JP4905246B2 - 溶接装置 - Google Patents

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Description

この発明は、鋼板部品にプロジェクションボルトまたはプロジェクションナット等の部品を電気抵抗溶接で溶接するものに関している。
一対の電極が装備されたC型ガンをロボット装置によって鋼板部品に接近させて、プロジェクションナットを鋼板部品に溶接することが、特開昭62−166085号公報に開示されている。そして、この公報には、C型ガンにナット供給装置が装備されていることも開示されている。
特開昭62−166085号公報
上述のような先行技術であると、プロジェクションナットだけの溶接がなされるものであり、それ以外の例えばプロジェクションボルトのような他の部品の溶接に関しては何も開示されていない。とくに、1つのC型ガンにおいて複数の部品を溶接することに関する配慮は何も開示されていない。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、電極が一対のアーム部材に取付けられているとともに、この電極の間に鋼板部品を挿入して鋼板部品にプロジェクションボルトまたはプロジェクションナット等の部品を電気抵抗溶接で溶接することのできる溶接装置の提供を目的とする。
問題を解決するための手段
請求項1記載の発明は、
電極軸線上に配置された可動電極と固定電極が一対のアーム部材に取付けられているとともに、この可動電極と固定電極の間に鋼板部品を挿入して鋼板部品にプロジェクションボルトまたはプロジェクションナット等の部品を電気抵抗溶接で溶接する形式のものにおいて、前記可動電極にプロジェクションボルトの軸部が挿入される受入孔が形成され、前記可動電極と対をなす前記固定電極は、プロジェクションボルトを溶接するときに使用する端面が平坦な第1電極とプロジェクションナットを溶接するときに使用する端面にガイドピンが設けられた第2電極によって構成され、第1電極と第2電極は、プロジェクションボルト溶接時の位置とプロジェクションナット溶接時の位置に交互に変換できる変換機構に取付けられ、
前記可動電極が取付けられているアーム部材の片側の側面にボルト供給装置が取付けられ、前記可動電極が取付けられているアーム部材の他側の側面にナット供給装置が取付けられ、前記ボルト供給装置のボルト供給ロッドが前記電極軸線に対して斜め方向に配置され、前記ナット供給装置のナット供給ロッドが前記電極軸線に対して斜め方向に配置され、
前記変換機構は、細長い部材で形成された支持部材に前記第1電極と前記第2電極が取付けられ、両電極の中央部の箇所の支持部材に回転軸が取付けられ、この回転軸が前記固定電極が取付けられているアーム部材を貫通した状態で支持され、アーム部材の下側に固定した回転駆動手段によって前記回転軸が回転するように構成され、回転軸の軸線は前記電極軸線と平行になるように配置されていることを特徴とする溶接装置である。
以下の説明において、プロジェクションボルトを単にボルトと表現し、プロジェクションナットを単にナットと表現する場合もある。
発明の効果
プロジェクションボルトの軸部を受入孔に挿入してボルトを鋼板部品に溶接するときには、前記変換機構が動作して前記第1電極が電極軸線上の所定の箇所に位置づけられる。それからボルトが鋼板部品に加圧され、さらに溶接電流が通電されて溶接が完了する。また、プロジェクションナットを鋼板部品に溶接するときには、変換機構が動作して前記第2電極が電極軸線上の所定の箇所に位置づけられる。ついで、ガイドピンに鋼板部品がセットされ、さらにナットが前記ガイドピンに保持される。その後、ナットが鋼板部品に加圧され、溶接電流が通電されて溶接が完了する。
上述のように、ボルト溶接時には、それに適した第1電極が電極軸線上の所定の箇所に位置づけられ、ナット溶接時には、それに適した第2電極が電極軸線上の所定の箇所に位置づけられる。すなわち、ボルトまたはナットを溶接するときに適応した相手方電極が前記変換機構によって選択することができる。したがって、1台の溶接装置においてボルトとナットの溶接機能を保有させることができ、溶接装置自体の多機能化が図られて溶接設備の簡素化が促進される。
このようなボルトとナットの2種類の部品にとどまらず、例えば、環状のディスタンスピースのような部品の溶接を行うための第3の電極を変換機構に配置することができ、これによって溶接装置の多機能化を一層促進することができる。
ーム部材にボルト供給装置が取付けられ、このボルト供給装置は、プロジェクションボルトを保持したボルト供給ロッドが進出して、前記軸部が電極軸線と同軸になった状態から軸部を受入孔に挿入するものである。
前記アーム部材にボルト供給装置が取付けられているので、ボルト供給装置と前記受入孔との距離が短縮され、受入孔へのボルト供給が短時間で確実に行うことができる。ボルト供給ロッドの動作によって、ボルト軸部と電極軸線とを合致させてから受入孔へボルトを挿入するので、ボルトの移動経路が簡素化され、受入孔へのボルト供給が確実になされる。
ーム部材にナット供給装置が取付けられ、このナット供給装置は、プロジェクションナットを保持したナット供給ロッドが進出して、プロジェクションナットのねじ孔に前記ガイドピンが相対的に貫通するものである。
前記アーム部材にナット供給装置が取付けられているので、ナット供給装置と前記ガイドピンとの距離が短縮され、ガイドピンへのナット供給が短時間で確実に行うことができる。ナット供給ロッドの動作によって、ナットをガイドピンへ直接供給することができるので、ガイドピンへのナット供給が確実になされる。
ーム部材の片側の側面にボルト供給装置が取付けられ、アーム部材の他側の側面にナット供給装置が取付けられている。
上述のように、アーム部材の両側面にそれぞれボルト供給装置とナット供給装置が取付けられているので、両供給装置をアーム部材にコンパクトに配置することができて、溶接装置の小型化にとって効果的である。
記受入孔が形成された電極は、プロジェクションボルト溶接時とプロジェクションナット溶接時のいずれにおいても使用されるものである。
前記受入孔が形成された電極が、ボルト溶接とナット溶接の両方に兼用されるので、電極の種類を増やすことを回避できて、電極の簡素化を図ることができる。
記変換機構は、アーム部材に支持部材が回転可能な状態で取付けられ、この支持部材に第1電極と第2電極が取付けられたものである。
このように第1電極と第2電極を有する支持部材がアーム部材に回転自在に取付けられているので、支持部材を回転させるだけの動作で第1電極または第2電極のいずれかの電極を簡単に選択することができる。そして、回転動作による電極選択であるから、支持部材の回転中心を所定の箇所に設定しておくことにより、相手方電極との同軸性を確保することが確実に行える。
記アーム部材は、ロボット装置に連結されたC型ガンにおける一対のアーム部材である。
このようにロボット装置によってC型ガンすなわち溶接装置が所定の箇所に移動するので、所要の箇所へのボルトやナットの溶接が選択的に簡単になされる。
つぎに、本発明の溶接装置を実施するための最良の形態を説明する。
図1〜図5は、実施例1を示す。
プロジェクションボルトについて説明する。
プロジェクションボルトの形状としては種々なものがあるが、この実施例1におけるボルトは図3や図5(A)に示すようなものである。すなわち、ボルト1は鉄製であり、雄ねじが形成された軸部2と、軸部2と一体の円形のフランジ部3と、軸部2とは反対側にフランジ部2と同心円状に円形に形成された溶着用突起4から構成されている。各部の寸法は、軸部2の直径は5mm、軸部2の長さは23mm、フランジ部3の直径は13mm、フランジ部3の厚さは1mm、溶着用突起4の直径は9mm、溶着用突起4の突出厚さは1.2mmである。なお、溶着用突起4を小さな複数個の突起にしてもよい。
つぎに、プロジェクションナットについて説明する。
プロジェクションナットの形状としては種々なものがあるが、この実施例1におけるナットは図4や図5(B)に示すようなものである。すなわち、ナット5は鉄製であり、四角い形状の本体6の中央部にねじ孔7が形成され、四角い本体の片側の四隅に溶着用突起8が形成されている。前記四角い形状は、ねじ孔7の軸線方向から見ると正方形である。各部の寸法は、正方形の一辺が11mm、ねじ孔7の軸方向の厚さが5mm、ねじ孔7の内径が5mmである。
つぎに、溶接装置全体について説明する。
図1は、溶接装置全体を示す側面図であり、(A)図は片側から見た図であり、(B)図は反対側から見た図である。この溶接装置は、C型ガンタイプのものであり、C型部材9に一対のアーム部材10,11が形成され、アーム部材10に可動電極12が取付けられ、他方のアーム部材11に固定電極13が取付けられている。符号14は、可動電極12を進退させるエアシリンダであり、アーム部材10に固定されている。これを進退出力型の電動モータにしてもよい。両電極12,13は電極軸線O−O上に配置されている。なお、固定電極13は電極軸線O−O方向に不動であることを意味した電極名称である。
上述のように、アーム部材10,11はC型ガンタイプに設けられているが、これを定置式の溶接装置における一対のアーム部材としてもよい。また、ボルト1やナット5は鋼板部品15に溶接されるものであり、両電極12,13の間に鋼板部品15が挿入される。
前記固定電極13は、鋼板部品15にボルト1を溶接するときに使用される第1電極16と、鋼板部品15にナット5を溶接するときに使用される第2電極17によって構成されている。前記第1電極16はその端面18が平坦になっており、前記第2電極17はその平坦な端面にガイドピン19が設けてある。このガイドピン19は、第2電極17の中心部に起立させてある。第1電極16と第2電極17は、ボルト溶接時の位置とナット溶接時の位置に交互に変換できる変換機構21に取付けられている。
図1(A)に示すように、前記アーム部材10の横側面22にボルト供給装置23が取付けられ、これによってボルト1が可動電極12に供給されるようになっている。また、図1(B)に示すように、前記アーム部材10の他側の横側面24にナット供給装置25が取付けられ、これによってナット5が第2電極17に供給されるようになっている。
さらに、C型部材9は、ロボット装置26に対して、イコライザー27を介して結合されている。なお、ロボット装置26はその端部のアームだけが図示されているが、一般的に使用されている6軸タイプのものを使用している。
つぎに、可動電極について説明する。
図3、図4および図5に示すように、可動電極12の中心部に電極軸線O−Oと同軸の状態で受入孔28があけられ、可動電極12の端面に開口している。この受入孔28にボルト1の軸部2が挿入される。そして、挿入されたボルト1が落下するのを防止するために、受入孔28の奥に永久磁石29が固定されている。また、可動電極12は、前記エアシリンダ14によって進退動作をする。
つぎに、ボルト供給装置について説明する。
前記受入孔28にボルト1を挿入するため、図1(A)に示すボルト供給装置23が設けられている。このボルト供給装置23は、斜め方向の進退動作と上下方向の進退動作をする保持ヘッド34にボルト1を保持して、受入孔28に挿入する形式である。電極軸線O−Oに対して斜め方向に配置されたエアシリンダ32により、ボルト供給ロッド33が進退する。ボルト供給ロッド33の先端部に保持ヘッド34が取付けられている。エアシリンダ32に三角形のブラケット35が固定され、アーム部材10の横側面22に昇降エアシリンダ36が取付けられ、そのピストンロッド37が電極軸線O−Oと同方向に進退する。このピストンロッド37の下端部に前記ブラケット35が結合されている。
図3に示すように、保持ヘッド34は、非磁性材料であるステンレス鋼で作られたブロック材を加工したもので、上方に開放した円形の収容孔38内にフランジ部3が収容される。収容孔38には環状の段部39が形成され、ここにフランジ部3の表面が着座する。保持ヘッド34に埋設した永久磁石41の吸引力がフランジ部3に作用して、前記着座が確実に行われる。
収容孔38の底部に開口する空気通路42が設けられ、この空気通路42はボルト供給ロッド33の内部を通って空気切換弁や空気供給源(図示していない)に連通している。
ボルト1は、パーツフィーダ(図示していない)から合成樹脂製の供給ホース43を経て供給されてくるもので、それにステンレス鋼製の供給管44が接続されている。図1に示すように、供給管44に保持ヘッド34が合致している状態が、保持ヘッド34にボルト1が移載される受取位置である。
エアシリンダ32の動作で保持ヘッド34が進出し、軸部2が受入孔28と同軸になると停止する。この状態が図3である。それから昇降エアシリンダ36の動作でエアシリンダ32、ボルト供給ロッド33および保持ヘッド34が上昇すると、軸部2の先端部が受入孔28に進入する。この進入した段階で空気通路42から圧縮空気が噴射され、ボルト1は収容孔38から送り出されて軸部2が受入孔28内に進入し、フランジ部3が可動電極12の端面に密着する。
なお、上述のボルト供給装置23は、ボルト1を斜め下方に移動させてから、受入孔28に挿入する形式であるが、それ以外のボルト供給装置としては、斜め下方からボルト1を持ち上げ、その後、受入孔28に挿入してもよい。あるいは、ボルト1を横から移動させ、その後、受入孔28に挿入することも可能である。
供給ホース43内を高速で移送されてきたボルト1が直接保持ヘッド34に衝突すると、保持ヘッド34内の段部39や収容孔38が損傷する恐れがある。そのような損傷を防止するために、供給管44の途中にストッパユニット45が設けてある。ストッパユニット45は前記ブラケット35に固定されている。ストッパユニット45の内部構造は図示していないが、進退式のストッパ片に通過孔と停止部が設けられ、高速で移送されてきたボルト1が停止部で一旦停止されてから、ストッパ片が移動して通過孔をボルト1が通過し、保持ヘッド34へ低速で落下するようになっている。
つぎに、ナット供給装置について説明する。
前記ガイドピン19にナット5を合致させるため、図1(B)に示すナット供給装置25が設けられている。前記アーム部材10の横側面24にエアシリンダ46が斜め方向に固定されている。図4に示すように、このエアシリンダ46に結合されたガイド管47内に、エアシリンダ46で進退するナット供給ロッド48が進退可能な状態で支持されている。ナット供給ロッド48は、ねじ孔7を貫通するガイドロッド49と、それよりも大径の摺動ロッド50と、両ロッド49と50の境界部に形成された押出し面51によって構成されている。
パーツフィーダ(図示していない)から延びてきている供給ホース52にステンレス鋼製の部品供給管53が接続され、この部品供給管53がガイド管47に溶接してある。このように溶接することによって、仮止室54が形成されている。仮止室54の内面を形成するような状態で、厚板状のストッパ片55がガイド管47の端部に溶接してある。ストッパ片55で受け止められたナット5の落下を防止するために、永久磁石56がストッパ片55に埋設してある。
図4は、仮止室54内に導入されたナット5が永久磁石56でストッパ片55に吸引されて、一時係止がなされている状態を示している。この状態でねじ孔7とガイドロッド49とが同軸となっている。ここでナット供給ロッド48が進出すると、そのガイドロッド49が串刺し状にねじ孔7を貫通する。そして、押出し面51がナット5の上面に当たると、ナット5はストッパ片55の内面を摺動しながら押し出されて、図4の2点鎖線図示のようにガイドピン19に合致する。なお、鋼板部品15には下孔20が予めあけられており、第2電極17に載置された鋼板部品15からガイドピン19が突き出ている。この突き出たガイドピン19がナット5のねじ孔7に相対的に貫通している。
なお、上述のナット供給装置25は、いわゆるナット供給ロッドによる串刺し方式であるが、他の形式として、ナットを供給ロッドの先端部にチャックや永久磁石などで保持して、ガイドピン19に到達させその位置で保持を解除するような形式とすることも可能である。
ついで、変換機構について説明する。
前記変換機構21は、ボルトを溶接するときに使用する第1電極とナットを溶接するときに使用する第2電極を、ボルト溶接時の位置とナット溶接時の位置に交互に変換する機能を果たすものである。したがって、第1電極と第2電極を進退式動作で変換したり、回転式動作で変換したりすることができる。ここでは、後者の回転式である。
すなわち、細長い部材で形成された支持部材57に第1電極16と第2電極17が取付けられ、両電極16と17の中央部の箇所に回転軸58が取付けられ、この回転軸58がアーム部材11を貫通した状態で支持されている。第1電極16と第2電極17は、180度間隔で配置され、アーム部材11の下側に固定した回転駆動手段59によって回転する。この回転駆動手段59は、ステップモータや回転出力式のエアシリンダ等で形成される。なお、回転軸58の軸線は、電極軸線O−Oと平行になるように配置され、それによって第1電極16や第2電極17が電極軸線O−Oと同軸になるのである。
ボルト1が鋼板部品15に溶接されるときには、第1電極16が電極軸線O−O上に位置するように回転駆動手段59が動作し、また、ナット5が鋼板部品15に溶接されるときには、第2電極17が電極軸線O−O上に位置するように回転駆動手段59が動作するようになっている。そして、電極軸線O−O上の電極位置が狂わないようにするために、ロックピン60が設けられている。このロックピン60はアーム部材11に取付けたエアシリンダ61によって進退するものであり、ロックピン60が支持部材57の孔に進入することによってロック機能が果たされている。なお、アーム部材11の上面に通電用のパッド部材62が固定され、これによって通電時の導通性確保と、加圧時の荷重受けがなされている。
図1(A)は、ボルト供給装置23によってボルト1が受入孔28に挿入される状態であり、この状態において支持部材57は第1電極16が電極軸線O−Oに合致する回転位置となっている。また、図1(B)は、ナット供給装置25によってナット5がガイドピン19に到達される状態であり、この状態において支持部材57は第2電極17が電極軸線O−Oに合致する回転位置となっている。
図1に示すように、可動電極12が鋼板部品15の上面に押し付けられたとき、固定電極13が鋼板部品15の下面に押し付けられるようにするために、前記イコライザー27がC型部材9とロボット装置26との間に介在してある。このイコライザー27は一般的に使用されている機構であり、C型部材9に固定された突片63がロボット装置26に固定されたコ字型部材64内に挿入され、コ字型部材64に架設したガイドロッド65が突片63を摺動可能な状態で貫通している。そして、突片63の上下にそれぞれ圧縮コイルスプリング66,67が圧縮された状態で挿入されている。
上述の構造によって、可動電極12が鋼板部品15の上面に押し付けられたとき、その反力によって突片63がガイドロッド65を摺動しいずれかの圧縮コイルスプリング66または67が縮小されて、固定電極13が鋼板部品15の下面に押し付けられる。このような動作で両電極12,13の間で鋼板部品15に対してボルト1またはナット5が加圧され、溶接電流が通電されて電気抵抗溶接が行われる。
上述のように、受入孔28が可動電極12に設けられているが、この受入孔28を固定電極13に設けるようにしてもよい。その場合には、ボルト供給装置23の保持ヘッド34を上下逆向きに配置し、昇降エアシリンダ36によって固定電極13側にボルト1を挿入してから鋼板部品15を両電極12,13間に挿入する。この場合には、可動電極12の受入孔28は埋められており、後述のようにこの可動電極12によってナット5の溶接も行われる。
上述の実施例においては各種のエアシリンダが採用されているが、これに換えて進退出力をする電動モータを採用してもよい。さらに、上述のような動作を行わせるためには、図示していないが、通常のシーケンサーのような制御装置や、センサーや、前記制御装置によって動作する空気切換弁などを用いて容易に行うことができる。
図5は、1種類の可動電極12によってボルト1とナット5とが溶接される状態を示す断面図である。図5(B)に示すように、同じ可動電極12を用いてナット5が溶接される。この場合、受入孔28内にガイドピン19の先端部が進入するので、ガイドピン19が可動電極28の下端面に干渉することが防止される。同時に、受入孔28の開口部分はねじ孔7に合致しているので、ナット5への通電に要する可動電極12の密着面積に不足が生じたりしない。なお、前述のように可動電極12の受入孔28が埋められているときであっても、ガイドピン19を受入れる孔を設けておく。
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
ボルト1の軸部2を受入孔28に挿入してボルト1を鋼板部品15に溶接するときには、前記変換機構21が動作して前記第1電極16が電極軸線O−O上の所定の箇所に位置づけられる。それからボルト1が鋼板部品15に加圧され、さらに溶接電流が通電されて溶接が完了する。また、ナット5を鋼板部品15に溶接するときには、変換機構21が動作して前記第2電極17が電極軸線O−O上の所定の箇所に位置づけられる。ついで、ガイドピン19に鋼板部品15がセットされ、さらにナット5が前記ガイドピン19に保持される。その後、ナット5が鋼板部品15に加圧され、溶接電流が通電されて溶接が完了する。
上述のように、ボルト溶接時には、それに適した第1電極16が電極軸線O−O上の所定の箇所に位置づけられ、ナット溶接時には、それに適した第2電極17が電極軸線O−O上の所定の箇所に位置づけられる。すなわち、ボルト1またはナット5を溶接するときに適応した相手方電極が前記変換機構21によって選択することができる。したがって、1台の溶接装置においてボルト1とナット5の溶接機能を保有させることができ、溶接装置自体の多機能化が図られて溶接設備の簡素化が促進される。
このようなボルト1とナット5の2種類の部品にとどまらず、例えば、環状のディスタンスピースのような部品の溶接を行うための第3の電極を変換機構21に配置することができ、これによって溶接装置の多機能化を一層促進することができる。
アーム部材10にボルト供給装置23が取付けられ、このボルト供給装置23は、ボルト1を保持したボルト供給ロッド33が進出して、前記軸部2が電極軸線O−Oと同軸になった状態から軸部2を受入孔28に挿入するものである。
前記アーム部材10にボルト供給装置23が取付けられているので、ボルト供給装置23と前記受入孔28との距離が短縮され、受入孔28へのボルト供給が短時間で確実に行うことができる。ボルト供給ロッド33の動作によって、ボルト軸部2と電極軸線O−Oとを合致させてから受入孔28へボルト1を挿入するので、ボルト1の移動経路が簡素化され、受入孔28へのボルト供給が確実になされる。
前記アーム部材10にナット供給装置25が取付けられ、このナット供給装置25は、ナット5を保持したナット供給ロッド48が進出して、ナット5のねじ孔7に前記ガイドピン19が相対的に貫通する。
前記アーム部材10にナット供給装置25が取付けられているので、ナット供給装置25と前記ガイドピン19との距離が短縮され、ガイドピン19へのナット供給が短時間で確実に行うことができる。ナット供給ロッド48の動作によって、ナット5をガイドピン19へ直接供給することができるので、ガイドピン19へのナット供給が確実になされる。
アーム部材10の片側の横側面22にボルト供給装置23が取付けられ、アーム部材10の他側の横側面24にナット供給装置25が取付けられている。
上述のように、アーム部材10の両横側面22,24にそれぞれボルト供給装置23とナット供給装置25が取付けられているので、両供給装置23,25をアーム部材10にコンパクトに配置することができて、溶接装置の小型化にとって効果的である。
前記受入孔28が形成された電極12は、ボルト溶接時とナット溶接時のいずれにおいても使用される。
前記受入孔28が形成された電極12が、ボルト溶接とナット溶接の両方に兼用されるので、電極の種類を増やすことを回避できて、電極の簡素化を図ることができる。
前記変換機構21は、アーム部材11に支持部材57が回転可能な状態で取付けられ、この支持部材57に第1電極16と第2電極17が取付けられたものである。
このように第1電極16と第2電極17を有する支持部材57がアーム部材11に回転自在に取付けられているので、支持部材57を回転させるだけの動作で第1電極16または第2電極17のいずれかの電極を簡単に選択することができる。そして、回転動作による電極選択であるから、支持部材57の回転中心を所定の箇所に設定しておくことにより、相手方の可動電極12との同軸性を確保することが確実に行える。
前記アーム部材10,11は、ロボット装置26に連結されたC型部材9における一対のアーム部材である。
このようにロボット装置26によってC型部材9すなわち溶接装置が所定の箇所に移動するので、所要の箇所へのボルト1やナット5の溶接が選択的に簡単になされる。
図6は、実施例2を示す。
この実施例2は、前述の実施例1における変換機構21を変形させたものである。実施例1の回転軸58の軸線は電極軸線O−Oと平行になっているが、この実施例2では回転軸58の軸線が電極軸線O−Oと直角に食い違っている。そのために、アーム部材11の先端部に軸受片68が形成され、そこに回転軸58が電極軸線O−Oと直角に食い違った向きで支持されている。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の実施例1と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
回転駆動手段59の動作で支持部材57が回転して、第1電極16が上位に位置して可動電極12と対向したり、第2電極17が上位に位置して可動電極12と対向したりする。このようにして、第1電極16と第2電極17が選択的に移動するのである。それ以外の作用効果は、先の実施例1と同じである。
上述のように、本発明によれば、電極の間に鋼板部品を挿入してプロジェクションボルトまたはプロジェクションナット等の部品を選択的に電気抵抗溶接で溶接することのできるので、単一の溶接装置に複数の溶接機能を付与することができ、自動車の車体溶接工程や、家庭電化製品の板金溶接工程などの広い産業分野で利用できる。
溶接装置の側面図と部分的な平面図である。 溶接装置の正面図である。 可動電極と保持ヘッドの断面図である。 ナット供給装置の断面図である。 可動電極の断面図である。 他の形式の変換機構の側面図である。
符号の説明
1 プロジェクションボルト
2 軸部
3 フランジ部
4 溶着用突起
5 プロジェクションナット
6 本体
7 ねじ孔
8 溶着用突起
9 C型部材
10 アーム部材
11 アーム部材
12 可動電極
13 固定電極
15 鋼板部品
16 第1電極
17 第2電極
19 ガイドピン
21 変換機構
22 横側面
23 ボルト供給装置
24 横側面
25 ナット供給装置
28 受入孔
33 ボルト供給ロッド
34 保持ヘッド
36 昇降エアシリンダ
45 ストッパユニット
48 ナット供給ロッド
57 支持部材
58 回転軸
68 軸受片

Claims (1)

  1. 電極軸線上に配置された可動電極と固定電極が一対のアーム部材に取付けられているとともに、この可動電極と固定電極の間に鋼板部品を挿入して鋼板部品にプロジェクションボルトまたはプロジェクションナット等の部品を電気抵抗溶接で溶接する形式のものにおいて、前記可動電極にプロジェクションボルトの軸部が挿入される受入孔が形成され、前記可動電極と対をなす前記固定電極は、プロジェクションボルトを溶接するときに使用する端面が平坦な第1電極とプロジェクションナットを溶接するときに使用する端面にガイドピンが設けられた第2電極によって構成され、第1電極と第2電極は、プロジェクションボルト溶接時の位置とプロジェクションナット溶接時の位置に交互に変換できる変換機構に取付けられ、
    前記可動電極が取付けられているアーム部材の片側の側面にボルト供給装置が取付けられ、前記可動電極が取付けられているアーム部材の他側の側面にナット供給装置が取付けられ、前記ボルト供給装置のボルト供給ロッドが前記電極軸線に対して斜め方向に配置され、前記ナット供給装置のナット供給ロッドが前記電極軸線に対して斜め方向に配置され、
    前記変換機構は、細長い部材で形成された支持部材に前記第1電極と前記第2電極が取付けられ、両電極の中央部の箇所の支持部材に回転軸が取付けられ、この回転軸が前記固定電極が取付けられているアーム部材を貫通した状態で支持され、アーム部材の下側に固定した回転駆動手段によって前記回転軸が回転するように構成され、回転軸の軸線は前記電極軸線と平行になるように配置されていることを特徴とする溶接装置。
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