JP4982398B2 - 光走査装置および光走査装置の製造方法、並びにこの光走査装置を備える画像形成装置および画像形成装置の製造方法 - Google Patents

光走査装置および光走査装置の製造方法、並びにこの光走査装置を備える画像形成装置および画像形成装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は光走査装置および光走査装置の製造方法、並びにこの光走査装置を備える画像形成装置および画像形成装置の製造方法に係り、特に、ポリゴンミラーに入射される光束が有する幅がポリゴンミラーを形成する1つの反射面が有する幅よりも広いオーバーイルミネーション走査光学系において、光束を感光体ドラムに走査することができるようにした光走査装置および光走査装置の製造方法、並びにこの光走査装置を備える画像形成装置および画像形成装置の製造方法に関する。
近年、例えばレーザプリンタ、ディジタル複写機、レーザファックスなどの電子写真方式の画像形成装置においては、レーザ光(光ビーム)を感光体ドラムの表面に照射してそのレーザ光を走査することにより感光体ドラム上に静電潜像を形成する光走査装置が備えられている。
最近では、感光体ドラムの表面での走査の高速化を図るため、例えば1つのレーザユニットに複数の光源(レーザダイオード)を設けて、1回に走査するレーザ光の本数を増やす方法(マルチビーム方法)が提案されている。このマルチビーム方法においては、各光源から出射された色成分(例えば、イエロー、マゼンダ、シアン、およびブラック)ごとの複数のビームは、偏向前光学系での処理が施されるとともに、1ビーム化されてポリゴンミラーに入射する。ポリゴンミラーで偏向されたビームは、偏向後光学系を構成するfθレンズを介した後、色成分ごとのビームに分離されて色成分ごとの感光体ドラムに照射される。
ここで、偏向器であるポリゴンミラーの回転軸方向を「副走査方向」と定義し、光学系の光軸方向および偏向器(ポリゴンミラー)の回転軸方向のそれぞれに対して垂直な方向を「主走査方向」と定義する。なお、光学系での副走査方向は、画像形成装置における転写材の搬送方向に対応しており、光学系での主走査方向は、画像形成装置における転写材面内での搬送方向に垂直な方向に対応している。また、像面は感光体ドラムの面を示しており、結像面は実際に光束(レーザ光)が結像する面を示している。
一般に、画像プロセス速度(紙搬送速度)、画像解像度、モータ回転速度、およびポリゴンミラー面数には[数1]に示される関係が存在する。
Figure 0004982398
ここで、上記の式においては、P(mm/s)はプロセス速度(紙搬送速度)を示しており、R(dpi)は画像解像度(1インチ当たりのドット数)を示している。また、Vr(rpm)はポリゴンモータ回転数を示しており、Nはポリゴンミラー面数を示している。
上記の[数1]の式に示されるように、画像形成装置における印字速度や解像度は、ポリゴンミラー回転数(Vr)とポリゴンミラー面数(N)とに比例する。従って、画像形成装置において高速化とともに高解像度化の実現を図るためには、ポリゴンミラー面数(N)を増やすか、あるいは、ポリゴンミラー回転数(Vr)を上げることが必要である。
しかし、従来の一般的なアンダーイルミネーション走査光学系においては、ポリゴンミラーに入射される光束(レーザ光)が有する主走査方向の幅を、ポリゴンミラーを形成する1つの反射面が有する主走査方向の幅(反射幅)よりも小さくするようにして、ポリゴンミラーに入射される光束(レーザ光)をすべて反射させるようにしている。
ところが、像面でのビーム径はFナンバーに比例するとともに、FナンバーFnは結像光学系の焦点距離をfとし、ポリゴンミラー面上での主走査方向のビーム径をDとするとFn=f/Dで表されることから、高画質化を図るために像面でのビーム径を小さくしようとすると、ポリゴンミラー面上の主走査方向のビーム径を大きくしなければいけない。
換言すれば、ある一定上の高画質を得るためには、ポリゴンミラー面上の主走査方向のビーム径を一定の大きさ以上にしなければならないという制約が存在する。
それにもかかわらず、高速化とともに高解像度化の実現を図るためにポリゴンミラー面数(N)を多くしようとすると、ポリゴンミラー自体を大型化しなければならず、その結果、大型化したポリゴンミラーを高速回転させようとすると、ポリゴンミラーを駆動するためのモータへの負荷が大きくなり、モータコストが上がってしまう。また、同時に、モータの騒音や振動、熱の発生が大きくなってしまい、これらへの対策が別途必要となってしまう。
そこで、アンダーイルミネーション走査光学系の代わりに、オーバーイルミネーション走査光学系を用いた画像形成装置が提案されている。オーバーイルミネーション走査光学系では、ポリゴンミラーに入射される光束が有する幅がポリゴンミラーを形成する1つの反射面が有する幅よりも広くするようにしている。
これにより、ポリゴンミラーを形成する反射面の全面(または複数の反射面)を用いて光束を反射させることができ、高速化とともに高解像度化を図るためにポリゴンミラーの反射面数(N)を増やしつつ、かつ、ポリゴンミラー面上のビーム径を確保するようにした場合であっても、ポリゴンミラー自体の径を小さくすることができる。従って、ポリゴンミラーを駆動するためのモータに対する負荷を低減することができ、モータコストを低減することが可能となる。また、ポリゴンミラー自体の径を小径にするとともに、反射面数を多くすることができるために、ポリゴンミラーの形状を円形に近づけることができ、ポリゴンミラー駆動時における空気抵抗を小さくすることができ、その結果、ポリゴンミラーを高速で回転させたとしても騒音や振動、熱の発生を低減することができる。
さらに、騒音や振動、熱の発生の低減に伴い、騒音や振動を低減するためのガラスなどの対策部品の全部または一部が不必要となり、画像形成装置を製造する際のコストを低下させることができる。また、高デューティーサイクル(Duty Cycle)が可能となる。
以上のようなオーバーイルミネーション走査光学系に関しては、例えばLaser Scanning Notebook (Leo Beiser 著 , SPIE OPTICAL ENGINEERING PRESS)(非特許文献1)に記述されている。
Laser Scanning Notebook (Leo Beiser 著 , SPIE OPTICAL ENGINEERING PRESS)
偏向後光学系に含まれる結像レンズの材質を樹脂とし、樹脂を所定の形状に成形することで結像レンズを製造する場合、ゲートカットが必要になる。しかし、ゲートカット時の熱により、製造された結像レンズのゲートカット部近傍では残留歪や変形が発生する。
例えば偏向後光学系のレンズがサイドゲート口から流入された樹脂を成形することで製造される成形レンズである場合、ゲート口側に対応する側の結像レンズの端などに、ゲートカット時の熱により残留歪や変形などが発生してしまう。
このようなゲートカット時の熱による残留歪や変形などが発生したレンズのゲートカット部を光束(レーザ光)が通過すると、像面におけるビーム径は通常よりも大きくなってしまう。
特に、偏向後光学系のレンズが1枚の場合、より大きなパワーをレンズに必要とするために厚肉レンズにする必要があるが、このために、樹脂を流入させるためのサイドゲート口近傍に成形されるレンズ(レンズのゲートカット部)の断面積は大きくなってしまい、この部分をゲートカットしようとするとゲートカット時の熱によりレンズにより多くの残留歪や変形が生じてしまう。その結果、レンズのゲートカット部を光束(レーザ光)が通過したとき、像面におけるビーム径が通常よりもさらに大きくなってしまう。
ここで、従来のアンダーイルミネーション走査光学系においては、ポリゴンミラーにより偏向されたレーザビームLの主走査方向に対応する幅は走査位置(角度)に関係なく一定であった。しかしながら、オーバーイルミネーション走査光学系においては、走査位置(角度)に応じてレーザビームLの主走査方向に対応する幅は変動する。
具体的には、ポリゴンミラーに入射されるレーザビームLの光軸と偏向後光学系の光軸とが角度をなす場合では、走査位置(角度)によって光束の主走査方向に対応する幅は変動する。
そのため、走査位置(角度)によってFナンバーが変化し、ポリゴンミラーにレーザビームが入射される際の入射光側から入射光側に対する反対側に向かうに従い、像面での主走査方向のビーム径が大きくなってしまい、像面での主走査方向のビーム径にばらつきが発生してしまう。換言すれば、像面での主走査方向のビーム径は、感光体ドラム上の走査領域において光学系の光軸に対して左右非対称になり、ポリゴンミラーにレーザビームLが入射される際の入射光側から入射光側に対する反対側に向かうに従い、像面での光学特性が悪くなる。
このため、樹脂を成形することで結像レンズを製造する場合にサイドゲートを用いたときに、入射光側に対する反対側に結像レンズのゲートカット部を配置してしまうと、入射光側に対する反対側においては、像面での光学特性の悪さに加えて、ゲートカット時に発生した残留歪や変形の影響により、像面におけるビーム径が非常に大きくなってしまうという課題があった。
その結果、像面である感光体ドラムの走査領域におけるビーム径のばらつきが大きくなってしまう。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、レンズ成形時に残留歪や変形が発生した場合であっても、走査領域におけるビーム径のばらつきを低減するとともに、画質の悪化を防止することができる装置を提供することを目的とする。
本発明の光走査装置は、上述した課題を解決するために、光束を出射する光源と、光源から出射された光束を形成して主走査方向と対応する所定の方向に線像として結像させる偏向前光学系と、偏向前光学系により結像された光束を走査対象物に対して走査する走査手段と、走査手段により走査された光束を走査対象物に結像させる偏向後光学系とを備え、偏向前光学系から走査手段に入射される光束が有する幅が走査手段を形成する1つの反射面が有する幅よりも広く、かつ、走査手段に入射される光束の光軸と、偏向後光学系の光軸と所定の角度をなす光走査装置において、偏向後光学系は、金型に予め設けられたサイドゲート口から樹脂を流入させた後に樹脂を所定の形状に成形することで構成される、少なくとも1つ以上の光学部品を含み、光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側には、光学部品のゲートカット部が含まれ、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、偏向後光学系の光軸に対して走査手段に光束が入射される際の入射光側に設けられることを特徴とする。
本発明の光走査装置の製造方法は、上述した課題を解決するために、光束を出射する光源と、光源から出射された光束を形成して主走査方向と対応する所定の方向に線像として結像させる偏向前光学系と、偏向前光学系により結像された光束を走査対象物に対して走査する走査手段と、走査手段により走査された光束を走査対象物に結像させる偏向後光学系とを備え、偏向前光学系から走査手段に入射された光束が有する幅が走査手段を形成する1つの反射面が有する幅よりも広く、かつ、走査手段に入射された光束の光軸と、偏向後光学系の光軸所定の角度をなす光走査装置の製造方法において、金型に予め設けられた、樹脂を流入させるためのサイドゲート口から樹脂を流入させた後、流入された樹脂を所定の形状に成形することで光学部品を製造し、少なくとも1つ以上の光学部品を偏向後光学系に配置する際に、光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側には、光学部品のゲートカット部が含まれ、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、偏向後光学系の光軸に対して走査手段に光束が入射される際の入射光側になるように配置することを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、上述した課題を解決するために、光束を出射する光源と、光源から出射された光束を形成して主走査方向と対応する所定の方向に線像として結像させる偏向前光学系と、偏向前光学系により結像された光束を走査対象物に対して走査する走査手段と、走査手段により走査された光束を走査対象物に結像させる偏向後光学系とを備え、偏向前光学系から走査手段に入射される光束が有する幅が走査手段を形成する1つの反射面が有する幅よりも広く、かつ、走査手段に入射される光束の光軸と、偏向後光学系の光軸所定の角度をなす光走査装置を備える画像形成装置において、偏向後光学系は、金型に予め設けられたサイドゲート口から樹脂を流入させた後に樹脂を所定の形状に成形することで構成される、少なくとも1つ以上の光学部品を含み、光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側には、光学部品のゲートカット部が含まれ、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、偏向後光学系の光軸に対して走査手段に光束が入射される際の入射光側に設けられることを特徴とする。
本発明の画像形成装置の製造方法は、上述した課題を解決するために、光束を出射する光源と、光源から出射された光束を形成して主走査方向と対応する所定の方向に線像として結像させる偏向前光学系と、偏向前光学系により結像された光束を走査対象物に対して走査する走査手段と、走査手段により走査された光束を走査対象物に結像させる偏向後光学系とを備え、偏向前光学系から走査手段に入射された光束が有する幅が走査手段を形成する1つの反射面が有する幅よりも広く、かつ、走査手段に入射された光束の光軸と、偏向後光学系の光軸所定の角度をなす光走査装置を備える画像形成装置の製造方法において、金型に予め設けられた、樹脂を流入させるためのサイドゲート口から樹脂を流入させた後、流入された樹脂を所定の形状に成形することで光学部品を製造し、少なくとも1つ以上の光学部品を偏向後光学系に配置する際に、光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側には、前記光学部品のゲートカット部が含まれ、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、偏向後光学系の光軸に対して走査手段に光束が入射される際の入射光側になるように配置することを特徴とする。
本発明の光走査装置においては、光束を出射する光源と、光源から出射された光束を形成して主走査方向と対応する所定の方向に線像として結像させる偏向前光学系と、偏向前光学系により結像された光束を走査対象物に対して走査する走査手段と、走査手段により走査された光束を走査対象物に結像させる偏向後光学系とを備え、偏向前光学系から走査手段に入射される光束が有する幅が走査手段を形成する1つの反射面が有する幅よりも広く、かつ、走査手段に入射される光束の光軸と、偏向後光学系の光軸所定の角度をなす光走査装置において、偏向後光学系には、金型に予め設けられたサイドゲート口から樹脂を流入させた後に樹脂を所定の形状に成形することで構成される、少なくとも1つ以上の光学部品が含まれ、光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側には、光学部品のゲートカット部が含まれ、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、偏向後光学系の光軸に対して走査手段に光束が入射される際の入射光側に設けられる。
本発明の光走査装置の製造方法においては、光束を出射する光源と、光源から出射された光束を形成して主走査方向と対応する所定の方向に線像として結像させる偏向前光学系と、偏向前光学系により結像された光束を走査対象物に対して走査する走査手段と、走査手段により走査された光束を走査対象物に結像させる偏向後光学系とを備え、偏向前光学系から走査手段に入射された光束が有する幅が走査手段を形成する1つの反射面が有する幅よりも広く、かつ、走査手段に入射された光束の光軸と、偏向後光学系の光軸所定の角度をなす光走査装置の製造方法において、金型に予め設けられた、樹脂を流入させるためのサイドゲート口から樹脂を流入させた後、流入された樹脂を所定の形状に成形することで光学部品が製造され、少なくとも1つ以上の光学部品を偏向後光学系に配置する際に、光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側には、光学部品のゲートカット部が含まれ、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、偏向後光学系の光軸に対して走査手段に光束が入射される際の入射光側になるように配置される。
本発明の画像形成装置においては、光束を出射する光源と、光源から出射された光束を形成して主走査方向と対応する所定の方向に線像として結像させる偏向前光学系と、偏向前光学系により結像された光束を走査対象物に対して走査する走査手段と、走査手段により走査された光束を走査対象物に結像させる偏向後光学系とを備え、偏向前光学系から走査手段に入射される光束が有する幅が走査手段を形成する1つの反射面が有する幅よりも広く、かつ、走査手段に入射される光束の光軸と、偏向後光学系の光軸所定の角度をなす光走査装置を備える画像形成装置において、偏向後光学系には、金型に予め設けられたサイドゲート口から樹脂を流入させた後に樹脂を所定の形状に成形することで構成される、少なくとも1つ以上の光学部品が含まれ、光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側には、光学部品のゲートカット部が含まれ、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、偏向後光学系の光軸に対して走査手段に光束が入射される際の入射光側に設けられる。
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本発明によれば、レンズ成形時に残留歪や変形が発生した場合であっても、走査領域におけるビーム径のばらつきを低減するとともに、画質の悪化を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る光走査装置21を備えた画像形成装置1の構成を表している。
図1に示されるように、画像形成装置1は、例えば画像読取手段としてのスキャナ部10と、画像形成手段としてのプリンタ部20を備えている。
スキャナ部10は、矢印の方向に移動可能に形成された第1キャリッジ11、第1キャリッジ11に従って移動される第2キャリッジ12、第2キャリッジ12からの光に所定の結像特性を与える光学レンズ13、光学レンズ13により所定の結像特性が与えられた光を光電変換するとともに、光電変換後の電気信号を出力する光電変換素子14、原稿Dを保持する原稿台15、原稿台15に原稿Dを押し付けることで固定する原稿固定カバー16などを有している。
第1キャリッジ11には、原稿Dを照明する光源17、光源17が放射する光により照明されることで原稿Dから反射された反射光を、第2キャリッジ12に向けて反射するミラー18aが設けられている。
第2キャリッジ12には、第1キャリッジ11のミラー18aから案内された光を90゜折り曲げるミラー18b、ミラー18bで折り曲げられた光をさらに90゜折り曲げるミラー18cを有している。
原稿台15に載置された原稿Dは、光源17によって照明され、画像の有無に対応する光の明暗が分布する反射光を反射する。この原稿Dによる反射光は、原稿Dの画像情報として、ミラー18a,18bおよび18cを経由して光学レンズ13に入射されて案内される。
光学レンズ13に案内された原稿Dからの反射光は、光学レンズ13により、光電変換素子(例えばCCDセンサ)14の受光面に集光される。
以下、図示しない操作パネルまたは外部装置から画像形成を開始するとの指示が入力されると、図示しないキャリッジ駆動用モータの駆動により、第1キャリッジ11と第2キャリッジ12が、原稿台15に対して所定の位置関係となるように予め定められているホーム位置に一旦移動される。
その後、第1キャリッジ11と第2キャリッジ12が原稿台15に沿って所定の速度で移動されることで、原稿Dの画像情報すなわち原稿Dから反射された反射光(画像光)は、ミラー18aが延出されている方向すなわち主走査方向に沿った所定の幅で切り出されて、ミラー18bに向けて反射されるとともに、ミラー18aが延出されている方向と直交する方向すなわち副走査方向に関してミラー18aにより切り出された幅を単位として、原稿Dから反射された反射光は順次取り出される。これにより、原稿Dのすべての画像情報が光電変換素子14に案内される。なお、光電変換素子14から出力される電気信号はアナログ信号であり、図示しないA/Dコンバータによりディジタル信号に変換されて、画像信号として図示しない画像メモリに一時的に記憶される。
以上のようにして、原稿台15上に載置された原稿Dの画像は、光電変換素子14により、ミラー18aが延出されている第1の方向に沿った1ラインごとに図示しない画像処理部において画像の濃淡を示す例えば8ビットのディジタル画像信号に変換される。
プリンタ部20は、図2および図3を用いて後段に説明する露光装置としての光走査装置21および被画像形成媒体である記録用紙P上に画像形成が可能な電子写真方式の画像形成部22を有している。
画像形成部22は、図3を用いて説明するメインモータ23Aにより外周面が所定の速度で移動するように回転される。画像形成部22は、光走査装置21からレーザビーム(レーザ光)Lが照射されることで画像データすなわち原稿Dの画像に対応する静電潜像が形成されるドラム状の感光体(以下、「感光体ドラム」という)23、感光体ドラム23の表面に所定の極性の表面電位を与える帯電装置24、光走査装置によって形成された感光体ドラム23上の静電潜像に可視化材としてのトナーを選択的に供給して現像する現像装置25、現像装置25により感光体ドラム23の外周に形成されたトナー像に所定の電界を与えて記録用紙Pに転写する転写装置26、転写装置26によりトナー像が転写された記録用紙Pおよび記録用紙Pと感光体ドラム23との間のトナーを、感光体ドラム23との静電吸着から解放して感光体ドラム23から分離する分離装置27、および感光体ドラム23の外周面に残った転写残りトナーを除去し、感光体ドラム23の電位分布を帯電装置24により表面電位が供給される前の状態に戻すクリーニング装置28などを有している。
なお、帯電装置24、現像装置25、転写装置26、分離装置27およびクリーニング装置28は、感光体ドラム23が回転される矢印方向に沿って、順に配列されている。また、光走査装置21からのレーザビームLは、帯電装置24と現像装置25と間の感光体ドラム23上の所定位置Xに照射される。
スキャナ部10において原稿Dから読み取られた画像信号は、図示しない画像処理部において、例えば輪郭補正あるいは中間調表示のための階調処理などの処理により印字信号に変換されるとともに、さらに、光走査装置21の以下に説明する半導体レーザ素子(図2の半導体レーザ素子41)から放射されるレーザビームLの光強度を、帯電装置24により所定の表面電位が与えられている感光体ドラム23の外周に静電潜像を記録可能な強度と潜像を記録しない強度とのいずれかに変化させるためのレーザ変調信号に変換される。
光走査装置21に設けられる各半導本レーザ素子(図2の半導体レーザ素子41)は、上述したレーザ変調信号に基づいて強度変調され、所定の画像データに対応して感光体ドラム23の所定位置に静電潜像を記録するように発光する。この半導本レーザ素子からのレーザ光は、光走査装置21内の偏向器(図2の偏向器であるポリゴンミラー50)によりスキャナ部10の読み取りラインと同一の方向である第1の方向に偏向されて、感光体ドラム23の外周上の所定位置Xに照射される。
以下、感光体ドラム23が所定速度で矢印方向に回転されることで、スキャナ部10の第1キャリッジ11および第2キャリッジ12が原稿台15に沿って移動されると同様に、光走査装置21内の偏向器(図2の偏向器であるポリゴンミラー50)により順次偏向される半導体レーザ素子からのレーザビームが1ライン毎に、感光体ドラム23上の外周に所定間隔で露光される。
このようにして、感光体ドラム23の外周上に、画像信号に応じた静電潜像が形成される。
感光体ドラム23の外周に形成ざれた静電潜像は、現像装置25からのトナーにより現像される。トナーにより現像されたトナー像は、感光体ドラム23の回転により転写装置26と対向する位置に搬送されるとともに、給紙ローラ30および分離ローラ31により用紙カセット29から1枚取り出された後にアライニングローラ32でタイミングが整合されて供給される記録用紙P上に、転写装置26からの電界によって転写される。
トナー像が転写された記録用紙Pは、分離装置27によりトナーとともに分離され、搬送装置33により定着装置34に案内される。
定着装置34に案内された記録用紙Pは、定着装置34からの熱と圧力によりトナー(トナー像)が定着されたのち、排紙ローラ35によりトレイ36に排出される。
一方、転写装置26によってトナー像(トナー)を記録用紙Pに転写させた後の感光体ドラム23は、その後の継続的な回転によってクリーニング装置28と対向される。そして、感光体ドラム23の外周に残っている転写残りトナー(残留トナー)が、クリーニング装置28により除去される。さらに、感光体ドラム23は、帯電装置24により表面電位が供給される前の状態に初期状態に戻される。これにより、次の画像形成が可能となる。
以上のプロセスが繰り返されることで、連続した画像形成動作が可能となる。
このように、原稿台15にセットされた原稿Dは、スキャナ部10で画像情報が読み取られ、読み取られた画像情報がプリンタ部20でトナー像に変換されて記録用紙Pに出力されることで、複写される。
なお、上述した画像形成装置1は、ディジタル複写機などに適用するようにしたが、このような場合に限られず、例えば画像読取部が存在しないプリンタ装置などに適用するようにしてよい。
図2(a)および図2(b)は、図1の光走査装置21の詳細な構成を表している。なお、図2(a)は、光走査装置21に含まれる光源(半導体レーザ素子41)と感光体ドラム23(「走査対象物」と定義する)との間に配列される複数の光学要素を、偏向器であるポリゴンミラー50から感光体ドラム23に向かうレーザ光がポリゴンミラー50によって走査される方向と平行な方向である主走査方向と直交する方向(副走査方向)から見た場合における概略的な平面図である。図2(b)は、図2(a)のX―X´線上における光走査装置21の概略的な断面図である。
図2(a)および図2(b)に示されるように、光走査装置21は、例えば658nmのレーザビーム(レーザ光)Lを出射する半導体レーザ素子41、半導体レーザ素子41から出射されたレーザビームLの断面ビーム形状を集束光又は平行光又は発散光に変換するコリメートレンズ42、コリメートレンズ42を通過されたレーザビームLの光量(光束幅)を所定の大きさに制限するアパーチャ43、アパーチャ43により光量が制限されたレーザビームLの断面形状を所定の断面ビーム形状に整えるために副走査方向のみに正のパワーが与えられたシリンドリカルレンズ44、および有限焦点レンズもしくはコリメートレンズ42、アパーチャ43、およびシリンドリカルレンズ44により所定の断面ビーム形状に整えられた半導体レーザ素子41からのレーザビームLを、所定の方向に折り曲げるミラー45などを有する偏向前光学系40を有している。
偏向前光学系40により所定の断面ビーム形状が与えられたレーザビームLが進行する方向には、所定の速度で回転するポリゴンミラーモータ50Aと一体に形成されるポリゴンミラー50が設けられている。ポリゴンミラー50は、シリンドリカルレンズ44によって断面ビーム形状が所定の形状に整えられたレーザビームLを、後段に位置する感光体ドラム23に向けて走査する。
ポリゴンミラー50と感光体ドラム23との間には、ポリゴンミラー50の各反射面で連続して反射されたレーザビームLを、感光体ドラム23の軸線方向に沿って、概ね直線状に結像する偏向後光学系60が設けられている。
偏向後光学系60は、結像レンズ(一般的にfθレンズと呼ばれる)61と、画像形成部22内を浮遊するトナー、塵あるいは紙粉等が光走査装置21の図示しないハウジング内に回り込むことを防止する防塵ガラス62などからなる。結像レンズ61は、ポリゴンミラー50の個々の反射面で連続して反射されるレーザビームLを、感光体ドラム23に照射される際の感光体ドラム23上での位置とポリゴンミラー50の各反射面の回転角とを比例させながら、図1に示される露光位置Xで感光体ドラム23の長手(軸線)方向の一端から他端に照射するとともに、感光体ドラム23上の長手方向のどの位置においても所定の断面ビーム径となるように、ポリゴンミラー50が回転される角度に基づいて所定の関係が与えられた集束性を提供することが可能である。
なお、光走査装置21内の半導体レーザ素子41から感光体ドラム23までのレーザビームLの光路では、図示しない複数のミラーなどにより、光走査装置21の図示しないハウジング内で折り曲げられている。また、結像レンズ61の主走査方向および副走査方向の曲率とポリゴンミラー50および感光体ドラム23との間の光路とが最適化されることにより、結像レンズ61と図示しないミラーの少なくとも1つが予め一体に形成されるようにしてもよい。
また、図2(a)および図2(b)に示される光走査装置21においては、ポリゴンミラー50の各反射面に入射されるレーザビームLの主光線が沿う軸Oと偏向後光学系60の光軸Oをそれぞれ感光体ドラム23上の主走査平面に投影したときに両者が成す角度αが5°であり、一方、半画像領域の走査角度βは26°である。また、図2(a)および図2(b)に示される光走査装置21においては、入射されるレーザビームLと偏向後光学系60の光軸Oとがなす角度は2°である。
次に、図3は、図2(a)および図2(b)に示される光走査装置21を含む画像形成装置1の制御系の概略的な内部の構成を表している。
主制御装置としてのCPU(Central Processing Unit)101には、所定の動作規則やイニシャルデータが記憶されているROM(Read Only Memory:読み出し専用メモリ)102、入力された制御データやCPU101による演算処理の結果などを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)103、光電変換素子14からの画像データまたは外部装置から供給される画像データを保持するとともに、画像処理回路106に対して画像データを出力する画像RAM104、バッテリバックアップにより画像形成装置1への通電が遮断された場合であってもそれまでに記憶されたデータを保持するNVM(不揮発性メモリ)105、および画像RAM104に記憶されている画像データに所定の画像処理を行ってレーザドライバ121に出力する画像処理回路106などが接続されている。
CPU101にはまた、光走査装置21の半導体レーザ素子41を発光させるためのレーザドライバ121、ポリゴンミラー50を回転させるポリゴンミラーモータ50Aを駆動するためのポリゴンモータドライバ122、および感光体ドラム23や記録用紙Pの搬送機構などを駆動するメインモータ23Aを駆動するためのメインモータドライバ123などが接続されている。
光走査装置21では、半導体レーザ素子41から出射された発散性のレーザビームLは、コリメートレンズ42により断面ビーム形状が集束光、平行光、または発散光に変換される。
断面ビーム形状が所定形状に変換されたレーザビームLは、アパーチャ43により通過されて光束幅および光量が最適に設定されるとともに、シリンドリカルレンズ44によって副走査方向にのみ所定の収束性が与えられる。これにより、レーザビームLは、ポリゴンミラー50の各反射面上で主走査方向に延びた線状(線像)となる。
ポリゴンミラー50は例えば正12面体などであり、その内接円直径Dpは約25mmに形成されている。ポリゴンミラー50の各反射面(12面)の主走査方向の幅Wpは、ポリゴンミラー50の反射面の数をNとすると、[数2]に示されるように求めることができる。
[数2]
Wp=tan(π/N)×Dp
本発明の実施形態の場合、ポリゴンミラー50の各反射面(12面)の主走査方向の幅Wpは、Wp=tan(π/12)×25=6.70mmとなる。
これに対して、ポリゴンミラー50の各反射面に照射されるレーザビームLの主走査方向のビーム幅Dは、概ね32mmであり、ポリゴンミラー50の個々の反射面の主走査方向の幅Wp=6.70mmに比較して広く設定されている。レーザビームLの主走査方向のビーム幅Dを主走査方向に広くすることにより、像面(感光体ドラム23)での走査端と走査中心との光量ばらつきを低減することができる。
ポリゴンミラー50の各反射面に案内された後、ポリゴンミラー50の回転によって連続して反射されることで直線状に走査(偏向)されたレーザビームLは、偏向後光学系60の結像レンズ61によって、感光体ドラム23(像面)上で、断面ビーム径が少なくとも主走査方向で概ね均一になるように所定の結像特性が与えられ、感光体ドラム23の表面に概ね直線状に結像される。
また、ポリゴンミラー50の個々の反射面の回転角度と感光体ドラム23上に結像された光ビームの走査位置(結像位置)が、結像レンズ61により比例関係を持つように補正される。従って、感光体ドラム23上に直線状に走査される光ビームの速度は、結像レンズ61によって全走査域で一定となる。なお、結像レンズ61は、ポリゴンミラー50の各反射面が副走査方向に対して個々に非平行であり、すなわち、各反射面に倒れが生じている影響による副走査方向の走査位置のずれも補正できる曲率(副走査方向曲率)が与えられている。さらに、副走査方向の像面湾曲も補正している。これら光学特性を補正するために、副走査方向の曲率は走査位置により変化させている。
結像レンズ61のレンズ面の形状は、例えば図4に示されるような数値とともに、[数3]により定義される。
Figure 0004982398
このような結像レンズ61を用いることで、ポリゴンミラー50の個々の反射面の回転角θと感光体ドラム23上に結像されるレーザビームLの位置とが概ね比例されるため、レーザビームLが感光体ドラム23上に結像される際の位置を補正することが可能となる。
結像レンズ61は、また、ポリゴンミラー50の各反射面相互の副走査方向の傾きの偏差、すなわち面倒れ量のばらつきによって生じる副走査方向の位置ずれを補正することが可能である。
具体的には、結像レンズ61のレーザビーム入射面(ポリゴンミラー50側)と出射面(感光体ドラム23側)とにおいて、概ね光学的に共役の関係とすることで、ポリゴンミラー50の任意の反射面とポリゴンミラー50の回転軸との間に定義される傾きが個々の反射面ごとに異なる場合であっても、感光体ドラム23上に案内されるレーザビームLの副走査方向の走査位置のずれを補正することができる。
なお、レーザビームLの断面ビーム径は、半導体レーザ素子41から出射される光ビームLの波長に依存することから、レーザビームLの波長を785nmとしてレーザビームLの断面ビーム径を大きくすることは可能であり、または630nmもしくはより短い波長とすることにより、レーザビームLの断面ビーム径を一層小径化することも可能である。偏向後の折り返しミラーは平面で構成されており、面倒れ補正は結像レンズ61のみで行っている。
勿論、結像レンズ61の面形状は、主走査軸に対して回転対称軸をもち走査位置により副走査方向の曲率が異なる例えばトーリックレンズであってもより。これにより、副走査方向の屈折力が走査位置により異なり、走査線曲がりを補正することが可能となる。さらに、副走査方向の曲面が回転対称軸をもつ場合に、副走査方向の曲率の自由度が広がりより精度よく補正することが可能となる。
ここで、偏向後光学系60に含まれる結像レンズ61は、例えば図5(a)および(b)に示される結像レンズ66のように、回折面(回折光学素子)をもつ面を含むようにしてもよい。これにより、環境変動の影響を低減することができる。なお、図5(a)および(b)に示される結像レンズ66の場合、出射面側のみに回折面をもつようにしているが、入射面側または両面に回折面をもつようにしてもよい。勿論、結像レンズの枚数が複数の場合も同様である。また、結像レンズのみでなく他の光学素子でもよい。
また、一般に、回折面は例えば図6(a)および(b)に示される結像レンズ67のように平面に付けるようにするが、例えば図5(a)および(b)に示される結像レンズ66のようにパワーを持つ面に付与することで、レンズ枚数を減らすことが可能になる。さらに、回折光学素子によりパワーを持たせることで肉厚変動の低減化や薄肉化が可能となり、製造性の向上とともに精度の向上、そして成形時間の短縮によるコスト低減化が可能になる。
すなわち、例えば図7に示されるように、従来の結像レンズ61のパワーをもつレンズの曲率だけを並べることで、レンズ作用を有しながら肉厚変動の低減化とともに薄肉化が可能になる。これにより、図8に示される結像レンズ68のように、レンズの肉厚変動を低減できる。また、偏向後の光学素子が複数により構成される場合には、光学素子の枚数を削減することも可能となる。
なお、ポリゴンミラー50と反対側に図示しない水平同期センサが設けられている。
ところで、結像レンズ61の材質を樹脂とし、金型に予め設けられたゲート口から樹脂を流入させた後に、樹脂を所定の形状に成形することで結像レンズ61を製造する場合、樹脂の成形後に、結像レンズ61のゲート口側においてゲートカットをする必要がある。しかし、ゲートカット時の熱により、製造された結像レンズ61のゲート口側に対応する側、すなわち、ゲートカット部近傍では残留歪や変形が発生してしまう。
そこで、まず、ゲートカットを行うゲートカット位置を結像レンズ61の底面の中央部に配置した場合に、中央ゲートの結像レンズ61のゲートカット部近傍で発生する残留歪や変形について説明する。
図9(a)乃至(d)は、ゲートカット位置を結像レンズ61の底面の中央部に配置した中央ゲートの結像レンズ61を示している。なお、図9(a)は結像レンズ61の平面図であり、図9(b)は図9(a)のY方向から見た図である。図9(c)は図9(b)の側面図であり、図9(d)は図9(a)の結像レンズ61を底面の方向から見た場合における平面図である。
ここで、図9においては、ゲート口の長手方向の長さをl、光線進行方向(光軸方向)の長さをmとすると、例えばl=60mm、m=4mmである。
図9(a)乃至(d)に示される結像レンズ61のレンズ面の形状は、例えば図10に示されるような数値とともに、[数3]により定義される。この結像レンズ61の材質はメタクリル酸メチル樹脂(PMMA:Poly methyl methacrylate)である。ここで、「有効領域」とは、ポリゴンミラー50から反射された反射光としてのレーザビームLが結像レンズ61を有効に通過して感光体ドラム23に結像する領域と定義する。
この結像レンズ61を用いた光走査装置21の構成は、図11に示される。このとき、ポリゴンミラー50の内接円直径Dpは29mmである。
次に、図12は、中央ゲートの結像レンズ61の場合の、ゲートカット位置から有効領域までの距離とビーム径との関係を示す。
図12に示されるように、ゲートカット位置から有効領域までの距離が近いとビーム径が、設計値のビーム径60μmに対して大きくなる。このことは、ゲートカット位置から有効領域までの距離が近いと、有効領域の光学特性に対して影響を及ぼすことを示している。特に、中央ゲートの結像レンズ61の場合は、ゲートカット時の熱の影響を受ける有効領域上の範囲が大きくなり、有効領域のうち、光学特性へ影響を及ぼす領域が大きくなる。
従って、金型に予め設けられたゲート口から樹脂を流入させた後に樹脂を成形することで結像レンズ61を製造する場合、中央ゲートよりもサイドゲートで行う方が望ましい。また、有効領域の光学特性に対する影響を少なくするためにゲートカット位置から有効領域までの距離を長くしようとすると、樹脂を流入させる金型を大きくする必要があり、金型コストが上がってしまう。さらに、型締力が大きな成形機が必要となってしまう。よって、ゲートカット位置と有効領域との距離は短い方がよい。
そこで、金型に予め設けられたゲート口から樹脂を流入させた後に樹脂を成形することで結像レンズ61を製造する場合、サイドゲートを用いるようにする。しかし、サイドゲートを用いたとしても、樹脂を流入させるゲート口側に対応する側の結像レンズ61の端などに、ゲートカット時の熱により残留歪や変形などが発生してしまう。
具体的には、偏向後光学系60の結像レンズ61が、サイドゲート口から流入された樹脂を成形することで製造される成形レンズである場合、例えば図13(a)および(b)に示されるように、ゲート口側に対応する側のレンズ(特にレンズの端など)に、依然として、ゲートカット時の熱により残留歪や変形などが発生してしまう。なお、図13(b)は、図13(a)のZ方向から見た図である。
このようなゲートカット時の熱による残留歪や変形などが発生した結像レンズ61のゲートカット部を光束(レーザ光)が通過すると、像面におけるビーム径は通常よりも大きくなってしまう。
特に、偏向後光学系60の結像レンズ61が1枚で構成される場合、より大きなパワーを結像レンズ61に必要とするために厚肉レンズにする必要があるが、このために、樹脂を流入させるためのサイドゲート口近傍において成形される結像レンズ61(結像レンズ61のゲートカット部)の断面積は大きくなってしまい、この部分をゲートカットしようとすると、ゲートカット時の熱により依然として結像レンズ61にさらに多くの残留歪や変形が生じてしまう。その結果、結像レンズ61のゲートカット部を光束(レーザ光)が通過したとき、像面におけるビーム径が通常よりもさらに大きくなってしまう。
ここで、オーバーイルミネーション走査光学系においては、走査位置(角度)に応じてレーザビームLの主走査方向に対応する幅は変動する。
具体的には、例えば図14に示されるように、ポリゴンミラー50に入射されるレーザビームLの光軸と偏向後光学系の光軸とが角度をなす場合では、走査位置(角度)によって光束の主走査方向に対応する幅は変動する。
すなわち、ポリゴンミラー50にレーザビームLが入射される際の入射光側(a)、感光体ドラム23の走査領域の中心位置(b)、および入射光側に対する反対側(c)での幅(レーザビームLの主走査方向に対応する幅)はそれぞれDa、Db、およびDcであり、Da>Db>Dcの順に小さくなっていく。そのため、走査位置(角度)によってFナンバーが変化し、ポリゴンミラー50にレーザビームLが入射される際の入射光側(a)から入射光側に対する反対側(c)に向かうに従い、像面での主走査方向のビーム径が大きくなってしまい、像面(感光体ドラム23)での主走査方向のビーム径にばらつきが発生してしまう。換言すれば、像面(感光体ドラム23)での主走査方向のビーム径は、感光体ドラム23上の走査領域において光学系の光軸に対して左右非対称になり、ポリゴンミラー50にレーザビームLが入射される際の入射光側(a)から入射光側に対する反対側(c)に向かうに従い、像面での光学特性が悪くなる。
このため、ゲート口から樹脂を流入させた後に樹脂を成形することで結像レンズ61を製造する場合にサイドゲートを用いたとき、入射光側に対する反対側に結像レンズ61のゲートカット部を配置してしまうと、入射光側に対する反対側においては、像面(感光体ドラム23)での光学特性の悪さに加えて、ゲートカット時に発生した残留歪や変形の影響により、像面(感光体ドラム23)におけるビーム径が非常に大きくなってしまう。
その結果、像面である感光体ドラム23の走査領域におけるビーム径のばらつきが大きくなってしまう。
そこで、例えば図15に示されるように、入射光側に結像レンズ61のゲートカット部(すなわち、結像レンズ61のゲート口側に対応する側)を配置するようにする。これにより、入射光側に対する反対側において、像面での光学特性の悪さ以外にゲートカット時に発生した残留歪や変形の影響が加わることで像面(感光体ドラム23)におけるビーム径が非常に大きくなってしまうことを防止することができるとともに、感光体ドラム23上の走査領域におけるビーム径のばらつきを低減し、均一にすることができる。
従って、レンズ成形時に残留歪や変形が発生した場合であっても、走査領域におけるビーム径のばらつきを低減するとともに、画質の悪化を防止し、高画質化を図ることができる。また、画像形成装置1の製造コストを低減することができる。
なお、勿論、本発明は、回折面(回折光学素子)をもつ面を含む結像レンズ(例えば図5乃至図8を用いて説明した結像レンズ66乃至68など)に対しても適用することができる。
さらに、光源からの光束は1つでもよいし、複数でもよい。
本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置の構成を示す図。 図1の光走査装置の詳細な構成を示す図。 図2の光走査装置を備えた画像形成装置の制御系の概略的な内部の構成を示す図。 結像レンズの面形状の各係数を示す図。 回折面をもつ面を含む結像レンズを説明するための説明図。 回折面をもつ面を含む他の結像レンズを説明するための説明図。 レンズの曲率だけを並べた結像レンズを説明するための説明図。 回折面をもつ面を含む他の結像レンズを説明するための説明図。 ゲートカット位置を結像レンズの底面の中央部に配置した中央ゲートの結像レンズを説明するための説明図。 図9の結像レンズの面形状の各係数を示す図。 図9の結像レンズを用いた場合における光走査装置の詳細な構成を示す図。 中央ゲートの結像レンズの場合の、ゲートカット位置から有効領域までの距離とビーム径との関係を示す図。 結像レンズ61に発生する、ゲートカット時の熱による残留歪や変形などを説明するための説明図。 ポリゴンミラーの走査角度と反射するビーム径との関係を示す図。 入射光側に結像レンズのゲートカット部を配置した場合における光走査装置の詳細な構成を示す図。
符号の説明
1…画像形成装置、10…スキャナ部、11…第1キャリッジ、12…第2キャリッジ、13…光学レンズ、14…光電変換素子、15…原稿台、16…原稿固定カバー、17…光源、18(18a、18b、および18c)…ミラー、20…プリンタ部、21…光走査装置、22…画像形成部、23…感光体ドラム、23A…メインモータ、24…帯電装置、25…現像装置、26…転写装置、27…分離装置、28…クリーニング装置、29…用紙カセット、30…給紙ローラ、31…分離ローラ、32…アライニングローラ、33…搬送装置、34…定着装置、35…排紙ローラ、36…トレイ、40…偏向前光学系、41…半導体レーザ素子、42…コリメートレンズ、43…アパーチャ、44…シリンドリカルレンズ、45…ミラー、50…ポリゴンミラー、50A…ポリゴンミラーモータ、60…偏向後光学系、61…結像レンズ、62…防塵ガラス、66…結像レンズ、67…結像レンズ、68…結像レンズ、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…画像RAM、105…不揮発性メモリ、106…画像処理回路、111…基本クロック発生回路、121…レーザドライバ、122…ポリゴンモータドライバ、123…メインモータドライバ。

Claims (14)

  1. 1つまたは複数の光束を出射する光源と、
    前記光源から出射された光束を形成して主走査方向と対応する方向に線像として結像させる偏向前光学系と、
    前記偏向前光学系により結像された光束を走査対象物に対して走査する走査手段と、
    前記走査手段により走査された光束を前記走査対象物に結像させる偏向後光学系とを備え、
    前記偏向前光学系から前記走査手段に入射される光束が有する幅が前記走査手段を形成する1つの反射面が有する幅よりも広く、かつ、前記走査手段に入射される光束の光軸と、前記偏向後光学系の光軸所定の角度をなす光走査装置において、
    前記偏向後光学系は、金型に予め設けられたサイドゲート口から樹脂を流入させた後に樹脂を所定の形状に成形することで構成される、少なくとも1つ以上の光学部品を含み、
    前記光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側には、前記光学部品のゲートカット部が含まれ、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、前記偏向後光学系の光軸に対して前記走査手段に光束が入射される際の入射光側に設けられることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記光学部品は、レンズであることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記光学部品は、1枚構成のレンズであることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  4. 前記偏向後光学系は、サイドゲート口から樹脂を流入させた後に樹脂を所定の形状に成形することで構成される、複数の光学部品を含み、
    複数の前記光学部品のうちの少なくとも1つ以上の前記光学部品に関し、前記光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、前記偏向後光学系の光軸に対して前記走査手段に光束が入射される際の入射光側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  5. 複数の前記光学部品のうちのすべての前記光学部品に関し、前記光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、前記偏向後光学系の光軸に対して前記走査手段に光束が入射される際の入射光側に設けられることを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
  6. 前記偏向後光学系に含まれる前記光学部品の少なくとも1面が回折光学素子により構成されることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  7. 1つまたは複数の光束を出射する光源と、
    前記光源から出射された光束を形成して主走査方向と対応する方向に線像として結像させる偏向前光学系と、
    前記偏向前光学系により結像された光束を走査対象物に対して走査する走査手段と、
    前記走査手段により走査された光束を前記走査対象物に結像させる偏向後光学系とを備え、
    前記偏向前光学系から前記走査手段に入射された光束が有する幅が前記走査手段を形成する1つの反射面が有する幅よりも広く、かつ、前記走査手段に入射された光束の光軸と、前記偏向後光学系の光軸所定の角度をなす光走査装置の製造方法において、
    金型に予め設けられた、樹脂を流入させるためのサイドゲート口から樹脂を流入させた後、流入された樹脂を所定の形状に成形することで光学部品を製造し、
    少なくとも1つ以上の前記光学部品を前記偏向後光学系に配置する際に、前記光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側には、前記光学部品のゲートカット部が含まれ、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、前記偏向後光学系の光軸に対して前記走査手段に光束が入射される際の入射光側になるように配置することを特徴とする光走査装置の製造方法。
  8. 1つまたは複数の光束を出射する光源と、
    前記光源から出射された光束を形成して主走査方向と対応する方向に線像として結像させる偏向前光学系と、
    前記偏向前光学系により結像された光束を走査対象物に対して走査する走査手段と、
    前記走査手段により走査された光束を前記走査対象物に結像させる偏向後光学系とを備え、
    前記偏向前光学系から前記走査手段に入射される光束が有する幅が前記走査手段を形成する1つの反射面が有する幅よりも広く、かつ、前記走査手段に入射される光束の光軸と、前記偏向後光学系の光軸所定の角度をなす光走査装置を備える画像形成装置において、
    前記偏向後光学系は、金型に予め設けられたサイドゲート口から樹脂を流入させた後に樹脂を所定の形状に成形することで構成される、少なくとも1つ以上の光学部品を含み、
    前記光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側には、前記光学部品のゲートカット部が含まれ、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、前記偏向後光学系の光軸に対して前記走査手段に光束が入射される際の入射光側に設けられることを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記光学部品は、レンズであることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記光学部品は、1枚構成のレンズであることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  11. 前記偏向後光学系は、サイドゲート口から樹脂を流入させた後に樹脂を所定の形状に成形することで構成される、複数の光学部品を含み、
    複数の前記光学部品のうちの少なくとも1つ以上の前記光学部品に関し、前記光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、前記偏向後光学系の光軸に対して前記走査手段に光束が入射される際の入射光側に設けられることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  12. 複数の前記光学部品のうちのすべての前記光学部品に関し、前記光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、前記偏向後光学系の光軸に対して前記走査手段に光束が入射される際の入射光側に設けられることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記偏向後光学系に含まれる前記光学部品の少なくとも1面が回折光学素子により構成されることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  14. 1つまたは複数の光束を出射する光源と、
    前記光源から出射された光束を形成して主走査方向と対応する方向に線像として結像させる偏向前光学系と、
    前記偏向前光学系により結像された光束を走査対象物に対して走査する走査手段と、
    前記走査手段により走査された光束を前記走査対象物に結像させる偏向後光学系とを備え、
    前記偏向前光学系から前記走査手段に入射された光束が有する幅が前記走査手段を形成する1つの反射面が有する幅よりも広く、かつ、前記走査手段に入射された光束の光軸と、前記偏向後光学系の光軸所定の角度をなす光走査装置を備える画像形成装置の製造方法において、
    金型に予め設けられた、樹脂を流入させるためのサイドゲート口から樹脂を流入させた後、流入された樹脂を所定の形状に成形することで光学部品を製造し、
    少なくとも1つ以上の前記光学部品を前記偏向後光学系に配置する際に、前記光学部品における、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側には、前記光学部品のゲートカット部が含まれ、樹脂を流入させるサイドゲート口側に対応する側が、前記偏向後光学系の光軸に対して前記走査手段に光束が入射される際の入射光側になるように配置することを特徴とする画像形成装置の製造方法。
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