JP4961076B2 - 回転可能なロール及びこのロールに使用するデフレクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロール本体を備え、このロール本体を温度調節する媒体、特に液体を通過させるための通路がロール本体に付設されている回転可能なロールおよびこのロールに使用するデフレクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなロールは多くの用途、例えば製紙、食料品産業、合成樹脂または鋼の圧延、例えば連続鋳造でのストランド圧延において使用される。この場合、ロール本体が、その温度調節、例えば加熱のために、例えば表面に接近して延びる軸方向の通路を備えている。このようなロールは例えば欧州特許出願公開第0606660号公報から明らかである。
【0003】
孔によって製作可能であるような平行壁を有する通路の場合、媒体特に加熱液体を通過させるために、層流では多量の熱媒体が必要である。更に、流れ横断面の外側範囲だけが通路の壁、ひいてはロールに対して充分な熱を放出する。内側に位置する流れ部分はその大部分が熱エネルギーをほとんど放出しない。これは効率を低下させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の根底をなす課題は、ロール体への媒体の熱伝達が改善されるように、回転可能なロールを形成することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この課題は、請求項1に記載の特徴を有するロールによって解決される。本発明の有利な実施形は請求項2〜12に記載されている。
【0006】
請求項1記載の本発明に係るロールによって、流れは層流と異なるようになる。すなわち、乱流が生じる。この乱流によって、単位時間当たりの、ロール本体の通路を流れる温度調節媒体の流量が減少する。それによって、温度調節媒体、例えば加熱液体が節約される。同時に、ロールへの熱伝達が改善され、温度調節媒体の大部分が通路の壁に接触する。
【0007】
更に、発明の範囲外とはなるが、分離体を設けることによって、通路内の小さな横断面が媒体流れに供されるので、温度調節媒体の速度が高められる。それによって、良好な熱伝達が保証される。更に、このようにして分割された通路を同時に、温度調節媒体のための前進通路部分(供給通路部分)または戻り通路部分として使用可能である。ここで、通路の二分割、三分割または四分割が有利である。それ以上の分割も考えられる。分離体が2条以上のらせん体の形をしていると特に有利である。それによって、らせん部だけによって、温度調節媒体の乱流化が達成される。更に、進むべき距離が長いことによって、温度調節媒体の滞在時間が長くなる。乱流化、滞留時間の増大および通路を狭くすることによる速度上昇は、最適な熱伝達を生じる。
【0008】
デフレクタが組み込み状態で通路の方向に連続する縦方向長さを有すると、変向範囲は通路の長さの大部分にわたって延設可能である。そして、熱伝達が通路の大きな縦方向範囲にわたって改善される。変向範囲を少なくともデフレクタの外側範囲に配置する場合、通路壁に隣接する領域内に、乱流(渦)が発生する。それによって、効率が非常に良好となる。その際、デフレクタは剛性のある縦軸を有し、1つの変向範囲を形成する。
【0009】
変向範囲が周りを流れる媒体を回転させると、きわめて望ましい状態が生じる。これは例えば、縦軸に沿って連続するデフレクタのらせん状の形状によって達成可能である。
【0010】
変向範囲がデフレクタの軸方向長さにわたって変化するピッチを備えていると、異なる強さの温度調節媒体をロール範囲を適切に作用させることができる。
分離体とデフレクタが1つの通路に挿入されていると特に有利である。この場合、分離体はデフレクタの支持体としての働きをしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
他の効果と特徴は、図に示した本発明の対象の実施の形態から明らかである。本発明によるロール(図8に示してある)は、ロールの温度を調節するために、媒体、特に液体のための軸方向の複数の流通通路1,101,201,301,501,601を備えている。この通路はロール内において周囲にわたって分配配置されている。このような通路は例えば孔によって形成可能であり、そして直線的に延長可能である。すべての場合において、1個のロールにこのような複数の通路が設けられている。このようなロール本体は両側にフランジ付きピンを備えている。このフランジ付きピンによって、外部の加熱媒体または冷却媒体の供給装置に接続されている。中空ロール(図8)の場合、中央の軸方向の中空範囲は温度調節媒体用の通路401として利用可能である。この通路401は例えば供給管路(前進管路)としての働きをし、周囲にある通路1,101,201,301,501,601は戻り管路としての働きをするかあるいはその逆の働きをする。中央の通路401は流れ状態を良好に調整するために、デフレクタ405を備えることができる。このデフレクタの外形寸法は中空室の軸方向と半径方向の寸法に適合している。
【0012】
図3には、直線的に延びる通路1が示してある。この通路はロールの一方の側に、流通する媒体のための入口Eを有し、他方の側に出口Aを備えている。
他の実施の形態(図5)の場合、通路101の入口Eと出口Aは通路を取り囲むロールの同じ側に設けられている。入口と出口の反対側に、軸方向の端範囲102があり、この端範囲には通路101の180°の方向変換部が形成されている。それによって、出口A側に生じる戻り通路部分103が形成される。
【0013】
図6のcの実施の形態では、2つの方向変換部202が形成されている。従って通路201の入口側Eと出口側Aはロールの両側に位置している。図6のdでは、3つの方向変換部302が設けられているので、このような通路301の入口Eと出口Aはロール本体の同じ側に位置する。このようなすべての通路1,101,201,301はほぼロール本体の軸方向長さにわたってあるいは全長にわたって形成されている。
【0014】
通路501は、外側に位置する2つの入口管路Eが中央の1つの出口管路Aに案内されるように形成されている。従って、流入口と流出口E,Aの数が異なっている。同じことが図7のbの通路系にも当てはまる。この通路系の場合、流入口と流出口が交替している。図7のcの通路601は3つの入口Eと1つの出口Aを備えているので、この場合でも、流入口Eと流出口Aの数は異なっている。
【0015】
図1に示したデフレクタ5は、その縦軸線6に対して平行に縦方向長さLを有する。デフレクタ5は縦軸線6を取り巻くスクリューとして形成された変向範囲7を有し、この変向範囲は縦軸線6に対して傾斜している。通路1,101,201,301,501,601内の組み込み状態では、変向範囲7は通路1,101,201,301,501,601の壁1aに対して鋭角をなしている。
【0016】
図2のデフレクタ105は剛性を有するように形成された中央軸106を備えている。この中央軸の回りに、らせん状に形成された斜めの変向範囲107が延びている。変向範囲はスクリューのように、デフレクタ105の全長Lにわたってつながっているかあるいは斜めの個々の複数の変向範囲107が設けられている。
【0017】
別の例(本発明の範囲外である)では、デフレクタ205全体がコイルばね状の部材として形成されているので、縦軸線6は変向範囲207によってのみ取り囲まれている。図3,5は、温度調節可能なロール、例えば中空円筒状のロールのロール本体内に配置された通路1または101で使用するときのデフレクタ205を示している。上述のように、このような通路1,101は他の実施の形態の通路と同様に、外側のロール表面の下方にこの表面に接近して設けられている。それによって、効果的な加熱を行うことができる。
【0018】
図示したすべてのデフレクタ5,105,205,405は加熱媒体内に乱流を生じるので、個々の流動媒体部分は通路1,101,201,301,401,501,601内で長い距離を進み、従って滞在時間、ひいてはエネルギー伝達時間が長い。この作用は乱流によって媒体の部分の流速が区域的に増大したときにも引続き得られる。更に、形状が安定していないで流入する媒体によって形成されるこのような変向範囲7,107,207,407を有するデフレクタ5,105,205,405も可能である。それによって、媒体の混沌として流れが生じる。この流れは時間の経過または圧力の変化時に、通過する媒体によって変化し得る。
【0019】
ばねに似たデフレクタまたは異なるように変形可能なデフレクタ205を使用する場合には、運転中、変向範囲207のピッチまたはデフレクタの長さLを変更することができる。それによって乱流の状態と、場合によって付加的に形成される回転に影響を与えることができ、従って流速、流入する液量またはガス量、滞在時間、流入した媒体の乱流に影響を与えることができる。変向範囲7,107,207,407のピッチがデフレクタ5,105,205,405の軸方向の延長状態によって変化し得るので、小さなピッチを有する範囲7aと大きなピッチを有する範囲7bが存在する。同じピッチまたは異なるピッチ7a,7bを有する範囲は更に、互いに空間的に離隔することができる。
【0020】
図9は、通路内に挿入可能な2条ねじ(2条のらせん溝)70の形をした分離体50を示している。その際、一方のらせん溝内では温度調節媒体の前進流れ(往路の流れ)が生じ、他方のらせん溝内では温度調節媒体の戻りが行われる。その際、1つの通路内で往復案内を行うこともできる。更に、一方の通路のらせん溝内で温度調節媒体を前進させ、他方の通路のらせん溝内で温度調節媒体を戻しことができる。更に、1つの通路の両らせん溝に、前進する温度調節媒体または戻る温度調節媒体を供給することができる。この場合、異なる温度調節媒体、すなわち、粘度およびまたは温度およびまたは速度が異なる温度調節媒体を供給することができる。
【0021】
図9では、温度調節媒体を前進させために使用される両らせん溝のリード角が、流れ方向に連続的に小さくなっている。それによって、温度調節媒体の移動距離が長くなり、滞在時間が長くなり、そして速度を高まるので、良好な熱伝達が可能となる。
【0022】
図10は分離体50を示している。この分離体は同時にデフレクタを一体的に備えている。この分離体は通路の一部範囲内に全く任意に配置されている。通路の第2の範囲内には、連続的に変化するピッチを有するデフレクタが設けられている。
【0023】
コンピュータ支援のシミュレーションによって、このようなデフレクタおよびまたは分離体の最適化が達成可能であるので、熱放出はロール本体の軸方向長さ全体にわたってできるだけ均一に行われる。ピッチ7a,7bが変化する場合、代替的に、区域的に制御可能な熱放出が可能である。
【0024】
図示したデフレクタ5,105,205,405と分離体は任意の他の形状を有していてもよい。デフレクタと分離体は後で通路1,101,201,301,401,501,601に挿入可能である。それによって、組み立てが非常に容易になる。これにより、慣用のロールも装備変更可能である。
【0025】
変向範囲7,107,207,407は必ずしも、図示した実施の形態のように媒体を回転させる必要はない。しかし、これは温度調節すべきロールの通路内での乱流の均一で予測可能な連続を可能にする。
【0026】
デフレクタ5,105,205,405およびまたは分離体は、使用される媒体に応じて、異なる材料で形成可能である。例えば、腐食性媒体を使用する場合には、特殊鋼または合成樹脂によって形成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクリュー状に形成されたデフレクタを示す図である。
【図2】剛性を有する中央の縦軸上に、スクリューが配置されている、図1と類似のデフレクタを示す図である。
【図3】例えばロール本体内の孔として形成された直線的な加熱通路を示す図である。
【図4】全体がコイルばねのように形成されたデフレクタを示す図である。
【図5】180°だけ方向変換し、流入口と流出口が同じロール側に設けられている。加熱通路を示す図である。
【図6】aは複数のいわゆる単一通過型通路の平行配置構造を示す図、bは流入口と流出口が一方の側に設けられている二重通過型構造を示す図、cは2つの方向変換部を有する三重通過型構造を示す図、dは通路がそれぞれ180°だけ3回方向変換する四重通過型構造を示す図である。
【図7】aは2つの流入口が1つの流出口に接続する構造を示す図、bは1つの流入口が2つの流出口に接続する逆の配置構造を示す図、cは3つの流入口が1つの流出口に接続する構造を示す図である。
【図8】温度調節媒体のための流通通路として使用される中央の中空室を備え、この中空室内にデフレクタが挿入されている、ロールの概略的な断面図である。
【図9】らせん体のリード角が流れ方向に連続的に小さくなっている、2条ねじのらせん体の形をした分離体を示す図である。
【図10】同時にデフレクタを備えた分離体を示す図である。
【符号の説明】
1,101,201,301,401,501,601 通路
5,105,205,405 デフレクタ
6 縦軸
7,107,207,407 変向範囲
7a,7b 変向範囲
50 分離体
60 条片
70 らせん体
102,202,302 方向変換部
103,203,303 戻り部通路部分
L 縦方向長さ
Claims (12)
- ロール本体を備え、このロール本体を温度調節する液体を通過させるための複数の通路(1;101;201;301;401;501;601)がロール本体内にてその軸線方向に平行に形成されている、回転可能なロールにおいて、剛性を有する中央軸として形成された縦軸(6)を有し上記液体に作用するデフレクタ(5;105;205;405)が、上記通路の少なくとも一部範囲に挿入され、上記デフレクタが組み込み状態で、通路の壁範囲(1a)に対して鋭角をなす変向範囲(7;107;207;407)を少なくとも部分的に備え、この変向範囲が上記縦軸(6)を取り囲み、ほぼ軸方向に向いた温度調節液体流れを、付加的な流れ方向に案内することを特徴とするロール。
- 変向範囲(7;207)がデフレクタ全体を取り囲んでいることを特徴とする請求項1記載のロール。
- 変向範囲(7;107;207;407)がその周りを流れる媒体を回転させることを特徴とする請求項1または2に記載のロール。
- 変向範囲がデフレクタ(5;105;205;405)の縦方向(L)に傾斜したらせんの形をしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のロール。
- 変向範囲(7;107;207;407)がスクリューとして形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のロール。
- 少なくとも1つの通路(101;201;301;501;601)が軸方向端部範囲に、180°の方向変換部(102;202;302)と、平行な戻り部(103;203;303)を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のロール。
- 少なくとも1つの通路(201;301;501;601)が複数の方向変換部(202;302)を備えていることを特徴とする請求項6に記載のロール。
- 少なくとも1つの通路(501;601)が異なる数の媒体用流入口(E)と流出口(A)を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のロール。
- デフレクタ(5;105;205;405)が異なるピッチの変向範囲(7a;7b)を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のロール。
- デフレクタ(5;105;205;405)の縦軸線(6)がその長さに沿ってその直径の偏差を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のロール。
- 変向範囲(7;7a;7b)の間隔が互いに異なる寸法を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のロール。
- デフレクタ(405)が、混沌とした流れを生じるために、統計的に任意の方向に向いた変向面範囲を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のロール。
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