JP4922960B2 - データの安全ケース - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電子取引装置などのセキュリティを要する電子部品を収容する安全ケースへの不法なアクセスを検知して、電子部品が保持するデータの漏洩を防止可能とした安全ケースに関する。
電子取引装置などでは、内部に保持する顧客の暗証番号やその他の情報が外部から不正にアクセスされて盗用されることを防止するために、セキュリティを要するメモリや回路部を特設のケースに収容するとともに、不正なアクセス時における当該ケースの破壊を検知するパターン板が提案されている。
この種の破壊検知用パターン板として、例えば特開平11−353237号公報に開示されたものがある。
これはセキュリティの必要な電子部品を収容した安全ケースの内面に張り付けられたプリントパターン配線フィルムである。
プリントパターン配線フィルムにおける配線パターンは1本の電源線をジグザグに配したもので、電源と電子部品である情報メモリ間に介挿することにより、ドリルなどで安全ケースに孔が開けられたときに断線し、断線したことを検知して情報メモリに記憶されている情報を消去し、情報メモリに記憶されている情報を引き出せないようにしている。
配線パターンは情報メモリの電源系統に挿入して用いるほか、破壊検知回路に接続してその断線により安全ケースの破壊検知に用いることができる。
特開平11−353237号公報
しかしながら、上記の従来例のように、破壊検知用パターン板を複数組み合わせて安全ケースを組み立てる場合においては、各パターン板の接合部における安全が確保できず、また各基板に設けた配線を電気的に接続する必要があり配線が複雑になるという問題があった。
したがって、本発明は、上記の問題点に鑑み、簡単な構成のデータの安全ケースを提供することを目的とする。
本発明は、セキュリティを要する電子部品を封入してデータの安全を確保するデータの安全ケースを、電子部品を収容する収容エリアを囲む側壁部と、側壁部の上下に固定した上壁部および下壁部とから構成し、安全ケースの破壊検知用の配線パターンが形成された基材を、上壁部と下壁部と側壁部とに設けると共に、側壁部に設けた基材を、1枚のリボン状のフレキシブル基材から構成し、側壁部の全周に亘って設け、配線パターンは、前記基材の両面に形成され、各面の配線パターンは、基材の一方の面側から透視したとき同一であり、一方の面における配線パターンと他方の面における配線パターンとが互いにずらせてある構成とした。
破壊検知用の配線パターンが形成された基材のうち、安全ケースの側壁部に設けた基材を、1枚のリボン状のフレキシブル基材から構成して、このリボン状のフレキシブル基材を側壁部の全周に亘って設けたので、収容エリアを囲む側壁部の側壁毎に配線パターンが形成された基材を設けた場合に比べて、データの安全性が確保でき、さらに配線が複雑にならない。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1の(a)は、実施の形態にかかる安全ケース1の斜視図であり、(b)は(a)において仮想線で示す面Xで安全ケース1を切断した断面図である。
実施の形態にかかるデータの安全ケース1は、平板状の上壁部10と、筒状の側壁部20と、平板状の下壁部30とから構成され、上壁部10と下壁部30とは、それぞれ側壁部20の上部と下部に固定されて、安全ケース1の内部に、セキュリティを要する電子部品Pを収容(封入)する収容エリア40を形成している。
ここで、セキュリティを要する電子部品とは、例えば、データの暗号化・復号化に用いられる暗号化キーや復号化キー、そして顧客の暗証番号などの、外部から不正にアクセスされて盗用されるおそれのある情報を保持するメモリなどである。
上壁部10、側壁部20、そして下壁部30は、それぞれ多層構造を有しており、安全ケース1の破壊を検知するための配線パターンが形成された基材を内部に有している。
図2の(a)は下壁部30の平面図、(b)は(a)におけるA−A線断面を模式的に示した図である。
なお、上壁部10と下壁部30とは構成が同じであるので、ここでは下壁部30について説明し、上壁部10の説明は省略する。
下壁部30は、安全ケース1の外側から順に、外壁層31、破壊検知層32、基板層33を並べた多層構造を有している。
下壁部30は、上面視において略矩形形状を有しており、四隅の周縁部には、下壁部30を側壁部20に固定するボルト(図示せず)を挿通するボルト挿通孔35が形成されている。この下壁部30の各辺の略中央部には、後記する側壁部20の突出部23dが嵌合する凹部34が形成されている。
外壁層31は、安全ケース1の外側に露出する層であり、セキュリティを要しない部品が実装される回路基板として用いられる。
基板層33は、安全ケース1内に形成される収容エリア40に露出する層であり、図示しない基板配線が形成されて、セキュリティを要する電子部品が実装される回路基板として用いられる。
基板層33の収容エリア40側の面には、電子部品の他にコネクタC1、C2が設けられており、コネクタC1、C2は、上壁部10、側壁部20、そして下壁部30内に設けられた破壊検知用の各配線パターンの接続に用いられる。
破壊検知層32は、ガラスエポキシ材からなる絶縁性の基材の両面に銅箔からなる配線パターンが設けられて形成されており、下壁部30の破壊を検知するために設けられている。ここで、破壊検知層32の基材の板厚は例えば0.2mm、銅箔の厚さは0.018mmである。
配線パターンは、1本線(一筆書き)の電源ラインの両側をグランドラインで挟んで構成され、パターンは渦巻きを基本単位として、これを繰り返して基材の表面全域を覆っている。
図3は、破壊検知層32の部分拡大図で、基材50の一方の面における複数個の渦巻きを含む配線パターン60の一部を示す。実線が電源ライン71で、破線がグランドライン72である。なお、グランドライン72は、1本線とする必要はなく、また電源ライン71の両側のグランドライン72、72間は絶縁しなくてよい。
ここでは、基本単位の渦巻き70(70a、70b、70c、・・・)はそれぞれ角型で、電源ライン71は外周から右巻き(時計回り)に中心ヘ向かい、中心で折り返して左巻き(反時計回り)で外周へ戻ってくる。
電源ライン71とグランドライン72の各線幅は0.15mm以下、電源ライン71とグランドライン72の間の間隙も0.15mm以下に設定されている。渦巻き中心部において折り返した電源ライン71間にグランドライン72を配置する余地がない場合には、当該電源ライン間の間隙を0.15mm以下とするのが好ましい。
渦巻き70の形状や巻き数は配線パターン60を配置する基材50の平面形状に収まるように調整されるが、電源ライン71の直線部分Dが10mm以下となるように設定される。
各線幅および間隔を0.15mm以下、電源ライン71の直線部を10mm以下としたのは、ドリルやナイフ等での作業時間を含めた物理的攻撃が極めて困難になるためである。
つぎに、以上のように設定された渦巻き70は電源ライン71が1本線となるようにつなげながら接続されている。
すなわち、下中央の右下角から始まった第1の渦巻き70aの電源ラインの最終辺71abは、左方の第2の渦巻き70bの開始辺を兼ねている。
第2の渦巻き70bの電源ラインの最終辺71bcは上方の第3の渦巻き70cの開始辺を兼ね、第3の渦巻き70cの電源ラインの最終辺71cdはその右方の第4の渦巻き70dの開始辺を兼ねている。
同様に、第4の渦巻き70dの電源ラインの最終辺71deはその右方の第5の渦巻き70eの開始辺を兼ね、さらに第5の渦巻き70eの電源ラインの最終辺71efはその下方の第6の渦巻き70fの開始辺を兼ねている。
すなわち、基本単位の渦巻き70は任意の位置からその上下左右のいずれの方向にも連続的につなげてゆくことができるので、多数個の渦巻き70が基材50の壁面全体を覆うように配置される。
図3には基材50の一方の面(表面)に形成された配線パターンを示したが、基材50の他方の面(裏面)にも表面側から透視したとき表面の配線パターンと同一形状の配線パターンが形成されている。図4は、基材50の裏面に形成された配線パターン60’を、裏面側から見たものであり、電源ライン71’およびグランドライン72’ともに、配線パターン60と左右対称になっている。
裏面の配線パターン60’は、表面の配線パターン60に対して例えば図3において斜め45°方向にずらしてあり、透視したとき裏面の配線パターン60’の電源ライン71’が表面の配線パターン60における対応電源ライン71と当該電源ラインを挟む一方のグランドライン72間の間隙に位置するようになっている。したがって図4の配置は基材上辺およびA線に対して近づいている。
表裏面の配線パターン60、60’の電源ライン71、71’は直列に接続されて、表裏面を通じて1本線をなしている。この際、透視した両面の配線パターン60、60’が同一であるため、電源ライン71、71’の端が同部位にあり、基材50を貫通するスルーホールまたはコネクタで容易に接続することができる。
配線パターンの電源ライン71、71’およびグランドライン72、72’は、セキュリティ確保が要求される電子部品の電源系統に挿入し、あるいは断線や短絡を検知する回路に接続される。
なお、図2の(a)に示すように、渦巻き70は、下壁部30において、この下壁部30と側壁部20と上壁部10との間に形成される収容エリア40に対応する範囲内に、電子部品を取り付けるスルーホールや基板の表裏面を接続するコネクタ部分を避ける形状で形成されている。
図3における符号73はグランドラインのコネクタ端子部、符号74はスルーホール部である。
図5の(a)は側壁部20の平面図であり、(b)は(a)におけるA−A線断面であり、(c)は(b)における符号Mを付した円で囲った部分を拡大して模式的に示す図であり、(d)は(a)におけるB−B線断面を拡大して模式的に示す図であり、(e)は(a)におけるC−C線断面図を拡大して模式的に示す図である。
側壁部20は、軸方向から見て筒形状を有しており、外壁部21と内壁部23の間に、リボン状のフレキシブル基材22を挟んで形成される。この側壁部20の四方の壁の各接続部分は曲率の大きなR形状とされている。
外壁部21と内壁部23は、例えばABS等の樹脂からなり、モールド成形などにより形成される。なお、外壁部21と内壁部23は、アルミ等の金属で作成しても良い。
図6の(a)は外壁部21の平面図であり、(b)は(a)における符号Nを付した円で囲った部分を拡大して模式的に示す図であり、(c)は(a)におけるA−A線断面であり、(d)は(b)に示す突起21aの変形例を示す図である。
外壁部21の内周面には、収容エリア40側に突出する突起21aが設けられている。
この突起21aは、後記する内壁部23の切り欠き23cの近傍に位置し、フレキシブル基材22を外壁部21の内周面に取り付ける際の位置決めに用いられる。
外壁部21の各辺の略中央部は、外壁部21の軸方向に延出させられて、突出部21bとされている。突出部21bは、図6の(c)に示すように、外壁部21の軸方向に延出する本体部21b1と、本体部21b1の一端から収容エリア40側に延出して設けられて、フレキシブル基材22の一端を凹部21b3で支持する支持部21b2とを備える。
図7の(a)は、フレキシブル基材22の平面図であり、(b)は(a)におけるA−A線断面を模式的に示した図である。
フレキシブル基材22は、リボン状の本体部22aと、接続部22bとから構成される。
接続部22bは、本体部22aの一端側の側面から本体部22aの延出方向に直交する方向に延出しており、フレキシブル基材22に形成された配線を、上壁部10または下壁部30内に形成した配線(配線パターン)と接続するコネクタ22cを先端に有している。
本体部22aの先端側には切欠部22dが設けられており、切欠部22dの近傍と、接続部22bの近傍には、フレキシブル基材22を外壁部21に取り付ける際に、外壁部21の突起21aが挿入される挿通孔22e、22fが形成されている。
本体部22aと接続部22bとの接続部分には、この接続部分からフレキシブル基材22が破断することを防止するために、略円形状の切り欠き22gが設けられている。
図7の(b)に示すように、フレキシブル基材22は、破壊検知層22a1の両面に、ポリイミドなどの樹脂材料の層22a2を設けた多層構造を有しており、破壊検知層22a1は、基材に銅箔からなる配線パターンを設けた構成を有している。
ここで、樹脂材料として、可撓性に富む材料を用いており、フレキシブル基材22の内部に形成された配線パターンを断線することなく、フレキシブル基材22を曲げることができるようにしている。
破壊検知層22a1の配線パターンは、1本線(一筆書き)の電源ラインの両側をグランドラインで挟んで構成され、パターンは渦巻きを基本単位として、これを繰り返して基材の表面全域を覆っている。
なお、配線パターンの詳細は、前記した下壁部30の配線パターン60、60’と同じなので、ここでは、その説明を省略する。
図8の(a)は内壁部23の平面図であり、(b)は(a)におけるA−A線断面を模式的に示した図である。
内壁部23の四隅には、収容エリア40側に延出するボルト座23aが設けられており、ボルト座23aには、側壁部20の上下に上壁部10と下壁部30とを固定するボルトが挿入されるボルト挿通孔23bが形成されている。
内壁部23の一辺の一部には、切り欠き23cが形成されている。
なお、ボルト座は、内壁部23の四隅に設けられていなくても良く、必要に応じて、内壁部23の対向する二辺にそれぞれ二個ずつ設けるようにしても良い。
内壁部23の各辺の略中央部は、内壁部23の軸方向に延出させられて、突出部23dとされている。突出部23dは、外壁部21の突出部21bに外嵌する形状を有しており、図中破線で示す外壁部21の突出部21bとの間に形成した空間Q内にフレキシブル基材22を配置させて、フレキシブル基材22の軸方向への位置ズレを防止する。
突出部23dの軸方向の延出幅は、前記した上壁部10と下壁部30の厚みと略同じとされており、突出部23dの上端23eおよび下端23fとが、それぞれ上壁部10および下壁部30と面一になるようにしている。
実施の形態にかかる安全ケース1の作製を説明する。
始めに、側壁部20の作製を、図5から図9を参照しながら説明する。
なお、図9は、外壁部21の内周面にフレキシブル基材22を取り付けた状態を示す図である。
外壁部21の突起21a(図6参照)にフレキシブル基材22の挿通孔22fを挿通させて、フレキシブル基材22の位置決めを行う。
続いて、フレキシブル基材22を、外壁部21に接着させながら、外壁部21の内周面に沿って設けたのち、フレキシブル基材22の先端側の挿通孔22e(図7参照)に突起21aを挿通して、外壁部21の内周面にフレキシブル基材22を接着保持させる。この状態が図9である。
この際、図7に示すフレキシブル基材22の本体部22aの周方向における一端側(切欠部22dを含む図中左側の領域)と、他端側(接続部22bを含む図中右側の領域)とは、重なるように設けられるので(図9の(a)参照)、この重なる部分ではフレキシブル基材22同士も互いに接着される。
なお、図9の(b)および(c)に示すように、外壁部21には突出部21bが形成されているので、フレキシブル基材22の一端側は、突出部21bに支持されて、位置ズレが防止される。
ここで、フレキシブル基材22と外壁部21との接着は、接着剤を用いて行うようにしても良く、フレキシブル基材22に接着層を設けて行うようにしても良い。
そして、内周面にフレキシブル基材22が巻き付けられた外壁部21を、金型にセットし、内壁部23をモールド成形により形成して、内壁部23と外壁部21との間にフレキシブル基材22が挟み込まれた側壁部20を形成する(図5参照)。
このようにして形成した側壁部20では、フレキシブル基材22の接続部22bの近傍に、フレキシブル基材22の切欠部22dと内壁部23の切り欠き23cとが位置するので、これら切欠部22d、23cの部分で、接続部22bを収容エリア40側に折り曲げて、コネクタ22cを収容エリア40側に位置させることができる(図5の(d)参照)。
この際、フレキシブル基材22には、略円形状の切り欠き22gが設けられているので、フレキシブル基材22の破断を防止しつつ、折曲げ後の接続部22bが外壁部21の上面と略面一となるようにしている。
よって、フレキシブル基材22に形成した配線パターンの配線と、上壁部10や下壁部30に形成した配線パターンの配線とを、収容エリア40内で接続して、上壁部10、側壁部20、そして下壁部30内に設けた各配線パターンの電源ラインを、直列に接続して一本線とすることができる。
また、外壁部21の突起21aが、フレキシブル基材22の挿通孔22e、22fに挿通され(図5の(d)参照)、さらに、内壁部23の突出部23dと外壁部21の突出部21bとの間にフレキシブル基材22が挟み込まれる(図5の(e)参照)ので、フレキシブル基材22を外壁部21と内壁部23との間で確実に保持することができる。
なお、上壁部10と下壁部30は、ガラスエポキシ材からなる絶縁性の基材の両面に銅箔からなる配線パターンを設けた破壊検知層32を挟み込むように基板層33と外壁層31とを設けて形成される。
次に、安全ケース1の組付けを説明する。
始めに、側壁部20を下壁部30に載置し、側壁部20の収容エリア40内に位置するフレキシブル基材22のコネクタ22c(図5参照)を、下壁部30のコネクタC1(図2参照)に接続して、側壁部20内に形成された配線パターンと下壁部30内に形成された配線パターンとを接続すると共に、これら配線パターンの電源ラインを直列に接続して一本線とする。また、これと同時にグランドラインも接続される。
続いて、下壁部30のコネクタC2(図2参照)と上壁部10のコネクタ(図示せず)とを接続ケーブル(図示せず)で接続して、上壁部10内に形成された配線パターンと、下壁部30内に形成された配線パターンとを接続すると共に、これら配線パターンの電源ラインを直列に接続して一本線とする。このとき同時にグランドラインも接続される。
これにより、安全ケース1の各壁内に形成された配線パターンは互いに接続されると共に、これら配線パターンの電源ラインが直列に接続される。また、グランドラインもあわせて接続される。
そして、側壁部20の上に上壁部10を載置し、上壁部10と側壁部20と下壁部30の各ボルト挿通孔35、23bに挿通したボルトにより、上壁部10と側壁部20と下壁部30とを連結して、図1に示す安全ケース1とする。
この際、図5の(b)に示すように、側壁部20には、軸方向に延出する凸部が、外壁部21の突出部21bと内壁部23の突出部23dとにより形成されているので、この凸部が、上壁部10と下壁部30の凹部34(図2参照)に嵌合して、安全ケース1の接合強度を向上させる。
以上説明したように、本実施例では、セキュリティを要する電子部品Pを封入してデータの安全を確保するデータの安全ケース1であって、安全ケース1を、電子部品Pを収容する収容エリア40を囲む側壁部20と、側壁部20の上下に固定した上壁部10および下壁部30とから構成し、破壊検知用の配線パターン60、60’が形成された基材を、上壁部10と下壁部30と側壁部20とに設けると共に、側壁部20に設けた基材を1枚のリボン状のフレキシブル基材22から構成して、側壁部20の全周に亘って設けたものとした。
これにより、破壊検知用の配線パターンが形成された基材を側壁部の四方の壁の各々に設ける必要がないので、各壁部に設けた基板の配線パターン同士を繋ぐ配線を省略でき、配線が簡略化できる。
さらに、側壁部に設ける破壊検知用の配線パターンが形成された基材を、1枚のフレキシブル基材としたことで、基材同士のつなぎ目の数を減らすことができるので、収容エリア内に配置した電子部品の安全性が向上する。
また、安全ケース内の基材の数を減らすことができるので、安全ケースの組み立てコストを低減できる。
ここで、上壁部10と下壁部30のうちの少なくとも一方は、基板配線が形成された基材(基板層33)の少なくとも一部、例えばセキュリティを要する電子部品が実装される部位に、破壊検知用の配線パターンを設けて形成されるものとしたので、上壁部10と下壁部30のうちの少なくとも一方を、セキュリティを要する電子部品が実装される回路基板として用いることができる。
特に、側壁部20の全周に亘って設けたリボン状のフレキシブル基材22の周方向における一端側と他端側とが一部重なるようにしたので、側壁部20を周方向から見た場合に、破壊検知用の配線パターンを有するフレキシブル基材22が切れ目なく繋がった状態となる。よって、収容エリア40内に配置した電子部品の安全性がいっそう向上する。
また、上壁部10、下壁部30、そして側壁部20では、配線パターン60、60’が形成された基材が埋め込まれている構成とした。
これにより、上壁部10、下壁部30、そして側壁部20の収容エリア40側の面を、電子部品Pの実装面とすることができ、電子部品Pを実装するための基板を収容エリア40内に別途設ける必要が無いので、安全ケース1のさらなる小型化が可能となる。
さらに、各基材が有する配線パターン60、60’が、電源ライン71、71’とその両側に所定の間隙を置いて配置したグランドライン72、72’とからなり、電源ライン71、71’が外周から中心側ヘ向かい、中心側で折り返す渦巻き70を基本単位として、複数の基本単位を繰り返して基材の壁面を覆うとともに、全体として一本線をなすとともに、電源ライン71、71’の直線部分の長さDを10mm以下としている構成とした。
これにより、孔開けによる電源ライン71、71’の断線で安全ケースの破壊を検知できるほか、ドリル等による孔開の部位によっては電源ライン71、71’とグランドライン72、72’との短絡によって安全ケースの破壊を検知できる。
さらに、カッターで電源ライン71、71’とグランドライン72、72’間の間隙に切り込みを入れてもその長さが10mm以下に制限されるため、セキュリティを要する電子部品の収容エリア内にアクセスできる程度まで切り込みを開くことはできない。
また、連続する渦巻きのうち第1の渦巻きの最終辺が第2の渦巻きの開始辺をなしているので、各渦巻き20のサイズを10mm以下とすれば、電源ライン71、71’の直線部分の長さは10mm以下に収まる。
さらに、電源ライン71、71’とグランドライン72、72’の各線幅がそれぞれ0.15mm以下、電源ラインとグランドライン間の所定の間隙が0.15mm以下としてあるので、とくに小径のドリルを用いても孔開け時に確実に断線または短絡を招き、破壊検知の精度が高い。
また、基材の一方の面側から透視したとき同一の配線パターン60、60’を基材の両面に形成して、一方の面における電源ライン71’が他方の面における対応する電源ライン71の両側のいずれかのグランドライン72との間隙に位置するように互いにずらせてあるので、一方の面側から透視したとき電源ライン71、71’が基材の壁面の実質的に全領域を覆う。このため、孔開け時にはより一層確実に断線または短絡させることができる。
さらに、基材の両面の配線パターン60、60’における電源ライン71、71’は直列に接続されて一本線をなしており、特に、上壁部10、側壁部20、そして下壁部30に設けた基材の配線パターンの電源ラインが直列に接続されて一本線をなすようにしているので、断線または短絡の検知回路が1系統で済み、回路構成も簡単になる。
ここで、上記実施例では、外壁部21の突起21aの形状を、図6の(b)に示すような形状としたが、図6の(d)に示すように、突起21aの先端に保持部21cを設けて、フレキシブル基材22の突起21aからの脱落を確実に防止できるようにしても良い。
つぎに、配線パターンの変形例について説明する。これは、狭い面積の基材に適用するために渦巻きを簡略化したものである。
まず、図10は渦巻きの簡略化の過程を示す説明図である。
図10の(a)はスタート地点S1から右巻き(R)に11折れして中心に達し、それから左巻き(L)に折り返して11折れして終点T1に終わる複数巻き渦巻きを示す。
(b)は巻き数を小さくして、スタート地点S2から右巻きに5折れして中心に達し、それから左巻きに折り返して5折れして終点T2に終わる渦巻きを示す。
図10の(c)はスタート地点S3から右巻きに中心側へ3折れしたあと、左巻きに折り返して3折れして終点T3に終わっており、実質1巻きの渦巻きをなしている。
このように折れ回数を減じてゆき、片側2折れとしたのが(d)に示される。すなわち、スタート地点S4から右巻きに中心側へ2折れしたあと、左巻きに折り返して2折れして終点T4に終わっており、実質半巻きの渦巻きとなる。
以上のように構成された変形例にかかる配線パターンを採用しても、前記した実施の形態と同じ効果を奏する。
ここで、図10に示した簡略化された渦巻きのうち、とくに(c)と(d)の渦巻きを組み合わせた配線パターンは、リボン状のフレキシブル基材のような細幅や小面積のものに特に好適に利用可能である。
図11は、図10の(c)と(d)の渦巻きを組み合わせた配線パターンを、リボン状のフレキシブル基材に適用した場合を示す図である。
図11に示すリボン状のフレキシブル基材22’には、図10の(c)と(d)の渦巻きを組み合わせた配線パターン25が、壁面全体を覆うように配置されている。
この配線パターン25では、電源ライン26の両側をグランドライン27で挟んで構成され、1面の配線パターン25において電源ライン26は1本線となっている。
そして、電源ライン26の直線部分の長さDが10mm以下となるように設定してある。
このような配線パターンとすることによっても、前記した実施の形態と同じ効果を奏する。そして、とくに細幅の基材に適用できるので、実施の形態のフレキシブル基材と組み合わせることにより、電子部品を実装した基板を収容する扁平なケースの全壁面において、不正なアクセスを検知するのに有効である。
さらに、フレキシブル基材22’の挿通孔28を適切に避けつつ、フレキシブル基材22’の全体に亘って配線パターンを密に設けることができる。
次に、側壁部の変形例を説明する。
図12の(a)は変形例にかかる側壁部80の平面図であり、(b)は(a)におけるA−A線断面であり、(c)は(b)において符号Zを付した円で囲った部分を拡大して模式的に示す図である。図13の(a)は、変形例にかかる側壁部80の内壁部83の平面図であり、(b)は変形例にかかる側壁部80のフレキシブル基材82の平面図である。
変形例にかかる側壁部80は、軸方向から見て円筒形状を有しており、外壁部81と内壁部83の間に、リボン状のフレキシブル基材82を挟んで形成される。
変形例にかかる側壁部80では、外壁部81はABS等の樹脂から、内壁部83がアルミ等の金属からなり、それぞれモールド成形などにより形成される。
内壁部83の四隅には、収容エリア40側に延出するボルト座83aが設けられており、各ボルト座83aには、側壁部80の上下に上壁部と下壁部とを固定するボルトが挿入されるボルト挿通孔83bが形成されている。
また、図13に示すように、内壁部83の外周面には、フレキシブル基材82を固定するための複数の突起83cと、位置決めのための突起83dが設けられており、突起83dの近傍には、切欠部83eが設けられている。
この内壁部83と外壁部81との間に挟まれた状態で位置するフレキシブル基材82の本体部82aには、フレキシブル基材82の位置決め用の挿通孔82e、82fと、内壁部83の外周面の突起83cを挿通してフレキシブル基材82を内壁部83に固定するための挿通孔82gとが設けられている。
かかる構成の側壁部80は、内壁部83の外周面に沿ってフレキシブル基材82を取り付けたのちに金型にセットし、外壁部81をモールド成形により形成することで作成される。
このような内壁部83とすることによっても、前記した実施の形態と同じ効果を奏する。
ここで、変形例に係る側壁部80には、前記した側壁部20の突出部23d(図5参照)に相当するものが設けられていないので、この側壁部80の上下に固定される上壁部と下壁部には、前記した下壁部30の凹部34(図2参照)に相当するものは設けられていない。よって、側壁部20の上下に固定される上壁部と下壁部の外周形状は、側壁部20を軸方向から見た場合の外周形状と整合する形状を有している。
なお、実施の形態および変形例では、渦巻きの形状を直線の辺を有する4角形基本としたが、三角形その他の多角形を基本形状とすることもできる。
さらには、直線の辺に限らず、凹または凸の湾曲線を辺とする角型でもよく、この場合には、凹の湾曲線の辺に隣接する渦巻きの対応する辺を凸の湾曲線とすることにより、隙間なく基材の壁面を覆うことができる。
さらに、前記した実施の形態では、上壁部10、側壁部20、そして下壁部30の各々に破壊検知用の配線パターンが形成された基材が埋め込まれた側壁部20を用いた安全ケース1を説明したが、破壊検知用の配線パターンが形成された基材は、上壁部10、側壁部20、そして下壁部30のうちの少なくともひとつに埋め込まれていればよい。この場合、基材が埋め込まれた壁部の収容エリア40側の表面を電子部品の実装面とすることで、前記した実施の形態と同じ効果を奏することができる。
この場合、基材が埋め込まれていない壁部の収容エリア40側の表面には、破壊検知用の配線パターンが形成された基材が接着剤などにより固定されて、壁部の破壊を検知できるようにすれば良い。
また、回路基板の一部に破壊検知用の配線パターンを形成して上壁部10や下壁部30とすることができるため、回路基板の任意の位置に安全ケースを設けることができる。
実施の形態にかかる安全ケースを説明する図である。 下壁部を説明する図である。 基材表面の配線パターンを示す部分拡大図である。 基材裏面の配線パターンを示す部分拡大図である。 側壁部を説明する図である。 側壁部の外壁部を説明する図である。 側壁部のフレキシブル基材を説明する図である。 側壁部の内壁部を説明する図である。 側壁部の外壁部にフレキシブル基材を取り付けた状態を説明する図である。 渦巻きの簡略化の過程を示す説明図である。 簡略化した渦巻きを有するフレキシブル基材を説明する図である。 側壁部の変形例を示す図である。 側壁部の変形例を示す図である。
符号の説明
1 安全ケース
10 上壁部
20、80 側壁部
21、81 外壁部
22、22’、82 フレキシブル基材
23、83 内壁部
25、60、60’ 配線パターン
26、71、71’ 電源ライン
27、72、72’ グランドライン
30 下壁部
40 収容エリア
50 基材
P 電子部品

Claims (11)

  1. セキュリティを要する電子部品を封入してデータの安全を確保するデータの安全ケースであって、
    前記安全ケースを、前記電子部品を収容する収容エリアを囲む側壁部と、前記側壁部の上下に固定した上壁部および下壁部とから構成し、
    破壊検知用の配線パターンが形成された基材を、前記上壁部と前記下壁部と前記側壁部とに設けると共に、前記側壁部に設けた基材を1枚のリボン状のフレキシブル基材から構成し、前記側壁部の全周に亘って設け
    前記配線パターンは、前記基材の両面に形成され、
    各面の配線パターンは、基材の一方の面側から透視したとき同一であり、一方の面における配線パターンと他方の面における配線パターンとが互いにずらせてある
    ことを特徴とするデータの安全ケース。
  2. 前記上壁部と前記下壁部のうちの少なくとも一方は、回路基板が形成された基材の少なくとも一部に、前記破壊検知用の配線パターンを設けて形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載のデータの安全ケース。
  3. 前記側壁部では、前記フレキシブル基材の周方向における一端側と他端側とが重なるように設けられている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデータの安全ケース。
  4. 前記上壁部、前記下壁部、そして前記側壁部のうちの少なくともひとつの壁部では、前記基材が埋め込まれている
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載のデータの安全ケース。
  5. 前記上壁部、前記下壁部、そして前記側壁部では、前記基材が内部に埋め込まれていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載のデータの安全ケース。
  6. 前記配線パターンは、電源ラインと該電源ラインの両側に所定の間隙をおいて配置されたグランドラインとからなり、
    前記電源ラインが外周から中心ヘ向かい、中心で折り返す渦巻きを基本単位として、複数の基本単位を繰り返して前記基材の両面を覆うとともに、全体として一本線をなすとともに、前記電源ラインの直線部分の長さが10mm以下とされて、前記電源ラインの断線またはグランドラインとの短絡を検知可能とした
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか一項に記載のデータの安全ケース。
  7. 前記渦巻きの形状が複数の辺をつないだ角型であり、第1の渦巻きの最終辺が第1の渦巻きに続く第2の渦巻きの開始辺をなしている
    ことを特徴とする請求項6に記載のデータの安全ケース。
  8. 前記電源ラインとグランドラインの線幅がそれぞれ0.15mm以下、前記所定の間隙が0.15mm以下である
    ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のデータの安全ケース。
  9. 前記基材の各面の配線パターンでは、一方の面における電源ラインが他方の面における対応する電源ラインにかかる前記所定の間隙に位置する
    ことを特徴とする請求項6から請求項8のうちの何れか一項に記載のデータの安全ケース。
  10. 前記基材の両面の配線パターンにおける電源ラインが直列に接続されて、一本線をなし
    ている
    ことを特徴とする請求項9に記載のデータの安全ケース。
  11. 前記上壁部と前記下壁部と前記側壁部とに設けた前記基材の配線パターンにおける電源ラインが直列に接続されて一本線をなしている
    ことを特徴とする請求項6から請求項10のうちの何れか一項に記載のデータの安全ケース。
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