JP4983090B2 - 顔料の微細化方法、および該方法で得られる微細顔料を用いた着色組成物 - Google Patents

顔料の微細化方法、および該方法で得られる微細顔料を用いた着色組成物 Download PDF

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本発明は、顔料の微細化方法の一つであるソルベントソルトミリング法において、粗大物が少なく微細で粒子径分布の狭い微細化顔料が得られる顔料の微細化方法に関する。
顔料の微細化方法としては、種々の方法が公知である。フタロシアニン顔料を例に取れば、合成後の粗大粒子径のクルード顔料をアシッドペースティング法やアシッドスラリー法により一旦溶解させた後、適切な条件で再析出させて微細な顔料粒子を取り出す方法、メディアを充填したアトライター等でクルード顔料を乾式粉砕し物理的な衝撃を加えて顔料を微細化する方法、クルード顔料、水溶性無機塩、水溶性有機溶剤、結晶成長抑制剤等を含有する顔料組成物(以下、ドウという。)をニーダー等で混練することにより顔料を微細化するソルベントソルトミリング法、更にはこれらの顔料の微細化方法を組み合わせた方法、例えばアシッドペースティングの後、ソルベントソルトミリングにより顔料を微細化する方法などが知られている。
微細化処理に伴い顔料の結晶型が変化する場合には、微細化の条件を変えることや追加の処理を行うことで、顔料の粒子径制御とともに結晶型制御も行われる。先のフタロシアニン顔料の場合では、アシッドスラリー法や乾式粉砕法によりα型結晶が得られ、β型に変化させる場合には溶剤処理等が施される。
顔料にとっては、微細化や結晶型制御に加え、粒子径分布を狭めること(整粒度を高めること)も重要である。例えば、印刷インキにおける分散性、粘度、保存安定性や光沢などは、整粒度が高い顔料の方が良好である。また、微細な粒子径の顔料が求められるカラーレジストインキやインクジェットインキ用途では、顔料の平均粒子径が十分に小さくても整粒度が低く粗大物が含有されていれば、それらの粗大物が悪影響を及ぼし、例えばカラーレジストではコントラスト比の低下や粘度の上昇など品質の低下につながる。そのため、顔料には、微細化と同時に整粒度を高めることが、近年は強く求められてきている。
特許文献1には、粗製顔料と結晶成長作用を有する有機溶剤を少量添加して粉砕することにより、粉砕による微細化と有機溶剤による結晶成長を均衡させ、整粒化を図ることが開示されている。しかしながら、この方法では、一般的な乾式粉砕法よりは整粒化が進むものの、一般的なソルベントソルトミリング法より優れているものではなかった。
ソルベントソルトミリング法は、上記種々の顔料の微細化方法の中でも、整粒度の高い微細化方法である。ソルベントソルトミリング法において、より微細な顔料を得るため、微細な研磨剤を用いる方法、研磨剤を多量に使う方法(特許文献2)や、結晶成長抑制剤と共に混練する方法などがとられている。
ソルベントソルトミリング法における顔料の微細化は、顔料に掛かる剪断力が大きい方が進むため、水溶性無機塩や水溶性有機溶剤の量を調整してドウをより固くすることが通例である。しかしながら、ドウを固くした場合、顔料の微細化の程度は進むもののドウが固いことに起因して混練機のデッドスペースや内壁、攪拌羽根への付着や滞留が発生し、それにより粗大物が残るという問題が発生する。微細な顔料が求められる用途では、これらの粗大物は極一部であってもその混入により品質が大幅に劣化する問題となる場合が多い。従来、これらの粗大物の残留を避けるために、長時間にわたり混練する方法がとられていた。しかしながら、この方法は極めて非効率であり、粗大物の残留を十分には排除しきれなかった。
特開2004−244563号報 特開2002−121420号報
そこで、本発明は、粗大物が少なく、微細で粒子径分布の狭い微細化顔料が得られる、顔料の微細化方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、分散性、粘度、保存安定性が優れており、光沢に優れ、コントラスト比の高い塗膜を形成することができる着色組成物を提供することを目的とする。
本発明の顔料の微細化方法は、顔料、水溶性無機塩、および水溶性有機溶剤を含有する顔料組成物を混練機で混練する第一の顔料微細化工程と、前記工程で得られた顔料混練物を混練機から排出する工程と、前記工程で排出した顔料混練物を混練機に投入して再び混練する第二の顔料微細化工程とを有し、前記第一および第二の顔料微細化工程で混練する組成物中の水溶性有機溶剤の量が、顔料と水溶性無機塩の合計重量に対して0.10重量倍〜0.25重量倍であることを特徴とする。
また、本発明の微細化顔料は、本発明の微細化方法によって得られることを特徴とする。
また、本発明の着色組成物は、本発明の微細化方法によって得られる微細化顔料および顔料担体を含有することを特徴とする。
本発明の顔料の微細化方法によれば、顔料と水溶性無機塩の合計重量に対する水溶性有機溶剤の量が少なく、固いドウを混練するにもかかわらず、第一の顔料微細化工程で得られた顔料混練物を混練機からいったん排出し、排出した顔料混練物を混練機に投入して再び混練するため、顔料の粗大物が残らない。ソルベントソルトミリング法において粗大物が消失しにくい原因は、混練機のデッドスペースや内壁、攪拌羽根への付着物が長時間にわたって置き換わらず、混練されないあるいは混練されにくい部分があるためであり、この傾向は微細化を意図してドウを固くした場合に顕著である。しかし、本発明の顔料の微細化方法によれば、顔料粒子の微細化度ならびに整粒度が、従来方法に比較して高まり、また混練時間も短縮できる。
また、本発明の着色組成物は、微細化度ならびに整粒度が高い微細化顔料を用いているため、印刷インキとして調製した場合には、分散性、粘度、保存安定性や光沢が優れており、カラーレジストとして調製した場合には、コントラスト比の高い塗膜を形成することができる。
本発明の顔料の微細化方法は、顔料、水溶性無機塩、および水溶性有機溶剤を含有する顔料組成物を混練機で混練する第一の顔料微細化工程と、前記工程で得られた顔料混練物を混練機から排出する工程と、前記工程で排出した顔料混練物を混練機に投入して再び混練する第二の顔料微細化工程とを有する。そして、前記第一および第二の顔料微細化工程で混練する組成物中の水溶性有機溶剤の量は、顔料と水溶性無機塩の合計重量に対して0.10重量倍〜0.25重量倍である。
本発明の顔料の微細化方法において、第一および第二の顔料微細化工程では、顔料の微細化、整粒化と共に、結晶型制御が行われる。
本発明の顔料の微細化方法は、銅フタロシアニン青顔料、より具体的にはC.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Blue 15:1、C.I.Pigment Blue 15:2、C.I.Pigment Blue 15:3、 C.I.Pigment Blue 15:4、C.I.Pigment Blue 15:6の微細化、特にC.I.Pigment Blue 15:6の微細化に有用である。
第一および第二の顔料微細化工程で用いられる水溶性無機塩は、研磨剤の役目をし、顔料と共に混練されることにより顔料の微細化を進める。水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、好ましくは塩化ナトリウムである。これらの水溶性無機塩は、その粉砕物を用いることができる。また、これらの水溶性無機塩は、1種類単独でも使用できるし、2種類以上の混合物でも使用することができる。
水溶性無機塩の量は、顔料の重量に対して2.5重量倍〜20重量倍、より好ましくは4重量倍〜10重量倍である。
水溶性有機溶剤は、顔料および水溶性無機塩に対し連結剤の役目をし、ドウに固さ、粘り気を与えると共に、顔料の結晶成長や結晶転移を促進させる。水溶性有機溶剤としては、エチレングリコール, プロピレングリコール等のアルキレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール等のアルキレングリコールの縮合物、メトキシエタノール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールのアルキルエーテル、グリセリン等が使用できる。これらの水溶性有機溶剤は、1種類単独でも使用できるし、2種類以上の混合物でも使用することができる。
水溶性有機溶剤の量は、少なすぎてはドウを形成せず顔料に与える剪断力が弱くなる。また過剰でもドウが柔らかくなりすぎて顔料に与える剪断力が弱くなる。顔料の量、水溶性無機塩の量、温度、顔料粒子径、用いる混練機の特性等により最適量は変わるが、多くの場合、顔料と水溶性無機塩の合計重量に対して0.10重量倍〜0.25重量倍、より好ましくは0.12重量倍〜0.20重量倍である。
混練機としては、顔料、水溶性無機塩、水溶性有機溶剤からなる組成物(ドウ)を混練しうる能力があればよく、双腕型ニーダー、フラッシャー、プラネタリーミキサー等を用いることができる。微細化に対しては剪断力の強い双腕型ニーダーがより好ましい。
混練時の温度は、顔料の結晶成長速度の温度依存性や結晶転移性に応じて設定される。一般に低温な程、結晶成長速度は小さい。一方、水溶性有機溶剤の顔料表面への濡れやすさ、顔料塊への水溶性有機溶剤の浸透速度は、高温な程早い。顔料の整粒は、微細化と結晶成長の両方のバランスによって進展し、多くの場合0℃〜120℃が好ましく、10℃〜100℃がより好ましい。
第一の顔料微細化工程で得られた顔料混練物を混練機から排出する工程では、顔料混練物と共に、混練機内壁や攪拌羽根に付着して、ほとんど混練されない、あるいは混練効率が他の箇所に比較して劣るドウを取り出す。第一の顔料微細化工程で得られた顔料混練物を、混練機から排出した後、第二の顔料微細化工程で再び混練することにより、混練効率を均一にすることができる。
第二の顔料微細化工程では、顔料の微細化、整粒化の進展に応じて、水溶性無機塩や水溶性有機溶剤を追加することができる。
また、第二の顔料微細化工程で、一旦排出された顔料混練物を再度混練する場合において、その顔料混練物は、混練機から排出したままのドウのみを指すのではなく、その精製物も含む。すなわち、第二の顔料微細化工程は、第一の顔料微細化工程で得られた顔料混練物を混練機から排出して精製、乾燥し単離された顔料と、水溶性無機塩および水溶性有機溶剤とを混練機に投入し、再び混練することをも含む。顔料混練物の排出、再混練は1回に限らず、複数回行っても良い。
第一および/または第二の顔料微細化工程では、顔料の微細化と共に結晶転移を行わせることもできる。また、第一および/または第二の顔料微細化工程では、顔料の微細化や結晶型制御、さらには実用系での適正付与の為に、公知の顔料誘導体や表面処理剤を添加することもできる。
第二の顔料微細化工程で混練された顔料混練物(ドウ)は、水、酸、アルカリによる洗浄等、公知の精製法によって精製され、微細化顔料が単離される。
第一の顔料微細化工程では、平均一次粒子径が10nm〜50nmであり、かつ一次粒子径分布の変動係数が0.70以下まで顔料を微細化・整粒することが好ましい。第一の顔料微細化工程で、前記平均一次粒子径および一次粒子径分布の変動係数になるまで顔料を微細化した混練組成物を一旦混練機から排出し、第二の顔料化工程を経ることで、平均一次粒子径が10nm〜30nmであり、かつ一次粒子径分布の変動係数が0.35以下の微細で整粒された顔料を得ることができる。
本発明でいう顔料の一次粒子径は、顔料の電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求められる粒子径である。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径、長軸径を計測すると共に、粒子画像から面積を求めそれと同等面積の円の直径を一次粒子径とする。顔料の一次粒子500個について短軸径、長軸径を測定し、その結果から算出される一次粒子径の平均値を平均一次粒子径とする。一次粒子径分布の変動係数は、粒子径500個について算出される一次粒子径の標準偏差を平均値で割ったものである。
本発明の顔料の微細化方法によって得られた微細化顔料は、顔料担体に分散させて着色組成物とし、印刷インキ、インクジェットインキ、塗料、トナー、カラーフィルタ用のカラーレジストインキ等として使用することができる。
印刷インキの顔料担体には、インキ中での分散性を向上させる為に樹脂を用いることができ、その樹脂の例としては、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンアルキッド、ロジンエステル、重合ロジン、不均化ロジン、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。顔料担体は、微細化顔料100重量部に対して、10〜250重量部の量で用いることができる。
また、印刷インキには、高沸点石油系溶剤、脂肪族炭化水素溶剤、高級アルコール系溶剤、植物油などの溶剤を含有させることができる。
インクジェットインキの顔料担体には、紙への定着性、インキ塗膜の耐水性を向上させるために樹脂を用いることができる。水性インクジェットインキに用いられる樹脂は、水溶性樹脂と水分散性樹脂に大別でき、それぞれアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン系樹脂、石油系樹脂、フッ素系樹脂等の水溶性樹脂および水分散性樹脂が挙げられる。顔料担体は、微細化顔料100重量部に対して、10〜150重量部の量で用いることができる。
また、水性インクジェットインキには、水性溶剤を含有させることもでき、そのような水性溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ケトンアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等を例示できる。
油系インクジェットインキに用いられる樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、イソプレン樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂等が挙げられる。顔料担体は、微細化顔料100重量部に対して、10〜150重量部の量で用いることができる。
また、油性インクジェットインキには、溶剤として、脂肪族炭化水素系溶剤、カルビトール系溶剤、セロソルブ系溶剤、高級脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等を含有させることもできる。
塗料の顔料担体には、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フタル酸系樹脂等の樹脂を用いることができる。顔料担体は、微細化顔料100重量部に対して、10〜250重量部の量で用いることができる。
また、塗料には、トルエン、アルコール類、エステル類、アルコールエーテル類等の溶剤を含有させることができる。
トナーの顔料担体には、トナーの結着樹脂として、定着性が良好で透明性に優れる樹脂、例えばポリエステル系、アクリル系、スチレン−アクリル系、エポキシ系等の樹脂を用いることができる。これらのうち、更に好ましくは非線状の樹脂であり、特に好ましくはポリエステル系樹脂で、ジオール成分にビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加物に代表されるビスフェノール誘導体またはその置換体を単独で用いるか、あるいは脂肪族ジアルコールと併用して用い、これらのジオール成分と2価以上のカルボン酸、例えばフマル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等のカルボン酸成分とを、縮合又は共縮合したものを用いることができる。顔料担体は、微細化顔料100重量部に対して、10〜250重量部の量で用いることができる。
カラーレジストインキの顔料担体は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物により構成される。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および活性エネルギー線硬化性樹脂が含まれ、その前駆体には、活性エネルギー線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。顔料担体は、微細化顔料100重量部に対して、10〜250重量部の量で用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(高密度、低密度)、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性置換基を有する線状高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合体やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
透明樹脂の前駆体であるモノマー、オリゴマートしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられ、これらを単独または2種類以上混合して用いることができる。
カラーレジストインキには、顔料を顔料担体中に十分に分散させるために、溶剤を含有させることができる。溶剤としては、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−n−アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
以下に、実施例をあげて本発明をより具体的に説明する。尚、以下で「部」は「重量部」を表す。
[実施例1]
銅フタロシアニン青顔料「Heliogen blue L6700F」(BASF社製C.I.Pigment Blue 15:6、平均一次粒子径95.0nm、一次粒子径分布の変動係数0.49、平均アスペクト比5.16)1.000部、塩化ナトリウム7.500部、ジエチレングリコール1.300部を500L双腕型ニーダーに仕込み、ドウを形成後、材料温度100℃で8時間混練した。ついで、ドウを全量排出した。サンプルを採取し、後述する方法で精製・乾燥させ粒子径を測定したところ、平均一次粒子径30.5nm、一次粒子径分布の変動係数0.26、平均アスペクト比1.84であった。排出したドウ9.800部を再度ニーダーに仕込み、塩化ナトリウム2.500部、ジエチレングリコール0.350部を追加して、材料温度100℃で10時間混練した。得られたドウは、ドウの約10重量倍量の水にリスラリーして70℃で1.5時間攪拌後、濾過した。さらに再びリスラリーし、濾過水洗してペースト顔料を得、加熱オーブンにて80℃で48時間乾燥させた。
[実施例2]
銅フタロシアニン青顔料「Heliogen blue L6700F」(BASF社製C.I.Pigment Blue 15:6、平均一次粒子径95.0nm、一次粒子径分布の変動係数0.49、平均アスペクト比5.16)1.000部、塩化ナトリウム7.500部、ジエチレングリコール1.300部を500L双腕型ニーダーに仕込み、ドウを形成後、材料温度100℃で8時間混練した。ついで、ドウを全量排出した後、実施例1と同様に精製、乾燥させた。得られた顔料の粒子径を測定したところ、平均一次粒子径30.5nm、一次粒子径分布の変動係数0.26、平均アスペクト比1.84であった。得られた乾燥顔料1.000部、塩化ナトリウム10.000部、ジエチレングリコール1.650部を500L双腕型ニーダーに仕込み、ドウを形成後、材料温度100℃で10時間混練した。得られたドウは、実施例1と同様に精製、乾燥させた。
[比較例1]
銅フタロシアニン青顔料「Heliogen blue L6700F」(BASF社製C.I.Pigment Blue 15:6、平均一次粒子径95.0nm、一次粒子径分布の変動係数0.49、平均アスペクト比5.16)1.000部、塩化ナトリウム7.500部、ジエチレングリコール1.300部を500L双腕型ニーダーに仕込み、ドウを形成後、材料温度100℃で8時間混練した。ついで、塩化ナトリウム2.500部、ジエチレングリコール0.350部を追加し、材料温度100℃で10時間混練した。得られたドウは、実施例1と同様に精製、乾燥させた。
[実施例3]
銅フタロシアニン青顔料「Heliogen blue L6700F」(BASF社製C.I.Pigment Blue 15:6、平均一次粒子径95.0nm、一次粒子径分布の変動係数0.49、平均アスペクト比5.16)1.000部、塩化ナトリウム10.000部、ジエチレングリコール1.100部を500L双腕型ニーダーに仕込み、ドウを形成後、材料温度100℃で6時間混練した。ついで、ドウを全量排出した。サンプルを採取し、実施例1と同様に精製・乾燥させ粒子径を測定したところ、平均一次粒子径35.0nm、一次粒子径分布の変動係数0.33、平均アスペクト比1.80であった。排出したドウ12.100部を再度ニーダーに仕込み、ジエチルアミノプロピルアミノスルフォニル化銅フタロシアニン0.050部を追加して、材料温度100℃で6時間混練した。得られたドウは、実施例1と同様に精製、乾燥させた。
[比較例2]
銅フタロシアニン青顔料「Heliogen blue L6700F」(BASF社製C.I.Pigment Blue 15:6、平均一次粒子径95.0nm、一次粒子径分布の変動係数0.49、平均アスペクト比5.16)1.000部、塩化ナトリウム12.000部、ジエチレングリコール1.100部を500L双腕型ニーダーに仕込み、ドウを形成後、材料温度100℃で6時間混練した。ついで、ドウを全量排出した。サンプルを採取し、実施例1と同様に精製・乾燥させ粒子径を測定したところ、平均一次粒子径40.0nm、一次粒子径分布の変動係数0.55、平均アスペクト比1.90であった。排出したドウ14.100部を再度ニーダーに仕込み、ジエチルアミノプロピルアミノスルフォニル化銅フタロシアニン0.050部を追加して、材料温度100℃で6時間混練した。得られたドウは、実施例1と同様に精製、乾燥させた。
[比較例3]
銅フタロシアニン青顔料「Heliogen blue L6700F」(BASF社製C.I.Pigment Blue 15:6、平均一次粒子径95.0nm、一次粒子径分布の変動係数0.49、平均アスペクト比5.16)1.000部、塩化ナトリウム5.000部、ジエチレングリコール1.600部を500L双腕型ニーダーに仕込み、ドウを形成後、材料温度100℃で6時間混練した。ついで、ドウを全量排出した。サンプルを採取し、実施例1と同様に精製・乾燥させ粒子径を測定したところ、平均一次粒子径48.0nm、一次粒子径分布の変動係数0.63、平均アスペクト比1.90であった。排出したドウ7.600部を再度ニーダーに仕込み、ジエチルアミノプロピルアミノスルフォニル化銅フタロシアニン0.050部を追加して、材料温度100℃で6時間混練した。得られたドウは、実施例1と同様に精製、乾燥させた。
[実施例4]
クルード銅フタロシアニン青顔料(Phthalo Color社製C.I.Pigment Blue 15:3 crude;長径2μm以上、アスペクト比3.00以上の一次粒子を多数含有するクルード顔料)1.000部、ラウリルアミノスルフォニル化銅フタロシアニン0.050部、塩化ナトリウム5.250部、ジエチレングリコール1.300部を500L双腕型ニーダーに仕込み、ドウを形成後、材料温度95℃で4時間混練した。ついで、ドウを全量排出した。サンプルを採取し、実施例1と同様に精製・乾燥させ粒子径を測定したところ、平均一次粒子径47.1nm、一次粒子径分布の変動係数0.53、平均アスペクト比1.72であった。排出したドウを再度ニーダーに仕込み、ジエチルアミノプロピルアミノスルフォニル化銅フタロシアニン0.080部、塩化ナトリウム1.750部、ジエチレングリコール0.300部を追加して、材料温度95℃で4時間混練した。得られたドウは、実施例1と同様に精製、乾燥させた。
[比較例4]
クルード銅フタロシアニン青顔料(Phthalo Color社製C.I.Pigment Blue 15:3 crude;長径2μm以上、アスペクト比3.00以上の粒子を多数含有するクルード顔料)1.000部、ラウリルアミノスルフォニル化銅フタロシアニン0.050部、塩化ナトリウム5.250部、ジエチレングリコール1.300部を500L双腕型ニーダーに仕込み、ドウを形成後、材料温度95℃で4時間混練した。ついで、ジエチルアミノプロピルアミノスルフォニル化銅フタロシアニン0.080部、塩化ナトリウム1.750部、ジエチレングリコール0.300部を追加して、材料温度95℃で4時間混練した。得られたドウは、実施例1と同様に精製、乾燥させた。
実施例、比較例で得られた微細化顔料の平均一次粒子径、一次粒子径分布の変動係数、平均アスペクト比を表1に示す。尚、これらの測定は、次の方法によって行った。
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡写真から画像を読み込み、画像解析ソフト「Mac−View phase3」(マウンテック社製)を用いて計測した。より具体的には、写真からスキャナー等で読み込んだ画像を、ソフトを用いて、手動で粒子一個一個の輪郭を認識させ、長軸径、短軸径を計測し、粒子画像から面積を求めそれと同等面積の円の直径を一次粒子径とした。顔料の一次粒子500個について短軸径、長軸径を測定し、その結果から算出される一次粒子径の平均値を平均一次粒子径とした。一次粒子径分布の変動係数は、粒子径500個について算出される一次粒子径の標準偏差を平均値で割って算出した。また、アスペクト比は長軸径を短軸径で割って算出され、平均アスペクト比は一次粒子500個の平均値である。
さらに、実施例、比較例で得られた微細化顔料を用いてカラーレジストインキを作製し、代表的品質であるコントラスト比、粘度、チキソインデックスを測定した。尚、レジストインキの作製は以下の方法により行った。
(レジストインキ用アクリル樹脂溶液の製造)
反応容器にシクロヘキサノン800.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱し、同温度で、スチレン60.0部、メタクリル酸60.0部、メタクリル酸メチル65.0部、メタクリル酸ブチル65.0部、アゾビスブチロニトリル10.0部の混合物を1時間掛けて滴下し、重合を行った。
滴下後、さらに100℃にて3時間反応させた後、アゾビスイソブチルニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解したものを添加し、さらに1時間反応を続け、重量平均分子量が約40,000(GPC測定)のアクリル樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液の一部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、不揮発分が20重量%となるように得られた樹脂溶液にシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調整した。
(顔料分散体の製造)
次に示す組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散し、5μmのフィルタで濾過して、顔料分散体を作成した。尚、誘導体には、実施例1〜5および比較例1〜4についてはN,N’−ジエチルアミノプロピルアミノスルフォニル化銅フタロシアニンを、実施例6および比較例5については、特公平5−9469号報記載の下記の化合物を用いた。
Figure 0004983090
微細化顔料 10.0部
誘導体 0.5部
リン酸エステル系顔料分散剤(ビックケミー社製「BYK111」)8.0部
アクリル樹脂溶液 33.5部
溶剤(シクロヘキサノン) 48.0部
合計 100.0部
(レジストインキの製造)
ついで、得られた顔料分散対を含む、次に示す組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型青色レジストを得た。
尚、モノマーとしてはトリメチロールプロパントリアクリレート、光重合開始剤としては「イルガキュアー907」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、増感剤としては「EAB−F」(保土ヶ谷化学社製)、溶剤としてはシクロヘキサノンを用いた。
顔料分散体 47.0部
アクリル樹脂溶液 5.0部
モノマー 5.6部
光重合開始剤 2.0部
増感剤 0.2部
溶剤 40.2部
合計 100.0部
得られたレジストについて、E型粘度計「ELD型粘度計」(東機産業社製)を用いて、回転数20rpmにおける粘度を測定した。さらに、6rpmと60rpmの粘度を測定し、6rpmと60rpmの比(チキソインデックスと呼び、値が大きいほどチキソトロピック性が高く、低い方が好ましい)を算出した。分散系が一定であれば、分散されている顔料の整粒度が高いほど、一般にチキソインデックスは小さくなる。
また、得られたレジストを、スピンコーターを用いて、回転速度を変えて乾燥膜厚が約1μm前後となるように塗布し、3点の塗布基板を作製した。塗布後、80℃で30分間、熱風オーブンで乾燥した後、それぞれ膜厚およびコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1μmにおけるコントラスト比を一次相関法で求めた。
結果を表1に示す。
(コントラスト比の測定法)
図1に示すように、液晶ディスプレー用バックライトユニット(7)から出た光は、偏光板(6)を通過して偏光され、ガラス基板(5)上に塗布されたレジストの乾燥塗膜(4)を通過し、偏光板(3)に到達する。偏光板(6)と偏光板(3)の偏光面が平行であれば、光は偏光板(3)を通過するが、偏光面が直交している場合には光は偏光板(3)により遮断される。しかし、偏光板(6)によって偏光された光がレジストの乾燥塗膜(4)を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行の場合は偏光板(3)を透過する光量が減り、偏光板が直交の場合は偏光板(3)を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行の場合の輝度と直交の場合の輝度との比(コントラスト比)を算出した。
(コントラスト比)=(平行の場合の輝度)/(直交の場合の輝度)
従って、レジストの乾燥塗膜(4)中の顔料により散乱が起きると、平行の場合の輝度が低下し、かつ直交の場合の輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。顔料の粒子径が大きいほど散乱は大きくなり、コントラスト比が低下する。従って、レジストの乾燥塗膜(4)中の顔料が微細かつ整粒されている程、コントラスト比は高くなる。
尚、輝度計としては、色彩輝度計「BM−5A」(トプコン社製)、偏光板としては「NPF−G1220DUN」(日東電工社製)を用いた。測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスク(2)を当てた。
Figure 0004983090
コントラスト比を測定するための、測定装置の概念図である。
符号の説明
1:輝度計
2:マスク(黒)
3:偏光板(1)
4:レジスト乾燥塗膜
5:ガラス基板
6:偏光板(2)
7:バックライトユニット

Claims (7)

  1. 顔料、水溶性無機塩、および水溶性有機溶剤を含有する顔料組成物を混練機で混練する第一の顔料微細化工程と、前記工程で得られた顔料混練物を混練機から排出する工程と、前記工程で排出した顔料混練物を混練機に投入して再び混練する第二の顔料微細化工程とを有し、前記第一および第二の顔料微細化工程で混練する組成物中の水溶性有機溶剤の量が、顔料と水溶性無機塩の合計重量に対して0.10重量倍〜0.25重量倍であることを特徴とする顔料の微細化方法。
  2. 第一の顔料微細化工程で得られる顔料の平均一次粒子径が10nm〜50nmであり、かつ一次粒子径分布の変動係数が0.70以下であることを特徴とする請求項1記載の顔料の微細化方法。
  3. 第二の顔料微細化工程で得られる顔料の平均一次粒子径が10nm〜30nmであり、かつ一次粒子径分布の変動係数が0.35以下であることを特徴とする請求項1または2記載の顔料の微細化方法。
  4. 第一の顔料微細化工程で用いる混練機が双腕型ニーダーであることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の顔料の微細化方法。
  5. 顔料が銅フタロシアニン青顔料であることを特徴とする請求項1ない4いずれか記載の顔料の微細化方法。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の微細化方法で得られる微細化顔料。
  7. 請求項6記載の微細化顔料および顔料担体を含有することを特徴とする着色組成物。
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