JP4922012B2 - 導体 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁ガスを密閉金属容器に封入してなるガス絶縁開閉器において、密閉金属容器内に設けられた通電用の導体に関するものである。
一般に、電力系統には同軸円筒構造のガス絶縁開閉器が採用されている。ここで図6の断面図を用いて、ガス絶縁開閉器の構造について具体的に説明する。すなわち、接地電位の密閉された同軸円筒形の金属容器1が設けられており、金属容器1の内部には絶縁ガス2が高圧充填されている。
また、金属容器1の内部には通電用の接触部3a、3bが対向して固定配置されており、各接触部3a、3b内にはそれぞれ、通電部材であるスライドコンタクト5a、5bが設置されている。さらに、接触部3a、3b内には開閉器の導体4が摺動自在に配置されており、スライドコンタクト5a、5bによって接触部3a、3bと電気的に接続されている。導体4は中空あるいは中実の丸棒から構成されており、ボルト等で操作ロッド10と一体的に結合されている。なお、導体4にはアルミニウムや銅等の単一材料が用いられている。
ところで、上述の如く構成されたガス絶縁開閉器では、運転状態において通電電流によってジュール熱が発生するため、接触部3a、3bや導体4の温度が上昇する。特に電流が大きい場合は発熱が過大となり、温度上昇許容値を超えてしまうおそれがある。接触部3a、3bや導体4における温度上昇を抑えるには、例えば金属容器1の内径を大きくしてガス容積を増大させることにより、冷却効率を高めることが有効である。
また、接触部3a、3bや導体4の径寸法を大きくして通電に有効な断面積を広くし、部材の電気抵抗を低減して温度上昇を抑えるようにした技術も知られている。しかしながら、これらの従来技術では、金属容器1、接触部3a、3bあるいは導体4の大径化が余儀なくされるので、ガス絶縁開閉器の大型化を招くことになり、機器のコンパクト化を進める観点から好ましくない。
そこで、接触部3a、3bや導体4の材料として、導電性に優れた材料、具体的には、導電率の大きい銅等が用いられる。しかしながら、銅は高価であり、また重量的にも重いといった特徴がある。このため、経済的な負担が高くなるだけではなく、開閉器の操作時に大きな駆動力が必要になる。したがって、経済性及び操作性が低下するという問題があった。
この問題を解決するために、導体の大部分はアルミから作製して導体端部のみを導電率の大きい部材とした導体(例えば特許文献1)や、導電率の大きい材料を表面に被覆圧着させた導体(例えば特許文献2)等が提案されている。但し、特許文献2における導電率の大きい材料はアークによる損傷を低減させることを目的としたものである。
これらの特許文献1,2の技術によれば、高価で重い材料を導体の一部に限定的に使用することで、導体の製造コストを低減すると共に、導体の軽量化を進めて優れた操作性を得ることができる。
特許第2825341号公報 特開平7−114863号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術には、次のような課題が指摘されていた。すなわち、導体の端部のみを導電率の大きい部材とした特許文献1では、導体端部は温度上昇の抑止効果が優れているが、アルミ製の導体中間部分では導電性の低いアルミを用いているので、温度上昇の抑止効果は不十分となり、温度上昇許容値を超えてしまうおそれがあった。
また、特許文献2では、導体表面に導電率の大きい材料、具体的には銅を被覆圧着させるものであるが、被覆される銅層の厚さは1mm以下であることが多い。通常、交流電流は表皮効果により導体径の外周側に偏って通電するが、銅層が薄ければ、実質的には電流の大半は、銅層の下側のアルミ部分を流れることになる。被覆層の厚さ寸法を増大させることも考えられるが、1mm以上の厚い被覆層を製造することは難しく、且つ非常に高価となるので現実的ではない。つまり、導体表面に被覆層を施しただけでは、ジュール熱発生による温度上昇を効果的に抑えることは難しかった。そもそも、特許文献2における導電率の大きい材料はアークによる損傷を低減させることなので、この技術を導体の温度上昇抑制に適用するには無理がある。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、導電率の大きい部材を効率よく配置することにより導体の温度上昇を確実に抑止可能であり、コスト低減と軽量化を実現して経済性及び操作性の向上を図った導体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明では、絶縁性の媒体として絶縁ガスを封入した密閉金属容器内に設けられた通電用の導体において、前記導体は、中心部に配置された中心部材と、該中心部材の外周部を覆うようにして配置された外周部材とから構成され、前記中心部材及び前記外周部材は電気的に接続され、前記中心部材の外面と前記外周部材の内面との間には前記絶縁ガスが流出入可能な空隙部が形成され、前記中心部材には前記空隙部と前記密閉金属容器の内部空間とをつなぐ通気穴が貫通されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、通電用の導体を中心部材と外周部材から構成し、通気穴から空隙部へ絶縁ガスを流入させることにより、温度上昇を確実に抑制することが可能であり、コスト低減と軽量化を実現して、優れた経済性及び操作性を獲得できる。
以下、本発明に係る実施形態の一例について図1〜図5の断面図を参照して具体的に説明する。なお、図6に示した従来技術と同一の部材に関しては同一符号を付して説明は省略する。
(1)第1の実施形態
[構成]
図1に示すように、第1の実施形態における導体4は、アルミニウムからなる中実丸棒状の中心部材4aと、銅からなるパイプ状の外周部材4bから構成されている。外周部材4bは中心部材4aの外周部を覆うようにして配置されている。ここでは外周部材4bの厚さ寸法は5mmとしている。
外周部材4bの両端部付近にはスライドコンタクト6a、6bが設置されており、これらスライドコンタクト6a、6bにより中心部材4aと外周部材4bが電気的に接続されている。スライドコンタクト6a、6bは、複数枚のルーバーがリング状に配置された通電部材であって、ルーバー部分が中心部材4aと外周部材4bの間に挟まれて倒れこんだ際にばね力が発生し、このばね力により中心部材4aの外周面と外周部材4bの内周面に接触して通電するようになっている。
[作用効果]
上記のような第1の実施形態の導体4では、外周部材4bを導電率の大きい銅から構成したので、交流電流を流した場合、表皮効果にて導体4の外周側に偏って通電するので、アルミニウムからなる中心部材4a側ではなく、銅製の外周部材4b側に偏って電流が流れることになる。外周部材4bは導電率が大きいため、導体4の温度上昇を効率よく抑えることが可能である。
さらに、導電率が大きい外周部材4bは、導体4の表面に被覆圧着するものではなく、独立したパイプ状の部材なので、厚さ寸法を5mmとしても製造コストを低く抑えることができる。しかも、外周部材4b電流量に応じて、その厚さ寸法を自由に設定でき、温度上昇抑止効果を生むだけの最適な厚さを持つ外周部材4bを、的確且つ容易に製造可能である。
なお、導体4の材料に銅を用いた場合、導電性が高い反面、重く高価であるといったデメリットがあるが、本実施形態の導体4ではパイプ状の外周部材4bだけを銅製としているので、導体4全体を銅製とした場合に比べて、はるかに軽量で、安価で済む。したがって、開閉器操作時の駆動力は小さくて済み、優れた操作性を得ることができ、製造コストも低減するため、経済的にも非常に有利である。
このような第1の実施形態によれば、通電用の導体4は、中心部材4aの材料のみで構成された単一導体と比べて、外周部材4bがあることで温度上昇を抑制できる。また、外周部材4bのみで構成された単一導体と比較して、高価な銅の使用量を限定しているため、操作性・経済性が向上するといった作用効果がある。
(2)第2の実施形態
[構成]
図2に示すように、第2の実施形態では、中心部材4aに通気用穴7a、7b、7c、7dが設けられている。このうち、通気用穴7a、7bは中心部材4aの半径方向に伸びて形成されており、通気用穴7c、7dは中心部材4aの軸方向に伸びて形成されている。
また、操作ロッド10の軸方向に沿って通気用穴7eが形成されており、この通気用穴7eは中心部材4a側の通気用穴7dと連通されている。なお、中心部材4aの外周面と外周部材4bの内周面との間には若干の隙間が開けられて空隙部11が形成されている。この空隙部11は、前記複数の通気用穴7a〜7eを通して、金属容器1の内部と空間的につながっており、金属容器1内の絶縁ガス2が流出入するようになっている。
[作用効果]
このように構成された第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態に加えて、次のような独自の作用効果がある。すなわち、空隙部11内に絶縁ガス2が流入している状態で、通電電流により導体4の中心部材4aと外周部材4bの温度が上昇すると、中心部材4aと外周部材4bに接して空隙部11内の絶縁ガス2は温度が上昇し、通気用穴7a〜7eを通って自然対流する。その結果、金属容器1内の温度の低い絶縁ガス2が空隙部11内に流れ込んでくる(点線にて図示)。この低温の絶縁ガス2が空隙部11内に流れ込むことで、中心部材4aと外周部材4bが冷却される。したがって、通電時の導体4の温度上昇を抑制することができる。
以上の第2の実施形態において、前記第1の実施形態と同じく、外周部材4bが銅から構成されていれば、導体4の温度上昇抑止効果はいっそう顕著となり、導体4の径寸法をより細くすることが可能である。このため、コストダウンや軽量化を進めることが可能となる。
なお、第2の実施形態では、中心部材4aと外周部材4bが両方とも、アルミ材料であっても、通気用穴7a〜7eを通して絶縁ガス2の自然対流は行われるので、低温の絶縁ガス2が空隙部11に流入することによる導体4の冷却効果は得られる。したがって、中心部材4aと外周部材4bが同一材料であっても、導体4の温度上昇の抑止効果は期待でき、温度上昇許容値を超える心配がない。
(3)第3の実施形態
[構成]
図3に示すように、第3の実施形態では、中心部材4aと外周部材4bから構成される導体4が、導体4よりも外径の大きい導体8a、8bに対し、摺動自在では無く、ボルト締結等で固定されて接続されている。
また、中心部材4aは円筒部材であって、中空部分にて通気用穴7fが構成される。さらに、導体8a、8bには中心部材4a側の通気用穴7fと連通する通気穴7g、7hが形成されている。つまり、第3の実施形態の導体4では、通気用穴7a、7b、7f〜7hを通して、空隙部11と金属容器1の内部空間とがつながっており、空隙部11に対し金属容器1内の絶縁ガス2が流出入するように構成されている。
[作用効果]
このような第3の実施形態では、外周部材4bに銅等の導電率の大きい材料を適用することで温度上昇の抑止効果を得ると同時に、通気用穴7a、7b、7f〜7hを形成することにより空隙部11への低温絶縁ガス2流入による冷却効果を確保している。このため、導体4が、径の大きい導体8a、8bに挟まれてボルト等で締結固定された径の細い部材であったとしても、温度上昇許容値を超えるようなことがなく、高い信頼性を獲得できる。したがって、導体4はその径が構造上細くなる着脱用の導体等に好適であると言える。
(4)第4の実施形態
[構成]
図5に示すように、第4の実施形態は、中心部材4a及び外周部材4bが、線膨張係数の異なる材料から構成され、両者の線膨張係数の違いによるしまり嵌めにて電気的に接続される点に構成上の特徴がある。より詳しくは、材料の線膨張係数に関して、中心部材4aよりも外周部材4bの方が大きい場合と、中心部材4aよりも外周部材4bの方が小さい場合とがあり、それぞれの場合で、しまり嵌めにおける温度変化は反対となる。
すなわち、中心部材4aより外周部材4bの線膨張係数が大きければ、使用温度より高い温度で中心部材4aの外側に外周部材4bを配置し、温度を下げてしまり嵌めにすることで、中心部材4aと外周部材4bを電気的に接続するようになっている。また、中心部材4aより外周部材4bの線膨張係数が小さければ、使用温度より低い温度で中心部材4aの外側に外周部材4bを配置し、温度を上げてしまり嵌めにすることで、中心部材4aと外周部材4bを電気的に接続するようになっている。
さらに、外周部材4bの端部と操作ロッド10の間には、リング状の弾性体9が配置されている。この弾性体9は、中心部材4a及び外周部材4bの線膨張係数の違いによる両者の寸法差を吸収するための吸収部材である。
[作用効果]
上記の構成を有する第4の実施形態によれば、スライドコンタクト5a、5bを用いずに中心部材4a及び外周部材4bを電気的に接続可能となり、スライドコンタクト5a、5bを不要とした分だけ部品点数を削減可能である。したがって、前記第1の実施形態の作用効果に加え、さらなる製造コストの低減といったメリットが得られる。
また、第4の実施形態によれば、温度が変化して中心部材4aと外周部材4bがそれぞれの線膨張係数に応じて伸び縮み、導体4の長さ寸法が変化した場合に、変化により生じた寸法差を弾性体9により吸収することができる。したがって、中心部材4aと外周部材4bを組み合わせた構成においてガタつきがなく、強固な構造とすることができる。
(5)他の実施形態
本発明の導体は、上記の実施形態に限定されるものではなく、各部材の寸法や形状等は適宜変更可能であり、例えば、導体の一端を固定端とし、スライドコンタクトを介挿して導体の他端を自由端とした構成にも適用可能である。
本発明に係る第1の実施形態の断面図。 本発明に係る第2の実施形態の断面図。 本発明に係る第3の実施形態の断面図。 本発明に係る第4の実施形態の断面図。 本発明に係る第5の実施形態の断面図。 従来のガス絶縁開閉器の断面図。
1…金属容器
2…絶縁ガス
3a、3b…接触部
4、8a、8b…導体
4a…中心部材
4b…外周部材
5a、5b、6a、6b…スライドコンタクト
7a〜7h…通気穴
9…弾性体
10…操作ロッド
11…空隙部

Claims (6)

  1. 絶縁性の媒体として絶縁ガスを封入した密閉金属容器内に設けられた通電用の導体において、
    前記導体は、中心部に配置された中心部材と、該中心部材の外周部を覆うようにして配置された外周部材とから構成され、
    前記中心部材及び前記外周部材は電気的に接続され、
    前記中心部材の外面と前記外周部材の内面との間には前記絶縁ガスが流出入可能な空隙部が形成され、
    前記中心部材には前記空隙部と前記密閉金属容器の内部空間とをつなぐ通気穴が貫通されたことを特徴とする導体。
  2. 前記中心部材はアルミニウムから構成され、前記外周部材は銅から構成されたことを特徴とする請求項1に記載の導体。
  3. 前記中心部材及び前記外周部材は同一材料から構成されたことを特徴とする請求項に記載の導体。
  4. 前記中心部材及び前記外周部材は、ばね部を有する通電部材により電気的に接続されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の導体。
  5. 前記中心部材及び前記外周部材は、線膨張係数の異なる材料から構成され、両部材の線膨張係数の違いによるしまり嵌めにて電気的に接続されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の導体。
  6. 線膨張係数の異なる材料からなる前記中心部材及び前記外周部材間に、両部材の線膨張係数の違いによる寸法差を吸収する吸収部材が配置されたことを特徴とする請求項に記載の導体。
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