JP4897379B2 - 空気調和機 - Google Patents

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この発明は、熱交換器と送風ファンとを収納する風路を介して連通する空気吸込口及び空気吹出口を有する空気調和機に関するもので、詳しくは、空気吹出口に設けられる風向板の結露を抑制する技術に関するものである。尚、空気調和機として、天井吊り下げ形空気調和機を例に説明する。
天井吊り下げ形空気調和機は、筐体の下面に空気吸込口があり、この空気吸込口から室内空気を送風ファンにより風路内に吸い込み、風路に設けられる熱交換器で冷媒と室内空気とを熱交換させて二次空気とし、筐体の前面に設けられる吹出口から風向板で風向が制御された吹出し空気が吹出される(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−264602号公報
天井吊り下げ形空気調和機は、前面に形成された左右に長い略矩形状の吹出口から吹出し空気が吹出されるが、吹出口の左右方向両端部では、壁の影響により吹出口の中央部よりも風速が遅くなる。特に、風向板を下に向けた冷房下吹き時に、風向板の先端(上下方向において、下になる端部)に吹出し空気が到達しないため、温度の高い室内空気を巻き込みやすく、冷房下吹き時に、風向板の先端に結露が発生する場合がある。
下向きの風向板の天井吊り下げ形空気調和機の前面側の面を表面とし、その裏側を裏面とすると、吹出口の左右方向両端部において、風向板の裏面は全面に温度の低い吹出し空気が沿って流れる。しかし、風向板の表面は、吹出口の左右方向両端部では風速が遅くなるため風向板の先端まで吹出し空気が到達しない場合がある。その場合には、風向板の先端に温度の高い室内空気を巻き込み、風向板の先端では、裏面よりも表面の温度が高くなり、表面側に結露が生じる。
冷房下吹き時の、風向板の表面の先端における結露を抑制するために、冷房下吹き時に吹出し空気が吹出口の両端部においても風向板の先端に到達するように吹出口全体の上顎部の形状を下向きにすると、水平吹き時に吹出口中央部の風速が早くなり吹出口の上顎部付近の気流が乱れ、冷房運転時に吹出口の上顎部に結露が生じたり、風路の圧損が大きくなるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、吹出口の風向板による吹出し方向が、下吹き、水平吹きのいずれにおいても結露耐力に優れ、且つ風路圧損が小さい空気調和機を提供することを目的とする。
この発明に係る空気調和機は、空気調和機本体と、この本体の前面に左右方向に長く形成され、吹出し空気を吹出す吹出口と、この吹出口の上部を形成し、上流側が下方に傾斜する上顎部と、吹出口の下部を形成する下顎部と、吹出口に設けられ、上顎部及び下顎部と共に吹出し空気の上下方向の風向を制御する風向板とを備え、風向板を下吹きにした場合に、上顎部の上流側に沿って流れる吹出し空気が風向板の先端まで到達するように、上顎部の両端部の形状を、上顎部の中央部の形状と異なる構成としたことを特徴とする。
この発明に係る空気調和機は、上記構成により、吹出口の風向板による吹出し方向が、下吹き、水平吹きのいずれにおいても結露耐力に優れ吹出口の植毛が不要になるためコスト低減でき、且つ風路圧損が小さいので乱れの小さい滑らかな流れを提供できる。
実施の形態1.
図1乃至図6は実施の形態1を示す図で、図1は天井吊り下げ形空気調和機20の全体構成図、図2は下吹き時の吹出口5中央部の断面図、図3は水平吹き時の吹出口5中央部の断面図、図4は下吹き時の吹出口5両端部の断面図、図5は水平吹き時の吹出口5両端部の断面図、図6は吹出口5の正面図である。また、図8乃至図9は参考図で、図8は下吹き時の吹出口5両端部の断面図(上顎部上流側6aの傾斜角度θcと、吹出口5両端部の上顎部上流側6aの傾斜角度θsが同一の場合)、図9は水平吹き時の吹出口5中央部の断面図(上顎部上流側6aの傾斜角度θcが、吹出口5両端部の上顎部上流側6aの傾斜角度θsよりも大きい場合)である。
空気調和機の一例としての天井吊り下げ形空気調和機20を例に以下の説明を行う。本発明は、天井吊り下げ形空気調和機20の下吹き時に特に効果があるが、天井吊り下げ形空気調和機20に限定されるものではない。
図1により、天井吊り下げ形空気調和機20の全体構成を説明する。図1は天井吊り下げ形空気調和機20を側面から見た断面図である。天井吊り下げ形空気調和機20の筐体12(空気調和機本体と呼ぶ)は、略四角形の箱形状である。この箱形状の筐体12が天井から吊り下げられる。筐体12の後部下面に室内空気11を吸い込む吸込口2が形成されている。通常、吸込口2には、塵埃等を除去するフィルタが設けられる。
筐体12内の吸込口2の近傍には、送風ファン1が設けられている。送風ファン1は電動機により駆動される。ここでは、送風ファン1に、例えばシロッコファンを用いている。
筐体12内の風路3には、冷凍サイクルを構成する熱交換器4が送風ファン1の下流側に配置され、ここで室内空気11と冷媒とが熱交換を行う。熱交換器4を通過した空気を二次空気9と呼ぶ。
吹出口5は、上部が上顎部6で、下部が下顎部7で構成される。そして、吹出し空気10の上下方向の風向を制御する風向板8が、吹出口5に配置されている。風向板8は、円弧形状で、例えば、水平吹出し時には上(上顎部6側)に凸形状となる。
天井吊り下げ形空気調和機20を前面から見ると、横長な吹出口5が左右方向に形成されている。吹出口5の両端を端部、その間を中央部とする。各端部は、左右方向の長さが200mm以内の範囲とする。本実施の形態は、冷房運転時の風向板8の下吹き時に、風向板8の風向板表面8bに沿う吹出し空気10の流れが風向板8の風向板先端部8aまで到達するように、上顎部6の形状を吹出口5の中央部と両端部とで異なる構成にしたものである。
図2は吹出し空気10を冷房運転時に下吹きする場合の吹出口5中央部付近の断面図であるが、熱交換器4の上段部を通過した二次空気9は、上顎部6の上顎部上流側6aに沿って流れ吹出口5に到達する。上顎部6は、断面形状が略V字形状であり、吹出し空気10の上流側に上から下に傾斜する上顎部上流側6a、吹出し空気10の下流側に下から上に傾斜する上顎部下流側6bを有する。風向板8は円弧形状(下吹き時は、筐体12前面側に凸)で、下向きになっていて風向板表面8bが上顎部上流側6a付近に対して負圧になることから、上顎部上流側6aに沿った吹出し空気10の流れは、風向板表面8bの円弧形状に沿って、矢印A、矢印Bで示すように前方下方向に吹出される。また、熱交換器4の中段部、下段部を通過した二次空気9は、風向板裏面8cに衝突し、円弧形状に沿って流れ、矢印C、矢印Dで示すように前方下方向に吹出し空気10として吹出される。尚、図2に示すように、上顎部上流側6aの水平線に対する角度をθcとする。角度θcは、例えば、約55度である。
吹出口5の左右方向両端部においては、壁の影響により吹出し空気10の風速が吹出口5中央部よりも遅くなる。そのため、吹出口5の上顎部6の形状が、全体的に同一であると、図8に示すような課題が発生する。即ち、吹出口5の左右方向両端部においては、吹出し空気10の風速が吹出口5中央部よりも遅くなり風向板表面8bの負圧が小さいため、図8に示すように、上顎部上流側6aに沿った吹出し空気10の流れが風向板表面8bに沿いにくく、風向板先端部8aまで到達しない場合があり、風向板先端部8a付近では、冷房運転時に温度の高い室内空気11を巻き込み、風向板表面8bの温度が、風向板裏面8cの温度より高くなり、風向板表面8bが結露しやすくなる。
そこで、本実施の形態では、図4に示すように、吹出口5の左右方向両端部では、上顎部上流側6aの水平線に対する角度θsを、吹出口5中央部付近の上顎部上流側6aの水平線に対する角度θcよりも大きくしている。角度θcは、例えば、約65度である。
これにより、上顎部上流側6a沿った吹出し空気10の流れがより下向きに吹出し、風向板表面8bに沿いやすく、吹出し空気10が風向板先端部8aに到達するので室内空気11の巻き込みがなくなり、冷房運転時の風向板先端部8aでの結露を抑制できる。
図3は吹出口5中央部において吹出し空気10を水平吹きする場合の流れを示す。風向板8は、略水平の状態で、円弧形状は上に凸になっている。熱交換器4の中段、下段を通過した二次空気9は、風向板8の風向板表面8bまたは風向板裏面8cに沿って、矢印B’、矢印C’、矢印D’で示すように前方水平方向に吹出し空気10として吹出される。また、熱交換器4の上段を通過した二次空気9は、風向板8の風向板表面8bに沿って、矢印A’で示すように前方水平方向に吹出し空気10として吹出される。
吹出口5中央部において、上顎部上流側6aの傾斜角度θcを、吹出口5両端部の上顎部上流側6aの傾斜角度θsと同じように大きくすると、図9に示すように、上顎部上流側6aに沿った吹出し空気10の流れは(矢印A’)、下向きのベクトルを持ち、且つ風速が大きいため、水平吹き時に風向板表面8b付近の吹出し空気10の流れ(矢印B’)と合流する際の気流の乱れが大きくなり、上顎部下流側6bで室内空気11を巻き込み、冷房運転時、上顎部下流側6bが結露したり、圧損が大きくなるという課題があり、吹出口5中央部の上顎部上流側6aの傾斜角度θcを、吹出口5両端部の上顎部上流側6aの傾斜角度θsと同じように大きくするのは得策ではない。
一方、吹出口5両端部では、図5に示すように、吹出口5両端部の上顎部上流側6aの傾斜角度θsが大きくても、風速が吹出口5中央部より遅いため、水平吹き時に上顎部上流側6aに沿った吹出し空気10の流れは(矢印A’)と、風向板表面8b付近の吹出し空気10の流れ(矢印B’)が合流する際の気流の乱れは小さく、冷房運転時の上顎部下流側6bの結露や、圧損の増大という不具合は起こらない。
以上のように、吹出口5の左右方向の長さが200mm以内の範囲の、両端部の上顎部上流側6aの傾斜角度θsを、吹出口5の中央部の傾斜角度θcより大きくすることにより、下吹き、水平吹き両方での結露耐力に優れ、且つ風路圧損の小さい吹出口5を実現できる。尚、上顎部6の左右方向両端部と中央部との境界は、滑らかに繋ぐのが好ましいが、必須ではない。滑らかに繋がなくてもよい。
実施の形態2.
図7は実施の形態2を示す図で、下吹き時の吹出口5両端部の断面図である。
実施の形態1では、吹出口5両端部の上顎部上流側6aの傾斜角度θsを、吹出口5中央部の傾斜角度θcより大きくすることで、下吹き、水平吹き両方での結露耐力に優れ、且つ風路圧損の小さい吹出口5を実現したが、実施の形態2では、吹出口5両端部の上顎部上流側6aを盛り上げて風向板8に近づけ、上流から下流に向け絞り形状とすることで、吹出口5両端部の下吹き時の風向板表面8bに沿う吹出し空気10の流れ(矢印B)を風速を早くして、吹出し空気10の風向板先端部8aへの到達性を高めることにより、室内空気11の巻き込みを防止し、下吹きでの結露耐力に優れ、且つ風路圧損の小さい吹出口5を実現できる。
水平吹出しの場合は、図示はしないが、吹出口5両端部では、上顎部上流側6aを風向板8に近づけ上流から下流に向け絞り形状としても、端部の壁の影響で元々風速は遅いので、上顎部上流側6aに沿った吹出し空気10の流れと、風向板表面8b付近の吹出し空気10の流れが合流する際の気流の乱れは小さく、冷房運転時の上顎部下流側6bの結露や、圧損の増大という不具合は起こらない。
以上のように、吹出口5両端部の上顎部上流側6aを盛り上げて風向板8に近づけ、上流から下流に向け絞り形状とすることで、吹出口5両端部の下吹き時の風向板表面8bに沿う吹出し空気10の流れを風速を早くして、吹出し空気10の風向板先端部8aへの到達性を高めることにより、室内空気11の巻き込みを防止し、下吹き、水平吹きでの結露耐力に優れ、且つ風路圧損の小さい吹出口5を実現できる。
実施の形態3.
実施の形態1と実施の形態2とを組合わせて、吹出口5両端部の上顎部上流側6aの傾斜角度θsを、吹出口5中央部の傾斜角度θcより大きくし、且つ吹出口5両端部の上顎部上流側6aを盛り上げて風向板8に近づけ、上流から下流に向け絞り形状とすると、さらに効果がある。即ち、下吹き時の吹出し空気10の風向板先端部8aへの到達性を高め、風向板先端部8aの結露耐力をより向上できる。
実施の形態1を示す図で、天井吊り下げ形空気調和機20の全体構成図である。 実施の形態1を示す図で、下吹き時の吹出口5中央部の断面図である。 実施の形態1を示す図で、水平吹き時の吹出口5中央部の断面図である。 実施の形態1を示す図で、下吹き時の吹出口5両端部の断面図である。 実施の形態1を示す図で、水平吹き時の吹出口5両端部の断面図である。 実施の形態1を示す図で、吹出口5の正面図である。 実施の形態2を示す図で、下吹き時の吹出口5両端部の断面図である。 参考図で、下吹き時の吹出口5両端部の断面図(上顎部上流側6aの傾斜角度θcと、吹出口5両端部の上顎部上流側6aの傾斜角度θsが同一の場合)である。 参考図で、水平吹き時の吹出口5中央部の断面図(上顎部上流側6aの傾斜角度θcが、吹出口5両端部の上顎部上流側6aの傾斜角度θsよりも大きい場合)である。
符号の説明
1 送風ファン、2 吸込口、3 風路、4 熱交換器、5 吹出口、6 上顎部、6a 上顎部上流側、6b 上顎部下流側、7 下顎部、8 風向板、8a 風向板先端部、8b 風向板表面、8c 風向板裏面、9 二次空気、10 吹出し空気、11 室内空気、12 筐体、20 天井吊り下げ形空気調和機。

Claims (4)

  1. 空気調和機本体と、
    この空気調和機本体の前面に左右方向に長く形成され、吹出し空気を吹出す吹出口と、
    この吹出口の上部を形成し、前記吹出し空気の上流側に上から下に傾斜する上顎部上流側と、前記吹出し空気の下流側に下から上に傾斜する上顎部下流側とを有する上顎部と、
    前記吹出口の下部を形成する下顎部と、
    前記上顎部及び前記下顎部の間に設けられ、かつ、前記吹出口の左右方向端部の間に設けられ、前記上顎部及び前記下顎部と共に前記吹出し空気の上下方向の風向を制御する上下方向の断面が円弧形状の風向板であって、凸面となる風向板表面と凹面となる風向板裏面とを有する風向板
    を備え、
    冷房運転時に前記風向板表面を前記空気調和機本体の前面側にして前記風向板を下吹きにした場合に、前記吹出口の左右方向両端部における前記上顎部上流側に沿って流れる吹出し空気が前記風向板表面の凸面に沿って下流の風向板先端まで到達するように、前記吹出口の左右方向両端部における前記上顎部上流側の水平線に対する角度θsを、前記吹出口の中央部付近における前記上顎部上流側の水平線に対する角度θcより所定角度大きくすることを特徴とする空気調和機。
  2. 前記上顎部上流側の左右方向両端部と前記風向板との距離は、前記上顎部上流側の中央部と前記風向板との距離より小さく、上流から下流に向かって絞り形状としたことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  3. 前記吹出し口の左右方向両端部は、両端から200mm以内の範囲とすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の空気調和機。
  4. 前記上顎部の左右方向両端部と中央部との境界を滑らかに繋いだことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気調和機。
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