JP4948846B2 - 突入電流抑制回路を備えた電源装置 - Google Patents

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本発明は、電源の初期動作時の突入電流を抑制する突入電流抑制回路を備えた電源装置に関する。
一般的に各種電気回路においては所定の電源電圧が供給されて動作するようになっているが、電源投入の初期動作時には過大な電流が流れることがあった。この過大な電流は突入電流と呼ばれ、供給元電源の過電流保護機能がシャットダウンしたり、電圧降下を招いたり、さらに電気回路を構成する集積回路や他の部品に損傷を与えることがある。
このような突入電流を抑制するため特許文献1では、電源から出力端子に電流を供給する出力トランジスタと、基準電圧を基に出力トランジスタの電流供給を制御する差動増幅器と、電源回路の初期動作時に出力トランジスタの電流供給量を徐々に増大される突入電流抑制手段とを備えた電源回路が記載されている。
しかしながら、特許文献1の上記突入電流抑制手段は、充電用スイッチを介してコンデンサの充電を行い、このコンデンサを徐々に放電させて抑制トランジスタのゲート電位を制御する方法であるため、元々何らかの電源供給によりコンデンサを充電させている状況でしか使用できない。また、出力トランジスタを構成するFETのゲート・ソース間の電圧(VGS)を電源投入時に徐々に上げ、FETのオン抵抗を徐々に制御するものであるが、オン抵抗は徐々には小さくならず、FETが急激に立ち上がってしまうので、制御し難い面がある。
一方、一般的にはFETを2段構成にして、どちらか一方のFETに並列に低抵抗を接続し、低抵抗が接続されたFETの立ち上がりを遅延する方法もあるが、同定格のパワーMOSFETを2つ使用しなければならず、コスト高になってしまうという欠点があった。
特開2000−89840号公報
特許文献1の電源回路では、コンデンサの放電を利用して抑制トランジスタを制御する方法であるため、元々何らかの電源供給によりコンデンサを充電させていなければ使用できないという不具合があった。また、FETを2段構成にして、どちらか一方のFETの立ち上がりを遅延する方法もあるが、コスト高になってしまうという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑み、突入電流を十分に抑制することができる電源装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の突入電流抑制回路を備えた電源装置は、直流電圧源と平滑コンデンサとの間に主導電路が接続され、制御電極に供給される電圧によって導通度が変化する出力トランジスタと、電源オンオフ用の制御信号を出力する制御回路と、前記出力トランジスタを介して充電される前記平滑コンデンサの充電電圧が所定レベル以上になったときに導通する第1のツェナーダイオードと、この第1のツェナーダイオードを介して所定の時定数で充電される第2のコンデンサと、この第2のコンデンサの電圧と所定の電圧値を有する第1の基準電圧とを比較する第1のコンパレータとを有し、前記充電電圧が前記直流電圧源から供給される入力電圧近傍になった時点で前記第1のコンパレータの出力端子に検出信号を出力する出力電圧検出部と、電源オンオフ用の制御信号、及び前記検出信号に応答して前記出力トランジスタの制御電極の電圧を段階的に制御し、電源オンを指示する前記制御信号によって前記出力トランジスタを中間的な導通度に制御し、前記検出信号によって前記出力トランジスタの導通度をさらに高めるように制御するバイアス回路と、を具備したことを特徴とする。
本発明によれば、電源投入時に出力トランジスタを段階的に制御して、オン抵抗を高い抵抗状態から低い抵抗状態に切り替えることで、確実に突入電流を抑制することが可能となる。
[実施例1]
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の電源回路の一実施形態を示す回路図であり、図2は動作説明用の波形図である。
先ず、図1の回路構成について説明する。11は、入力電圧Vinを供給する直流電圧源であり、例えば24Vの直流電源である。直流電圧源11からの入力電圧Vinは、出力トランジスタであるPチャンネルFET12のソース・ドレイン(主導電路)を介して平滑コンデンサ13に供給され、出力端子14には出力電圧Voutが得られる。出力端子14には出力電圧Voutによって動作する負荷15が接続されている。
また、16はCPU等の制御回路であり、前記負荷15への電源供給をオンオフ制御する制御信号S1を出力する。オンオフ制御信号S1は、トランジスタQ1のベースに供給される。このトランジスタQ1のコレクタは直流電圧源11に抵抗R1を介して接続され、エミッタが基準電位点(アース)に接続されている。
トランジスタQ1のコレクタは、トランジスタQ2のベースに接続され、トランジスタQ2のエミッタは基準電位点に接続されている。また、トランジスタQ2のコレクタはトランジスタQ3のベースに接続されている。
直流電圧源11と基準電位点間にはツェナーダイオードZD1と抵抗R4,R5を直列に接続した分圧回路が接続され、ツェナーダイオードZD1と並列に抵抗R2,R3からなる分圧回路が接続されている。前記トランジスタQ3のエミッタ・コレクタ間は抵抗R2に並列に接続され、抵抗R2とR3の接続点が抵抗R7を介して出力トランジスタ12のゲート(制御電極)に接続されている。
抵抗R4とR5の接続点は、コンパレータ17の反転入力端子(−)に接続され、コンパレータ17の非反転入力端子(+)は第1の基準電圧源19に接続され、その出力端子はトランジスタQ5のベースに接続されている。トランジスタQ5は、エミッタが基準電位点に接続され、ベースは抵抗R11を介して直流電圧源11に接続され、コレクタがトランジスタQ3のベースに接続されている。
また、前記平滑コンデンサ13と並列にツェナーダイオードZD2と抵抗R8の直列回路が接続され、ツェナーダイオードZD2と抵抗R8の接続点は、ダイオードD1と抵抗R9の並列回路を介してコンパレータ18の非反転入力端子(+)に接続されている。コンパレータ18の非反転入力端子(+)は、コンデンサC1を介して基準電位点に接続され、反転入力端子(−)は第2の基準電圧源20に接続され、出力端子は制御回路16に接続されて信号S2を供給する。
さらに、コンパレータ18の出力は、トランジスタQ4のベースに接続され、トランジスタQ4のベースはさらに抵抗R10を介して電圧源Vccに接続されている。またトランジスタQ4のコレクタ・エミッタ電流路は、抵抗R2とR3の分圧点と基準電位点間に接続されている。
前記トランジスタQ2,Q3,Q4,Q5と抵抗R2,R3,R6は、出力トランジスタ12のゲート電極の電圧を制御するバイアス回路を構成し、コンパレータ17は入力電圧Vinの電圧変化を検出してトランジスタQ5,Q3を制御する。また、コンパレータ18は出力電圧Voutの変化を検出して、トランジスタQ4を制御する。
次に図2の波形図を参照して、本発明の電源装置の動作を説明する。尚、図2において、(a)は直流電圧源11から供給される入力電圧Vinの波形であり、(b)はコンパレータ17の出力波形、(c)は制御回路16からのオンオフ制御信号S1の波形を示す。また、(d)は出力トランジスタ12のゲート・ソース間電圧Vgsを示し、(e)はコンパレータ18の+端子の波形を示し、(f)はコンパレータ18の出力信号S2の波形を示す。さらに、(g)は出力端子14の電圧波形Voutを示し、(h)は出力端子14の電流波形を示している。また、波形(e)におけるVref2は、コンパレータ18の基準電圧レベルを示している。
先ず、直流電源が起動すると(a)で示すように直流電圧源11から入力電圧Vin(24V)が供給される。これにより、抵抗R1を介してトランジスタQ2のベースに電圧が供給され、強制的にQ2がオンし、トランジスタQ3もオンする。このため、抵抗R2がトランジスタQ3によって短絡され、FET12のゲート・ソース間の電位差がなくなる。これによってFET12は、オフとなり、低いオン抵抗を呈しオフとなり、電源は遮断されたままになる。
次に制御回路(CPU)16が動作を開始し、24Vを負荷側へ供給するために、(c)で示すオンオフ信号S1をハイレベルHにする。ハイレベルの信号S1によってトランジスタQ1はオンし、トランジスタQ2,Q3がオフになる。これにより、FET12のゲート・ソース間電圧Vgsは(d)で示すようにツェナーダイオードZD1のツェナー電圧を抵抗R2,R3で分圧した値(Vgs1)になる。
この値Vgs1は、FET12が非飽和領域で動作する値であり、オン抵抗は高くなる。これによりFET12は少しずつ電流を出力端子14に流し始める。流れてきた電流は負荷側の平滑コンデンサ13に比較的ゆっくりとチャージされる。これにより、平滑コンデンサ13の電圧は(g)で示すように徐々に上昇する。
そして、平滑コンデンサ13の電圧がツェナーダイオードZD2のツェナー電圧を越えると、抵抗R8を介して電流が流れ、抵抗R8の両端電圧によって(e)で示すように、抵抗R9を介してコンデンサC1がチャージされる。コンデンサC1のチャージ電圧が、コンパレータ18の基準電圧Vref2を越えると、コンパレータ18の出力は(f)で示すようにローからハイレベルになり、トランジスタQ4を導通させ、抵抗R6がプルダウンされ、FET12のゲート・ソース間電圧電Vgsは、FET12を飽和オンするための電位差(Vgs2)になり、FET12は完全にオンとなる。
一方、ツェナーダイオードZD2でクランプされてからコンパレータ18の出力が反転するまでの間にも平滑コンデンサ13はチャージが続き、24Vに限りなく近づく。つまり、抵抗R9とコンデンサC1の時定数R9・C1によりコンパレータ18の出力端子での信号S2の発生を遅らせ、そのあとにFET12は完全にオンするため、突入電流の発生を確実に抑えることができる。
突入電流は平滑コンデンサ13の充電途中に発生しやすいが、図1の実施形態によれば、平滑コンデンサ13の充電途中はFET12のオン抵抗を高くし、平滑コンデンサ13の電圧が電源電圧近傍になるのを待ってからFET12を完全オンすることになるため、突入電流をほぼゼロにすることができる。
また、コンパレータ18の出力信号S2は、平滑コンデンサ13へのチャージが完了したことを示す信号となり、制御回路16は、これをトリガーとして負荷15を制御することができる。
さらに、コンパレータ17は、入力電圧Vinが異常に低くなったような場合に、その出力端子にハイレベルH(図2(b)の破線)の信号を出力し、トランジスタQ5,Q3をオンにして、FET12をオフさせるものである。つまり、入力電圧が低下してもが後段に影響を及ぼさない規定電圧をVonとし、基準電圧Vref1の下限値をVminとしたとき、下限値Vmin>規定電圧Vonに設定しておけば、入力電圧Vinの電圧が異常に低くなったときにコンパレータ17の出力端子はハイレベルになり、トランジスタQ5,Q3をオンにして、FET12をオフさせることができ発熱、発火を防ぐことができる。
尚、図1の構成においては、オンオフ制御信号S1をハイレベに保持した状態で、直流電圧源11をオンオフして電源供給を制御する場合にも同様に動作する。つまり、直流電圧源11の供給をインターロックスイッチ、リレー等の素子によって制御したとしても、突入電流は防止することができる。
また、ツェナーダイオードZD1は、入力電圧Vinがある程度変動しても、FET12のVgsがばらつくのを防止する効果があり、抵抗R4とR5は、コンパレータ17が入力電圧Vinを検出する際に、検出しやすいレベルに調整する役割がある。抵抗R8は、ツェナーダイオードZD2のツェナー電流を一定範囲に押えるように調整され、さらに、ダイオードD1は、コンデンサC1の電荷をすばやく放電させ、回路の応答性を早め、誤動作を防止する役割がある。
また直流電源Vinが投入されても、制御信号S1が出力されない場合は、FET12はオフとなるし、電源電圧が異常に低い場合は、コンパレータ17の出力によってFET12はオフとなる。
このように、本発明では、電源投入時にFET12を高オン抵抗から低オン抵抗状態に順次切り替える2段階オン制御と、充電電圧検出を遅延させることにより、確実に突入電流を抑制することができる。また、大電流用FETの使用は1個だけで済むため、よりコスト低減が見込める。
尚、本発明の実施形態は上記した例に限られず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で他の変形が可能である。
本発明の電源装置の一実施形態を示す回路図。 同実施形態の動作を説明するための各部の信号波形を示す波形図。
符号の説明
11…直流電圧源
12…出力トランジスタ(FET)
13…平滑コンデンサ
14…出力端子
15…負荷
16…制御回路
17,18…コンパレータ
19,20…基準電圧源
Q1〜Q5…トランジスタ
ZD1,ZD2…ツェナーダイオード
R9,C1…時定数回路

Claims (4)

  1. 直流電圧源と平滑コンデンサとの間に主導電路が接続され、制御電極に供給される電圧によって導通度が変化する出力トランジスタと、
    電源オンオフ用の制御信号を出力する制御回路と、
    前記出力トランジスタを介して充電される前記平滑コンデンサの充電電圧が所定レベル以上になったときに導通する第1のツェナーダイオードと、この第1のツェナーダイオードを介して所定の時定数で充電される第2のコンデンサと、この第2のコンデンサの電圧と所定の電圧値を有する第1の基準電圧とを比較する第1のコンパレータとを有し、前記充電電圧が前記直流電圧源から供給される入力電圧近傍になった時点で前記第1のコンパレータの出力端子に検出信号を出力する出力電圧検出部と、
    電源オンオフ用の制御信号、及び前記検出信号に応答して前記出力トランジスタの制御電極の電圧を段階的に制御し、電源オンを指示する前記制御信号によって前記出力トランジスタを中間的な導通度に制御し、前記検出信号によって前記出力トランジスタの導通度をさらに高めるように制御するバイアス回路と、
    を具備したことを特徴とする突入電流抑制回路を備えた電源装置。
  2. 前記バイアス回路は、前記直流電圧源から供給される入力電圧を分圧して前記出力トランジスタの制御電極に供給する分圧回路と、この分圧回路の分圧点と前記直流電圧源との間に接続された第1のトランジスタと、前記出力トランジスタの制御電極と基準電位点間に接続された第2のトランジスタとを有し、
    電源投入時に、前記入力電圧によって前記第1のトランジスタをオン動作させるとともに、電源オンを指示する前記制御信号によって前記第1のトランジスタをオフ動作させ、前記出力電圧検出部からの検出信号によって前記第2のトランジスタをオン動作させることを特徴とする請求項1記載の突入電流抑制回路を備えた電源装置。
  3. さらに、前記直流電圧源から供給される入力電圧を検出し、この入力電圧が所定のレベル以下に低下したときに検出信号を出力する入力電圧検出部を有し、
    前記入力電圧検出部からの検出信号によって前記出力トランジスタをオフするようにしたことを特徴とする請求項1記載の突入電流抑制回路を備えた電源装置。
  4. 前記入力電圧検出部は、前記入力電圧を第2のツェナーダイオードを含む分圧回路で分圧した第1の電圧と、所定の電圧値を有する第2の基準電圧とを比較する第2のコンパレータを有し、この第2のコンパレータの出力端子から検出信号を得ることを特徴とする請求項記載の突入電流抑制回路を備えた電源装置。
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