JP4984448B2 - 二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池の製造方法に関する。
二次電池の中でも、高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が車両のモータ駆動用電源として注目を集めている。
リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダーを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダーを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している(例えば、特許文献1を参照)。
このリチウムイオン二次電池の初回充放電時には、電池要素からガスが発生することが知られている。このガスは、パッケージする際に内部入り込んだ空気や、負極の細孔内に吸着していた空気、または負極表面に被膜が形成される際の電解液の分解などにより発生したものと考えられている。
このようなガスをそのままにしておくと、電極の活物質の剥離等が起こり、充放電特性や電池寿命等の特性が低下する原因となる。このため、初回充放電後に一旦電池ケースの封を開け、発生したガスを電池ケースの外部へ逃がす必要があった(例えば、特許文献2を参照)。
特開2003−7345号公報 特開2003−157810号公報
比較的小型のリチウムイオン二次電池の場合、電極の面積もそれほど大きくないため、初回充電後、一旦電池ケースの封を開けるのみでも発生したガスを電池ケースの外部に逃がすことはできる。
しかしながら、近年、電池性能を向上させる観点から、リチウムイオン電池は大型化する傾向にある。このため、電池ケースの封を開けるのみでは、初回充放電時に発生したガスを充分に電池ケースの外部に逃がすことができない場合がある。つまり、電池の大型化に伴い、発生したガスが電池要素の中心部に残留し、外部に逃げない場合がある。その結果、そのガスの存在により電池要素における電極活物質や電解質の剥離が発生し、電池性能が低下するという問題があった。特に、電池の出力密度を向上させる観点から開発が進められており、電池面積の大型化の傾向が著しいバイポーラ電池において、このような問題は顕著である。
そこで、本発明の目的は、リチウムイオン二次電池において、初回充放電時に発生したガスを外部に抜けやすくし、充放電特性や電池寿命等の電池性能を向上させうるセパレータ構造体を用いた二次電池の製造方法を提供することである。
発明は、セパレータ材と、前記セパレータ材の両面に、未塗布部分があるように塗布された電解質と、を有するセパレータ構造体を用いた二次電池の製造方法であって、このセパレータ構造体を間に介在させて正極と負極を積層して電池構造体を組み上げる段階と、前記組み上げた前記電池構造体に初回充電を行う段階と、初回充電後、前記正極および前記負極のある側から全体を加圧しつつ加熱する段階と、を有することを特徴とする。
本発明の二次電池の製造方法によれば、電解質の未塗布部分を有するセパレータ構造体を正極および負極で挟んで積層した後、初回充電を行い、その後、全体を加熱しつつ加圧することとしたので、初回充電時においては未塗布部分が隙間となって内部で発生したガスが抜けやすくなっており、その後の加熱および加圧工程においては、塗布されている電解質が熱と圧力により広がって電極(正極および負極)接触する面積が増えて、隙間を設けて電解質を塗布したことにより電池性能の低下が起きないようにしている。このため、この製造方法によってできあがった二次電池は所望の性能を十分に達成することができると共に、初回充電時に発生するガスによる性能劣化を防止することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明を適用した実施形態1におけるセパレータ構造体を示す斜視図であり、図2はこのセパレータ構造体の断面図である。
本実施形態1のセパレータ構造体1は、セパレータ材11の両面に、それぞれ間隔をあけてストライプ状にポリマー電解質12が形成されている。
本実施形態1では、このセパレータ構造体1は、セパレータ材11上におけるポリマー電解質12の未塗布部分13が、少なくともセパレータ材11の中央部から外周まで連続して設けられている。本実施形態1では、未塗布部分13はセパレータ材11の中央部を通り端から端まで複数の未塗布部分13が連続している。この未塗布部分13は、後述するように初回充電時に発生するガスを逃がすための通り道となる。
セパレータ材11は、正極板と負極板の間に介在して、両極活物質の接触に伴う短絡防止や電解液を保持して導電性を確保する役割を担っている。本セパレータ構造体は、このセパレータ材11にポリマー電解質12を塗布したものである。
セパレータ材11として用いる素材は、二次電池の種類によって異なるが、たとえば、リチウムイオン二次電池では、ポリエチレン(超高分子量PE)やポリプロピレン(PP)製の多孔膜、アラミド不織布フィルムなどが用いられる。また、これらは単層のものや、PE/PPの二層構造、PP/PE/PPの三層構造のタイプなどさまざまであるが、本発明においては通常の二次電池においてセパレータとして用いている素材であれば特に限定されることなく用いることができる。
ポリマー電解質12は、成分中に熱可塑性のポリマーを有する。そして、このポリマー電解質12は、セパレータ材11の両面に形成されていて、二次電池の電解質層となる。
ここで未塗布部分13の間隔w1および深さt1は、少なくとも初回充電時に発生したガスが通る程度であればよい。これは、二次電池としてできあがったときにその性能を最大限に引き出すためには、未塗布部分13がなく、電極と電解質が完全に密着していることが望まれるためである。つまり、あまりにも未塗布部分13が多いと、後述するプレス工程を経た後でも隙間が残り電極反応面積が減少してしまうため好ましくないのである。したがって、未塗布部分13の間隔や深さの最大値は、後述するプレス工程後隙間が出ない程度である。
このために本実施形態1では、未塗布部分13の間隔w1および深さt1は、おおむねセパレータ材11の厚さTと同じ程度となるようにしている。しかし、前述したように、これは、後のプレス工程で埋めることができるものであればよく、特に限定されるものではない。
ポリマー電解質12としては、たとえば高分子ゲル電解質を用いることができる。
高分子ゲル電解質としては、イオン導伝性を有する固体高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものであるが、後に加熱を伴うプレス工程により熱可塑化して均一な電解質層となるようにしている。
例えば、通常リチウムイオン電池で用いられる、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)を用いたものなどが使用できる。
さらに、リチウムイオン導伝性を持たないバインダー物質を加えている。バインダー物質としては、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などである。これらのバインダー成分は熱可塑性を有し、熱を加えることでポリマー電解質12全体が塑性変形するようになる。
また、ポリマー電解質12は、セパレータ材11に対して正極が付く側と負極が付く側で、電解質の種類や成分配合比を変えた層を形成してもよい。また、高分子ゲル電解質を用いる場合、該高分子ゲル電解質を構成するポリマーと電解液との比率(質量比)が、20:80〜98:2と比較的電解液の比率が小さい範囲である。
上記のような構造に形成されたセパレータ構造体1は、その後二次電池に組み立てられる。
図3は、このセパレータ構造体1を用いたバイポーラ二次電池の構造を示す断面図であり、パッケージした直後(プレス工程前)の状態を示す。
このバイポーラ二次電池は、セパレータ構造体1を電極構造体20ではさんで積層したものである。電極構造体20は、1つの集電体21に一方の面に負極となる負極活物質物22が形成され、他方の面に正極となる正極活物質23が形成されている。
負極活物質22、正極活物質23およびその間のセパレータ構造体1によって形成されている電解質層12によって一つの単電池層16が成り立っている。
このような1つの電極で負極と正極が形成された電極をバイポーラ電極という。そしてこのバイポーラ電極を用いて複数の単電池層16が直列に積層された構造の電池をバイポーラ電池という。
単電池層16の周囲には、集電体21間で、単電池層16の周囲を取り囲むように絶縁材35が設けられている。この絶縁材35はプレス工程後、集電体21の周囲に密着させて単電池層16同士が液漏れによって短絡しないようにするものである。
この絶縁材35としては、電解液を通さず、熱により集電体21と融着するものが好ましい。たとえば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂/ポリアミド系樹脂/ポリオレフィン系樹脂の三層樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(フッ素樹脂)、シリコーン樹脂、およびウレタン樹脂などを用いることができる。また、これら材料の二層構造や三層構造などのものであってもよい。
ただし、この絶縁材35は、この段階(図3に示した段階)では、まだプレス工程前であるので集電体21とは接着されておらず、隙間が開いている。なお、製造を容易にするため、絶縁材35は一方の集電体21に対して予め接着された状態であってもよい。
またこの段階では、積層されたセパレータ構造体1と電極構造体20とをパッケージ材、たとえば、ラミネートフィルム25に包んで、その周囲が部分的にまたは全部が熱圧着されずに保たれている。
なお、絶縁材35としては、熱融着性のある素材に代えて、集電体と背着する面に両面テープや熱接着性の接着剤などをあらかじめつけておいて、プレス工程時に集電体21と接着させるようにしてもよい。
図3に示したように、電池構造体を組み上げた時点で、セパレータ構造体1と電極(負極活物質22および正極活物質23)とは接触している程度に保たれている。ここでセパレータ構造体1と電極(負極活物質22および正極活物質23)とが接触している程度とは、内部の電極(負極活物質22および正極活物質23)とセパレータ構造体1のポリマー電解質12とが、少なくともその一部で接触し、ポリマー電解質12の未塗布部分13がつぶれずに残っている状態である。したがって、電極構造体20の負極活物質22または正極活物質23と、セパレータ構造体1のポリマー電解質12とが少しでも接触さえしていれば多少隙間があってもよい。
このようにして組み上げられた電池構造体に初回充電を行う。初回充電自体は、通常のパイポーラ電池を製造するときと同様であり、そのバイポーラ電池の規定充電量を充電すればよい。
この初回充電時に電池要素内において発生したガスは、ポリマー電解質12の未塗布部分13が隙間となっているため、この隙間がガスの通り道となり外側に放出される。特に、未塗布部分13は、セパレータ材11の中央部から外周まで連続して設けられているので、電池構造体として組み上げた際の内部の方で発生したガスを逃がすことができる。
つまり、このセパレータ構造体1はポリマー電解質12の未塗布部分13があることで、初回充電時に単電池層16内部において発生したガスであっても全て外部に抜くことができるのである。
その後は、いったん放電を行い、再度充放電を繰り返してもよいが、電池要素内部からのガス発生は主に初回充電時であることがわかっているため、ガス抜きの目的であるならば初回の1回の充放電だけでも十分である。
放電後は、プレス工程により、全体を加熱しつつ加圧することによりポリマー電解質層のバインダー成分などを熱により可塑化して、完全なポリマー電解質12にする。
図4は、プレス工程後のバイポーラ二次電池を示す断面図である。
図示するように、プレス工程時に加える熱で、ポリマー電解質12中のバインダー成分が可塑化して塑性変形しやすくなり、全体が押しつぶされることでこれまで隙間となっていた未塗布部分13はポリマー電解質12によって埋まることになる。このため、ポリマー電解質12と電極(負極活物質22および正極活物質23)が完全密着する。ここで加えられる熱は、ポリマー電解質12中のバインダー成分が可塑化して塑性変形しやすくなる程度であればよい。
また、このプレス工程により内部の絶縁材35は熱により、上下の集電体21と融着する。これにより単電池層16からの液漏れを防止する。
その後またはこのプレス工程と同時に、ラミネートフィルム25の周囲をシールする。このとき、ラミネートフィルム25の内部を減圧して真空パックとすることで、パッケージ内部の不要な空気を抜くことができる。
これによりバイポーラ二次電池が完成する。
完成したバイポーラ二次電池は、その後充電を行っても、初回充電時に発生するガス抜きが行われているため、初回充放電時に発生したガスが電池要素内に残留することによる電池要素の劣化が防止され、電池性能の向上が図れるようになる。
次に、本実施形態1におけるバイポーラ電池で用いた集電体および活物質について説明する。
集電体21は、たとえばアルミ箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成される。集電体21の一般的な厚さは、10〜50μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体21を用いてもよい。集電体21の大きさは、電極の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体21が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体21が用いられる。
活物質は、集電体21の一方の面に負極活物質22、相対する面に正極活物質23が形成される。これらの活物質は本願においては特に制限されないが、以下にその一例を示す。
正極活物質23としては、たとえば、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物やLiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質23が併用されてもよい。一方、負極活物質としては、結晶性炭素材や非結晶炭素材等の炭素材料が挙げられる。具体的には、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛系炭素材料、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボン等が挙げられる。なかでも、ハードカーボンがより好ましい。
活物質層には、必要であれば、その他の物質が含まれてもよい。例えば、バインダー、導電助剤、リチウム塩(支持電解質)、イオン伝導性ポリマー等が含まれうる。また、活物質層中に含まれるイオン伝導性ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ECOゴム系バインダー等が挙げられる。
導電助剤とは、電極における活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、グラファイトなどのカーボン粉末が挙げられる。
リチウム塩(支持電解質)としては、LiBETI(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);Li(CSON)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、たとえば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。ここで、イオン伝導性ポリマーは、本発明の電極が採用される電池の電解質層15において電解質として用いられるイオン伝導性ポリマーと同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
重合開始剤は、イオン伝導性ポリマーの架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために配合される。開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤などに分類される。重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)やベンジルジメチルケタール(BDK)等が挙げられる。
活物質層中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、電極の活物質層についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
活物質層の大きさも特に制限されない。活物質層が大きいほど本発明の効果は顕著に現れることから、活物質層の大きさ(面積)は、好ましくは300cm以上、より好ましくは600cm以上、特に好ましくは1200cm以上である。
続いて、本実施形態1のセパレータ構造体1の製造方法について説明する。
セパレータ構造体1は、例えば、セパレータ材11の面に所望の未塗布部分13のパターンができるようにマスキングテープを貼付し、その上から電解質スラリー(詳細後述)を塗布して乾燥させ、その後、スキングテープを剥離することにより製造されうる。電解質スラリーの塗布は、たとえば、コーターを用いる方法やスプレー印刷が採用されうる。
その他に、電解質スラリーを塗布するためには、マスキングテープを用いることなく、インクジェット印刷により未塗布部分13と塗布部分のパターンを直接印刷する方法でもよい。
使用する電解質スラリーは、上述した高分子ゲル電解質層とする場合は、適当なスラリー粘度調整溶媒中に、バインダー、リチウム塩(支持電解質)、イオン伝導性ポリマー、および重合開始剤、さらに必要により導電助剤等の他の成分を添加して、これらを混合することで、半固体状のゲルポリマー前駆体溶液(電解質スラリー)を調製する。各成分の添加の順序などは特に制限されない。
電解質スラリーの塗布工程は、たとえば、コーター、スプレー印刷、またはインクジェット印刷を用いてセパレータ材11上に塗布(印刷)する。
その後内部のコポリマー成分を重合させるために加熱して、さらに不要な液体成分を飛ばすために真空乾燥機を用いて乾燥する。なお、これらは通常の高分子ゲル電解質の調製方法と同じである。
このようにして形成したセパレータ構造体1のポリマー電解質12部分は、熱可塑性を有する樹脂材料となるので、既に説明したように、二次電池の製造に際し、加熱しつつプレスすることで、未塗布部分13も完全に埋まった均一な状態になる。
なお、電解質スラリーをセパレータ材11に塗布した後加熱重合することなく、半固体状のゲルポリマー前駆体をセパレータ材11に塗布した状態のままで電池構造体を組み上げてもよい。そしてこの状態で初回充電を行って内部のガスを抜き、その後、加熱プレスにおいて加圧しつつ熱を加えることで、内部の電解質を重合させるようにしてもよい。これは、半固体状のゲルポリマー前駆体の状態であってもイオンを伝達するリチウム塩(電解質塩)は、イオン伝導物質としての機能は変わらないので、初回充電時にもポリマー電解質層が未重合の状態であってメオ中放電を行うことができるためである。
また、プレス工程においては加熱しつつ加圧することとしているが、加熱と加圧を同時に行うことは必ずしも必要なく、まず加熱して熱可塑性のバインダー成分をやわらかくして、その後加圧するようにしてもよい。
(実施形態2)
上述した実施形態1では、ポリマー電解質12の塗布部分と未塗布部分13をストライプ状に形成した例を示したが、ポリマー電解質12はこのような塗布パターンに限定されるものではない。そこで、さらに別の塗布パターン例を説明する。
なお、塗布パターン以外の構成、すなわち、ポリマー電解質12およびセパレータ材11となる材料やセパレータ構造体1の製造方法、電池構造体および二次電池の製造方法などは実施形態1と同様であるので説明を省略する。
図5は、ポリマー電解質12の他の塗布パターンの例を示す斜視図である。図6は、ポリマー電解質12のさらに他の塗布パターンの例を示す斜視図である。
本実施形態2のセパレータ構造体1は、図5および6に示すように、セパレータ材11の両面に、ポリマー電解質12を多数のドット41状(図5)や多数の島43状(図6)に形成したものである。
図では、多数のドット41や多数の島43は、ポリマー電解質12の塗布部分と未塗布部分13が等間隔で並ぶようにしているが、これに限らず、多少ばらついていてもよい。ただし、未塗布部分13がセパレータ材11の内部から外側にかけて一部でも通ながっている必要があり、かつ、プレス工程において未塗布部分13が埋まる程度にポリマー電解質12が塗布されている必要がある。
未塗布部分13がセパレータ材11の内部から外側にかけて一部でも通ながっている必要があるのは、既に説明したように、未塗布部分13が初回充電時において、内部から発生するガスの通り道となる。一方、未塗布部分があまりにも多いと、プレス工程を経た後でも隙間が残り電極反応面積が減少してしまうため好ましくないためである。したがって、ランダムにドット41や島43を形成する場合は、二次電池としてできあがったときにその性能を最大限に引き出すためには、プレス工程後に未塗布部分13が完全に埋まるように、塗布部分と未塗布部分13の割合や大きさに注意を要する。
このようにセパレータ材11の両面に、ポリマー電解質12を多数のドット41状(図5)や多数の島43状(図6)など、ポリマー電解質12を点在させて塗布することでも実施形態1と同様に、初回充電時においてガス抜きの通り道ができ、内部のガスを抜くことができる。そしてその後のプレス工程によって未塗布部分13の隙間はなくなるので、内部で発生するガスによる悪影響を防止した二次電池ができあがる。なお、本実施形態2においてドット状または島状とは、ポリマー電解質12を塗布している部分の大きさが、小さい方をドット状と称し、大きい方を島状と称しているだけであり、その大きさには特に限定されるものではなく、一定のパターンで塗布されていることを示すのみである。
(実施形態3)
図7は実施形態3におけるセパレータ構造体の斜視図であり、図8は実施形態3におけるセパレータ構造体の断面図である。
本実施形態3のセパレータ構造体3は、セパレータ材11に対し、ポリマー電解質12はその両面の全面に塗布してあるが、断面形状を図示するように波形にしたものである。
この波型形状の頂点間隔w2とその深さt2は、実施形態1の場合における未塗布部分の間隔および深さと同様に、おおむねセパレータ材11の厚さと同じ程度が好ましい。
用いるセパレータ材11やポリマー電解質12の材料などは実施形態1と同様であるので説明を省略する。
図示するような波形のセパレータ構造体1の製造方法を説明する。
まず、実施形態1と同様にして電解質スラリーを調製し、半固体状のゲルポリマー前駆体をセパレータ材11の両面の全面に塗布する。
その後、図9に示すように、波形をした支持部材41上に半固体状のゲルポリマー前駆体が両面の全面に塗布されたセパレータ材11を載せて、加熱乾燥する。このとき、ゲルポリマー前駆体内のコポリマー成分(またモノポリマーやその他未重合成分など)が重合してポリマーとなり、ある程度の硬くなるので、支持部材がない状態でも、波形形状が維持される。
図10は、このセパレータ構造体3を用いてパイポーラ二次電池を組み上げ状態(プレス工程前の状態)を示す断面図である。
上記のようにして製造されたセパレータ構造体3を、実施形態1と同様に、パイポーラ二次電池として組み上げれば、図10に示すように、ポリマー電解質12の一部は電極(負極活物質22および正極活物質23)と接触するが、波形となっているので、所どこと隙間が空いた状態となっている。
この状態で、初回充電を行えば、波形のセパレータ構造体1によってできた隙間が、初回充電時に発生したガスの通り道となって、ガス抜きが行われる。
その後、プレス工程において加熱しながら圧力を加えることで、ポリマー電解質12は塑性変形し、平らな状態となるので、図4に示した場合と同様に、ポリマー電解質12と電極は完全に密着するようになる。
このように本実施形態3では、ポリマー電解質12を両面の全面に塗布したセパレータ構造体3を波形にすることで、初回充電時に発生するガスを波形でできた隙間から抜くことができる。そしてその後のプレス工程によってセパレータ材11は平坦な形状となるので、電池性能に影響はなく、しかも内部で発生するガスによる悪影響を防止した二次電池ができあがる。
以上本発明を適用した実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
たとえば、上述した実施形態では、バイポーラ電池に使用した例を示したが、本発明によるセパレータ構造体は、バイポーラ電池に限らず、通常のリチウムイオン二次電池でも正極と負極の間に介在させるセパレータと電解質層として利用することができ、その場合にも、上述実施形態同様に初回充電時におけるガス抜きを効果的に行うことが可能となる。
本発明は、二次電池として利用できる。また、本発明によるセパレータ構造体を用いた二次電池をさらに複数組み合わせて組電池や複合組電池などを形成することもできる。そしてこのような電池または組電池などは、電気自動車、燃料電池自動車やこれらのハイブリッドカーなどに用いられる、高出力高容量の電池を好ましいものである。
本発明を適用した実施形態1におけるセパレータ構造体を示す斜視図である。 実施形態1におけるセパレータ構造体の断面図である。 実施形態1におけるセパレータ構造体を用いたバイポーラ二次電池の一例を示す断面図である。 プレス工程後のバイポーラ二次電池を示す断面図である。 ポリマー電解質の他の塗布パターンの例を示す斜視図である。 ポリマー電解質のさらに他の塗布パターンの例を示す斜視図である。 実施形態3におけるセパレータ構造体の斜視図であ 実施形態3におけるセパレータ構造体の断面図である。 実施形態3におけるセパレータ構造体の製造方法を説明するための説明図である。 実施形態3におけるセパレータ構造体を用いてパイポーラ二次電池として組み上げた状態を示す断面図である。
符号の説明
1…セパレータ構造体、
11…セパレータ材、
12…ポリマー電解質、
13…未塗布部分、
15…電解質層、
16…単電池層、
20…電極構造体、
21…集電体、
22…負極活物質物、
23…正極活物質、
25…ラミネートフィルム、
35…絶縁材、
41…多数のドット、
43…多数の島。

Claims (5)

  1. セパレータ材と、前記セパレータ材の両面に、未塗布部分があるように塗布された電解質とを有するセパレータ構造体を間に介在させて正極と負極を積層して電池構造体を組み上げる段階と、
    前記組み上げた前記電池構造体に初回充電を行う段階と、
    初回充電後、前記正極および前記負極のある側から全体を加熱しつつ加圧する段階と、
    を有することを特徴とする二次電池の製造方法。
  2. 前記未塗布部分は、少なくとも前記セパレータ材の中央部から外周にかけて連続していることを特徴とする請求項1に記載の二次電池の製造方法
  3. 前記電解質は、前記未塗布部分に対して塗布部分がストライプ状になっていることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池の製造方法
  4. 前記電解質は、点在して塗布されていることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池の製造方法
  5. 前記電解質は、熱可塑性を有するポリマー電解質であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の二次電池の製造方法
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