JP4983532B2 - カラーフィルター保護膜用の熱硬化性樹脂組成物、およびカラーフィルター - Google Patents
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Description
しかしながら、多価カルボン酸ヘミアセタールエステルを含有するCF保護膜用の熱硬化性樹脂組成物を、光硬化性であるRGBレジストまたは保護膜に用いる樹脂組成物を塗布するCF製造装置で塗布すると、硬化後には保護膜に滴下痕が生じるという不具合が指摘されてきている。このようなCF保護膜用の樹脂組成物の不具合は、CF製造プロセスにおいて歩留まりの低下や、製造効率の低下を招くこととなる。このため、製造プロセスのみならず、CF保護膜用の熱硬化性樹脂組成物の改良も強く求められている。
カルボン酸ヘミアセタールエステルを有する化合物を高分子量化して粘度を高くすることにより、滴下痕が発生しない熱硬化性樹脂組成物を得ることが可能である。しかしながら、単にカルボン酸ヘミアセタールエステルを有する化合物を高分子量化するだけでは、近年要求される、高度な密着性やITO形成プロセス耐性を満たすことが困難となっていた。
[1]下記の、(A)および(B)成分
(A)下記式(1)または(2)のいずれかで表されるヘミアセタールエステル化不飽和ジカルボン酸に由来する構成単位50〜100重量%と、式(4)で表されるその他の構成単位50〜0重量%から成り、重量平均分子量が2,000〜200,000である重合体
(B)エポキシ基またはオキセタニル基を1分子中に2個以上含有し、かつ、エポキシ当量が140〜1,000g/molであるエポキシ基またはオキセタニル基含有化合物
から成り、前記の(ヘミアセタールエステル化されたカルボキシル基/エポキシ基またはオキセタニル基)のモル濃度の比率が0.3〜1.2である、カラーフィルター保護膜用の熱硬化性樹脂組成物。
[2]前記の[1]に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層を有するカラーフィルター。
また、本発明によれば、透明性や耐薬品性が良好な上で、光硬化性樹脂組成物の塗布装置で製造しても現像液や水滴の滴下痕のないカラーフィルターを得ることができる。
本発明において、CF(カラーフィルター)保護膜とは、CFを有する表示装置および固体撮像素子に用いられるものを広く意味し、より詳しくは、液晶表示装置(LCD)、固体撮像素子(CCD等)、エレクトロルミネッセンス装置(ELD)等に用いられるCFの、RGB画素と、液晶配向膜、ITO層、発光体、受光体等との間に形成される有機層を意味する。本発明において、CF保護膜は、RGB画素に直接接せずとも、他の材料を介して間接的に保護する保護膜であってもよく、例えば、固体撮像素子のマイクロレンズとカラーフィルターの間に用いる中間膜、あるいはカラーフィルターと電極の間に用いる中間膜であってもよい。
1.カラーフィルター保護膜用の熱硬化性樹脂組成物
本発明のカラーフィルター保護膜用の熱硬化性樹脂組成物は下記の(A)および(B)成分からなる。
(A)ヘミアセタールエステル化不飽和ジカルボン酸に由来する構成単位50〜100重量%と、式(4)で表されるその他の構成単位50〜0重量%から成り、重量平均分子量が2,000〜200,000である重合体
(B)エポキシ基またはオキセタニル基を1分子中に2個以上含有し、かつ、エポキシ当量が140〜1,000g/molであるエポキシ基またはオキセタニル基含有化合物
<重合体(A)>
<ヘミアセタールエステル化不飽和ジカルボン酸に由来する構成単位>
前記の式(3)で表されるヘミアセタールエステル化されたカルボキシル基は、カルボキシル基を式(8)で表されるビニルエーテル化合物を用いて変性することによって得られる。その変性反応は式(9)で表される。
式(8)で表されるビニルエーテル化合物(a2)としては、炭素数1〜10(好ましくは3〜8)の直鎖状または分岐状のアルキル基または炭素数5〜8(好ましくは6〜8)のシクロアルキル基を有するアルキルビニルエーテル化合物が挙げられる。炭素数がアルキル基として10を上回ったり、シクロアルキル基として8を上回ったりすると、脱離するビニルエーテル化合物(a2)の沸点が上昇し解離温度との間に差異が生じて、硬化に悪影響を及ぼし、本発明の効果を得ることができない。
ビニルエーテル化合物(a2)としては、具体的には例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルが挙げられる。それらの中でも、入手性および硬化温度が保護膜のプロセスに適合する点から、n−プロピルビニルエーテルおよびi−ブチルビニルエーテルが好ましく挙げられる。
ビニルエーテル化合物(a2)は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ブロック化反応を行う際、反応を促進させる目的で酸性リン酸エステル化合物を初めとする酸触媒を使用することも出来る。
前記の有機溶媒は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。前記の有機溶媒の使用量は、特に限定されないが、反応原料100重量部に対して、通常、5〜95重量部、好ましくは、20〜80重量部である。
また、さらに高度なITO形成プロセス耐性が求められる場合、エポキシ基とオキセタニル基との反応性が上がり保護膜の耐熱性が向上する点から、重合体(A)中のヘミアセタールエステル化不飽和ジカルボン酸に由来する構成単位の比率として、好ましくは60〜90重量%、より好ましくは75〜85重量%である。
本発明に用いる重合体(A)は、ヘミアセタールエステル化不飽和ジカルボン酸に由来する構成単位の他に、式(4)で表されるその他の構成単位を有していてもよい。
式(4)で表される構成単位は、より具体的には式(8)で表される単量体から誘導される。
式(4)で表されるその他の構成単位は、本発明に用いる重合体(A)がヘミアセタールエステル化不飽和ジカルボン酸に由来する構成単位の優れた特性を阻害しないために、適度の剛直性を有し、かつ、構成単位の導入に用いる単量体がヘミアセタールエステル化不飽和ジカルボン酸と良好な共重合性を有していなければならない。式(4)および(5)において、R4は水素原子またはメチル基(好ましくは水素原子)であり、R5は炭素数6〜10のアリール基(好ましくは炭素数6〜8のアリール基)、炭素数1〜8のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基)、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基(好ましくは炭素数2〜5のアルキルカルボニル基)、炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基)、または炭素数2〜9のアシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜5のアシルオキシ基)である。
より具体的に、式(5)で表される単量体としては、R5が炭素数6〜10のアリール基である場合として、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;
R5が炭素数1〜8のアルコキシ基として、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等の脂肪族ビニルエーテル類;
R5が炭素数2〜9のアルキルカルボニル基として、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類;
R5が炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタアクリル酸エステル類;
R5が炭素数2〜9のアシルオキシ基として、酢酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル類が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性の点から芳香族ビニル化合物が好ましく挙げられる。
<重合体(A)の製造>
重合体(A)の分子形態としては、直鎖状であっても、分岐構造を持っていても良く、ランダム重合体、ブロック重合体、グラフト重合体等いずれの形態であってもよい。
カルボキシル基がビニルエーテル化合物により潜在化された構成単位を含有する重合体(A)の酸当量は、116〜600g/mol、好ましくは140〜500g/mol、より好ましくは150〜400g/molである。酸当量の下限116g/molは分子量からの理論値であり、酸当量が600g/molを上回ると樹脂硬化物の層の硬度の低下、およびITO形成プロセス耐性が不足する可能性がある。この際の酸当量とは重合体についてのカルボキシル基の当量を指し、JIS K 0070 :1992「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法」の加水分解酸価測定によって測定した。
本発明に用いるエポキシ基またはオキセタニル基含有化合物(B)は、エポキシ基またはオキセタニル基を1分子中に2個以上含有する。
本発明に用いるエポキシ基またはオキセタニル基含有化合物(B)のうち、エポキシ基含有化合物(B1)として、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型またはビキシレノール型のエポキシ樹脂またはそれらの混合物、ナフタレン基含有エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂およびその誘導体、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、DPP(ジ−n−ペンチルフタレート)型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂等の芳香族ポリグリシジルエーテル;アジピン酸ジグリシジルエステル等の炭素数2〜50の脂肪族ポリジグリシジルエステル;フタル酸ジグリシジルエステル等の炭素数2〜50の芳香族ジグリシジルエステル;N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン等の芳香族アミン系エポキシ樹脂、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルへキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等の炭素数1〜50の脂肪族モノグリシジルエーテル;フェニルグリシジルエーテル等の芳香族モノグリシジルエーテル;ラウリン酸グリシジルエステル等の炭素数2〜50の脂肪族モノグリシジルエステル、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、レゾルシノールジグリシジルエーテル等の芳香族グリジジルエーテル類;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、各種芳香族グリシジルエーテル類の水添または半水添エポキシ樹脂、その他脂肪族ポリオールのグリシジルエーテル等の脂肪族グリジジルエーテル類(より具体的には、エチレングリコールールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル等);フタル酸ジグリシジル等の芳香族グリジジルエステル類;1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2,3−エポキシプロピル)エステル等の脂肪族グリジジルエステル類;1,2:8,9ジエポキシリモネン等の脂環式エポキシ化合物;N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン等のグリジジルアミン類;トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート等の複素環式エポキシ化合物;その他に、ブタジエンの単独重合体または重合体のエポキシ基含有化合物等が挙げられる。
これらのオキセタニル基含有化合物(B)の中でも、耐熱性の点から1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン、およびビス(1−エチル(3−オキセタニル))メチルエーテルが好ましく挙げられる。
<有機溶剤>
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、粘度等を調整する目的で有機溶剤を添加して使用しても良い。この際に使用する有機溶剤としては、芳香族炭化水素、エーテル類、エステルおよびエーテルエステル類、ケトン類、リン酸エステル類、ニトリル類、非プロトン性極性溶媒、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類等が挙げられる。
これらの有機溶剤は1種単独または2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
また、これら有機溶剤の添加量については特に制限はされず、所定膜厚、表明の平滑性、および成膜方法等に応じ、任意の量添加し、塗布適性を付与することができる。通常は、本発明の熱硬化性樹脂組成物100重量部に対して、5〜2000重量部を添加して使用される。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤、表面調整剤、密着性向上助剤、着色剤、粘度調整剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、炭酸ガス発生防止剤、可撓性付与剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、表面処理剤、難燃剤、帯電防止剤、イオントラップ剤、摺動性改良剤、各種ゴム、無機充填材、有機ポリマービーズ、揺変性付与剤、表面張力低下剤、消泡剤、光拡散剤、抗酸化剤、蛍光剤、その他の成分を添加して使用することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、上記(A)、および(B)の成分をはじめとする各成分を一括配合しても良いし、各成分を溶剤に溶解した後に逐次配合しても良い。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解して熱硬化性樹脂組成物を調製してもよいし、必要に応じては各成分を適宜2つ以上の溶液としておいて、使用時(塗布時)にこれらの溶液を混合して熱硬化性樹脂組成物として調製してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、上記(A)、および(B)の成分をはじめとする各成分混合後の攪拌に関しては、羽根形撹拌機、デソルバー、ニーダー、ボールミル混和機、ロール分散機等を用いて撹拌をおこなってもよいし、各成分をガロン瓶等の容器に配合してから容器ごとミックスローターで回転させて攪拌してもよい。混合および攪拌の温度は、配合成分にもよるが、通常、結露や溶剤の揮散を避けるために、10〜60℃が好ましい。
本発明のカラーフィルターは、上記本発明のカラーフィルター保護膜用の熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層を有する。
カラーフィルターは、通常、透明基板に所定のパターンで形成されたブラックマトリックスと、当該ブラックマトリックス間に所定のパターンで形成した画素部と、本発明のカラーフィルター保護膜用の熱硬化性樹脂組成物の硬化物の層で当該画素部を覆うように形成された保護膜を備える。この上に通常、液晶駆動用の透明電極が形成される。また、ブラックマトリックス層が形成された領域に合わせて、透明電極板上、画素部上、または保護膜上に柱状スペーサーが形成されていてもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を塗布する方法に関しては、特に限定されるものではなく、通常用いられる塗布手法として、例えば、スピンコーター塗布法、浸漬塗布法、スプレーコーター塗布法、ロールコーター塗布法、スクリーン印刷塗布法、オフセット印刷塗布法、スリットコーター塗布法、ダイコーター塗布法等の単独または組み合わせにより、基材に塗布することができる。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物の層は、具体的には例えば、下記のような優れた密着性、ITO形成プロセス耐性(ITO回路形成後の酸−アルカリ耐性(エッチング耐性)、ITO回路形成後の230〜250℃での耐熱性)を兼ね備えた層とすることができる。
<重量平均分子量>
重量平均分子量(Mw)は、東ソー(株)製ゲルパミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8220GPCを用い、カラムとして昭和電工(株)製SHODEX K−801を用い、THFを溶離液とし、RI検出器により測定してポリスチレン換算により求めた。
<固形分>
固形分は、溶液1gを精秤し、熱風オーブンで170℃、1時間乾燥後に乾燥前後の重量変化から算出した残存率より算出した。
<粘度>
粘度は、循環式恒温水浴を装備したB型粘度計(東機産業(株)製;商品名;Viscometer Model B)を用いて温度25℃で測定した。
<エポキシ当量>
エポキシ当量は、JIS K 7236:2001「エポキシ樹脂のエポキシ当量の求め方」によって規定される方法によって測定した。
<全酸当量>
全酸当量は、JIS K 0070:1992「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法」の加水分解酸価測定によって測定した。
ガラス基板(日本電気硝子(株)製;商品名;OA-10、無アルカリガラス)上にカラーフィルター保護膜用の熱硬化性樹脂組成物を硬化後の膜厚が2.0μmおよび5.0μmとなるようにスピンコート法により塗布した。この塗布基板を90℃のクリーンオーブンにて5分間の乾燥処理を行った後、230℃のクリーンオーブンにて30分間処理した。得られた保護膜上に10〜15Ω/cm2の抵抗値が得られるように、270℃のスパッタ処理によりITO膜を形成させ、評価基板試料とした。
上記の評価基板試料を60℃の5wt%NaOH水溶液に浸漬処理し、10分後の様態を目視により観察した。
◎:保護膜の膜厚が2.0μmおよび5.0μmで異常が観測されなかった
○:保護膜の膜厚が2.0μmでは異常が観測されなかったが5.0μmでわずかな異常が観測された
×:保護膜の膜厚が2.0μmおよび5.0μmで異常が観測された
本評価では、○以上であるとき、実用に供することができると判定した。
<ITO後耐熱性>
また、同じく前記の評価基板試料に250℃の高温加熱処理を行い、処理後の様態を目視により観測した。。
◎:保護膜の膜厚が2.0μmおよび5.0μmで異常が観測されなかった
○:保護膜の膜厚が2.0μmでは異常が観測されなかったが5.0μmでわずかな異常が観測された
×:保護膜の膜厚が2.0μmおよび5.0μmで白化やシワなどの異常が観測された
本評価では、○以上であるとき、実用に供することができると判定した。
<水滴痕>
カラーフィルター保護膜用の熱硬化性樹脂組成物を膜厚が2.0μmおよび5.0μmになる条件でスピンコート法によりガラス基板(日本電気硝子(株)製;商品名;OA−10、無アルカリガラス)に塗布し、ガラス基板を90℃のクリーンオーブンにて5分間乾燥処理した。乾燥処理後の塗布基板をエッチングマシンES−610(サンハヤト(株))に通した。その後、塗布基板を230℃のクリーンオーブンにて30分間処理した。得られた塗布基板の水滴痕を表面の凹凸(段差)を微細形状測定機((株)小坂研究所製;商標;サーフコーダーET4000)を用いて評価した。
◎:保護膜の膜厚が2.0μmおよび5.0μmで段差の異常が観測されなかった
○:保護膜の膜厚が2.0μmでは異常が観測されなかったが5.0μmでわずかな段差の異常が観測された
×:保護膜の膜厚が2.0μmおよび5.0μmで段差の異常が観測された
本評価では、○以上であるとき、水滴痕による段差の異常について、実用に供することができると判定した。
合成例1
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PMA)33重量部、磐田化学工業(株)製イタコン酸26重量部、n−プロピルビニルエーテル(以下、nPr−VE)41重量部を仕込み、攪拌しながら加熱し80℃に昇温した。次いで、温度を保ちながら攪拌し続け、混合物の酸価が2.0mgKOH/g以下になったところで反応を終了し、溶液の酸価0.64mgKOH/gのヘミアセタールエステル化不飽和ジカルボン酸(イタコン酸ビス(1−プロポキシ−エチル)エステル)(a1−1)の溶液を得た。
合成例2、3、および比較合成例1、2
合成例1と同様の操作を行いヘミアセタールエステル化不飽和ジカルボン酸(a−2〜a−3)およびヘミアセタールエステル化不飽和モノカルボン酸(a’−1、a−2)を得た。各原料の仕込量と合成結果を表1に示す。
重合例1
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた容量500mLの4つ口フラスコに、PMAを43重量部仕込み、攪拌しながら加熱して80℃に昇温した。次いで、合成例1で合成した(a1−1)133重量部、スチレン(以下、St)20重量部、日油(株)製の過酸化物系重合開始剤「パーヘキシルO(以下、PHO)(商品名、純度93%)」4重量部を予め均一混合したもの(滴下成分)を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、80℃の温度を7時間維持した後、反応を終了した。重量平均分子量(Mw)10,000、固形分52%、粘度12mPa・s(20℃)および溶液の酸当量680g/molの重合体溶液(重合体の酸当量340g/mol)を得た。
重合例1と同様の操作を行い、重合体(A−2〜4,A’−1〜3)を得た。各原料の仕込量と重合結果を表2に示す。
所定の配合割合で溶解混合したカラーフィルター保護膜用の熱硬化性樹脂組成物の性能を評価した。結果を配合割合とともに表3に示す。
比較例1〜4
所定の配合割合で溶解混合したカラーフィルター保護膜用の熱硬化性樹脂組成物の溶液から、実施例と同様の手法によって樹脂硬化物の層(硬化膜)を得て、試験を行った。結果を配合割合とともに表3に示す。
jER828: ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量190(g/mol)、分子量約380
jER1001: ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量500g/mol、分子量約900
jER1004: ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量930g/mol、分子量約1,650
157S65: ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量210(g/mol)、分子量約2,100
一方、比較例1および2においては本発明の重合体(A)に換え、ヘミアセタールエステル化不飽和モノカルボン酸に由来する構成単位を有する重合体を使用しているために、重合体自身が充分な耐熱分解性を有していないためにITO後の耐性が不足する結果となった。比較例3においては本発明の重合体(A)および化合物(B)を使用しているが、本発明の配合比から外れるため水滴痕が発生し、さらにITO後耐性が不足した。比較例4においては、本発明の重合体(A)に換え、ヘミアセタールエステル化されていない不飽和ジカルボン酸に由来する構成単位を有する重合体を使用しているために、反応性の低下から樹脂硬化物の耐熱性が不足した。
Claims (2)
- 下記の、(A)および(B)成分
(A)下記式(1)または(2)のいずれかで表されるヘミアセタールエステル化不飽和ジカルボン酸に由来する構成単位50〜100重量%と、式(4)で表されるその他の構成単位50〜0重量%から成り、重量平均分子量が2,000〜200,000である重合体
(式(1)中、Xはそれぞれ独立に下記式(3)で表されるヘミアセタールエステル化されたカルボキシル基を示す。)
(式(2)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示し、Xはそれぞれ独立に下記式(3)で表されるヘミアセタールエステル化されたカルボキシル基を示す。)
(式(3)中、R3は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数5〜8のシクロアルキル基を示す。)
(式(4)中、R4は水素原子またはメチル基を示し、R5は炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基、または炭素数2〜9のアシルオキシ基を示す。)
(B)エポキシ基またはオキセタニル基を1分子中に2個以上含有し、かつ、エポキシ当量が140〜1,000g/molであるエポキシ基またはオキセタニル基含有化合物
から成り、前記の(ヘミアセタールエステル化されたカルボキシル基/エポキシ基またはオキセタニル基)のモル濃度の比率が0.3〜1.2である、カラーフィルター保護膜用の熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層を有するカラーフィルター。
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