この発明は、放射線をイメージングする放射線断層撮影装置に関し、特に、ブロック状の放射線検出器をリング状に配列した放射線断層撮影装置に関する。
医療分野において、被検体に投与されて関心部位に局在した放射性薬剤から放出された消滅放射線対(例えばγ線)を検出し、被検体の関心部位における放射性薬剤分布の断層画像を得る放射線断層撮影装置(ECT:Emission ComputedTomography)に使用されている。ECTには、主なものとして、PET(PositoronEmissionTomography)装置、SPECT(SinglePhotonEmissionComputedTomography)装置などが挙げられる。
PET装置を例にとって説明する。PET装置は、ブロック状の放射線検出器をリング状に配列した検出リングを有する。この検出リングは、被検体を包囲するために設けられているものであり、被検体を透過してきた放射線を検出できる構成となっている。
このようなPET装置の検出リングに配備される放射線検出器には、分解効率を高めるため、放射線検出器に設けられたシンチレータの深さ方向の位置弁別が可能な構成となっているものがしばしば搭載される。まずは、従来のPET装置の構成について説明する。図21に示すように、従来のPET装置50は、被検体を導入する導入孔を備えたガントリ51と、ガントリ51の内部に、放射線を検出するブロック状の放射線検出器52を導入孔を囲むように配列して形成された検出リング53と、検出リング53を囲むように設けられた支持部材54とを有している。そして、放射線検出器52の各々について、その支持部材54の介在する位置にブリーダ回路を備えたブリーダユニット55が設けられており、これが支持部材54と放射線検出器52とを連結している。このブリーダユニット55は、放射線検出器52における後述の光検出器62と結合している。
次に、放射線検出器52の構成について説明する。図22に示すように、従来の放射線検出器52は、放射線を蛍光に変換するシンチレータ61と、蛍光を検出する光電子増倍管(以下、光検出器と呼ぶ)62を備えている。シンチレータ61は、直方体状のシンチレータ結晶63が3次元的に配列されたものであり、光検出器62は、蛍光がいずれのシンチレータ結晶63から発したものであるのか弁別できるようになっている。すなわち、放射線検出器52は、放射線がシンチレータ61のどこに入射したのか弁別ができるようになっている。
PET装置50は、消滅放射線対を検出することによって被検体の関心部位をイメージングする。すなわち、PET装置50に挿入された被検体の体内に局在する放射性薬剤は、互いに方向が反対方向の消滅放射線対を出射する。この消滅放射線対は、2つの異なるシンチレータ61で検出されることになる。しかしながら、シンチレータ61の全てにわたって、それらの放射線の検出効率が均一であるとは限らない。この検出効率のムラは、放射線断層画像の視認性を悪化させる。
そこで、従来のPET装置50においては、ファン・サム法を用いて、シンチレータ61の各々における放射線の検出効率のムラを予め計測しておく。そして、被検体に投与された放射性薬剤から出射した消滅放射線対が1対のシンチレータ61で検出した際に、前もって取得しておいた検出効率のムラを参照して、シンチレータ61の各々における放射線の検出効率のムラをキャンセルする構成となっている。この様な構成は、例えば、非特許文献1に記載されている。
「アイ・イー・イー・イー・トランスアクション・オン・ニュークリア・サイエンス」(IEEE TRANSACTIONS ON NUCLEAR SCIENCE)(米国)1999年8月、第46巻、第4号、p.1062−1069
しかしながら、従来の構成によれば、ファン・サム法は、放射線検出器がリング状に配列した検出リングにしか使用することができない。つまり、放射線検出器がC形状に配列された乳房検査用のマンモPETには、このファン・サム法を単純に適応することができないので、必然的に、乳房検査用のマンモPETにおいて、シンチレータ61の各々における放射線の検出効率のムラを十分に計測しておくことができない。
ここで、従来のファン・サム法について簡単に説明する。図23は、従来のファン・サム法を説明する概念図である。シンチレータ結晶Caの放射線の検出効率を知りたい場合、シンチレータ結晶Caと対向するシンチレータ結晶C1〜シンチレータ結晶Cnを用いる。すなわち、ガントリの内部に消滅放射線対を出射する放射性物質を導入した状態で、図23に示すように、対をなしている消滅放射線対の放射線のうちの一方がシンチレータ結晶Caに入射し、もう一方がシンチレータ結晶C1〜シンチレータ結晶Cnのいずれかに入射した時の関連データを用いて、シンチレータ結晶Caの放射線の検出効率を知るわけである。上述のシンチレータ結晶の組み合わせ以外に由来する放射線関連データは、シンチレータ結晶Caの放射線の検出効率を知りたい場合は、使用しない。シンチレータ結晶Caと、シンチレータ結晶C1〜シンチレータ結晶Cnのいずれかを線で結んでいくと、ファン状となる。これを、ファン領域と呼ぶ。
そして、シンチレータ結晶Caの検出効率が判明すると、今度は、同様な方法でシンチレータ結晶Caの隣のシンチレータ結晶についての放射線の検出効率を求める。こうして、全てのシンチレータ結晶についての放射線の検出効率が得られる。これにより、シンチレータ結晶の各々における放射線の検出効率のムラがわかる。
図23(a)におけるシンチレータ結晶Cpとシンチレータ結晶Cqは、互いに向き合っているシンチレータ結晶となっている。そして、シンチレータ結晶Cpを中心とするファン領域の形状と、シンチレータ結晶Cqを中心とするファン領域の形状は、同一となっている。すなわち、シンチレータ結晶Caのファン領域と同一の形状である。シンチレータ結晶が円環状に配列されているからである。このように、ファン・サム法においては、全てのシンチレータ結晶が回転対称となっているので、各シンチレータ結晶における検出効率の測定条件の均一性が担保される。
ところが、乳房検診用のマンモPETにおいては、放射線検出器がC形状に配列される。マンモPETは、診断に好適な放射線断層画像を取得するには、被検体の関心部位をより深くガントリ51の開口に挿入させる必要がある。そのために、被検体の腕部をよりガントリ51に密着させることがより望ましい。したがって、ガントリ51はC形状となっている。検出リング12もガントリ51の形状に倣うしかなく、円環状に放射線検出器を設けることができない。したがって、マンモPETの放射線検出器は、C形状に配列されるのである。
この様な場合、図23(b)におけるシンチレータ結晶Cpとシンチレータ結晶Cqは、互いに向き合っているシンチレータ結晶となっている。この場合は、シンチレータ結晶Cpを中心とするファンの形状と、シンチレータ結晶Cqを中心とするファンの形状は、同一とはなってはいない。放射線検出器がC形状に配列されているので、シンチレータ結晶の配列の回転対称性が乱されているからである。
ファン・サム法におけるシンチレータ結晶の放射線の検出効率は、シンチレータ結晶の各々における放射線の検出効率のムラを知るために行うのであるから、上述のように、シンチレータ結晶Cpを中心とするファンの形状と、シンチレータ結晶Cqを中心とするファンの形状とが同一となってはいないことは、シンチレータ結晶の各々における放射線の検出効率のムラを正確に知ることができないことを示している。シンチレータ結晶Cpにおける放射線の検出効率を知るためのファン領域と、シンチレータ結晶Cqにおけるそれとが異なっているからである。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、放射線検出器がC形状に配列したとしても、シンチレータ結晶の検出効率を測定する際に、その測定条件の均一性を担保し、各シンチレータ結晶における放射線の検出効率のムラを正確に取得することができる放射線断層撮影装置を提供することにある。
この発明は、この様な目的を達成するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明は、放射線を検出する放射線検出素子が弧状に配置された検出リングと、第1放射線検出素子、および第2放射線検出素子とが同時に放射線を検出した回数である同時イベント数を計数する同時計数手段と、第1放射線検出素子、および第2放射線検出素子とを結んだ線分である位置情報を出力する位置特定手段と、同時イベント数と、それに対応する位置情報とが関連付けられた関連データを記憶する関連データ記憶手段とを備えた放射線断層撮影装置において、検出リングは、放射線を検出する放射線検出素子が配列された配列部分と、放射線検出素子が配列されていない欠損部分とを有し、関連付けられた関連データを基に、第1放射線検出素子が欠損部分にあったと仮定した時の同時イベント数とそれに対応する位置情報とを求め、それを関連データ記憶手段に追加して記憶することで欠損部分の関連データを補完する関連データ補完手段と、関連データと、補完により形成された関連データとを用いて検出リングに配置された各放射線検出素子の放射線の検出効率を得る検出効率取得手段と、放射線の検出効率を基に放射線断層画像を補正する補正手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明の構成の検出リングは、放射線検出素子が配列されていない欠損部分を有している。つまり、検出リングを構成する放射線検出素子の配列の回転対称性は、乱されたものとなっている。この様な構成にファン・サム法を従来どおりに当てはめると、放射線検出素子によって、ファン・サム法のファン領域の形状が互いに異なっているので、検出効率は、異なった条件で算出される。したがって、算出された検出効率は、実際の放射線検出素子の検出効率を忠実に再現したものとはならない。しかし、本発明は、関連データ補完手段を備えている。関連データ補完手段は、検出リングに実際に備えられた第1放射線検出素子が欠損部分にあったと仮定した時の関連データを形成し、それを関連データ記憶手段に追加して記憶することで欠損部分の関連データを補完する。こうして、関連データ補完手段は、欠損部分に放射線検出素子が配列したと仮定した時に得られるであろう位置情報とそれに対応した同時イベント数を取得する。この様な構成としたうえで、ファン・サム法を用いて検出効率の算出を行うと、放射線検出素子によって、ファン・サム法のファン領域の形状が一定となる。欠損部分が関係して実測することができない位置情報とそれに対応した同時イベント数(関連データ)が補完されているからである。したがって、本発明において算出される放射線検出素子の検出効率は、より現実の検出効率を忠実に再現したものとなる。このような検出効率を用いて、放射線断層画像の重み付け処理を行えば、放射線断層画像に重畳した放射線検出素子の各々における放射線の検出効率のムラが確実に除去される。こうして、本発明によれば、診断に好適な放射線断層画像が生成できる放射線断層撮影装置が提供できる。
また、上述の関連データ補完手段は、関連データ記憶手段で記憶された関連データを複製して、その複製を欠損部分で計数されたものとすることにより、第1放射線検出素子が欠損部分にあったと仮定したときの同時イベント数とそれに対応する位置情報を求めて補完すれば、より望ましい。
[作用・効果]上記構成によれば、関連データ記憶手段で記憶された関連データを複製して、その複製を欠損部分で計数されたものとすることにより、上述のような補完を行う。上記構成によれば、既に関連データ記憶部で記憶された関連データを使用するので、欠損部分の関連データは、確実に補完されることになる。
また、上述の関連データ補完手段による欠損部分における同時イベント数とそれに対応する位置情報の補完は、第1放射線検出素子、および第2放射線検出素子の相対位置を保持した状態で両者を仮想的に回転させて、第1放射線検出素子が欠損部分にあったと仮定することによってなされればより望ましい。
[作用・効果]上記構成は、関連データの補完方法を更に具体的なものとしている。すなわち、上記構成は、検出リングに属する第1放射線検出素子、および第2放射線検出素子の相対位置を保持した状態で両者を仮想的に回転させて、第1放射線検出素子が欠損部分にあったと仮定する。つまり、検出リングに属する第1放射線検出素子、および第2放射線検出素子で実測された同時イベント数を欠損部分における同時イベント数とすることで、簡単に関連データ補完手段による補完が完了する。
また、上述の関連データ補完手段は、複数の同時イベント数を平均して、その平均を欠損部分で計数されたものとすることにより、第1放射線検出素子が欠損部分にあったと仮定した時の同時イベント数を補完する構成とすることもできる。
[作用・効果]上記構成も、関連データの補完方法を具体的なものとしている。複数の同時イベント数を平均して、その平均を欠損部分で計数されたものとすることにより、関連データ補完手段による補完が行われる。上記構成による補完は、単一の関連データを基に欠損部分の関連データを補完するのではなく、複数の関連データを基に欠損部分の関連データを補完するので、より確実な補完が可能となっている。
また、上述の関連データ補完手段による欠損部分における同時イベント数の補完は、第1放射線検出素子、および第2放射線検出素子の相対位置を保持した状態で両者を仮想的に回転させていき、第1放射線検出素子、および第2放射線検出素子との位置関係と回転対称となっている放射線検出素子の対である回転対称放射線検出素子対を収集し、回転対称放射線検出素子対に対応する同時イベント数を平均するとともに、平均値を第1放射線検出素子が欠損部分にあったと仮定したときの同時イベント数とすることによりなされるように構成することもできる。
[作用・効果]上記構成は、複数の関連データを用いて欠損部分の関連データを補完する場合の具体的な構成を表している。すなわち、すなわち、第1放射線検出素子、および第2放射線検出素子の相対位置を保持した状態で両者を仮想的に回転させていき、回転対称放射線検出素子対を収集する。この回転対称放射線検出素子対における同時イベント数は、第1放射線検出素子、および第2放射線検出素子の対における同時イベント数と同様であると見なせる。放射線検出素子対の位置関係が同一となっているからである。この様な回転対称放射線検出素子対における同時イベント数を平均していけば、確実に欠損部分の関連データの補完にふさわしい同時イベント数を求めることができる。
[作用・効果]上記構成によれば、配列部分に配列された放射線検出素子の検出効率をより忠実に求めることができる。すなわち、検出効率取得手段は、いったん求めた放射線検出素子の検出効率を基に、再び放射線検出素子の検出効率を更新するので、得られる検出効率は、より実際の検出効率に近い値をとる。
また、上述の放射線検出素子は、円または多角形に沿って少なくとも弧状に配列されて放射線検出素子が一列に並んだ単位検出リングを構成し、複数の単位検出リングが積層されて、検出リングが形成されていればより望ましい。
[作用・効果]上記構成によれば、感度が強化された放射線断層撮影装置が提供できる。すなわち、上記構成は、複数の単位検出リングを有する。したがって、被検体の放射線断層撮影において、より多くの消滅放射線対を観測することができる。したがって、上記構成によれば、感度が強化された放射線断層撮影装置が提供できる。
また、上述の検出リングは、検出素子が弧状に並んだ単位検出リングが積層されることで形成され、関連データ補完手段による欠損部分における同時イベント数の補完は、単位検出リングを構成する放射線検出素子から得られた同時イベント数を補正して、それらを平均して同時イベント数平均値を求め、これを欠損部分で計数されたものとすることによりなされ、検出効率取得手段は、配列部分に配列されている放射線検出素子の検出効率をいったん所定の数値とするとともに、欠損部分にあったと仮定された放射線検出素子の検出効率を所定の数値とし、補正された同時イベント数と同時イベント数平均値とを基に放射線検出素子の検出効率を求め、求められた放射線検出素子の検出効率と欠損部分にあったと仮定された放射線検出素子の検出効率とを基に配列部分に配列されている放射線検出素子の検出効率を再び求め、その際に、欠損部分で計数されたと仮定する同時イベント数は、最初に求めた同時イベント数平均値に、前の計算で求められた放射線検出素子の検出効率を掛け合わせたものとする。また、欠損部分にあったと仮定された放射線検出素子の検出効率は、所定の数値のまま変更しない構成としてもよい。
また、上述の検出リングは、離間した複数個の欠損部分を有する構成とすることもできる。
[作用・効果]上記構成によれば、多様な放射線断層撮影装置が提供できる。離間した複数個の欠損部分を有するということは、言い換えれば、欠損部分によって分断された複数個の配列部分を有することでもある。この様な構成は、放射線断層撮影装置においてしばしば採用される。上記のような構成であっても、放射線検出素子の各々の検出効率は、より忠実に算出される。
本発明の構成の検出リングは、放射線検出素子が配列されていない欠損部分とを有している。そして、本発明は、関連データ補完手段を備えている。関連データ補完手段は、検出リングに実際に備えられた第1放射線検出素子が欠損部分にあったと仮定した時の関連データを形成し、それを関連データ記憶手段に追加して記憶することで欠損部分の関連データを補完する。こうして、関連データ補完手段は、欠損部分に放射線検出素子が配列したと仮定した時に得られるであろう位置情報とそれに対応した同時イベント数を取得する。
この様な構成としたうえで、ファン・サム法を用いて検出効率の算出を行うと、放射線検出素子によって、ファン・サム法のファン領域の形状が一定となる。欠損部分が関係して実測することができない位置情報とそれに対応した同時イベント数(関連データ)が補完されているからである。このような検出効率を用いて、放射線断層画像の重み付け処理を行えば、放射線断層画像に重畳した放射線検出素子の各々における放射線の検出効率のムラが確実に除去される。こうして、本発明によれば、診断に好適な放射線断層画像が生成できる放射線断層撮影装置が提供できる。
また、本発明は関連データ記憶手段で記憶された関連データを複製して、その複製を欠損部分で計数されたものとすることにより、上述のような補完を行う構成とすることもできる。上記構成によれば、既に関連データ記憶部で記憶された関連データを使用するので、欠損部分の関連データは、確実に補完されることになる。
実施例1に係る放射線検出器の斜視図である。
実施例1に係る放射線断層撮影装置の構成を説明する一部破断面図である。
実施例1に係る放射線検出器群の構成を説明する分解斜視図である。
実施例1に係る検出リングの構成を説明する平面図である。
実施例1に係る放射線断層撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。
実施例1に係る検出効率マップの取得方法を説明するフローチャートである。
実施例1に係る単位検出リングの構成を説明する模式図である。
実施例1に係る検出効率取得部の動作を説明する概念図である。
実施例2に係る関連データ補完ステップを説明する模式図である。
実施例1,実施例2の構成に係る補完の効果について説明するシミュレーション結果である。
実施例1,実施例2の構成に係る補完の効果について説明するシミュレーション結果である。
実施例1,実施例2の構成に係る補完の効果について説明するシミュレーション結果である。
実施例1,実施例2の構成に係る補完の効果について説明するシミュレーション結果である。
実施例3に係る放射線断層撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。
実施例3の構成に係る補完の効果について説明するシミュレーション結果である。
実施例3に係る検出効率を比較するシミュレーション結果である。
実施例3に係る検出効率を比較するシミュレーション結果である。
実施例3に係る検出効率を比較するシミュレーション結果である。
実施例3に係る検出効率を比較するシミュレーション結果である。
本発明の1変形例に係る検出リングの構成を説明する平面図である。
従来の放射線断層撮影装置の構成を説明する一部破断面図である。
従来の放射線断層撮影装置の構成を説明する斜視図である。
従来のファン・サム法を説明する概念図である。
符号の説明
C シンチレータ結晶(放射線検出素子)
S 配列部分
T 欠損部分
12 検出リング
12a 単位検出リング
24 同時計数部(同時計数手段)
26 LOR特定部(位置特定手段)
30 関連データ補完部(関連データ補完手段)
31 関連データ記憶部(関連データ記憶手段)
32 検出効率取得部(検出効率取得手段)
以下、本発明に係る放射線断層撮影装置の各実施例を図面を参照しながら説明する。
まず、実施例1に係る放射線断層撮影装置の説明に先立って、実施例1に係る放射線検出器1の構成について説明する。図1は、実施例1に係る放射線検出器の斜視図である。図1に示すように、実施例1に係る放射線検出器1は、シンチレータ結晶層2D,シンチレータ結晶層2C,シンチレータ結晶層2B,およびシンチレータ結晶層2Aの順にシンチレータ結晶層の各々がz方向に積層されて形成されたシンチレータ2と、シンチレータ2の下面に設けられ、シンチレータ2から発する蛍光を検知する位置弁別機能を備えた光電子増倍管(以下、光検出器とよぶ)3と、シンチレータ2と光検出器3との間に介在する位置には、蛍光を授受するライトガイド4とを備える。したがって、シンチレータ結晶層の各々は、光検出器3に向かう方向に積層されて構成されている。また、シンチレータ結晶層2Aは、シンチレータ2における放射線の入射面となっている。なお、各々のシンチレータ結晶層2A,2B,2C,2Dは、光学的に結合され、各々の層間には、透過材tが設けられている。この透過材tの材料としては、シリコン樹脂からなる熱硬化性樹脂が使用できる。シンチレータ結晶層2Aは、放射性線源から放射されるγ線の受光部となっており、ブロック状のシンチレータ結晶がシンチレータ結晶a(1,1)を基準としてx方向に32個、y方向に32個マトリックス状に二次元配置された構成となっている。すなわち、シンチレータ結晶a(1,1)〜シンチレータ結晶a(1,32)がy方向に配列して、シンチレータ結晶アレイを形成し、このシンチレータ結晶アレイがx方向に32本配列してシンチレータ結晶層2Aが形成される。なお、シンチレータ結晶層2B,2C,および2Dについてもシンチレータ結晶がシンチレータ結晶b(1,1)、c(1,1)、およびd(1,1)のそれぞれを基準としてx方向に32個、y方向に32個マトリックス状に二次元配置された構成となっている。なお、シンチレータ結晶層2A,2B,2C,2Dの各々において、透過材tが互いに隣接するシンチレータ結晶の間にも設けられている。したがって、シンチレータ結晶の各々は、透過材tに取り囲まれていることになる。この透過材tの厚さは、25μm程度である。なお、γ線は、本発明の放射線に相当する。また、シンチレータ結晶は、本発明の放射線検出素子に相当する。
また、シンチレータ2に備えられたシンチレータ結晶層2A,2B,2C,2Dには、x方向に伸びた第1反射板rと、y方向に伸びた第2反射板sとが設けられている。この両反射板r,sは、配列されたシンチレータ結晶の隙間に挿入されている。
シンチレータ2は、γ線の検出に適したシンチレータ結晶が3次元的に配列されて構成されている。すなわち、シンチレータ結晶は、Ceが拡散したLu2(1−X)Y2XSiO5(以下、LYSOとよぶ)によって構成されている。シンチレータ結晶の各々は、シンチレータ結晶層に係らず、例えば、x方向の長さが1.45mm,y方向の幅が1.45mm,z方向の高さが4.5mmの直方体をしている。また、シンチレータ2の4側端面は、図示しない反射膜で被覆されている。また、光検出器3は、マルチアノードタイプであり、入射した蛍光のx,およびyについての位置を弁別することができる。
次に、実施例1に係る放射線断層撮影装置10の構成について説明する。図2は、実施例1に係る放射線断層撮影装置の構成を説明する一部破断面図である。図2に示すように、実施例1に係る放射線断層撮影装置10は、被検体を導入する開口を有するガントリ11と、ガントリ11の内部に設けられた、ガントリ11の開口を包含するように設けられたC形状に放射線検出器が配列した検出リング12を有する。この検出リング12は、ブロック状の放射線検出器1p,1qが弧状に配列されて構成されている。被検体から照射されたγ線は、この検出リング12に入射する。そして、放射線断層撮影装置10は、入射したγ線の強度や、入射時間、入射位置が検出リング12により特定される構成となっている。なお、検出リングは、本発明の放射線検出器群に相当する。なお、実施例1に係るガントリ11は、検出リング12の形状に沿った弧状となっている。
そして、実施例1に係る放射線断層撮影装置10においては、ガントリ11の外部に由来する放射線が検出リング12に進入するのを防止するC形状の遮蔽体13を有している。この遮蔽体13は、検出リング12の有する平面となっている1側端を覆うように配設されている。具体的には、遮蔽体13は、検出リング12の有する平面となっている1対の側端のうち、放射線断層撮影装置10における被検体Mの関心部位を導入する開口に隣接した1側端に設けられている。言い換えれば、遮蔽体13は、検出リング12を軸方向に延長するように設けられている。つまり、ガントリ11の外部に位置する被検体Mの関心部位B以外の部位と、検出リング12とは、このリング状の遮蔽体13によって隔てられていることになる。なお、遮蔽体13は、例えば、タングステンなどで構成される。
検出リング12の構成について説明する。図3は、実施例1に係る放射線検出器群の構成を説明する分解斜視図である。図3に示すように、検出リング12は、C形状となっている底板14の形状に沿って複数の検出器ユニット15が弧状に配列されて構成される。検出器ユニット15は、2つの放射線検出器1と、L型の保持部材16とを有している。保持部材16は、主板16aを有し、そこで放射線検出器1を保持している。なお、図3においては、7個の検出器ユニット15が正8角形の各辺に沿って弧状に配列されている。これは、図面を簡潔な基とするためである。実施例1の実際の形状は、12個の検出器ユニット15が正14角形の各辺に沿って弧状に配列されている。
検出リング12をx方向から見たとき、検出器ユニット15に備えられたシンチレータ2が底板14の内部方向に向くように配列されている。したがって、検出リング12の内部は、シンチレータ2によって覆われていることになる。なお、検出器ユニット15は、後述の副板16bを介して底板14にボルトとナットで締結されている。また、副板16bには、ボルトを挿通させるための穴16cが設けられている。そして、底板14には、このボルトが貫通する長孔14aが検出器ユニット15のそれぞれについて備えられている。なお、実施例1の構成では、12個の検出器ユニット15が弧に沿って配列されている。具体的には、12個の検出器ユニット15は、正14角形の各辺に沿って配列される。
図4は、実施例1に係る検出リングの構成を説明する平面図である。すなわち、検出リング12を軸方向から見たとき、図4に示すように、12個の放射線検出器1が正14角形の各辺に沿って弧状に配列した配列部分Sと、放射線検出器1を有しない欠損部分Tとを有している。この弧の曲率中心を曲率中心Dとする。
放射線断層撮影装置10の具体的な構成について更に説明する。図5は、実施例1に係る放射線断層撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。図5に示すように、実施例1に係る放射線断層撮影装置10は、ガントリ11と、ガントリ11の内部に設けられたC形状の検出リング12と、ガントリ11の外部に由来する放射線が検出リング12に進入するのを防止するC形状の遮蔽体13と、検出リング12の内面側に設けられたγ線ファンビームを照射する外部線源17と、これを駆動する外部線源駆動部18とを備える。なお、外部線源駆動部18は、外部線源駆動制御部19にしたがって制御される。また、放射線断層撮影装置10は、さらに被検体Mの関心部位Bの断層画像を取得するための各部が更に設けられている。具体的には、放射線断層撮影装置10は、検出リング12からのγ線の検出位置、検出強度、検出時間を表すγ線検出信号を受信し、消滅γ線対の同時計数を行う同時計数部24と、同時計数部24にて消滅γ線対であると判断された2つのγ線検出データからLORを特定するLOR特定部25と、取得されたエミッションデータ、およびトランスミッションデータの放射線検出強度の重み付けを行う重み付け部26と、後述のトランスミッションデータを参照してγ線の吸収補正を行う吸収補正部27と、関心部位Bの放射線断層画像を形成する画像形成部28とを備えている。なお、LOR特定部は、本発明の位置特定手段に相当する。
放射線断層撮影装置10が有する検出効率マップを取得するのに必要な各構成について説明する。図5に示すように、実施例1に係る放射線断層撮影装置10は、後述の関連情報を記憶する関連データ記憶部31と、シンチレータ結晶が欠損部分Tにあったと仮定したときの同時イベント数を求めて欠損部分Tにおける同時イベント数を補完する関連データ補完部30と、同時イベント数と補完された同時イベント数とを用いて検出リングに配置された各放射線検出素子の放射線の検出効率を得る検出効率取得部32とを有している。なお、関連データ補完部、関連データ記憶部、および検出効率取得部は、本発明の関連データ補完手段、関連データ記憶手段、および検出効率取得手段の各々に相当する。
そしてさらに、実施例1に係る放射線断層撮影装置10は、外部線源駆動制御部19などを統括的に制御する主制御部40と、放射線断層画像を表示する表示部41とを備えている。この主制御部40は、CPUによって構成され、各種のプログラムを実行することにより外部線源駆動制御部19および同時計数部24,LOR特定部25,吸収補正部27,および画像形成部28,関連データ補完部30,検出効率取得部32とを実現している。
放射線断層撮影装置10は、ファン・サム法に基づいてシンチレータ結晶の各々における放射線の検出効率のムラを検出できるようになっている。つまり、検出リング12の全体における放射線の検出効率の分布がマッピングされた検出効率マップを形成し、この検出効率マップに基づいて重み付け部26は、エミッションデータ、およびトランスミッションデータの放射線検出強度の重み付けを行うことになる。
検出効率について説明する。シンチレータ結晶Cについて同一条件で放射線が入射しても、放射線を検出する能力は、実際には理想よりも低い場合があり、シンチレータ結晶Cの間でバラついたものとなっている。この原因としては、シンチレータ結晶Cの角部が欠けるなどのシンチレータ結晶Cの形状に由来するものであったり、透過材tに異物が混入していることなどが挙げられる。また、シンチレータ2におけるシンチレータ結晶Cの位置によっても、放射線を検出する能力は、バラつく。すなわち、シンチレータ2の周縁部に近づくほど、放射線を検出する能力は、低下する。そこで、このシンチレータ結晶Cの放射線を検出する能力を示す指標として、検出効率を用いる。検出効率は、シンチレータ結晶Cが放射線を検出する能力の差異を補正して、均一なものとするのに使用される。
以下、この様な放射線断層撮影装置10の動作について説明する。実施例1の放射線断層撮影装置10において被検体の放射線断層画像を取得するには、まず検出効率マップが必要となる。そこで、まずは、この検出効率マップを取得するまでの各ステップについて説明する。
実施例1に係る検出効率マップの取得方法は、図6に示すように、ガントリ11の内部に、ファントム45を載置する放射線源載置ステップS1と、ファントム45から出射する消滅放射線対を検出リング12に検出させる検出ステップS2,前ステップで得られた同時イベント数とそれに対応するLORを基に、欠損部分Tにシンチレータ結晶Cがあったと仮定したときの同時イベント数を形成し、欠損部分Tの同時イベント数を補完する関連データ補完ステップS3と、同時イベント数と補完により形成された同時イベント数とを用いて検出リング12に配置された各シンチレータ結晶Cの放射線の検出効率を得る検出効率取得ステップS4と、検出リング12における各シンチレータ結晶Cの配列に合わせて各検出効率をマッピングし、検出効率マップを形成する検出効率マップ形成ステップS5とを有している。以降、これらの各ステップについて、順を追って説明する。
<放射線源載置ステップS1>
まず、ガントリ11の開口部にファントム45を挿入する。このファントム45には、陽電子放出核種を含んでいるので、ファントム45からは、互いに反対方向に進む1対の消滅放射線がガントリ11に向かって放射される。なお、このとき、検出効率の取得に邪魔な外部線源17は、図示しない遮蔽庫に格納されている。
<検出ステップS2>
検出ステップS2の説明に先立って、LOR(lineofresponse)について説明する。検出リング12は、第1シンチレータ結晶Cと、第2シンチレータ結晶Cとを有するものとする。ファントム45から発射する消滅放射線対の一方は、第1シンチレータ結晶Cに当たり、もう一方は、および第2シンチレータ結晶Cに当たって蛍光に変換される。つまり、消滅放射線対は、この第1シンチレータ結晶、第2シンチレータ結晶Cを結ぶ線分に含まれるいずれかの点から発射したことがわかる。このシンチレータ結晶同士を結ぶ線分をLORと呼ぶ。なお、LORは、本発明の位置情報に相当する。このLORの特定は、LOR特定部25によって行われる。
γ線検出データは、同時計数部24に送出される。同時計数部24では、所定の時間的な幅を有するタイムウィンドウの中に第1シンチレータ結晶Ca,および第2シンチレータ結晶Cbで放射線が検出された場合、両シンチレータ結晶Ca,Cbで同時に放射線が検出されたとする。そして、この一対の放射線は、進行方向が互いに反対方向となっている消滅放射線対であったものと認定する。このように、第1シンチレータ結晶Ca,および第2シンチレータ結晶Cbで同時に放射線を検出することを同時イベントと呼ぶ。そして、同時計数部24は、第1シンチレータ結晶Ca,および第2シンチレータ結晶Cbにて消滅放射線対が1回検出したものとして、そのカウント数を関連データ記憶部31に送出する。こうして、第1シンチレータ結晶Ca,および第2シンチレータ結晶Cbのペアにおける同時イベントが起こった回数である同時イベント数が関連データ記憶部31にて記憶される。これと同時に、この送出された同時イベント数に対応するLORがLOR特定部25から関連データ記憶部31に送出される。つまり、関連データ記憶部31においては、同時イベント数は、第1シンチレータ結晶Ca,および第2シンチレータ結晶CbのペアにおけるLORと関連付けて記憶される。関連データ記憶部31においては、第1シンチレータ結晶Ca,および第2シンチレータ結晶Cbのペアに限らず、考えられるシンチレータ結晶ペアの全てについて、それらの同時イベント数とそれに対応するLORが記憶される。この同時イベント数とそれに対応するLORが関連付けられて形成される情報を関連データと呼ぶ。
検出ステップS2においては、ファントム45から出射される1対の消滅放射線を計測する。消滅放射線対の発生点は、ファントム45の横断面の全域に分布している。したがって、検出ステップS2で得られたLORをファントム45の断面図に描画していくと、その全域がLORによって塗りつぶされていくことになる。しかしながら、検出リング12には、欠損部分Tが設けられているので、ファントム45のうち、欠損部分Tの近傍領域(以降、ファントム45の近傍領域という)においては、描画されるLORの密度は、より疎らとなっている。
<関連データ補完ステップS3>
次に、このファントム45の近傍領域を通過するLORを補完し、欠損部分Tの存在に起因するLORの密度の偏りを補う。具体的には、欠損部分Tにシンチレータ結晶Cが配列されていたと仮定した時に、欠損部分Tに配列されたシンチレータ結晶Cに関する同時イベント数と、これに対応するLORからなる関連データを関連データ記憶部31で記憶されている関連データを用いて、予測する。
関連データ補完ステップS3における予測は、検出リング12の軸方向について、同一位置に位置するシンチレータ結晶Cについて取り扱う。すなわち、一列のシンチレータ結晶Cが弧状に並んだ配列を用いて同時イベント数を補完する。この一列のシンチレータ結晶Cを便宜上、単位検出リング12aと呼ぶ。検出リング12には、2つの放射線検出器1p,1qが検出リング12の軸方向に配列されており、単一の放射線検出器1あたり32個のシンチレータ結晶Cが検出リング12の軸方向に配列されていることからすれば、検出リング12は、その軸方向に配列した64個の単位検出リング12aに分割されることができる。いいかえれば、シンチレータ結晶Cは、少なくとも弧状に配列されてシンチレータ結晶Cが一列に並んだ単位検出リング12aを構成し、複数の単位検出リング12aが軸方向に積層されて、検出リング12が形成されている。
また、放射線検出器1に備えられたシンチレータ2には、4層のシンチレータ結晶層2A〜2Dを有する。以降、簡単な説明のため、適宜、シンチレータ2には1層のシンチレータ結晶層しかないものとして説明を行う。
実施例1の関連データ補完ステップS3の具体的な動作について説明する。それに先立って、検出リング12に設けられた12個の放射線検出器1に通し番号を付与しておく。放射線検出器1の配列の一端に位置する放射線検出器1を0番目とし、順次、放射線検出器1に番号を付与して、配列の他端に位置する放射線検出器1を11番目とする。
また、単位検出リング12aに配列されたシンチレータ結晶Cにも通し番号を付与しておく。図7は、実施例1に係る単位検出リングの構成を説明する模式図である。すなわち、0番目の放射線検出器1に配列したシンチレータ結晶Cのうち、欠損部分Tに面しているシンチレータ結晶Cを1番目とし、以降、各放射線検出器1を跨ぎながらシンチレータ結晶Cに番号を付与していき、11番目の放射線検出器1に配列したシンチレータ結晶Cのうち、欠損部分Tに面しているシンチレータ結晶Cを384番目とする。すなわち、付与された番号が32の倍数となっているシンチレータ結晶Cは、放射線検出器1が有するシンチレータ2の端部に位置していることになる。
同時イベント数が補完される様子を説明する。単位検出リング12aにおいてシンチレータ結晶Cは384個しかない。しかし、ここでは、欠損部分Tにおいても、配列部分Sと同様のピッチでシンチレータ結晶Cが配列しているものと仮定する。具体的には、384番目のシンチレータ結晶Cの隣に385番目のシンチレータ結晶C385が配列され、以降、シンチレータ結晶C1と、シンチレータ結晶C385の間に63個のシンチレータ結晶C386〜シンチレータ結晶C448が配列されたと仮定する。なお、シンチレータ結晶385〜シンチレータ結晶416は、一列に配列され、正14角形となっている検出リング12の一辺をなし、残りのシンチレータ結晶417〜シンチレータ結晶448も、一列に配列され、正14角形となっている検出リング12の一辺をなしているものと仮定する。すなわち、シンチレータ結晶1〜シンチレータ結晶448は、正14角形の各辺に沿って配列され、シンチレータ結晶Cの配列は、曲率中心Dを中心として14回回転対称となっている。
ここで、シンチレータ結晶C193と、シンチレータ結晶C385とが有するLORβに対応する同時イベント数を求めてみる。シンチレータ結晶C385は、実在しないので、このLORβに対応する同時イベント数を測定することはできない。シンチレータ結晶1〜シンチレータ結晶448は、正14角形の各辺に沿って配列されているわけであるから、このLORβと回転対称となっているLORが存在することになる。例えば、それは、図7におけるLORαであり、実在するシンチレータ結晶C129とシンチレータ結晶C321とを結ぶ線分となっている。このとき、LORβにおけるシンチレータ結晶C193は、LORαのシンチレータ結晶129に対応し、LORβにおけるシンチレータ結晶C385は、LORαのシンチレータ結晶C321に対応する。この回転対称となっているLORに対応する同時イベント数は、同様であると見なせる。
関連データ記憶部31には、考えられる実在のシンチレータ結晶Cのペアの全てについて、それらの同時イベント数とそれに対応するLORが記憶されているわけであるから、LORαに対応する同時イベント数は、確実に存在することになる。
実施例1の構成においては、関連データ補完部30は、LORαに対応する同時イベント数を関連データ記憶部31から読み出して、これをLORβに関連づけ、関連データを形成する。そして、それらは、関連データ記憶部31に追加される。つまり、実施例1の構成によれば、LORαに対応する関連データを複製して、その複製のLORを書き換えてシンチレータ結晶C193と、シンチレータ結晶C385のペアで計数されたものとすることにより、シンチレータ結晶C321が欠損部分Tにあったと仮定したときの同時イベント数とそれに対応する位置情報を予想できる。関連データ補完部30では、上述の実在しないシンチレータ結晶C385が有するLORβに係る同時イベント数をLORαに係る同時イベント数とすることで、ファントム45の近傍領域におけるLORとそれに対応する同時イベント数のデータを補完する。つまり、関連データ補完部30は、関連データ記憶部31に記憶された実測の同時イベント数とそれに対応するLORを基に、シンチレータ結晶321が欠損部分Tにあったと仮定した時の同時イベント数とそれに対応するLORβとを形成する。そして、関連データ補完部30は、形成された同時イベント数と、それに対応するLORβを関連データ記憶部31に追加して記憶することで欠損部分Tの関連データを補完する。
また、関連データ補完部30は、C129,およびC321の相対位置を保持した状態で両者を仮想的に回転させて、C321が検出リング12の欠損部分Tにあったと仮定することでLORβに係る同時イベント数を導出すると表現することもできる。
なお、関連データ補完部30では上述のLORα以外の同時イベント数が実測できないLORについても同様の処理を行う。この様な処理を行うには、下記の式1が利用できる。なお、実在しないシンチレータ結晶Ciとシンチレータ結晶Cjとを結ぶLORγを回転移動させるとする。
m(i,j)=m(i+Ncx,j+Ncx)……(1)
ここで、i,jは、仮想シンチレータ結晶Cを含めたシンチレータ結晶Cの番号であり、実施例1においては、1から448までの整数である。m(i,j)は、シンチレータ結晶Ci,シンチレータ結晶Cjにおける同時イベント数を表している。そして、Ncは、放射線検出器1の一個当たり何個のシンチレータ結晶Cが単位検出リング12aに配列されているかということを示しており、実施例1において、シンチレータ結晶Cは、正14角形の一辺に32個配列されているので、Nc=32である。なお、xは、整数で、LORγの回転強度を表している。具体的には、LORγは、上述の式1に示した回転移動により、x/14回転することになる。これにより、LORγを有するシンチレータ結晶Cの各々は、シンチレータ結晶を1個としたとき、x×32個分だけ移動することになる。図7の例では、x=2である。つまり、シンチレータ結晶CについてNc個飛ばしにシンチレータ結晶Ciを仮想的に回転させれば、その位置は、LORβと回転対称となっているLORαを有するシンチレータ結晶Cの位置と一致する。
なお、式1においてi+Ncx,およびj+Ncxは、1から448までの整数である。式1において、i+Ncxを単純に計算すると、448を超えてしまう場合がある。この場合、i+Ncxが示すシンチレータ結晶Cの番号は、i+Ncxを448で割ったときの余りとなる。例えば、i+Ncxが449であるとすると、図7を見ればわかるように、これは、シンチレータ結晶C448の次のシンチレータ結晶Cを示しているのであり、実際は、シンチレータ結晶C1である。なお、j+Ncxについても同様である。
実施例1においては、xをいずれかに選択したうえで、LORとそれに対応する同時イベント数を補完する。検出リング12は、仮想的なシンチレータ結晶Cを64個、実在するシンチレータ結晶Cを384個有している。したがって、関連データ補完ステップS3が終了した時点で、関連データ記憶部31が記憶するLORと同時イベント数とが連関した関連データの数は、検出ステップS2の終了時点と比較して、補完により、増加する。
<検出効率取得ステップS4>
検出効率取得部32は、関連データ記憶部31で記憶されたLORと同時イベント数とが連関した関連データを用いて、各シンチレータ結晶Cにおける検出効率を取得する。これには、従来技術であるファン・サム法が使用できる。図8は、実施例1に係る検出効率取得部の動作を説明する概念図である。図8(a)に示すように、シンチレータ結晶Cpの検出効率を知りたければ、シンチレータ結晶Cpを中心としてファン状に広がる複数のLOR46に対応する関連データを関連データ記憶部31からピックアップする。そして、ピックアップされたLOR46に連関している同時イベント数を全て合計し、その合計値をピックアップしたLOR46の個数で除算すると、シンチレータ結晶Cpの検出効率が算出できる。なお、検出効率取得部32は、この様な検出効率の算出を全てのシンチレータ結晶Cpについて行う。つまり、上述と同一の処理は、例えば、383回くりかえされるわけである。しかし、実際には、計算を簡略化する目的で、長さの短いLOR46は、無視されるので、実際の繰り返し回数はこれよりも少なくなる。
また、図8(b)に示すように、シンチレータ結晶Cqの検出効率を知りたければ、シンチレータ結晶Cqを中心としてファン状に広がる複数のLOR47,48に対応する関連データを関連データ記憶部31からピックアップする。図8(b)における破線で示したLOR48は、欠損部分Tが関係しているので、これらに対応する同時イベント数を実測することはできない。しかしながら、実施例1の発明によれば、欠損部分Tにシンチレータがあったと仮定したときの同時イベント数が関連データ補完ステップS3において、取得されて補完済みとなっている。したがって、検出効率取得部32は、図8(b)における破線で示したLOR48における同時イベント数を関連データ記憶部31から取得することができる。なお、図8においては、簡潔な説明のため、ファン状に広がるLORの本数を省略して描写している。
図8(a)と図8(b)とを比較すればわかるように、シンチレータ結晶Cの検出効率を取得する際に、複数のLORで構成されるファンの形状を一定とすることができる。したがって、単位検出リングに属するシンチレータ結晶Cの検出効率を取得する演算を同一条件で行うことができる。それは、シンチレータ結晶Cに係らずファンは、実測することができない同時イベント数を補完することで、同一形状となるからである。
こうして、単位検出リング12aに属するシンチレータ結晶Cの全ての検出効率を取得する。なお、検出リング12は、64個の単位検出リング12aを有しているわけであるから、上述の操作は、64個の単位検出リングのそれぞれについて行われる。
<検出効率マップ形成ステップS5>
そして、検出効率取得ステップS4で得られた各シンチレータ結晶Cの検出効率をシンチレータ結晶Cの順番どおりに配列することで検出効率マップが形成される。こうして、実施例1に係る検出効率マップが取得される。この検出効率マップは、関連データ記憶部31に送出され、そこで記憶される。
図5を参照しながら、実施例1に係る放射線断層撮影装置10の検査方法について説明する。実施例1に係る放射線断層撮影装置10で検査を行うには、まず、放射性薬剤を予め注射投与された被検体Mの関心部位B(乳房)をガントリ11の開口に挿入する。そして、関心部位Bのγ線吸収分布を示すトランスミッションデータを取得する。つまり、外部線源17から関心部位Bに向けてファン状のγ線ファンビームを照射する。このγ線ビームは、関心部位Bと透過して検出リング12によって検出されることになる。そして、外部線源17を検出リング12の内周面に沿って円弧状の軌道に沿って移動させながら、この様な検出を関心部位Bの全周に亘って行い、関心部位Bの全体のγ線吸収係数マップを得る。
上記のようなトランスミッションデータの取得に引き続いて、関心部位Bに局在する放射線薬剤から放出される消滅γ線対を検出するエミッションデータの取得が行われる。それに先立って、このエミッションデータの取得に邪魔となった外部線源17を検出リング12の軸方向に移動させ、図示しない遮蔽庫に入庫させる。
続いて、エミッションデータの取得が行われる。つまり、関心部位Bの内部から放出される進行方向が360°反対方向となっている消滅γ線対が検出リング12によって検出される。検出リング12によって検出されたγ線検出信号は、同時計数部24に送出され、2つのγ線光子を検出リング12の互いに異なる位置で同時刻に検出した場合のみ1カウントとし後段のデータ処理が行われるようになっている。そして、このようなエミッションデータの取得を続けることで、関心部位Bにおける放射性薬剤の内部局在を画像化するのに十分なカウント数のエミッションデータを得る。最後に、被検体Mの関心部位Bをガントリ11の開口から退出させて検査は終了となる。
次に、図10を参照しながら、実施例1に係る断層撮影装置におけるデータ処理について説明する。検出リング12から出力されるトランスミッション検出データTrは、同時計数部24に送出される。そして、トランスミッション検出データTr,およびエミッション検出データEmは、LOR特定部25に送出され、LORを特定する。こうして、γ線の同時イベント数と、LORの情報とを含んだトランスミッション検出データTr,およびγ線の検出数と、検出位置の情報とを含んだエミッション検出データEmが形成され、これが、後段の重み付け部26に送出される。
重み付け部26は、関連データ記憶部31から検出効率マップを読み出す。そして、これを用いて、エミッション検出データEmおよび、トランスミッション検出データTrに重畳しているシンチレータ結晶Cの検出効率のバラツキを消去する。形成されたエミッション検出データEmおよび、トランスミッション検出データTrは、吸収補正部27に送出される。
吸収補正部27では、エミッション検出データEmに対して、前述のトランスミッション検出データTrを参照しながら、エミッション検出データEmに重畳した関心部位Bのγ線吸収分布の影響を除く吸収補正が行われる。こうして、関心部位B内の放射性薬剤分布をより正確に表した検出データは、画像形成部28に送出され、そこで放射線断層画像が再構成される。最後に、それが表示部41で表示される。こうして、実施例1に係る放射線断層撮影装置10の検査は、完了となる。
以上のように、実施例1の構成の検出リング12は、シンチレータ結晶Cが配列されていない欠損部分Tを有している。つまり、検出リング12を構成するシンチレータ結晶Cの配列の回転対称性は、乱されたものとなっている。この様な構成にファン・サム法を従来どおりに当てはめると、シンチレータ結晶Cによって、ファン・サム法のファン領域の形状が互いに異なっているので、検出効率は、異なった条件で算出される。したがって、算出された検出効率は、実際のシンチレータ結晶Cの検出効率を忠実に再現したものとはならない。
しかし、実施例1は、関連データ補完部30を備えている。関連データ補完部30は、検出リング12に実際に備えられた第1シンチレータ結晶Cが欠損部分Tにあったと仮定した時の関連データを形成し、それを関連データ記憶部31に追加して記憶することで欠損部分Tの関連データを補完する。こうして、関連データ補完部30は、欠損部分Tにシンチレータ結晶Cが配列したと仮定した時に得られるであろう位置情報とそれに対応した同時イベント数を取得する。この様な構成としたうえで、ファン・サム法を用いて検出効率の算出を行うと、シンチレータ結晶Cによって、ファン・サム法のファン領域の形状が一定となる。欠損部分Tが関係して実測することができない位置情報とそれに対応した同時イベント数(関連データ)が補完されているからである。したがって、実施例1において算出されるシンチレータ結晶Cの検出効率は、より現実の検出効率を忠実に再現したものとなる。このような検出効率を用いて、放射線断層画像の重み付け処理を行えば、放射線断層画像に重畳したシンチレータ結晶Cの各々における放射線の検出効率のムラが確実に除去される。こうして、実施例1によれば、診断に好適な放射線断層画像が生成できる放射線断層撮影装置が提供できる。
また、実施例1の構成によれば、関連データ記憶部31で記憶された関連データを複製して、その複製を欠損部分Tで計数されたものとすることにより、上述のような補完を行う。実施例1の構成によれば、既に関連データ記憶部で記憶された関連データを使用するので、欠損部分Tの関連データは、確実に補完されることになる。より具体的には、実施例1の構成は、検出リング12に属する第1シンチレータ結晶C、および第2シンチレータ結晶Cの相対位置を保持した状態で両者を仮想的に回転させて、第1シンチレータ結晶Cが欠損部分Tにあったと仮定する。つまり、検出リング12に属する第1シンチレータ結晶C、および第2シンチレータ結晶Cで実測された同時イベント数を欠損部分Tにおける同時イベント数とすることで、簡単に関連データ補完部30による補完が完了する。
次に、実施例2に係る放射線断層撮影装置10の構成について説明する。実施例2に係る放射線断層撮影装置10の構成のうち、実施例1と共通の部分については、説明を省略する。すなわち、実施例2の装置的構成は、実施例1のそれと同様である。
実施例2に係る放射線断層撮影装置10は、同時イベント数の補完方法が、実施例1の構成と異なる。したがって、実施例1で説明した、関連データ補完ステップS3の代わりに、関連データ補完ステップT3が実行されるものとして、この実施例2独自の構成について説明する。
<関連データ補完ステップT3>
実施例2の構成においては、複数の同時イベント数を平均して、その平均を欠損部分Tで計数されたものとすることによりシンチレータ結晶Cが欠損部分Tにあったと仮定した時の同時イベント数を補完する。すなわち、正14角形の隣接する2辺が欠損部分Tとなっている場合は、図9に示すように、第1シンチレータ結晶Ciが欠損部分Tにあり、第2シンチレータ結晶Cjが配列部分Sにあったと仮定したときのLORδにおける同時イベント数を求める構成について説明する。検出リング12は、欠損部分Tにシンチレータ結晶Cが配列していたとすれば、正14角形の各辺に沿ってシンチレータ結晶Cが配列しているわけだから、LORδと回転対称となっており、同時イベント数がLORδと同様とみなせるLORは、13個あることになる。しかし、実際は、検出リング12は、欠損部分Tを有するので、計数が可能なLORは、これよりも少なくなる。すなわち、欠損部分Tとなっている正14角形の隣接する2辺のうち、第1シンチレータ結晶Ciがあったと仮定した1辺を第1辺とし、他の辺を第2辺とすると、シンチレータ結晶Cが配列していないことで計数できないLORは、LORδを回転させることで、第1シンチレータ結晶Ciが第2辺に属する位置にくる場合のLORと、第2シンチレータ結晶Cjが第1辺に属する位置にくる場合のLORと、第2シンチレータ結晶Cjが第1辺に属する位置にくる場合のLORの3通りがある。つまり、LORδと回転対称となっている13個のLORのうち、3個は、同時イベント数を実際に計数することができない。
したがって、実施例2における関連データ補完部30は、計数できる10個のLORについての同時イベント数に対応する同時イベント数を関連データ記憶部31から読み出して、その平均を算出することで、その平均値を第1シンチレータ結晶Ciが欠損部分Tにあり、第2シンチレータ結晶Cjが配列部分Sにあったと仮定したときのLORδにおける同時イベント数とする。このとき、以下の式2が利用できる。なお、実在しないシンチレータ結晶Ciとシンチレータ結晶Cjとを結ぶLORδの同時イベント数を求めるものとする。
ここで、i,jは、仮想シンチレータ結晶Cを含めたシンチレータ結晶Cの番号であり、実施例2においては、1から448までの整数である。<m(i,j)>は、シンチレータ結晶Ci,シンチレータ結晶Cjにおける同時イベント数を表している。そして、Ncは、放射線検出器1の一個当たり何個のシンチレータ結晶Cが単位検出リング12aに配列されているかということを示しており、実施例2おいて、シンチレータ結晶Cは、正14角形の一辺に32個配列されているので、Nc=32である。なお、xは、整数で、LORδの回転強度を表している。具体的には、LORδは、x/14回転して、回転先のLORに移動する。これにより、回転元のLORにおけるシンチレータ結晶Cの各々は、シンチレータ結晶を1個としたとき、x×32個分だけ移動することになる。また、Aは、放射線検出器1の欠損数を表しており、実施例2においては、正14角形の2辺が欠損部分Tとなっているわけであるから、A=2である。そして、Nbは、欠損した放射線検出器1を含めた放射線検出器1の配列数であり、実施例2においては、正14角形に沿って放射線検出器1が配列されているのであるから、Nb=14である。また、Naは、0≦x<Nbの範囲でLORδの回転先のLORにおいて、シンチレータ結晶Ci,シンチレータ結晶Cjの両方が欠損しているLORの個数を示している。実施例2の構成においては、Na=0である。
つまり、実施例2に係る関連データ補完部30による欠損部分Tにおける同時イベント数の補完は、シンチレータ結晶Ci,およびシンチレータ結晶Cjの相対位置を保持した状態で両者を仮想的に回転させていき、シンチレータ結晶Ci,およびシンチレータ結晶Cjとの位置関係と回転対称となっているシンチレータ結晶Cの対であるシンチレータ結晶C(i+Ncx)、およびシンチレータ結晶C(j+Ncx)を収集し、収集された10セットのシンチレータ結晶C(i+Ncx)、およびシンチレータ結晶C(j+Ncx)に対応する同時イベント数を取得し、これを平均する。得られた平均値は、シンチレータ結晶Ciが欠損部分Tにあったと仮定したときの同時イベント数とされる。なお、シンチレータ結晶C(i+Ncx)、およびシンチレータ結晶C(j+Ncx)は、本発明の回転対称放射線検出素子対に相当する。
実施例1,および実施例2の構成では実測できないLORを補完することで、各シンチレータ結晶Cの検出効率は、より正確に求めることができる。この様子をシミュレーションで再現したので、これについて説明する。図10は、実施例1,実施例2の構成に係る補完の効果について説明するシミュレーション結果である。図10の縦軸は、検出効率を意味し、横軸は、単一の単位検出リング12aに属するシンチレータ結晶Cの番号を意味している。図10(a)は、検出リング12の欠損部分Tにも放射線検出器1を並べて、14個の放射線検出器を円環状に配列させた状態で各シンチレータ結晶Cの検出効率を求めた結果である。図10(b)は、検出リング12の欠損部分Tに放射線検出器1を配列しない状態で、同時イベント数の補完を行なわずに各シンチレータ結晶Cの検出効率を求めた結果である。図10(c)は、検出リング12の欠損部分Tに放射線検出器1を配列しない状態で、実施例1の手法に基づいて同時イベント数の補完を行い、各シンチレータ結晶Cの検出効率を求めた結果である。図10(d)は、検出リング12の欠損部分Tに放射線検出器1を配列しない状態で、実施例2の手法に基づいて同時イベント数の補完を行い、各シンチレータ結晶Cの検出効率を求めた結果である。なお、図10における結果は、全て、シンチレータ2が有する1層目のシンチレータ結晶層2Aについてのシミュレーションである。
図10(a)と図10(b)におけるグラフ形は、互いに異なっている。いずれも、ファン・サム法を用いて検出効率を求めているにもかかわらず、同一とならないのは、ファン・サム法で使用されるファン領域が全てのシンチレータ結晶Cにおいて、同一の形状となっていないからである。図10(c)は、同時イベント数の補完を行った実施例1の構成の基で検出効率を求めた結果である。すると、図10(c)のグラフ形は、図10(b)よりもむしろ図10(a)に似通っている。つまり、図10(c)における検出効率を求める際に、使用されるファン領域は、全てのシンチレータ結晶Cにおいて、同一の形状となっているので、シンチレータ結晶Cの検出効率をより忠実に求めることができる。
図10(d)は、同時イベント数の補完を行った実施例2の構成の基で検出効率を求めた結果である。すると、図10(d)のグラフ形は、図10(b)よりもむしろ図10(a)に似通っている。つまり、図10(d)における検出効率を求める際に、使用されるファン領域は、全てのシンチレータ結晶Cにおいて、同一の形状となっているので、シンチレータ結晶Cの検出効率をより忠実に求めることができる。
また、図11は、シンチレータ2が有する2層目のシンチレータ結晶層2Bにおけるシミュレーション結果である。図11中の(a),(b)、(c)、(d)における各条件は、図10で説明したそれと同様である。放射線検出器1が有する2層目のシンチレータ結晶層2Bが属するシンチレータ結晶Cについて、図10と同様なシミュレーションを行った結果である。図11も、図10の場合と同様、シンチレータ結晶Cの検出効率をより忠実に求めることができることを示している。
また、図12は、シンチレータ2が有する3層目のシンチレータ結晶層2Cにおけるシミュレーション結果である。図12中の(a),(b)、(c)、(d)における各条件は、図10で説明したそれと同様である。放射線検出器1が有する3層目のシンチレータ結晶層2Cが属するシンチレータ結晶Cについて、図10と同様なシミュレーションを行った結果である。図12も、図10の場合と同様、シンチレータ結晶Cの検出効率をより忠実に求めることができることを示している。
また、図13は、シンチレータ2が有する4層目のシンチレータ結晶層2Dにおけるシミュレーション結果である。図13中の(a),(b)、(c)、(d)における各条件は、図10で説明したそれと同様である。放射線検出器1が有する3層目のシンチレータ結晶層2Dが属するシンチレータ結晶Cについて、図10と同様なシミュレーションを行った結果である。図13も、図10の場合と同様、シンチレータ結晶Cの検出効率をより忠実に求めることができることを示している。
以上のように、実施例2の構成によれば、複数の同時イベント数を平均して、その平均を欠損部分Tで計数されたものとすることにより、関連データ補完部30による補完が行われる。実施例2の構成による補完は、単一の関連データを基に欠損部分Tの関連データを補完するのではなく、複数の関連データを基に欠損部分Tの関連データを補完するので、より確実な補完が可能となっている。
具体的には、第1シンチレータ結晶C、および第2シンチレータ結晶Cの相対位置を保持した状態で両者を仮想的に回転させていき、回転対称シンチレータ結晶対を収集する。この回転対称シンチレータ結晶対における同時イベント数は、第1シンチレータ結晶C、および第2シンチレータ結晶Cの対における同時イベント数と同様であると見なせる。シンチレータ結晶対の位置関係が同一となっているからである。この様な回転対称シンチレータ結晶対における同時イベント数を平均していけば、確実に欠損部分Tの関連データの補完にふさわしい同時イベント数を求めることができる。
次に、実施例3に係る放射線断層撮影装置10の構成について説明する。実施例3に係る放射線断層撮影装置10の構成のうち、実施例1と共通の部分については、説明を省略する。すなわち、実施例3の装置的構成は、実施例1のそれとほぼ同様である。
実施例3に係る放射線断層撮影装置10は、同時イベント数の補完方法が、実施例1の構成と異なる。したがって、実施例1で説明した、関連データ補完ステップS3の代わりに、関連データ補完ステップU3が実行されるものとして、この実施例3独自の構成について説明する。また、図14に示すように、実施例3に係る放射線断層撮影装置10においては、同時イベント数を補正する同時イベント数補正部33が設けられている。
<関連データ補完ステップU3>
検出リング12が有するLORは、様々な長さのものがある。また、LORと検出リング12とがなす角度も様々である。そして、シンチレータ結晶Cが放射線検出器1のどこに位置しているかで検出器がシンチレータ結晶Cから発した蛍光の検出能力が変動する。この様に、実施例1,実施例2で取り扱ったシンチレータ結晶Cの検出効率は、必ずしもシンチレータ結晶C固有の放射線の検出効率を意味してはいない。すなわち、実施例1,実施例2でいう検出効率は、シンチレータ結晶Cが放射線を蛍光に変換する能力(以下、変換能という)のみならず、上述のようなLORの長さによる影響も重畳する。実施例3においては、変換能の見かけ上の変動を予め補正した同時イベント数を用いて、各シンチレータ結晶Cの検出効率を得る。つまり、実施例3のいう検出効率は、変換能のことである。
例えば、実施例1で説明したシミュレーションで得たグラフは、図10に示すように、シンチレータ結晶C32個分のピッチで、アーチが連接したような形状となっている。この様なアーチ状の成分は、放射線検出器1が有するシンチレータ2の端部は、放射線の検出感度が悪いという、変換能と関係のない理由で現れたものである。この様な、LORの違いによる変換能の見かけ上の変動は、実施例1,実施例2で取り扱った同時イベント数を補正することで除去することができる。同時イベント数補正部33においては、いったん同時イベント数を含む関連データを関連データ記憶部31から読み出して、所定の補正を行い、補正データを形成した後、これを関連データ記憶部31にて記憶させる。同時イベント数補正部33には、LORに依存的に変化する変換能の見かけ上の変動のパターンが記憶されており、これを基に、関連データから補正データを形成するようになっている。実施例3においても、実際に計測することができないLORの同時イベント数は、補完されるわけである。が、その具体的な方法は、検出が可能なLORについての同時イベント数を全てをいったん補正して、これらの平均を取得する。この平均値を同時イベント数平均値と呼ぶ。同時イベント数平均値を実際に計測することができないLORの同時イベント数であるものとして、LORに関する環境に影響されないシンチレータ結晶Cの検出効率(変換能)を求める。なお、この平均の取得は、関連データ補完部30によって行われる。また、実施例3においては、ある単位検出リングuに属するシンチレータ結晶Ciの検出効率εuiを求めるものとし、以下の式が利用できる。
ここで、fan_iとは、シンチレータ結晶Ciを中心とするファン領域を意味しており、コーン状である。したがって、fan_iに属するLORは、シンチレータ結晶Ciと、単位検出リングuに属しない任意のシンチレータ結晶Cとが有するLORも含む。実施例1に係る関連データ補完ステップS3においては、単位検出リング12aに属するシンチレータ結晶Cについてのみ取り扱っていたが、実施例3の構成は、これとは異なり、単位検出リング12aを跨いだLORをも参照して同時イベント数の補完が行われることになる。
実際の操作としては、このfan_iに属するシンチレータ結晶Cvjの検出効率ε0 vjをいったん全て1と仮定し、この仮定に基づいて式3の分母を求める。なお、シンチレータ結晶Cvjには、仮想的なシンチレータ結晶Cをも含んでいる。なお、シンチレータ結晶Cvjは、単位検出リングvに属するシンチレータ結晶Cjの意味である。
次に、式3の分子について説明する。m’(k)(u,i,v,j)は、k回目の計算で得られた単位検出リングuに属するシンチレータ結晶Cuiと、単位検出リングvに属するシンチレータ結晶Cvjとが有するLORに対応する同時イベント数を示している。なお、m’は、同時イベント数補正部33で補正された同時イベント数であることを意味している。つまり、式3の分子は、fan_iに属するLORに対応する補正された同時イベント数を足し合わせることを意味している。
検出が可能なLORについての同時イベント数を全てをいったん補正するということは、シンチレータ結晶Cが放射線を蛍光に変換する能力である変換能の見かけ上の変動は、予め補正されている。したがって、全てのLORは、シンチレータ結晶C固有の変換能以外については、同一条件とみなすことができる。
式3のjは、実在のシンチレータ結晶Cと仮想的なシンチレータ結晶Cとを含んだ母集団である。これのうち、jについて仮想的なシンチレータ結晶Cである要素だけを抜き出して、新たな集団m’(k)(u,i,v,j0)を考える。そのときに、m’(k)(u,i,v,j0)は、下記の式4を用いて表すことができる。
ここで、m’(k)(u,i,v,j0)は、k回目に得られた同時イベント数を意味している。そして、m’ave(u,v,i,j)は、実在のシンチレータ結晶Cで計数された同時イベント数の平均を意味している。ε(k−1) uiは、k−1回目である前回に得られた実在するシンチレータ結晶Ciについての検出効率である。そして、ε(0) j0は、仮想的なシンチレータ結晶Cj0の検出効率(固定値)である。なお、m’ave(u,v,i,j)のjには、実在のシンチレータ結晶Cで構成される。
実施例3では、この様なεuiをいったん求めておき、これらを再び式3の分母に代入して、新たなεuiを求める。前回の演算結果をεk−1としたとき、今回の演算結果はεkとして表現できる。検出効率ε0 vjは、全て1であり、式3を用いることにより、検出効率εvjの算出が繰返される。これにより、εk vjの値は、より信憑性の高いものとなる。この様な検出効率εk vjの算出方法を繰り返しファン・サム法と呼ぶ。なお、式3の分母に含まれる仮想的なシンチレータ結晶Cに関する検出効率は、繰り返し回数に係らず、全て1で固定である。
実施例3における補完の効果について、シミュレーションを行ったのでこれについて説明する。図15は、実施例3の構成に係る補完の効果について説明するシミュレーション結果である。まず、検出リング12が有するシンチレータ結晶Cの検出効率を所定のバラツキを持たせつつ、予め、決定しておく。そして、これから、各LORにおける同時イベント数をシミュレーションにより求め、LORに関する環境に影響されないように、補正しておく。この補正は、同時イベント数補正部33における補正に相当する。そして、この補正された同時イベント数を式3に代入して検出効率εk vjを求めた。
図15における円印のプロットは、1層目のシンチレータ結晶層2Aにおける演算結果を表し、四角印のプロットは、2層目のシンチレータ結晶層2Bにおける演算結果を表している。また、三角印のプロットは、3層目のシンチレータ結晶層2Cにおける演算結果を表し、バツ印のプロットは、4層目のシンチレータ結晶層2Dにおける演算結果を表している。そして、横軸は、繰り返し回数kを表しており、縦軸は、予め決めたシンチレータ結晶Cの検出効率に対する、式3を用いて算出されたシンチレータ結晶Cの検出効率の誤差を表しており、これが小さいほど、予め決定しておいた検出効率を忠実に再現できたことになる。
図15は、色抜きプロットは従来のファン・サム法、色抜き破線付きプロットは補完する同時イベント数を一定とした繰り返しファン・サム法、塗り潰した実線付きプロットは式3、式4に基づいて更新した同時イベント数で補完する繰り返しファン・サム法それぞれで検出効率εk vjを求めた比較結果である。図15に示した1層目のシンチレータ結晶層2Aにおける演算結果を参照すれば分かるように、従来のファン・サム法で求めた検出効率εk vjの誤差は4.0%程度になっているのに対して、更新した同時イベント数で補完する繰り返しファン・サム法で求めた検出効率εk vjの誤差は、繰り返し回数kを増加させると、1.8%程度となっている。この様に、実施例3の構成の基で検出効率εk vjを求めた場合、それは、実際のシンチレータ結晶Cの有する検出効率により忠実となる。
つまり、実施例3の構成によれば、関連データ補完部30による欠損部分Tにおける同時イベント数の補完は、単位検出リング12aを構成するシンチレータ結晶Cから得られた同時イベント数を補正して、それらを平均して同時イベント数平均値を求め、これを欠損部分Tで計数されたものとすることによりなされる。そして、検出効率取得部32は、配列部分Sに配列されている放射線検出素子の検出効率をいったん所定の数値とするとともに、欠損部分にあったと仮定されたシンチレータ結晶Cの検出効率を1とし、補正された同時イベント数と同時イベント数平均値とを基にシンチレータ結晶Cの検出効率を求め、求められたシンチレータ結晶Cの検出効率と欠損部分Tにあったと仮定されたシンチレータ結晶Cの検出効率とを基に配列部分Sに配列されているシンチレータ結晶Cの検出効率を再び求め、その際に、欠損部分Tで計数されたと仮定する同時イベント数は、最初に求めた同時イベント数平均値に、前の計算で求められたシンチレータ結晶Cの検出効率を掛け合わせたものとする。また欠損部分Tにあったと仮定されたシンチレータ結晶Cの検出効率は、1のまま変更しない構成となっている。なお、配列部分Sに配列されたシンチレータC、および欠損部分Tにあったと仮定されたシンチレータ結晶Cの検出効率を1とすることは、本発明の所定の数値を1とすることに相当する。
実施例3の構成に係る効果を別の観点から説明する。図16は、実施例3に係る検出効率を比較するシミュレーション結果である。図16の縦軸は、単位検出リング12aに属するシンチレータ結晶Cの検出効率であり、横軸は、単一の単位検出リング12aに属するシンチレータ結晶Cの番号を意味している。そして、図16の(c)及び(d)は、k=10となっているときの検出効率であり、シンチレータ結晶Cが2次元的に配列されて構成されるシンチレータ結晶層2Aの中央に位置する単位検出リング12aについてのシミュレーションである。図16(a)は、本来のシンチレータ結晶Cが有する検出効率(変換能)を示している。図16(b)は、検出リング12の欠損部分Tに放射線検出器1を配列しない状態で、同時イベント数の補完を行なわずに、各シンチレータ結晶Cの検出効率を従来のファン・サム法により求めた結果である。図16(c)は、検出リング12の欠損部分Tに放射線検出器1を配列した状態で、実施例3の手法に基づいて一定値の同時イベント数で補完を行い、各シンチレータ結晶Cの検出効率を求めた結果である。図16(d)は、検出リング12の欠損部分Tに放射線検出器1を配列した状態で、実施例3の手法に基づいて更新した同時イベント数で補完を行い、各シンチレータ結晶Cの検出効率を求めた結果である。図16(a)と図16(b)とを比較すればわかるように、検出リング12の欠損部分Tの存在により、ファン・サム法で取得される検出効率は、撹乱される。また図16(a)と図16(c)より補完用いる同時イベント数を更新しないために本来の検出効率からずれた位置で収束する。
図16(a)と図16(d)とを比較すればわかるように、実施例3の構成によれば、検出リング12に欠損部分Tが存在したとしても、繰り返しファン・サム法で取得される検出効率は、現実の検出効率に近いものとなっている。
また、図17は、シンチレータ2が有する2層目のシンチレータ結晶層2Bにおけるシミュレーション結果である。図17中の(a)、(b)、(c)、(d)における各条件は、図16で説明したそれと同様である。放射線検出器1が有する2層目のシンチレータ結晶層2Bが属するシンチレータ結晶Cについて、図16と同様なシミュレーションを行った結果である。図17も、図16の場合と同様、シンチレータ結晶Cの検出効率をより忠実に求めることができることを示している。
また、図18は、シンチレータ2が有する3層目のシンチレータ結晶層2Cにおけるシミュレーション結果である。図18中の(a)、(b)、(c)、(d)における各条件は、図16で説明したそれと同様である。放射線検出器1が有する3層目のシンチレータ結晶層2Cが属するシンチレータ結晶Cについて、図16と同様なシミュレーションを行った結果である。図18も、図16の場合と同様、シンチレータ結晶Cの検出効率をより忠実に求めることができることを示している。
また、図19は、シンチレータ2が有する4層目のシンチレータ結晶層2Dにおけるシミュレーション結果である。図19中の(a)、(b)、(c)、(d)における各条件は、図16で説明したそれと同様である。放射線検出器1が有する4層目のシンチレータ結晶層2Dが属するシンチレータ結晶Cについて、図16と同様なシミュレーションを行った結果である。図19も、図16の場合と同様、シンチレータ結晶Cの検出効率をより忠実に求めることができることを示している。
以上のように、実施例3の構成によれば、実施例1、実施例2の計算方法と異なる検出効率の算出方法が提供できる。実施例3の構成によれば、いったん同時イベント数を補正するので、検出効率を算出する演算は簡単なものとなる。また、単位検出リング12aを跨いでLORを考えて検出効率を算出するので、実施例1、実施例2の計算方法よりも有利な場合がある。
本発明は、上記各実施例の構成に限られることなく、下記のように変形実施できる。
(1)上述の実施例1において、LORγには、回転対称なLORが13個存在し、うち、実際に同時イベント数が計数できる10個のLORの同時イベント数を複製することでLORγの同時イベント数を求めていたが、本発明はこの構成に限らない。検出リング12にシンチレータが仮想円に沿って円弧状に配列されている場合、LORγと回転対称となっているLORは、実施例1で説明したように、シンチレータ結晶Cを32個飛ばしに現れるのではなく、シンチレータ結晶Ciの隣のシンチレータ結晶C(i+1)は、LORγと回転対称となっているLORを有している。この様な場合、上記式1に代わって、以下のような式5を利用することができる。
m(i,j)=m(i+x,j+x)……(5)
(2)上述の実施例2において、LORδには、回転対称なLORが13個存在し、うち、実際に同時イベント数が計数できる10個のLORの同時イベント数を平均することでLORδの同時イベント数を求めていたが、本発明はこの構成に限らない。検出リング12にシンチレータが仮想円に沿って円弧状に配列されている場合、LORδと回転対称となっているLORは、実施例2で説明したように、シンチレータ結晶Cを32個飛ばしに現れるのではなく、シンチレータ結晶Ciの隣のシンチレータ結晶C(i+1)は、LORδと回転対称となっているLORを有している。この様な場合、上記式2に代わって、以下のような式6を利用することができる。ただしNdは、単位検出リング12aに配列されたシンチレータ結晶Cの個数である。
(3)上述した各実施例のいうシンチレータ結晶は、LYSOで構成されていたが、本発明においては、その代わりに、GSO(Gd2SiO5)などのほかの材料でシンチレータ結晶を構成してもよい。本変形例によれば、より安価な放射線検出器が提供できる放射線検出器の製造方法が提供できる。
(4)上述した各実施例において、シンチレータには、シンチレータ結晶層が4層設けられていたが、本発明はこれに限らない。例えば、1層のシンチレータ結晶層で構成されるシンチレータを本発明に適応してもよい。その他、放射線検出器の用途に合わせて、自在にシンチレータ結晶層の層数を調節することができる。
(5)上述した各実施例において、蛍光検出器は、光電子増倍管で構成されていたが、本発明はこれに限らない。光電子増倍管に代わって、フォトダイオードやアバランシェフォトダイオードなどを用いてもよい。
(6)上述した各実施例において、検出リングには単一の欠損部分Tを有していたが、本発明はこれに限らず、図20に示すように、検出リングに離間した複数個の欠損部分T1、T2と、複数個の配列部分S1、S2とを有していてもよい。この様な構成は、泌尿器検査用のPET装置などに適応できる。
(7)上述した各実施例において、欠損部分Tは、所定の目的を達成するために設けられたものであったが、本発明は、これに限らない。すなわち、本発明は、放射線検出器1が故障したときなどにも適応できる。
以上のように、本発明は、医療分野に使用される放射線断層撮影装置に適している。