JP4904620B2 - 周波数及びデューティ比制御可能な発振器 - Google Patents
周波数及びデューティ比制御可能な発振器 Download PDFInfo
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【発明の属する技術分野】
本発明は,反転又は非反転ゲートを複数段リング状に接続して構成される発振器に関し,特に,周波数やデューティ比を自在に制御することが可能な発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
論理ゲートを複数段リング状に接続して構成されるリング発振器は,例えばインバータ(反転ゲート)を奇数段接続することにより構成され,リング状の論理ゲートの伝播時間に依存した周期で発振する。
【0003】
図1は,従来の周波数制御可能な発振器の回路図である。図1の発振器は,n段のゲートG1〜Gnを有するリング発振器OSC#1と,2n段のゲートG1〜G2nを有するリング発振器OSC#2と,3n段,4n段,...Kn段のゲートを有するリング発振器OSC#Kを有し,それぞれのリング発振器の出力を選択回路SELが選択信号Cに応じて選択して,出力端子OUTに出力する。即ち,リング発振器OSC#1の発振周波数f0を基準として,リング発振器OSC#2〜OSC#Kが周波数f0〜f0/K(Kは整数)の発振信号をそれぞれ生成し,それらの発振信号が選択され,出力される。それぞれのリング発振器は,奇数個の反転ゲート(インバータ)と任意の数の非反転ゲートを有し,合計の段数がn,2n,3n....Knになっている。
【0004】
この発振器は,選択信号Cにより出力される発振周波数を制御することができる。しかしながら,それぞれの周波数において発振信号のデューティ比を制御することはできない。また,図1に示された発振器は,複数のリング発振器を設ける必要があり,回路規模,素子数が大きくなり,半導体チップ面積,コスト,消費電力の点で不利である。
【0005】
図2は,別の従来の発振器の回路図である。図2の発振器は,ゲートG1〜G8を接続したリング発振回路OSCと,3個の排他的論理和XNOR1,2,3と,選択回路SELとで構成される。ゲートG8の出力N1は,基本発振周波数f0の発振出力であり,90°の位相差を有するゲートG8とG6の出力N1,N2を入力とする排他的論理和ゲートXNOR1の出力N3は,図2(B)に示される通り,2逓倍の周波数2f0の発振出力である。そして,90°の位相差を有するゲートG5,G7の出力N4,N5の排他的論理和N6と,信号N3とを入力とする排他的論理和ゲートXNOR3の出力N7は,図2(B)に示される通り,4逓倍の周波数4f0の発振出力になる。
【0006】
更に,図示しないが,ゲートG8の出力N1とゲートG5の出力N4との排他的論理和は,周波数2f0であり,デューティ比が信号N3より25%増大した発振出力になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図2に示した発振器は,図1の発振器に比較すると回路規模を小さくすることができるが,生成可能な周波数が基本周波数f0の2のべき乗(2n)に制限されているとともに,基本周波数から4逓倍周波数まで取り出そうとすると,最低8段のゲートからなるリング発振器が必要となり,段数を減らして発振周波数を高くするには限界がある。更に,図2の発振器は,出力波形のデューティ比制御の分解能を高くするためには,段数を増やす必要がある。
【0008】
そこで,本発明の目的は,回路規模が小さく,高い発振周波数まで制御することができ,デューティ比も制御可能な発振器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために,本発明の一つの側面は,所定の周波数のクロック信号を生成する発振器において,少なくとも1個の反転ゲートが含まれる複数のゲートを環状に縦列接続し,その中に,発振制御入力を有する排他的論理和ゲートを適宜挿入した発振回路を有する。そして,発振制御入力を所望の位置の排他的論理和ゲートに所望のタイミングで入力することにより,排他的論理和ゲートを反転ゲート又は非反転ゲートに変換して,発振回路内に伝播信号波を生成する。発生した伝播信号波の数により発振周波数が制御され,変換される排他的論理和ゲートの位置によりデューティ比が制御される。
【0010】
本発明の第2の側面は,所定の周波数のクロック信号を生成する発振器において,
発振制御入力を有する排他的論理和ゲートと,少なくとも1個の反転ゲート及び複数の反転または非反転ゲートとを縦列接続したセグメントを,N個,環状に接続した発振回路と,
発振選択信号に従って,所定の組合せの複数の発振制御信号を生成する発振選択回路と,
前記いずれかのゲート出力の変化に応答して前記複数の発振制御信号を取り込み,前記発振選択信号に従って,当該複数の発振制御信号をそれぞれ遅延させて,前記排他的論理和ゲートの発振制御入力に供給する複数の遅延回路とを有し,
前記遅延回路の遅延時間後に,前記複数の発振制御信号にしたがって,前記複数の排他的論理和ゲートのいずれか1個又は複数個が反転又は非反転ゲートに変換して,発振動作を行うことを特徴とする。
【0011】
上記の第2の側面において,より好ましい実施例の発振器では,
前記発振回路が第1の周波数で発振状態の時に,前記排他的論理和ゲートを前記反転又は非反転ゲートに変換して,前記第1の周波数より高い第2の周波数での発振状態に移行することを特徴とする。
【0012】
また,上記の実施例において,更に好ましい実施例の発振器では,
前記第1の周波数から第2の周波数に移行する時に,前記複数の発振制御信号にしたがって,前記反転又は非反転ゲートに変換する排他的論理和ゲートの位置を選択することにより,選択されたデューティ比を有するクロック信号が生成されることを特徴とする。
【0013】
上記の目的を達成するための本発明の第3の側面は,所定の周波数のクロック信号を生成する発振器において,
発振制御入力を有する排他的論理和ゲートと,少なくとも1個の反転ゲート及び複数の反転または非反転ゲートとを縦列接続したセグメントを,N個,環状に接続した発振回路と,
発振選択信号に従って,所定の組合せの複数の発振制御信号を生成し,前記複数の排他的論理和ゲートの発振制御入力にそれぞれ供給する発振選択回路とを有し,
前記発振回路が非発振状態の時に,前記複数の発振制御信号によって,前記排他的論理和ゲートのいずれか1個又は複数個が反転又は非反転ゲートに変換して,発振動作を開始することを特徴とする。
【0014】
上記の発明によれば,高周波応答特性を有する排他的論理和ゲートと少なくとも1個の反転ゲートと複数の反転又は非反転ゲートを環状に縦列接続して発振回路を構成し,排他的論理和ゲートに発振制御信号を供給して反転又は非反転ゲートに変換することで,所望の周波数またはデューティ比の発振動作を実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら,かかる実施の形態例が,本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0016】
図3は,本実施の形態例における発振器の基本的構成の回路図である。図3の例では,7段のインバータ(反転ゲート)I1〜I7と排他的論理NORゲートX1とがリング状の接続され,発振回路100を構成する。そして,排他的論理NORゲートX1の出力が出力端子OUTになり,排他的論理NORゲートX1の一方の入力には発振制御信号Cが,もう一方の入力にはインバータI7の出力ノードn1がそれぞれ供給される。また,発振制御信号Cは,出力OUTのタイミングから所定の遅延時間分遅れたタイミングで,「1(Hレベル)」または「0(Lレベル)」に制御される。そのタイミングは,発振制御信号発生器10により生成される。発振制御信号発生器10には,発振選択C0と発振出力OUTが供給され,発振出力OUTのタイミングに応じたタイミングで,発振制御信号Cが生成される。
【0017】
排他的論理NORゲートX1は,発振制御信号Cが「0(Lレベル)」の時はノードn1の論理を反転するインバータの機能を有し,発振制御信号Cが「1(Hレベル)」の時はノードn1の論理をそのまま伝播するバッファゲート(非反転ゲート)の機能を有する。もし,排他的論理ORゲートが使用される場合は,上記の機能は逆になるだけであるので,発振制御信号Cの論理値を逆にすれば良い。
【0018】
図4は,上記インバータI1〜I7を構成するトランジスタ回路の一例である。このインバータは,利得周波数特性が十分高く,入力Vinの変化に対して高い利得で出力/OUTを反転することができる回路である。インバータ回路は,SCFL型の論理回路であり,HEMTなどの高周波特性を有する電界効果トランジスタQ1,Q2のソースが共通に接続され,その共通ソースが電流源を介してグランドVssに接続される。また,トランジスタQ1,Q2のドレインは,抵抗R1,R2を介して電源Vccに接続され,ドレイン端子が出力/OUT,OUTに接続される。また,ENORゲートX1も,図4のSCFL型の論理回路で同様に構成される。
【0019】
かかる高周波特性を有するトランジスタ素子を利用して構成されたインバータI1〜I7とENORゲートX1を利用することにより,図3の発振器は,基本周波数f0での発振動作とその2逓倍周波数2・f0での発振動作を自在に制御することができる。
【0020】
図5は,図3の発振器の動作タイミングチャート図である。時間T1の前の初期状態では,発振制御信号CがLレベルであるので,ENORゲートX1がインバータとして機能し,リング発振器は偶数段のインバータが接続された状態となり,発振しない。
【0021】
そこで,時間T1において,発振制御信号CがLレベルからHレベルになると,ENORゲートXはインバータからバッファゲートになり,内部ノードn1=Lに対応して,ENORゲートX1の出力OUTをLレベルに下げる。ENORゲートがバッファゲートになったことに伴い,奇数段のインバータ回路になり,発振動作が開始される。
【0022】
この立ち下がり波形が,インバータI1〜I7を次々に伝播し,内部ノードn1がHレベルに立ち上がり,バッファゲートとして機能しているゲートX1を介して,出力OUTがHレベルに上がる。図3のリングオシレータは7段のインバータからなる回路になっており,出力OUTが立ち下がって次に立ち上がるまでの時間T0が,リングオシレータを信号波が伝播するに要する時間である。従って,時間T1からT2までが,リングオシレータが基準周波数f0で発信している状態であり,その周期は,信号波がリングオシレータを2周伝播するのに要する時間である。
【0023】
つまり,f0=1/2(τX1+7τI)(τX1はENORゲート遅延時間,τIはインバータのゲート遅延時間)である。
【0024】
時間T2において,内部ノードn1がLレベルの期間中に発振制御信号CをHレベルからLレベルにもどすと,ENORゲートX1はインバータとなり,図5中に破線で示した通り,内部ノードn1=Lを反転して,出力OUTをHレベルに立ち上げる。この立ち上がり波形が,図5中に実線で示した伝播信号波に加えられ,リングオシレータは2逓倍の2・f0で発振する。期間T1-T2で循環していた伝播信号波(実線で示す)に加えて,期間T2以降では,破線で示した伝播信号波が循環する。
【0025】
図6は,図3の発振器の動作原理を説明する図である。図6(1)(2)には,発振器のリング状の伝播路を示す循環路が示される。仮に,円形の循環路の最も高い位置がENORゲート出力の位相0とし,最も低い位置が同位相π(180°)とする。時間T1にて発振制御信号C=1となることで,周波数f0で伝播信号波が循環する。そして,C=1による伝播信号波が位相πのタイミングで,発振制御信号をC=0とすることで,今度はC=0による伝播信号波が新たに発生して循環し,周波数は2逓倍の2・f0になる。
【0026】
従って,図5のタイミングT2は,伝播信号波が位相πになるタイミングが好ましい。このタイミングは,出力OUTの立ち下がり信号波が,インバータI5を通過するタイミングが良く,そのためには,発振制御信号発生器10が,出力OUTの立ち下がりからゲート4段分の遅延時間後に,発振制御信号CをLレベルに立ち下げることができれば良い。
【0027】
図3のリングオシレータの各ゲートが,理想的な高い利得・周波数特性を有する場合,発振制御信号CのHレベルからLレベル,或いはLレベルからHレベルへの切替を,内部ノードn1がLレベルの期間中に行うことで,更に発振周波数を3逓倍,4逓倍...n逓倍にすることができる。
【0028】
図7は,第1の実施の形態例の発振器の回路図である。図7の発振器は,図3のリング発振器が2n-1段接続された構成になっている。初段セグメントは,ENORゲートX1のセグメントA1と,インバータ(反転ゲート),バッファ(非反転ゲート),論理ゲートなどのゲートI1〜IkからなるセグメントB1とで構成され,次段セグメントは,ENORゲートX2のセグメントA2と,ゲートIk+1〜I2kからなるセグメントB2で構成され,最終の2n-1段目のセグメントは,ENORゲートX(2n-2-1)k+1からなるセグメントA2n-1と,ゲートI(2n-2-1)k+1〜I2n-1kからなるセグメントB2n-1で構成される。これら複数のセグメントが接続されて発振回路200が構成される。
【0029】
この発振器には,発振周波数選択回路SELが設けられ,発振周波数選択回路SELは,入力される発振周波数選択信号Cをデコードして発振制御信号X1〜X2n-1を生成し,それらの発振制御信号が,遅延回路DELAYを介して各段のENORゲートに供給される。スイッチ信号SW=Hに応答して,ANDゲートAND1が導通し,リング発振開始可能状態になる。そして,発振制御信号X1〜X2n-1が所望のタイミングで各段のENORゲートに供給されて,図3で説明した原理により,発振回路が循環伝播信号を生成し,基本周波数f0からその2n-1逓倍の周波数までのいずれかの周波数で発振を行う。更に,発振器は,入力する発振制御信号X1〜X2n-1を選択することで,所望のデューティ比での発振信号を生成することができる。
【0030】
図8は,図7の第1の実施の形態例の発振器の簡単化回路図である。図8の発振器は,セグメントAがENORゲートXからなり,セグメントBが1個のインバータからなり,全体で4段構成の発振回路200の例である。最終段のセグメントB4はNANDゲートで構成され,発振スイッチ信号SWが入力される。
【0031】
そして,2ビットの発振周波数選択信号Cが,発振周波数選択回路SELに供給され,デコード後の発振制御信号X1〜X4が,遅延回路DELAYに供給される。更に,遅延回路では,出力OUTの立ち上がりのタイミングで,発振制御信X1〜X4をラッチし,発振周波数選択信号Cに対応した遅延時間後に各セグメントAのENORゲートXにその発振制御信号を供給する。ラッチのタイミングは別のゲート出力の変化を利用することもできる。
【0032】
図9は,発振周波数選択回路SELの回路図である。この例では,2ビットの発振周波数選択信号C1,C2が,バッファ・インバータ12,13で反転信号と非反転信号にされ,AND/NANDゲート14,15,16,17,18により,発振周波数選択信号C1,C2の論理の所定の組み合わせにしたがう発振制御信号X1〜X4が出力される。なお,ゲート16,17,18は,発振スイッチ信号SWの立ち上がりエッジに応答して,もう一方の入力を出力する。
【0033】
図10は,遅延回路DELAYの回路図である。遅延回路は,出力OUTの立ち上がりエッジで発振制御信号X1〜X4をラッチするラッチ回路D1と,4段のバッファゲート19〜22と,発振周波数選択信号Cにより各バッファの出力を選択する回路SEL2とを有する。図8のリング発振器が全部で8ゲートからなるのに対して,この遅延回路DELAYには,その半分の4段のバッファゲートが設けられる。
【0034】
従って,遅延回路DELAYの動作は,発振制御信号が出力OUTのタイミングに無関係に即出力される場合と,発振制御信号が出力OUTのタイミングでラッチされ,その後ゲート1段分の遅延後に出力される場合,ゲート2段分の遅延後に出力される場合,ゲート3,4段分後にそれぞれ出力される場合とを有する。
【0035】
図11は,図8の発振器での周波数選択動作における周波数選択回路の論理値表を示す図である。また,図12は,発振器の周波数選択動作を説明するための図である。図12(1)の初期状態では,遅延回路DELAYの全ての出力がLレベルであるので,ENORゲートX1〜X4は全てインバータとして機能する。従って,図8の発振器は,8個のインバータで構成され,非発振状態である。
【0036】
次に,発振周波数選択信号C1,C2を「0,0」に設定して,発振スイッチ信号SWをHレベルにすると,図11に示される通り,発振周波数選択回路SELの出力X1〜X4が「1000」になる。それに伴い,ENORゲートX1の一方の入力がHレベル「論理1」となり,ENORゲートX1はバッファゲートとなり,図3で説明した通り,基準周波数f0で発振を開始する。この時の周期は,伝播波形がリングオシレータを2周伝播するために要する時間であり,その逆数が基準周波数f0となる。この発振状態は,図12(2)に示される通りである。
【0037】
尚,図12中,「×」は新たに発生する伝播信号波であり,「○」はすでに発生している伝播信号波を意味する。後述する別の図中においても同じである。
【0038】
次に,発振周波数選択信号C1,C2を「1,0」に設定すると,発振周波数選択回路SELは,それらをデコードして,図11に示される通り,選択回路SELの出力X1〜X4を「0000」にする。即ち,出力X1のみが,HレベルからLレベルに変化する。この出力X1のLレベルへの変化は,遅延回路DELAY1において,出力OUTの立ち上がりエッジに応答してラッチされ,4段ゲート19〜22の伝播遅延時間だけ遅れてENORゲートX1に入力される。
【0039】
即ち,出力OUTを立ち上げた伝播信号波がインバータI2の出力の立ち上がり波形として伝播してくるタイミングで,選択回路SELの出力X1がHレベルからLレベルに立ち下がる。このタイミングは,最初に発生した伝播信号波が位相πの時のタイミングである。つまり,発振器が2M段ある時は,位相πのタイミングをとるためには,遅延回路DELAY1のゲート数はM段が必要になる。その結果,ENORゲートX1はインバータとなり,その出力がHレベルからLレベルに立ち下がる。この動作は,図5における時間T2の時の動作と同じである。その結果,図12(3)に示される通り,選択回路の出力X1=0により,新たな発振用の伝播信号波が発生し,発振周波数が2逓倍の2f0となる。
【0040】
次に,発振周波数選択信号C1,C2を「0,1」に設定すると,発振周波数選択回路SELは,それらをデコードして,図11に示される通り,選択回路SELの出力X1〜X4を「1010」にする。即ち,出力X1とX3が,LレベルからHレベルに変化する。この出力X1,X3のHレベルへの変化は,遅延回路DELAY1,3において,出力OUTの立ち上がりエッジに応答してラッチされ,2段ゲート19,20の伝播遅延時間だけ遅れてENORゲートX1,X3にそれぞれ入力される。
【0041】
この入力のタイミングは,図12(3)で示す2つの伝播信号波のうちの一方が,出力OUTを通過してからゲート2段分経過後のタイミングであり,図12(4)に示されるとおり,2つの伝播信号波とは90°の位相差のタイミングである。
【0042】
このタイミングで,ENORゲートX1,X3が共にインバータに変換され,それに伴い新たに2つの伝播信号波が発生する。その結果,従前の2つの伝播信号波に加えて全部で4個の伝播信号波がリングオシレータ回路を同時に伝播することになり,周波数は4逓倍の4・f0になる。
【0043】
更に,発振周波数選択信号C1,C2を「1,1」に設定すると,発振周波数選択回路SELは,それらをデコードして,図11に示される通り,選択回路SELの出力X1〜X4を「0101」にする。即ち,出力X1とX3がHレベルからLレベル(論理「1」から「0」)へ,出力X2,X4がLレベルからHレベル(論理「0」から「1」)へ変化する。この出力X1,X3のLレベルへの変化,及び出力X2,X4のHレベルへの変化は,遅延回路DELAY1〜4において,出力OUTの立ち上がりエッジに応答してラッチされ,1段のゲート19の伝播遅延時間だけ遅れてENORゲートX1〜X4にそれぞれ入力される。
【0044】
これらの入力に応答して,ENORゲートX1,X3はバッファに,ENORゲートX2,X4はインバータに切り替えられ,それぞれの出力が反転し,図12(5)に示されるとおり,4つの伝播信号波が新たに発生する。その結果,発振周波数は8・f0と8逓倍になる。
【0045】
図11の表に示される通り,周波数選択信号C1,C2を順に変化させることにより,発振周波数をf0,2f0,4f0,8f0と2n逓倍ずつ高くシフトさせることができる。そして,いずれの発振周波数での発振状態においても,発振スイッチ信号SWをLレベルに落とすことにより,発振器の発振動作を停止させることができ,新たに発振動作を制御することができる。
【0046】
図13は,図8の発振器でのデューティ比制御動作における選択回路SELの論理値表及び発振波形を示す図である。この動作では,基準周波数f0での発振状態から2逓倍2f0での発振に変更する時に,発振クロック信号を任意のデューティ比に制御することができる。図14は,そのデューティ比制御動作を説明するための図である。前提として,遅延回路DELAY1〜4は,図10と異なり図13の論理値表に示される遅延ゲート数になり,選択信号C1,C2が「1,1」の場合に,遅延段数0に設定されている。また,選択回路SELも図9とは異なり,図13の論理値表に示されるようにデコードされる。
【0047】
図11で説明した通り,初期状態でリング発振器は8段のインバータで構成され,発振動作を行っていない。そこで,選択信号C1,C2を「0,0」にして,発振スイッチ信号SWをHレベルにすると,セレクタ出力信号X1〜X4が「1000」になり,各遅延回路DELAY1〜4が遅延なしでその出力をENORゲートに供給する。それにより,基準周波数f0での発振を開始する。
【0048】
この状態から,選択信号C1,C2を「1,0」にすると,選択回路の出力信号X1〜X4が「1100」になり,出力OUTの立ち上がりからゲート4段の遅延時間後に,それらの出力信号がENORゲートに供給される。それにより,図14(2)に示される通り,ENORゲートX2がバッファゲートに切り替わり,その出力をHレベルからLレベルに引き下げて,新たな伝播信号波を生成する。その結果,図13(2)に示されるとおり,周波数2・f0でデューティ比が1/4の発振動作が行われる。
【0049】
次に,初期状態から基準周波数f0で発振動作状態に切り替えられた後,今度は,選択信号C1,C2を「0,1」にすると,選択回路の出力信号X1〜X4が「1001」になり,出力OUTの立ち上がりからゲート2段の遅延時間後に,それらがENORゲートに供給される。それにより,図14(3)に示される通り,ENORゲートX4がバッファゲートに切り替わり,その出力をHレベルからLレベルに引き下げて,新たな伝播信号波を生成する。その結果,図13(2)に示されるとおり,周波数2・f0でデューティ比が2/4の発振動作が行われる。
【0050】
更に,基準周波数f0の状態から,選択信号C1,C2を「1,1」にすると,選択回路の出力信号X1〜X4が「1100」になり,出力OUTの立ち上がりのタイミングで,それらがENORゲートに供給される。それにより,図14(4)に示される通り,ENORゲートX2がバッファゲートに切り替わり,その出力をLレベルからHレベルに引き上げて,新たな伝播信号波を生成する。その結果,図13(2)に示されるとおり,周波数2・f0でデューティ比が3/4の発振動作が行われる。
【0051】
当業者に明らかな通り,基準周波数f0からより高い逓倍の周波数2f0に切り替える時に,4つのENORゲートのうち新たに挿入する伝播信号波の位置を,選択回路SELによって制御することにより,1/4単位でデューティ比を制御することができる。むろん発振器の段数が増えれば,制御できるデューティ比の分解能を大きくすることができる。また,遅延回路の遅延量に応じて選択回路の出力を選ぶことで,デューティ比を制御することができるので,上記の遅延量とセレクタ出力信号は,別の組合せであっても良い。
【0052】
図15は,第2の実施の形態例における発振器の回路図である。この発振器は,基本周波数f0からそのN逓倍周波数までの発振出力を生成することができる。図15の発振器300は,図7の発振器に示したセグメントAとBとからなる各段の回路が,M段リング状に接続されている。図15では,簡略化してセグメントAとしてENORゲートXが,セグメントBとしてインバータIが,各段で合計kゲート設けられている。そして,発振周波数選択信号Cに応じて出力信号X1〜XMを生成する選択回路SELが設けられ,その出力信号X1〜XMは,直接各段のENORゲートに入力される。M段目の回路内に,インバータに変わって発振スイッチ信号SWが入力されるNANDゲートNANDが設けられている。
【0053】
図16は,図15の発振器の簡略された回路図である。図16の例では,発振回路300が,各段が1個のENORゲートXと1個のインバータIとで構成され,全体で12段接続されている。最終段(12段目)ではインバータの代わりに発振スイッチ信号SWが入力されるNANDゲートが設けられている。
【0054】
図17は,図16の選択回路SELの回路図である。そして,図18は,選択回路の論理値表を示す図である。選択回路SELには,4ビットの周波選択信号C1〜C4が入力され,バッファ・インバータ30〜33によりそれらの反転,非反転信号が生成され,AND,ORゲート群34〜43によりなるデコード回路が,論理値表に従う出力信号X1〜X12を生成する。出力信号X1〜X12は,好ましくは同じタイミングで,それぞれ対応するENORゲートX1〜X12に入力される。従って,最終段のゲートが,出力OUTの立ち上がりエッジに応答して一斉に出力するようにしても良い。
【0055】
次に,図16の発振器の動作を説明する。図19は,発振器の動作を説明するための図である。まず初期状態では,発振スイッチ信号SWがLレベルであり,発振器は非発振状態である。選択信号C1〜C4が「0000」にされ,発振スイッチ信号SWがHレベルになると,NANDゲートはインバータとなり,全てのENORゲートもインバータになる。しかし,全体のインバータ数が24段と偶数であるので,発振は起こらない。
【0056】
次に,周波数選択信号C1〜C4が「1000」になると,第1段目のENORゲートX1に出力X1=1が入力される。それにより,図19(1)に示される通り,基準周波数f0での発振を開始する。
【0057】
2逓倍の周波数2・f0で発振を開始する場合は,発振スイッチ信号SWをLレベルにして発振器の発振動作を停止した後,周波数選択信号C1〜C41を「0100」にする。それに応答して,選択回路SELは,出力X1,X7をHレベル(論理「1」)にし,第1,7段目のENORゲートに入力する。それにより,図19(2)に示される通り,2個の伝播信号波が生成され,2逓倍の周波数2・f0で発振を開始する。
【0058】
3逓倍の周波数3・f0で発振を開始する場合も,再度発振器の発振動作を停止した後,周波数選択信号C1〜C41を「1100」にする。それに応答して,選択回路の出力X1,5,9がHレベルになり,3個の伝播信号波が生成され,3逓倍の周波数で発振を開始する。
【0059】
以下同様に,4逓倍,6逓倍,12逓倍の周波数で発振動作させる場合も,一旦初期状態にして,周波数選択信号を図18に示される通り制御することで,それぞれ4個,6個,12個の伝播信号が生成され,4,6,12逓倍の周波数で発振動作が開始される。
【0060】
以上の通り,発振器の合計段数の約数1,2,3,4,6,12逓倍の周波数での発振が可能になる。上記の例は,いずれもデューティ比を50%にする例であり,Hレベルに制御する選択回路の出力の位置を適宜変更することにより,任意のデューティ比での発振に制御することができる。但し,合計段数分の1の分解能でしかデューティ比制御できない。即ち,ENORゲートを反転ゲート又は非反転ゲートに変換する個数により,発振周波数が制御可能であり,その位置によりデューティ比が制御可能になる。
【0061】
図20は,図16の発振器でのデューティ比制御する場合の選択回路の動作論理値表を示す図である。また,図21は,そのデューティ比制御動作を説明するための図である。初期状態から,発振スイッチ信号SWをHレベルにし,選択信号C1〜C4が「0000」の状態では,発振器が24個のインバータで構成されるので非発振状態である。そこで,選択信号C1〜C4を「1000」にすると,図20に示される通り,図示しない選択回路が出力信号X1,X2をHレベルし,ENORゲートX1,X2に入力する。それに応答して,図21(1)に示される通り,インバータ2段分の位相差で2個の伝播信号波が生成され,2逓倍の周波数であってデューティ比1/12での発振動作が開始される。
【0062】
同様に,選択信号C1〜C4が「0000」の非発振状態から,選択信号C1〜C4を「0100」にすると,出力信号X1,X3がHレベルになり,ENORゲートX1,X3にそれが入力される。それに応答して,図21(2)に示される通り,インバータ4段分の位相差で2個の伝播信号波が生成され,2逓倍の周波数であってデューティ比2/12での発振動作が開始される。
【0063】
同様にして,図20の論理値表に示される通り,選択信号C1〜C4が「0000」での非発振状態から,選択信号を適宜選択することで,2個の伝播信号波がENORゲートの任意の位置で発生し,任意のデューティ比での発振動作が開始する。以上の様に,2逓倍の周波数での発振動作を行う場合,反転ゲート又は非反転ゲートに変換するENORゲートの位置を選択して,伝播信号波が発生する位置を適宜選択することで,任意のデューティ比での発振動作が可能になる。但し,デューティ比の分解能は,発振器のゲートの段数分に依存し,段数が多いほど,分解能を高くすることができる。
【0064】
上記の周波数制御動作は,基準周波数f0での発振状態から,より高いk逓倍の周波数に変更する時も可能である。同様に,上記のデューティ比制御動作は,基準周波数f0での発振状態から,2逓倍の周波数2f0の発振状態にするときにも可能である。
【0065】
例えば周波数制御動作では,図18の2行目の選択回路出力信号X1〜X12により,基準周波数での発振状態にした後,図16の選択回路SELが出力OUTの変化に応答して,図18の3行目以降の出力信号X1〜X12を出力すると,それぞれ伝播信号波が1個,2個,3個...と追加されて,より高い逓倍の周波数での発振状態に移行する。
【0066】
同様に,デューティ比制御動作でも,図18の2行目の選択回路出力信号X1〜X12により,基準周波数での発振状態にした後,図16の選択回路SELが出力OUTの変化に応答して,図20の2行目以降の出力信号X1〜X12を出力すると,もう一つの伝播信号波が異なるENORゲートの位置に追加され,2逓倍で所望のデューティ比のクロック信号が生成される。
【0067】
図22は,第3の実施の形態例における発振器の回路図である。この発振器の発振回路400は,1個のNANDゲートと1個のENORゲートX1と,10個のインバータゲートI1〜I10とをリング状に接続し,発振スイッチ信号SWにより基本周波数での発振を開始し,発振動作が発振検出回路51により検出され,発振検出後は,発振周波数制御信号Cにより2逓倍での発振と基本周波数での発振とを切り替えることができる。ラッチ回路50は,ノードN14の立ち下がりエッジで発振周波数制御信号Cをラッチし,発振検出回路51は,ノードN14を監視して発振動作を検出し,更に,遅延回路53は,発振スイッチ信号SWを所定時間遅延させる。また,選択回路52は,非発振状態で発振検出回路51の出力N12がLレベルの間は,遅延回路53の出力を選択し,発振状態で出力N12がHレベルの間は,ラッチ回路50の出力を選択する。
【0068】
図23は,図22の発振器の動作を説明するタイミングチャートの図である。この図に沿って,発振器の動作を説明する。非発振状態の初期状態から,(a)に示される通り,発振周波数制御信号CをHレベルにして,発振スイッチ信号SWをHレベルにすると,NANDゲートの一方の入力N11がHレベルになり,遅延回路53の遅延時間後に選択回路52の出力N13がHレベルに立ち上がる。それに応答して,ENORゲートX1はバッファゲートに切り替わり,出力OUTがHレベルに立ち上がり,基本周波数での発振動作を開始する。その時の基本発振周波数f0は,1個のゲート遅延時間が約10psとすると,1/(2*10ps*11)になる。
【0069】
次に,(b)に示される通り,発振動作が検出回路51により検出され,その出力N12がHレベルに立ち上がる。それにより,選択回路52は,ラッチ回路50の出力を選択する。そして,(c)に示されるとおり,発振周波数制御信号CをLレベルにすると,インバータI2の出力N14の立ち下がりエッジに同期してラッチ回路50が信号Cを取り込み,選択回路52が出力N13をLレベルにする。それに応答して,ENORゲートX1がインバータに切り替わり,新たな伝播信号波が発生し,2逓倍の周波数で発振が始まる。
【0070】
次に,(d)に示されるとおり,発振周波数制御信号Cを再びHレベルにすると,(c)の場合と同様に,ノードN14の立ち下がりエッジで信号Cがラッチされ,選択回路52の出力N13が立ち上がる。それに応答して,新たに伝播信号が発生して,3逓倍での発振動作に入るが,各インバータの応答特性ではそのような高い周波数に対応できず,一旦発振が停止する。そして,その後,外部雑音などにより基本周波数での発振が再開する。
【0071】
最後に,(e)に示されるとおり,発振スイッチ信号SWをLレベルに立ち下げると,NANDゲートが閉じて,やがて発振が停止する。
【0072】
以上の通り,図22の発振器では,複数段のゲートとENORゲートとをリング状に接続し,発振周波数制御信号Cを切り替えることにより,基本周波数での発振と2逓倍周波数での発振との間で切り替えることができる。
【0073】
以上の実施例において,ENORゲートはEORゲートであっても良い。その場合は,発振制御入力に与えられる信号の論理を逆にする必要がある。また,リング状の発振回路は,少なくとも1個の反転ゲートが含まれていれば良く,それ以外は非反転ゲートで構成することができる。
【0074】
以上の実施の形態例をまとめると,次の付記の通りである。
【0075】
(付記1)所定の周波数のクロック信号を生成する発振器において,
発振制御入力を有する少なくとも1個の排他的論理和ゲートと,少なくとも1個の反転ゲートと,複数の反転または非反転ゲートとを,環状に縦列接続した発振回路と,
前記いずれかのゲート出力の変化から所定の遅延時間後,前記発振制御入力に発振制御信号を入力する発振制御信号発生回路とを有し,
前記発振制御信号を入力することにより,発振回路内に伝播信号波が発生し,伝播信号波の数に応じた周波数で前記発振回路が発振することを特徴とする発振器。
【0076】
(付記2)所定の周波数のクロック信号を生成する発振器において,
発振制御入力を有する排他的論理和ゲートと,少なくとも1個の反転ゲート及び複数の反転または非反転ゲートとを縦列接続したセグメントを,N個,環状に接続した発振回路と,
発振選択信号に従って,所定の組合せの複数の発振制御信号を生成する発振選択回路と,
前記いずれかのゲート出力の変化に応答して前記複数の発振制御信号を取り込み,前記発振選択信号に従って,当該複数の発振制御信号をそれぞれ遅延させて,前記排他的論理和ゲートの発振制御入力に供給する複数の遅延回路とを有し,
前記遅延回路の遅延時間後に,前記複数の発振制御信号にしたがって,前記複数の排他的論理和ゲートのいずれか1個又は複数個が反転又は非反転ゲートに変換して,発振動作を行うことを特徴とする発振器。
【0077】
(付記3)付記2において,
前記発振回路が第1の周波数で発振状態の時に,前記排他的論理和ゲートを前記反転又は非反転ゲートに変換して,前記第1の周波数より高い第2の周波数での発振状態に移行することを特徴とする発振器。
【0078】
(付記4)付記3において,
前記第1の周波数から第2の周波数に移行する時に,前記複数の発振制御信号にしたがって,前記反転又は非反転ゲートに変換する排他的論理和ゲートの位置を選択することにより,選択されたデューティ比を有するクロック信号が生成されることを特徴とする発振器。
【0079】
(付記5)所定の周波数のクロック信号を生成する発振器において,
発振制御入力を有する排他的論理和ゲートと,少なくとも1個の反転ゲート及び複数の反転または非反転ゲートとを縦列接続したセグメントを,N個,環状に接続した発振回路と,
発振選択信号に従って,所定の組合せの複数の発振制御信号を生成し,前記複数の排他的論理和ゲートの発振制御入力にそれぞれ供給する発振選択回路とを有し,
前記発振回路が非発振状態の時に,前記複数の発振制御信号によって,前記排他的論理和ゲートのいずれか1個又は複数個が反転又は非反転ゲートに変換して,発振動作を開始することを特徴とする発振器。
【0080】
(付記6)付記5において,
前記発振選択信号が発振周波数を選択する信号であり,
前記複数の発振制御信号にしたがって,前記反転又は非反転ゲートに変換する排他的論理和ゲートの数を選択することにより,基本周波数から当該基本周波数のN逓倍周波数のいずれかで発振動作を開始することを特徴とする発振器。
【0081】
(付記7)付記5において,
前記発振選択信号がデューティ比を選択する信号であり,
前記複数の発振制御信号にしたがって,前記反転又は非反転ゲートに変換する排他的論理和ゲートの位置を選択することにより,選択されたデューティ比を有するクロック信号が生成されることを特徴とする発振器。
【0082】
(付記8)所定の周波数のクロック信号を生成する発振器において,
発振制御入力を有する排他的論理和ゲートと,少なくとも1個の反転ゲート及び複数の反転または非反転ゲートとを縦列接続したセグメントを,N個,環状に接続した発振回路と,
発振選択信号に従って,所定の組合せの複数の発振制御信号を生成し,前記いずれかのゲート出力の変化に応答して,当該複数の発振制御信号を前記複数の排他的論理和ゲートの発振制御入力にそれぞれ供給する発振選択回路とを有し,
前記発振回路が第1の周波数で発振状態の時に,前記複数の発振制御信号によって,前記排他的論理和ゲートのいずれか1個又は複数個が反転又は非反転ゲートに変換して,前記第1の周波数より高い第2の周波数での発振状態に移行することを特徴とする発振器。
【0083】
(付記9)付記8において,
前記第1の周波数から第2の周波数に移行する時に,前記複数の発振制御信号にしたがって,前記反転又は非反転ゲートに変換する排他的論理和ゲートの位置を選択することにより,選択されたデューティ比を有するクロック信号が生成されることを特徴とする発振器。
【0084】
【発明の効果】
以上,本発明によれば, 小さい回路規模で複数の発振周波数を選択して,または複数のデューティ比を選択して発振動作させることができる。
【0085】
以上,本発明の保護範囲は,上記の実施の形態例に限定されるものではなく,特許請求の範囲に記載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の周波数制御可能な発振器の回路図である。
【図2】従来の別の発振器の回路図である。
【図3】本実施の形態例における発振器の基本的構成の回路図である。
【図4】インバータI1〜I7を構成するトランジスタ回路である。
【図5】図3の発振器の動作タイミングチャート図である。
【図6】図3の発振器の動作原理を説明する図である。
【図7】第1の実施の形態例の発振器の回路図である。
【図8】第1の実施の形態例の発振器の簡略化回路図である。
【図9】発振周波数選択回路SELの回路図である。
【図10】遅延回路DELAYの回路図である。
【図11】図8の発振器での周波数選択動作における周波数選択回路の論理値表を示す図である。
【図12】図8の発振器の周波数選択動作を説明するための図である。
【図13】図8の発振器でのデューティ比制御動作における選択回路SELの論理値表を示す図である。
【図14】図8の発振器のデューティ比制御動作を説明するための図である。
【図15】第2の実施の形態例における発振器の回路図である。
【図16】第2の実施の形態例における発振器の簡略された回路図である。
【図17】図16の選択回路SELの回路図である。
【図18】図16の選択回路の論理値表を示す図である。
【図19】図16の発振器の周波数選択動作を説明するための図である。
【図20】図16の発振器でのデューティ比制御する場合の選択回路の動作論理値表を示す図である。
【図21】図16の発振器でのデューティ比制御動作を説明するための図である。
【図22】第3の実施の形態例における発振器の回路図である。
【図23】図22の発振器の動作を説明するタイミングチャートの図である。
【符号の説明】
X1〜Xn 排他的論理和ゲート,ENORゲート
I1〜In 反転ゲート,インバータ
SEL 発振選択回路,発振周波数(デューティ比)選択回路
OUT 出力
DELAY 遅延回路
100 発振回路
200 発振回路
300 発振回路
400 発振回路
Claims (5)
- 所定の周波数のクロック信号を生成する発振器において,
発振制御入力を有する少なくとも1個の排他的論理和ゲートと,少なくとも1個の反転ゲートと,複数の反転または非反転ゲートとを,環状に縦列接続した発振回路と,
前記発振制御入力に第1の発振制御信号を入力して前記排他的論理和ゲートの出力に第1の変化を生じさせて第1の伝播信号波を前記発振回路内に伝播させ第1の周波数による第1の発振を生じさせ,前記第1の変化による前記第1の伝播信号波が前記環状の発振回路内において所望の位相の位置に達する遅延時間後に,前記発振制御入力に前記第1の変化とは逆の第2の変化を前記排他的論理和ゲートの出力に生じさせる第2の発振制御信号を入力する発振制御信号発生回路とを有し,
前記第2の発振制御信号を入力することにより,前記排他的論理和ゲートの出力に前記第2の変化が生じて前記第1の伝播信号波と異なる第2の伝播信号波が前記発振回路内に伝播し,前記第1及び第2の伝播信号波の数に応じて前記第1の周波数と異なる第2の周波数による第2の発振が生じることを特徴とする発振器。 - 所定の周波数のクロック信号を生成する発振器において,
発振制御入力を有する排他的論理和ゲートと,少なくとも1個の反転ゲート及び複数の反転または非反転ゲートとを縦列接続したセグメントを,N個,環状に接続した発振回路と,
発振選択信号に従って,所定の組合せの複数の発振制御信号を生成する発振選択回路と,
前記いずれかのゲート出力の変化に応答して前記複数の発振制御信号を取り込み,前記発振選択信号に従って,当該複数の発振制御信号をそれぞれ遅延させて前記排他的論理和ゲートの発振制御入力に供給する複数の遅延回路とを有し,
第1の発振制御信号を前記複数の排他的論理和ゲートのうちいずれかの第1の排他的論理和ゲートの発振制御入力に入力して当該第1の排他的論理和ゲートの出力に第1の変化を生じさせて第1の伝播信号波を前記発振回路内に伝播させ第1の周波数による第1の発振を生じさせ,
前記第1の伝播信号波が前記発振回路内において所望の位相の位置に達するタイミングで,前記遅延回路が,第2の発振制御信号をいずれかの前記排他的論理和ゲートの発振制御入力に入力して当該排他的論理和ゲートの出力に前記第1の変化とは逆の第2の変化を生じさせて第2の伝播信号波を前記発振回路内に伝播させ,前記第1及び第2の伝播信号波の数に応じて前記第1の周波数より高い第2の周波数による第2の発振を生じさせ,
さらに,前記遅延回路が,前記第1,第2の伝播信号波が前記発振回路内において所望の位相の位置に達するタイミングで,第3の発振制御信号をいずれかの前記排他的論理和ゲートの発振制御入力に入力して当該排他的論理和ゲートの出力に前記第2の変化とは逆の第3の変化を生じさせて第3の伝播信号波を前記発振回路内に伝播させ,前記第1,第2,第3の伝播信号波の数に応じて前記第2の周波数より高い第3の周波数による第3の発振を生じさせることを特徴とする発振器。 - 所定の周波数のクロック信号を生成する発振器において,
発振制御入力を有する排他的論理和ゲートと,少なくとも1個の反転ゲート及び複数の反転または非反転ゲートとを縦列接続したセグメントを,N個,環状に接続した発振回路と,
発振選択信号に従って,所定の組合せの1個または複数個の発振制御信号を生成し,1個または複数個の前記排他的論理和ゲートの発振制御入力にそれぞれ同時に供給する発振選択回路とを有し,
前記発振回路が非発振状態の時に,前記1個または複数個の発振制御信号によって,前記排他的論理和ゲートのいずれか1個又は複数個が反転又は非反転ゲートに変換して,当該変換された排他的論理和ゲートの出力の状態の反転変化により前記環状の発振回路内に1個又は複数個の新たな伝播信号波を発生させ,前記発生した伝播信号波の数に応じた周波数で発振動作を開始することを特徴とする発振器。 - 請求項3において,
前記発振選択信号が発振周波数を選択する信号であり,
前記複数の発振制御信号にしたがって,前記反転又は非反転ゲートに変換する排他的論理和ゲートの数を選択することにより,基本周波数から当該基本周波数のN逓倍周波数のいずれかで発振動作を開始することを特徴とする発振器。 - 所定の周波数のクロック信号を生成する発振器において,
発振制御入力を有する排他的論理和ゲートと,少なくとも1個の反転ゲート及び複数の反転または非反転ゲートとを縦列接続したセグメントを,N個,環状に接続した発振回路と,
発振選択信号に従って,所定の組合せの複数の発振制御信号を生成し,前記いずれかのゲート出力の変化に応答して,前記排他的論理和ゲートの出力の状態の反転変化により発生した第1の伝播信号波が前記環状の発振回路内において所望の位相の位置に達するタイミングで,当該複数の発振制御信号を前記複数の排他的論理和ゲートの発振制御入力にそれぞれ供給する発振選択回路とを有し,
前記発振回路が前記第1の伝播信号波の伝播により第1の周波数で発振している時に,前記発振選択回路が前記タイミングで前記複数の発振制御信号を前記排他的論理和ゲートの発振制御入力に入力することによって,前記排他的論理和ゲートのいずれか1個又は複数個を反転又は非反転ゲートに変換して,当該変換された排他的論理和ゲートの出力の状態の反転変化により前記環状の発振回路内に1個又は複数個の新たな第2の伝播信号波を発生させ,前記第1の周波数より高い第2の周波数での発振状態に移行することを特徴とする発振器。
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