JP4929647B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

この発明は、固体高分子電解質膜を備える燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導性を有する固体高分子から成る電解質層を備える燃料電池であり、従来、種々の形状の電池が提案されている。固体高分子型燃料電池では、一般に、固体高分子電解質膜上に設けられた触媒電極層に対して水素あるいは酸素を含有する反応ガスを給排すると共に、ガス拡散性あるいは集電性を確保するために、触媒電極層上に、多孔質な導電性部材から成る層が配設される。このような多孔質層は、例えば、ガス拡散層、あるいは集電体と呼ばれる。
このような多孔質層として、金属製の多孔質部材を用いる燃料電池が知られており、金属製多孔質部材と触媒電極層との間に、さらに、金属製多孔質部材とは異なる多孔質層を設ける構成も知られている。金属製多孔質部材と触媒電極層との間に設ける層の一例としては、強酸性成分に対して耐食性を示す材料によって形成される層が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−223836号公報
上記のように、触媒電極層上に多孔質層を設ける場合には、この多孔質層を介して、燃料電池に供給された反応ガスを効率良く触媒電極層に供給することによって、電気化学反応におけるガス利用率を向上させることが可能となる。既述した複数の層から成る多孔質層を備える燃料電池においても、さらなるガス利用率の向上による電池性能の向上が望まれていた。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、触媒電極上に設ける複数の層から成る多孔質層を介して触媒電極層にガスが供給される際の、ガス利用率を確保することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であって、
固体高分子からなる電解質膜と、
前記電解質膜の両面に形成された触媒電極層と、
前記触媒電極層の外側に積層され、導電性多孔質部材によって形成される第1のガス拡散層と、
導電性多孔質部材によって形成されると共に、前記第1のガス拡散層のさらに外側に積層され、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層よりも積層面の面積が小さい第2のガス拡散層であって、前記第1のガス拡散層側の面全体で前記第1のガス拡散層と接触し、前記第2のガス拡散層の外周全体が、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層の面上に重なるように配置される第2のガス拡散層と、
前記第2のガス拡散層に対して、前記触媒電極層で進行する電気化学反応に供するためのガスを供給するガス供給部と
前記電解質膜、前記触媒電極層、および前記第1のガス拡散層の外周に配設され、前記電解質膜、前記触媒電極層、および前記第1のガス拡散層を保持する保持部と、
前記保持部と一体または別体で形成されたガスシール部であって、前記第1のガス拡散層との接触面に垂直な前記第2のガス拡散層の側面の外側に空間が形成されないように、前記側面と接触するか、または極めて近い位置に配置されたガスシール部と、
を備え
前記第2のガス拡散層は、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層における前記保持部に覆われていない集電領域全体を覆うように配設されていることを要旨とする。
また、本発明の第2の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であって、
固体高分子からなる電解質膜と、
前記電解質膜の両面に形成された触媒電極層と、
前記触媒電極層の外側に積層され、導電性多孔質部材によって形成される第1のガス拡散層と、
導電性多孔質部材によって形成されると共に、前記第1のガス拡散層のさらに外側に積層され、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層よりも積層面の面積が小さい第2のガス拡散層であって、前記第1のガス拡散層側の面全体で前記第1のガス拡散層と接触し、前記第2のガス拡散層の外周全体が、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層の面上に重なるように配置される第2のガス拡散層と、
前記第2のガス拡散層に対して、前記触媒電極層で進行する電気化学反応に供するためのガスを供給するガス供給部と、
前記電解質膜、前記触媒電極層、前記第1のガス拡散層、および前記第2のガス拡散層の外周に配設され、前記電解質膜の両面間のガスシール性を確保するための樹脂製のシール部であって、前記電解質膜と前記触媒電極層と前記第1および第2のガス拡散層とから成る積層体と一体で射出成形されたシール部と、
を備えることを要旨とする。
本発明の第の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であって、
固体高分子からなる電解質膜と、
前記電解質膜の両面に形成された触媒電極層と、
前記触媒電極層の外側に積層され、導電性多孔質部材によって形成される第1のガス拡散層と、
導電性多孔質部材によって形成されると共に、前記第1のガス拡散層のさらに外側に積層され、前記第1のガス拡散層側の面における前記第1のガス拡散層と重なる領域全体で前記第1のガス拡散層と接触する第2のガス拡散層と、
前記第2のガス拡散層に対して、前記触媒電極層で進行する電気化学反応に供するためのガスを供給するガス供給部と
前記電解質膜、前記触媒電極層、および前記第1のガス拡散層の外周に配設され、前記電解質膜、前記触媒電極層、および前記第1のガス拡散層を保持する保持部と、
前記保持部と一体または別体で形成されたガスシール部であって、前記第1のガス拡散層との接触面に垂直な前記第2のガス拡散層の側面の外側に空間が形成されないように、前記側面と接触するか、または極めて近い位置に配置されたガスシール部と、
を備え、
前記第2のガス拡散層の内部の空間は、前記ガスが、前記第2のガス拡散層の面方向に平行な一方向に流れるガス流路を形成し、
前記第1および第2のガス拡散層の積層面は、前記一方向に略平行な2辺を有する形状に形成されており、
前記第2のガス拡散層は、少なくとも前記一方向に略平行な2辺が、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層の外周よりも内側に配置されるように積層されると共に、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層における前記保持部に覆われていない集電領域全体を覆うように配設されていることを要旨とする。
また、本発明の第4の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であって、
固体高分子からなる電解質膜と、
前記電解質膜の両面に形成された触媒電極層と、
前記触媒電極層の外側に積層され、導電性多孔質部材によって形成される第1のガス拡散層と、
導電性多孔質部材によって形成されると共に、前記第1のガス拡散層のさらに外側に積層され、前記第1のガス拡散層側の面における前記第1のガス拡散層と重なる領域全体で前記第1のガス拡散層と接触する第2のガス拡散層と、
前記第2のガス拡散層に対して、前記触媒電極層で進行する電気化学反応に供するためのガスを供給するガス供給部と、
前記電解質膜、前記触媒電極層、前記第1のガス拡散層、および前記第2のガス拡散層の外周に配設され、前記電解質膜の両面間のガスシール性を確保するための樹脂製のシール部であって、前記電解質膜と前記触媒電極層と前記第1および第2のガス拡散層とから成る積層体と一体で射出成形されたシール部と、
を備え、
前記第2のガス拡散層の内部の空間は、前記ガスが、前記第2のガス拡散層の面方向に平行な一方向に流れるガス流路を形成し、
前記第1および第2のガス拡散層の積層面は、前記一方向に略平行な2辺を有する形状に形成されており、
前記第2のガス拡散層は、少なくとも前記一方向に略平行な2辺が、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層の外周よりも内側に配置されるように積層されていることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の第1ないし4いずれかの燃料電池によれば、燃料電池に供給されたガスが、第2のガス拡散層を経由した後に、第1のガス拡散層および触媒電極層に供給される際に、供給されたガスを無駄なく電気化学反応に供給することができる。したがって、ガスの利用率を向上させ、発電効率を確保することができる。また、本発明の第2または第4の燃料電池によれば、電解質膜、触媒電極層、および第1のガス拡散層と、シール部との間の結合力に加えて、第2のガス拡散層とシール部との間の結合力が向上するため、シール部全体で、結合力をより均一化させ、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
本発明の第1ないし4いずれかの燃料電池において、
前記第2のガス拡散層は、金属製多孔質部材によって形成され、
前記第1のガス拡散層を構成する部材は、前記第2のガス拡散層を構成する部材よりも、圧縮弾性率が小さい部材および/または強酸性雰囲気中における耐食性が優れた部材であることとしても良い。
このような構成では、第1のガス拡散層を構成する部材を、第2のガス拡散層を構成する部材よりも圧縮弾性率が小さい部材とすることで、電解質膜の損傷を抑制することができる。また、第2のガス拡散層を構成する部材よりも強酸性雰囲気中における耐食性が優れた部材である第1のガス拡散層を配設することで、第2のガス拡散層の腐食を抑制することができる。
本発明の第1ないし4いずれかの燃料電池において、前記第1のガス拡散層は、カーボン製多孔質部材から成ることとしても良い。
このような構成とすれば、容易に、第2のガス拡散層よりも圧縮弾性率が小さく、かつ、第2のガス拡散層よりも強酸化雰囲気中における耐食性が優れた第1のガス拡散層を得ることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、本発明の燃料電池を備える燃料電池システムなどの形態で実現することが可能である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
A.第1実施例:
図1は、本発明の第1実施例としての燃料電池の概略構成を表わす断面図である。また、図2は、図1において破線で囲んだX領域を拡大して示す説明図である。本実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であり、単セルを複数積層したスタック構造を有している。すなわち、本実施例の燃料電池は、図1に示すように、複数の単セル10を備えると共に、各々の単セル10間にセパレータ30を介在させつつ単セル10を積層させた構造を有している。
単セル10は、電解質膜を含むMEA(膜−電極接合体、Membrane Electrode Assembly)12と、MEA12の外側に配設された第2ガス拡散層14,15を備える。ここで、MEA12は、電解質膜20と、電解質膜20を間に挟んでその表面に形成された触媒電極であるカソード22およびアノード24と、上記触媒電極のさらに外側に配設された第1ガス拡散層26,28とを備えている(図2参照)。
電解質膜20は、固体高分子材料、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。カソード22およびアノード24は、電気化学反応を促進する触媒、例えば、白金、あるいは白金と他の金属から成る合金を備えている。カソード22およびアノード24を形成するには、例えば、白金等の触媒金属を担持させたカーボン粉を作製し、この触媒担持カーボンと、電解質膜20を構成する電解質と同様の電解質とを用いてペーストを作製し、作製した触媒ペーストを電解質膜20上に塗布すればよい。第1ガス拡散層26,28は、カーボン製の多孔質部材であり、例えばカーボンクロスやカーボンペーパによって形成される。触媒電極を表面に形成した電解質膜20と第1ガス拡散層26,28とは、プレス接合により一体化されてMEA12となる。
第2ガス拡散層14,15は、発泡金属や金属メッシュなどの金属製多孔質体によって形成されており、本実施例では、チタン製の多孔質体を用いている。第2ガス拡散層14,15は、MEA12とセパレータ30との間に形成される空間全体を占めるように配設されており、内部に形成される多数の細孔から成る空間は、電気化学反応に供されるガスが通過する単セル内ガス流路として機能する。既述した第1ガス拡散層26、28においても、内部に形成される空間をガスが通過するが、本実施例では、第2ガス拡散層14,15は、単セル10に供給されたガスが通過する主たる空間を形成する。カソード22とセパレータ30との間に配設される第2ガス拡散層14では、その内部の細孔によって形成される空間が、酸素を含有する酸化ガスが通過する単セル内酸化ガス流路として機能する。また、アノード24とセパレータ30との間に配設される第2ガス拡散層15では、その内部の細孔によって形成される空間が、水素を含有する燃料ガスが通過する単セル内燃料ガス流路として機能する。
ここで、隣り合うセパレータ30間であって、MEA12の外周部には、シール部16が設けられている。シール部16は、例えば、シリコンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴムなどの絶縁性樹脂材料によって形成されると共に、MEA12と一体で形成されている。このようなシール部16は、例えば、金型のキャビティ内にMEA12の外周部が収まるようにMEA12を配設し、上記樹脂材料を射出成形することによって形成できる。これにより、樹脂材料が多孔質部材である第1ガス拡散層内に含浸されて、MEA12とシール部16とが隙間なく接合され、MEA12の両面間のガスシール性を確保することができる。なお、シール部16は、触媒電極を備える電解質膜20を保持する保持部としても機能している。
図3は、MEA12と一体形成されたシール部16の概略構成を表わす平面図である。図3に示すように、シール部16は、略四角形状の薄板状部材であり、外周部に設けられた6つの穴部と、中央部に設けられてMEA12が組み込まれている略四角形の穴部とを有している。なお、図3の平面図には表わしていないが、シール部16は実際には図1に示すように所定の凹凸形状を有しており、燃料電池内では、上記6つの穴部および略四角形の穴部を取り囲む位置に設けられた凸部で、隣接するセパレータ30と接触する。シール部16とセパレータ30との接触位置(図1において一点鎖線でシール位置と示す)を、図3の平面図においてシール線SLとして示している。シール部16は、弾性を有する樹脂材料から成るため、燃料電池内で積層方向に平行な方向に押圧力が加えられることにより、上記シール線SLの位置においてシール部16によってガスシール性を実現可能となる。
また、図3では、シール部16と一体化されたMEA12における外部に露出している部分を、ハッチを付して示している。以下の説明では、上記MEA12における外部に露出している部分に対応する領域を、集電領域と呼ぶ。さらに図3では、シール部16内部に埋め込まれているMEA12の外周線を、点線で示している。第2ガス拡散層14,15は、上記集電領域と略同一形状に形成されており、集電領域においてシール部16に嵌め込まれている。このように、集電領域に嵌め込まれる第2ガス拡散層14,15は、MEA12よりも小さく形成されている。すなわち、第2ガス拡散層14,15は、第1ガス拡散層26,28よりも小さく形成されると共に、その外周全体が、触媒電極および第1ガス拡散層26,28の面上に重なるように配置されている。
セパレータ30は、図1に示すように、第2ガス拡散層14と接するカソード側プレート31と、第2ガス拡散層15と接するアノード側プレート32と、カソード側プレート31およびアノード側プレート32に挟持される中間プレート33と、を備えている。これら3枚のプレートは、導電性材料、例えばステンレス鋼あるいはチタンやチタン合金といった金属によって形成される薄板状部材であり、カソード側プレート31、中間プレート33、アノード側プレート32の順に重ね合わされて、例えば拡散接合により接合されている。これら3種のプレートは、いずれも凹凸のない平坦な表面を有すると共に、各々、所定の位置に所定形状の穴部を有している。図4は、カソード側プレート31の形状を示す平面図であり、図5は、アノード側プレート32の形状を示す説明図であり、図6は、中間プレート33の形状を示す説明図である。
カソード側プレート31、アノード側プレート32は、いずれも、その外周部においてシール部16と同様の位置に、6つの穴部を備えている。これらの6つの穴部は、スタック構造を形成するために各々の薄板状部材が積層された際に互いに重なり合って、燃料電池内部において積層方向に平行に流体を導くマニホールドを形成する。上記各薄板状部材では、略四角形状である外周の一辺の近傍に穴部40が形成されている。また、近傍に穴部40が形成された辺と対向する辺の近傍には、穴部41が形成されている。さらに、他の2辺のうちの一方の辺の近傍には穴部42,44が形成されており、他方の辺の近傍には穴部43,45が形成されている。なお、中間プレート33は、上記6つの穴部のうち、穴部44,45は有していないが、後述する複数の冷媒孔58が、穴部44,45に対応する位置に重なるように設けられている。
上記各薄板状部材が備える穴部40は、燃料電池に対して供給された酸化ガスを各単セルに分配する酸化ガス供給マニホールドを形成し(図中、O2 inと表わす)、穴部41は、各単セルから排出されて集合した酸化ガスを外部へと導く酸化ガス排出マニホールドを形成する(図中、O2 outと表わす)。また、穴部42は、燃料電池に対して供給された燃料ガスを各単セルに分配する燃料ガス供給マニホールドを形成し(図中、H2 inと表わす)、穴部43は、各単セルから排出されて集合した燃料ガスを外部へと導く燃料ガス排出マニホールドを形成する(図中、H2 outと表わす)。さらに、穴部44は、燃料電池に対して供給された冷却水などの冷媒を各セパレータ30内に分配する冷媒供給マニホールドを形成し(図中、水 inと表わす)、穴部45は、各セパレータ30から排出されて集合した冷媒を外部へと導く冷媒排出マニホールドを形成する(図中、水 outと表わす)。
また、カソード側プレート31は、穴部40の近傍に、穴部40よりも小さく、穴部40に平行に配列する複数の穴部である連通孔50を備えており、穴部41の近傍には、同様に、穴部41に平行に配列する複数の連通孔51を備えている(図4参照)。アノード側プレート32は、穴部42の近傍に、穴部42よりも小さく、穴部42に平行に配列する複数の穴部である連通孔52を備えており、穴部43の近傍には、同様に、穴部43に平行に配列する複数の連通孔53を備えている(図5参照)。中間プレート33においては、穴部40の形状が他のプレートとは異なっており、中間プレート33の穴部40は、この穴部40の集電領域側の辺が、集電領域方向へと突出する複数の突出部を備える形状となっている。穴部40が有する上記複数の突出部を、連通部54と呼ぶ。この連通部54は、中間プレート33とカソード側プレート31とが積層されたときに連通孔50と重なり合って、酸化ガス供給マニホールドと連通孔50とが連通するように、各連通孔50に対応して設けられている。中間プレート33では、他の穴部41,42,43においても同様に、連通孔51,52,53に対応して、複数の連通部55,56,57がそれぞれ設けられている(図6参照)。
燃料電池の内部において、穴部40が形成する酸化ガス供給マニホールドを流れる酸化ガスは、中間プレート33の連通部54が形成する空間と、カソード側プレート31の連通孔50とを介して、第2ガス拡散層14内に形成される単セル内酸化ガス流路へと流入する。すなわち、上記酸化ガス供給マニホールドと、連通部54が形成する空間と、連通孔50とは、第2ガス拡散層14に対して酸化ガスを供給するガス供給部として働く。単セル内酸化ガス流路において酸化ガスは、第2ガス拡散層14に平行な方向(面方向)に流れると共に、面方向に垂直な方向(積層方向)へとさらに拡散する。積層方向に拡散した酸化ガスは、第2ガス拡散層14から第1ガス拡散層26を介してカソード22に至り、電気化学反応に供される。このように電気化学反応に寄与しつつ単セル内酸化ガス流路を通過した酸化ガスは、第2ガス拡散層14から、カソード側プレート31の連通孔51および中間プレート33の連通部55が形成する空間を介して、穴部41が形成する酸化ガス排出マニホールドへと排出される。同様に、燃料電池の内部において、穴部42が形成する燃料ガス供給マニホールドを流れる燃料ガスは、中間プレート33の連通部56が形成する空間と、アノード側プレート32の連通孔52とを介して、第2ガス拡散層15内に形成される単セル内燃料ガス流路へと流入する。すなわち、上記燃料ガス供給マニホールドと、連通部56が形成する空間と、連通孔52とは、第2ガス拡散層15に対して燃料ガスを供給するガス供給部として働く。単セル内燃料ガス流路において燃料ガスは、面方向に流れると共に、積層方向へとさらに拡散する。積層方向に拡散した燃料ガスは、第2ガス拡散層15から第1ガス拡散層28を介してアノード24に至り、電気化学反応に供される。このように電気化学反応に寄与しつつ単セル内燃料ガス流路を通過した燃料ガスは、第2ガス拡散層15から、アノード側プレート32の連通孔53および中間プレート33の連通部57が形成する空間を介して、穴部43が形成する燃料ガス排出マニホールドへと排出される。
図3ないし図6においてA−A断面の位置を示しているが、このA−A断面の位置は、図1に示した断面図に相当する位置を表わしている。図1に示すように、A−A断面では、穴部40が形成する酸化ガス供給マニホールドから、中間プレート33の連通部54およびカソード側プレート31の連通孔50を介して、第2ガス拡散層14内へと酸化ガスが供給される様子が表わされる。さらに、A−A断面では、第2ガス拡散層14から、カソード側プレート31の連通孔51および中間プレート33の連通部55を介して、穴部41が形成する酸化ガス排出マニホールドへと酸化ガスが排出される様子が表わされる。
なお、中間プレート33は、さらに、集電領域を含む領域に、互いに平行に形成された細長い複数の冷媒孔58を備えている。これらの冷媒孔58の端部は、中間プレート33を他の薄板状部材と重ね合わせたときに、穴部44,45と重なり合い、冷媒が流れるためのセル間冷媒流路をセパレータ30内で形成する。すなわち、燃料電池の内部において、穴部44が形成する冷媒供給マニホールドを流れる冷媒は、上記冷媒孔58によって形成されるセル間冷媒流路に分配され、セル間冷媒流路から排出される冷媒は、穴部45が形成する冷媒排出マニホールドに排出される。
以上のように構成された第1実施例の燃料電池によれば、金属製多孔質部材から成る第2ガス拡散層14,15と触媒電極との間にカーボン製多孔質部材から成る第1ガス拡散層26,28を配設するため、金属製多孔質部材による電解質膜の損傷を抑えると共に金属製多孔質部材の腐食を抑制することができる。また、上記のように、単セル内に供給されたガスが、第2ガス拡散層14,15を介して第1ガス拡散層26,28および触媒電極に供給される燃料電池において、本実施例ではさらに、第2ガス拡散層が第1ガス拡散層よりも小さく形成されると共に、第2ガス拡散層の外周全体が、第1ガス拡散層および触媒電極の面上に重なるように配置されているため、単セル内に供給されたガスを無駄なく電気化学反応に供給することができる。すなわち、第2ガス拡散層全体で、直下にMEA12が配設されていることにより、第2ガス拡散層14,15内を通過しつつ積層方向に拡散するガスを、効率良く電気化学反応で利用することができる。したがって、ガスの利用率を向上させ、発電効率を確保することができる。
ここで、金属製多孔質部材とカーボン製多孔質部材とを共にガス拡散層として用いる構成についてさらに説明すると、第2ガス拡散層14,15として金属製多孔質部材を用いるのは、多孔質部材によって単セル内ガス流路を形成する際に、多孔質部材の空隙率(気孔率)を高めることにより、単セル内ガス流路におけるガスの圧損を低減可能となるためである。これは、金属が高い靱性を示す材料であるため、金属製多孔質部材は、多孔質であっても優れた強度を実現可能であることによる。すなわち、金属材料よりも靱性の低い材料、例えばカーボンから成る多孔質部材によって単セル内のガス流路全体を形成する場合に比べて、より靱性の高い材料である金属から成る多孔質部材を用いることで、強度を確保しつつ、ガス流路を形成する多孔質部材の空隙率を高めることができる。
しかしながらこのような金属製多孔質部材は、例えばカーボン製多孔質部材に比べて剛性が高いため、燃料電池内で押圧力が加えられることによって、電解質膜20を損傷する可能性がある。本実施例では、第2ガス拡散層14,15と触媒電極との間に、さらに第1ガス拡散層26,28を設けているため、金属製多孔質部材である第2ガス拡散層14、15による電解質膜20の損傷を抑制することができる。すなわち、金属製多孔質部材である第2ガス拡散層14,15よりも圧縮弾性率(ヤング率)の小さい、いわゆる柔らかい多孔質体である第1ガス拡散層26,28を介在させることで、電解質膜20の損傷を抑制することができる。さらに、圧縮弾性率の小さい第1ガス拡散層26,28を触媒電極上に配設することで、触媒電極上に圧縮弾性率の大きな金属製多孔質体を直接積層する場合に比べて、触媒電極と多孔質部材との接触面積をより大きく確保して、触媒電極における集電性を向上させることができる。
また、カーボン製多孔質部材は、金属製多孔質部材よりも強酸性雰囲気中における耐久性に優れるため、第2ガス拡散層14,15と、触媒電極との間に第1ガス拡散層26,28を介在させることにより、燃料電池全体の耐久性を高めることができる。すなわち、本実施例では、電解質膜20を構成する電解質、および触媒電極が備える電解質として、パーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂を用いており、このようにスルホン酸基を導入した電解質は強酸性を示すが、上記構成とすることで、ガス拡散層の腐食を抑制することができる。
なお、カーボン材料は金属材料に比べて靱性が劣るため、カーボン多孔質部材から成る第1ガス拡散層26,28は、押圧力が加えられる燃料電池内での強度を確保するためには、第2ガス拡散層14,15に比べて空隙率を低くすることが望ましい。そのため、このように空隙率がより低い第1ガス拡散層26,28を用いる場合には、触媒電極にガスが供給される際の圧損を抑えるために、電解質膜20の損傷防止および耐食性確保が可能となる範囲で、第1ガス拡散層26、28を、充分に薄くすることが望ましい。
さらに、本実施例の燃料電池によれば、シール部16をMEA12と一体で射出成形しているため、シール部16を構成する樹脂が第1ガス拡散層26,28を構成する多孔質部材に含浸されることによるアンカー効果によって、MEA12とシール部16との結合力が高められる。これにより、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
なお、MEA12におけるシール部16によって覆われる領域においては、集電領域との境界からある程度の範囲まではガスが供給されるが、上記範囲を超える領域は、ほとんど電気化学反応に寄与しない。そのため、シール部16によって覆われるMEAの面積をより小さくすれば、MEA12の外周部においてガスが供給されない領域がより小さくなり、触媒電極を、より無駄なく電気化学反応に用いることが可能となる。したがって、シール部16によって覆われるMEA12の面積は、触媒電極の利用効率と、MEA12とシール部16との間の望ましい強度に応じて適宜設定すればよい。
ここで、第1ガス拡散層26,28では、上記シール部16に覆われる領域の表面近傍において、樹脂が含浸されることによって細孔がある程度塞がれることになる。しかしながら、第1ガス拡散層26,28は、集電領域に嵌め込まれた第2ガス拡散層14,15よりも大きく形成されているため、第2ガス拡散層14,15内を流れるガスの利用効率が低下することはない。
B.第2実施例:
図7は、第2実施例の燃料電池の概略構成を表わす断面図である。第2実施例の燃料電池は、第1実施例の燃料電池と類似する構成を有し、MEAとシール部との接続部近傍の構成のみが異なっているため、共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明は省略する。なお、図7では、燃料電池を構成する1つの単セルについて、図2と同様の一部の領域のみを拡大して示している。
第2実施例の燃料電池は、第1実施例と同様のセパレータ30およびMEA12を備えている。また、MEA12とセパレータ30との間に、単セル内燃料ガス流路を形成する第2ガス拡散層114を備えると共に、MEA12とセパレータ30との間に、単セル内酸化ガス流路を形成する第2ガス拡散層115を備えている。さらに、各単セルの外周部には、シール部16に代えてシール部116を備えている。このような第2実施例の燃料電池では、MEA12に加えて、さらに第2ガス拡散層114,115が、例えば射出成形によってシール部116と一体で形成されている。ここで、第2ガス拡散層114,115は、四角形状に形成されると共に第1ガス拡散層26,28よりも小さく形成されている。そして、第2ガス拡散層114,115の外周全体が、触媒電極層および第1ガス拡散層26,28の面上に重なって配置されるように、第2ガス拡散層114,115とMEA12とが例えばホットプレスにより一体化された後に、さらにシール部116と一体形成されている。このような第2実施例の燃料電池では、第1実施例と同様にして、各単セルに対して、酸化ガスおよび燃料ガスが供給される。
なお、MEA12および第2ガス拡散層114,115をシール部116と一体で形成したことにより、第2ガス拡散層114,115におけるシール部116に覆われる部分は、第2ガス拡散層114,115よりも厚みが増すことになる。図7では、この厚みの増加に対応して、第2ガス拡散層114とカソード側プレート31との間、および第2ガス拡散層115とアノード側プレート32との間に隙間が生じる様子を示している。しかしながら、実際の燃料電池では、燃料電池を構成するスタック構造全体に、積層方向に平行な押圧力を加えることで、第2ガス拡散層114とカソード側プレート31の間、および第2ガス拡散層115とアノード側プレート32との間を接触させることができる。これにより、集電性を確保し、第2ガス拡散層114,115と隣接部材との間の接触抵抗を低減することができる。
以上のように構成された第2実施例の燃料電池によれば、第2ガス拡散層から第1ガス拡散層を介して触媒電極にガスが供給される燃料電池において、第2ガス拡散層が、第1ガス拡散層よりも小さく形成され、かつ、第2ガス拡散層の外周全体が、第1ガス拡散層および触媒電極の面上に重なるように配置されている。したがって、第1実施例と同様に、単セル内に供給されたガスを無駄なく電気化学反応に供給することができると共に、ガスの利用率の低下を抑制し、発電効率を確保することができる。
ここで、本実施例では、第1ガス拡散層に加えて第2ガス拡散層も、その外周部がシール部116によって覆われているが、このようにシール部116によって覆われる領域においても、MEA12よりも第2ガス拡散層を小さく形成することにより、ガス利用率を確保することが可能になる。すなわち、単セル内に供給されたガスは、第2ガス拡散層内全体に広がって流れるため、第2ガス拡散層におけるシール部116に覆われる領域にもガスが拡散し、このような領域においてガスはさらに積層方向に拡散して、第1ガス拡散層を介して触媒電極に供給される。したがって、第1ガス拡散層に加えて第2ガス拡散層も、その外周部がシール部116に覆われる場合であっても、第1実施例と同様に、ガス利用率を確保することができる。
さらに、第2実施例の燃料電池によれば、MEA12に加えて、さらに第2ガス拡散層がシール部116と一体で形成されているため、MEA12とシール部116との間の結合力を高めると共に、MEA12全体で、シール部116との間の結合力を均一化することができる。
なお、シール部116と第1および第2ガス拡散層とが結合する場合であっても、シール部116を構成する樹脂が含浸されるのはガス拡散層の表面近傍であって、ガス拡散層内部にはガスが拡散するため、第2ガス拡散層をより小さく形成することによる既述した効果が損なわれることがない。特に、第1ガス拡散層の空隙率が第2ガス拡散層の空隙率に比べて低い場合には、第1ガス拡散層では、第2ガス拡散層に比べて、内部に含浸される樹脂量がより少なくなる。したがって、シール部116に覆われる領域であっても、第1ガス拡散層においてガスが流れ得る空間が確保され易くなり、第2ガス拡散層内に拡散したガスを効率良く触媒電極に導くことができる。
第2実施例において、第2ガス拡散層の厚みを、外周部のみ薄く形成しても良い。このような構成を、第2実施例の変形例として図8に示す。図8は、燃料電池を構成する1つの単セルについて、図7と同様の一部の領域のみを拡大して示す断面図である。第2実施例の変形例である燃料電池は、第2ガス拡散層114,115に代えて第2ガス拡散層214,215を備えており、MEA12と共に第2ガス拡散層214,215がシール部216と一体となるように、例えば射出成形により形成されている。ここで、第2ガス拡散層214、215は、その一方の面全体でMEA12に接しているが、他方の面の外周部に傾斜が設けられることによって外周部がより薄くなるように形成されている。したがって、第2ガス拡散層214,215とシール部216との接続部近傍には、ガスが流通する空間が形成される。
このような構成としても、第2実施例と同様の効果が得られる。さらに、この場合には、シール部216と結合する第2ガス拡散層の外周部をより薄く形成することにより、結合部における厚みの増大を抑えることができる。したがって、第2実施例に比べて、第2ガス拡散層とセパレータ30との間の接触抵抗を、より低減することができる。
C.第3実施例:
第1および第2実施例では、MEAを、各単セル内ガス流路におけるガスシール性を確保するためのシール部と一体形成しているが、異なる構成とすることもできる。以下に、MEAの両面間のガスシール性を確保するために、MEAの両面にガスケットを配設する構成を、第3実施例として説明する。図9は、第3実施例の燃料電池の概略構成を表わす断面図である。第3実施例において、第1実施例と共通する部分には、同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
第3実施例の燃料電池は、第1実施例の単セル10に代えて単セル310を備えている。単セル310においては、MEA12は、フレーム部317に保持されている。フレーム部317は、図3に示すシール部16と同様の平面形状を示すが、凹凸のない平坦な表面を有する薄板状部材である。このフレーム部317は、絶縁性材料によって形成されており、MEA12と結合されている。フレーム部317は、例えば、シール部16と同様の樹脂によって、射出成形によりMEA12と一体で形成すればよい。単セル310は、さらにガスケット318を備えている。ガスケット318は、フレーム部317とセパレータ30との間に配設されて、MEA12の両面間のガスシール性や、燃料ガス、酸化ガスおよび冷媒の流れるマニホールドにおけるシール性を確保する。このガスケット318は、押圧力を加えられたときに充分なシール性を実現可能な弾性を有するものであり、例えば、シール部16と同様の樹脂によって形成することができる。ガスケット318は、図3に示したシール線SLと同様の位置に設ければよい。第2ガス拡散層14,15は、MEA12における集電領域と略同一形状に形成されており、集電領域と重なり合うように配設されている。
このような構成としても、第1および2実施例と同様に、第2ガス拡散層14,15を第1ガス拡散層よりも小さく形成すると共に、第2ガス拡散層14,15の外周全体を、第1ガス拡散層26,28および触媒電極の面上に重なるように配置することによる効果が得られる。
なお、図9に示す第3実施例の燃料電池では、ガスケットを、第2ガス拡散層に極めて近い位置に配置して、単セル内ガス流路において、第2ガス拡散層外に空間が形成されないようにしている。第2ガス拡散層外に空間が形成されると、このような空間は第2ガス拡散層内よりも圧損が低いためより多くのガスが流れやすくなって、第2ガス拡散層内を通過しない、すなわちMEAでの電気化学反応に寄与しないガスが生じることになる。したがって、ガスケットを用いる場合にも、シール部を用いる第1および第2実施例と同様に、単セル内ガス流路全体が、実質的に第2ガス拡散層によって形成される構成とすることが望ましい。このように、局所的に圧損が低い領域の形成を抑えることで、単セル内ガス流路におけるガス流れの不均一化を防止し、ガス利用率をさらに向上させることができる。
また、第1ないし第3実施例において、第2ガス拡散層の積層面の面積をMEA12よりも小さく形成する際には、燃料電池の発電中に第2ガス拡散層を構成する金属多孔質部材が熱膨張した場合であっても、第2ガス拡散層がより小さい状態を維持可能となるように、第2ガス拡散層の大きさを予め設定しておくことが望ましい。
D.変形例:
この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
第1ないし第3実施例では、第2ガス拡散層はMEAよりも小さく形成されると共に、第2ガス拡散層の外周全体が、第1ガス拡散層および触媒電極の面上に重なるように配置されることとした。このような、実施例における第2ガス拡散層とMEAとの平面的な位置関係を、図10(A)に模式的に表わす。これに対して、第2ガス拡散層によって形成される単セル内ガス流路内をガスが一方向に流れる場合には、第2ガス拡散層において、必ずしも全ての辺がMEA上に配置される必要はなく、少なくとも上記一方向に平行な辺が、第1ガス拡散層および触媒電極の面上にあればよい。第2ガス拡散層において、ガスの流れ方向に平行な2辺だけが、第1ガス拡散層及び触媒電極上に配置される様子を、図10(B)に模式的に示す。例えば第1ないし第3実施例における単セル内酸化ガス流路のように、第2ガス拡散層の端部から、この端部に対向する端部へと一方向にガスが流れる場合に適用可能であって、実施例と同様に、ガスの利用効率を確保する効果が得られる。これは、第2ガス拡散層におけるガス流れに平行な辺の近傍では、直下にMEAが存在しなければ電気化学反応に寄与することなくガスが通過してしまうが、ガス流れに垂直な辺の近傍では、直下にMEAが存在しなくても、その後ガスは必ずMEA上を通過して、電気化学反応に寄与可能となるためである。
D2.変形例2:
第1ないし第3実施例では、第2ガス拡散層としてチタン製多孔質部材を用い、第1ガス拡散層としてカーボン製多孔質部材を用いているが、異なる材料から成る部材を組み合わせても良い。第2ガス拡散層として他種の金属から成る多孔質部材を用いる場合にも、用いる金属製多孔質部材よりも弾性圧縮率の小さい部材によって第1ガス拡散層を形成することで、電解質層の損傷を抑制可能となる。また、第2ガス拡散層として他種の金属から成る多孔質部材を用いる場合にも、用いる金属製多孔質部材よりも強酸性雰囲気中における耐食性に優れた材料から成る部材で第1ガス拡散層を形成することで、燃料電池全体の耐久性を向上させることができる。
D3.変形例3:
第2ガス拡散層の大きさ及び配置に関する本願構成を、アノード側とカソード側のうちの一方にのみ適用することとしても良い。例えば、カソード側において、第1ないし第3実施例のいずれかと同様の第1および第2ガス拡散層を設け、アノード側のガス拡散層は、単一のカーボン製多孔質部材によって形成することとしても良い。少なくとも一方の側に金属製多孔質部材から成る第2ガス拡散層を設ける場合に本発明を適用して、第2ガス拡散層を、触媒電極側の第1ガス拡散層よりも面内内側に配置することで、既述した効果が得られる。
D4.変形例4:
第1ないし第3実施例では、セパレータ30として、表面が平坦な板状部材を用いたが、セパレータがその表面に凹凸を有し、第2ガス拡散層とセパレータとの間にガスが流れる空間が形成される構成としても良い。この場合であっても、触媒電極あるいは第1ガス拡散層を含むMEAにおいて、シール部のようなガス不透過な部材によって覆われていない集電領域全体が、第2ガス拡散層によって覆われていればよい。すなわち、電気化学反応に供されるガスが第2ガス拡散層を経由する燃料電池であれば、本発明を適用することで、ガス利用率の低下を防止することができる。
第1実施例の燃料電池の概略構成を表わす断面図である。 図1において破線で囲んだX領域を拡大して示す説明図である。 シール部16の概略構成を表わす平面図である。 カソード側プレート31の形状を示す説明図である。 アノード側プレート32の形状を示す平面図である。 中間プレート33の形状を示す説明図である。 第2実施例の燃料電池の概略構成を表わす断面図である。 第2実施例の変形例の燃料電池の概略構成を表わす断面図である。 第3実施例の燃料電池の概略構成を表わす断面図である。 第2ガス拡散層とMEAとの平面的な位置関係を模式的に表わす説明図である。
符号の説明
10,310…単セル
12…MEA
14,15…第2ガス拡散層
16,116,216…シール部
20…電解質膜
22…カソード
24…アノード
26,28…第1ガス拡散層
30…セパレータ
31…カソード側プレート
32…アノード側プレート
33…中間プレート
40〜45…穴部
50〜53…連通孔
54〜57…連通部
58…冷媒孔
114,115…第2ガス拡散層
214,215…第2ガス拡散層
317…フレーム部
318…ガスケット

Claims (6)

  1. 固体高分子型燃料電池であって、
    固体高分子からなる電解質膜と、
    前記電解質膜の両面に形成された触媒電極層と、
    前記触媒電極層の外側に積層され、導電性多孔質部材によって形成される第1のガス拡散層と、
    導電性多孔質部材によって形成されると共に、前記第1のガス拡散層のさらに外側に積層され、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層よりも積層面の面積が小さい第2のガス拡散層であって、前記第1のガス拡散層側の面全体で前記第1のガス拡散層と接触し、前記第2のガス拡散層の外周全体が、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層の面上に重なるように配置される第2のガス拡散層と、
    前記第2のガス拡散層に対して、前記触媒電極層で進行する電気化学反応に供するためのガスを供給するガス供給部と
    前記電解質膜、前記触媒電極層、および前記第1のガス拡散層の外周に配設され、前記電解質膜、前記触媒電極層、および前記第1のガス拡散層を保持する保持部と、
    前記保持部と一体または別体で形成されたガスシール部であって、前記第1のガス拡散層との接触面に垂直な前記第2のガス拡散層の側面の外側に空間が形成されないように、前記側面と接触するか、または極めて近い位置に配置されたガスシール部と、
    を備え
    前記第2のガス拡散層は、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層における前記保持部に覆われていない集電領域全体を覆うように配設されている
    燃料電池。
  2. 固体高分子型燃料電池であって、
    固体高分子からなる電解質膜と、
    前記電解質膜の両面に形成された触媒電極層と、
    前記触媒電極層の外側に積層され、導電性多孔質部材によって形成される第1のガス拡散層と、
    導電性多孔質部材によって形成されると共に、前記第1のガス拡散層のさらに外側に積層され、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層よりも積層面の面積が小さい第2のガス拡散層であって、前記第1のガス拡散層側の面全体で前記第1のガス拡散層と接触し、前記第2のガス拡散層の外周全体が、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層の面上に重なるように配置される第2のガス拡散層と、
    前記第2のガス拡散層に対して、前記触媒電極層で進行する電気化学反応に供するためのガスを供給するガス供給部と
    前記電解質膜、前記触媒電極層、前記第1のガス拡散層、および前記第2のガス拡散層の外周に配設され、前記電解質膜の両面間のガスシール性を確保するための樹脂製のシール部であって、前記電解質膜と前記触媒電極層と前記第1および第2のガス拡散層とから成る積層体と一体で射出成形されたシール部と、
    を備える燃料電池。
  3. 固体高分子型燃料電池であって、
    固体高分子からなる電解質膜と、
    前記電解質膜の両面に形成された触媒電極層と、
    前記触媒電極層の外側に積層され、導電性多孔質部材によって形成される第1のガス拡散層と、
    導電性多孔質部材によって形成されると共に、前記第1のガス拡散層のさらに外側に積層され、前記第1のガス拡散層側の面における前記第1のガス拡散層と重なる領域全体で前記第1のガス拡散層と接触する第2のガス拡散層と、
    前記第2のガス拡散層に対して、前記触媒電極層で進行する電気化学反応に供するためのガスを供給するガス供給部と
    前記電解質膜、前記触媒電極層、および前記第1のガス拡散層の外周に配設され、前記電解質膜、前記触媒電極層、および前記第1のガス拡散層を保持する保持部と、
    前記保持部と一体または別体で形成されたガスシール部であって、前記第1のガス拡散層との接触面に垂直な前記第2のガス拡散層の側面の外側に空間が形成されないように、前記側面と接触するか、または極めて近い位置に配置されたガスシール部と、
    を備え、
    前記第2のガス拡散層の内部の空間は、前記ガスが、前記第2のガス拡散層の面方向に平行な一方向に流れるガス流路を形成し、
    前記第1および第2のガス拡散層の積層面は、前記一方向に略平行な2辺を有する形状に形成されており、
    前記第2のガス拡散層は、少なくとも前記一方向に略平行な2辺が、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層の外周よりも内側に配置されるように積層されると共に、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層における前記保持部に覆われていない集電領域全体を覆うように配設されている
    燃料電池。
  4. 固体高分子型燃料電池であって、
    固体高分子からなる電解質膜と、
    前記電解質膜の両面に形成された触媒電極層と、
    前記触媒電極層の外側に積層され、導電性多孔質部材によって形成される第1のガス拡散層と、
    導電性多孔質部材によって形成されると共に、前記第1のガス拡散層のさらに外側に積層され、前記第1のガス拡散層側の面における前記第1のガス拡散層と重なる領域全体で前記第1のガス拡散層と接触する第2のガス拡散層と、
    前記第2のガス拡散層に対して、前記触媒電極層で進行する電気化学反応に供するためのガスを供給するガス供給部と
    前記電解質膜、前記触媒電極層、前記第1のガス拡散層、および前記第2のガス拡散層の外周に配設され、前記電解質膜の両面間のガスシール性を確保するための樹脂製のシール部であって、前記電解質膜と前記触媒電極層と前記第1および第2のガス拡散層とから成る積層体と一体で射出成形されたシール部と、
    を備え、
    前記第2のガス拡散層の内部の空間は、前記ガスが、前記第2のガス拡散層の面方向に平行な一方向に流れるガス流路を形成し、
    前記第1および第2のガス拡散層の積層面は、前記一方向に略平行な2辺を有する形状に形成されており、
    前記第2のガス拡散層は、少なくとも前記一方向に略平行な2辺が、前記触媒電極層および前記第1のガス拡散層の外周よりも内側に配置されるように積層されている
    燃料電池。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の燃料電池であって、
    前記第2のガス拡散層は、金属製多孔質部材によって形成され、
    前記第1のガス拡散層を構成する部材は、前記第2のガス拡散層を構成する部材よりも、圧縮弾性率が小さい部材および/または強酸性雰囲気中における耐食性が優れた部材である
    燃料電池。
  6. 請求項記載の燃料電池であって、
    前記第1のガス拡散層は、カーボン製多孔質部材から成る
    燃料電池。
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