JP4983342B2 - 印刷装置のシャトル制御方法 - Google Patents

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本発明は、往復移動の反転を付勢する反転付勢手段を備えたリニアモータのシャトル機構を有する印刷装置に関するもので、更に詳しくはプリンタのイニシャライズ動作の初期動作であるシャトルストローク(ハンマバンクの移動範囲)の検出動作の制御に関するものである。
リニアモータ方式のシャトル機構を有し、このシャトル機構でもって複数の印字素子(ドット印字ハンマ等)を備えたハンマバンクを往復移動せしめる印字装置において、印刷速度を向上させるため、ハンマバンクの反転時にバネ等の反発力を利用した反転付勢手段を備えたシャトル機構が開発されている(特許文献1)。
図2に反転付勢手段を備えたリニアモータ方式のシャトル機構の構成の一例を示す。
複数個の印字素子を搭載したハンマバンク10は、直動軸受け12に支持され、ガイドシャフト11上を往復動作する。往復動作の動力源であるリニアモータ部20は少なくともコイル21とマグネット24を構成品とし、一般にコイル21は反転コイル22と等速コイル23からなる。ハンマバンク10とコイル21は少なくとも1本のタイミングベルト31に連結され、少なくとも1対の支持されたタイミングプーリ32より構成された反転機構部30によって、リニアモータ部20からの動力によりハンマバンク10のシャトル動作が可能なように構成されている。
更に、ハンマバンク10またはコイル21の両端部には、反転を付勢する位置に反転付勢手段(例えばバネ)40が配置されている。反転付勢手段40はバネに限らず、マグネットの同極反発を利用した手段でもよい。
ハンマバンク10及びコイル21の反転往復動作は、可動部に取り付けられた位置検出センサ50によりハンマバンク10の位置及び往復運動速度を計算し、予め決められた往復運動の速度カーブ上を動作する。その制御は、コイル21に通電する電流値を変化させるシャトル制御回路60、動作環境温度を検出するサーミスタ61、コイル21へ電流を通電するシャトル駆動回路70によって行われている。
このような印刷装置において、印刷速度、品質を確保するために印刷開始前にシャトルイニシャライズ動作を実施するのが一般的である。シャトルイニシャライズ動作の主たる目的は、複数種ある印刷モードに対応したハンマバンクの規定速度、周期で往復動作させるために駆動電流の適正値を求めるもの(以降、シャトル速度調整動作と称す)であるが、電源投入時や長時間待機時などハンマバンクが任意の位置に停止していないときはメカの異常を迅速に検出するため、シャトル速度調整動作の前にシャトルストローク検出動作、すなわちハンマバンクの一端から他端までの移動の状態を検出する動作を実施している。
シャトルストローク検出動作時のハンマバンクの移動速度波形と駆動電流を図3に、そのフローを図6に示す。
図3、図6に示すように、まず、ハンマバンクが左から右へ移動するようシャトル機構の等速コイル23に通電し、一定速度で動作するよう制御する。シャトルストローク両端には、反転付勢手段による付勢力が作用する区間(以下、付勢区間という)があり、付勢区間の前半部は反発力、後半部には付勢力が働く。ハンマバンク(もしくはコイル)が付勢手段に到達すると、反転付勢手段の反発力によりハンマバンクの移動速度が徐々に低下し、ハンマバンクの速度が0となり、ハンマバンクの移動方向が反転する。付勢区間に到達した後、ハンマバンクが反転するまでの距離は、一定速度で制御されていれば、動作方向による距離の違いは殆ど無い。そして、シャトルストローク検出動作によって検出されたハンマバンクの反転位置XRをハンマバンクのストロークの端部として記憶する。更に、等速コイルの通電方向を逆向き(ハンマバンク移動方向右から左)にし、駆動方向を逆転させ、同様にシャトルストローク検出動作を行い、ハンマバンクの反転位置XLを検出、記憶する。以上の動作によってストローク量を測定している。
以上の方法によって測定したハンマバンクのストローク量(XR〜XL間)が、規定範囲内の場合はシャトルストローク検出動作を終了し、次の段階であるシャトル速度調整動作に移行する。規定範囲外の場合は、再度、同じシャトルストローク検出動作を任意の回数繰り返し実施し(シャトルストローク検出リトライ動作)、すべてストローク量が規定範囲外であった場合にはメカの故障とし、エラーを上位装置に報告している。
特開平11−170652号公報
印刷装置は多部紙を使用した伝票印刷等に使われるので、室内温度が調整できない倉庫に設置されるケースが良くあり、印刷装置の保証環境温度の範囲外で使われる場合がある。このような場合、特に低温環境時には部品の収縮やメカのばらつき、組み立て精度などにより、シャトル機構に想定外の負荷が発生し、ハンマバンクの往復移動動作に支障をきたすことがあり、背景技術で記したシャトルストローク検出動作において、規定量の往復運動ができずエラーとなるケースがあった。また、オフィスに設置している場合においても、室温が低い早朝の電源投入時に同様のエラーが発生していた。
よって、本発明は動作環境温度等によるシャトル機構への過負荷発生時においても障害なくシャトルストローク検出動作を行うことを可能とし、機器の信頼性を向上させることを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の手段は、複数個の印字素子を搭載したハンマバンクと、少なくともマグネットとコイルとを有し、該コイルへ駆動電流を通電することにより前記ハンマバンクを往復移動させると共に、前記ハンマバンクの振幅の両端近傍で前記ハンマバンクの往復移動の反転を付勢する反転付勢手段を備えたリニアモータ方式のシャトル機構を有する印刷装置において、プリンタのイニシャライズ動作の初期動作であるシャトルストローク検出動作時にストローク量が規定範囲に入らない場合に、等速コイルのみへ駆動電流を通電させてシャトルストローク検出を再実施する第1のリトライ制御を行い、この第1のリトライ制御で規定範囲に入らない場合には、等速コイルへ駆動電流を通電させると共に反転コイルへ駆動電流を通電し、シャトルストローク検出を実施する第2のリトライ動作を行うことを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の第2の手段は、前記第1の手段において、前記第2のリトライ動作を動作環境温度が規定温度よりも低い場合(0℃以下)に実施することを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の第3の手段は、前記第1の手段において、前記第2のリトライ動作を動作環境温度が規定温度よりも高い場合(40℃以上)に実施することを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の第4の手段は、前記第1の手段において、前記第1のリトライ動作を複数回実施することを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の第5の手段は、前記第1ないし3のいずれかひとつの手段において、前記第2のリトライ動作を複数回実施することを特徴とする。
ハンマバンク反転時の付勢手段を具備したリニアモータシャトル機構において、本発明によるシャトル制御方式を実施する事で動作環境温度等によるシャトルへの過負荷発生時においても、障害なくシャトルストローク検出動作を行うことができ、機器の信頼性を向上させることができる。
反転付勢手段を備えたリニアモータ方式のシャトル機構の構成は背景技術の欄で述べた構成と同様のため、説明を省略する。
以下、本発明の印刷制御方法について、図1、図3、図6及び図7を用いて説明する。図1には、本発明におけるシャトルストローク検出動作のハンマバンクの速度波形と駆動電流の例を示す。また、図7には本発明によるシャトルストローク検出リトライ動作の概略フローチャートを示す。
まず、シャトルストローク検出動作を開始したら、図3、図6に示すように、ハンマバンクが左から右へ移動するようシャトル機構の等速コイルのみに通電し、一定速度でハンマバンクが移動するよう制御する。ハンマバンク(もしくはコイル)がシャトルストローク両端の付勢手段に到達すると反発力によりハンマバンクの移動速度が徐々に低下し、ハンマバンクの速度が0となり、ハンマバンクの移動方向が反転する。この等速コイルのみを用いてのシャトルストローク検出動作によって検出された反転位置XRをハンマバンクのストロークの端部として記憶し、等速コイルの通電方向を逆向きにし、駆動方向を逆転させ、次いでもう一方の端部の反転位置XLについてもシャトルストロークの端部を検出、記憶する。
このシャトルストローク検出動作によって記憶された反転位置XRもしくはXLがシャトル負荷などにより規定の位置まで到達できず、ハンマバンクの往復移動距離が規定値より短かった場合、前記で説明したシャトルストローク検出動作を第1のリトライ動作として規定回数繰り返す。更に、このリトライ動作を行っても規定の位置まで到達できなかった場合、エラーとし上位装置に障害を報告せず、図7の第2のリトライ制御に移行する。
図7のフローに示すように、本発明における第2のリトライ制御においては、まず、低温による一時的な負荷が増大しているかを検出するためサーミスタにより動作環境温度を検出する。その温度が規定温度より高い場合は、エラーとし上位装置に障害を報告する。一方、検出温度が規定温度より低い場合には、本発明のシャトルストローク検出の第2のリトライ制御を実施する。
リトライ制御を行う際は、図1、図7に示すように、ハンマバンクが左端から右端に駆動するように等速コイルに電流A1を通電すると共に、反転コイルにも加速電流B1を通電する。動作中は、ハンマバンク一定速度で移動できるように等速コイルの通電量、反転コイルの通電量を増減し、速度制御を行う。
詳しくは、ハンマバンクの移動速度が規定速度に対して速い場合には、減速用の等速、反転電流を通電し、規定速度に対し遅い場合には、加速用等速、反転電流を通電し、ハンマバンクの移動速度を一定に制御する。
上述した制御において、ハンマバンクが振幅の中心付近P1に達すると反転コイルのみ通電を一旦止める。これは図4に示すように、反転コイルとマグネットの位置がハンマバンクの振幅の中心で磁束と電界の釣り合う位置となり、電流を通電すると推力が相殺されロック状態となるためである。なお、ハンマバンクが振幅の中心に移動したときの等速コイルとマグネットの位置関係は、図5に示すように磁束と電界が釣り合わないようにマグネットを歯抜きにし、磁束に対し推力方向が常に同方向となるように設計されているので、反転コイルのように、一旦、通電を止める必要がない。
そして、等速コイルのみの通電により、ハンマバンクが振幅の中心を過ぎた地点P2で、再度反転コイルに増速電流B2の通電をおこない、一定速度で移動できるように制御する。
その後、付勢区間の反発力よりハンマバンクの速度が減速し、反転する位置に到達したら、その位置XR2を検出、記憶する。
次に、左端から右端へのハンマバンクの移動と同様に、右端から左端へのハンマバンクの移動を行うように、等速コイルへ電流A2および、反転コイルへ電流B3を通電する。更に、ハンマバンクの往復移動の中心付近P3で反転コイルの通電を一旦停止し、等速コイルのみの通電を行った後、ハンマバンクが往復移動の中心付近を過ぎた地点P4から反転コイルに電流B4を通電し、付勢区間の反発力よりハンマバンクの速度が減速し、反転する位置に到達したら、その位置XL2を検出、記憶する。
以上のリトライ制御により、XR2、XL2間は、ストローク検出初回動作時より大幅に伸ばすことが可能となり、その結果、ハンマバンクの移動距離が規定の位置まで到達できていればシャトルストローク検出動作を終了しシャトル速度調整動作を行い、印刷を開始する。
ハンマバンクの移動距離が発生している負荷により、規定の位置まで到達できていなければ、任意の回数だけ第2のリトライ制御を行い、それでも規定位置までストロークできなければエラーとし上位装置に障害を報告する。
なお、本発明の第2のリトライ制御に基づくシャトルストローク検出動作は低温環境に適用することを前提としているが、例えば、プリンタの最適な使用温度よりも高温の環境下でモータの推力が低下する場合にも適用可能である。また、温度に関係なく、常に本シャトルストローク検出リトライ制御を実行する方法もある。
ハンマバンク反転時の付勢手段を具備したリニアモータシャトル機構においてシャトルストローク検出動作の際、環境温度等によるシャトルへの過負荷の発生により、シャトルの移動量が規定値より短くなった場合にシャトルストローク検出リトライ動作を行う際、等速コイルの駆動とともに反転コイルへ通電を付加することで低温動作の駆動マージンを向上させ、障害無くシャトルストロークすることができ、機器の信頼性を向上させることが可能となる。
本発明におけるシャトルストローク検出動作の第2のリトライ制御時のハンマバンクの速度波形及び電流波形の説明図。 リニアモータを用いたシャトル機構の一例を示す概略側面図。 本発明におけるシャトルストローク検出動作の第1のリトライ制御時のハンマバンクの速度波形及び電流波形の説明図。 ハンマバンクが振幅中心に移動したときの反転コイルとマグネットの位置関係の簡略説明図。 ハンマバンクが振幅中心に移動したときの等速コイルとマグネットの位置関係の簡略説明図。 シャトルストローク検出動作の第1のリトライ制御のフローチャート。 シャトルストローク検出動作の第2のリトライ制御のフローチャート。
符号の説明
10はハンマバンク、11はガイドシャフト、12は直動軸受け、20はリニアモータ部、21はコイル、22は反転コイル、23は等速コイル、24はマグネット、30は反転機構部、31はタイミングベルト、32はタイミングプーリ、50は位置検出センサ、60はシャトル制御回路、61は温度検出回路、70はシャトル駆動回路である。

Claims (5)

  1. 複数個の印字素子を搭載したハンマバンクと、少なくともマグネットとコイルとを有し、該コイルへ駆動電流を通電することにより前記ハンマバンクを往復移動させると共に、前記ハンマバンクの振幅の両端近傍で前記ハンマバンクの往復移動の反転を付勢する反転付勢手段を備えたリニアモータ方式のシャトル機構を有する印刷装置において、
    プリンタのイニシャライズ動作の初期動作であるシャトルストローク検出動作時にストローク量が規定範囲に入らない場合に、等速コイルのみへ駆動電流を通電させてシャトルストローク検出を再実施する第1のリトライ制御を行い、この第1のリトライ制御で規定範囲に入らない場合には、等速コイルへ駆動電流を通電させると共に反転コイルへ駆動電流を通電し、シャトルストローク検出を実施する第2のリトライ動作を行うことを特徴とする印刷装置のシャトル制御方法。
  2. 前記第2のリトライ動作は、動作環境温度が規定温度よりも低い場合に実施することを特徴とする請求項1記載の印刷装置のシャトル制御方法。
  3. 前記第2のリトライ動作は、動作環境温度が規定温度よりも高い場合に実施することを特徴とする請求項1記載の印刷装置のシャトル制御方法。
  4. 前記第1のリトライ動作を複数回実施することを特徴とする請求項1記載の印刷装置のシャトル制御方法。
  5. 前記第2のリトライ動作を複数回実施することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の印刷装置のシャトル制御方法。
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