以下、本発明に係る車両用表示装置の実施の形態について、図面に基づき説明する。図1〜図3は、それぞれ、本発明に係る車両用表示装置の実施の形態を示す正面図、図4は、内部構造を示す透視図、図5は、図4における底面図、図6は、図4における左側面図、図7は、図6における部分拡大図、図8は、車両用表示装置の電気的構成を示すブロック図、図9は、移動機構のモータの構成例を説明する略図、図10は、図8のブロック図におけるLCDドライバの構成を示すブロック図、図11〜図14は、それぞれ、処理動作を示すフローチャート、図15は、フラッシュ表示時のLCDの画面表示の例を示す図である。
図1において、車両用表示装置1は、その正面の中央に、フルグラフィックメータ50が配置されている。また、このフルグラフィックメータ50の左右には、それぞれ、ウォーニング表示部91,92が配置されている。
フルグラフィックメータ50は、画像表示器としてのLCD(液晶ディスプレイ)51と、LCD51の表示画面の一部を覆う見返し板52と、LCD51および見返し板52の前面に配置された表示仕切り機構53とを含む。LCD51は、ほぼ長方形の表示画面を有するが、表示画面の一部がほぼ長円状の開口部を有する見返し板52で覆われることにより、ほぼ長円状の画面形状になっている。LCD51の表示画面には、車両の走行状態を示す種々の情報を表示することができる。
ほぼ長円状の表示画面のほぼ中央には、表示仕切り機構53が配置されている。表示仕切り機構53は、中央に円形の開口部を有する不透明な合成樹脂製の略リング状表示仕切り部材54と、開口部に嵌合された拡大レンズ55とを含む。拡大レンズ55は、凸型、凹型等のいずれの形状のものでも良いが、ここでは凸型レンズを用いている。リング状表示仕切り部材54には、所定の間隔(たとえば、等間隔)に複数(たとえば、12個)の発光部81a〜81lが設けられている。
見返し板52で隠されている領域を除くLCD51の表示画面における全表示領域の一部である第1の表示領域としての、リング状表示仕切り部材54の開口部で囲まれたLCD51の表示領域には、車両の走行状態の計測量を示すほぼ円形の文字板に相当する表示意匠56が表示される。この表示意匠56は、第1の車両関連情報としてのエンジン回転数を指示するためのタコメータであり、その外周付近にタコメータ用目盛が表示される。また、エンジンをかけた時の実際のエンジン回転数計測量に対応して回転してタコメータ用目盛を指示する指針57も表示される。表示意匠56と指針57の表示は、アナログ指示計器を構成する。
表示意匠56の外周付近に表示されるタコメータ用目盛は、0〜8の数字目盛と、各数字目盛の間に設けられた線目盛とを含んでいる。数字目盛は、それぞれ、×1000rpmの回転数を表し、たとえば、数字目盛「1」は1000rpm、数字目盛「8」は8000rpmを表している。また、数字目盛「7」と数字目盛「8」の間の背景色は、数字目盛「0」から数字目盛「7」までの背景色と異なっており、エンジン回転数のレッドゾーンを示す赤色で表示されている。
リング状表示仕切り部材54に所定の間隔(たとえば、等間隔)で設けられた発光部81a〜81lは、表示意匠56の0〜10の数字目盛における各数字の位置に合わせられており、各数字に対応する目盛として役立っている。数字目盛「0」〜「6」に対応する位置にある発光部81c〜81iは、白色で発光し、レッドゾーンを示す数字目盛「7」および「8」に対応する位置にある発光部81jおよび81kは、赤色で発光し、数字目盛のない位置にある発光部81a,81b,81lは、消灯している。すなわち、発光部81jおよび81kは、他の発光部と異なる色で発光するように、その発光形態が他の発光部の発光形態と異なっている。
表示意匠56の中央付近には、タコメータ以外の他の情報表示を行う副表示領域58が設けられている。副表示領域58には、たとえば、車両の走行速度をデジタル表示するスピードメータを表示するスピードメータ表示領域59と、ギアシフトを表示するギアシフト表示領域60と、車両の走行距離をデジタル表示するオド/トリップメータを表示するオド/トリップメータ表示領域61とが設けられている。
リング状表示仕切り部材54の左側の外周と見返し板52とで囲まれたLCD51の表示画面には、たとえば、エンジンオイルの油圧を指示する油圧計を表示する油圧計表示領域62と、エンジンオイルの油温を指示する油温計を表示する油温計表示領域63が設けられている。
また、リング状表示仕切り部材54の右側の外周と見返し板52とで囲まれたLCD51の表示画面には、たとえば、ガソリン等の燃料残量を指示する燃料計を表示する燃料計表示領域64と、冷却水の温度を指示する水温計を表示する水温計表示領域65とが設けられている。
さらに車両用表示装置1は、表示仕切り機構53をLCD51のほぼ長円形状の表示画面の長軸方向に移動することができるように構成されている。
図2は、表示仕切り機構53をLCD51のほぼ長円状の画面のほぼ中央から右端に移動させた状態を示している。表示仕切り機構53の移動に同期して、表示意匠56の表示も画面中央から右端に移動し、移動停止時に、移動前と同様にリング状表示仕切り部材54で囲まれて表示される。
上述の表示仕切り機構53および表示意匠56表示の移動開始と同時に、LCD51の表示画面の左側に表示されていた油圧計表示領域62および油温計表示領域63と、右側に表示されていた燃料計表示領域64および水温計表示領域65の各表示は消去される。そして、表示仕切り機構53および表示意匠56表示の移動後、画面の中央から左端にかけて少し広くなった画面スペースには、上述の各表示領域に表示されていた車両関連情報以外の車両関連情報(請求項における第2の車両関連情報に相当する)が表示される。たとえば、図2においては、エンジンオイル残量(OIL LEVEL)、ブレーキ液残量(BRAKE FLUID)、冷却水残量(COOLANT)、排気温度(EXH−TEMP)、吸気温度(INT−TEMP)、ウォッシャ液残量(WASHER)等が表示される。
さらに車両用表示装置1は、表示意匠56の表示を回転させることができるように構成されている。この表示意匠56の表示の回転は、回転の様子が視認できる速度で行われる。
図3は、表示意匠56の表示を図1の状態から反時計回りに回転させた状態を示している。すなわち、図1の表示意匠56では、数字目盛「0」は左斜め下に位置しているが、図3では、数字目盛「0」は反時計回りに90度回転した位置になっている。なお、表示意匠56の副表示領域58は、回転せず、図1の表示状態を維持するように制御されている。このような表示意匠56の表示の回転時、数字目盛「7」と数字目盛「8」間で赤色で示されるレッドゾーンも同様に回転し、数字目盛「7」が真上になっている。
また、表示意匠56の表示を回転させても、リング状表示仕切り部材54は回転しないが、発光部81a〜81lの発光状態が、表示意匠56の表示の回転に同期して回転するように表示変更される。すなわち、レッドゾーンを示す数字目盛「7」および「8」に対応する位置にあるリング状表示仕切り部材54の発光部81gおよび81hが、図1における発光部81jおよび81kに代わって赤色で発光し、発光部81a〜81fおよび81lが白色で発光し、発光部81i〜81kが消灯する。
次に、表示仕切り機構53の移動を行わせる移動機構の構成について説明する。図4〜図6は、それぞれ、移動機構を説明するための車両用表示装置の正面透視図、底面透視図および左側面透視図である。移動機構67は、見返し板52の裏側であってかつLCD51の上部および底部でリング状表示仕切り部材54の裏面上下部分が結合された両端部を有し、LCD51の裏面側にかけて折り曲げられて延在する枠体68と、LCD51が取り付けられた基板83の裏面に配置された駆動源であるモータ69と、モータ69の駆動力を枠体68に伝える伝達装置70とを含む。また、移動機構67は、LCD51の上部において枠体68の一部を支持する第1支持部71と、車両用表示装置1のハウジングにほぼ長円状表示画面の長軸方向に平行になるように取り付けられ、第1支持部71がスライド可能に遊嵌されたシャフト72と、基板83の裏面側にほぼ長円状表示画面の長軸方向に平行に配置されたレール部材73と、枠体68に固定され、レール部材73をガイドするガイド溝が形成された第2支持部74も含む。
伝達装置70は、モータ69の回転軸に固定された歯車70aと、歯車70aにかみ合う歯車70bと、歯車70bの回転がベルト70cで伝えられるピニオン歯車70dと、枠体68に固定され、ピニオン歯車70dの回転運動を長軸方向と平行な直線運動に変換するラック70eとを含む。
図7は、図6におけるリング状表示仕切り部材54の部分拡大図であり、特に、発光部81aの構成を説明するための図である。発光部81aは、リング状表示仕切り部材54の内側凹部54aに配置されたリング状配線基板82に実装された2色LED(発光ダイオード)81a1と、リング状表示仕切り部材54に形成された窓54bに取り付けられた透明部材81a2とからなる。なお、図示していない他の発光部81b〜81lも、発光部81aと同一の構成となっている。
次に、図8は、車両用表示装置1のフルグラフィックメータ50における表示を制御するために基板に実装される制御部の電気的構成の主要部を示すブロック図である。すなわち、制御部80は、制御手段としてのメインCPU80aと、バッテリ(図示しない)に接続され、メインCPU80aに適正な電源電圧を供給する電源回路80bと、車速センサ(図示しない)からの走行速度検出信号(SPEED)が入力される入出力(I/O)回路80cと、回転センサ(図示しない)からのエンジン回転数検出信号(TACHO)が入力される入出力(I/O)回路80dと、燃料センサ(図示しない)からの燃料残量検出信号(FUEL)が入力される入出力(I/O)回路80eと、冷却水温センサ(図示しない)からの冷却水温検出信号(TEMP)が入力される入出力(I/O)回路80fと、その他のセンサからの検出信号が入力される入出力(I/O)回路80gと、オド/トリップメータ切換スイッチ80hと、表示仕切り機構53の移動指示スイッチ80iと、表示意匠56の表示を変更させるための表示変更指示スイッチ80jと、メインCPU80aで各種検出信号を演算処理して出力される各種情報の表示信号が入力され、TFT型のLCD51を駆動するLCDドライバ80kと、EEPROM80nと、モータ69を駆動するモータドライバ80pと、リング状表示仕切り部材54に内蔵される複数の発光部81a〜81lにおける2色LEDを駆動するLEDドライバ80rとからなる。
モータ69は、ステッパモータである。ステッパモータは、図9に示すように、N極およびS極が交互に着磁された回転子69aに対して、励磁コイル69bに複数の励磁ステップの駆動パルスを供給することによりステップ駆動される。また、ステッパモータは、誘導電圧検出用コイル69cを備えている。この誘導電圧検出用コイル69cは、未励磁かつオープン状態にあってステップ駆動に使用されないものであり、回転子69aの回転に応じた大きさの誘導電圧を発生する。この誘導電圧が、しきい値より大きければ回転中であり、しきい値以下であれば回転停止であることを検出できる。そこで、この誘導電圧検出用コイル69cで発生する誘導電圧を、モータ69の停止検出信号として利用し、メインCPU80aに入力する。
また、EEPROM80nには、モータ69の駆動によりリング状表示仕切り部材54を移動開始位置から目標移動停止位置までに移動させるために必要な励磁ステップの基準ステップ数が予め記憶されている。
メインCPU80aは、リング状表示仕切り部材54を移動させる移動モードと、円形文字板56の表示を回転させる回転モードとを実行できるように制御する。
LCDドライバ80kは、図10に示すように、グラフィックコントロールCPU80k−1、グラフィックコントロールIC80k−2およびグラフィックデータメモリ80k−3を含む。グラフィックコントロールCPU4は、メインCPU80aから供給された各種情報の表示信号を取り込み、描画処理して画像表示信号を出力する。グラフィックコントロールCPU4は、画像表示信号をグラフィックデータメモリ6に格納すると共に、グラフィックコントロールIC5へ出力する。
グラフィックコントロールIC5は、供給された画像表示信号により、LCD51を駆動する。グラフィックコントロールIC5は、供給された画像表示信号が複数のレイヤ構造の合成画面としてLCD51の表示画面に表示されるように駆動する。たとえば、グラフィックコントロールIC5は、画像表示信号を6枚の画面のウインドウ形式で表示し、画面の透過/不透過を制御することにより、任意に重ね合わせることができる。画像表示信号は、たとえば、表示画面の一番手前をレイヤ1とし、以下順番にレイヤ2以降が配置され、一番奥をレイヤ6として順番に重ね合わされる。LCD51の表示画面は、背景を表す画像表示信号がレイヤ6に表示され、表示意匠56がレイヤ1に表示され、指針57はレイヤ2に表示され、警告マーク71および警告文字72(後述する)はレイヤ3に表示され、副表示領域58に表示される各メータはレイヤ4〜5にそれぞれ表示される。
グラフィックデータメモリ80k−3には、レイヤ6に表示される背景の画像データとして、通常の背景色(たとえば、暗色系の色)の画像データと、複数の異常時の警告色(たとえば、赤色)の画像データとが予め記憶されている。複数の異常時の警告色の画像データは、通常の背景色の領域に対して警告色の領域が表示意匠56の中心から外周に向かって次第に増加すると共に次第に色が薄くなるような画像のデータである。
次に、上述の構成を有する制御部におけるメインCPU80aの移動モード時の処理動作を図10に示すフローチャートを参照して説明する。まず、車両用表示装置1の電源がオンされると、制御部80の各部の初期化が行われる(ステップS11)。
次に、リング状表示仕切り部材54の位置確認が行われる(ステップS12)。次に、LCD51に表示する各レイヤの画像の画素要素の設定が行われる(ステップS13)。次に、各レイヤの透過/不透過の設定が行われる(ステップS14)。次に、画素の合成が行われる(ステップS15)。次に、各種検出信号の入力取り込みが行われる(ステップS16)。次に、フルグラフィックメータ50の画面に初期画面が表示される(ステップS17)。この初期画面は、たとえば図1に示す画面が表示され、各種センサからの検出信号に基づき、エンジン回転数に応じて表示意匠56および指針57が表示されると共に、油圧計表示領域62、油温計表示領域63、燃料計表示領域64および水温計表示領域65にそれぞれの計測量に応じて指針が回転する表示が行われる。
このとき、表示意匠56および指針57は、リング状表示仕切り部材54で取り囲まれると共に、レンズ55で拡大されるので、LCD51の表示画面における一部の画像が拡大して表示され、あたかもこの拡大画像が他の画像部分より高くなって、独立した立体的表示面のように視認でき、斬新な表示を得ることができる。
次に、リング状表示仕切り部材54の移動が指示されたか否かが判定される(ステップS18)。この判定は、所定の表示移動指示信号としての移動指示スイッチ80iの操作(手動動作時)または緊急表示モード移行指示信号の検出(自動動作時)の有無に基づいて行われる。この緊急表示モード移行指示は、たとえば、冷却水温の異常上昇を示す緊急表示モード移行指示信号がI/0回路80gから入力された場合に行われる。
移動指示スイッチ80iの操作(手動動作時)または緊急表示モード移行指示信号の検出(自動動作時)がない場合(ステップS18の答がNoの場合)は、ステップS16に戻る。この場合には、ステップS16およびS17により、各種検出信号の入力取り込みと初期画面が表示が更新される。
一方、移動指示スイッチ80iの操作(手動動作時)または緊急表示モード移行指示信号の検出(自動動作時)がある場合(ステップS18の答がYesの場合)は、LCD51の画像区分を、予めEEPROM80nに記憶されている移動モードに設定する(ステップS19)。メインCPU80aは、この移動モードは、設計時に、一定速の移動モード、またはモータ69の特性に合わせた加速度特性を有する移動モードのどちらか一方に設定されるが、この最良の形態では、加速度特性を有する移動モードに設定されている。
このように、加速度特性を有する移動モードとした場合は、移動開始時から移動停止時まで画像の移動とリング状表示仕切り部材54の移動が完全に同期して行われるので、違和感のない表示となる効果がある。なお、一定速の移動モードとした場合は、画像の一定速移動とリング状表示仕切り部材54の加速度特性を伴う移動との不一致が移動開始時と移動停止時に発生し、メカニカルな部分(すなわち、リング状表示仕切り部材54)の存在が強調される表示となる効果がある。
次に、モータ69の駆動を開始する(ステップS20)。それにより、移動機構67において、モータ69の回転運動は、伝達装置70の歯車70a、歯車70bおよびベルト70cを介してピニオン歯車70dに伝達され、ピニオン歯車70dの回転運動がラック70eによって直線運動に変換され、枠体68が直線的に移動する。このとき、枠体68は、シャフト72に遊嵌された第1支持部71と、レール部材73をガイドするガイド溝を有する第2支持部74とで支持されているので、LCD51の長円形状の表示画面の長軸方向へ、すなわち図1における右方向へ移動する。この枠体68の移動に伴い、表示仕切り機構53のリング状表示仕切り部材54は、同様に、LCD51の表示画面の画面中央から右方向に移動する。
次に、ステップS17で設定された画像区分移動モードを開始する(ステップS21)。それにより、リング状表示仕切り部材54の移動と同期して、表示意匠56および指針57の表示は、画面中央から右方向に移動する。また、表示意匠56および指針57の表示の移動開始に先立って、油圧計表示領域62、油温計表示領域63、燃料計表示領域64および水温計表示領域65の各表示は消去される。
表示意匠56および指針57の表示の移動は、連続的に視認可能な速度で行われ、移動中、表示意匠56および指針57の表示が、常にリング状表示仕切り部材54の開口部の内周で取り囲まれた状態として視認されるようになっている。
次に、モータ69の駆動が正常状態にあるか否かが判定される(ステップS22)。この判定は、リング状表示仕切り部材54の位置検出とモータ69からの停止検出信号とに基づいて行われる。たとえば、移動中に移動機構67の誤動作等に起因して移動が中断された場合は、モータ69は、駆動中にもかかわらずその回転が停止されるので、停止検出信号のレベルはしきい値以下となり、メインCPU80aは、モータ69が停止したことを認識する。また、メインCPU80aは、移動開始から移動中断までの励磁ステップ数をカウントしており、このカウント値が基準ステップ数に達していないので、移動中であると認識している。その結果、メインCPU80aは、移動中にもかかわらずモータ69が停止していることから、モータ69の駆動が正常状態にないこと、すなわち異常状態であると判断する。
一方、停止検出信号のレベルがしきい値を超えており、励磁ステップ数のカウント値が基準ステップ数に達していなければ、メインCPU80aは、モータ69の駆動が正常状態にあると判断する。
そこで、モータ69の駆動が正常状態(ステップS22の答がYes)ならば、次に、リング状表示仕切り部材54が目標移動停止位置まで移動したか否かが判定される(ステップS23)。この判定は、励磁ステップ数のカウント値と基準ステップ数の比較により行われ、励磁ステップ数のカウント値が基準ステップ数に達したとき目標移動停止位置に達したと判定される。ステップS23の答がNoならば、ステップS20に戻り、Yesならば、ステップS24に進み、モータ69の駆動が停止される。モータ69の停止後、処理はステップS16に戻る。
リング状表示仕切り部材54の移動停止時には、表示意匠56および指針57の表示が、リング状表示仕切り部材54の開口部の内周で取り囲まれた状態のままとして視認される。また、リング状表示仕切り部材54の移動停止時、リング状表示仕切り部材54の移動により空いた、表示意匠56が表示されていた第1の表示領域と、油圧計表示領域62および油温計表示領域63が消去された領域とを含む表示領域には、これらの車両関連情報以外の車両関連情報、たとえば、図2に示すようにエンジンオイル残量(OIL LEVEL)、ブレーキ液残量(BRAKE FLUID)、冷却水残量(COOLANT)、排気温度(EXH−TEMP)、吸気温度(INT−TEMP)、ウォッシャ液残量(WASHER)等が表示される。そして、ステップS18で、冷却水温の異常上昇を示す緊急表示モード移行指示信号に基づく緊急表示モード移行指示が行われた場合は、冷却水温度のバー表示部分のみが他のバー表示分と異なる表示形態となって、運転者の注意を促す。たとえば、表示形態は、点滅表示や異なる色表示等とすることができる。
次に、リング状表示仕切り部材54の移動停止後、再び移動指示スイッチ80iが操作されると(ステップS18のYes)、ステップS19〜S23の処理によるモータ69の逆回転および各表示領域の表示の復帰により、図1に示す移動前の状態に復帰する。
一方、ステップ22において、モータ69の駆動が正常状態になければ(ステップS22の答がNo)ならば、次いで、モータ69の駆動が停止される(ステップS25)。次に、LCD51の画面における表示意匠56および指針57の表示の移動が停止される(ステップS26)。次に、リング状表示仕切り部材54の停止位置の特定が行われる(ステップS27)。この停止位置の特定は、励磁ステップのカウント値に基づいて算出される。
次に、LCD51の画面における表示意匠56および指針57の表示位置を、上述の特定された停止位置に移動させる(ステップS28)。次に、モータ69の駆動が異常状態にあることをLCD51の画面上に表示する(ステップS29)。
以上の処理により、もし移動中に移動機構67の誤動作等により移動が中断されるようなトラブル時においても、リング状表示仕切り部材54の位置と、表示意匠56および指針57の表示の位置はずれることなく、相変わらず、メインとなるエンジン回転数を示す表示意匠56の画像をリング状表示仕切り部材54で取り囲み、他の領域の画像と区別して視認させることができる。
このようにして、本発明の車両用表示装置によれば、安いコストでメリハリのある表示を得ることができかつ立体感を与えることができると共に、従来にない新規性に富み斬新さのある表示が可能となる。また、移動機構67は、見返し板52とLCD51の裏面に隠されているので、移動中にも視認されることはなく、メータとしての美観を損なうことはない。
次に、メインCPU80aの回転モード時の処理動作を図12および図13に示すフローチャートを参照して説明する。図12において、まず、車両用表示装置1の電源がオンされると、制御部80の各部の初期化が行われる(ステップS31)。
次に、リング状表示仕切り部材54の位置確認が行われる(ステップS32)。次に、LCD51に表示する各レイヤの画像の画素要素の設定が行われる(ステップS33)。次に、各レイヤの透過/不透過の設定が行われる(ステップS34)。次に、画素の合成が行われる(ステップS35)。次に、発光部81a〜81lの点灯位置設定が行われる(ステップS36)。次に、各種検出信号の入力取り込みが行われる(ステップS37)。
次に、発光部81a〜81lの点灯の駆動が、ステップS34の設定にしたがって行われる(ステップS38)。ここでは、発光部81c〜81iの2色LEDが白色で点灯し、発光部81jおよび81kが赤色で点灯し、発光部81a,81b,81lの2色LEDが消灯するように駆動される。
次に、フルグラフィックメータ50の画面に、ステップS33の設定に基づいて初期画面が表示される(ステップS39)。この初期画面は、たとえば図1に示す画面が表示され、各種センサからの検出信号に基づき、エンジン回転数に応じて円形文字板56および指針57が表示されると共に、油圧計表示領域62、油温計表示領域63、燃料計表示領域64および水温計表示領域65にそれぞれの計測量に応じて指針が回転する表示が行われる。
上述のステップS38およびS39の処理によって、初期画面は図1に示すような画面となり、表示意匠56は、数字目盛「0」が左斜め下に位置し、発光部は、81jおよび81kが赤色点灯するように表示位置が変更されてレッドゾーンを示す。
次に、発光部81a〜81lの表示位置の変更が指示されたか否かが判定される(ステップS40)。この判定は、表示変更指示スイッチ80jの操作(手動動作時)または表示位置変更のメインCPU80a内部要求(自動動作時)による所定の表示変更指示信号の有無に基づいて行われる。
表示変更指示スイッチ80jの操作(手動動作時)または表示位置変更のメインCPU80a内部要求(自動動作時)がない場合(ステップS40の答がNoの場合)は、ステップS37に戻る。この場合には、ステップS37〜S39により、各種検出信号の入力取り込みと初期画面の表示が更新される。
一方、表示変更指示スイッチ80jの操作(手動動作時)または表示位置変更のメインCPU80a内部要求(自動動作時)がある場合(ステップS40の答がYesの場合)は、発光部81a〜81lの表示を、予めEEPROM80nに記憶されている表示位置モードに設定する(ステップS41)。
この表示位置モードは、たとえば、図13のフローチャートに示す1ステップ作動モードに設定されている。すなわち、まず、図12のフローチャートにおけるステップS38にしたがって、発光部81c〜81iを白色点灯、発光部81jおよび81kを赤色点灯、発光部81a,81b,81lを消灯となるように駆動する(ステップS51)。次に、発光部81kを消灯し(ステップS52)、次に、発光部81iを白色点灯から赤色点灯に切り換え(ステップS53)、次に、発光部81hを消灯させた後すぐに白色点灯させ、以下同様に、発光部81g、81f、81e、81d、81cの順に、消灯させた後すぐに白色点灯させ(ステップS54)、次に、発光部81bを消灯から点灯となるように駆動する(ステップS55)。
このように、1ステップ作動モードでは、当初の各発光部の点灯状態が、順次反時計回りに1ステップずつ変更されていくように駆動される。特に、異なる発光形態(赤色発光)の発光部が、発光部81jから他の発光部81i、81hおよび81gへ、また発光部81kから他の発光部81j、81iおよび81hへ、それぞれ順次移行するように駆動される。このような点灯状態の変更は、視認可能な速度で行われるため、リング状表示仕切り部材54は、実際には回転していないにもかかわらず、あたかも反時計回りに回転しているかのように視認される。
次に、発光部81a〜81lの表示位置変更に同期すべく、対象となる画像回転の区分設定が行われる(ステップS42)。次に、表示意匠56の画像を、予めEEPROM80nに記憶されている画像回転モードに設定する(ステップS43)。この画像回転モードは、発光部81a〜81lの表示位置変更の速度に同期する同期画像回転モード、または発光部81a〜81lの表示変更の速度に対して遅延等の時間ズレを持つ時間ズレ画像回転モードのどちらかに設定されるが、この最良の形態では、同期画像回転モードに設定されている。
次に、ステップS41で設定された表示位置モード、すなわち1ステップ作動モードにしたがって、発光部81a〜81lの表示位置変更を開始する(ステップS44)。それにより、発光部81a〜81lの各々の表示位置が、当初の点灯状態から反時計回りに1ステップずつ変更されていき、リング状表示仕切り部材54は、実際には回転していないにもかかわらず、あたかも反時計回りに回転しているかのように視認される。
次に、ステップS43で設定された画像回転モードが開始される(ステップS45)。それにより、表示意匠56の数字目盛「0」〜「8」が、当初の表示位置から反時計回りに回転を開始する。この表示意匠円形文字板56の回転は、発光部81a〜81lの表示変更と同期して行われる。すなわち、表示意匠円形文字板56の各数字目盛は、発光部81a〜81lの各々の1ステップずつの回転移動に合わせて、反時計回りに回転移動移動していく。
次に、発光部81a〜81lの表示位置変更が終了したか否かが判定される(ステップS46)。この判定では、各発光部81a〜81lが予め決められたステップ数、たとえば3ステップだけ、反時計回りに表示位置変更が行われた時に回転した時に表示位置変更終了となるように設定されている。
表示位置変更が終了すれば(ステップS46の答がYes)ならば、発光部81a〜81fおよび81lは白色点灯、発光部81gおよび81hは赤色点灯、発光部81i,81j,81kは消灯となるように駆動される。そして、表示位置変更の終了により、画像回転モードが停止され(ステップS47)、表示意匠56の画像は、各数字目盛が予め決められた角度、たとえば90度だけ反時計回りに回転した状態で回転停止する。
その結果、表示位置変更の終了時点では、LCD51の画面は、図3に示す画面となり、表示意匠56は、数字目盛「0」が左斜め下から90度だけ反時計回りに回転した位置になるとともに、発光部は、81gおよび81hが赤色点灯するように表示位置が変更されてレッドゾーンを示す。
ステップ47の処理後は、ステップS37に戻り、以降ステップS40で発光部表示位置変更の指示があれば、ステップS41〜S47の処理が繰り返され、LCD51の画面は、図1に示す画面に戻る。
このようにして、回転モードでは、発光部81a〜81lの発光形態を変更(白色発光と赤色発光の切り換え)したり、点滅させたりすることによって、あたかもリング状表示仕切り部材54が回転しているかのように見せることができ、立体感のある斬新なメリハリのある表示を行うことができる。
また、回転モード時には、タコメータの回転数のレッドゾーンをメータの上部に位置させることができ、レッドゾーンが見易くなるので、たとえばサーキット走行時に回転モードとすることによって、マニュアル操作のギヤシフトレバーの切り換え時期を判断し易くなる。すなわち、サーキットにおいて車両を走行させ、ギヤシフトしながらスピードを上げる際、スピードメータ表示領域59にデジタル表示されるスピードを監視することなく、タコメータのみを監視して、タコメータの指針が目盛「7」と「8」間のレッドゾーンまで回転する直前にギヤシフトを行うことによって、スムーズに車両をスピードアップさせることができる。
また、上述のサーキット走行時の回転モードをサーキットモードと言い換えれば、サーキットモードにおいては、回転モード作動後に移動モードも作動させて、リング状表示仕切り部材54を一時的に移動させ、移動により空いたLED51の左側画面に、走行するサーキットのロードマップを表示させたり、サーキット走行に必要なタイヤ空気圧の確認画面を表示させたりすることもできる。
次に、警告処理について説明する。車両用表示装置1には、ウォーニング表示部91,92が配置されており、ここで通常の警告表示が行われるが、特に運転者に注意を促す警告表示を行う必要がある場合、LCD51の表示画面上でも警告表示が行われる。
図14は、メインCPU80aによりLCD51の表示画面上で行われる警告処理を示すフローチャートである。図14において、まず、警告意匠点灯条件が成立したか否かの判定が行われる(ステップS71)。この警告意匠点灯条件は、たとえば、タイヤ空気圧を検出するセンサからの検出信号がI/O回路80gから入力されると、検出されたタイヤ空気圧Pが規定タイヤ空気圧Prより小さくなったか否かを判定するものである。その答がイエスならば(タイヤ空気圧Pが規定タイヤ空気圧Prより小さくなった場合)、ステップS72に進み、ノーならば処理を終了する。
ステップS72で、LCD51の表示画面上で警告意匠を点灯させる。この警告意匠は、たとえば図15に示される三角形の警告マーク71であり、表示意匠56の画像と同一レイヤでソフト的に重ね合わせて表示される。すなわち、表示意匠の56のほぼ中心に、グラフィックデータメモリ80k−3に記憶されている三角形の警告マーク71が警告色(たとえば、赤色)で重ねて表示される。
次に、三角形の警告マーク71のぼかし表示がn回追加される(ステップS73)。このぼかし表示は、図15の画面状態から、元の警告マーク71の最外郭の輪郭に対して若干大きな形状となるように拡張方向に向かってn回可視速度で徐変するぼかし(にじみ)画像処理が施されるとともに、徐変のたびに元の警告マーク71の明度・彩度・色調のいずれかが拡張方向にむかって淡くなるぼかしがかけられることによって行われる。たとえば、図16に示すように、図16(A)の元の警告マーク71から、図16(B)〜図16(D)までぼかし画像処理がかけられた領域71a〜71cが追加されるように3回(n=3の場合)徐変するぼかし表示が行われる。
次に、ぼかし表示のn回追加のN回繰り返しを終了したか否かが判定される(ステップS74)。その答がNoならば、次いでぼかし表示を削除し、図16(E)に示すように元の警告マーク71のみが表示される状態に戻し(ステップS75)、次いでステップS75に戻る。
ぼかし表示のn回追加の繰り返しがN回終了したならば(ステップS74の答がYesならば)、次いでぼかし表示を削除し、図16(E)に示すように元の警告マーク71の身が表示される状態に戻し(ステップS76)、次いで処理を終了する。
上記のぼかし表示は、n回繰り返す(変化させる)次画面への切り替え時間のピッチの設定を、可視速度、すなわち人間の目で膨張(または爆発または拡張)しているように視認できる時間範囲で、表示意匠56を表示している領域全体に広がるように行われるので、運転者の視覚として遠近法の作用で、警告マークが自分に向かって飛び込んでくるような視認感が得られる。
このように、LCD51の合成画面において、三角形の警告マーク71に、次第にピンぼけに見えるように警告色の領域が増大しその後削除されるので、運転者は、タイヤ空気圧が異常になると、LCD51の画面上に警告表示が行われるので、運転者は注意を促される。たとえば、車両が100km/hで走行中にこの警告表示がLCD51の画面上に表示された場合、タイヤ空気圧の異常(低下)であるということが直ぐに分かり、運転者は、スピードダウンさせて安全な措置をとることができる。しかも、表示意匠56の中心からの外周に向けて警告色の領域が増加し、さらに警告色の色が薄くなるので、運転者の視覚に眩惑を与えないで視認性を高める警告表示をおこなうことができる。
以上説明したように、本発明によれば、LCD51の画面を利用した警告表示により運転者に注意を促すことができ、斬新でインパクトのある表示を行う車両用表示装置が得られる。
以上の通り、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
たとえば、上述の実施の形態では、警告表示時に、三角形の警告マーク71とぼかし表示により行っているが、他の実施例として図17に示すように、警告マーク71に加えて「CAUTION」や「TIRE PRESSURE LOW」等の警告文字72を警告色(たとえば、赤色)で表示させても良い。また、ぼかし表示は行わず、表示意匠56の円形文字板の中心から外周まで、背景色の領域に対して警告色(たとえば、赤色)の領域73が半径幅が所定の最大半径幅まで次第に大きくなるとともに次第に色が薄くなっていき、続いて最大半径幅から次第に小さくなると共に次第に色が濃くなっていくように重ねて表示されるように表示させても良い。
たとえば、上述の実施の形態では、画像表示器としてLCDを用いているが、これに限らず、有機ELやプラズマディスプレイ等の他の表示素子を用いることができる。