JP4915518B2 - 3次元モデル表示装置、そのプログラム及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は3次元モデルを表示する3次元モデル表示装置、そのプログラム及び方法に関し、特に、表示処理の負担の少ない3次元モデル表示装置、そのプログラム及び方法に関する。
近年、解析精度向上のためにシェルサイズが細かくなる傾向があり、モデルの回転操作などが容易にできなくなってきている。比較的グラフィックボードへの負担が軽いと言われてきたシェルモデルにおいても、要素数、部品点数があまりにも多くなると、シェーディング表示時に描画レスポンスが遅くなっている。
これに対して描画レスポンスを向上させるための技術が下記特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1に開示される3次元図形描画装置は、高速に座標変換する幾何処理部を利用して物体の物体座標系の座標データを視点座標系の座標データに変換し、この変換した座標データから求めたx、y、z座標値の最大値および最小値をレジスタに書き込み、これを位置判定手段としてのCPUが読み出すことによりその物体を囲む3次元境界領域(バウンディングボックス)を形成し、複数の物体間の位置関係・距離を検知したり、物体間の衝突の有無を判定する。これによれば、CPUに負担をかけずに3次元物体間の位置関係を高速に検知することができる。
また、特許文献2に開示される三次元画像生成システムは、複数のオブジェクト群から構成される所定のグラフィックデータを入力する入力手段と、前記入力手段が入力した複数のオブジェクト群から表示対象となるオブジェクト群を選別するオブジェクト群選別手段と、前記オブジェクト群選別手段により選別されたオブジェクト群を構成する複数のポリゴンから描画対象のポリゴンを選別するポリゴン選別手段と、前記ポリゴン選別手段により選別された描画対象のポリゴンに従って、画像を描画する画像描画手段とを備える。そして、入力手段が入力した複数のオブジェクト群から表示対象となるオブジェクト群を選別し、オブジェクト群選別手段により選別されたオブジェクト群を構成する複数のポリゴンから描画対象のポリゴンを選別し、選別された描画対象のポリゴンに従って、例えば、レンダリング処理により画像を描画する。これによれば、表示対象とならないオブジェクト群が一括して省かれ、また描画対象とならないポリゴンが省かれるため、三次元グラフィックデータに従った画像生成の処理速度が向上され、表示サイクルを短縮することができる。
特開平8−315180号公報 特開2000−311254号公報
特許文献1の3次元図形描画装置によれば物体毎のバウンディングボックスを用いて物体間の位置関係を高速に検知することで衝突など物体間の位置関係の更新を把握する必要がある描画の場合には全体として描画レスポンスが向上する。しかしながら、物体間の位置関係が描画において更新されない場合においてはレスポンス向上が望めないという課題を有する。例えば、静止している物体を視点を変えて描画する場合に、特許文献1の技術を適用したとしてもレスポンスは向上しない。また、物体間の衝突を検出して大まかに描画するゲーム用ソフトに特許文献1の技術を適用することで描画レスポンスは向上するものの、CAE(Computer Aided Engineering)でのシミュレーション解析などの高い精度が求められる描画処理においてその技術を適用することは極めて困難である。つまり、衝突解析で高精度の解析データを得る必要があり衝突の有無も必然的に検出されるため、衝突の有無のみが別途の低負荷の処理で検出されたとしても意味がなく、逆に2重の処理となって無駄となる。
また、特許文献2の三次元画像生成システムによればポリゴン毎ではなくその塊となるオブジェクト群毎に前処理として表示を行うか否かの選別を行っておりポリゴン毎に処理を行う場合と対比して描画レスポンスが向上する。しかしながら、そのオブジェクト群毎の選別処理は、詳細にはオブジェクトのバウンディングボックスを求めてその座標をワールド座標からビュー座標に変換して変換後の座標に従って行われるため、視点の変化の度に必要となって描画レスポンスの改善が一定に踏みとどまるという課題を有する。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、視点が変更した場合でも表示の不要な部品等を表示処理の対象とすることなく、モデルの描画レスポンスを向上させる3次元モデル表示装置、そのプログラム及び方法を提供することを目的とする。
シェーディング表示時に部品内部に隠れている部品は自動的に非表示にすることでモデルの描画レスポンスを向上させる。
本発明は後説する実施形態において自動車を例示とする空間が完全に閉じられているCAEモデルを好適な一例として説示している。
より具体的には、シェル要素モデルにおけるMinMaxBOXの8頂点のX、Y、Z方向のベクトルのいずれも他の部品との交点を持つ場合は、その要素を非表示にする。
処理のトリガとしては、データの読み込み時、データの更新時、部品の表示マスク切り替え時(部品の表示の指定時)に部品単位で表示・非表示の判定を行う。
(1)隠れ部品の表示対象外
本発明に係る3次元モデル表示装置は、読み込まれた複数部品からなる3次元モデルを表示する3次元モデル表示装置であって、読み込まれた複数部品からなる3次元モデルの一の部品を矩形状に取り囲むMinMaxBoxを作成するMinMaxBox作成手段と、当該MinMaxBox作成手段にて作成された矩形状のMinMaxBoxの処理対象となる処理対象頂点と一辺を介して接続する頂点である接続頂点から当該処理対象頂点への方向ベクトルで、当該処理対象頂点を始点とする半直線である頂点ベクトルを算出する頂点ベクトル算出手段と、当該頂点ベクトル算出手段にて算出されたMinMaxBoxの各頂点の頂点ベクトルが処理対象部品以外の他の部品と交わっているか否かを判断し、全ての頂点ベクトルが他の部品と交わっていると判断した場合に処理対象部品を表示しないとする部品表示判定手段とを含むものである。
このように本発明においては、処理対象部品を取り囲むMinMaxBoxを作成し、このMinMaxBoxの各頂点を始点とし当該各頂点の接続頂点から当該各頂点への方向ベクトルとなる頂点ベクトルを求め、当該求めた頂点ベクトルと他の部品との交わりを調べ、処理対象部品の全ての頂点についての頂点ベクトルが他の部品と交わる場合に処理対象部品を表示しないので、3次元モデルを構成する部品のうち表示しない部品が特定され、この特定された部品に関しては少なくとも描画処理を実行しなくともよくなり、描画レスポンスの向上に繋がるという効果を奏する。また、表示しないとされた部品は視点の変更が生じたとしてもMinMaxBox作成手段、頂点ベクトル算出手段及び部品表示判定手段の各手段の処理実行を不要とし、背景技術と比較しても優れた効果を有する。
部品表示判定の後、3次元モデル中の表示する部品のみを表示装置に出力する。
(2)以降のモデル読み込み時の高速表示
本発明に係る3次元モデル表示装置は必要に応じて、前記部品表示判定手段で表示しないとした部品及び/又は当該表示しないとした部品を除く表示する部品を示す部品表示判定データを処理対象となった3次元モデルに対応付けて記録するものである。
このように本発明においては、部品表示判定データを処理対象となったモデルに対応付けて記録しているので、3次元モデルがアンロードとされて再度読み込みがなされた場合であっても読み込み対象の3次元モデルに対応付けて記録している表示しないとした部品及び/又は表示するとした部品が判明すればMinMaxBox作成手段、頂点ベクトル算出手段及び部品表示判定手段の各手段の処理実行が不要となり、処理低減となって高いレスポンスを得ることができるという効果を有する。
後説する実施形態においては表示しないとした部品及び表示する部品を示す部品表示判定データで説示したが、表示しないとした部品若しくは表示する部品を示す部品表示判定データを用いても表示の不要な部品を表示しない処理を行うことができる。
(3)MinMaxBoxの辺の方向ベクトルの指定
本発明に係る3次元モデル表示装置は必要に応じて、前記MinMaxBox作成手段で作成する矩形状のMinMaxBoxの各辺が処理対象のモデルの座標空間の座標軸のいずれかに平行であるものである。
このように本発明においては、各部品を取り囲むMinMaxBoxの辺がモデルの座標空間の座標軸のいずれかと平行であるため、MinMaxBox自体が同じ座標軸を有する原点の異なる小さな座標空間となり、頂点ベクトルも6種の方向ベクトル(x軸方向、x軸逆方向、y軸方向、y軸逆方向、z軸方向、z軸逆方向)のみからなって誤りの偏らない部品表示判定が可能となるという効果を有する。各部品のMinMaxBoxの辺が所定方向を向かず、MinMaxBoxの縦方向、横方向、奥行き方向が様々となって安定した精度で部品表示判定を行うことができない。
(4)表示の指定
本発明に係る3次元モデル表示装置は必要に応じて、3次元モデルを構成する部品のうち表示指定された部品をMinMaxBox作製手段の処理対象の部品とし、表示指定されなかった部品を前記部品表示判定手段での処理対象部品以外の他の部品とせず、表示指定されなかった部品をMinMaxBox作成手段の処理対象の部品とせずに表示指定されなかった部品を表示しないものである。
このように本発明においては、3次元モデルを構成する部品のうち表示が不要な部品をMinMaxBox作成手段、頂点ベクトル算出手段及び部品表示判定手段の各手段での処理対象の部品としないためにその分不要な処理が回避され、全体としてのレスポンス向上に寄与すると共に、表示指定されなかった部品が処理対象部品に対する他の部品として取り扱われず表示指定されなかった部品の非表示に合致したモデル表示が可能となるという効果を有する。
(5)透過性のある部品への対応
本発明に係る3次元モデル表示装置は必要に応じて、3次元モデルを構成する部品のうち透過性のある部品を部品表示判定手段での処理対象部品との交わりの有無の比較対象となる他の部品としないものである。
このように本発明においては、所定以上の透過性のある部品を部品表示判定手段での処理対象部品に対する他の部品として取り扱わないので、処理対象部品の他の部品と交わりを有する頂点ベクトルについての交わる他の部品が透過性のある部品のみである場合には表示しない部品から表示する部品となり、表示時に透過性のある部品を通して部品に取り囲まれている部品を適切に表示することができるという効果を有する。
前記発明は装置として説示してきたが、3次元モデル表示プログラム、3次元モデル表方法として把握することができる。
後説する実施形態では本発明をCAEシステムの一機能として説示しているが、当然に単体の装置として実現することもできる。例えば、3次元モデルのビューワー(Viewer)として実装することができる。
これら前記の発明の概要は、本発明に必須となる特徴を列挙したものではなく、これら複数の特徴のサブコンビネーションも発明となり得る。
視点変更の度に表示・非表示の判定を行わなくてよく、特に部品点数の多いモデルを扱う場合、描画レスポンスが向上するためストレスなく作業でき、作業効率が向上する。そして、部品単位で判定を行うことにより、シェルやポリゴン単位より絶対数が少ない為、判定回数を少なくすることができる。
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本発明は多くの異なる形態で実施可能である。したがって、本実施形態の記載内容のみで解釈すべきではない。また、本実施の形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
本実施の形態では、主にシステムについて説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明はコンピュータで使用可能なプログラム及び方法としても実施できる。また、本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、または、ソフトウェア及びハードウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、光記憶装置または磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータに記録することができる。
以下の実施形態においては、CAEシステムでの本発明の適用例を示すが、所謂当業者であれば明らかであるように、CADシステム、CAMシステムにも本発明を適用することができ、いくつかの部品からなりある部品が一又は複数の他の部品により内包される立体的な対象物を表示する装置においては適用することができる。つまり、本発明はCAEシステム、CADシステム、CAMシステムなどのコンピュータを用いて3次元表示処理する技術の一種である。
(本発明の第1の実施形態)
[1.システム構成]
[1.1 ハードウェア構成]
図1は本実施形態に係るCAEシステムが構築されているコンピュータのハードウェア構成の模式図である。
CAEシステムが構築されているコンピュータ100は、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)101、メインメモリ102、マザーボードチップセット103、ビデオカード104、HDD(Hard Disk drive)111、ブリッジ回路112、光学ドライブ121、キーボード122及びマウス123からなる。
メインメモリ102は、CPUバス及びマザーボードチップセット103を介してCPU101に接続されている。
ビデオカード104は、AGB(Accelerated Graphics Port)及びマザーボードチップセット103を介してCPU101に接続している。
HDD111は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス及びマザーボードチップセット103を介してCPU101に接続している。
光学ドライブ121は、低速バス、低速バスとPCIバスのブリッジ回路112、PCIバス及びマザーボードチップセット103を介してCPU101に接続している。同様の接続構成で、キーボード122及びマウス123も、CPU101に接続している。光学ドライブ121は、光ディスクにレーザー光を照射してデータを読み込む(又は読み書きする)ドライブであり、例えば、CD−ROMドライブ、DVDドライブなどが該当する。
なお、図1は本実施形態に係るCAEシステムの構築されるコンピュータのハードウェア構成を模式的に示した一例に過ぎず、本実施形態を適用可能であれば、他の様々な構成を採ることができる。その他、CAEシステムは周知のように集中形、分散形、スタンドアロン形として構成することができる。
CAEシステムは、コンピュータ100にCAEプログラムの記録された光学媒体を光学ドライブ121から読み出し、HDD111に複製してメインメモリ102に複製したCAEプログラムがロード可能に構成する所謂インストール(ここで説示したインストールは例示に過ぎない)を行うことで構築することができ、コンピュータを制御するOS(Operating System)へ利用者がCAEシステムの起動を命令することでCAEプログラムがメインメモリ102にロードされて起動する。
[1.2 システム構成要素]
図2は本実施形態に係るCAEシステムのモジュール構成図である。
本実施形態に係るCAEシステムは、モデルデータ読込手段11、MinMaxBox作成手段12、頂点ベクトル算出手段13、部品表示判定手段14及びモデルデータ描画手段15を含む構成である。
図3は本実施形態に係るCAEシステムで処理対象となる3次元モデル例を示している。この2ドアタイプ普通乗用車の3次元モデルを正面斜め上方向から見下ろした視点で示している。このような普通乗用車の3次元モデルは図3で表示されているシェルだけでなく、表示されていない左側面の車体のシェルなどの視点を変えると表示可能なシェルと、フロントシート、ヘッドレストなどの内装部品などの視点を変えても表示不可能なシェルからも構成される。なお、ここでは、フロントガラス、クォーターガラスなどの透過性のある部品を透過して見える部品も表示できないこととする。これはCAEシステムで解析する場合には各種解析に応じた表示となり、現実世界で視認可能なモデルを表示する必要が必ずしもないからである。ただし、後説するように透過性のある部品に対応してこの透過性のある部品を透過して見える部品を表示する仕組みを有することもできる。
本実施形態のCAEシステムでは前記視点を変えても表示不可能なシェルのみからなる部品、つまり、他の部品により全方向において取り囲まれている部品を表示対象外として、3次元モデルを構成するそれ以外の部品を表示対象とする。他の部品により全方向において取り囲まれている部品は他の部品により被覆されるために、その他の部品の外側から見た場合には内部にあって視点方向、視点位置を変えてもその部品を見ることができない。
図4は本実施形態に係るCAEシステムでの部品毎の表示判定処理の説明図である。部品毎に実施される部品表示判定処理は、MinMaxBox作成手段12で部品のMinMaxBoxを作成し、頂点ベクトル算出手段13で作成したMinMaxBoxの頂点ベクトルを求め、最後に部品表示判定手段14で求めた頂点ベクトルが処理対象の部品以外の他の部品と交わるか否かにより部品表示判定を行う。図4では頂点ベクトルのうちx座標軸と平行なベクトル(x座標軸方向、x座標軸逆方向)に関して各頂点において他の部品との交わりを検出している状況を示している。例図されているヘッドレストのx座標軸に平行な頂点ベクトルは全て左側ドア若しくは右側ドアと交わっている。図4では示していないが、y座標軸及びz座標軸に平行な頂点ベクトルも同様に他の部品と交わるために処理対象部品のヘッドレストは他の部品から全方向において取り囲まれているとして表示しない部品として決定される。
モデルデータ読込手段11は利用者から指定を受けたモデルデータを読み出す機能である。CAEシステムにおいてはこのモデルデータはシェルデータに相当する。シェルデータはシェル毎に通常節点及び要素からなる(図5(a)参照)。節点はシェルを構成する点座標であり、シェルが矩形である場合には4点の座標からなる。ここでのモデルはシェルから構成されるシェルモデルである。シェルデータ中のシェルは部品単位で区分された構成となっている。よって、部品を指定すると該当するシェル群を特定でき、このシェル群を描画処理して表示装置131に出力することで指定した部品が表示される。なお、ここではシェルモデルについて説示したが、ソリッドモデルにおいても本実施形態を適用することができる。これは、ソリッドモデルがシェルモデルに比して面のどちらに実体があるかという情報が付加されているに過ぎないからである。なお、CADシステムにおいてシェルモデルはサーフェスモデルに相当する。
MinMaxBox作成手段12は部品のシェルで構成される部品を内包する長方体であって、それを構成するいずれの長辺もいずれかの座標軸(x軸、y軸、z軸)と平行となっているMinMaxBoxを作成する機能を有する。MinMaxBoxはバウンディングボックスと呼称されることもあり、2次元で用いられるエクステントを3次元に拡張したものである。MinMaxBox自体は8つの座標からなり、ある部品を構成するシェルの座標の集合からx座標の最小点、y座標の最小点、z座標の最小点、x座標の最大点、y座標の最大点及びz座標の最大点を求め、これらを用いてその部品のMinMaxBoxを特定する。
・(x座標の最小点、y座標の最小点、z座標の最小点)
・(x座標の最小点、y座標の最小点、z座標の最大点)
・(x座標の最小点、y座標の最大点、z座標の最小点)
・(x座標の最小点、y座標の最大点、z座標の最大点)
・(x座標の最大点、y座標の最小点、z座標の最小点)
・(x座標の最大点、y座標の最小点、z座標の最大点)
・(x座標の最大点、y座標の最大点、z座標の最小点)
・(x座標の最大点、y座標の最大点、y座標の最大点)
頂点ベクトル算出手段13は、MinMaxBoxの処理対象頂点とこの処理対象頂点と一辺で接続する接続頂点を用いて接続頂点から処理対象頂点への方向ベクトルを有し、処理対象頂点を始点とする半直線である頂点ベクトルを求める機能を有する。各頂点の座標には前記MinMaxBox作成手段12で求めた各座標を用いる。つまり、処理対象頂点と接続頂点の2座標から空間における直線の方程式を用いて直線の方程式を求める。ただし、始点が処理対象頂点である半直線が頂点ベクトルである。また、MinMaxBoxの各辺がいずれかの座標軸と平行となっているために、頂点ベクトルの方向ベクトルはx軸方向、x軸逆方向、y軸方向、y軸逆方向、z軸方向、z軸逆方向のいずれかとなる。頂点ベクトルが様々な方向を向いていないために頂点ベクトルの方向ベクトルも座標計算を経て求める必要がない。これにより、MinMaxBoxの横方向、縦方向、奥行き方向が雑多とならず、安定して部品表示判定を行うことができる。例えば、一の部品を対象としたMinMaxBoxの横方向、縦方向、奥行き方向が、他の部品を対象としたMinMaxBoxの横方向、縦方向、奥行き方向と異なり、同様に部品毎に全て異なっていた場合にはある領域内に位置する部品群では誤った部品表示判定がなされ、一部分が被覆されていない複数部品が表示対象とならないということが頻発する場合がある。
図6は本実施形態に係る頂点ベクトルの説明図である。MinMaxBoxは長方体であり、頂点では3つの辺が交わる(図6(a)参照)。処理対象頂点に接続する3つの辺を介して接続する3つの接続頂点がある。接続頂点の座標から処理対象頂点の座標への方向ベクトルを算出する(図6(b)(c)参照)。この算出された方向ベクトルと処理対象頂点から半直線である頂点ベクトルを求める。各頂点において3つの頂点ベクトルが求まり、長方体であるMinMaxBoxの総頂点数は8つであるため24の頂点ベクトルが求まることになる(図6(d)参照)。ここで、頂点ベクトルの方向ベクトルの算出方法を説示したが、本実施形態においては前記したように頂点ベクトルの取り得る方向ベクトルは座標軸方向、座標軸逆方向であるため、3次元空間上の2座標から求める必要はない。例えば、(x座標の最大点、y座標の最大点、z座標の最小点)からなる頂点7においては、頂点ベクトルの方向ベクトルはx軸方向、y軸方向、z軸逆方向に定まる。他の頂点も同様である。なお、本実施形態ではMinMaxBoxの全ての頂点上の頂点ベクトルを求めて用いているが、一部の頂点の頂点ベクトル、一部の頂点ベクトル若しくは一部の頂点の一部の頂点ベクトルを用いて表示判定処理を実行してもよい。
部品表示判定手段14は、前記頂点ベクトル算出手段13で求めた頂点ベクトルと他の部品との交点を有するか否かにより表示するか否かを決定する機能を有する。MinMaxBoxの各頂点からの頂点ベクトルが全て他の部品と交わるということはその部品は他の部品により被覆されている。部品表示判定手段14の判定結果は、図5(b)に示す部品識別情報と表示判定フラグのフィールドを有するリストからなる部品表示判定データである。図5(c)はその部品表示判定データの具体例を示している。この図5(c)では普通乗用車では内装品になるヘッドレスト、フロントシートに対して表示判定フラグが立って表示対象外となる。
モデルデータ描画手段15は読み出したモデルデータから部品表示判定手段14により表示すべき部品のみのデータを取り出して描画する機能を有する。つまり、モデルデータ描画手段15は部品表示判定データを参照して表示判定フラグが立っていない部品のみを表示対象部品として描画する。
[2.動作]
図7は本実施形態に係るCAEシステムでの表示処理の動作フローチャートである。
利用者がCAEシステムを起動してシェルデータのファイル名を指定すると、モデルデータ読込手段11は利用者から指定を受けたモデルデータをHDD111からメインメモリ102にロードする(ステップS100)。
MinMaxBox作成手段12はモデルデータ読込手段11がロードしたシェルデータを部品毎に処理対象として捉え、その処理対象の部品におけるシェルの座標の集合からx座標の最小点、y座標の最小点、z座標の最小点、x座標の最大点、y座標の最大点及びz座標の最大点を求め、これらの座標を用いてMinMaxBoxの頂点の座標を求める(ステップS105)。
ループ処理を示すステップS110からステップS145までに含まれるステップS115からステップS140までの処理が部品数分繰り返して処理される。
頂点ベクトル算出手段13はMinMaxBox作成手段12で求めたMinMaxBoxの頂点の座標を用いて頂点ベクトルを全て求める(ステップS115)。MinMaxBoxの頂点が8[個]であり、1頂点につき3つの頂点ベクトルが求まることから、1部品につき24個の頂点ベクトルを求めることになる。
ループ処理を示すステップS120からステップS140までに含まれるステップS125からステップS135までの処理が処理対象部品について頂点ベクトル数分繰り返して処理される。
部品表示判定手段14は、現在処理対象となっている頂点ベクトルが他の部品との交点を有するか否かを判断し(ステップS125)、他の部品との交点を有しないと判断した場合にはステップ145に進み、ステップS110に戻る。そうすることで、次の部品を処理対象とし、前の部品は表示判定フラグが立たないことから表示対象となる。
前記ステップS125で他の部品との交点を有すると判断した場合には、部品表示判定手段14が処理対象部品における処理対象の頂点ベクトルが最後のベクトルか否かを判断する(ステップS130)。最後のベクトルであると判断した場合には部品表示判定手段14が処理対象部品の表示判定フラグを立て(ステップS135)、ステップS140に進む。最後のベクトルでないと判断した場合は直接ステップS140に進む。ここで最後のベクトルとは、処理対象となり得る頂点ベクトルが処理対象の頂点ベクトルを除いて部品表示判定処理済みである場合の処理対象の頂点ベクトルのことを示す。
モデルデータ描画手段15は部品表示判定データを参照し、ロードされているモデルデータのうち部品表示判定手段14にて表示判定フラグが立っていない部品からなる描画データを作成し(ステップS150)、その作成した描画データで表示装置131に表示する(ステップS155)。つまり、表示判定フラグが立っている部品については、描画処理をせずに描画データを作成しないために、表示装置131で描画データに従って表示すると表示判定フラグが立っている部品は表示されない。
以上のようにして利用者の指定した3次元モデルが表示装置131に表示される。これ以降の処理として、利用者は視点を変更する場合がある。視点の変更を受け付けた場合には再度ステップS100若しくはステップS105から始まるのではなく、部品表示判定データは既に現在の3次元モデルに対しては求まっているのでステップS150からの処理となる。つまり、部品表示判定データで表示対象とすべき部品に対してのみ視点を変更した後の描画データを作成して表示する。
[3.本実施形態の効果]
このように本実施形態に係るCAEシステムによれば、他の部品に全方向において取り囲まれる部品に関しては表示対象とせず、他の部品にて全方向を被覆されない部品を表示対象として描画データを作成して表示し、以降も繰り返して既に求めた表示対象の部品に関して描画データを作成して表示するので、視点の変更の度に表示される部品を特定して表示する表示処理技術と比べて表示処理の負担を低減して優れた描画レスポンスを得ることができる。なお、特許文献2の三次元画像生成システムで説示した技術を、本実施形態によって表示対象の部品を特定した後に、適用することもできる。
なお、本実施形態においては求めた部品表示判定データを記録することもでき、例えば、モデルデータの属性情報として記録してモデルデータの読込時に同様にロードすることで、部品表示判定データを記録した以降のモデルデータの読込による表示はステップS105ないしステップS145の処理を経ることなく描画データの作成・表示に移行することができるために高速に3次元モデルを表示することができる。さらに、部品表示判定データの更新は部品の形状変更が生じた場合に必要となり、部品の形状変更がなされた後にステップS105ないしステップS145の処理を実行することが望ましい。ただし、利用者が部品の形状を編集している途中での部品表示判定処理は煩雑となるので、モデルデータの保存時、モデルデータのアンロード時、CAEシステムの終了時において部品の形状変更に伴う部品表示判定処理を実行することが望ましい。そして、部品の形状の編集が開始されて部品表示判定処理がなされるまでの間は更新前の部品表示判定データを用いて表示処理を実行するのではなく、全ての部品を表示させることが好適である。
また、本実施形態においては部品単位にMinMaxBoxを作成して表示判定処理を行ったが、部品を組み立てたユニット、アセンブリなどの単位でMinMaxBoxを作成して表示判定処理を行うこともできる。アセンブリを用いたモデル設計は特にCADシステム上で実装されている。このように部品単位だけでなく、ユニット単位、アセンブリ単位で部品表示判定処理を実行する場合には、原則としては部品単位で実行し、利用者が指定したユニット、アセンブリに対してはそのユニット、アセンブリに含まれる部品単位で実行するのではなくユニット、アセンブリ単位で実行する。
(その他の実施形態)
[透過性のある部品への対応]
前記第1の実施形態においては、窓ガラスなどの透過性のある部品と頂点ベクトルが交わる場合も含めて全ての頂点ベクトルが他の部品と交わる処理対象の部品は表示しないこととしたが、頂点ベクトルと窓ガラスなどの透過性のある部品との交わりは他の部品との交わりではないとみなす構成とすることもできる。そうすることで、窓ガラスなどの透過性のある部品のみと交わる頂点ベクトルを含み、それ以外の頂点ベクトルが他の部品と交わらない部品を処理対象とした場合においては、透過性のある部品と頂点ベクトルの交わりはそのみなしによって頂点ベクトルが他の部品と交わらないこととなるため、表示されなかった部品が表示対象の部品となる。
[表示の指定]
前記第1の実施形態においてはシェルデータ内の全ての部品を処理対象として内部にある部品を除いて表示する構成であったが、シェルデータ内の部品の表示の有無を利用者から受け付けることもでき、この場合利用者の指定した部品を除いて部品表示判定の処理対象とすることで対応することが可能となる。部品表示判定の処理対象とならない部品は、処理対象部品とならないだけでなく、前記ステップS125の他の部品としても取り扱われない。したがって、例えば、図3の2ドアタイプ普通乗用車のモデルの場合においてフロントガラスを利用者が表示無しと指定した場合にはフロントガラスを表示有りとしていれば表示対象とならなかったヘッドレストなどの内装品も表示対象となる。部品表示判定データを求めた後に利用者による表示の有無の指定に関連付けて記録することで、利用者が次回同じ表示の有無の指定を行った場合であっても再度表示判定データを求めることなくその指定に対応する記録した部品表示判定データを用いて高速に処理することができる。さらに、レイヤ(Layer)を用いて複数のシートに部品を分けて3次元モデルを作成している場合には、各シートの表示の有無に従って表示有りのシートに属する部品のみを処理対象とすることもできる。そして、レイヤに関連付けて求めた部品表示判定データを記録することで次回の処理を高速に実行することができる。
また、部品の表示の指定の後の部品表示判定データを求める処理は、一の部品の表示の指定毎に実行してもよいし、利用者がまとめて部品の表示の指定を行う場合にはその部品の表示の指定の完了の後に実行する。
[頂点ベクトルの拡張]
前記第1の実施形態においては図8(a)に示すようにMinMaxBoxの頂点ベクトルが処理対象部品以外の他の部品と交わるか否かにより表示するか否かを決定していた。ここで前記第1の実施形態に係る各座標軸に従った頂点ベクトルを拡張した図8(b)に示すようなMinMaxBoxの頂点を中心とする全球方向の様々な方向の頂点ベクトルを用いることもできる。例えば、全球上に等しい角度間隔で設けられる頂点ベクトルを増加させる程誤りなく表示すべき部品を特定することができるが、部品表示判定データを求めるための処理が頂点ベクトルの増加に伴って負担増となる。なお、全球頂点ベクトルのうち処理対象部品のMinMaxBox内部を通過する頂点ベクトルを除いて処理する必要がある。そうしなければ、処理対象部品との交点が生じるだけでなく、処理対象部品における他の頂点での頂点ベクトルと同じ方向について他の部品との交点を検索することとなり略重複した処理となるからである。ここで、頂点ベクトルの数が少ない場合に誤って表示すべき部品が表示されない例としては、格子状に空洞がある部品や空間が閉じられていないモデルがある。このようなモデルであっても部品表示判定するための頂点ベクトル数を増加させることで誤りなく判定することができる。また、前記第1の実施形態で一の処理対象部品のある頂点についての頂点ベクトルの方向ベクトルと他の処理対象部品の対応する頂点についての頂点ベクトルの方向ベクトルが一致していたように、全球頂点ベクトルであっても一の処理対象部品におけるある頂点についての頂点ベクトルの方向ベクトルと他の処理対象部品における対応する頂点についての頂点ベクトルの方向ベクトルは一致することが望ましい。つまり、図8(b)に示す全球頂点ベクトルを雛形となる全球頂点ベクトルとして、この雛形の全球頂点ベクトルを平行移動させて各頂点での頂点ベクトルを求める。
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。そして、かような変更又は改良を加えた実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。このことは、特許請求の範囲及び課題を解決する手段からも明らかなことである。
本発明の第1の実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るCAEシステムのモジュール構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るCAEシステムの表示対象のモデルの一例である。 本発明の第1の実施形態に係るCAEシステムにおける部品単位での表示判定の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るCAEシステムが使用するシェルデータと部品表示判定データである。 本発明の第1の実施形態に係る表示判定に用いる頂点ベクトルの導出説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るCAEシステムでの表示処理の動作フローチャートである。 本発明のその他の実施形態に係る表示判定に用いる頂点ベクトルとその拡張の説明図である。
符号の説明
11 モデルデータ読込手段
12 MinMaxBox作成手段
13 頂点ベクトル算出手段
14 部品表示判定手段
15 モデルデータ描画手段
100 コンピュータ
101 CPU
102 メインメモリ
103 マザーボードチップセット
104 ビデオカード
111 HDD
112 ブリッジ回路
121 光学ドライブ
122 (入力装置である)キーボード
123 (入力装置である)マウス
131 表示装置

Claims (7)

  1. 読み込まれた複数部品からなる3次元モデルを表示する3次元モデル表示装置であって、
    読み込まれた複数部品からなる3次元モデルの一の部品を矩形状に取り囲むMinMaxBoxを作成するMinMaxBox作成手段と、
    当該MinMaxBox作成手段にて作成された矩形状のMinMaxBoxの処理対象となる処理対象頂点と一辺を介して接続する頂点である接続頂点から当該処理対象頂点への方向ベクトルで、当該処理対象頂点を始点とする半直線である頂点ベクトルを算出する頂点ベクトル算出手段と、
    当該頂点ベクトル算出手段にて算出されたMinMaxBoxの各頂点の頂点ベクトルが処理対象部品以外の他の部品と交わっているか否かを判断し、全ての頂点ベクトルが他の部品と交わっていると判断した場合に処理対象部品を表示しないとする部品表示判定手段とを含む3次元モデル表示装置。
  2. 前記部品表示判定手段で表示しないとした部品及び/又は当該表示しないとした部品を除く表示する部品を示す部品表示判定データを処理対象となった3次元モデルに対応付けて記録する
    前記請求項1に記載の3次元モデル表示装置。
  3. 前記MinMaxBox作成手段で作成する矩形状のMinMaxBoxの各辺が処理対象のモデルの座標空間の座標軸のいずれかに平行である
    前記請求項1に記載の3次元モデル表示装置。
  4. 3次元モデルを構成する部品のうち表示指定された部品をMinMaxBox作製手段の処理対象の部品とし、
    表示指定されなかった部品を前記部品表示判定手段での処理対象部品以外の他の部品とせず、
    表示指定されなかった部品をMinMaxBox作成手段の処理対象の部品とせずに表示指定されなかった部品を表示しない
    前記請求項1に記載の3次元モデル表示装置。
  5. 3次元モデルを構成する部品のうち透過性のある部品を部品表示判定手段での処理対象部品との交わりの有無の比較対象となる他の部品としない
    前記請求項1に記載の3次元モデル表示装置。
  6. 読み込まれた複数部品からなる3次元モデルをコンピュータで表示させるための3次元モデル表示プログラムであって、
    読み込まれた複数部品からなる3次元モデルの一の部品を矩形状に取り囲むMinMaxBoxを作成するMinMaxBox作成手段と、
    当該MinMaxBox作成手段にて作成された矩形状のMinMaxBoxの処理対象となる処理対象頂点と一辺を介して接続する頂点である接続頂点から当該処理対象頂点への方向ベクトルで、当該処理対象頂点を始点とする半直線である頂点ベクトルを算出する頂点ベクトル算出手段と、
    当該頂点ベクトル算出手段にて算出されたMinMaxBoxの各頂点の頂点ベクトルが処理対象部品以外の他の部品と交わっているか否かを判断し、全ての頂点ベクトルが他の部品と交わっていると判断した場合に処理対象部品を表示しないとする部品表示判定手段としてコンピュータを機能させるための3次元モデル表示プログラム。
  7. 読み込まれた複数部品からなる3次元モデルをコンピュータを用いて表示する3次元モデル表示方法であって、
    読み込まれた複数部品からなる3次元モデルの一の部品を矩形状に取り囲むMinMaxBoxを作成するMinMaxBox作成ステップと、
    当該MinMaxBox作成ステップにて作成された矩形状のMinMaxBoxの処理対象となる処理対象頂点と一辺を介して接続する頂点である接続頂点から当該処理対象頂点への方向ベクトルで、当該処理対象頂点を始点とする半直線である頂点ベクトルを算出する頂点ベクトル算出ステップと、
    当該頂点ベクトル算出ステップにて算出されたMinMaxBoxの各頂点の頂点ベクトルが処理対象部品以外の他の部品と交わっているか否かを判断し、全ての頂点ベクトルが他の部品と交わっていると判断した場合に処理対象部品を表示しないとする部品表示判定ステップとを含む3次元モデル表示方法。
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