JP4968883B2 - リモート式プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明はリモート式プラズマ処理装置に関するものである。
いわゆるリモートプラズマ式のプラズマ処理においては、例えば特許文献1、2記載のように、少なくとも1方の電極が固体誘電体で被覆された2枚の金属電極を対向させて配置させ、電極間ギャップにガスを流し、ガスを活性化させる。この際、各固体誘電体層は、金属電極にアルミナ等のセラミックス膜を溶射することによって、溶射膜として形成している。
特開2004-006586 特開2004-319285
しかし、こうした従来のリモート式プラズマ処理装置においては、一対の対向金属電極のギャップ間隔は、金属電極の可動機構によって調整する必要がある。しかし、電極駆動機構によって放電ギャップ間隔を調整するため、その調整作業に労力を要する。また、振動等によりギャップ間隔が変動する可能性がある。更に、金属電極の面積を大きくして処理量を増大させると、放電ギャップ間隔を電極全体にわたって均一に保つことが困難になる。また、セラミック溶射膜は、緻密性が低く、粒子が剥離しやすいため、パーティクルが発生しやすいし、セラミック溶射膜は膜厚を大きくすると、金属電極との熱膨張差により膜が剥離し、絶縁破壊を招きやすい傾向がある。
本発明の課題は、一対の電極間のギャップにガスを導入し、ガスを活性化して排出する方式のプラズマ処理において、電極駆動機構なしに電極ギャップを安定して一定に保持できるようにすると共に、固体誘電体層からの剥離やパーティクルの発生を抑制することである。
本発明に係るリモート式プラズマ処理装置は、第一の電極層、この第一の電極層を埋設し、表面側の両端部に突起および該突起間に形成された溝を有する第一のセラミック層、第二の電極層、この第二の電極層を埋設し、表面側の両端部に突起および該突起間に形成された溝を有する第二のセラミック層、第一のセラミック層を保持する第一の電極保持部材、第二のセラミック層を保持する第二の電極保持部材、および第一の保持部材および第二の保持部材の外側に設けられており、被処理物上に開口する出口開口を有するガスシールドを備えており、第一のセラミック層の表面と第二のセラミック層の表面とを対向させて配置し、第一のセラミック層の溝と第二のセラミック層の溝とによってガス流路が形成されており、このガス流路が、前記両端部の突起間の距離が狭まることによって上流から下流の排出口へと向かって細くなっており、第一の電極層と第二の電極層とに対する電圧の印加による放電を用いてガス流路内に導入された処理ガスを活性化し、活性化した処理ガスを排出口から排出し、ガスシールドと第一の保持部材および第二の保持部材との間にシールドガスを流し、ガスシールドの出口開口から活性化された処理ガスを被処理物へと向かって流すことを特徴とする。
本発明によれば、第一の電極層および第二の電極層をそれぞれセラミック中に埋設し、露出しないようにしている。そして、第一のセラミック層と第二のセラミック層とを対向させて配置することによって、両者のギャップを区画している。したがって、セラミックスは金属よりも熱膨張が小さいことから、熱膨張による電極間ギャップの変動が小さいため、金属電極のギャップ間隔を可動機構によって調整する必要がないし、振動等によりギャップ間隔が変動する可能性もないので、金属電極の面積を大きくして処理量を増大させることもできる。また、溶射膜の場合のように、プラズマ発生時の表面からの剥離や脱粒によるパーティクルの発生も抑制できる。更に、金属電極はセラミック内に埋設され、固定されていることから、金属電極を厚くして変形を防止する必要もない。
しかも、出口開口へと向かって細くなるガス流路の開口の近くに被処理物を設置でき、かつ活性化されたガスの外部への流出を防止し、活性化ガスの被処理物への集中を促進し、処理効率を向上させることができる。
第一のセラミック層と第二のセラミック層との双方に突起および突起間に形成された溝を設ける。各溝の深さによってギャップ寸法が定まる。
また、第一の表面下に第一の電極の設けられていない不活性領域を設け、第二の表面下に第二の電極の設けられていない不活性領域を設けることができる。このような不活性領域は、第一のセラミック層および第二のセラミック層のエッジ部分ないし周縁部分以外に設けるものとする。プラズマ発生用の電極が設けられていると、全体の発熱量が大きくなり、冷却が困難になる場合がある。本実施形態におけるような不活性領域を設けることによって、装置全体の発熱量を低減できる。
また、第一のセラミック層を保持する第一の電極保持体および第二のセラミック板を保持する第二の電極保持体を設ける。
また、第一のセラミック層および第二のセラミック層の周りにガスシールドを設ける。これによって、プラズマ処理の排出孔から排出されてきた活性化ガスを、外部へと拡散しないようにシールドし、目的物の処理効率を向上させることができる。
図1は、参考形態に係るプラズマ処理10を示す図であり、図2(a)は、セラミック層1A(1B)を示す正面図であり、図2(b)は同じく平面図である。
相対向する一対のセラミック層1A、1B内には、それぞれ、対応する電極層2A、2Bが埋設されている。各セラミック層1A、1Bはそれぞれ保持部材12A、12Bに挟まれて保持されている。各電極層2A、2Bには、それぞれ、端子3A、3Bが接続されており、各端子3A、3Bは保持部材12A、12Bから突出し、電源5に対して接続されている。
相対向するセラミック層1Aの表面1aとセラミック層1Bの表面1cとの間には一定幅のギャップ7が形成されている。ギャップ7に対して、矢印8のように処理ガスを供給し、電極層2Aおよび2Bに対して電源5から電力を供給し、プラズマを生成させて活性化する。活性化された処理ガスは、矢印9のように排出口から排出され、被処理物6に対して噴射され、基材6に所定の処理を施す。
図3(a)は、参考形態に係るプラズマ処理装置10Aを示す縦断面図であり、図3(b)は同じく横断面図である。図1に示した部分には同じ符号をつけ、その説明は省略することがある。
本例の装置10Aにおいては、第一のセラミック層1Aと第二のセラミック層1Bとの間にスペーサー13がはさまれており、スペーサー13はセラミック層1Aと1Bとの両方に対して固定されている。そして、第一のセラミック層と第二のセラミック層との間にギャップ7が形成されており、ギャップ7に対して処理ガスを導入し、活性化処理する。ギャップ7の寸法は、スペーサー13の寸法によって定まる。
図4(a)は、比較例のプラズマ処理装置を示す縦断面図であり、図4(b)は、図4(a)の装置の横断面図である。本例では、第一の金属電極層および第二の金属電極層16をそれぞれ被覆するように、セラミック溶射膜17が形成されている。一対の相対向する溶射膜17間にスペーサー13が挟まれており、ギャップ7を区画している。
図5(a)は、参考形態に係る装置のセラミック層を示す正面図であり、図5(b)は同じく上面図である。図6(a)は、この実施形態に係る装置10Bを示す縦断面図であり、(b)は、装置10Bの横断面図である。
第一のセラミック層2A、第二のセラミック層2Bの表面側には、それぞれ、図5(a)、(b)に示すような突起14が形成されており、突起14の内側に溝15が形成されている。そして、第一のセラミック層2A上の突起14と、第二のセラミック層2B上の突起14とを対向させることによって、各セラミック層表面の溝を一体化し、ギャップ7を形成する。このギャップ7の寸法は、溝の深さによって決定される。
図7(a)は、参考形態に係る装置のセラミック層を示す正面図であり、図7(b)は同じく上面図である。図8(a)は、他の実施形態に係る装置10Cを示す縦断面図であり、図8(b)は、装置10Cの横断面図である。本例の装置10Cにおいては、各セラミック層1A、1Bの表面1a、1cのエッジに沿って突起14が形成されている。これと共に、各セラミック層1A、1Bの表面に、細長い直線状の中央突起(スペーサー部)16も設けられている。
図8のように二つのセラミック層を突き合わせて接合した段階では、突起16によって、ギャップ7は2つの流路に区画されている。この場合には、突起16によって、セラミック層の表面積が大きくなった場合でも、ギャップ7の幅の変動を一層効果的に抑制できる。
図9(a)は、参考形態に係る装置のセラミック層を示す正面図であり、図9(b)は同じく上面図である。図10(a)は、他の実施形態に係る装置10Dを示す縦断面図であり、図10(b)は、装置10Dの横断面図である。本例の装置10Dにおいては、各セラミック層1A、1Bの表面のエッジに沿って突起14が形成されている。
これと共に、セラミック層1A(1B)の上側(ガスの供給側)には、第一の電極2A、第二の電極2Bを設けない不活性領域18を設ける。これによって、装置全体の過剰な加熱を防止し、冷却を促進することができる。
図11(a)は、本発明で使用できるセラミック層を示す正面図であり、図11(b)は同じく上面図である。本例の装置においては、各セラミック層2A、2Bの表面に、突起19が設けられている。この結果、ガス流路20は、上流から下流へと向かって徐々に細くなっており、流路20の先端の排出口21において幅が最小となる。このような平面的形状の突起19および溝20を形成することによって、開口21へと向かって活性化されたガスを集中させることができる。従って、開口21の近くに被処理物を設置することによって、被処理物の処理効率を一層向上させることができる。
図12は、本発明のガスシールドを用いた装置の縦断面図である。この装置自体は、前述した図1の装置10とほぼ同様のものである。ただし、本例の装置10Eにおいては、保持部材12A、12Bの外側に、ガスシールド23が設けられている。そして、ガスシールド23と保持部材との間に矢印Dのようにシールドガスを流す。ガスシールド23にも出口開口23aを設け、この開口23aの中央部に活性化ガスを矢印9のように流す。そして、活性化されたガス9の周りにシールドガスを矢印Eのように流す。これによって、活性化されたガスの外部への流出を防止し、活性化ガス9の被処理物6への集中を促進し、処理効率を向上させることができる。
本発明において、ギャップの間隔は特に限定されないが、通常、0.05〜3mmとすることが好ましく、0.1〜0.5mmとすることが更に好ましい。
各セラミック層の表面に設ける突起の高さは特に限定されず、前記したギャップ寸法に応じて設定する。
好適な実施形態においては、電圧を印加するためのパルス電源として、誘導蓄積型パルス電源を用いる。これによって、高い電流密度のストリーマー放電を発生させることが可能となり、この結果、プラズマジェット中のラジカルの発生量が多く、処理効果を向上させることができる。
また、好適な実施形態においては、パルス電源のスイッチング素子として、静電誘導型サイリスタ素子を用いる。これはノイズによる誤動作、素子破壊が少なく、メインテナンスがし易いので、生産性を向上させることができる。
上記電極層としては、銀、銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金属間化合物等からなるものが挙げられる。上記電極層は、電界集中によるアーク放電の発生を避けるために、対向電極間の距離が略一定となる構造であることが好ましい。この条件を満たす電極構造としては、平行平板型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲面対向平板型、同軸円筒型構造等が挙げられる。
セラミック層の材質は、プラズマに対する耐久性があれば特に限定されないが、アルミナ、ジルコニア、コージェライトを例示できる。また各セラミック層は焼結体であることが好ましい。
セラミック層間に設けるスペーサーの材質は特に限定されないが、アルミナ、ジルコニア、コージェライトを例示できる。
本発明において、各電極層の平面的パターンは特に限定されず、触媒の種類、反応の種類に合わせて設計できる。例えば、電極の平面的パターンを櫛歯状としたり、網目状とすることができる。
電極層が網状または櫛歯状をなしている場合には、貫通孔を網目状に形成したり、櫛歯の間の隙間に規則的に形成することが容易であり、好ましい。この実施形態においては、網目の形状は特に限定されず、円形、楕円形、レーストラック形状、四辺形、三角形等の多角形などであってよい。また櫛歯状電極の櫛歯の形状も特に限定されないが、長方形や平行四辺形であることが特に好ましい。
本発明においては、電圧を対向電極層間に印加し、プラズマを生成させる。この際、電圧の波形は特に限定されず、正弦波、インパルス型、方形波型(矩形波型)、減衰振動型のいずれであってもよい。直流バイアス電圧を同時に印加することができる。
電圧の立ち上がり時間が短いほど、プラズマ発生の際のガスの電離が効率よく行われる。この観点からは、パルス電圧を印加し、その立ち上がり時間は0.05マイクロ秒以下であることが好ましい。また現実的にはパルスの立ち上がり時間は、パルス発生回路に用いるスイッチング素子の動作時間、回路インピーダンスによる過渡現象のため0.1マイクロ秒以上である。立ち上がり時間とは、電圧変化が連続して正である時間を指すものとする。
また、パルス電界の立ち下がり時間も急峻であることが好ましく、0.05マイクロ秒以下であることが好ましい。
パルス電界の周波数は、0.5kHz〜100kHzであることが好ましい。0.5kHz未満であるとプラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎ、100kHzを超えるとアーク放電が発生しやすくなる。
前述のようなパルス電圧は、急峻パルス発生電源によって印加できる。このような電源としては、磁気圧縮機構を必要としない静電誘導サイリスタ素子を用いた誘導蓄積型パルス電源、磁気圧縮機構を備えたサイラトロン、ギャップスイッチ、IGBT素子、MOF−FET素子、静電誘導サイリスタ素子を用いた容量蓄積型パルス電源を例示できる。パルス電圧を印加するためのパルス電源として、誘導蓄積型パルス電源が特に好ましい。
本発明によって発生させたプラズマによる処理対象は特に限定されない。以下、基体の表面処理方法について詳述する。
被処理物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂等のプラスチック、ガラス、セラミック、金属等が挙げられる。基材の形状としては、板状、フィルム状等のものが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明の表面処理方法によれば、様々な形状を有する基材の処理に容易に対応することが出来る。
処理用ガスとしてフッ素含有化合物ガスを用いることによって、基材表面にフッ素含有基を形成させて表面エネルギーを低くし、撥水性表面を得ることが出来る。
フッ素元素含有化合物としては、4フッ化炭素(CF4 )、6フッ化炭素(C2 F6
)、6フッ化プロピレン(CF3
CFCF2 )、8フッ化シクロブタン(C4 F8 )等のフッ素−炭素化合物、1塩化3フッ化炭素(CClF3
)等のハロゲン−炭素化合物、6フッ化硫黄(SF6 )等のフッ素−硫黄化合物等が挙げられる。安全上の観点から、有害ガスであるフッ化水素を生成しない4フッ化炭素、6フッ化炭素、6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタンを用いることが好ましい。
処理用ガスとして以下のような酸素元素含有化合物、窒素元素含有化合物、硫黄元素含有化合物を用いて、基材表面にカルボニル基、水酸基、アミノ基等の親水性官能基を形成させて表面エネルギーを高くし、親水性表面を得ることが出来る。
酸素元素含有化合物としては、酸素、オゾン、水、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素の他、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタナール、エタナール等のアルデヒド類等の酸素元素を含有する有機化合物等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。さらに、上記酸素元素含有化合物と、メタン、エタン等の炭化水素化合物のガスを混合して用いてもよい。また、上記酸素元素含有化合物の50体積%以下でフッ素元素含有化合物を添加することにより親水化が促進される。フッ素元素含有化合物としては上記例示と同様のものを用いればよい。
窒素元素含有化合物としては、窒素、アンモニア等が挙げられる。上記窒素元素含有化合物と水素を混合して用いてもよい。
硫黄元素含有化合物としては、二酸化硫黄、三酸化硫黄等が挙げられる。また、硫酸を気化させて用いることも出来る。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
分子内に親水性基と重合性不飽和結合を有するモノマーの雰囲気下で処理を行うことにより、親水性の重合膜を堆積させることも出来る。上記親水性基としては、水酸基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、1級若しくは2級又は3級アミノ基、アミド基、4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、カルボン酸塩基等の親水性基等が挙げられる。また、ポリエチレングリコール鎖を有するモノマーを用いても同様に親水性重合膜を堆積が可能である。
前記モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルアルコール、アリルアミン、ポリエチレングリコールジメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリル酸エステル等が挙げられる。これらのモノマーは、単独または混合して用いられる。
前記親水性モノマーは一般に固体であるので、溶媒に溶解させたものを減圧等の手段により気化させて用いる。上記溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン等の有機溶媒、水、及び、これらの混合物等が挙げられる。
さらに、Si、Ti、Sn等の金属の金属−水素化合物、金属−ハロゲン化合物、金属アルコラート等の処理用ガスを用いて、SiO2 、TiO2 、SnO2等の金属酸化物薄膜を形成させ、基材表面に電気的、光学的機能を与えることが出来る。
シールドガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等の希ガス、窒素気体等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
処理ガスの圧力は大気圧以上とするが0.2MPa以上が好ましく、0.4MPa以上が更に好ましい。
参考例1)
図1、図2、図3を参照しつつ説明した装置を作製し、ガラス基板をプラズマ処理した。
具体的には、セラミック層1A、1Bの材質は純度99.9%以上のアルミナとし、寸法は縦90mm、横50mm、厚さ1mmとした。金属電極層2A、2Bの位置は、セラミック層の表面から0.5mmとし、材質はモリブデン金属とした。電極層の厚さは約50μmとし、セラミック層のエッジ部(周縁部)には幅1mmにわたって金属電極層のない領域を設けた。
セラミック層1Aと1Bとの間に、純度99.9%以上のアルミナからなるスペーサー3をはさみ、ギャップを形成した。スペーサーの寸法は、縦50mm、横10mm、厚さ0.3mmとした。また、保持部材12A、12Bの材質は、純度99.9%以上のアルミナとし、縦90mm、横50mm、厚さ10mmとした。端子穴11の直径φは3.5mmとした。この端子穴11に、直径φ3mm、長さ15mmのSUS304製円柱状端子3A、3Bを、外部のバネ機構で電極のコンタクト穴に押し付けて接触させた。
こうして得られたプラズマ処理部にパルス電源5を接続し、処理ガス8を用いてガラス基板6にプラズマ処理を行った。パルス電源としては、誘導蓄積型パルス電源を使用した。パルス電圧のパルス幅を1μsとし、パルス電圧は8kVとし、パルスエネルギーは8mJ×12kHzとし、出力は96Wとした。処理ガスは、高純度窒素ガス(99.999%)とし、流量は25L/minとし、被処理物は、テンパックスガラスφ60×1mm(初期の水接触角55度)とした。被処理物までの距離は1mmとした。被処理物は移動ステージで5cm/secの速度で移動させて処理した。
この結果、処理前後の水接触角初期55度から処理後は12度に低下した。基板に付着した10ミクロン以下のパーティクル数は35個であった。また、1000時間の連続通電試験を行ったところ、試験前後で電極間の絶縁抵抗は変化しなかった。
(比較例1)
図4を参照しつつ説明したようなプラズマ処理装置を作製した。90×50×3mmの金属電極(SUS304製)16に、セラミック溶射法にて、厚さ0.5mmのアルミナ溶射膜17を形成して電極を製作した。この電極ユニットを2枚用意し、スペーサー13(厚さ0.3mm)を用いてギャップを形成した。参考例1と同じパルス電源、処理ガス、被処理物を用いて同様の評価を行った。
この結果、プラズマ処理前後のガラス基板の接触角は、初期55度から処理後は12度になった。付着した10ミクロン以下のパーティクル数は256個であり、参考例1の場合に比べて著しく増加した。また、1000時間の連続動作試験中に、アルミナ溶射膜が絶縁破壊する結果となった。
参考例2)
図5、図6を参照しつつ説明したようにして、参考例1で用いたセラミック層1A、1Bに溝加工を施し、これを2枚対向させ、図6に示すプラズマ処理装置を製作した。ただし、溝の深さはそれぞれ0.15mmとし、放電空間のギャップ間隔は0.3mmとした。この場合、参考例1で用いたアルミナ製スペーサーは用いていない。
こうして得られた装置について、参考例1と同じパルス電源、処理ガス、被処理物を用いて同様の評価を行った。この結果、プラズマ処理前後のガラス基板の接触角は、初期55度から処理後は12度になった。基板に付着した10ミクロン以下のパーティクル数は30個であった。1000時間の連続通電試験を行ったところ、試験前後で電極間の絶縁抵抗は変化しなかった。このように参考例1に示す処理装置と同等の処理効果が得られるとともに、スペーサーなどによる電極間隔の調整を必要としないメンテナンス性に優れた装置を得ることができた。
参考例3)
参考例2と同様のプラズマ処理装置を作製し、同様の測定を行った。ただし、セラミック層における溝の深さを0.05mmとし、ギャップ間隔を0.1mmとした。これに参考例1と同じパルス電源、処理ガス、被処理物を用いて同様の評価を行った。
この結果、プラズマ処理後のガラス基板の接触角は、参考例1より低い5度になった。すなわち、溝加工を施したセラミック成型体電極を用いてギャップ間隔の短いプラズマ処理部を実現することが可能となり、結果として処理効果の高い装置を得ることができた。基板に付着した10ミクロン以下のパーティクル数は32個であった。更に、1000時間の連続通電試験を行ったところ、試験前後で電極間の絶縁抵抗は変化しなかった。
(比較例2)
比較例1のセラミック溶射膜を用いた電極と、アルミナスペーサー(厚さ0.1mm)とを用いて、放電ギャップ0.1mmのプラズマ処理装置を製作した。そして、参考例1と同様の条件でプラズマ処理を試みたところ、通電中にスペーサーが割れて絶縁破壊する結果となった。すなわち、例えば厚さ0.1mmのスペーサーのような、薄いスペーサーを用いて安定的にプラズマ生成させることは困難であることが分かった。
参考例3)
図7に示すように、セラミック層の表面に溝14を形成するのにあたり、ギャップ間隔を均一に保つためのスペーサー部16を形成した。セラミック層の寸法は、参考例1より大きくし、縦180mm、横50mmとした。スペーサー部16の幅は1mmとした。
得られたセラミック層を2枚対向させ、放電空間を形成し、図8に示すプラズマ処理装置を得た。溝14の深さは0.15mmとし、放電空間のギャップ間隔は0.3mmとした。この場合、参考例1で用いたアルミナ製スペーサーは用いていない。
この装置を使用し、参考例1と同様にして基板のプラズマ処理を行った。ただし、参考例1と比較して電極幅が90mmから180mmと2倍になっているため、窒素ガスの流量を2倍の50L/minとした。この結果、プラズマ処理前後のガラス基板の接触角は、初期55度から処理後は12度になった。基板に付着した10ミクロン以下のパーティクル数は32個であった。更に、1000時間の連続通電試験を行ったところ、試験前後で電極間の絶縁抵抗は変化しなかった。また、幅方向の処理均一性は±15%であった。
参考例4)
参考例3と同様のプラズマ処理装置を作製した。ただし、溝加工においてスペーサー部16を残さないようにした。この結果、プラズマ処理前後のガラス基板の接触角は、初期55度から処理後は12度になった。基板に付着した10ミクロン以下のパーティクル数は32個であった。更に、1000時間の連続通電試験を行ったところ、試験前後で電極間の絶縁抵抗は変化しなかった。ただし、幅方向の処理均一性は±25%に上昇することがわかった。
すなわち、溝加工においてスペーサー部16を設けることにより、プラズマ処理部が大型化しても、処理均一性の一層高い装置を得ることが出来るようになった。
参考例5)
参考例1と同様にしてプラズマ処理装置を作製した。ただし、図9に示すように、電極の冷却効果を高めるため、電極面に部分的に埋め込み金属層を形成し、周縁部以外に電極層を埋設しない不活性化領域18を設けた。セラミック電極の寸法は、縦90mm、横70mm、厚さ1mmとした。不活性化領域18の幅は20mmとした。得られたセラミック層を2枚対向させ、放電空間を形成してプラズマ処理装置を製作した。溝14の深さは0.15mmとし、放電空間のギャップ間隔は0.3mmとした。この場合、参考例1で用いたアルミナ製スペーサーは用いていない。これに参考例1と同じパルス電源、処理ガス、被処理物を用いて同様の評価を行った。
この結果、プラズマ処理前後のガラス基板の接触角は、初期55度から処理後は13度になった。基板に付着した10ミクロン以下のパーティクル数は32個であった。更に、1000時間の連続通電試験を行ったところ、試験前後で電極間の絶縁抵抗は変化しなかった。電極温度を測定したところ、参考例1の場合が表面温度が95℃であったのに対し、本例の場合は70℃となり、冷却水量を低減させることができた。
参考例6)
参考例5と同様にしてプラズマ処理装置を作製した。ただし、図11に示すような形状に金属電極層、溝加工を施した。この結果、プラズマ処理前後のガラス基板の接触角は、初期55度から処理後は13度になった。基板に付着した10ミクロン以下のパーティクル数は32個であった。更に、1000時間の連続通電試験を行ったところ、試験前後で電極間の絶縁抵抗は変化しなかった。これによって、プラズマの吹き出しを強くすると同時に、冷却効率の高いプラズマ処理装置を実現することができる。
参考例7)
図12に示すように、活性化ガスした処理ガスを別系統のガスで両側からシールドするための機構を設けた装置を製作した。すなわち、参考例1と同様のプラズマ処理装置を作製した。そして、SUS304のガスシールド23を取り付けた。処理部本体との間隔は5mmとした。また、シールドガスとしては、窒素ガス(流量10L/min)を2系統使用した。そして、参考例1と同様にして効果の確認を行った。
この結果、プラズマ処理前後のガラス基板の接触角は、初期55度から処理後は8度になった。すなわち、参考例1の場合よりガスシールド効果により、処理効果が高くなることが確認できた。
参考形態に係るプラズマ処理装置10を概略的に示す部分断面図である。 (a)は、電極ユニット4A、4Bを示す正面図であり、(b)は、電極ユニットの上面図である。 (a)は、参考形態に係るプラズマ処理装置10Aを概略的に示す縦断面図であり、(b)は、装置10Aを概略的に示す横断面図である。 (a)は、比較例に係るプラズマ処理装置を概略的に示す縦断面図であり、(b)は、(a)の装置を概略的に示す横断面図である。 (a)は、図6の装置で使用する電極ユニット4A、4Bを示す正面図であり、(b)は、電極ユニットの上面図である。 (a)は、参考形態に係るプラズマ処理装置10Bを概略的に示す縦断面図であり、(b)は、装置10Bを概略的に示す横断面図である。 (a)は、図8の装置で使用する電極ユニット4A、4Bを示す正面図であり、(b)は、電極ユニットの上面図である。 (a)は、参考形態に係るプラズマ処理装置10Cを概略的に示す縦断面図であり、(b)は、装置10Cを概略的に示す横断面図である。 (a)は、図10の装置で使用する電極ユニット4A、4Bを示す正面図であり、(b)は、電極ユニットの上面図である。 (a)は、プラズマ処理装置10Dを概略的に示す縦断面図であり、(b)は、装置10Dを概略的に示す横断面図である。 (a)は、本発明に適用できる電極ユニット4A、4Bを示す正面図であり、(b)は、電極ユニットの上面図である。 本発明に適用できるガスシールドを用いたプラズマ処理装置10Eを概略的に示す縦断面図である。
1A、1B セラミック層 1a、1c 表面 1b 背面 2A、2B 電極層 3A、3B 端子 4A、4B 電極ユニット 6 被処理物 7 ギャップ 8 処理ガス 9 活性化されたガス 10、10A、10B、10C、10D、10E プラズマ処理装置 13 スペーサー 14 突起 15 溝 16 スペーサー部

Claims (2)

  1. 第一の電極層、この第一の電極層を埋設し、表面側の両端部に突起および該突起間に形成された溝を有する第一のセラミック層、第二の電極層、この第二の電極層を埋設し、表面側の両端部に突起および該突起間に形成された溝を有する第二のセラミック層、前記第一のセラミック層を保持する第一の電極保持部材、前記第二のセラミック層を保持する第二の電極保持部材、および前記第一の保持部材および前記第二の保持部材の外側に設けられており、被処理物上に開口する出口開口を有するガスシールドを備えているリモート式プラズマ処理装置であって、
    前記第一のセラミック層の前記表面と前記第二のセラミック層の前記表面とを対向させて配置し、前記第一のセラミック層の前記溝と前記第二のセラミック層の前記溝とによってガス流路が形成されており、このガス流路が、前記両端部の突起間の距離が狭まることによって上流から下流の排出口へと向かって細くなっており、前記第一の電極層と前記第二の電極層とに対する電圧の印加による放電を用いて前記ガス流路内に導入された処理ガスを活性化し、活性化した処理ガスを前記排出口から排出し、前記ガスシールドと前記第一の保持部材および前記第二の保持部材との間にシールドガスを流しながら、前記ガスシールドの前記出口開口から活性化された前記処理ガスを前記被処理物へと向かって流すことを特徴とする、リモート式プラズマ処理装置。
  2. 前記第一のセラミック層の前記表面下に前記第一の電極の設けられていない不活性領域が設けられており、前記第二のセラミック層の前記表面下に前記第二の電極の設けられていない不活性領域が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
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