JP4907324B2 - ボルト位置確認用冶具及びボルト位置の確認方法 - Google Patents

ボルト位置確認用冶具及びボルト位置の確認方法 Download PDF

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Description

本発明は、建物の基礎のアンカーボルト等、一直線状かつ同一レベルに配置すべきボルトの位置を水糸を用いて確認する際に使用するボルト位置確認冶具及び該ボルト位置確認冶具を用いたボルト位置の確認方法に関するものである。
従来より住宅等の建物の布基礎工事において、柱や土台等を基礎に対して緊結する為のアンカーボルトは、例えば特許文献1に開示されているようなアンカーボルト固定プレートを用いて所定の位置に配置することで、施工精度の向上や作業の合理化が図られてきた。しかし、繰り返しの使用によって鋼製型枠やアンカーボルト固定プレートが変形するなどして施工誤差が許容範囲内に納まらないこともまれにある為、平面的な位置や高さ方向の位置(レベル)を確認し、施工誤差が許容値を超える場合には適宜調整を行った上でコンクリートを打設している。
布基礎上端面から直線的かつ同一レベルに突出させて配置すべき複数のアンカーボルトのうち、中間部のアンカーボルトについては、位置調整がなされた隅部の2本のアンカーボルトを基準としてその上端から僅かに上方の高さでアンカーボルトの中心を結ぶように水糸を緊張し、水糸からのズレや離間寸法を目視したりメジャーをあてたりして位置の確認作業を行うことがある。この際、水糸を基準となる隅部のアンカーボルトの中心位置に保持しておく必要があり、この水糸の保持作業を効率よく行う為の冶具が特許文献2に開示されている。
特許文献2に開示された検査方法によれば、冶具5をアンカーボルト3に螺合し水平溝9の方向が水糸4の張設方向に一致するように調節したのち、水糸4を水平溝9に通した後リング溝10に巻きつけることによって、水糸4を保持する為の作業者が不要となり、単独の作業者で効率よく検査を行うことができる、とされている。
特開2004−360411号公報 特開昭61−217717号公報
しかしながら、特許文献2に記載の検査方法では、水糸4は冶具5に巻きつけるだけであって、水糸4の張力が解除されると水糸4が緩み冶具5からはずれてしまう虞があるので、単独の作業員で検査を行うには別途張力を維持する為の手段が必要であった。また、水平溝9の向きの調節に手間を要した。更に、アンカーボルトは冶具5によって支持されている(即ち、冶具5がアンカーボルト上端のレベルを規定している)為、アンカーボルトのレベルを変更する場合は高さの異なる冶具5を別途用意する必要があり汎用性に乏しかった。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、水糸の位置合わせと張力の維持が容易で、かつ汎用性の高いボルト位置確認冶具及びボルト位置確認方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決する為の本発明に係るボルトの位置確認用冶具の構成は、ボルトの雄ネジに対応した雌ネジが切られた貫通孔もしくは上端部が閉ざされた凹部を横断面の中心位置に有する円柱状の軸部材と、前記軸部材が嵌め込まれる第1の凹部を下面に有するとともに、雌ネジが切られた第2の凹部を上面に有する回動部材と、雄ネジが切られその下端が前記回動部材の第2の凹部の底部に到達するまで捻じ込まれる水糸押さえ部材と、からなり、前記回動部材の側面には、水糸の挿通孔が、平面視前記軸部材の中心を通過し、かつ、その下端が前記第2の凹部の底部のレベルとほぼ等しくなるように、一直線上に2ヶ所形成されたことを特徴とする。
また、本発明に係るボルト位置の確認方法の構成は、水糸を用いて同一直線上かつ基準面から同一レベルに設置されるべき複数のボルトの位置ズレ及び高さを検査するボルト位置の確認方法であって、前記ボルトの位置確認用冶具を用い、基準となる両端のボルトに前記軸部材を捻じ込んだ後前記軸部材に前記回動部材を嵌め込み、一方のボルトに嵌め込まれた前記回動部材の挿通孔に水糸を挿通した状態で前記水糸押さえ部材を捻じ込んで水糸の一端を固定し、他方のボルトに嵌め込まれた回動部材の挿通孔に水糸を挿通し水糸に張力を付与した状態で前記水糸押さえ部材を捻じ込んで水糸の他端を固定したことを特徴とするボルト位置の確認方法。
本発明に係るボルト位置確認用冶具及びボルト位置の確認方法によれば、水糸を回動部材の挿通孔に挿通した状態で水糸押さえ部材を回動部材の第2の凹部にわずかに捻じ込んで水糸を水糸押さえ部材の先端部と回動部材の第2の凹部の底面との間に挟むことにより、水糸を引き抜き力に抵抗させることができ、水糸に作用する張力を維持することができる。また、水糸に張力を作用させることによって回動部材が回転し、水糸が基準となる両端のボルトの中心を結んだ直線上に自動的に配置される。従って、水糸の張設作業を単独の作業者で容易且つ確実に行うことができ、ボルト位置の確認作業を効率よく行うことができる。
また、ボルトのネジ径やネジピッチが同一であれば、ボルトのレベル(基準面からの突出寸法)の設定を変更しても同一の部品で対応ができるので汎用性が高い。
本発明の好ましい実施形態について図を用いて説明する。本実施形態は、本発明に係るボルトの位置確認冶具及びボルトの位置確認方法を建物の基礎のアンカーボルトに適用した例である。図1は基礎伏図、図2は基礎の全体構成の斜視図、図3はボルト位置確認用冶具を基準アンカーボルト(位置やレベルの基準となるアンカーボルト)に装着した状態を示す図、図4はボルト位置確認用冶具の構成を示す図である。
図1、2に示す基礎1は、305mmの平面モジュールを有する工業化住宅における逆T字断面を有する布基礎であり、各通り上に配置されて格子状の連続基礎を形成している。均一なレベルに設定される基礎1の上端面には、柱を固定する為の同一径のアンカーボルト2が柱1箇所につき4本配置されている(図1の○で囲まれた位置)。これらのアンカーボルト2は直交する2方向の通り芯からの離間寸法が全て等しくかつ同一の突出寸法となるように設定されている。
基礎1は、根切り、地業、鉄筋の配筋、型枠の組み立て、型枠上面へのアンカーボルト位置決め用のアンカーボルト固定プレートの載置・固定、前記プレートの所定の孔へのアンカーボルトの挿通・吊り下げ、コンクリート打設、養生、型枠の撤去、という手順で構築される。
図3において3はボルトの位置確認用冶具、2aは基準アンカーボルト、4は基礎立ち上がり部の鋼製型枠、5はアンカーボルト固定プレート、6(6a、6b)は基準アンカーボルト2aをアンカーボルト固定プレート5に固定する為のナット、7は水糸である。ボルトの位置確認用冶具3は図4に示すように、軸部材8、回動部材9、水糸押さえ部材10の3つの部材で構成されている。
軸部材8は、雄ネジが切られた基準アンカーボルト2aの上端部に捻じ込まれ、軸部材8に嵌め込まれた回動部材9の回動の軸となる部材である。軸部材8の形状は円柱形横断面の中心に貫通孔8aが穿たれた円柱形状で、貫通孔8aの内面には雌ネジが切られており、高さは基準アンカーボルト2aの突出寸法よりも小さく設定されている。軸部材8は、回動部材9が滑らかに回動するように側面や上面は滑らかに仕上げられている。本実施形態において軸部材8の材質はホルムアルデヒドを原料としたポリアセタール樹脂(商品名「デルリン」(デュポン社製))であるが、材質はこれに限定されるものではなく、MCナイロン、ジュラコン等他のエンジニアリング樹脂やアルミニウムやステンレススチール等の金属など滑らかさと耐久性を備えたものであればよい。尚、軸部材8は必ずしも貫通孔8aが穿たれている必要はなく、例えば上端部が閉ざされた凹部を横断面の中心位置に有し、凹部の内面に雌ネジが切られた構成としてもよい。
軸部材8は、貫通孔8aに替えて上面側を塞いだキャップ形状としてもよい。この場合、基準アンカーボルト2aの上端が天面にあたるまで捻じ込めばよいので高さの調整が容易になる。但し、水糸7とアンカーボルト2の離間寸法を小さくしてレベルを目視で確認しやすくする為には天面の厚みを小さくするのが好ましいが、繰り返しの使用により基準アンカーボルト2aが天面を打ち抜くことがないような材質を選択する必要がある。
回動部材9は、軸部材8に装着され、水糸に張力が作用した際に張力の作用方向に自動的に回動し水糸7の位置を基準アンカーボルト2aの中心位置に補正する部材である。回動部材9の形状は円柱形状で、下面には軸部材8の外形に対応した(軸部材の外径よりも僅かに大きな内径を有する)第1の凹部9aを有する。第1の凹部9aの内面は軸部材に嵌め込んだ状態で抵抗なくスムーズに回動するように滑らかに仕上げられている。また、上面には雌ネジが切られた第2の凹部9bを有する。
回動部材9には側面を貫通する挿通孔9cが穿たれている。挿通孔9cは第2の凹部9bによって分断されるが平面視第2の凹部9bの中心(=軸部材の中心=アンカーボルトの中心)を通過する直線上に、その下端が前記第2の凹部9bの底部のレベルとほぼ等しくなるように一直線上に2ヶ所形成されている。軸部材8と同様、本実施形態では回動部材9はポリアセタール樹脂からなるが、他のエンジニアリング樹脂や金属としてもよい。
回動部材9の形状は、第1の凹部9aと第2の凹部9bとが形成し得るものであれば何でもよく、本実施形態のような円柱形には限定されない。また、本実施形態において挿通孔9cは正円であるが、縦方向に長い楕円状の孔、長孔、スリット等でもよく、上端が開放されたスリットでもよい。また、挿通孔9cは水糸を挿通しやすくかつ遊びを小さくするため、水糸7の導入部での径が大きく徐々に径を小さくした漏斗状あるいは鼓状に形成してもよい。特に、水糸7を手前側の挿通孔9cに挿通した後第2の凹部9bを経由して向こう側の挿通孔9cに挿通する場合、水糸7の先端部近傍を把持して挿通することが難しいので、導入部に広がりをもたせておくことが好ましい。また、第2の凹部9bの底部には、挿通した水糸7の抜けや緩みの防止効果を高める為の凹凸を設けたり摩擦抵抗の大きな材料を付加してもよい。
水糸押さえ部材10は、回動部材9の第2の凹部9bに対応した雄ネジが切られ、回動部材9の第2の凹部9bの底部に到達するまで捻じ込み得る長さを有する捻じ込み部10aを有し、捻じ込んだ際に下端部が挿通孔9cに挿通された水糸7を押圧することで水糸7の抜けや緩みを防止するように構成されている。水糸押さえ部材10の上端部には完全に捻じ込んだ状態で回動部材9から突出するようにサムターン状のつまみ10bが形成され、捻じ込みの作業や緩める作業が素手で容易に行えるようになっている。
水糸押さえ部材10の下端部には、水糸7の抜けや緩みの防止効果を高める為、回動部材9と同様に凹凸を設けてもよい。また、つまみ9bの形状はサムターン形式に限定されるものではなく、円柱状で側面にローレット加工等により凹凸を設けたものやゴム等摩擦係数の大きな材料を側面に付加したものなどでもよい。また、軸部材8や回動部材9と同様、本実施形態では水糸押さえ部材10はポリアセタール樹脂からなるが、他のエンジニアリング樹脂や金属としてもよい。
次に、水糸を用いて同一直線上かつ基準面から同一レベルに設置されるべき複数のボルトの位置ズレ及び高さを検査するボルト位置の確認方法の一例について説明する。以下の手順はひとりの作業者のみで作業を行う場合の例である。
1.確認する通り(例えば図1に示すX0通り)において、何らかの手段で通り芯からの離間寸法とレベルの精度が担保された確認作業の基準となる両端の基準アンカーボルト2aの上端部に軸部材8を捻じ込み装着する。この際、基準アンカーボルト2aの上端面と軸部材8の上端面とが一致するように調整する。なお、軸部材8の装着は回動部材9の嵌め込み作業前であれば随時行うことができ、軸部材8を回動部材9や水糸押さえ部材10と同数用意し、回動部材9の移動の度に軸部材8を移動させてもよいし、軸部材8を回動部材9よりも多く用意しておき軸部材8を予め多箇所装着しておいてもよい。
2.予め水糸押さえ部材10を挿通孔9cが塞がらない程度に捻じ込んでおいた回動部材9を軸部材8に嵌め込む。
3.挿通孔9cに水糸7の端部を挿通した回動部材9に水糸押さえ部材10を捻じ込んで水糸7の一端を固定する(尚、上記工程2と工程3の順序は逆でも構わない。)。
4.X0通り上の他方の基準アンカーボルト2a側に移動し、他方の基準アンカーボルト2aに装着された軸部材8に回動部材9を嵌め込み、挿通孔9cに水糸7の他端を挿通し、水糸7に張力を作用させた状態で回動部材9の第2の凹部9bに水糸押さえ部材10を捻じ込み、水糸7の緊張状態が保持されるようにする。水糸7に張力を作用させることにより回動部材9は軸部材8を軸として回動し、水糸7は自動的に2本の基準アンカーボルト2aの中心を通る直線上に配置される。
5.この状態で水糸7と中間部のアンカーボルト2との水平及び垂直方向の離間寸法を目視、あるいはメジャーをあてることによって確認し、離間寸法基準を超えるものについては調整を行う。なお、同じX0通りに沿った通り芯に対して線対称の位置にあるアンカーボルト2の位置については、アンカーボルト固定プレート5によって精度が担保されるので確認作業を省略することができる。
6.一方の基準アンカーボルト2aについて水糸押さえ部材10を緩め水糸7の張力を解除した状態で回動部材9を軸部材8からはずし、軸部材8が装着された隣接する通り(X1)の基準アンカーボルト2aに嵌め込む。そして水糸7を緊張することなく水糸押さえ部材10を捻じ込み水糸7を固定する。
7.回動部材9の移動が完了していない基準アンカーボルト2a側に移動し、回動部材9を隣接する通りの基準アンカーボルト2aに移動させる。その後水糸押さえ部材10を緩めて水糸7を引いて張力を付与した状態にして再度水糸押さえ部材10を捻じ込み、水糸7の緊張状態が保持されるようにする。
8.X0通りと同様に自動的に2本の基準アンカーボルト2aの中心を通る直線上に配置された水糸7をもとに位置の確認作業を行い、必要に応じて調整作業を行う。
9.以下同様の手順により、X通りY通り全ての通りについて確認作業を行うことで全てのアンカーボルト2の位置確認作業が完了する。
上記したように、本発明に係るボルト位置確認用冶具及びボルト位置の確認方法によれば、水糸7を回動部材9の挿通孔9cに挿通した状態で水糸押さえ部材10を回動部材9の第2の凹部9bにわずかに捻じ込んで水糸7を水糸押さえ部材10の先端部と回動部材の第2の凹部9bの底面との間に挟むことにより、水糸7を引き抜き力に抵抗させることができ、水糸7に作用する張力を維持することができる。また、水糸7に張力を作用させることによって回動部材9が回動し、水糸7が2本の基準アンカーボルト2aの中心を結んだ直線上に自動的に配置される。従って、水糸7の張設作業を単独の作業者で容易且つ確実に行うことができ、アンカーボルト2の位置の確認作業を効率よく行うことができる。
また、アンカーボルト2のネジ径やネジピッチを変更しない限りは、アンカーボルト2の上端のレベルの設定を変更しても同一の部品で対応ができるので汎用性が高い。
本発明に係るボルト位置確認用冶具及びボルト位置の確認方法は、建物の基礎に埋設されるアンカーボルトに限らず、一直線状に突出したボルトの基準線からの離間寸法の確認作業を行う際に有効に活用することができる。
本発明に係るボルト位置確認用冶具及びボルト位置の確認方法が適用される基礎の基礎伏図である。 本発明に係るボルト位置確認用冶具及びボルト位置の確認方法が適用される基礎の全体構成を示す図である。 ボルト位置確認用冶具をアンカーボルトに装着した状態を示す図である。 ボルト位置確認用冶具の構成を示す図である。
符号の説明
1…基礎
2…アンカーボルト
2a…基準アンカーボルト
3…位置確認用冶具
4…鋼製型枠
5…アンカーボルト固定プレート
6…ナット
7…水糸
8…軸部材
8a…貫通孔
9…回動部材
9a…第1の凹部
9b…第2の凹部
9c…挿通孔
10…水糸押さえ部材
10a…捻じ込み部
10b…つまみ

Claims (2)

  1. ボルトの雄ネジに対応した雌ネジが切られた貫通孔もしくは上端部が閉ざされた凹部を横断面の中心位置に有する円柱状の軸部材と、
    前記軸部材が嵌め込まれる第1の凹部を下面に有するとともに、雌ネジが切られた第2の凹部を上面に有する回動部材と、
    雄ネジが切られその下端が前記回動部材の第2の凹部の底部に到達するまで捻じ込まれる水糸押さえ部材と、からなり、
    前記回動部材の側面には、水糸の挿通孔が、平面視前記軸部材の中心を通過し、かつ、その下端が前記第2の凹部の底部のレベルとほぼ等しくなるように、一直線上に2ヶ所形成されたことを特徴とするボルトの位置確認用冶具。
  2. 水糸を用いて同一直線上かつ基準面から同一レベルに設置されるべき複数のボルトの位置ズレ及び高さを検査するボルト位置の確認方法であって、
    請求項1に記載のボルトの位置確認用冶具を用い、
    基準となる両端のボルトに前記軸部材を捻じ込んだ後前記軸部材に前記回動部材を嵌め込み、
    一方のボルトに嵌め込まれた前記回動部材の挿通孔に水糸を挿通した状態で前記水糸押さえ部材を捻じ込んで水糸の一端を固定し、
    他方のボルトに嵌め込まれた回動部材の挿通孔に水糸を挿通し水糸に張力を付与した状態で前記水糸押さえ部材を捻じ込んで水糸の他端を固定した
    ことを特徴とするボルト位置の確認方法。
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