JP4949191B2 - ターボ機械のロータのバランスシステム - Google Patents

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Description

本発明は、広くは、ターボ機械のロータのバランスシステムに関し、そのような少なくとも1つのバランスシステムを備えるターボ機械の一モジュールに関する。
さらに、本発明は、少なくとも1つのそのようなモジュールが取り付けられたターボ機械に関し、そのようなターボ機械が、好ましくは航空機用のターボジェットの形態をとっている。
圧縮機またはタービンなどの既存のターボ機械の各モジュールには、通常は、環状のバランスフランジを備えるロータバランスシステムが設けられており、この環状のフランジにバランスおもりが、この環状のフランジの貫通路に収容されるボルトによって取り付けられている。その結果、おもりがフランジの周囲に所望の様相で分布して、該当のターボ機械のモジュールに良好なバランスをもたらしている。したがって、この形式のロータバランスシステムは、通常はモジュール式であるといえる。
さらに詳しくは、環状のバランスフランジが、通常は、半径方向の第1の方向が接合領域によって画定されている環状のコアを備え、この環状のコアから、この第1の方向に、複数の貫通路がフランジの半径方向の自由端に向かって放射状に延びており、それぞれの貫通路が、上記第1の方向と反対の第2の方向に、上記接合領域に属する半径方向の頂点を有する。通常は、第1の方向は、半径方向内側に向かう方向であり、反対の第2の方向は、半径方向外側に向かう方向である。
したがって、このシステムは、上記通路のうちの1つを通過する少なくとも1つのねじ/ナットアセンブリによって環状のバランスフランジに固定に取り付けられる複数のバランスおもりをさらに備え、ねじの頭部が、環状のバランスフランジの第1の面に押し付けられ、バランスおもりが、環状のバランスフランジの第1の面の反対側の第2の面に押し付けられる。
バランスフランジに加わる応力の割り出しの文脈において実行された研究の際に、最大の接線方向の応力が、それぞれの貫通路の半径方向の頂点に位置し、すなわち上述の接合領域またはその付近に位置することが明らかになっている。目安として、接線方向の応力は、本質的には遠心力または熱の作用に結び付いているといえる。
米国特許第4879792号明細書
バランスフランジにおいて接線方向の大きな応力が加わる部位には、ねじ/ナットアセンブリの締め付けによる軸方向の応力もさらに加わる。したがって、これら接線方向および軸方向の応力の組み合わせにより、バランスフランジの寿命がきわめて短くなる可能性があり、さらにはこのフランジの損傷について大きな危険を生じさせる可能性がある。
したがって、本発明の目的は、従来技術の実施形態に関係する上述の欠点を改善するターボ機械のロータバランスシステムおよびターボ機械モジュールを提案することにある。
この目的のため、本発明の主題は、まず第1には、環状のバランスフランジおよび複数のバランスおもりを備えているターボ機械のロータのバランスシステムであって、環状のバランスフランジが、第1の方向において半径方向が接合領域によって画定されている環状のコアを備え、接合領域からフランジの半径方向の自由端に向かって第1の方向に複数の貫通路が延びており、それぞれの貫通路が、上記接合領域に属する半径方向の頂点を、第1の方向と反対の第2の方向に有し、バランスおもりが、通路のうちの1つを通過する少なくとも1つのねじ/ナットアセンブリによって環状のバランスフランジへと固定に取り付けられ、ナットとねじ頭部との間に保持される要素のうちの1つが、環状のバランスフランジの第1の面に押し付けられ、バランスおもりが、環状のバランスフランジの第1の面とは反対の第2の面に押し付けられている。
本発明によれば、貫通路のそれぞれにおいて、環状のバランスフランジが自身の第1の面に、上記半径方向の頂点を通過しかつ上記接合領域の両側に広がっている第1の凹所を有し、この第1の凹所が、ナットとねじ頭部との間に保持される要素に接触せず、さらにバランスフランジが自身の第2の面に、上記半径方向の頂点を通過しかつ上記接合領域の両側に広がっている第2の凹所を有し、この第2の凹所が、バランスおもりに接触しない。
このようにして、本発明は、ねじ/ナットアセンブリの締め付けから生じる軸方向の応力を、接線方向の応力によって大きなひずみのもとにおかれる環状のバランスフランジの領域(この領域は、上述のとおり、該当の貫通路の半径方向の頂点を中心とする)から離れるように移動させることを可能にする巧みな解決策を提案している。
したがって、具体的には、設けられる凹所は、該当の貫通路へと開くように形成されつつ、上記接合領域の両側に、すなわちフランジの環状のコア、およびやはり環状であって種々の貫通路を取り入れている部位(穴あき部分と呼ばれる)の両方に、形成される。このやり方で、貫通路のそれぞれにおいて、ナットとねじ頭部との間に保持される上記部材が、もはや上記半径方向の頂点に押し付けられることがなく、上記半径方向の頂点から第1の凹所の深さに等しい距離だけ離れており、これにより、遠心力および熱の作用によって接線方向の大きなひずみのもとにおかれるこの頂点に、軸方向の応力を実質的に生じないようにすることができる。
したがって、有利なことに、本発明において接線方向の応力と軸方向の応力との分離が達成されることで、バランスフランジの寿命の向上がもたらされ、さらにはバランスフランジの損傷の恐れが大幅に抑制される。
本発明は、それぞれの凹所が、該当の貫通路の周囲において、上記半径方向の頂点およびその付近に位置することを条件とするものとして示されている。当然ながら、さらに切り欠きまたは後退へと結びつけることも可能である該当の凹所は、本発明の文脈から離れることなく、通路の周囲のより大きな広がりへと広がっていてもよく、通路の周囲に完全に広がることさえ可能である。
最後に、環状のバランスフランジを、ロータディスクへと、特にはロータディスクの穴を画定する拡大された半径方向内側部分(「リーク」とも称される)に固定に取り付けられるように区別なく設計することができ、あるいはターボ機械の該当のモジュールの一体の一部分を形成している任意の接続フランジにおいて、このフランジと一体不可分であるように設計することができる。
好ましくは、貫通路を通過するフランジの断面において、上記接合領域が、環状のフランジの軸を中心とする円の形態をとっている。
さらに、やはり貫通路を通過する環状のフランジの断面において、それぞれの貫通路の半径方向の頂点が、好ましくは環状のフランジの軸を中心とする円に属する点の形態をとっている。
好ましくは、第1の凹所は、環状のフランジの軸に中心を有する様相で上記第1の面に作られたただ1つの円形の溝で構成され、第2の凹所は、やはり環状のフランジの軸に中心を有する様相で上記第2の面に作られたただ1つの円形の溝で構成されている。この解決策は、環状のバランスフランジの一方の面の簡単かつただ1回の機械加工作業によって、この面のすべての凹所を得ることができるという点で有利である。
やはり好ましくは、それぞれのバランスおもりが、通路のうちの直接的に隣り合う2つをそれぞれ通過する2つのねじ/ナットアセンブリによって、バランスフランジへと取り付けられている。
さらに、好ましくは、それぞれの貫通路において、ねじ頭部がバランスフランジの第1の面に押し付けられ、ナットがバランスおもりに押し付けられている。当然ながら、ナットがバランスフランジの第1の面に押し付けられ、ねじ頭部がバランスおもりに押し付けられているという逆の状況も、本発明の文脈から離れることなくもたらすことが可能である。
最後に、それぞれの貫通路は、スカラップまたは穴の形態をとる。目安として、スカラップは、通常は、第1の方向において半径方向に開いており、すなわち上記フランジの半径方向の自由端において開いている一方で、穴は、その一部において閉じた断面を有する。
また、本発明のさらなる主題は、上述した少なくとも1つのロータバランスシステムを備えるターボ機械の一モジュールである。
好ましくは、上記モジュールは、タービンあるいはターボ機械の高圧または低圧圧縮機である。
最後に、本発明の別の主題は、上述した少なくとも1つのモジュールを備える航空機用ターボジェットなどのターボ機械である。
本発明の他の利点および特徴は、以下の詳細な説明(本発明を限定するものではない)において明らかになるであろう。
この説明は、添付の図面に関して行われる。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるターボ機械のモジュール1の一部分を示しており、このモジュールは、ここでは、その一部について航空機用ターボジェットの形態をとっているターボ機械の高圧タービン(HPタービンと呼ばれる)である。
図1において、ターボジェットの燃焼室2の下流に位置するHPタービンのロータ部分を見て取ることができる。この点に関し、以下で使用される「上流」および「下流」という考え方が、矢印4によって概略的に示されているターボ機械を通過するガスの流れの主たる方向に関して理解され、この方向が、ターボジェットの長手軸6(同時に、モジュール1およびモジュール1を構成しているディスクの軸に一致する)に実質的に平行であることに留意されたい。
具体的には、モジュール1は、穴12の存在によってターボジェットの軸システム10を通過する軸6を有するブレード支持ディスク8と呼ばれる主ロータディスクを備える。さらに詳しくは、この穴12は、拡大されてディスク8の最も厚い部分を形成しており、どちらも軸6に直角である上流側の面16および下流側の面18によって区画されている半径方向内側部分14に、知られている様相で製作されている。したがって、この拡大された半径方向内側部分14は、「リーク(leek)」とも称されるが、軸6の方向に、この同じ方向の穴12の長さに等しい実質的に一定の厚さを有する。
ディスク8の半径方向外側の端部20には、タービンブレード22が取り付けられ、燃焼室2から出るガスが、タービンブレード22を通って膨張することができる。
ブレード支持ディスク8の下流側23には、このディスク8をモジュールの下流部分(図示せず)へと取り付けるために使用される環状の接続フランジ24が配置されている。図1に見て取ることができるとおり、下流側の環状の接続フランジ24は、下流側23と一緒に1つの部品にて製作され、拡大された半径方向内側部分14の上方に位置する部位において、下流側23から突き出している。
一方で、ブレード支持ディスク8の上流側26には、このディスク8をターボ機械の他のモジュール(より具体的には、HP圧縮機(図示せず)と称され、その一部として下流側の環状の接続フランジ30を備える高圧圧縮機)へと取り付けるために使用されるもう1つの環状の接続フランジ28が配置されている。ここでもやはり、図1に見て取ることができるように、上流側の環状の接続フランジ28は、上流側26と一緒に1つの部品にて製作され、拡大された半径方向内側部分14の上方に位置する部位において、上流側26から突き出している。
さらに、HP圧縮機との組み立てという機能に加え、この上流側の環状の接続フランジ28は、ブレード支持ディスク8の上流に位置するラビリンスディスク32の取り付けのためにも使用される。ラビリンスディスク32の主たる機能は、当業者にとって知られているとおり、このディスク8およびこのディスク8に支持されているブレードの冷却を助けることにある。具体的には、ラビリンス式の1つ以上の環状の封止装置34をこのモジュールのステータに正接するように位置させて備えるディスク32が、自身と冷却対象のディスク8との間に、下流側へと向いた環状の冷却空間36を画定することができるようにしている。この結果、この空間36に進入する冷却空気が、図1の矢印38によって概略的に示されているように、ディスク8の上流側26に密接に沿い、その後に半径方向外側へと、ブレード22を通過する空気の回路に再び加わる。
本発明のこの好ましい実施形態において、ラビリンスディスク32は、2つの環状の接続フランジ28、30の間に配置され、これら2つのフランジを組み立てるために使用され、軸6を中心にして分布しているボルト40の助けによって、これら2つのフランジへと固定に取り付けられる。
さらに、ラビリンスディスク32は、穴44の存在のおかげでターボジェットの軸システム10を通過している。より詳しくは、この穴44は、拡大されてディスク32の最も厚い部分を構成しており、どちらも軸6に直角である上流側の面48および下流側の面50によって区画されている半径方向内側部分46に、知られている様相で製作されている。したがって、この拡大された半径方向内側部分46は、「リーク」とも呼ばれるが、軸6の方向に、この同じ方向の穴44の長さに等しい実質的に一定の厚さを有する。
この好ましい実施形態においては、この拡大された半径方向内側部分46に、バランスおもり54が取り付けられる環状のバランスフランジ52が配置されている。さらに正確には、この環状のバランスフランジ52が、拡大された半径方向内側部分46と一体にて製作され、拡大された半径方向内側部分46の面48から上流側に突き出し、次いで半径方向内側へと突き出している。一般的な様相で、フランジ52および所定の様相でフランジ52へと取り付けられるおもり54が、協働してターボ機械のロータのバランスシステム61を形成している。
このバランスフランジ52は、上述の接続フランジとは別個独立であるため、モジュール1をターボ機械の他のモジュールに接続する作業の前に、バランスおもり54をこのフランジ52へと決定的に取り付けることが可能である。結果として、このようなターボ機械のモジュール1の製造者が、後にこの同じモジュール1をターボ機械の他のモジュール(この例では、HP圧縮機)と組み立てるときに、この目的のために設けられたフランジ52にすでに取り付けられているバランスおもりを分解/組み立てする必要がないため、バランスシステムの満足できる取り付け、特にはボルト56の助けによるおもり54のフランジ52への取り付けを保証することができる。
図1に見て取ることができるように、バランスフランジ52を、面48の半径方向外側の端部から上流へと突き出すように配置でき、すなわち軸6に対して直角であるこの面48と、このディスク32の冷却空間36を画定している下流面60と反対の上流面58の残りの部分との交わりにおいて、上流側へと突き出すように配置することができる。
したがって、バランスフランジ52が、ターボ機械の他の構成要素(同じモジュール1の構成要素であっても、あるいはターボ機械の隣接のモジュールの構成要素であっても)との接続という機能から解放され、これは、バランスフランジ52の機能が、バランスおもり54の支持だけになるという意味であることを理解しなければならない。したがって、バランスおもり54を除き、ターボ機械のいかなる構成要素も、図1に見ることができるように、HPタービンをHP圧縮機へと接続するために使用され、さらにはラビリンスディスク32を支持するために使用される上述の環状の接続フランジ28、30に対して半径方向内側に配置されるこの環状のバランスフランジ52に取り付けられることはない。
次に、図2から図4を参照して、環状フランジの軸とも称される軸6を有する環状のバランスフランジ52の特定の設計に備わっている本発明の特別の特徴の1つを、理解することができる。
環状のバランスフランジ52は、本質的には、隣接しかつフランジの半径方向62にずらされている2つの部位、すなわちこのフランジの半径方向外側の部分を形成している環状のコア64と、このフランジの半径方向内側の部分を形成している穴あき部分66とを備える。コア64、すなわちフランジ52の主たる部分は、中実であって、このフランジをディスク32の拡大された半径方向内側部分46の面48へと接続する環状の接続部68を取り入れている。
したがって、コア64は、半径方向62において、内側方向に相当する第1の方向70に、破線74で図式的に示され、このコア64を穴あき部分66から区別しているいわゆる接合領域まで延び、接合領域74は、好ましくは、軸6を中心とする円形断面の仮想の円筒の形態をとっている。半径方向62に関して図に示されている第2の方向72が外向き方向に相当することに留意されたい。
したがって、環状の穴あき部分66は、接合領域74から第1の方向70にフランジの半径方向の自由端76へと半径方向に延びている。したがって、この部分66は、接合領域74から第1の方向70にフランジの半径方向の自由端76に向かって半径方向にそれぞれ延びている貫通路78を取り入れている。ここで、通路78は、スカラップの形態をとっており、すなわちフランジの半径方向の自由端76において半径方向内側へと開いているため、環状の穴あき部分66の全体にわたって半径方向に延びている。すなわち換言すると、閉じた輪郭を有する穴とは異なり、それぞれが開いた輪郭を有する。したがって、代案として、通路78が、本発明の文脈から離れることなく、穴の形態をとってもよい。
さらに、それぞれの貫通路78が、第2の方向72に半径方向の頂点80を有し、頂点が上述の接合領域74に属することが示されている。
より詳しくは、図4を参照すると、ボルト56を通すために使用される貫通路78がすべて、実質的に同一の形状および寸法を有し、したがって、これらの通路78を通過するフランジの断面、すなわちこの図4の断面図において、接合領域74が軸6を中心とする円の形態をとることを見て取ることができる。さらに、スカラップ78のそれぞれの底部が、好ましくは第1の方向70へと半径方向内側を向いたわずかな曲率を有するため、それぞれの貫通路78の半径方向の頂点80が、円74に属する点の形態をとることを見て取ることができる。この点に関し、図3に示されているように、直径または半径方向の断面と同様に、この半径方向の頂点80が、この断面において、好ましくは軸6(図示せず)に平行であって、この同じ軸の方向に通路78の全長にわたって延びる右手セグメントの形態をとることが示されている。さらに、この同じ右手セグメント80は、完全に接合領域74に属している。
図3は、通路78のうちの1つをそれぞれ通過する1つ以上のねじ/ナットアセンブリ56によってバランスフランジ52へと固定に取り付けられたバランスおもり54(図3では、1つだけを見ることができる)を示している。好ましくは、それぞれのおもり54が、さらに詳しく後述されるとおり、フランジ52の接線方向において直接的に隣接する2つの通路78をそれぞれ通過する2つのねじ/ナットアセンブリ56の助けによって、フランジ52へと取り付けられている。
したがって、アセンブリ56は、ねじ頭部86を軸6に実質的に直角であって、ラビリンスディスク32の面48に面しているフランジ52の第1の面90または下流側の面に押し付けて有するねじ84をさらに備える。さらに、このアセンブリは、ねじのねじ山部分に取り付けられたナット88を備え、このナット88が、該当のおもり54の外面へと押し付けられ、このおもり54の内面の一部分を、軸6に実質的に直角であって、フランジ52の第1の面90とは反対である第2の面92または上流側の面に押し付けている。
したがって、上流側から下流側へと、ナット88、おもり54、フランジ52、および最後のねじ頭部86からなる積み重ねが設けられ、これらの構成要素が、好ましくは2つずつ接している。
図2から図4に示されているように、それぞれの通路の半径方向の頂点80におけるフランジ52の過剰な応力を防止するために、該当の通路を通過するねじ/ナットアセンブリ56の締め付けによる軸方向の応力を、思慮深く配置された凹所を製作することによって移動させることが提案される。
効果的には、スカラップ78のそれぞれについて、バランスフランジ52が自身の第1の面90に、大きな接線方向の応力のもとにある半径方向の頂点80を通過し、接合領域74に沿って接合領域74の半径方向の両側に広がる第1の凹所94を有する。すなわち換言すると、凹所94が、環状のコア64および穴あき部分66の両方に広がっており、したがって凹所94が、関連のスカラップ78へと開いていると考えることができる。図3に示されているように、第1の凹所94は、ねじ頭部86と接触することがなく、したがってバランスフランジ52に対するねじ頭部86の圧力は、大きな接線方向の応力のもとにある半径方向の頂点80から離れた位置で第1の面90へと加えられ、これにより、この同じ頂点80に加わる軸方向の応力を実質的になくすことができる。したがって、アセンブリ56の締め付けによってフランジ52へと加えられる軸方向の応力は、有利なことに、ねじ頭部86が押し付けられる環状のコア64の核心部分へと、半径方向に第2の方向72へと移される。
目安として、凹所94は、好ましくは、スカラップ78の湾曲した底部をすべて包含するように、第1の方向70へと充分に深く製作される。したがって、この同じ第1の方向70に進むことによって、ねじ頭部86は、半径方向の頂点80の領域の周囲に求められる接点ではなく、スカラップ78の輪郭との接点を見つけることができる。
製造を容易にするという理由のため、図4に最もよく見られるように、第1の凹所94は、好ましくは第1の面90に製作されたただ1つの円形の溝96で構成され、好ましくは半円形断面であるこの溝96が、軸6を中心とし、円の形態である接合領域74に沿っている。
あまり詳しくは説明しないが、同様のやり方で、バランスフランジ52は、自身の第2の表面92に、それぞれのスカラップ78のために、半径方向の頂点80を通過しつつ接合領域74の両側に広がる第2の凹所98を有し、この第2の凹所98は、バランスおもり52に接触しない。ここでもやはり、面92の第2の凹所98の全体を、この第2の面92にただ1つの円形の溝99を製作することによって実現でき、好ましくは半円形断面であるこの溝99が、軸6を中心とし、円の形態である接合領域74に沿っている。一般的なやり方においては、第2の凹所98が好ましくは所与の横断面に対して対称であるため、第1の凹所94と第2の凹所98との間に類似性が存在する。
図3に示されているように、それぞれの第2の凹所98は、おもり54と接触することがなく、したがってバランスフランジ52に対するおもり54の圧力は、大きな接線方向の応力のもとにある半径方向の頂点80から離れた位置で第2の面92へと加えられ、これにより、この同じ頂点80に加わる軸方向の応力を実質的になくすことができる。したがって、アセンブリ56の締め付けによってフランジ52へと加えられる軸方向の応力は、有利なことに、ねじ頭部86が押し付けられる環状のコア64の核心部分へと、半径方向に第2の方向72へと移される。
次に、図2から図4に関して上述した凹所の形成に組み合わせることができる他の特別の特徴を示している図5を参照すると、それぞれのおもり54(1つだけが破線で概略的に示されている)が、2つのねじ/ナットアセンブリの助けによってバランスフランジ52へと固定に取り付けられる旨を見て取ることができる。
効果的に、第1の通路78を通過する第1のねじ84を備える第1のねじ/ナットアセンブリ56aが設けられ、同様に、第1の通路78から接線方向102の第1の方向104にずらされた第2の通路78を通過する第2のねじ84を備える第2のねじ/ナットアセンブリ56bが設けられ、この第1の方向104は、第2の方向106と反対であって、したがって図5の時計方向に一致する。
すべての貫通路78へと適用することができるが、スカラップの形態をとっている第2の通路78について概略的に示されているように、これらの貫通路78を通過するフランジの断面、すなわち図5の断面図において、該当の通路の第2の方向72の半径方向の端部108が、半径R1の円弧110で構成され、その両側に、半径R1よりも小さな半径R2の2つの円弧112が存在していることに留意されたい。さらに詳しくは、円弧110が、この半径方向の端部108の主たる部分を形成し、中央に上述の半径方向の頂点80を取り入れている。また、半径方向の端部108を画定している2つの円弧112の半径R1は、ねじ84の半径と実質的に同一であり、これが、必要であれば、ねじ84とこれら2つの円弧112の一方との間の面接触の達成を可能にしている。
好ましくは、スカラップ78は、半径方向、すなわち方向62に延びる対称軸114を有し、したがってこの対称軸114が、ディスクの軸6および半径方向の頂点80を通過している。したがって、2つの円弧112は、軸114に関して対称であり、それぞれが通路の接線方向の端面の一体の一部を形成することができる。
この点に関し、2つの通路78のそれぞれが、好ましくは中央の円弧110と第2の方向106において端部に最も近く位置する円弧112との間の接点において始まり、知られている様相で実質的に直線状であって半径方向62および対称軸114に平行である平坦部106へと、フランジの半径方向の自由端76まで続いている接線方向の第1の端面116を有する。同様の様相で、2つの通路78のそれぞれは、好ましくは中央の円弧110と第1の方向104において端部に最も近く位置する円弧112との間の接点において始まり、やはり実質的に直線状であって半径方向62および対称軸114に平行である平坦部を介して、フランジの半径方向の自由端76まで続いている接線方向の第2の端面118を有する。
この構成の特別な特徴の1つは、半径方向の端部108が長い距離にわたって接線方向に広がって、特にはその漸進的かつ和らいだ形状によって半径方向の頂点80およびその付近における応力の集中を軽減することができるよう、それぞれのねじ84の直径を、そのねじが通過するスカラップ78の接線方向の幅よりも小さくすることにある。したがって、接線方向の2つの端面116、118の間の接線方向の最大距離D(これらの面116、118の2つの平坦部の間の一定の距離に相当する)が、このねじ84の接線方向の最大長さd(上記ねじ84の直径の値と実質的に同じである)よりも大きくされ、比D/dが1.2から2の間にあり、好ましくは1.5に近い。
さらに、バランスフランジ52上でのおもり54の接線方向の保持を保証するために、まず第1に、第1のアセンブリ56aの第1のねじ84が、第1の貫通路78の接線方向の第1の端面116に押し付けられ、さらに詳しくは、図5に示されているように、この側面116の円弧112との接合の付近の平坦部に押し付けられて接触している。したがって、ねじは、もはやこの円弧112にも、半径方向の頂点80を有する中央の円弧110にも、接していない。さらに、上述の種々の構成要素の特別な寸法設定ゆえ、第1のねじ84が、接線方向の第2の側面118から或る距離に位置し、接線方向の第2の側面118から第2の方向106へと接線方向にずらされている。この配置構成は、当然ながら、おもり54を、フランジ52に対する第2の方向106について、ねじ84によって実質的にすきまなく横方向に保持することを可能にする。
同様に、第2のアセンブリ56bの第2のねじ84が、第2の貫通路78の接線方向の第2の端面118に当接して配置され、さらに詳しくは、図5に示されているように、この側面118の円弧112との接合の付近の平坦部に押し付けられて接触している。したがって、ねじは、もはやこの円弧112にも、半径方向の頂点80を有する中央の円弧110にも、接していない。さらに、やはり上述の種々の構成要素の特別な寸法設定ゆえ、第2のねじ84が、接線方向の第1の側面116から或る距離に位置し、接線方向の第1の側面116から第1の方向104へと接線方向にずらされている。この配置構成は、当然ながら、おもり54を、フランジ52に対する第1の方向104について、やはり第2のねじ84によって実質的にすきまなく横方向に保持することを可能にする。
最後に、ねじ84のそれぞれの通路での「中心ずれ」配置を理解するために、第1のねじのねじ軸120が、第1の通路の対称軸114に対して第2の方向106へと接線方向にずらされる一方で、第2のねじ84のねじ軸120が、第2の通路の対称軸114に対して第1の方向104へと接線方向にずらされていることを、図5に見て取ることができる。
当然ながら、あくまで例示に限定されることなく上述した本発明に対して、当業者であればさまざまな変更を加えることが可能である。したがって、貫通路がスカラップの形態をとっている本発明の好ましい実施形態を説明および図示したが、代案として、本発明の文脈から離れることなく、これらの通路がバランスフランジを貫く単純な穴によって製作されていてもよい。
本発明の好ましい実施形態によるターボ機械のモジュールの一部分の側面図を示す。 図1に示したターボ機械のモジュールに属するロータバランスシステムについて、その一体の一部分を形成するように設計された環状のバランスフランジの一部分の斜視図を示す。 図2の線III−IIIに沿った断面図を示しており、バランスおもりおよび関連の組み立て手段が追加されている。 図3の線IV−IVに沿った断面図を示す。 図1の線V−Vに沿った一部分の断面図を示す。
符号の説明
1 ターボ機械の一モジュール(高圧タービン)
2 燃焼室
4 ガスの流れの主たる方向
6 (ターボジェットの)長手軸
8 ブレード支持ディスク
10 (ターボジェットの)軸システム
12 (ブレード支持ディスクの)穴
14 (ブレード支持ディスクの)半径方向内側部分
16 (ブレード支持ディスクの半径方向内側部分の)上流側の面
18 (ブレード支持ディスクの半径方向内側部分の)下流側の面
20 (ブレード支持ディスクの)半径方向外側の端部
22 タービンブレード
23 (ブレード支持ディスクの)下流側
24、28、30 接続フランジ
26 (ブレード支持ディスクの)上流側
32 ラビリンスディスク
34 封止装置
36 冷却空間
38 冷却空気の流れ
40 ボルト
44 (ラビリンスディスクの)穴
46 (ラビリンスディスクの)半径方向内側部分
48 (ラビリンスディスクの半径方向内側部分の)上流側の面
50 (ラビリンスディスクの半径方向内側部分の)下流側の面
52 バランスフランジ
54 バランスおもり
56 ねじ/ナットアセンブリ
58 (ラビリンスディスクの)上流面
60 (ラビリンスディスクの)下流面
61 バランスシステム
62 半径方向
64 (バランスフランジの)コア
66 (バランスフランジの)穴あき部分
68 接続部
70 (半径方向の)第1の方向
72 (半径方向の)第2の方向
74 接合領域
76 フランジの半径方向の自由端
78 通路(スカラップ)
80 半径方向の頂点
84 ねじ
86 ねじ頭部
88 ナット
90 (バランスフランジの)第1の面
92 (バランスフランジの)第2の面
94 第1の凹所
96、99 溝
98 第2の凹所
102 接線方向
104 (接線方向の)第1の方向
106 (接線方向の)第2の方向
108 (通路の)半径方向の端部
110、112 円弧
114 (通路またはスカラップの)対称軸
116、118 (通路またはスカラップの)接線方向の第1の端面
120 ねじの軸

Claims (10)

  1. バランスフランジおよび複数のバランスおもりを備えているターボ機械のロータのバランスシステムであって、
    バランスフランジが、第1の方向において半径方向が接合領域によって画定されている環状のコアを備え、接合領域からフランジの半径方向の自由端に向かって前記第1の方向に複数の貫通路が半径方向に延びており、それぞれの貫通路が、前記接合領域に属する半径方向の頂点を、前記第1の方向と反対の第2の方向に有し、
    バランスおもりが、前記通路のうちの1つを通過する少なくとも1つのねじ/ナットアセンブリによって前記バランスフランジへと固定して取り付けられ、ナットおよびねじ頭部のうちから選ばれた一方の素が、前記バランスフランジの第1の面に押し付けられ、前記バランスおもりが、前記バランスフランジの第1の面とは反対の第2の面に押し付けられ、
    前記貫通路のそれぞれにおいて、前記バランスフランジが自身の第1の面に、前記半径方向の頂点を通過しかつ前記接合領域の両側に広がっている第1の凹所を有し、この第1の凹所が、ナットおよびねじ頭部のうちから選ばれた前記一方の要素に接触せず、さらに前記バランスフランジが自身の第2の面に、前記半径方向の頂点を通過しかつ前記接合領域の両側に広がっている第2の凹所を有し、この第2の凹所が、前記バランスおもりに接触しない、バランスシステム。
  2. 前記貫通路を通過するフランジの断面において、前記接合領域が、環状のフランジの軸を中心とする円の形態をとっている、請求項1に記載のバランスシステム。
  3. 前記貫通路を通過するフランジの断面において、それぞれの貫通路の前記半径方向の頂点が、環状のフランジの軸を中心とする前記円に属する点の形態をとっている、請求項2に記載のバランスシステム。
  4. 前記第1の凹所が、環状のフランジの軸に中心を有する様相で前記第1の面に作られたただ1つの円形の溝で構成され、第2の凹所が、環状のフランジの軸に中心を有する様相で前記第2の面に作られたただ1つの円形の溝で構成されている、請求項2または3に記載のバランスシステム。
  5. それぞれのバランスおもりが、前記貫通路のうちの直接的に隣り合う2つをそれぞれ通過するねじ/ナットアセンブリによって、前記バランスフランジへと取り付けられている、請求項1に記載のバランスシステム。
  6. それぞれの貫通路において、前記ねじ頭部が、前記バランスフランジの第1の面に押し付けられ、前記ナットが、前記バランスおもりに押し付けられている、請求項1に記載のバランスシステム。
  7. それぞれの貫通路が、スカラップまたは穴の形態をとっている、請求項1に記載のバランスシステム。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のバランスシステムを少なくとも1つ備える、ターボ機械のモジュール。
  9. タービンまたはターボ機械の圧縮機である、請求項8に記載のターボ機械のモジュール。
  10. 請求項8または9に記載のモジュールを少なくとも1つ備える、ターボ機械。
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