JP4984744B2 - 積層包装材料 - Google Patents

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本発明は収納物が密封収納されている易剥離層を有する積層材料からなる包装体を加熱滅菌処理した後に、包装体の表フィルム層の易剥離層を剥離して使用する積層包装材料に関する。特に医療・医薬品(経口栄養剤、経腸栄養剤等他)や、食品などの分野においてレトルト可能な包装体で、且つ、包装体および収納物等の内訳、履歴等の確認・保存を必要とする積層包装材料に関する。
病院や在宅で使用される経腸栄養剤は加熱滅菌処理後に使用されている。そして、内容物に油脂成分やビタミンを含有しているため、光や酸素の進入によって内容物が劣化し易い。このため、通常、アルミ箔を使用した積層包装材料が使用されている。
しかし、内容物がカテーテルを経由して体内に投与される事から投与量を確認できるようにするため、または濃縮されている内容物に水を加えて液量を増やしたりすることから、内容物が目視で確認できる必要がある。
このため、酸素バリア性は、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)コートを施したプラスチックフィルムや、EVOH(エチレン‐ビニルアルコール共重合体)フィルム、PVA(ポリビニルアルコール)フィルム、酸化アルミニウムや酸化珪素などを蒸着したPET(ポリエステルテレフタレート)フィルム、酸化アルミニウムや酸化珪素などを蒸着した延伸ナイロンフィルム、EVOH層や、MXD6ナイロン層を中間層に有するバリアナイロンなどを用いた積層包装材料が広く用いられている。
また、酸素バリア性は上記したフィルムを用いる事で内容物を確認できるが、遮光性は難しく段ボールで流通させる事で光を遮断している。
そこで近年、易剥離層分を設ける包装材料が用いられている。また、易剥離層を設けることで使用直前まで酸素バリア、遮光性を保持した包装材料が提供されている。そして、易剥離層分をはがすことで内容物の確認が可能となっている。
前記易剥離層分を設けた包装材料として特許文献1〜特許文献4が知られている。そして、これらの包装材料は易剥離層の接着剤層を間欠的に塗工するか、あるいは、接着強度を弱くするなどにより形成されている。
また、塗工形状によって易剥離層を形成する方法も知られている。例えば、図4(a)に示すような点状や、図4(b)に示す格子状や、図には示していないが線状に接着剤層を形成する方法がある。
以下に先行技術文献を示す。
特公平4−79913号公報 特公平5−7268号公報 特公平7−41926号公報 特公平7−41927号公報
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、酸素バリア性と遮光性とを併せ持ち、加熱滅菌処理後に易剥離層が僅かな力で易剥離可能な積層包装材料を提供することである。
上記問題点を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、
収納物が密封収納されている易剥離部を有する積層材料からなる包装体を加熱滅菌処理
した後に、包装体の表フィルム層の易剥離部を剥離して使用する積層包装材料であって、
前記易剥離部分が2液硬化型ウレタン系接着剤により淡部と濃部を形成し、
前記濃部は円の輪郭形状を成し、前記円の輪郭が隣り合う円の輪郭に接しており
前記2液硬化型ウレタン系接着剤は、これが塗工された樹脂フィルム面(A)と、この樹脂フィルム面(A)に塗工された前記2液硬化型ウレタン系接着剤面に積層された樹脂フィルム面(B)との間に位置している、
ことを特徴とした積層包装材料である。
次に、本発明の請求項2に係る発明は、
前記淡部と濃部は凹版からなるグラビア方式の凹部のドット密度により形成されていることを特徴とする請求項1記載の積層包装材料である。
次に、本発明の請求項3に係る発明は、
前記易剥離層の加熱滅菌処理(121℃、30分)した後の、剥離強度(JIS K7127準拠、剥離速度300mm/min、剥離角度90度)が0.1N/15mm以上1.0N/15mm未満であることを特徴とする請求項1または2記載の積層包装材料である。
次に、本発明の請求項4に係る発明は、
前記2液硬化型ウレタン系接着剤がポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールから成る主剤と、イソシアネート基を有する硬化剤、酢酸エチルなどの有機溶剤から成る希釈溶剤により構成され、その粘度(25℃、ザーンカップ No.3)が11秒以上20秒未満であることを特徴とする請求項1乃至3記載の積層包装材料である。
次に、本発明の請求項5に係る発明は、
前記2液硬化型ウレタン系接着剤を塗工する前記樹脂フィルム面(A)と塗工された2液硬化型ウレタン系接着剤面に積層される前記樹脂フィルム面(B)との濡れ指数がA>Bであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層包装材料である。
本発明の積層包装材料は易剥離層に連続した円形状を成すことで加熱滅菌処理中の積層包装材料端面からの水分の混入を防ぐ事ができる。
さらに、点状のようにドットを伝わりながら剥離しないため、ジッパリングなどの剥離強度の差異が大きくならない。また、線状、格子状では剥離する方向によって強度の差異が大きくなる事がなく、全方向から安定した剥離感覚が得られる。
淡部と濃部を有する円形状をグラビア方式によって実施する事で、通常のドライラミネート工程を使用できる。さらに、版深の差異ではなく疎密のバランスで円形状を施す事で、版詰まりの危険性を回避し、版の長期間使用に有用である。そして、円のサイズや線の太さなどデザインの制限も受けにくい。
また、加熱滅菌処理後、0.1N/15mm未満では加熱滅菌処理中のデラミネーション(剥離)や、輸送工程中の衝撃による易剥離面の浮きなどが発生する懸念がある。
さらに、1.0N/15mm以上の剥離強度があると易剥離面を剥離した差異の負荷が大きく、高齢者、医療従事者(看護婦)には困難な場合も発生する。
また、本発明の積層包装材料はドライラミネート工程を使用しており、通常ドライラミネート工程では配合量のバラツキを粘度によって管理している。そして、粘度コントローラーの誤差から考えると使用する接着剤は請求項4記載のザーンカップNo.3において11秒〜20秒が望ましい。
また、 接着剤を塗工する樹脂フィルム面の濡れ指数を高くすることで剥離後の接着剤がなるべく接着剤を塗工した樹脂フィルム面に残り、接着剤面に積層された樹脂フィルム面の外観を損なうことなく積層包装材料を供給する事が出来る。
本発明の積層包装材料を実施の形態に沿って以下に図面を参照にしながら詳細に説明する。
図1は、本発明の積層包装材料の加熱滅菌処理する前の一例を説明するための説明図である。また、図2は易剥離層が剥離された後の一例を説明するための説明図である。さらに、図3(a)、(b)は易剥離層に形成される淡部と濃部の形状の一例である。
本発明の積層包装材料は図1に示すように基材フィルム層(A)と、接着剤層(B)と、アルミ箔層(C)と、易剥離層(D)と、未延伸ポリオレフィン層(E)とから形成さそれている。
前記基材フィルム層(A)はレトルト耐性があり、印刷基材になり得るフィルムであれば特に制限はない。そして、厚みは6μm〜25μm程度あり、少なくとも片面、もしくは両面にコロナ処理のような易接着処理を施すことが好ましい。
また、前記接着剤層(B)は上市されているレトルト耐性のあるウレタン系接着剤であれば特に制限はなく、厚みは1μm〜3μm程度が望ましい。
さらに、アルミ箔層(C)は上市されているアルミ箔であれば特に制限はなく、望ましくは軟質アルミ箔を使用し、厚みは7μm〜15μm程度が好ましい。
また、前記易剥離層(D)は、請求項記載のようにウレタン系接着剤の塗布量の濃淡により加熱滅菌処理後の易剥離を可能にした層である。
また、前記未延伸ポリオレフィン層(E)は、上市されている熱融着性をもつレトルト可能なポリオレフィン系フィルムであれば特に制限はなく、厚みは30μm〜100μm程度が望ましい。
以下に、本発明の具体的実施例を挙げて、さらに詳しく説明するが、それに限定されるものではない。
<実施例1>
<(A)/(B)/(C)/(B)/(A)/(D)/(A)/(B)/(E)>
<PET12μm/AD/AL9μm/AD/PET12μm/易剥離層/PET12μm/AD/CPP60μm>
(A)基材フィルム層:PET12μm、片面コロナ処理、東洋紡績(株)製E5100
(B)接着剤(AD)層:三井武田ケミカル(株)製A−525/A−52、固形分30%、膜厚3μm
(C)アルミ箔層:9μm、サン・アルミニウム工業(株)製1N30
(D)易剥離層(円形状):三井武田ケミカル(株)製A−525/A−52(濃い部分:乾燥塗布量0.5g/m2、着肉面積40%、円の直径2mm、円の太さ0.2mm
図3(イ)、薄い部分:乾燥時塗布量0.2g/m2、着肉面積60%、粘度ザーンカップNo.3:18秒)
(E) 未延伸ポリオレフィン層:CPP60μm、昭和電工プラスティックプロダクツ(株)製ET20。
<(比較例1>
<(A)/(B)/(C)/(B)/(A)/(D)/(A)/(B)/(E)>
<PET12μm/AD/AL9μm/AD/PET12μm/易剥離層/PET12μm/AD/CPP60μm>
*易剥離部分以外は実施例1と同様
(D)易剥離層(点形状):三井武田ケミカル(株)製A−525/A−52(濃い部分:乾燥塗布量0.5g/m2、着肉面積40%、点の直径0.8mm、点の間隔0.8mm 図3(ロ)、薄い部分:乾燥時塗布量0.2g/m2、着肉面積60%、粘度ザーンカップNo.3:18秒)。
<比較例2>
<(A)/(B)/(C)/(B)/(A)/(D)/(A)/(B)/(E)>
<PET12μm/AD/AL9μm/AD/PET12μm/易剥離層/PET12μm/AD/CPP60μm>
*易剥離部分以外は実施例1と同様
(D)易剥離層(格子形状):三井武田ケミカル(株)製A−525/A−52(濃い部分:乾燥塗布量0.5g/m2、着肉面積40%、線の直径2mm、格子の間隔0.2mm 図3(ハ)、薄い部分:乾燥時塗布量0.2g/m2、着肉面積60%、粘度ザーンカップNo.3:18秒)。
<比較例3>
<(A)/(B)/(C)/(B)/(A’)/(D)/(A)/(B)/(E)>
<PET12μm/AD/AL9μm/AD/PET12μm/易剥離層/PET12μm/AD/CPP60μm>
*易剥離部分以外は実施例1と同様
(A’)基材フィルム層:PET12μm、両面コロナ処理、東洋紡績(株)製E5200
(D)易剥離層:三井武田ケミカル(株)製A−525/A−52(濃い部分:乾燥塗布量0.5g/m2、着肉面積40%、円の直径2mm、円の太さ0.2mm 図3(イ)、薄い部分:乾燥時塗布量0.2g/m2、着肉面積60%、粘度ザーンカップNo.3:18秒)。
<比較例4>
<(A)/(B)/(C)/(B)/(A)/(D)/(A)/(B)/(E)>
<PET12μm/AD/AL9μm/AD/PET12μm/易剥離層/PET12μm/AD/CPP60μm>
*易剥離部分以外は実施例1と同様
(D)易剥離層:三井武田ケミカル(株)製A−525/A−52(濃い部分:乾燥塗
布量0.5g/m2、着肉面積40%、円の直径2mm、円の太さ0.2mm 図3(イ)、薄い部分:乾燥時塗布量0.2g/m2、着肉面積60%、粘度ザーンカップNo.3:10秒)。
<実験・評価>
実施例1、比較例1〜4で得た積層包装材料について下記の実験・評価を行なった。その結果を表1に示す。
*レトルト後外観調査
レトルト条件:121℃、30分(熱水回収式レトルト試験機)
外観評価:○(良好)、×(一部デラミ等発生箇所あり)
*易剥離性評価
測定機:引っ張り試験機
測定条件:検体幅 15mm、測定速度 300mm/分、剥離角度 T型(90度)
剥離最大強度と安定領域の2種類で評価
目標値:0.1〜1.0 N/15mm
*剥離外観調査
易剥離面を剥離後、接着剤未塗工面への接着剤の残り方を目視評価
評価:○(良好)、△(若干悪い)、×(接着剤後が顕著)
*加工性
想定しているパターン形状の有無を確認
評価:○(パターン明瞭)、×(パターン不明瞭)
*剥離方向性
縦、横、斜め、3方向の剥離の方法において、剥離感覚の差異が無きものは○、差異があるものは×とした。検体寸法:150mm×320mm。
Figure 0004984744
表1は総合評価の結果を記す。
<評価結果>
実施例1と比較例1の結果から、易剥離層に形成する点形状はジッパリングの影響により易剥離強度の最大値が大きくなり、官能評価における安定的な剥離感覚は得られない。また、実施例1と比較例2の結果から、易剥離層に形成する格子形状は剥離方向により剥離強度が異なり、線を横断する方向では適度な強度が得られるものの、線と平行方向においては強度が強くなる。さらに、比較例3の結果から、濡れ指数が同じ程度のものは、接着剤跡が袋側にも残り易剥離フィルム側にきれいにとられていなかった。また、比較例4の結果から、粘度が低い場合、想定している淡部と濃部の形状が描けない。そして、連続した円形状は、碁盤の目のように綺麗に配列させても良いし、隣接する列ごとに半径分だけずらしたような形状でも問題はない(図3(b))。
本発明の積層包装材料は外部からの酸素、及び光の進入によって容易に劣化してしまう内容物に対して、加熱滅菌処理後、易剥離性が要求される経口、経腸栄養剤向け包装袋として有用である。
本発明の積層包装材料の加熱滅菌処理する前の一例を説明するための説明図である。 本発明の積層包装材料の易剥離層が剥離された後の一例を説明するための説明図である。 (a)、(b)は易剥離層に形成される淡部と濃部の形状の一例である。 (a)、(b)は易剥離層に形成される従来の形状である。
符号の説明
A…基材フィルム層
B…接着剤層
C…アルミ箔層
D…易剥離層
E…未延伸ポリオレフィン層

Claims (5)

  1. 収納物が密封収納されている易剥離部を有する積層材料からなる包装体を加熱滅菌処理した後に、包装体の表フィルム層の易剥離部を剥離して使用する積層包装材料であって、
    前記易剥離部分が2液硬化型ウレタン系接着剤により淡部と濃部を形成し、
    前記濃部は円の輪郭形状を成し、前記円の輪郭が隣り合う円の輪郭に接しており
    前記2液硬化型ウレタン系接着剤は、これが塗工された樹脂フィルム面(A)と、この樹脂フィルム面(A)に塗工された前記2液硬化型ウレタン系接着剤面に積層された樹脂フィルム面(B)との間に位置している、
    ことを特徴とした積層包装材料。
  2. 前記淡部と濃部は凹版からなるグラビア方式の凹部のドット密度により形成されていることを特徴とする請求項1記載の積層包装材料。
  3. 前記易剥離部の加熱滅菌処理(121℃、30分)した後の、剥離強度(JIS K7127準拠、剥離速度300mm/min、剥離角度90度)が0.1N/15mm以上1.0N/15mm未満であることを特徴とする請求項1または2記載の積層包装材料。
  4. 前記2液硬化型ウレタン系接着剤が主剤とイソシアネート基を有する硬化剤と酢酸エチルなどの有機溶剤から成る希釈溶剤により構成され、その粘度(25℃、ザーンカップNo.3)が11秒以上20秒未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層包装材料。
  5. 前記2液硬化型ウレタン系接着剤を塗工する前記樹脂フィルム面(A)と塗工された2液硬化型ウレタン系接着剤面に積層される前記樹脂フィルム面(B)との濡れ指数がA>Bであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層包装材料。
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