JP4895397B2 - 配線基板の製造方法および配線基板の製造装置 - Google Patents

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本発明は、配線基板の製造方法および配線基板の製造装置に関する。
電子回路や集積回路などに使用される配線基板の配線パターンは、一般にはフォトリソグラフィーにより形成されているが、近年、この配線パターンをインクジェットにより形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1、2に開示された配線基板の製造方法は、導電性微粒子を分散させた溶液をインクジェットにて射出し、基板に所望の配線パターンを形成している。基板には、射出された液滴中の溶媒を吸収する受容層が形成されており、この受容層により溶媒を吸収し、そして熱処理を施して、導電性微粒子で形成される導電膜(配線パターン)を受容層上に形成している。
特開2006−059983号公報 特開2004−345321号公報
インクジェットにて射出される溶液には、一般に、導電性微粒子を分散させるため、分散剤が添加される。この分散剤が配線パターンに残留すると、導電性微粒子の凝集が阻害されるため、配線パターンの抵抗率が大きくなる。
上記引用文献1、2に開示された配線基板の製造方法では、熱処理を施して、分散剤を気相中に除去し、導電性微粒子を互いに凝集させるようにしている。しかしながら、例えばプラスチック基板を用いた場合の熱処理温度は典型的には150℃以下とされ、このように基板や受容層を形成する材料によっては熱処理を十分に施すことができず、熱処理によっても分散剤を十分に除去しきれない場合があった。
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、配線パターンの抵抗率を小さくするようにした配線基板の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の配線基板の製造方法により達成される。
(1)基板に設けられた受容層上に、分散剤を用いて導電性微粒子を分散させた溶液の液滴を射出して所望の配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、少なくとも前記配線パターン上に、前記溶液の溶媒をさらに供給する溶媒供給工程と、を備えたことを特徴とする配線基板の製造方法。
(2)前記溶媒供給工程において、前記配線パターンが固化する前に前記溶媒を供給することを特徴とする(1)に記載の配線基板の製造方法。
(3)前記溶媒供給工程において、前記溶媒は射出して供給し、前記液滴を射出する液滴射出手段の走査方向に沿って該液滴射出手段の後側となる位置に、溶媒を射出する溶媒射出手段を設け、前記配線パターン形成工程と、前記溶媒供給工程と、を並行して行うことを特徴とする(2)に記載の配線基板の製造方法。
(4)前記溶媒供給工程において、前記受容層の溶媒受容量以内で前記溶媒を供給することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
上記(1)の構成の配線基板の製造方法によれば、受容層上に射出された液滴に含まれる分散剤の一部は、溶媒とともに受容層に吸収される。そこで、受容層上に配線パターンを形成した後に、配線パターン上にさらに溶媒を供給しており、配線パターンに残留する分散剤をさらに受容層に吸収させ、配線パターンの抵抗率を低減することができる。ここで、射出される液滴の体積は、インクジェットのヘッドやディスペンサのノズルなどの液滴射出手段によって制限される。分散剤の受容層への吸収を促進するという点では、液滴中の溶媒の含有量を多くすることも考えられる。しかしながら、この場合に、液滴中の導電性微粒子の含有量が少なくなり、配線パターンの薄膜化、それによる配線としての実抵抗の増大が懸念される。これに対し、本構成の配線基板の製造方法によれば、配線パターンを形成する液滴とは別に溶媒を供給するようにしており、液滴中の導電性微粒子の含有量を犠牲にすることなく、適量の溶媒を供給することができ、配線パターンの抵抗率を確実に低減することができる。
上記(2)の構成の配線基板の製造方法によれば、配線パターンが固化する前に溶媒を供給することにより、配線パターンの内部にまで溶媒を浸透させることができ、分散剤の受容層への吸収を一層促進することができる。それにより、配線パターンの抵抗率を低減することができる。
上記(3)の構成の配線基板の製造方法によれば、配線パターンが固化する前に溶媒を供給することができる。さらに、工程を短縮して、製造コストの低減を図ることができる。
上記(4)の構成の配線基板の製造方法によれば、エッジの滲みなどの配線パターンの崩れを防止して、配線パターンの抵抗率の低減効果を維持することができる。また、溶媒の供給量を節約して、製造コストの低減を図ることができる。
また、本発明の上記目的は、下記の配線基板の製造装置により達成される。
(5)基板に設けられた受容層上に、分散剤を用いて導電性微粒子を分散させた溶液の液滴を射出して所望の配線パターンを形成する液滴射出手段と、少なくとも前記配線パターン上に、前記溶液の溶媒をさらに供給する溶媒供給手段と、を備えたことを特徴とする配線基板の製造装置。
(6)前記溶媒供給手段が、前記溶媒を射出する構成であって、前記液滴射出手段の走査方向に沿って該液滴射出手段の後側となる位置に設けられていることを特徴とする(5)に記載の配線基板の製造装置。
上記(5)の構成の配線基板の製造装置によれば、射出された液滴に含まれる分散剤の一部は、溶媒とともに受容層に吸収される。そこで、受容層上に形成された配線パターン上にさらに溶媒を供給し、配線パターンに残留する分散剤をさらに受容層に吸収させ、配線パターンの抵抗率を低減することができる。
上記(6)の構成の配線基板の製造装置によれば、受容層上での配線パターンの形成と、配線パターン上への溶媒の供給と、を並行して行うことができる。それにより、配線パターンが固化する前に溶媒を配線パターンに供給して、分散剤の受容層への吸収を一層促進することができる。また、工程を短縮して、製造コストの低減を図ることができる。
本発明によれば、配線パターンの抵抗率を小さくするようにした配線基板の製造方法および製造装置を提供することができる。
以下に、図面を参照して、本発明に係る配線基板の製造方法および製造装置、ならびにこれにより製造された配線基板の好適な実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明に係る配線基板の製造方法の第1実施形態を説明する図である。
本実施形態の配線基板の製造方法は、基板1に設けられた受容層2上に、分散剤を用いて導電性微粒子を分散させた溶液Lの液滴を射出して所望の配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、少なくとも配線パターン上に、溶液の溶媒をさらに供給する溶媒供給工程と、を備えている。
基板1の材料としては、用途に応じて適宜なものが選択される。例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイや有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの配線基板にはガラスなどを用いることができる。また、プリント配線基板でフレキシブルなものにはポリイミドなどの有機フイルムなどを用いることができ、リジッドなものにはフェノール樹脂やエポキシ樹脂を含浸した原紙やセラミックスなどを用いることができる。
受容層2は、溶液Lの溶媒を速やかに吸収して導電性微粒子を定着させるものであって、例えば微小空隙を多数備える受容層(いわゆる空隙型受容層)、若しくは、主として水溶性樹脂ないし親油性樹脂からなる受容層(いわゆる膨潤型受容層)とすることができる。
空隙型受容層は、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子、ベーマイト粒子、またはこれらの組み合わせと、バインダと、の混合物を基板1の表面に塗布して形成することができる。バインダとしては、ポリビニルアルコールを好適に用いることができる。上記混合物を基板1の表面に塗布した後、乾燥処理を施して溶媒を蒸発させると共にバインダを固化させることにより、受容層2となる多孔質層が形成される。尚、上記混合物の塗布は、基板1の全体に塗布してもよいが、後に配線パターンが形成される所定箇所だけ塗布するようにすれば、材料を節約することができ、好ましい。
受容層2上に射出される溶液Lは、例えば、金や銀や銅などの金属微粒子、ZnOやSiやZnSの半導体微粒子などを溶媒に分散させたものを用いることができる。
溶液Lの溶媒としては、上記の導電性微粒子を分散させることができ、凝集を起こさないものであれば、特に限定されない。例えば、無極性溶媒としては、テトラデカンなどを用いることができ、また、極性溶媒としては、水などを用いることができる。
そして、導電性微粒子の分散性を向上させるため、溶液Lには分散剤が添加される。分散剤としては、例えばドデシルアミンなどを用いることができる。分散剤を添加することにより、導電性微粒子の凝集が防止され、溶液Lの流動性が良好に保たれる。
(配線パターン形成工程)
図1(A)に示すように、基板1に設けられた受容層2上に溶液Lの液滴が射出される。本実施形態の製造方法を実施する配線基板の製造装置において、溶液Lの液滴を射出する液滴射出手段10としては、例えばインクジェットのヘッドや、ディスペンサのノズルなどを用いることができる。この液滴射出手段10が、基板1に対して相対移動され、受容層2上の所望の位置に溶液Lの液滴を射出していく。
図1(B)に示すように、受容層2上に着弾した溶液Lの液滴は、含有する溶媒を受容層2に速やかに吸収される。それにより、液滴に含有される導電性微粒子が、受容層2上に定着する。そして、液滴に含有される分散剤の一部も、溶媒と共に受容層2に吸収される。それにより、液滴に含有される導電性微粒子は、そのナノスケール化による融点の劇的な降下により凝集して導電性を発現させる。このようにして、受容層2上に所望の配線パターン3が形成される。
(溶媒供給工程)
次いで、本実施形態の配線基板の製造方法では、図1(C)に示すように、少なくとも配線パターン3上に溶液Lの溶媒LSがさらに供給される。溶媒LSを供給する手段としては、例えばスプレーコート、スピンコート、デイッピング、スクリーン印刷、グラビア印刷、等、種々の手段を用いることができ、図には、溶媒供給手段11として、インクジェットのヘッドやディスペンサのノズルなどを用いて溶媒LSを射出する構成としたものが示されている。尚、溶媒LSの供給は、基板1ないし受容層2の全体に供給してもよいが、インクジェットやディスペンサにより配線パターン3上にだけ供給するようにすれば、溶媒LSの供給量を節約することができ、好ましい。
また、溶媒LSは、純粋に溶媒成分だけでなく、インクジェットなどにより吐出しやすくするために、粘性度の調整剤、表面張力の調整剤(界面活性剤など)の少量の添加物があってもよい。
配線パターン3上に供給された溶媒LSは、配線パターン3に浸透し、そして、受容層2に吸収される。その際、上記の配線パターン形成工程において配線パターン3に残留した分散剤が、溶媒LSと共に受容層2に吸収される。それにより、配線パターン3を形成している導電性微粒子の凝集が促進され、配線パターン3の抵抗率が小さくなる。
この溶媒供給工程においては、配線パターン3が固化する前に溶媒LSを供給することが好ましい。それにより、配線パターン3の内部にまで溶媒LSを浸透させることができ、分散剤の受容層2への吸収を一層促進することができる。
また、受容層2の溶媒受容量以内で溶媒LSを供給することが好ましい。それにより、エッジの滲みなどの配線パターン3の崩れを防止して、配線パターン3の抵抗率の低減効果を維持することができる。また、溶媒LSの供給量を節約して、製造コストの低減を図ることができる。
上記の溶媒供給工程を経た後、配線基板は、例えば室温、大気圧下にて放置され、受容層2および配線パターン3の乾燥がなされる。
[第2実施形態]
次に、図2を参照して、本発明に係る配線基板の製造方法の第2実施形態を説明する。尚、上述した第1実施形態の製造方法と共通する要素には、図中同一符号を付することにより、説明を省略あるいは簡略する。
本実施形態の配線基板の製造方法を実施する配線基板の製造装置は、配線パターン3上に溶媒LSを供給する溶媒供給手段11が、インクジェットのヘッドやディスペンサのノズルなどを用いて溶媒LSを射出する構成とされている。そして、この溶媒供給手段11は、液滴射出手段10の走査方向に沿って液滴射出手段10の後側となる位置に設けられており、液滴射出手段10と一体に基板1に対して相対移動される。
本実施形態の配線基板の製造方法は、上記の構成の製造装置を用い、上述した配線パターン形成工程と、溶媒供給工程と、を並行して行っている。即ち、図2に示すように、液滴射出手段10が溶液Lの液滴を射出しつつ相対移動され、受容層2上に配線パターン3が形成される。液滴射出手段10と共に相対移動される溶媒供給手段11が、先んじて受容層2上に形成された配線パターン3の上方に位置し、そこに溶媒LSを射出する。
これにより、配線パターン3が固化する前に、配線パターン3に溶媒LSが供給される。配線パターン3に供給された溶媒LSは、上述のとおり配線パターン3に残留する分散剤を伴って受容層2に吸収される。それにより、配線パターン3を形成している導電性微粒子の凝集が促進され、配線パターン3の抵抗率が一層小さくなる。
そして、配線パターン形成工程と、溶媒供給工程と、の両工程を並行して行うことにより、両工程に要する時間を短縮して、製造コストの低減を図ることができる。
以下、実施例および比較例について説明する。
実施例1の配線基板は、銀微粒子を含む溶液をインクジェットで射出して配線パターンを形成し、その後に溶媒をインクジェットで基板の全面に1回塗布し、室温にて乾燥させた。
実施例2の配線基板は、銀微粒子を含む溶液をインクジェットで射出して配線パターンを形成し、その後に溶媒をインクジェットで基板の全面に2回塗布し、室温にて乾燥させた。
実施例3の配線基板は、銀微粒子を含む溶液をインクジェットで射出して配線パターンを形成し、その後に溶媒をインクジェットで基板の全面に3回塗布し、室温にて乾燥させた。
比較例1の配線基板は、銀微粒子を含む溶液をインクジェットで射出して配線パターンを形成し、室温にて乾燥させた。
上記実施例1、2および比較例1の配線パターンの抵抗を測定して、それらの抵抗率を求めた。実施例1の抵抗率は7.0×10−6[Ωm]であり、実施例2の抵抗率は3.9×10−5[Ωm]であり、比較例1の抵抗率は9.0×10−6[Ωm]であった。尚、実施例3の配線基板では、配線パターンのエッジに極端な滲みが生じ、配線パターンが崩れる現象が観察された。
実施例1と比較例1とから、配線パターンに溶媒を供給することにより、配線パターンの抵抗率を小さくすることができることがわかる。
また、実施例1と実施例2および実施例3とから、実施例2および実施例3は受容層の溶媒受容量を超えて溶媒が供給され、溶媒の供給による配線パターンの抵抗率の低減効果が阻害されたものと考察される。
以上、説明したように、本発明に係る配線基板の製造方法および製造装置、ならびに配線基板によれば、配線パターンの抵抗率が低減される。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各要素の形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上述した実施形態の配線基板の製造方法において、溶媒供給工程の後に、配線基板を積極的に加熱し、また、減圧下にて乾燥するようにしてもよい。
また、受容層2の溶媒受容量以内であれば、溶媒供給工程における溶媒の供給回数は1回に限られず、複数回供給するようにしてもよい。例えば、上述した第2実施形態の配線基板の製造装置において、複数の溶媒供給手段11を用い、これらの溶媒供給手段11を、走査方向に沿って液滴射出手段10の後側に整列して設けてもよい。
本発明に係る配線基板の製造方法の第1実施形態を説明する図。 本発明に係る配線基板の製造方法の第2実施形態を説明する図。
符号の説明
1 基板
2 受容層
3 配線パターン
10 液滴射出手段
11 溶媒供給手段
L 溶液
LS 溶媒

Claims (6)

  1. 基板に設けられた受容層上に、分散剤を用いて導電性微粒子を分散させた溶液の液滴を射出して所望の配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
    少なくとも前記配線パターン上に、前記溶液の溶媒をさらに供給する溶媒供給工程と、
    を備えたことを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 前記溶媒供給工程において、前記配線パターンが固化する前に前記溶媒を供給することを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  3. 前記溶媒供給工程において、前記溶媒は射出して供給し、
    前記液滴を射出する液滴射出手段の走査方向に沿って該液滴射出手段の後側となる位置に、溶媒を射出する溶媒射出手段を設け、
    前記配線パターン形成工程と、前記溶媒供給工程と、を並行して行うことを特徴とする請求項2に記載の配線基板の製造方法。
  4. 前記溶媒供給工程において、前記受容層の溶媒受容量以内で前記溶媒を供給することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
  5. 基板に設けられた受容層上に、分散剤を用いて導電性微粒子を分散させた溶液の液滴を射出して所望の配線パターンを形成する液滴射出手段と、
    少なくとも前記配線パターン上に、前記溶液の溶媒をさらに供給する溶媒供給手段と、
    を備えたことを特徴とする配線基板の製造装置。
  6. 前記溶媒供給手段が、前記溶媒を射出する構成であって、前記液滴射出手段の走査方向に沿って該液滴射出手段の後側となる位置に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の配線基板の製造装置。
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