JP4936728B2 - 土木用袋体 - Google Patents
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Description
より詳しくは、河川や港湾等において洗堀や侵食を防止するために用いられる根固め用、更には落石、雪崩、土砂崩れ等を防止するための衝撃吸収防護壁用に使われる土嚢袋に関するものである。
この袋体は、開口部や底部をロープや紐等により絞り込むことにより、巾着状にするタイプが多い。
そのため製造時において、筒状の布袋の開口部や底部を折り返して縫着し、ロープや紐を挿通するための通路を形成しておく。
そして、製造時や施工現場では、この通路にロープや紐を挿通した後、それを引張って開口部や底部を絞り込む手順を取る(例えば、特許文献1参照)。
また、布袋が明確な網目を有する場合は、製造時において、口絞り糸を布袋の開口部の網目に交互にうねらせて挿通することにより開口部に取り付けておき、施工現場で同様な手順により開口部を絞り込む。
この縫製による通路の形成方法では、工数が増えて手間がかかる上、通路の幅が個々に不均一になり易いという欠点がある。
また、布袋が明確な網目を有する場合は、絞り糸を布袋の開口部や底部の網目に交互にうねらせて挿入する作業が必要であり、特に網目に絞り糸を迅速且つ均一に挿入していくためには作業に熟練を要する。
すなわち、本発明は、製造時において、布袋の開口部や底部に絞り糸を設けるのに極力手間がかからない土木用袋体を提供することを目的とする。
よって全体的に製造工数が少なくなり土木用袋体自体の品質も向上する。
図1は、中詰め材Wが投入される前の土木用袋体を示しており、また図2は中詰め材Wが投入された後の土木用袋体を示している。
更に図3は、土木用袋体の組織を説明するための長さ方向の断面図である。
この実施形態の土木用袋体は、織機を使って製織される巾着状で矩形の布袋Aよりなり、該布袋Aは開口部1と胴体部2と底部3とを有する。
そして土木用袋体は、胴体部2に中詰め材Wが所定の量だけ投入された状態(すなわち充填された状態)では立体形状を呈するものである。
開口部1及び胴体部2は前面部と後面部とよりなり、これらの部分を広げると中詰め材Wの投入空間Sが形成される。
に存する。
ここで、これらの各組織部1A,1Bは織機によって製織され、その製織時に例えば平織組織として織り込まれていくものであり、いわゆる織組織を構成する。
底部3における一体組織部3ABの織密度は、開口部1及び胴体部2における前面組織部1A及び後面組織部1Bの織密度の2倍となる。
更にいうと、製織時における縦糸や緯糸の(緯糸の調製はどの部分でも可能である)糸密度は、一体組織部3ABでは前面組織部1Aや後面組織部1Bの2倍の糸密度を有するものである。
なお、各組織の密度は緯入れする緯糸の本数により調整することができる。
ところで本発明の土木用袋体は、開口部1に口絞り糸R1が設けられ且つ底部3に底絞り糸R2が設けられており、これらは絞り込みのため機能する。
この場合、開口部1を織機で製織する際、前面組織部1Aが挿入空間部S1を作るための二枚の前薄組織部1A1,1A1に分離組織化され、同様に後面組織部1Bも挿入空間部S1を作るための二枚の後薄組織部1B1,1B1に分離組織化される。
前面組織部1Aは前薄組織部1A1の織密度の2倍であり、同様に後面組織部1Bも後薄組織部1B1の織密度の2倍となる。
口絞り糸R1は二枚の前薄組織部1A1により形成された挿入空間部S1に横方向に一方通行で挿入されており、また二枚の後薄組織部1B1により形成された挿入空間部S1に横方向に一方通行で挿入されており、計2本となる。
これらの口絞り糸R1の挿入は、製織時に例えばレピアグリッパを使って緯入れにより一方通行に挿入することが可能である。
またこの口絞り糸R1は該糸に較べて広めの挿入空間部S1に自由度を有する状態で配置されている。
このようなことから口絞り糸R1により開口部1を絞り込む際には、均一な絞り込みができ、更に極めて作業がし易いものとなる。
一方、底部3は一体組織部3ABとなっているが、この一体組織部3ABの一部にも横方向の挿入空間部S2が形成される。
この場合、一体組織部3ABが挿入空間部S2を作るために前面組織部3Aと後面組織部3Bとに分離されており、これらは開口部1や胴体部2における前面組織部1Aと後面組織部1Bに相当する組織である。
この場合も挿入空間部S2は、従来のように縫い代を作り折り返して縫製するようなことがなく、底絞り糸R2も該糸に較べて広めの挿入空間部S2に自由度を有する状態で配置されている。
このようなことから底部のいわゆる硬さが低下して底絞り糸R2によって極めて絞り込み易くなり、且つ底部3を絞り込む際により操作し易い。
製織時、この前面組織部3Aと後面組織部3Bとにより挿入空間部S2が形成され、同時にこの挿入空間部S2に底絞り糸R2が前述した口絞り糸R1のように緯入れによって挿入されることとなる。
布袋Aの両側は、一定幅に渡って前面組織部1A,2A,3Aと後面組織部1B,2B,3B,とが一体化した一体組織部Zとなっており、丁度、底部3の一体組織部3ABと同様な織組織である。
従って、中詰め材Wを投入するための投入空間(充填空間)Sは、この両側に形成された一体組織部Zと底部3に形成された一体組織部3ABとにより三方が閉じられた空間となる。
一方側の一体組織部Zには縦方向に一定間隔をおいて穴Hが形成されており、この穴Hは吊り上げ用の穴として用いられる。
すなわち、現場で施工する場合に、中詰め材Wが充填されている土木用袋体は極めて重く(例えば1トン以上になる場合が多い)クレーン等を使用してフックFを、その穴Hに挿入し吊り上げて移動する。
この目印は、製織の際、緯糸として、例えば蛍光色、鮮明色等の目立った着色した緯糸Lを織り込んで使うことにより容易に付与することができる。
中詰め材Wの投入量が正確となり安定することで、設定重量をオーバするようなことが回避され袋自体の品質がよくなり施工設計に沿って正確に施工できる。
次に、土木用袋体に中詰め材W(例として便宜的に小石で示した)を投入する作業手順を述べる。
図4は、土木用袋体に中詰め材Wを投入して使用状態とするまでの作業手順を示した説明図である。
先ず、図1に示すような中詰め材Wを投入する前の状態の土木用袋体から、底絞り糸R2を使って底部3を絞り状態とする〔図4(A)参照〕。
この場合、底絞り糸R2は一体組織部3ABに形成された挿入空間部S2に横方向に一本挿入されているため、底絞り糸R2の両端を持って底部3を回し込むように絞り、その後は更に底絞り糸R2を幾重にも巻回することが好ましい。
この場合、例えば、図示しない充填用の型枠に土木用袋体を開口部1の口縁を開いた状態になるようにセットしておき、その状態で胴体部2に中詰め材Wを充填する(投入する)方法が採用される。
土木用袋体の型枠としては、例えば、本出願人の出願に係る特開2005−240348号公報がある。
この場合も口絞り糸R1は、前薄組織部1A1の間の挿入空間部S1に一本と後薄組織部1B1の間の挿入空間部S1の間に一本と計2本が挿入されているので、各二本の口絞り糸同士をクロスして一方の端部或いは両方の端部にて結んだ状態にしておき、その後、開口部1を絞り込み、最後に縮小した状態にて口絞り糸R1を幾重にも巻回することが好ましい。
以上のようにして中詰め材Wが充填された土木用袋体が完成する。
中詰め材Wが充填された土木用袋体は、通常、人手では扱えないような荷重があり、クレーン等で吊り上げて移動する〔図4(D)参照〕。
図5及び図6では、開口部1における挿入空間部S1に3本の口絞り糸R1,R1,R1を挿入した場合を示した。
なお挿入空間部S1は、前面部の前面組織部1Aと後面部の後面組織部1Bとの2つの挿入空間部を有するために開口部1における口絞り糸R1は計6本となっているが、図5では前面部の口絞り糸R1,R1,R1のみを示した。
なお、この場合、開口部1における口絞り糸R1,R1,R1,R1は計4本となっているが図7では前面部の口絞り糸R1,R1のみを示した。
またこの場合、底部3における挿入空間部S1には2本の口絞り糸R2,R2を挿入している。
また口絞り糸R1や底絞り糸R2は、土木用袋体の前面組織部1A〜3A、前薄組織部1A1、後面組織部1B〜3B、後薄組織部1B1、一体組織部3AB等を構成する糸とは異なる形態を有するものも採用可能である。
例えば、他の組織部を構成する糸よりも補強された太糸を用いたり、または他の組織部を構成する糸とは異なった材質を採用する。
また土木用袋体の布袋Aに把手を設けて運び易くすることも適宜変更可能である。
また本発明の土木用袋体においては、底絞り糸R2を全く使用せずに底部の一体組織部3ABによって閉じた状態だけで使用することも当然可能である。
1A 前面組織部
1B 後面組織部
1A1 前薄組織部
1B1 後薄組織部
2 胴体部
2A 前面組織部
2B 後面組織部
3 底部
3A 前面組織部
3B 後面組織部
3AB 一体組織部
A 布袋(土木用袋体)
F フック
H 穴
L 着色した緯糸
R1 口絞り糸
R2 底絞り糸
S 投入空間
S1 挿入空間部
S2 挿入空間部
W 中詰め材
Z 一体組織部
Claims (6)
- 開口部と胴体部と底部とを有する巾着状の布袋よりなり、開口部に口絞り糸が設けられ且つ底部に底絞り糸が設けられた土木用袋体であって、
前記口絞り糸及び底絞り糸は布袋の製織時に挿入されたものであり、
前記開口部及び胴体部が、前面部を形成する前面組織部と後面部を形成する後面組織部とよりなり、開口部の各組織部の一部に横方向の挿入空間部が形成され、該挿入空間部に緯入れにより前記口絞り糸が挿入されており、
前記底部が一体組織部よりなり、該一体組織部の一部に横方向の挿入空間部が形成され、該挿入空間部に緯入れにより前記底絞り糸が挿入されていることを特徴とする土木用袋体。 - 前記底部の一体組織部は胴体部の前面組織部と後面組織部とが一体化した組織となっていることを特徴とする請求項1記載の土木用袋体。
- 前記胴体部には中詰め材の投入量を示す着色した緯糸が織り込まれていることを特徴とする請求項1記載の土木用袋体。
- 前記布袋の両側は一定幅に渡って前面組織部と後面組織部とが一体化した一体組織部となっていることを特徴とする請求項1記載の土木用袋体。
- 前記布袋の両側の一体組織部には吊り上げ用の穴が形成されていることを特徴とする請求項4記載の土木用袋体。
- 前記口絞り糸及び底絞り糸は、他の組織部を構成する糸より補強された太糸であることを特徴とする請求項1記載の土木用袋体。
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