JP4985207B2 - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダブロック及びシリンダヘッドと、クランクケースとが、シリンダの中心軸に沿って相対移動することで、圧縮比を変更可能に構成された、可変圧縮比内燃機関に関する。
この種の内燃機関として、例えば、特開2003−206771号公報、特開2005−146891号公報、特開2006−316770号公報、等に開示されたものが知られている。
これらの内燃機関においては、前記クランクケース(ロアケースとも称される)と前記シリンダブロックとが相対移動可能に連結されている。この連結部分には、スライド機構が設けられている。このスライド機構は、前記クランクケースに対して前記シリンダブロックをスライドさせることで圧縮比を変更し得るように構成されていて、具体的には、カム軸と、カム収納孔と、軸受収納孔と、を備えている。
前記カム収納孔は、前記シリンダブロックの両側下部に形成された隆起部に設けられている。前記軸受収納孔は、前記クランクケースの上部から上側に突出するように設けられた立壁部に設けられている。前記カム軸は、軸部と、この軸部に対して固定されたカム部と、前記軸部に対して回転可能に取り付けられた可動軸受部と、から構成されている。前記カム部は、前記シリンダブロック側に形成された前記カム収納孔に収納されている。前記可動軸受部は、前記クランクケース側に形成された前記軸受収納孔に収納されている。
かかる構成を有する内燃機関においては、運転状態に応じて前記カム軸が回転駆動される。すると、前記シリンダブロックが前記クランクケースに対して、前記シリンダの中心軸に沿って相対的にスライドする。これにより、圧縮比が変更される。例えば、ノッキングの抑制等のために圧縮比が低く設定されたり、燃費向上のために圧縮比が高く設定されたりする。
特開2003−206771号公報 特開2005−146891号公報 特開2006−316770号公報
この種の内燃機関において、燃焼圧(燃焼室内での燃料混合気の燃焼による圧力)によって生じる内部応力により、前記シリンダブロックに歪みが生じることがあり得る。このような歪みが大きくなると、前記シリンダが変形し、当該シリンダと前記ピストンとの間に大きな摩擦抵抗が生じる。
本発明は、このような課題に対処するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、この種の内燃機関の剛性を向上することで、前記シリンダと前記ピストンとの間の大きな摩擦抵抗の発生を抑制することにある。
本発明の可変圧縮比内燃機関(以下、単に「内燃機関」と称する。)は、シリンダブロックと、シリンダヘッドと、クランクケースと、可変圧縮比機構と、を備えている。
前記シリンダブロックには、シリンダが形成されている。複数の前記シリンダが、前記クランクケースの回転軸と平行なシリンダ配列方向に沿って配列され得る。このシリンダには、ピストンが往復移動可能に収容されている。前記シリンダヘッドは、前記ピストンの上死点側の、前記シリンダブロックの端部にて、当該シリンダブロックと接合されている。前記クランクケースは、クランクシャフトを回転可能に支持する部材である。このクランクシャフトは、前記ピストンの往復移動に基づいて回転駆動され得るように構成されている。
前記可変圧縮比機構は、前記シリンダブロック及び前記シリンダヘッドと、前記クランクケースとを、相対的に移動(スライド)させ得るように構成されている。この可変圧縮比機構は、カムシャフトと、ブロック側支持部と、クランクケース側支持部と、を備えている。
前記カムシャフトは、円柱状のジャーナル部と、前記ジャーナル部から突出するように設けられたカム部と、を備えている。
前記ブロック側支持部は、前記シリンダブロックに設けられている。このブロック側支持部は、前記カム部及び前記ジャーナル部のうちの一方を収容し得るように構成されている。なお、このブロック側支持部は、前記シリンダブロックに対して装着され得るように、当該シリンダブロックとは別体の部材として構成され得る。
前記クランクケース側支持部は、前記クランクケース側に設けられている。このクランクケース側支持部は、他方(前記カム部及び前記ジャーナル部のうちの前記一方とは異なる方)を収容し得るように構成されている。
この可変圧縮比機構は、前記カムシャフトの回転駆動に応じて、前記シリンダヘッド及び前記シリンダブロックと、前記クランクケースとを、前記シリンダの中心軸(以下、「シリンダ中心軸」と称する。)に沿って相対移動させることで、圧縮比を変更可能に構成されている。
前記カムシャフト、前記ブロック側支持部、及び前記クランクケース側支持部は、前記シリンダ中心軸を挟んでそれぞれ一対設けられ得る。この場合、前記回転軸を挟んで設けられている一対の前記ブロック側支持部における一方の位置が、前記回転軸と平行な方向について、他方と一致するように、前記ブロック側支持部が配置され得る。
本発明の特徴は、前記ブロック側支持部が、前記回転軸と平行な方向(すなわち前記シリンダ配列方向)について、前記中心軸からオフセットした位置に設けられていることにある。換言すれば、本発明においては、前記ブロック側支持部の前記方向における中心が、前記中心軸からオフセットするように、当該ブロック側支持部が設けられている。
例えば、複数の前記シリンダが設けられている場合に、前記シリンダ配列方向における最も端の前記シリンダに対応する、前記ブロック側支持部が、当該シリンダにおける前記中心軸よりも外側(すべての前記シリンダの前記中心軸から遠ざかる側)にオフセットした位置に設けられ得る。
かかる構成を備えた本発明の内燃機関においては、前記シリンダにおける燃焼圧の発生により、前記シリンダブロックが、前記クランクシャフトから遠ざかる方向に押圧される。これに伴い、当該燃焼圧の発生に係る前記シリンダに対応する、前記ブロック側支持部によって、前記カムシャフトが上述の方向に押圧される。一方、当該カムシャフトにおける、前記クランクケース側支持部に対応する部分には、上述の方向とは逆方向の反力が作用する。
このとき、本発明の構成によれば、前記ブロック側支持部が前記シリンダ中心軸に対応する位置に設けられている場合とは異なり、前記カムシャフトの曲げ変形や、前記シリンダブロックの前記回転軸(前記シリンダ配列方向)に沿った反りの発生が、良好に抑制され得る。すなわち、本発明の構成によれば、当該内燃機関の剛性が向上し、前記シリンダブロックの歪みの発生が良好に抑制される。したがって、本発明によれば、前記シリンダと前記ピストンとの間の大きな摩擦抵抗の発生が、可及的に抑制され得る。
・前記内燃機関においては、前記シリンダ配列方向における最も端の前記シリンダに対応する、前記ブロック側支持部が、他の前記ブロック側支持部よりも幅広に形成され得る。
かかる構成によれば、前記カムシャフトの、前記シリンダ配列方向における端部の曲げ変形量が、より良好に抑制され得る。これにより、前記シリンダブロックにおける上述のような反りの発生が、より効果的に抑制され得る。したがって、前記シリンダと前記ピストンとの間の大きな摩擦抵抗の発生が、より効果的に抑制され得る。
以下、本発明の実施形態(本願の出願時点において出願人が最良と考えている実施形態)について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の実施形態に関する記載は、法令で要求されている明細書の記載要件(記述要件・実施可能要件)を満たすために、本発明の具体化の単なる一例を、可能な範囲で具体的に記述しているものにすぎない。よって、後述するように、本発明が、以下に説明する実施形態の具体的構成に何ら限定されるものではないことは、全く当然である。本実施形態に対して施され得る各種の変更(modification)は、当該実施形態の説明中に挿入されると、首尾一貫した実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
<実施形態の可変圧縮比内燃機関の概略構成>
図1及び図2は、本発明の一実施形態であるエンジン1の概略構成を示す側断面図である。図3は、図1及び図2に示されているエンジン1の分解斜視図である。なお、図1は、図3におけるI−I断面図に相当する。また、図2は、図3におけるII−II断面図に相当する。以下、図1ないし図3を参照しつつ、エンジン1の概略構成について説明する。
図1を参照すると、エンジン1は、シリンダブロック2と、シリンダヘッド3と、クランクケース4と、可変圧縮比機構5と、を備えている。このエンジン1は、可変圧縮比機構5によってシリンダブロック2及びシリンダヘッド3をクランクケース4に対して相対的にシリンダ中心軸CCAに沿って移動(スライド)させることで、圧縮比を変更可能に構成されている。
シリンダブロック2は、略直方体状に形成されている。このシリンダブロック2の内部には、シリンダ21が形成されている。シリンダ21は、略円柱形状の貫通孔である。このシリンダ21の内部には、ピストン22が、シリンダ中心軸CCAに沿って往復移動可能に収容されている。
図3を参照すると、本実施形態においては、4つのシリンダ21が、配列方向ADに沿って一列に設けられている。すなわち、シリンダブロック2は、配列方向ADと平行な長手方向を有するように形成されている。この配列方向ADは、シリンダ中心軸CCAと直交する方向である。
図1を参照すると、シリンダブロック2の上端部(ピストン22の上死点側の端部)には、シリンダヘッド3が接合されている。シリンダヘッド3は、ピストン22の上死点側のシリンダブロック2の端面(図中上端面)と接合されている。このシリンダヘッド3と、シリンダブロック2とは、互いに相対移動しないように、互いにボルト等によって固定されている。
クランクケース4は、筒状のフレーム41を備えている。フレーム41は、配列方向ADと平行な長手方向を有するように形成されている。このフレーム41は、シリンダブロック2の外表面を所定のクリアランスを隔てて囲むような形状に形成されている。このクリアランスは、シリンダブロック2とクランクケース4との相対移動がスムーズに行われつつ、両者の間にガタつきが生じない程度(触れるか触れないか程度:例えば0.数ミリ程度)に設定されている。
具体的には、フレーム41の内部には、シリンダブロック収容部41aが形成されている。シリンダブロック収容部41aは、シリンダブロック2を収容し得る空間であって、シリンダ中心軸CCAに沿って設けられている。このシリンダブロック収容部41aは、シリンダブロック2を図中上方から挿入し得るように、図中上方に向けて開口するように設けられている。
本実施形態においては、シリンダブロック収容部41aの内壁面は、シリンダブロック2を収容した状態で、当該シリンダブロック2の外壁面と上述の所定のクリアランスが設けられるように形成されている。また、フレーム41(シリンダブロック収容部41a)は、シリンダブロック2の下端部から上部までを覆うように形成されている。なお、シリンダブロック2の上端部は、シリンダヘッド3との接合のため、フレーム41よりも図中上方及び側方に突出するように設けられている。
クランクケース4の下端部には、クランクシャフト42が、配列方向ADと平行な回転中心軸RA1を中心として回転可能に支持されている。このクランクシャフト42は、ピストン22(図1参照)のシリンダ中心軸CCAに沿った往復移動に基づいて回転駆動されるように、当該ピストン22と機械的に連結されている。
<実施形態の可変圧縮比機構の詳細な構成>
以下、本実施形態の可変圧縮比機構5の詳細な構成について説明する。
図1ないし図3を参照すると、本実施形態においては、一対の可変圧縮比機構5が、フレーム41の配列方向ADに沿った両側壁及びその近傍に設けられている。すなわち、一対の可変圧縮比機構5が、回転中心軸RA1を挟んで設けられている。一方の可変圧縮比機構5と、他方の可変圧縮比機構5とは、すべてのシリンダ21におけるシリンダ中心軸CCAを通る平面(以下、対称平面と称する。)に関してほぼ対称に配置及び構成されている。
<<カムシャフト>>
可変圧縮比機構5は、カムシャフト51の回転駆動によって、シリンダブロック2とクランクケース4とをシリンダ中心軸CCAに沿って相対的に移動(スライド)させ得るように構成されている。カムシャフト51は、ジャーナル部51aと、円形カム部51bと、偏心軸部51cと、ウォームホイール51dと、から構成されている。
図4は、図1ないし図3に示されているカムシャフト51を、その一部を分解して示す斜視図である。以下、図1ないし図4を参照すると、ジャーナル部51aは、円柱状の部材であって、カムシャフト51の回転中心軸RA2(これはクランクシャフト42の回転中心軸RA1と平行である)と同軸に設けられている。
円形カム部51bは、回転中心軸RA2から偏心して設けられている。この円形カム部51bは、ジャーナル部51aよりも径が太い円柱状の部材であって、シリンダ21に対応するように設けられている。すなわち、1つのカムシャフト51に対して、気筒数と同数(本実施形態では4つ)の円形カム部51bが設けられている。そして、隣り合う円形カム部51bの間、及びカムシャフト51の両端部に、ジャーナル部51aが設けられている。
偏心軸部51cは、配列方向ADに沿った長手方向を有する丸棒状の部材である。偏心軸部51cは、ジャーナル部51aの中心軸及び円形カム部51bの中心軸から偏心した位置にて、これらを挿通するように設けられている。すなわち、偏心軸部51cは、図1及び図4に示されているように、ジャーナル部51aの一端(図中下端)と円形カム部51bの一端(図中下端)とが一致した状態で、当該一端寄りの位置(下部)にてジャーナル部51a及び円形カム部51bを挿通するように設けられている。
偏心軸部51cの前記長手方向における略中央部には、ウォームホイール51dが設けられている。ウォームホイール51dは、偏心軸部51cと一体に形成されている。このウォームホイール51dは、その中心軸が回転中心軸RA2と同軸となるように設けられている。
ウォームホイール51dは、ウォームW(図3参照)と噛み合うことにより、回転駆動されるように構成されている。このウォームWは、図3におけるモータMの、図示しない回転駆動シャフト(これは回転中心軸RA2及びシリンダ中心軸CCAと直交する)に連結された、円柱形状のギヤである
本実施形態においては、ジャーナル部51aは、偏心軸部51cの回りを回転しないように、偏心軸部51cに固定されている。すなわち、ジャーナル部51aは、ウォームホイール51dの回転に伴って、回転中心軸RA2を中心として、ウォームホイール51dと一体的に回転駆動され得るようになっている。一方、円形カム部51bは、偏心軸部51cの回りを自由に回転し得るようになっている。すなわち、円形カム部51bは、ジャーナル部51aに対して相対的に回転し得るようになっている。
<<ブロック側支持部>>
再び図1ないし図3を参照すると、円形カム部51bは、ブロック側支持部52に収容されている。ブロック側支持部52には、軸受孔52aが形成されている。この軸受孔52aは、円形カム部51bの外径に対応する(円形カム部51bの周面と摺動し得るような)内径を有する貫通孔である。すなわち、ブロック側支持部52は、円形カム部51bの周面と摺動しつつ、当該円形カム部51bを回動可能に支持するように構成されている。
図5は、図3に示されているシリンダブロック2及びブロック側支持部52の斜視図である。図6は、図5に示されているシリンダブロック2とブロック側支持部52との分解斜視図である。図3ないし図6を参照すると、ブロック側支持部52は、シリンダブロック2とは別体に形成されていて、ボルトを用いてシリンダブロック2に装着され得るように構成されている。
本実施形態においては、配列方向AD(これは図4における回転中心軸RA1と平行である)における内側のシリンダ21に対応するブロック側支持部52は、シリンダ中心軸CCAに対応する位置に設けられている。すなわち、これらのブロック側支持部52の、配列方向ADにおける中心が、シリンダ中心軸CCAと略一致するように、これらのブロック側支持部52が配置されている。
一方、配列方向ADにおける両端のシリンダ21に対応するブロック側支持部52’は、当該シリンダ21におけるシリンダ中心軸CCAよりも、配列方向ADにおける外側(すべてのシリンダ中心軸CCAから遠ざかる側)にオフセットした位置に設けられている。すなわち、これらのブロック側支持部52’の、配列方向ADにおける中心が、シリンダ中心軸CCAよりも、配列方向ADにおける外側にオフセットするように、これらのブロック側支持部52’が配置されている。
また、エンジン幅方向(配列方向AD及びシリンダ中心軸CCAと直交する方向:図1及び図2における左右方向)に沿って一対設けられた可変圧縮比機構5における各ブロック側支持部52及び52’は、上述の対称平面に関して対称に配置されている。すなわち、この対称平面を挟んで設けられている一対のブロック側支持部52(52’)における一方の位置が、配列方向ADと平行な方向について、他方と一致するように、各ブロック側支持部52(52’)が配置されている。
再び図1ないし図3を参照すると、フレーム41には、開口部53が設けられている。開口部53は、貫通孔であって、ブロック側支持部52(52’)が貫通し得るように設けられている。この開口部53は、ブロック側支持部52(52’)がシリンダ中心軸CCAに沿って往復移動し得るように、ブロック側支持部52(52’)の高さ寸法(シリンダ中心軸CCAに沿った方向の寸法)よりも大きい高さ寸法に形成されている。本実施形態においては、ブロック側支持部52及び52’と同数の複数の開口部53が、配列方向ADに沿って配列されている。
<<クランクケース側支持部>>
図2及び図3を参照すると、フレーム41には、複数のフレーム側支持部54が形成されている。各フレーム側支持部54は、開口部53に隣接するように設けられている。すなわち、複数のフレーム側支持部54が、各開口部53の両側に設けられ、且つ配列方向ADに沿って配列されている。
フレーム側支持部54には、ジャーナル支持凹部54aが設けられている。このジャーナル支持凹部54aは、ジャーナル部51aの外径に対応する内径を有する半円柱形状の凹部であって、前記エンジン幅方向に沿って外部に向けて開口するように形成されている。
フレーム41には、カバー部55が装着されている。カバー部55は、カムシャフト51(ジャーナル部51a)を挟んでフレーム側支持部54と対向するように設けられている。
複数のフレーム側支持部54(1つの可変圧縮比機構5におけるすべてのフレーム側支持部54)に対応するカバー部55が、配列方向ADに沿った長手方向を有するように、一体(シームレス)に形成されている。このカバー部55には、ジャーナル支持凹部55aと、軸受収容部55bと、ギヤ収容部55cと、が形成されている。
ジャーナル支持凹部55aは、フレーム側支持部54のジャーナル支持凹部54aと対向する位置に設けられている。このジャーナル支持凹部55aは、ジャーナル支持凹部54aと対称な形状の、半円柱形状の凹部であって、ジャーナル部51aの外径に対応する内径を有するように形成されている。
すなわち、カバー部55が図示しないボルトによってフレーム側支持部54に接合されることで、これらの接合体の内側に、ジャーナル部51aを回転可能に支持する軸受孔が形成されるようになっている。換言すれば、フレーム側支持部54とカバー部55とによって、ジャーナル部51aを収容する本発明のクランクケース側支持部が構成されている。
軸受収容部55bは、ブロック側支持部52(52’)と対向する位置に設けられた凹部である。この軸受収容部55bは、開口部53から突出したブロック側支持部52(52’)を、シリンダ中心軸CCAに沿って往復移動可能に収容し得るように形成されている。
ギヤ収容部55cは、ウォームホイール51dと対向する位置に設けられた凹部である。このギヤ収容部55cは、フレーム41から外部に向けて突出したウォームホイール51dを収容し得るように形成されている。
<実施形態の可変圧縮比機構の動作説明>
図7ないし図9は、図1に示されているエンジン1における圧縮比変化の様子を示す図である。以下、これらの図を参照しつつ、可変圧縮比機構5による圧縮比変更動作について、簡単に説明する。
カムシャフト51の回転駆動の際に、ジャーナル部51aは、回転中心軸RA2を中心として回転する。このとき、偏心軸部51cも、回転中心軸RA2の周りを回転する。すなわち、偏心軸部51cは、ジャーナル部51aと一体的に回転する。
一方、円形カム部51bは、軸受孔52aの内面と摺動しながら、回転中心軸RA2とは異なる軸を中心として回転する。また、円形カム部51bは、偏心軸部51cに対して相対的に回転する。すなわち、円形カム部51bは、偏心軸部51cの中心軸を中心として、ジャーナル部51aに対して相対的に回転する。これにより、円形カム部51bのジャーナル部51aに対する相対的な位置が変化する。
このとき、円形カム部51bは、ブロック側支持部52によって、前記エンジン幅方向(図7ないし図9における左右方向)についての移動が拘束されている。また、ジャーナル部51aの位置は不変である。よって、カムシャフト51が回転駆動されると、図7ないし図9に示されているように、偏心軸部51cの回転中心軸RA2周りの回転による上下動に伴って、円形カム部51bが上下動する。
エンジン1の圧縮比が最高である状態においては、図7に示されているように、偏心軸部51cが最も下方に位置している。この場合、円形カム部51bも、最も下方に位置することとなる。
図7に示されている状態から、図中矢印で示されているようにカムシャフト51が回転駆動される(図中右側のカムシャフト51が時計回りに回転駆動され且つ図中左側のカムシャフト51が反時計回りに回転駆動される)。これにより、偏心軸部51cが、図7に示されている位置から上昇するとともに、円形カム部51bが上昇する。
よって、図8に示されているように、カムシャフト51の回転による円形カム部51bの上昇に伴って、ブロック側支持部52が上昇する。これにより、シリンダブロック2がクランクケース4に対して相対的に上昇する。このシリンダブロック2の上昇によってシリンダヘッド3がクランクケース4から離隔すると、ピストン22の上死点位置とシリンダヘッド3の下端面との距離が伸びる。すなわち、エンジン1の圧縮比が低下する。
図8に示されているように、偏心軸部51cの位置が最上方と最下方との中間であると、圧縮比も最高値と最低値との中間となる。図9に示されているように、偏心軸部51cの位置が最も上方に達すると、圧縮比が最低となる。
エンジン1の圧縮比が最低である図9に示されている状態から、圧縮比が高くされる場合、カムシャフト51がさらに上述と同方向に回転駆動されるか、あるいはカムシャフト51が上述と逆方向に回転駆動される。
<実施形態の構成による効果>
図10は、図3に示されているブロック側支持部52’による効果を示す概略構成図である。以下、本実施形態の構成による効果について、図10を参照しつつ説明する。
或るシリンダ21にて燃焼圧が生じると、当該シリンダ21に対応するシリンダブロック2の部分が、図中上方(図3におけるクランクシャフト42から遠ざかる方向)に押圧される。これに伴い、ブロック側支持部52(52’)によって、カムシャフト51が図中上方に押圧される。一方、当該カムシャフト51における、クランクケース側支持部(カバー部55)に対応する部分には、図中下向きの反力が作用する。これにより、カムシャフト51に曲げが発生するとともに、図中二点鎖線で示されているように、シリンダブロック2がピッチング方向に変位する。
ここで、本実施形態においては、(i)に示されているように、配列方向ADにおける両端のシリンダ21に対応するブロック側支持部52’が、当該シリンダ21におけるシリンダ中心軸CCAよりも、配列方向ADに沿ってオフセットしている。
よって、配列方向ADにおける一方(図中左側)の端側に位置するシリンダ21にて燃焼圧が生じると、シリンダブロック2における当該シリンダ21に対応する部分の図中上方の押圧が、当該シリンダ21に対応するブロック側支持部52’と、これに隣接するブロック側支持部52と、に分散される。また、カムシャフト51におけるクランクケース側支持部(カバー部55)に対応する部分に作用する、図中下向きの反力も、配列方向ADに沿って分散される。
これにより、カムシャフト51における、当該ブロック側支持部52’に対応する部分の、略逆U字状の曲げ変形の量も、比較的小さくなる。したがって、(i)に示されているように、当該ブロック側支持部52’が上昇する方向の荷重による、シリンダブロック2の配列方向ADにおける前記一方の端(図中左端)の変位量は、比較的小さなものになる。
これに対し、(ii)に示されているような、ブロック側支持部52’がオフセットされていない構成(以下、比較例と称する。)においては、配列方向ADにおける前記一方の端側のシリンダ21での燃焼圧による、シリンダブロック2への押圧が、当該シリンダ21に対応したブロック側支持部52’に集中する。すると、この押圧に対応する反力も、当該ブロック側支持部52’の両側に集中する。
これにより、カムシャフト51における、当該ブロック側支持部52’に対応する部分の曲げ変形量も、比較的大きくなる。よって、比較例においては、(ii)に示されているように、当該ブロック側支持部52’が上昇する方向の荷重による、シリンダブロック2の配列方向ADにおける前記一方の端(図中左端)の変位量は、比較的大きなものになる。この場合、シリンダブロック2に比較的大きな歪みが生じ、これによりシリンダ21が大きく変形し、シリンダ21とピストン22との間に大きな摩擦抵抗が生じてしまう。
このように、(i)に示されている本実施形態の構成によれば、(ii)に示されているような、ブロック側支持部52及び52’のすべてがシリンダ中心軸CCAに対応する位置に設けられている場合とは異なり、カムシャフト51の曲げ変形や、シリンダブロック2の配列方向ADに沿った反りあるいはピッチングの発生が、良好に抑制され得る。
すなわち、本実施形態の構成によれば、カムシャフト51まわりのエンジン1の剛性が向上し、シリンダブロック2の歪みの発生が良好に抑制される。したがって、本実施形態の構成によれば、シリンダ21とピストン22との間の大きな摩擦抵抗の発生が、可及的に抑制され得る。
また、本実施形態の構成によれば、シリンダブロック2の側のみならず、クランクケース4の側でも、燃焼圧による荷重が可及的に分散される。よって、カムシャフト51まわりのエンジン1の剛性が、重量増加を抑制しつつ良好に向上され得る。
特に、本実施形態の構成によれば、1つのシリンダブロック2に比較的多気筒が設けられている場合(直列4〜6気筒、V型(水平対向を含む)8〜12気筒、等)、及び/又は、シリンダブロック2、クランクケース4、カムシャフト51等の材質として軽量化のために軽金属(アルミニウムやマグネシウム等)が用いられた場合における、シリンダ21とピストン22との間の大きな摩擦抵抗の発生が、良好に抑制され得る。
<変形例の例示列挙>
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が本願の出願時点において最良であると考えた本発明の具体的構成例を単に例示したものにすぎないのであって、本発明はもとより上述の実施形態によって何ら限定されるべきものではない。よって、上述の実施形態に示された具体的構成に対して、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、種々の変形が施され得ることは、当然である。
以下、変形例について幾つか例示する。ここで、以下の変形例の説明において、上述の実施形態における各構成要素と同様の構成・機能を有する構成要素については、当該変形例においても同一の名称及び同一の符号が付されているものとする。そして、当該構成要素の説明については、上述の実施形態における説明が、矛盾しない範囲で適宜援用され得るものとする。
もっとも、変形例とて、下記のものに限定されるものではないことは、いうまでもない。本発明を、上述の実施形態や下記変形例の記載に基づいて限定解釈することは、(特に先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、許されない。
また、上述の実施形態の構成、及び下記の各変形例に記載された構成は、技術的に矛盾しない範囲において、適宜複合して適用され得ることも、いうまでもない。
(1)本発明は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、メタノールエンジン、バイオエタノールエンジン、その他の任意のタイプの内燃機関に適用され得る。気筒数や気筒配列方式(直列、V型、水平対向)も、特に限定はない。すなわち、本発明は、単気筒でも良好に成立し得る。
(2)カムシャフト51の構成や、ブロック側支持部52及びフレーム側支持部54との対応関係は、上述の実施形態のものから適宜変更され得る。
例えば、上述の実施形態の場合とは逆に、ジャーナル部51aがブロック側支持部52に収容され、円形カム部51bがフレーム側支持部54に収容されるように、可変圧縮比機構5が構成されていてもよい。あるいは、上述の実施形態の場合とは逆に、ジャーナル部51aが偏心軸部51cに対して相対的に回転可能である一方、円形カム部51bが偏心軸部51cに固定されていてもよい。
また、ブロック側支持部52は、シリンダブロック2と一体且つシームレスに形成され得る。
(3)ブロック側支持部52や、クランクケース側支持部(上述の実施形態ではフレーム側支持部54及びカバー部55)の構成も、特に限定はない。
例えば、ブロック側支持部52における、カムシャフト51と対向する部分には、耐摩耗性を有する材料(例えば軸受鋼)からなる、コーティング、スリーブ、あるいはライナーが設けられていてもよい。フレーム側支持部54及びカバー部55における、カムシャフト51と対向する部分も同様である。
また、カバー部55は、複数のフレーム側支持部54に対応した数に分割されていてもよい。このとき、カバー部55に、軸受収容部55bやギヤ収容部55cが設けられないことがあり得る。
図11は、図9に示されているブロック側支持部52’の変形例を示す概略構成図である。図11に示されているように、配列方向ADにおける両端のシリンダ21に対応するブロック側支持部52’は、他のシリンダ21に対応するブロック側支持部52よりも幅広に構成されていてもよい。
かかる構成によれば、カムシャフト51の、配列方向ADにおける端部の曲げ変形量が、より良好に抑制され得る。これにより、シリンダブロック2における上述のような反りの発生が、より効果的に抑制され得る。したがって、シリンダ21とピストン22との間の大きな摩擦抵抗の発生が、より効果的に抑制され得る。
(4)図10における(i)や図11に示されているように、クランクケース側支持部(カバー部55)における、ブロック側支持部52’とこれに隣接するブロック側支持部52との間の部分は、他の部分よりも幅広に形成されていてもよい。あるいは、当該部分は、前記他の部分と同じ幅に形成されていてもよい。また、当該部分は、配列方向ADに沿って複数に分割されていてもよい。
(5)その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の技術的範囲に含まれることは当然である。例えば、材料の変更は、適宜行われ得る。また、一体(ワンピース)であったものは別体(ツーピース)にされ得るし、その逆もあり得る。さらに、一体であるものは、シームレスなものともされ得るし、シームレスでないもの(接合部あるいは接合媒体が介在するもの)ともされ得る。
また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。
本発明の一実施形態であるエンジンの概略構成を示す側断面図(図3におけるI−I断面図)である。 本発明の一実施形態であるエンジンの概略構成を示す側断面図(図3におけるII−II断面図)である。 図1及び図2に示されているエンジンの分解斜視図である。 図1ないし図3に示されているカムシャフトを、その一部を分解して示す斜視図である。 図3に示されているシリンダブロック及びブロック側支持部の斜視図である。 図5に示されているシリンダブロックとブロック側支持部との分解斜視図である。 図1に示されているエンジンにおける圧縮比変化の様子を示す図である。 図1に示されているエンジンにおける圧縮比変化の様子を示す図である。 図1に示されているエンジンにおける圧縮比変化の様子を示す図である。 図3に示されているブロック側支持部による効果を示す概略構成図である。 図9に示されているブロック側支持部の変形例を示す概略構成図である。
符号の説明
1…エンジン
2…シリンダブロック 21…シリンダ 22…ピストン
3…シリンダヘッド 4…クランクケース 42…クランクシャフト
5…可変圧縮比機構 51…カムシャフト 51a…ジャーナル部
51b…円形カム部 52…ブロック側支持部 52’…ブロック側支持部
54…フレーム側支持部 55…カバー部 AD…配列方向
CCA…シリンダ中心軸 RA1…回転中心軸 RA2…回転中心軸
M…モータ W…ウォーム

Claims (4)

  1. ピストンを往復移動可能に収容するシリンダが複数形成された、シリンダブロックと、
    前記ピストンの上死点側の端部にて、前記シリンダブロックと接合された、シリンダヘッドと、
    前記ピストンの往復移動に基づいて回転駆動されるクランクシャフトを、その回転軸が前記シリンダの配列方向と平行な状態にて回転可能に支持する、クランクケースと、
    円柱状のジャーナル部と、前記ジャーナル部から突出するように設けられたカム部と、を備えていて、前記シリンダの数と同数の複数の前記カム部が前記配列方向に沿って配列された、カムシャフトと、
    を備えていて、前記カムシャフトの回転駆動に応じて、前記シリンダブロック及び前記シリンダヘッドと、前記クランクケースとが、前記シリンダの中心軸に沿って相対移動することで、圧縮比を変更可能に構成された、可変圧縮比内燃機関において、
    前記カム部及び前記ジャーナル部のうちの一方を収容するように、前記シリンダブロックに複数設けられ、前記配列方向に沿って配列された、ブロック側支持部と、
    他方を収容するように、前記クランクケース側に複数設けられ、前記配列方向に沿って配列された、クランクケース側支持部と、
    を備え、
    前記配列方向における両端に設けられた前記ブロック側支持部が、前記配列方向について前記中心軸からオフセットした位置に設けられ且つ他の前記ブロック側支持部よりも幅広に形成されているとともに、これらの前記配列方向における両側に前記クランクケース側支持部が設けられていることを特徴とする、可変圧縮比内燃機関。
  2. 請求項1に記載の、可変圧縮比内燃機関であって、
    前記ブロック側支持部が、前記カム部を収容し、
    前記クランクケース側支持部が、前記ジャーナル部を収容していることを特徴とする、可変圧縮比内燃機関。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の、可変圧縮比内燃機関であって、
    前記カムシャフト、前記ブロック側支持部、及び前記クランクケース側支持部が、前記中心軸を挟んでそれぞれ一対設けられていることを特徴とする、可変圧縮比内燃機関。
  4. 請求項3に記載の、可変圧縮比内燃機関であって、
    前記回転軸を挟んで設けられている一対の前記ブロック側支持部における一方の位置が、前記配列方向について、他方と一致するように、前記ブロック側支持部が配置されていることを特徴とする、可変圧縮比内燃機関。
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