JP4980107B2 - 樹脂補強用基材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
ガラス繊維の代わりにアラミド繊維からなる織物、不織布が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、アラミド繊維は吸湿率が高く、誘電特性への信頼性が低い。またアラミド繊維からなる紙や不織布を製造する場合、抄造法でしか得られないため薄肉化が困難であるといった問題があった。
しかしながら、特許文献3の方法では短時間では十分な効果が得られず、十分な効果を得るにはバッチ処理となるため量産性、コスト面から不利であった。
なお、上記溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルには、必要に応じて着色剤、無機フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の通常使用されている添加剤および熱可塑性エラストマーを本発明の機能を阻害しない範囲で添加してもよい。
一方、溶融粘度が低すぎる場合も繊維化が困難であるため、310℃における溶融粘度が5Pa・s以上であることが好ましい。
メルトブロー法にて製造する場合、紡糸装置は従来公知のメルトブロー装置を用いることができる。紡糸条件としては、紡糸温度310〜360℃、熱風温度(一次エアー温度)310〜380℃、ノズル長1m当りのエアー量10〜50Nm3とすることが好ましい。また、このようにして製造される本発明の不織布を構成する繊維の平均繊維径は1〜15μmであることが必要であり、2〜13μmであることが好ましく、3〜11μmであることがより好ましい。平均繊維径が1μm未満では風綿が発生し繊維塊となりやすく、一方15μmを越えると地合が粗くなるため好ましくない。
なお、本発明において平均繊維径は、不織布を走査型電子顕微鏡で拡大撮影し、任意の100本の繊維径を測定した値の平均値を示す。
さらに前記条件にて熱処理を行うことで繊維表面層の加水分解により官能基が発現し、樹脂補強成形体を製造する際、含浸する樹脂との接着性も著しく向上する。
ここで含水率が50ppm未満の熱処理ではガラス転移点の上昇、耐水性向上が認められず、樹脂補強成形体を製造する際、含浸する樹脂との接着性も十分に得られない。
水分付与の方法としては、プロパン等の燃焼ガス気体を供給し、燃焼量によって水分率を制御する方法や、加熱媒体中にスチームを供給し、供給量により水分率を制御する方法等が挙げられる。ここで、加熱媒体として用いる気体は、窒素、酸素、アルゴン、炭酸ガスなど混合気体または空気等が挙げられるが、コスト面、樹脂との接着性向上効果を得るには酸素または空気がより好ましい。熱処理は目的により、緊張下、無緊張下どちらでも良い。熱処理温度が溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルの融点−40℃未満の温度で熱処理した場合には、繊維表面改質が十分に進まず、また、熱処理温度が溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルの融点+20℃を超えるとポリマーが軟化し、繊維の溶融が始まりシートの一部がフィルム化して後工程での樹脂含浸性などで問題が発生する。また、前記含水加熱媒体中で熱処理する前に、水分を含まない窒素、炭酸ガス等の不活性気体中で溶融液晶形成性全芳香族ポリエステル繊維の交絡点および繊維自体の配向を進めて不織布の強度を向上させることも可能である。
さらに前記条件で熱処理を行っても、熱処理時間が3時間未満の場合は熱処理が不十分であり、繊維中のフィブリル間において架橋構造が十分に形成されない。一方、80時間を超えるとむしろ劣化が進み強度低下が生じたり、生産性の点で問題がある。より好ましい熱処理時間条件は4〜70時間、さらに好ましくは5〜60時間である。
島津製作所製動的粘弾性測定装置(株式会社ユービーエム製「レオスペクトラーDVE−V4」)を使用して、昇温速度10℃/分、周波数10Hz、自動静荷重方式にて測定を行ない、貯蔵弾性率(E´)と損失弾性率(E″)の比からtanδ=E″/E´を算出し、図1に示すような温度(℃)−tanδ曲線を作図し、tanδの変曲点(ピーク温度)をガラス転移点とした。
多官能エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン社製「YL6046B80(登録商標)」〕130質量部とノボラック型硬化剤〔ジャパンエポキシレジン社製「YLH129B65(登録商標)」〕70質量部とイミダゾール型硬化促進剤〔ジャパンエポキシレジン社製「EM124(登録商標)」〕0.3質量部およびメチルエチルケトン130質量部を混合しマトリックス樹脂(ワニス)を調製した。
後述する実施例1〜2、比較例1〜3の積層体に前記参考例1で製造したワニスを含浸させ、130℃で10分間乾燥し、樹脂含浸量65質量%のプリプレグを製造した。このプリプレグを4枚重ね、1mm厚みのステンレス板間に配置して、真空下、圧力40kgf/cm2、温度180℃の条件下で1時間加圧加熱して樹脂積層板を製造した。
参考例2で製造した樹脂積層板を100℃沸騰水中で8時間煮沸し、強制的に樹脂積層板中に含有されている微細な気泡部に水分を浸透させた。その後、常温で付着水分を除き、処理後の樹脂積層板を260℃に加熱したハンダ浴中に30秒間浸漬し、浸透水分の膨張による樹脂積層板の膨れの有無により評価した。フクレが発生しない場合には含浸樹脂と不織布との接着性が良好であると評価される。
(1)パラヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との共重合物からなり、310℃での溶融粘度が15Pa・sである溶融液晶形成性全芳香族ポリエステル(ポリプラスチックス株式会社製「Vectra−L」)を二軸押出機より押し出し、幅1mでホール数1000のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給し、単孔吐出量0.3g/分、樹脂温度310℃、熱風温度310℃、ノズル長1m当りのエアー量20Nm3の条件にて平均繊維径11μm、坪量40g/m2の不織布を得た。
(2)次いで上記(1)で得られた不織布を含水率100ppmのスチーム/空気混合気体中にて270℃で6時間処理した。この不織布の動的粘弾性測定によるガラス転移点は130℃であった。
(3)そして前記(2)で得られた不織布を用いて前記参考例2の方法で樹脂積層板を製造し、含浸樹脂との接着性を評価したところ、得られた樹脂積層板には膨れは発生せず、かつ含浸樹脂と不織布との接着性が良好であった。
実施例1(2)の熱処理条件において、水分付与方法をスチームのかわりにプロパン燃焼ガスを用いること以外は実施例1と同様にして不織布および樹脂積層板を得た、
得られた不織布の動的粘弾性測定によるガラス転移点は130℃であり、さらに該不織布を用いて前記参考例2の方法で製造した樹脂積層板には膨れは発生せず、かつ含浸樹脂と不織布との接着性が良好であった。
(1)パラヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との共重合物からなり、310℃での溶融粘度が15Pa・sである溶融液晶形成性全芳香族ポリエステル(ポリプラスチックス株式会社製「Vectra−L」)を二軸押出機より押し出し、幅1mでホール数1000のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給し、単孔吐出量0.3g/分、樹脂温度310℃、熱風温度310℃、ノズル長1m当りのエアー量20Nm3の条件にて平均繊維径11μm、坪量40g/m2の不織布を得た。この不織布に対しては含水率50ppm以上の雰囲気中での熱処理を行わなかった。
(2)上記(1)の不織布の動的粘弾性測定によるガラス転移点は110℃であった。さらに該不織布を用いて前記参考例2の方法で樹脂積層板を製造し、含浸樹脂との接着性を評価したところ、膨れが発生し、また含浸樹脂と不織布との接着性が不良であった。
(1)パラヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との共重合物からなり、310℃での溶融粘度が15Pa・sである溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを二軸押出機より押し出し、幅1mでホール数1000のノズルを有するメルトブローン不織布製造装置に供給し、単孔吐出量0.3g/分、樹脂温度310℃、熱風温度310℃、ノズル長1m当りのエアー量20Nm3の条件にて平均繊維径11μm、坪量40g/m2の不織布を得た。
(2)上記(1)で得られた不織布を含水率15ppmの空気中にて270℃、6時間熱処理したところ、ガラス転移点は110℃であった。
この不織布を使用し、前記参考例2の方法で樹脂積層板を製造し、含浸樹脂との接着性を評価したところ、膨れが発生し、また含浸樹脂と不織布との接着性が不良であった。
Claims (2)
- 310℃での溶融粘度が20Pa・s以下である溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルを主成分とし、平均繊維径が1〜15μmである実質的に連続したフィラメントからなり、水分率50ppm以上100ppm以下の水分存在下、溶融液晶形成性全芳香族ポリエステルの融点−40℃以上、融点+20℃以下の温度で3〜80時間熱処理後の動的粘弾性測定によるガラス転移点が120℃以上であることを特徴とする不織布を補強材として用いた樹脂補強成形体。
- メルトブロー法により製造されてなる請求項1記載の不織布を補強材として用いた樹脂補強成形体。
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