JP4985973B2 - 密封構造 - Google Patents

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Description

本発明は、対向する二部材間に介在されてその隙間を密封する構造であって、例えば真空チャンバ等、減圧空間の密封に適した密封構造に関する。
図6は、半導体ウエハや液晶表示装置等の製造において、ドライエッチングやスパッタリング等の工程で使用される真空チャンバを概略的に示す断面図、図7は、従来技術による密封構造として、図6の一部を拡大して示す断面図、図8は、図7に示される従来の密封構造における問題点を説明するための図である。
図6に示される真空チャンバは、排気ポート101aを有するチャンバ本体101と、その側壁上端に開閉可能に設けられる蓋体102とからなり、チャンバ本体101と蓋体102の対向端部間は、シールリング103によって密封され、排気ポート101aからの強制排気によって、内部空間Sが真空状態に維持されるものである。参照符号WKは、この真空チャンバの内部空間Sに収容された加工処理対象のワーク(半導体ウエハあるいは液晶パネルの基板等)を示している。
図7に示される例では、シールリング103はゴム状弾性材料からなるOリングであって、チャンバ本体101の側壁101bの上端に周設されたシール装着溝101cに嵌め込まれ、このシール装着溝101cから突出した部分が、蓋体102に密接される。そして真空チャンバの内部空間Sを真空にすることによって、図6に示されるように、大気の圧力Pがチャンバ本体101及び蓋体102に対してシールリング103を圧縮するように作用し、内部空間Sを真空状態に確保するのに必要な密封性を得る。また、シール装着溝101cは、蓋体102の開閉に伴うシールリング103の脱落を防止するため、溝肩側の溝幅がシールリング103の断面径より狭く、溝底側の溝幅が相対的に広くなるように傾斜した一対の内側勾配面を有する蟻溝状に形成されている。
しかしながら、図7に示されるような密封構造では、シール装着溝101cが蟻溝状に形成されていることから、シールリング103の装着作業が困難で、しかもシール装着溝101cへ強引に押し込むことでシールリング103が捩れた状態で装着され、密封性能が低下する懸念があった。
そして、半導体デバイスや液晶表示装置の製造では、プラズマエッチングやスパッタリング等、真空チャンバで半導体ウエハや液晶パネルの基板の表面をプラズマによって処理する工程があり、図8の(A)に示されるように、真空チャンバ内のプラズマPZがシールリング103に入射されることによってシールリング103のゴム状弾性材料がダメージを受けるおそれがあった。そしてこの場合は、シールリング103の密封性能が失墜するばかりでなく、パーティクルが発生して製品に悪影響を及ぼすおそれがあった。
また、近年は液晶テレビ用モニタ等、液晶表示装置のサイズ拡大に伴って、これを製造する装置における真空チャンバのサイズも拡大しており、チャンバ本体101と蓋体102の間でシールリング103が受ける圧縮荷重も増大する傾向にある。そしてこの圧縮荷重に対する十分な反力を得るためには、シール装着溝101cにおけるシールリング103の充填率を大きくすることが有効であるが、この場合、図8(B)に示されるように、圧縮を受けるシールリング103の一部103aがシール装着溝101cの溝肩から膨れて真空側(内部空間S側)へはみ出し、この溝肩と蓋体102との間に噛み込まれて破損し、これによってパーティクルを発生するおそれがあった。
また、シール装着溝101cにおけるシールリング103の充填率がそれほど大きくない場合は、ゴム状弾性材料の永久圧縮歪によって、チャンバ本体101の側壁と蓋体102との隙間が経時的に減少し、図8(C)に示されるようにメタルタッチを起こし、メタルタッチの繰り返しによって金属のパーティクルを発生するおそれがあった。
一方、この種の密封構造としては、下記の特許文献のような技術が開示されている。これらは、いずれもゴム状弾性材料からなるシールリング(第一のシール部材)と、合成樹脂からなるスペーサ(第二のシール部材)を蟻溝状のシール装着溝に保持した構成を備えるものである。
特開2005−164027号公報 特開2006−153169号公報
しかしながら、特許文献1に開示された密封構造では、大きな圧縮荷重によって合成樹脂からなる第二のシール部材が圧縮変形を受けた場合は、この第二のシール部材も、ゴム状弾性材料からなる第一のシール部材と共にシール装着溝に押し込まれるため、メタルタッチを防止できない。しかもシール部材の断面形状が異形のため、過って逆に取り付けられた場合は、所要の密封性を確保することができない。更には、第一のシール部材と第二のシール部材が完全に密接しているので、圧縮を受けた際にシール部材の逃げ場が少なく、過圧縮となって反力が大きくなり過ぎるといった問題もある。
また、特許文献2に開示された密封構造では、合成樹脂からなるスペーサがゴム状弾性材料からなるシールリングの大気側に装着されているため、図8(A)のようなプラズマPZによるシールリングの損傷や、図8(B)のようなシールリングの真空側へのはみ出しを防止することができなかった。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、密封対象空間内のプラズマや腐食性の流体によるシールリングの損傷や、過圧縮によるシールリングの破損あるいはシールリングの両側の接触による発塵といった問題を解消し得る密封構造を提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る密封構造は、互いに対向する二部材のうち一方に形成された蟻溝状のシール装着溝と、側面膨出部がこのシール装着溝内に保持されると共にシール装着溝から突出した頭部が前記二部材のうち他方と密接可能なゴム状弾性材料からなるシールリングと、前記シール装着溝に前記シールリングの密封対象空間側に位置して保持され前記シールリングより剛性の大きい材料からなるスペーサとを備え、前記スペーサが、前記シール装着溝の密封対象空間側の溝肩上に支持される鍔部と、前記シール装着溝の密封対象空間側の内側面に嵌合されると共に前記シールリングの側面膨出部を反密封対象空間側の内側面へ押し付ける溝内挿入部と、前記鍔部と溝内挿入部の間の肩部からなり、前記鍔部の肉厚が、非圧縮時における前記シールリングの前記シール装着溝からの突出高さよりも小さく、スペーサの溝内挿入部におけるシールリング側を向いた内側面が肩部側ほど大きくシール装着溝内へ張り出すように傾斜していることを特徴とするものである。
上記構成において、互いに対向する二部材のうち一方に形成されたシール装着溝に保持されたシールリングは、他方の部材との間で圧縮されることにより密封機能を発揮する。そして、シール装着溝に保持されたスペーサは、溝内挿入部がシールリングの側面膨出部をシール装着溝の反密封対象空間側の内側面に押し付けることによってこのシールリングを蟻溝状のシール装着溝に係止する機能と、前記二部材に作用する荷重によるシールリングの圧縮を、前記シール装着溝の密封対象空間側の溝肩上に支持されて他方の部材との間に介在される鍔部によって制限する機能、言い換えれば前記荷重による二部材間の隙間の減少を制限する機能と、密封対象空間側へのシールリングのはみ出しや、密封対象空間側のプラズマや腐食性の流体のシールリングへの入射を、鍔部によって遮断する機能を有する。また、スペーサの溝内挿入部におけるシールリング側を向いた内側面が肩部側ほど大きくシール装着溝内へ張り出しているので、スペーサの肩部とこれに対向する溝肩によって、シールリングをシール装着溝に確実に係止することができる。
請求項2の発明に係る密封構造は、請求項1に記載の構成において、シール装着溝の溝肩間の幅がシールリングの側面膨出部間の幅より大きく、前記シール装着溝に保持されたスペーサの肩部とこれに対向する溝肩の間の幅が前記側面膨出部間の幅より小さいものとする。このように構成すれば、蟻溝状のシール装着溝における最小幅部である溝肩間の幅がシールリングの最大幅部である側面膨出部間の幅より大きいため、シールリングをスペーサに先行してシール装着溝へ容易に挿入し、その後スペーサの溝内挿入部をシール装着溝へ挿入し嵌合することで、スペーサの肩部とこれに対向する溝肩によってシールリングをシール装着溝に係止することができる。
請求項3の発明に係る密封構造は、請求項1又は2に記載の構成において、シール装着溝とスペーサの溝内挿入部との嵌合面が、二部材の互いの対向面に対して略垂直に立ち上がっている。このように構成すれば、シールリングをスペーサに先行してシール装着溝へ挿入した後で、スペーサの溝内挿入部をシール装着溝へ容易に装着することができる。
請求項4の発明に係る密封構造は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成において、シール装着溝の密封対象空間側の溝肩が、反密封対象空間側の溝肩よりも低く、スペーサの鍔部の肉厚が、前記両溝肩の高さの差よりも大きい。このように構成すれば、シールリングへの圧縮荷重による二部材間の隙間の減少を制限したうえで、シールリングのつぶし代を大きくすることができる。
請求項5の発明に係る密封構造は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、スペーサがPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)からなることを特徴とするものである。PTFEは耐プラズマ性、耐腐食性及び耐摩耗性に優れているので、スペーサからの発塵も有効に抑えられる。
本発明に係る密封構造によれば、シールリングがスペーサによってシール装着溝に係止されるので、シール装着溝へのシールリングの装着が容易になり、シールリングの圧縮がスペーサの鍔部によって確実に制限されるので、過圧縮によるシールリングの破損あるいはシールリングの両側の接触による発塵を防止することができ、密封対象空間側へのシールリングのはみ出しや、密封対象空間側のプラズマや腐食性の流体によるシールリングの損傷を防止することができる。
以下、本発明に係る密封構造の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る密封構造を真空チャンバの開閉部に適用した第一の形態を、前記真空チャンバと共に概略的に示す断面図、図2は、第一の形態による密封構造を示す開放状態の断面図、図3は、同じく第一の形態による密封構造を示す密封状態の断面図である。
まず図1に示される真空チャンバは、半導体部品や液晶表示装置等の製造において、プラズマエッチングやスパッタリング等の工程で使用されるものであり、排気ポート1aを有するチャンバ本体1と、その上端開放部に開閉可能に設けられる蓋体2とからなる。なお、チャンバ本体1及び蓋体2は、請求項1に記載された互いに対向する二部材に相当する。
チャンバ本体1と蓋体2の対向端部間は、シールリング3によって密封され、排気ポート1aからの強制排気によって、内部空間Sが真空状態に維持されるようになっている。参照符号WKは、内部空間Sに収容された加工処理対象のワーク(半導体ウエハあるいは液晶パネルの基板等)を示している。なお、内部空間Sは請求項1に記載された密封対象空間に相当する。
シールリング3は、図2に示されるように、チャンバ本体1の側壁11の上端面11aに沿って無端状に形成されたシール装着溝12に、スペーサ4と共に保持される。
詳しくは、シール装着溝12は蟻溝状の断面形状に形成されていて、すなわち平面状の溝底121と、その両側から互いの対向方向へ倒れ込むように傾斜した内側面122,123とを有する。したがってこのシール装着溝12は、溝底121側の溝幅wが相対的に広く、溝肩124,125間の溝幅wが相対的に狭くなっている。
シールリング3はゴム状弾性材料で成形されたものであって、例えば断面形状が円形のOリングからなり、その断面の中心が溝肩124,125より溝内に位置するように、シール装着溝12に半挿入状態で嵌め込まれている。すなわち、シールリング3の円形断面における左右両側の側面膨出部3a,3bはシール装着溝12内に保持され、前記円形断面における下部3cはシール装着溝12の溝底121に密接され、前記円形断面における頭部3dはシール装着溝12の外部へ突出している。
スペーサ4は、シールリング3のゴム状弾性材料よりも剛性が大きくかつ耐プラズマ性、耐腐食性及び耐摩耗性に優れた材料、例えばPTFEからなるものであって、シール装着溝12に、シールリング3の内側(内部空間S側)に位置して保持されている。
詳しくは、このスペーサ4は、シール装着溝12における内部空間S側の溝肩124上に支持される平板状の鍔部41と、前記シール装着溝12における内部空間S側の内側面122に嵌合されると共にシールリング3に接触してその側面膨出部3bを内部空間Sと反対側(請求項1に記載の反密封対象空間側に相当)の溝肩125又は内側面123へ押し付ける溝内挿入部42と、前記鍔部41と溝内挿入部42の間の肩部43からなる。そしてこのうち、溝内挿入部42は、シール装着溝12における内部空間S側の内側面122と対応して傾斜した形状となっており、シールリング3側を向いた内側面42aが肩部43側ほど大きくシール装着溝12内へ張り出すように傾斜している。また、鍔部41の肉厚tは、非圧縮時におけるシールリング3の頭部3dの、シール装着溝12からの突出高さhよりも小さいものとなっている。
また、シール装着溝12における溝肩124,125間の溝幅wは、シールリング3の側面膨出部3a,3b間の幅(断面径)wより大きく、シール装着溝12に保持されたスペーサ4の肩部43とこれに対向する溝肩125の間の幅wは、前記側面膨出部3a,3b間の幅(断面径)wより小さいものとなっている。
以上の構成において、図1に示されるように、チャンバ本体1の側壁11の上端開放部を蓋体2で閉塞した状態で、排気ポート1aから強制排気することによって、内部空間Sを真空にすると、大気の圧力が、チャンバ本体1及び蓋体2を互いに接近させるように作用する。このため、図3に示されるように、チャンバ本体1の側壁11の上端面11aに形成されたシール装着溝12の溝底121と、蓋体2の下面2aとの間でシールリング3が圧縮され、その圧縮反力によって、内部空間Sを真空状態に維持するのに必要な密封性が確保される。
このとき、シールリング3の長期使用による永久圧縮歪(ヘタリ)や、大気の圧力によるチャンバ本体1と蓋体2からの圧縮荷重によって、図3に示される状態から更にシールリング3の圧縮を伴いながら、チャンバ本体1の側壁11の上端面11aに対して蓋体2が接近して行くと、蓋体2の下面2aがスペーサ4の鍔部41に当接して支持される。そしてこのスペーサ4は、シールリング3に比較して十分に剛性が大きいPTFEからなるため、チャンバ本体1の側壁11の上端面11aと蓋体2の下面2aとの隙間Gが図2に示されるスペーサ4の鍔部41の肉厚tよりも小さくなることはなく、このため、チャンバ本体1の側壁11の上端面11aと蓋体2の下面2aのメタルタッチによる金属パーティクルの発生が防止され、金属パーティクルによるワークWK(図1参照)への悪影響を有効に防止することができる。また、シールリング3の圧縮率がスペーサ4によって適切な範囲に制限されると共に、内部空間Sを真空状態に維持するのに必要なシールリング3のつぶし代Qが確保される。
また、半導体ウエハや液晶パネルの基板の表面を処理するプラズマエッチングやスパッタリング等の工程で使用されるプラズマ化された処理ガスが内部空間Sに生成されても、耐プラズマ性に優れたPTFEからなるスペーサ4の鍔部41が、シールリング3より内部空間S側で、溝肩124の上面(上端面11a)と蓋体2の下面2aとの間に介在しているため、内部空間Sからシールリング3へのプラズマの入射が有効に遮断される。したがって、プラズマによりシールリング3が損傷して密封性能が失墜するのを防止できると共に、プラズマによりシールリング3からパーティクルを発生してワークWK(図1参照)へ悪影響を及ぼすのを有効に防止することができる。
しかも、チャンバの内部空間Sを真空にすることによるシール装着溝12から内部空間S側へのシールリング3のはみ出しが、シールリング3より内部空間S側で、溝肩124の上面と蓋体2の下面2aとの間に介在する鍔部41によって阻止されるので、シールリング3のはみ出しによる破損が有効に防止される。
ここで、図3に示される密封状態において、シールリング3がゴム状弾性材料の粘着性によって、蓋体2の下面2aと粘着すると、チャンバの内部空間Sの真空状態を解除して蓋体2をチャンバ本体1から開放動作させる際に、この蓋体2の動作に追随してシールリング3がシール装着溝12から抜け出そうとする。しかしながら図2に示されるように、シール装着溝12に保持されたスペーサ4の肩部43とこれに対向する溝肩125の間の幅wは、シールリング3の側面膨出部3a,3b間の幅(断面径)wより小さく、スペーサ4は、その溝内挿入部42がシール装着溝12における内部空間S側の内側面122に互いに対応する傾斜面同士で嵌着されていて、シールリング3の側面膨出部3a,3bが前記溝内挿入部42の傾斜した内側面42a及びシール装着溝12の傾斜した内側面123に押し付けられることにより係止されるので、シール装着溝12からの飛び出しが有効に防止される。
そして、シール装着溝12における最小幅部である溝肩124,125間の幅wがシールリング3の最大幅部である側面膨出部3a,3b間の幅(断面径)wより大きいため、シールリング3の装着に際しては、スペーサ4に先行してシール装着溝12へ挿入することで、強制的に押し込むことなく容易に装着でき、このため捩れた状態で装着されるようなこともない。そしてシールリング3の挿入後にスペーサ4の溝内挿入部42をシール装着溝12に挿入して嵌着することで、このスペーサ4の肩部43とシール装着溝12の溝肩125によってシールリング3がシール装着溝12にしっかり係止される。
次に、図4は、本発明の第二の形態による密封構造を示す開放状態の断面図である。
この第二の形態において上述した第一の形態と異なるところは、シール装着溝12における内部空間S側の溝肩124の高さhが内部空間Sと反対側の溝肩125の高さhよりも低く、スペーサ4の鍔部41の肉厚tが、前記両溝肩124,125の高さh,hの差Δhよりも大きいことにある。また、鍔部41の肉厚tが、非圧縮時におけるシールリング3の頭部3dの、内部空間S側の溝肩124からの突出高さh’よりも小さく設定される。その他の構成は、基本的に第一の形態と同様である。
したがってこの第二の形態によれば、第一の形態と同様の作用・効果が得られるほか、スペーサ4の鍔部41の肉厚tを例えば先に説明した図2に示されるスペーサ4の鍔部41と同じとした場合、シールリング3のつぶし代Qを、図2のものに比較してΔhだけ大きくすることができる。
次に、図5は、本発明の第三の形態による密封構造を示す開放状態の断面図である。
この第三の形態において上述した第一の形態と異なるところは、シール装着溝12とスペーサ4の溝内挿入部42との嵌合面が、図1に示されるチャンバ本体1と蓋体2の互いの対向面、言い換えれば図5に示されるチャンバ本体1の側壁11の上端面11aに対して、略垂直に立ち上がっていることにある。その他の構成は、基本的に第一の形態と同様である。
すなわちこの形態において、シール装着溝12は、内部空間Sと反対側の内側面123が、溝肩125側で溝幅を狭めるように倒れ込んだ傾斜面をなしている一方、内部空間S側の内側面122が、チャンバ本体1の側壁11の上端面11a及び溝底121に対して垂直に立ち上がっている。
またスペーサ4の溝内挿入部42は、その外側面42bが、シール装着溝12における内部空間S側の内側面122と密接可能な形状、すなわち鍔部41に対して略垂直に立ち上がっており、シールリング3側を向いた内側面42aが、シール装着溝12における内部空間Sと反対側の内側面123と略対称の傾斜面をなし、すなわち肩部43側ほど大きくシール装着溝12内へ張り出すように傾斜している。このため、溝内挿入部42は、肩部43側ほど肉厚が増大する形状となっている。
したがってこの第三の形態によれば、第一の形態と同様の作用・効果が得られるほか、装着に際して、シールリング3を先行してシール装着溝12へ挿入した後で、スペーサ4の溝内挿入部42をシール装着溝12へ容易に挿入して装着することができる。しかもシール装着溝12は、一方の内側面123のみが傾斜した形状であるため、両面を傾斜面とする場合に比較して溝加工のコストを低減することができる。
なお、上述の各形態では、シール装着溝12をチャンバ本体1の側壁11の上端面11aに形成しているが、本発明は、シール装着溝12を蓋体2の下面2aに形成した場合でも、同様に実施可能である。
本発明に係る密封構造の第一の形態を、真空チャンバと共に概略的に示す断面図である。 本発明に係る第一の形態による密封構造を示す開放状態の断面図である。 本発明に係る第一の形態による密封構造を示す密封状態の断面図である。 本発明に係る第二の形態による密封構造を示す開放状態の断面図である。 本発明に係る第三の形態による密封構造を示す開放状態の断面図である。 半導体や液晶の製造等において用いられる真空チャンバを概略的に示す断面図である。 従来技術による密封構造として、図6の一部を拡大して示す断面図である。 図7に示される従来の密封構造における問題点を説明するための図である。
符号の説明
1 チャンバ本体
11 側壁
12 シール装着溝
121 溝底
122,123 内側面
124,125 溝肩
2 蓋体
3 シールリング
3a,3b 側面膨出部
3c 下部
3d 頭部
4 スペーサ
41 鍔部
42 溝内挿入部
42a 内側面
43 肩部
S 内部空間(密封対象空間)

Claims (5)

  1. 互いに対向する二部材のうち一方に形成された蟻溝状のシール装着溝と、側面膨出部がこのシール装着溝内に保持されると共にシール装着溝から突出した頭部が前記二部材のうち他方と密接可能なゴム状弾性材料からなるシールリングと、前記シール装着溝に前記シールリングの密封対象空間側に位置して保持され前記シールリングより剛性の大きい材料からなるスペーサとを備え、前記スペーサが、前記シール装着溝の密封対象空間側の溝肩上に支持される鍔部と、前記シール装着溝の密封対象空間側の内側面に嵌合されると共に前記シールリングの側面膨出部を反密封対象空間側の内側面へ押し付ける溝内挿入部と、前記鍔部と溝内挿入部の間の肩部からなり、前記鍔部の肉厚が、非圧縮時における前記シールリングの前記シール装着溝からの突出高さよりも小さく、スペーサの溝内挿入部におけるシールリング側を向いた内側面が肩部側ほど大きくシール装着溝内へ張り出すように傾斜していることを特徴とする密封構造。
  2. シール装着溝の溝肩間の幅がシールリングの側面膨出部間の幅より大きく、前記シール装着溝に保持されたスペーサの肩部とこれに対向する溝肩の間の幅が前記側面膨出部間の幅より小さいことを特徴とする請求項1に記載の密封構造。
  3. シール装着溝とスペーサの溝内挿入部との嵌合面が、二部材の互いの対向面に対して略垂直に立ち上がっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の密封構造。
  4. シール装着溝の密封対象空間側の溝肩が、反密封対象空間側の溝肩よりも低く、スペーサの鍔部の肉厚が、前記両溝肩の高さの差よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の密封構造。
  5. スペーサがPTFEからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の密封構造。
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