JP4981300B2 - 焦点板及びそれを備える光学ファインダー - Google Patents

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本発明は一眼レフカメラ等に用いられるマイクロレンズアレイを用いた焦点板及びそれを備える光学ファインダーに好適なものである。
従来、スクリーンや焦点板などに、多数のマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイが用いられている。このうち、例えばマイクロレンズアレイより成るスクリーンは、金型の砂掛け面から微細凹凸を転写したスクリーンに比べて観察において粒状感が少なく、明るいという利点がある。
但し、マイクロレンズを周期的と配列したマイクロレンズアレイは、回折光の方向が特定方向に限定されてボケ味が不自然になる場合がある。またフレネルレンズと併用した時にフレネルレンズの輪帯構造との干渉を引き起こしてモアレ縞が発生したりする。
このためマイクロレンズや微小の凹部の配列をランダムにすることで、上述した問題点を解消したマイクロレンズアレイが提案されている。
このうちマイクロレンズをランダムに配列した構成のマイクロレンズアレイが従来より種々と提案されている(特許文献1、非特許文献1参照)。
特許文献1では、複数のマイクロレンズを相互に隣接するマイクロレンズの頂点間隔を全て等間隔Lとした基本パターンとは異なるように不規則に又は確率分布的な規則性をもって形成したマイクロレンズアレイを開示している。
具体的には全てのマイクロレンズの頂点位置が、基本パターンにおける頂点位置を中心とした所定の円内に位置するようにしたマイクロレンズアレイを開示している。
非特許文献1は、多成分ガラスからなる基板上の複数の箇所を分布状態で高屈折率化して複数のレンズを形成するイオン交換法を開示している。そして、この方法を用いてマイクロレンズをランダムに形成した構成のマイクロレンズアレイを開示している。
特開2003−4907号公報 M.Oikawa,et al.,Jpn.J.Appl.Phys.20(4) L51-54,1918
特許文献1に開示されているマイクロレンズアレイは、基本パターンのような周期的な規則配列に特有の回折光の影響やモアレ縞の発生がない。また特許文献1のマイクロレンズアレイは隣接するマイクロレンズの頂点同士が離れすぎることによる局所的なかげりおよびこれに起因する粒状感が生じない。更に近づきすぎることによる局所的な拡散不良からくる局所的な素抜け感が生じることがないという特長を有している。
このマイクロレンズアレイを、例えば光学ファインダーの焦点板として用いると、粒状感や、規則配列特有の回折光の影響や、モアレ縞の発生が少ない。
このため明るくクリーンな見え特性を持ち、個々のマイクロレンズ形状の再現性もよく、非常に優れた光学ファインダーが得られる。
しかしながら一般にランダムな頂点配置を適用したマイクロレンズアレイを光学ファインダーに用いると、個々のマイクロレンズの端部に入射する光線が各々のマイクロレンズによって異なって屈折する。
この作用により観察者の瞳に入射する光線となるものと、瞳から外れる光線が生じ、局部的なケラレ、すなわち暗部として観察される場合がある。
特にFnoの大きな暗いマイクロレンズより成るマイクロレンズアレイを使用する際にこの現象は顕著となる。
本発明は複数のマイクロレンズを所望の形状にランダムに配置すると共に、マイクロレンズ間の形状を適切に設定することで、観察上、粒状感が少ないマイクロレンズアレイを用いた焦点板の提供を目的とする。
更に入射光束に対する屈折角の差が少なく、例えば光学ファインダーに用いたときには局部的なケラレの少ないマイクロレンズアレイを用いた焦点板の提供を目的とする。
本発明は、マイクロレンズアレイを用いた焦点板であって、前記マイクロレンズアレイを構成する複数のマイクロレンズは、相互に隣接するマイクロレンズの面頂点間隔が全て等間隔Lとなるように複数のマイクロレンズが配列されたハニカム構造を基本パターンとするとき、該基本パターンにおける面頂点位置を中心とした半径0.5L以下の円内に複数のマイクロレンズの面頂点位置がランダムに位置するように配置されており、前記複数のマイクロレンズの全方向の境界領域は、該マイクロレンズの面曲率とは異なる符号の面曲率の曲面より成ることを特徴としている。
本発明によれば観察上、粒状感が少ないマイクロレンズアレイを用いた焦点板が得られる。
この他、本発明によれば入射光束に対する屈折角の差が少なく、例えば光学ファインダーに用いたときには局部的なケラレの少ないマイクロレンズアレイを用いた焦点板が得られる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例1のマイクロレンズアレイを備える焦点板に係るマイクロレンズアレイMLAの各々のマイクロレンズMLの配列を示した平面配列図である。本実施例では、マイクロレンズMLが、ハニカム形状に形成されて周期的に規則正しく並んでいる状態(基本パターン)から、それぞれのマイクロレンズMLの面頂点を一定の条件のもとに変位させた状態で不規則(ランダム)に配列している。
また全方向の線Laを含む複数の境界領域A1〜A3は後述する図4に示すようにマイクロレンズMLのレンズ面の面曲率とは異なる符号の面曲率より成る、ある幅(W1〜W3)をもった曲面(境界部)より成っている。
図1に示したマイクロレンズMLの配列方法について図2を用いて説明する。図2には、マイクロレンズMLが規則正しく並んでいる場合(基本パターン)の各マイクロレンズの頂点(中心)をドットGで示しており、隣接するドットG同士の間隔(レンズ頂点間隔)Lは全て等しい等間隔Lとなっている。この配列をここでは基本パターンと称している。
そして、本実施例のマイクロレンズアレイMLAでは、この基本パターンにおける各ドットGの位置を仮想的なグリッドポイントGとしている。そして図2に示した各グリッドポイントGを中心とする半径dの円内に、マイクロレンズMLを、その面頂点がランダム(不規則に)となるように配置している。
一般にマイクロレンズをランダムに配列したマイクロレンズアレイは、マイクロレンズを周期的と配列した場合に発生する以下に示す問題点(1),(2)を解消する優れた特性を備えている。
(1)回折光の方向が特定方向に限定されてボケ味が不自然になったりする。
(2)フレネルレンズと併用した時にフレネルレンズの輪帯構造との干渉を引き起こしてモアレ縞が発生したりする。
しかしながら、その一方で、局所的な拡散強度の違いにより粒状感が発生する場合がある。このことを図6および図7を用いて説明する。
図6は、マイクロレンズMLが等間隔に並んだマイクロレンズアレイMLAの要部断面図である。図6における4つのマイクロレンズMLはその面頂点間隔がLとなるように並び、等間隔の面頂点(グリッドポイント)GにマイクロレンズMLが並んだ形状を示している。
図7は、マイクロレンズMLが面頂点をランダムにして配置したマイクロレンズアレイMLAの要部断面図である。マイクロレンズMLの面頂点位置Tが図6のものに比べて変位することにより、面頂点間隔L1、L2、L3がL3<L1<L2を満たす関係で各マイクロレンズMLが並んでいる。尚、L1、L2、L3は各々マイクロレンズの一方向の面頂点間隔である。
図7には、個々のマイクロレンズMLの端部Lb1、Lb2に入射する光線l1,l2が点線で示されている。図7においてマイクロレンズMLの面頂点間隔がL1であるマイクロレンズMLの端部Lb1に入射する光線l1はマイクロレンズMLによって屈折するものの、部分的なマイクロレンズのFno(Fナンバー)が大きいため、その屈折角は大きなものとはならない。
一方、マイクロレンズMLの面頂点間隔がL2であるマイクロレンズMLの端部Lb2に入射する光線l2は、マイクロレンズMLによって屈折されて部分的なマイクロレンズMLのFnoが小さいため、大きな屈折角となる。この光学作用により光線l1は観察者の瞳に入射する光線となるものの、光線l2は瞳から外れる光線となり、局部的なケラレ、すなわち暗部として観察される。
このケラレは特にFnoの大きな暗いマイクロレンズを使用する際にこの現象は顕著となる。
そこで本実施例のマイクロレンズMLは、その面頂点が一定条件の基でランダム配列と成るように構成して光学ファインダーに用いたときケラレを少なくし粒状感を解消している。
具体的には、図1に示すマイクロレンズアレイMLAでは、L=0.02mm、d=0.15×Lの関係となっている。
また、各マイクロレンズMLの焦点距離はf=0.08mmとなっている。これは例えば光学ファインダーに用いたとき、接眼レンズの焦点距離が80mm程度のカメラ用に好適なピント板(焦点板)として用いることができる仕様になっている。
図3は、本実施例のマイクロレンズMLの面頂点位置Tの配置例を示している。ここで、基準となる基本パターンでの面頂点間隔LやマイクロレンズMLの焦点距離fは適用する光学機器に応じて適宜選択している。
マイクロレンズアレイを用いた焦点板を備える光学ファインダーにおいては、一般に接眼レンズの焦点距離が短いほど面頂点間隔Lを小さくすることが要求される。また使用する対物レンズのFno(Fナンバー)が明るいほどマイクロレンズの焦点距離fは短くなり、マイクロレンズMLのFnoも小さいものが要求される。
本実施例においては全てのマイクロレンズMLの面頂点位置Tが、上記基本パターンにおける面頂点位置を中心とした半径dが半径0.5L以下の円内に位置するように設定している。尚、マイクロレンズMLの面頂点位置Tは、グリッドポイントGから0.5Lだけ離れて位置する場合もあれば、グリッドポイントG上に位置する場合もある。
尚、この場合、相互に隣接するマイクロレンズMLの面頂点間隔Pは、
0≦P≦2L
なる条件を満たすことになる。
一般的なカメラの光学ファインダーでは、光線を入射させたときの拡散特性が主として±5°〜±10°の範囲にあることが要求される。これはカメラの撮影レンズはFnoがおよそF2.8〜F5.6の範囲にあるからである。
撮影レンズのピントを確認するためには、撮影レンズの光束がピントの合焦、非合焦に関わらず撮影者の目に到達することが必要である。例えば像点の一つに注目すれば、撮影レンズの光束円錐の中で最も外側の光線が撮影者の目に導かれるためにはこの最外郭の光線が拡散特性によって拡散板をほぼ垂直に見つめる撮影者の目に到達する必要がある。
このためには、マイクロレンズMLのFnoが対応する撮影レンズのFnoに等しければよい。実際には、光学ファインダーの明るさを優先したり、一眼レフカメラのように多種の交換レンズに対応するため設計的に最適なマイクロレンズのFnoが選択される。したがって、マイクロレンズのFnoはF2.8〜F5.6の範囲にあれることが望ましい。
本実施例においても、半径dの円の内側でランダムにマイクロレンズMLの面頂点が分布する。このため、個々のマイクロレンズMLの開口径が変動する結果、Fnoが異なってしまうおそれがある。
そこで、マイクロレンズMLの面頂点の設定範囲の中心である仮想的なグリッドポイントGの間隔Lが平均にはマイクロレンズMLの開口径に等しいと考える。そしてマイクロレンズMLの焦点距離をf(これはレンズ面の曲率半径で決まり、全てのマイクロレンズMLで等しい)とすれば、平均FナンバーFno=f/Lとなる。これを2.8〜5.6程度に設定すれば、カメラの光学ファインダーとして適切な拡散特性を得られることになる。
各マイクロレンズMLの面頂点間隔が異なり、面頂点間隔が広い場合、マイクロレンズのFnoによっては局所的に光学ファインダーとして適切な範囲を超えてしまい光束のケラレや粒状感となって観察される。
図4は本発明の実施例1のマイクロレンズアレイを用いた焦点板におけるマイクロレンズアレイMLAの要部断面図である。
本実施例においては複数のマイクロレンズMLの境界領域A1〜A3は、該マイクロレンズMLの面曲率とは異なる符号の曲率のある幅W1〜W3をもった面(境界部)より成っている。これにより前記図7の光線l2で示されるケラレ光線を減少させ、粒状感を低減させている。
尚、図4では幅W1〜W3を有する面A1〜A3の3つの面を例示的に示しているが、この数は3つ以上複数存在する。
図4に示す光線l2は境界部A2で示される領域を通過することにより、マイクロレンズMLによる屈折作用を受けることがない。これにより光束のケラレが発生しないため微細な暗部を生じることなく粒状感が緩和される。
本実施例では境界部A1〜A3の面内方向の幅をW、基本パターンにおける頂点間隔をLとするとき、
L/20≦W≦L/3 ‥‥‥(1)
なる条件を満足させている。
条件式(1)は境界部の幅Wを規定するためのものである。条件式(1)の上限値を越えると屈折作用の少ない領域が増え十分な拡散特性が得らず良くない。また条件式(1)の下限値を越えると十分なケラレ防止効果が得られず良くない。
さらに好ましくは条件式(1)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
L/10≦W≦L/6 ‥‥‥(1a)
尚、本実施例ではそれぞれのマイクロレンズMLをその面頂点が一定の条件のもとにランダム(不規則性)となるように形成したが、これに限らず、確率分布的な規則性を持って形成しても良い。例えば、その方法の一例としては、ある種の確率分布に従った多数の座標からなる分布モデルを作成しておき、その中からランダムに座標を選び出す方法等が挙げられる。
図5は、本実施例のマイクロレンズアレイMLAを用いた焦点板を備える一眼レフカメラの光学ファインダーの構成を示した要部構成図である。
同図において被写体からの光束は、撮影レンズ11を通過してクイックリターンミラー12で反射された後、マイクロレンズアレイよりなる焦点板13上に物体像が結像する。
焦点板13上に結像した被写体像は、マイクロレンズアレイによって拡散され、ペンタプリズム14により反転され、正立像として接眼レンズ15を通してアイポイント16にて観察される。
マイクロレンズアレイによる拡散は、マイクロレンズアレイの配列やマイクロレンズの半径によって決まり、ピントの合わせ易さ、ボケ像の見え方、焦点板自体の粒状感などに影響を与える。
本実施例のように上述したマイクロレンズアレイを焦点板13に用いることにより、焦点板に必要な特性を良好に満たすことができる。
なお、本実施例では、カメラ用の光学ファインダーに用いられる焦点板に適した仕様のマイクロレンズアレイについて説明したが、本発明は、各種光学機器に使用されるマイクロレンズアレイのスクリーンや拡散板等に適用することが可能である。
本発明の実施例1のマイクロレンズアレイにおけるマイクロレンズの配置図 本発明の実施例1のマイクロレンズアレイにおけるマイクロレンズの面頂点配置を決定するための基準となる基本パターンのグリッド配置を示す説明図 本発明の実施例1のマイクロレンズアレイのランダムなグリッド配置を示す説明図 本発明の実施例1のマイクロレンズアレイの要部断面図 マイクロレンズアレイを焦点板として用いたカメラの光学ファインダーを示す説明図 等間隔に並んだマイクロレンズアレイの要部断面図 ランダムな面頂点配置を適用したマイクロレンズアレイの要部断面図
符号の説明
MLA マイクロレンズアレイ
ML マイクロレンズ
L 基本パターンにおける頂点間隔
T マイクロレンズの頂点位置
G グリッドポイント
11 撮影レンズ
12 クイックリターンミラー
13 焦点板
14 ペンタプリズム
15 接眼レンズ

Claims (4)

  1. マイクロレンズアレイを用いた焦点板であって、前記マイクロレンズアレイを構成する複数のマイクロレンズは、相互に隣接するマイクロレンズの面頂点間隔が全て等間隔Lとなるように複数のマイクロレンズが配列されたハニカム構造を基本パターンとするとき、該基本パターンにおける面頂点位置を中心とした半径0.5L以下の円内に複数のマイクロレンズの面頂点位置がランダムに位置するように配置されており、前記複数のマイクロレンズの全方向の境界領域は、該マイクロレンズの面曲率とは異なる符号の面曲率の曲面より成ることを特徴とする焦点板。
  2. 前記境界領域の前記マイクロレンズの面内方向の幅をWとするとき、
    L/20≦W≦L/3
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の焦点板。
  3. 請求項1又は2に記載の焦点板を備えることを特徴とする光学ファインダー。
  4. 請求項3に記載の光学ファインダーを備えることを特徴とするカメラ。
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