてメタクリル酸メチルは工業上有用な物質である。
C4原料を用いる代表的なメタクリル酸メチルの製法には、直接酸化法と直メタ法と呼ばれる製造方法がある。直接酸化法とは、イソブチレン及び/又はtert−ブチルアルコールを酸化物触媒存在下に酸化してメタクロレイン及びメタクリル酸を製造する前段酸化工程と、その生成物を更にヘテロポリ酸触媒存在下に酸化してメタクリル酸を製造する後段酸化工程、及び製造したメタクリル酸を酸触媒存在下にメタノールとエステル化し、メタクリル酸メチルを製造するエステル化工程の3工程より成る製造方法である。
本発明の酸化物触媒はメタクリル酸の副生を抑制する効果が大きいので、直接酸化法の前段酸化工程用の触媒として好適に用いることができる。また、メタクリル酸を経由しない直メタ法の前段反応触媒としても、特に好適に用いることができる。
結晶セルロースの添加量は、触媒前駆体と結晶セルロースとの合計に対し、0.1〜20wt%が好ましく、より好ましくは0.5〜10wt%であり、特に好ましくは1〜5wt%である。
成形された触媒は、250〜600℃程度で0.5〜30時間熱処理される。より好ましくは500〜600℃で3〜12時間熱処理される。この時、添加した結晶セルロースが触媒から除去される。
成形触媒の焼成後の縦方向の圧壊強度は、木屋式強度計で測定できる。
(Mo+W)12BiaAbBcFedXeSbfOg
(Aはランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム及びイットリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、Bはカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、Xはコバルト単独、またはコバルトを必須成分として、更にマグネシウム及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む混合物であり、モリブデン(Mo)とタングステン(W)の合計12原子に対するモリブデン(Mo)の原子数の範囲は9以上12以下であり、タングステン(W)の原子数の範囲は0以上3以下であり、そしてa、b、c、d、e、f及びgは、それぞれ、モリブデン(Mo)とタングステン(W)の合計12原子に対するビスマス(Bi)、A、B、鉄(Fe)、X、アンチモン(Sb)及び酸素(O)の原子比率を表し、0<a≦8、0<b≦8、0<c<3、0.2<d<5、1≦e≦12、0≦f<3、gは存在する他の元素の原子価状態を満足させるのに必要な酸素の原子数である。
また、より好ましくは、酸化物触媒のa、b、c、d及びfが、0.02<b/(a+b+c)<0.6、0<c/(a+b+c)≦0.9、0.01<d/(a+b+d)≦0.9、0.1<d−f<2.5の範囲である。)
尚、実施例、比較例中のイソブチレン及び/又はtert−ブチルアルコールの転化率、生成するメタクロレイン、副生するメタクリル酸、炭酸ガスの選択率は以下の様に定義する。
メタクロレインの選択率(%)=(Pmal/R)×100
メタクリル酸の選択率(%)=(Pmaa/R)×100
炭酸ガスの選択率(%)=(Pco2×4/R)×100
R:反応したイソブチレン及び/又はtert−ブチルアルコールのモル数
F:供給したイソブチレン及び/又はtert−ブチルアルコールのモル数
Pmal:生成したメタクロレインのモル数
Pmaa:副生したメタクリル酸のモル数
Pco2:副生した炭酸ガスのモル数
又、本反応は酸化反応であるため、転化率に従って選択率が変化する。従って、実施例、比較例は、ほぼ同一転化率での選択率を示した。
モリブデン酸アンモニウム214.5gを純水1000gに添加し攪拌下80℃に昇温した(この水溶液をa液とする)。別に、硝酸ビスマス88.7g、硝酸セリウム17.8g、硝酸コバルト221.7g、硝酸第二鉄73.9g、硝酸ルビジウム1.5g、硝酸セシウム7.9g、18wt%硝酸107gを純水1000gに添加し攪拌下60℃に昇温した(この水溶液をb液とする)。a液にb液を攪拌しながら混合し、スラリーを得、このスラリーを噴霧乾燥器で噴霧乾燥し乾燥粉末を得た。これを250℃で熱処理し触媒前駆体を得た。これに比表面積0.5m2/gの棒状の結晶セルロース(短径に対する長径が2倍以上のものを90%以上含有)を、触媒前駆体と結晶セルロースの合計に対し2.5wt%添加した。この混合粉末のかさ比重は、0.78g/cm3であった(以降示す全ての実施例、比較例において触媒前駆体のみのかさ比重は、0.81g/cm3であった。)。これを打錠成形し、530℃で5時間、空気雰囲気下にて熱処理して酸化物触媒を製造した。得られた酸化物触媒の酸素以外の元素組成を表1に示す。
本触媒を固定床反応管に充填し、前還元処理(温度420℃、常圧下、イソブチレン6vol%、酸素10.8vol%、水蒸気10vol%、ヘリウム73.2vol%の混合ガスを180Ncc/minで供給)した後、イソブチレンからメタクロレインを製造する反応を、反応温度を375℃、反応圧力を0.05MPa、混合ガスを120Ncc/minに変更して行い、生成物をガスクロマトグラフィーで分析した。触媒物性、反応結果を表1に示す。
打錠成形する前に、比表面積0.5m2/gの球状の結晶セルロース(短径に対する長径が1.1倍以下のものを90%以上含有)を添加した以外は、参考例1と同様にして同組成の触媒を調製した。成形前の触媒前駆体と結晶セルロースの混合粉末のかさ比重は、0.79g/cm3であった。この触媒を用いて参考例1と同条件で反応を行なった。触媒物性、反応結果を表1に示す。
打錠成形する前に、比表面積0.2m2/gの球状の結晶セルロース(短径に対する長径が1.1倍以下のものを90%以上含有)を添加した以外は、参考例1と同様にして同組成の触媒を調製した。成形前の触媒前駆体と結晶セルロースの混合粉末のかさ比重は、0.81g/cm3であった。この触媒を用いて参考例1と同条件で反応を行なった。触媒物性、反応結果を表1に示す。
打錠成形する前に、結晶セルロースを添加しない以外は、参考例1と同様にして同組成の触媒を調製した。成形前の触媒前駆体のかさ比重は、0.81g/cm3であった。この触媒を用いて参考例1と同条件で反応を行なった。触媒物性、反応結果を表1に示す。
打錠成形する前に、比表面積5.0m2/gの棒状の結晶セルロース(短径に対する長径が2倍以上のものを90%以上含有)を用いた以外は、参考例1に準じて表1に示す元素組成の触媒を調製した。成形前の触媒前駆体と結晶セルロースの混合粉末のかさ比重は、0.75g/cm3であった。この触媒を用いて参考例1と同条件で反応を行なった。触媒物性、反応結果を表1に示す。
打錠成形する前に、比表面積0.05m2/gのポリビニルアルコール(和光純薬製、試薬特級)を用いた以外は、実施例1と同様にして同組成の触媒を調製した。成形前の触媒前駆体とポリビニルアルコールの混合粉末のかさ比重は、0.83g/cm3であった。この触媒を用いて参考例1と同条件で反応を行なった。触媒物性、反応結果を表1に示す。
打錠成形する前に、比表面積6.0m2/gの棒状の結晶セルロース(短径に対する長径が2倍以上のものを90%以上含有)を用いた以外は、参考例1に準じて表1に示す元素組成の触媒を調製した。成形前の触媒前駆体と結晶セルロースの混合粉末のかさ比重は、0.74g/cm3であった。この触媒を用いて、反応条件を反応温度420℃、反応圧力0.1MPa、イソブチレン8vol%、酸素11vol%、水蒸気3vol%、ヘリウム78vol%の混合ガスを120Ncc/min供給に変更した以外は参考例1と同条件で反応を行なった。触媒物性、反応結果を表1に示す。
打錠成形する前に、結晶セルロースを添加しない以外は、実施例2と同様にして同組成の触媒を調製した。成形前の触媒前駆体のかさ比重は、0.81g/cm3であった。この触媒を用いて実施例2と同条件で反応を行なった。触媒物性、反応結果を表1に示す。
反応原料中のイソブチレンをtert−ブタノールに変更した以外は、参考例1に準じて触媒を調製した。成形前の触媒前駆体と結晶セルロースの混合粉末のかさ比重は、0.78g/cm3であった。この触媒を用いて参考例1と同条件で反応を行なった。触媒物性、反応結果を表1に示す。
打錠成形する前に、結晶セルロースを添加しない以外は、参考例3と同様にして同組成の触媒を調製した。成形前の触媒前駆体のかさ比重は、0.81g/cm3であった。この触媒を用いて参考例3と同条件で反応を行なった。触媒物性、反応結果を表1に示す。
Claims (4)
- イソブチレン及び/又はtert−ブチルアルコールの気相接触酸化によるメタクロレインの製造に用いるモリブデン、ビスマス、コバルト及び鉄を含有する酸化物触媒の製造方法であって、触媒前駆体粉末に比表面積が5m2/g以上で、短径に対する長径の比が2以上の結晶セルロースを混合して成形し、得られた成形体を熱処理することを特徴とする酸化物触媒の製造方法。
- 触媒組成が、下記一般式で表されることを特徴とする請求項1に記載の酸化物触媒の製造方法。
(Mo+W)12BiaAbBcFedXeSbfOg
Aはランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム及びイットリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり;
Bはカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり;
Xはコバルト単独、またはコバルトを必須成分として、更にマグネシウム及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む混合物であり;
モリブデン(Mo)とタングステン(W)の合計12原子に対するモリブデン(Mo)の原子数の範囲は9以上12以下であり、タングステン(W)の原子数の範囲は0以上3以下であり;
そしてa、b、c、d、e、f及びgは、それぞれ、モリブデン(Mo)とタングステン(W)の合計12原子に対するビスマス(Bi)、A、B、鉄(Fe)、X、アンチモン(Sb)及び酸素(O)の原子比率を表し、
0<a≦8、
0<b≦8、
0<c<3、
0.2<d<5、
1≦e≦12、
0≦f<3、
gは存在する他の元素の原子価状態を満足させるのに必要な酸素の原子数である。 - 前記触媒前駆体粉末と前記結晶セルロースとの混合物の成形前のかさ比重を、該触媒前駆体粉末のかさ比重未満とすることを特徴とする請求項1または2に記載の酸化物触媒の製造方法。
- イソブチレン及び/又はtert−ブチルアルコールを気相接触酸化させてメタクロレインを製造する方法であって、触媒として請求項1〜3のいずれかに記載の酸化物触媒の製造方法により製造される触媒を用いることを特徴とするメタクロレインの製造方法。
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