以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施の形態>
図1〜図14は本発明の第1の実施の形態による光学系駆動装置の一例であるレーザスキャン装置を示している。図1〜図3は、それぞれ別の角度から見た、レーザスキャン装置の斜視図、図4と図5は、それぞれ、図6のA−A線で切ったレーザスキャン装置全体の断面斜視図と断面図、図6は図5のB−B線で切ったレーザスキャン装置全体の断面図、図7はレーザスキャン装置の分解斜視図、図8と図9は、それぞれ別の角度から見た、レーザスキャン装置の一部を構成する二軸アクチュエータ部組の斜視図、図10は図5のC−C線で切った二軸アクチュエータ部組全体の断面図、図11と図12は、それぞれ別の角度から見た、二軸アクチュエータ部組の分解斜視図、図13は二軸アクチュエータ部組の一部を構成するバネ受け部組の分解斜視図、図14はレーザスキャン装置を使用した車載用測距装置の例を説明する図である。
図5と図10に示すように、ホルダ7の段状部8にZ方向に当てつけ、レンズ5が接着固定されている。ホルダ7は、ガラス入りのポリフェニレンサルファイド樹脂で製作されている。ホルダ7の+X側の端部には凸部9が設けられている。アジマスコイル15は銅クラッドアルミ線で巻線された空芯で、その中央の空芯部分が凸部9に勘合する形で、ホルダ7に接着固定されている。ホルダ7のY方向の両端部には凸部10a、10bが設けられている。エレベーションコイル16a、16bは銅クラッドアルミ線で巻線された空芯で、その中央の空芯部分が凸部10a、10bに勘合する形で、ホルダ7に接着固定されている。
ホルダ7には基板17も接着固定されている。図示していないが、アジマスコイル15とエレベーションコイル16a、16bは末端が基板17に半田付けされている。
ホルダ7の−Z側にはホルダ20が、ホルダ20の段状部21がホルダ7の先端部14に当てつけられ、接着固定されている。ホルダ20は、カーボン繊維入りの液晶ポリマーで製作されている。ホルダ20の段状部23とリブ状部22は、それぞれ、0.05mm程度のごく僅かな隙間を持って、レンズ5と基板17に対向している。この隙間部分に接着剤を塗布することにより、隙間は接着剤により埋まり、レンズ5と基板17は、ホルダ7に接着固定されるだけでなく、ホルダ7とホルダ20に挟まれる形でも固定されることになり、より強固に固定される。さらに、ホルダ7とホルダ20の固定に熱かしめを併用すれば、より耐久性を向上させることができる。
ホルダ20には、図11に示すように、スリット24a、24bが設けられている。スリット24aはY方向に延び、スリット24bはX方向に延びている。つまり、スリット24aの長手方向はY方向、スリット24bの長手方向はX方向となっている。スリット24a、24bへの光を通すため、図5と図13に示すように、ホルダ7には穴12が設けられ、基板17には穴19が設けられている。
以上、ホルダ7およびホルダ7に固定された部品よりなる部組を可動部27と呼ぶ。
図11に示すように、基板17には、ワイヤバネ28a〜28hを通す穴18a〜18h(18a、18e〜18hは影で図示せず)が設けられている。ワイヤバネ28a〜28hは金属製であり、例えばベリリウム銅製である。ワイヤバネ28a〜28hは基板17の穴18a〜18hに挿入され、一端が半田付けにより基板17に固定されている(半田は図示していない)。ホルダ7にも、図12に示すように、ワイヤバネ28a〜28hを通す穴13a〜13hが設けられている。ホルダ20にも、図11に示すように、ワイヤバネ28a〜28hを通す穴25a〜25dが設けられている。基板17へのワイヤバネ28a〜28hの半田付けは、可動部27の組立が終了してから、穴25a〜25dを用いて行われる。これにより、ホルダ7とホルダ20の接着作業などは、ワイヤバネ28a〜28hのない状態で行われ、ワイヤバネ28a〜28hの曲がりや折れなどが防止され、作業性が向上する。
ワイヤバネ28a〜28hは、基板17を介して、アジマスコイル15およびエレベーションコイル16a、16bと電気的に接続されている。アジマスコイル15の一端にはワイヤバネ28cと28dが、他端にはワイヤバネ28gと28hが接続されている。すなわち、アジマスコイル15に2本のワイヤバネが並列接続されている。エレベーションコイル16a、16bは基板17を介して直列に接続され、同様に、一端にはワイヤバネ28aと28bが、他端にはワイヤバネ28eと28fが接続されている。
次に、バネ受け部組29を説明する。図5と図13に示すように、バネ受け30の穴36の段状部37にレンズ6が挿入されている。バネ受け30は、ガラス入りのポリフェニレンサルファイド樹脂で製作されている。レンズ6の−Z側には、弾性部材である押さえバネ45が段状部38にはめられ、さらに−Z側には、押さえ環46が段状部39にはめられている。押さえバネ45はシリコーンゴムで形成されている。押さえ環46はガラス入りのポリフェニレンサルファイド樹脂で製作されている。
バネ受け30の+Z側には基板48が、バネ受け30の−Z側には鉄製のヨーク55が配置されている。ヨーク55はバネ受け30にネジ54a、54bで固定されている。基板48には、ネジ54a、54bを通す穴52a、52bが設けられ、バネ受け30には、ネジ54a、54bを通す穴33a、33bが設けられている。ヨーク55には、ネジ54a、54bを受ける雌ネジ部に相当するネジ穴57a、57bが設けられている。基板48とヨーク55は、ネジ54a、54bを基板48の穴52a、52bとバネ受け30の穴33a、33bに通し、ヨーク55のネジ穴57a、57bにねじ込むことによりバネ受け30に密着して固定されている。すなわち、2本のネジ54a、54bの頭とヨーク55とで基板48とバネ受け30を挟み込む形で固定している。
基板48は、図9に示すように、基板48の穴53a、53bとバネ受け30の凸部40a、40bの係合によって位置決めされている。穴53aは長穴となっており、公差による寸法ずれで組み立てられなくなることを防いでいる。基板48の中央には、光を通すための穴50が設けられている。
一方、ヨーク55は、図10と図13に示すように、Y方向については、バネ受け30の−Y側の面65とヨーク55の−Y側の端61とを揃える形で位置決めする。X方向については、バネ受け30の凸部34とヨーク55の穴60の係合によって位置決めする。
先に述べた押さえ環46は、押さえバネ45の弾性により、何もなければ、−Z方向にバネ受け30より突出する。図5に示すように、押さえ環46はヨーク55によって+Z方向に押さえられ、押さえ環46の−Z側の端面がバネ受け30の−Z側の面と同一の位置となり、押さえバネ45の弾性によりレンズ6は固定されている。2本のネジ54a、54bによって、基板48とヨーク55に加えて、レンズ6をも固定している。
バネ受け30には、発光ダイオード47が、穴31の奥の円筒状穴32にはめられ、脚を基板48の穴51a、51bに通し、半田付けされている。発光ダイオード47は、発光ダイオード47の発光部と基板48でバネ受け30を挟むような形で、バネ受け30に固定される。
以上、バネ受け30およびバネ受け30に固定された部品よりなる部組をバネ受け部組29と呼ぶ。
ワイヤバネ28a〜28hの可動部27に半田付けした反対側は、ヨーク55の穴56a〜56dを通し、バネ受け30の穴41a〜41dに挿入されている。
バネ受け30の穴41a〜41dの内部を、ワイヤバネ28gで代表して、図10のD部に示す。穴41dは+Z側で傾斜部44dを介して細い穴43gとなり、さらに+Z側でワイヤバネ28gより僅かに大きい径を持つ穴42gとなる。穴41dには、2本のワイヤバネ28g、28hが挿入されているが、穴41dは2本分で1個となっている。一方、穴43g、43h、42g、42h(43h、42hは図示せず)は1本のワイヤバネにつき1個ずつ設けられ、穴41dは奥で2個に分かれている形となっている。穴43g、43hは穴41dから円錐側面のような形状で接続されている。
穴43g、43hには、紫外線硬化形のシリコーンゲル67が充填されている。充填はヨーク55の穴56d、バネ受け30の穴41dから行われる。充填作業は、−Z側を上にして行われ、シリコーンゲル67は円錐側面のような形状の傾斜部44dによって穴43g、43hに誘導される。そして、シリコーンゲル67が円錐側面のような形状の傾斜部44dにはみ出てきたところで作業を終える。このとき、正確には、穴42g、42hにもシリコーンゲルが流れていくが、シリコーンゲルは硬化前でも粘度が高く狭いすきまには流れにくい。そこで、手早く作業を行い、紫外線により硬化させることにより、穴42g、42hへのシリコーンゲルの流れこみを防ぐ。
他のワイヤバネ28a〜28f、バネ受け30の穴41a〜41cについても、同様の構成となっている。シリコーンゲルにより、ワイヤバネ28a〜28hの振動のダンピングが取られている。
ワイヤバネ28a〜28hは+Z方向にバネ受け30から突出し、基板48の穴49a〜49hに挿入され、半田付けにより固定されている。基板48は図示しない制御基板に接続されている。アジマスコイル15とエレベーションコイル16a、16bはワイヤバネ28a〜28hを介して制御基板に接続されている。発光ダイオード47もまた制御基板に接続されている。
可動部27は、ワイヤバネ28a〜28hによってX方向およびY方向に移動可能に支持されている。つまり、ワイヤバネ28a〜28hによって、可動部27は光軸に垂直方向に移動可能に支持されている。可動部27を単純にX方向およびY方向に移動可能に支持するだけであれば、ワイヤバネの本数は4本で十分である。ワイヤバネの本数が8本となっているのは、アジマスコイル15の配線とエレベーションコイル16a、16bの配線とを2本並列とするためであり、ワイヤバネ部の電気的な抵抗値を小さくしている。
次に、図12に示すように、アジマス磁石78とエレベーション磁石79a、79bが接着された鉄製のヨーク68が、図10のように−Z方向から可動部27を覆うような形で、バネ受け部組29に固定される。ヨーク68は、アジマス磁石78とエレベーション磁石79a、79bの吸引力により、ヨーク55に吸い付く。このとき、図8に示すように、ヨーク68の角部76a、76bとヨーク55の凸部63を組み合わせるとともに、図9に示すように、ヨーク68の角部74a、74bとヨーク55の凸部62a、62bを組み合わせて位置決めを行う。ヨーク55とヨーク68はアジマス磁石78とエレベーション磁石79a、79bと共同して磁気回路を形成する。
ヨーク68が取り付くヨーク55の部分のY寸法(−Y側の端61と+Y側の端64a、64bの距離)は、バネ受け30のY寸法(−Y側の面65と+Y側の面66の距離)よりも0.1mm程度大きい。図10に示すように、−Y側では、バネ受け30の−Y側の面65とヨーク55の−Y側の端61、ヨーク68の接触部75はY方向に関して同じ位置にあるが、+Y側では、バネ受け30の+Y側の面66よりヨーク55の+Y側の端64a、64bとヨーク68の接触部77a、77bが外側となっている。これにより、公差によるずれによって、ヨーク68の接触部77a、77bがバネ受け30の+Y側の面66と接してヨーク55の+Y側の端64a、64bと接しなくなることを防ぎ、ヨーク55とヨーク68が接触して効率の良い磁気回路が形成される。
ヨーク68はアジマス磁石78とエレベーション磁石79a、79bの吸引力だけでも、ヨーク55に吸い付くが、振動などで外れることがないように、図9と図12に示すように、ネジ84a、84bによって、バネ受け30にネジ止めされている。ネジ84a、84bは、バネ受け30に設けられた穴35a、35bに挿入され、ヨーク68のネジ穴70a、70bに締め付けられている。穴35a、35bは、ネジ84a、84bの頭が入る大きさとなっているが、奥でネジ部だけが通るように径が細くなっている。
図8と図11に示すように、ヨーク68には、基板80が、ヨーク68のネジ穴71a、71bと基板80の穴82a、82bとネジ83a、83bによって、ネジ止めされている。
基板80には、図12に示すように、光の入射位置により出力電流が変化するポジションセンサ81a、81bが半田付けされている。図5に示すように、ポジションセンサ81a、81bはヨーク68の穴72部に+Z側に突出する形となっている。ポジションセンサ81a、81bの受光面85a、85bは、発光ダイオード47の方を向いている。
図示していないが、基板80は電線を介して図示せぬ制御基板に接続されており、ポジションセンサ81a、81bは制御基板に接続されている。
図4で明らかなように、ポジションセンサ81aはスリット24aに、ポジションセンサ81bはスリット24bに対向する位置に配置されている。発光ダイオード47からの光は広がり、スリット24a、24bの両方に入射する。途中のヨーク55には、光を通すため穴58が設けられている。可動部27の移動に伴って、スリット24a、24bは動くが、その移動範囲に発光ダイオード47からの光は十分に広がっており、スリット24a、24bを通った光が、ポジションセンサ81a、81bに至る。可動部27の移動に伴ってスリット24a、24bを通った光が動くことにより、ポジションセンサ81a、81b上の光の入射位置が動き、可動部27の位置が検出される。
なお、発光ダイオード47は赤外線を発し、光は実際には目視では見えない。ポジションセンサ81a、81bは760〜1100nmの赤外域に感度を持つものを使用する。
ポジションセンサ81a、81bは各々1方向の位置を検出する1次元のセンサで、Y方向が長手方向のスリット24aに対向するポジションセンサ81aは、検出方向がX方向に、X方向が長手方向のスリット24bに対向するポジションセンサ81bは、検出方向がY方向になっている。
可動部27に搭載されたレンズ5を移動させることにより、後述するレーザダイオード1からの光の照射位置を移動させるが、照射位置がレンズ5の光軸に対して傾き0の位置になるなどの所望の位置となったときにポジションセンサ81a、81bの出力が0位置を示す出力となるように、基板80はXY平面内での位置調整がされ、固定されている。このため、基板80の穴82a、82bは調整代分を見て大きめとなっている。
図12に示すように、ホルダ7には凸部11a〜11dが、図8に示すように、ホルダ20には凸部26a〜26dが設けられている。可動部27が移動したとき、前者はヨーク55の穴59に、後者はヨーク68の穴73に当たり、移動量を制限するストッパとなっている。凸部は四隅にあり、穴も四角であるので、X方向、Y方向、両方向の動きを制限できる。Z方向両側に設けられているのは、片側だと可動部27がX方向の動きではY軸周りに、Y方向の動きではX軸周りに回転し、ワイヤバネ28a〜28hの曲がりが発生する可能性があるためである。
以上のように構成された部組を二軸アクチュエータ87と呼ぶ。
図3と図7に示すように、二軸アクチュエータ87は、ネジ88a〜88cによって、本体89にネジ止めされている。本体89は、ガラス入りのポリフェニレンサルファイド樹脂で製作されている。ネジ88a〜88cは二軸アクチュエータ87のヨーク68のネジ穴69a〜69cにねじ込まれている。図示していないが、バネ受け30には、ネジ88a〜88cの先を逃げるための凹部が設けられている。本体89には、ネジ88a〜88cに対応して、穴が開けられている。
本体89には、+Y方向に凸部90が設けられている。二軸アクチュエータ87の基板80の位置調整は、二軸アクチュエータ87が本体89に取り付けられてから行われる。図2と図6に示すように、ネジ83bは、凸部90に覆われていないので、二軸アクチュエータ87が本体89に取り付けられてからでも、普通に締めることができる。一方、ネジ83aが凸部90に隠れてしまうのを避けるため、凸部90に穴91が設けられている。この穴91にドライバを通して、ネジ83aを締めることができる。
本体89には、XY平面およびYZ平面に45度の角度をなす面92に開口した穴95が設けられており、面92には、ミラー4が接着されている。図5に示すように、ミラー4は、穴95側の面96が反射面となっている。
図6と図7に示すように、本体89には、鏡枠98がネジ103によって、固定されている。ネジ103は、本体89の穴126に通され、先端が鏡枠98のネジ穴102にねじ込まれており、鏡枠98は、いわゆる引きビスで、本体89に固定されている。鏡枠98の穴99の段状部100にはレンズ2が、段状部101にはレンズ3が接着固定されている。
鏡枠98は本体89の穴93に挿入されている。穴93の径は、鏡枠98の径より僅かに大きくされている。穴93に沿って、鏡枠98をX方向に動かし、レンズ2、レンズ3を動かすと、本装置から照射される光のスポットの大きさが変化する。そこで、鏡枠98をX方向に移動させ、スポットの大きさが所定の大きさとなるように調整される。この調整のため、本体89の穴126はX方向に延びた長穴となっている。
図1と図7に示すように、本体89の穴93には、さらに、レーザダイオード1が固定されている。レーザダイオード1は真鍮製の板104に圧入されている。ネジ106a、106bが、板104の穴105a、105bに通され、本体89のネジ穴94a、94bにねじ込まれて、板104は本体89にネジ止めされている。このとき、レーザダイオード1とレンズ2、3の光軸とが一致するように、板104はYZ平面内で位置調整される。レーザダイオード1は、図示していないが、レーザドライバー基板に接続されている。
図4と図5に示すように、レーザダイオード1から発射されたレーザ光は、レンズ2、3を通り、ミラー4で光路を90度曲げられ、レンズ5に至り、さらにレンズ6を通る。このとき、レーザダイオード1から発射した光は、本体89の凸部90内で、初め穴93を通り、鏡枠98内の穴99を通った後、再び穴93に出、その先の細い穴107を通って穴95に入り、ミラー4で方向を変えて、穴95を進む。光は本体89から穴95の出口108で初めて外に出る。本体89の凸部90が、+Z方向に凸部97を持っており、出口108からレンズ5の入射面86までの距離が小さくなるようになっている。また、凸部97の壁128は、表面を粗面とされている。これはレーザダイオード1からの光が漏れないようにするとともに、もれても反射しないようにするためである。なお、レーザダイオード1の波長は870nmと赤外線で、実際にはその光は目に見えない。
次に以上のように構成された本実施の形態のレーザスキャン装置について、その動作を説明する。
図14に本実施の形態のレーザスキャン装置が用いられる車載用測距装置を簡略に示す。
レーザダイオード1から発射したレーザ光は、レンズ2、3を介し、ワイヤバネ28に支持されたホルダ7のレンズ5に至る。レンズ5は、ホルダ7を矢印109のように左右に動かすことにより矢印110のように左右に振られる。なお、図14ではミラー4は省略した。さらに、光はレンズ6を通ることで最終的には所望のビーム形状に形成されて矢印111に示す範囲に照射される。照射された光112が障害物113に当たって反射した光114は受光レンズ115を介してフォトディテクタ116に至り、電気回路により障害物113までの距離が計算される。なお、実際にはレンズ5は左右だけでなく、上下にも振られ、光も上下にも振られる。
レンズ5を上下左右に動かす仕組みについて、さらに詳細に説明する。
図10に示すように、エレベーションコイル16a、16bは、ヨーク68に固定されたエレベーション磁石79a、79bとヨーク55に挟まれている。エレベーションコイル16aとエレベーション磁石79aにおける動作の仕組み、エレベーションコイル16bとエレベーション磁石79bにおける動作の仕組みは同じなので、ここでは、エレベーションコイル16aとエレベーション磁石79aについて説明する。
エレベーション磁石79aの極性は図10に示す通りである。磁極の境は分かりやすいように破線で示す。実際の磁石で境の部分は幅0.2〜0.4mmの磁極のないニュートラル領域である。
エレベーションコイル16aの辺117、118には、矢印119、120の向きの磁界が作用する。矢印119のようにエレベーション磁石79aから出た磁束は、ヨーク55に入り、ヨーク55内を矢印121のように進み、矢印120のようにエレベーション磁石79aに戻る。また、一部は矢印122のようにヨーク55まで行かずに、エレベーション磁石79aに戻る。
エレベーションコイル16aの辺117、118に流れる電流の向きは逆であり、作用する磁界の向きも矢印119、120で示されるように逆であるので、発生する力の向きは同じである。力の向きは、電流の向きと磁界の向きに垂直なY方向となる。
エレベーションコイル16aの残りの辺123、124(図11参照)には、X方向の力が発生するが、矢印119と矢印120の磁界から受ける力の向きが逆向きとなり打ち消し合うので、エレベーションコイル16aがX方向に動くことはない。
エレベーションコイル16aのエレベーション磁石79a側には、ホルダ20が覆い被さっていない。これは、ホルダ20を配置するスペースを削って、エレベーションコイル16aをエレベーション磁石79aに近づけ、その間の距離125を小さくするためである。エレベーションコイル16aの+Z側にヨーク55は配置されているが、エレベーション磁石79aは配置されていないため、エレベーション磁石79aに近い側、−Z側の方が磁界の強さが大きい。距離125を小さくした方が、同じ電流に対してより大きな力を磁界から受けるので、消費電力を小さくできる。
エレベーションコイル16bについても、同様にY方向の力が発生する。エレベーションコイル16a、16bで発生するY方向の力が同じ向きになるように直列接続されている。これによりエレベーションコイル16a、16bに電流を流すことにより、可動部27およびそれに取り付けられたレンズ5をY方向に動かせる。
また、アジマスコイル15、アジマス磁石78についても、Y方向がX方向となるだけで同様であり、アジマスコイル15に電流を流すことで可動部27およびそれに取り付けられたレンズ5をX方向に動かせる。
可動部27の位置は、既に述べたように、可動部27のスリット24a、24bを通った光をポジションセンサ81a、81bで受光して検出され、その位置情報を基づいて可動部27が移動される。
本実施の形態によれば、レンズ6は、押さえバネ45と押さえ環46を介して、ネジ54a、54bにより、バネ受け30とヨーク55とで挟み込まれる形でバネ受け30に固定されている。
レンズ6をバネ受け30に配することにより装置の小型化を実現するとともに、単に接着するだけでなく、挟み込んで固定することにより、強固に固定でき、長期間の使用に対しても外れる心配がなく、信頼性が向上する。レンズ6を挟み込む部材に、磁気回路を形成するヨーク55と、バネ受け30とを用いることにより、部品の増加を防ぎ、価格も抑えられる。部品の増加を防ぐことでも、さらに小型化に貢献している。
また、本実施の形態では、ヨーク55にネジ穴57a、57bを設け、ネジ54a、54bをねじ込んでいるので、雌ネジ部を持つ部品を別に設ける必要がなく、さらに低価格化が図られている。
ヨーク55を利用しない場合、例えば、押さえ環46を大型化し、ネジ54a、54bがねじ込まれる雌ネジ部を設けることになる。押さえ環が合成樹脂製の場合は、大きな力が加わり続ける雌ネジ部がクリープにより破壊するのを防ぐため、ナットをインサートする必要があり、部品価格が高くなってしまう。押さえ環が金属製の場合は、ナットをインサートする必要はないが、形状的にプレスでなく削り加工で作る必要があり、高い部品となってしまう。
本実施の形態では、バネ受け30にヨーク55をネジ54a、54bによって固定しているが、ネジを使用する代わりに、かしめピンによって固定してもよい。その場合、ヨーク55にかしめピンを設け、ヨーク55とかしめピンの頭とでバネ受け30を挟み込む形で固定する。これにより、ネジ同様に、高い信頼性でレンズ6を固定できる。
ヨーク55とレンズ6の間に、押さえバネ45を配している。既に述べたように、ヨーク55がなければ、押さえ環46がヨーク55取り付け面よりZ方向に凸となっており、固定時は押さえバネ45が圧縮され、その弾性によりレンズ6が固定されるようになっている。これにより、各部品のZ方向の寸法がばらついてもレンズ6を安定に固定できる。寸法のばらつきによらず、より確実に固定でき、ばらつきを許容できるので、各部品への要求精度が落ち、低価格化も図れる。
押さえバネ45は、シリコーンゴムで製作しているが、金属や合成樹脂で製作してもよい。本実施の形態のようなパッキン形状の押さえバネは形状が単純で安価に製作しやすい。しかし、全体に力が加わり続けるので、長期間の使用により弾性がへたる可能性が若干ある。たわむ部分を持つバネ形状の場合は、その部分にかかる応力を許容内に適切に設定すれば、長期間の使用に対しても安定して弾性を保て、信頼性を高めることができる。バネ形状の場合、これらの値を計算で求めることが容易で、理論的な裏付けもとりやすい。金属製バネであれば、特性的に優れ、より信頼性を高められる。合成樹脂製バネは、金属製バネに比べて、製作が容易で、価格化を図れる。
本実施の形態では、可動部27を支持するワイヤバネ28a〜28hの一端は基板48に半田付けされており、基板48はバネ受け30の+Z側にネジ54a、54bによって固定されている。バネ受け30の−Z側には、前述したように、ヨーク55がネジ54a、54bによって固定されている。ヨーク55およびバネ受け30には、それぞれ、光を通すための穴59および36と、ワイヤバネ28a〜28hを通すための穴56a〜56dおよび41a〜41dとが設けられている。
ワイヤバネ28a〜28hは半田付けにより基板48に取り付けられているので、接着に比べて取り付けの信頼性が高い。さらに、基板48は、ヨーク33とでバネ受け30を挟み込むように、ネジ54a、54bによってバネ受け30に密着して固定されているので、やはり、単なる接着に比べて長期間の使用に対しても外れにくく、信頼性が高い。
ところで、バネ受け30に穴36を設け、ここに光を通すことにより、小型を図れている。しかし、バネ受け30に穴36が、さらにワイヤバネ28a〜28hを通すための41a〜41dが開いているため、バネ受け30の剛性が落ちている。長期間の使用に対して、へたりが発生し、ワイヤバネ28a〜28hの固定部の強度が低下して、特性が劣化してしまう可能性がある。
本実施の形態では、ヨーク55に穴59および56a〜56dを設け、バネ受け30をヨーク55に密着させることにより、バネ受け30の剛性を補強している。これにより、長期間の使用に対しても強度の低下が抑えられ、小型化を図りつつ、信頼性を向上させている。
本実施の形態のように、車載用測距装置に用いられるレーザスキャン装置は、車載用であるため、特に長期間にわたって安定した性能を保つ必要がある。そのため、高い信頼性を確保することが重要となる。
<第2の実施の形態>
図15と図16は本発明の第2の実施の形態によるレーザスキャン装置を示すもので、図15は図5に相当する断面図、図16は図15に示したバネの三面図である。図15において、第1の実施の形態と同様の部品は同一の参照符号で示されている。
本実施の形態では、第1の実施の形態とレンズ6の取り付け部が異なる。本実施の形態では、レンズ6は、バネ受け30に直接固定されるのでなく、ホルダ131に接着されて、バネ受け30の穴36に挿入されている。レンズ6の−Z側には金属製のバネ132が配され、さらに−Z側に押さえ環46が配置されている。
押さえ環46は、バネ132の弾性により、何もなければ、−Z方向にバネ受け30より突出する。図15に示すように、押さえ環46はヨーク55によって+Z方向に押さえられ、押さえ環46の−Z側の端面がバネ受け30の−Z側の面と同一の位置となり、バネ132の弾性によりレンズ6は固定されている。
バネ132は、図16に示すように、ステンレスをプレス加工して作製されたもので、頂部134が−Z方向に移動してたわむ。押さえ環46にはバネ132が収まる凹部133が設けられている。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態で変形例として述べたように、バネ132を金属としているので、バネ132の信頼性が向上し、レンズ6の取り付け信頼性が増す。
また、レンズ6がホルダ131を介してバネ受け30に固定されている。バネ受け30はさまざまな部品が固定されるので、複雑な形状になりがちであるが、ホルダ131はレンズ6の固定に最適化された単純な形状のままである。取り付ける際の作業性が改善され、その結果、作業ミスなどが防止され、固定の信頼性も向上する。
本発明は上述した実施の形態に制限されることなく、さまざまに変形されてよい。磁石とコイルの配置はさまざまなものが考えられる。例えば、アジマスコイル、エレベーションコイルの片側に磁石が対向しているが、磁石を両側に配し、磁石でコイルを挟み込むようにしてもよい。1つの発光ダイオードからの光を2つのスリットに入れているが、1つのスリットに対して1つの発光ダイオードを配置してもよい。また、発光ダイオードを小型なものとし、可動部に発光ダイオードを搭載してもよい。
光学系についても、上述した実施の形態に制限されるものではなく、さまざまな光学系が適用されてよい。実施の形態では、レンズから射出されたレーザ光がこれと異なる別のレンズにより受光される装置構成であるが、レンズから射出されたレーザ光が再び同じレンズにより受光し、受光した光を例えば光路分割素子で分離して検出する、レーザスキャン装置と受光装置を兼ねた装置構成としてもよい。
ヨークとバネ受けで挟み込み固定したレンズは、光を走査するためのレンズよりもレーザダイオードから遠い側のレンズであったが、レーザダイオードに近い側のレンズに対して本発明を適用してもよい。また、レンズでなく、導波路などの光学素子を固定してもよい。
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
1…レーザダイオード、2…レンズ、3…レンズ、4…ミラー、5…レンズ、6…レンズ、7…ホルダ、8…段状部、9…凸部、10a,10b…凸部、11a〜11d…凸部、12…穴、13a〜13h…穴、14…先端部、15…アジマスコイル、16a,16b…エレベーションコイル、17…基板、18a〜18h…穴、19…穴、20…ホルダ、21…段状部、22…リブ状部、23…段状部、24a,24b…スリット、25a〜25d…穴、26a〜26d…凸部、27…可動部、28…ワイヤバネ、28a〜28h…ワイヤバネ、29…バネ受け部組、30…バネ受け、31…穴、32…円筒状穴、33…ヨーク、33a,33b…穴、34…凸部、35a,35b…穴、36…穴、37…段状部、38…段状部、39…段状部、40a,40b…凸部、41a〜41d…穴、42g,42h…穴、43g,43h…穴、44d…傾斜部、45…押さえバネ、46…押さえ環、47…発光ダイオード、48…基板、49a〜49h…穴、50…穴、51a,51b…穴、52a,52b…穴、53a,53b…穴、54a,54b…ネジ、55…ヨーク、56a,56d…穴、57a,57b…ネジ穴、58…穴、59…穴、60…穴、61…端、62a,62b…凸部、63…凸部、64a,64b…端、65…面、66…面、67…シリコーンゲル、68…ヨーク、69a〜69c…ネジ穴、70a,70b…ネジ穴、71a,71b…ネジ穴、72…穴、73…穴、74a,74b…角部、75…接触部、76a,76b…角部、77a,77b…接触部、78…アジマス磁石、79a,79b…エレベーション磁石、80…基板、81a,81b…ポジションセンサ、82a,82b…穴、83a,83b…ネジ、84a,84b…ネジ、85a,85b…受光面、86…入射面、87…二軸アクチュエータ、88a〜88c…ネジ、89…本体、90…凸部、91…穴、92…面、93…穴、94a,94b…ネジ穴、95…穴、96…面、97…凸部、98…鏡枠、99…穴、100…段状部、101…段状部、102…ネジ穴、103…ネジ、104…板、105a,105b…穴、106a,106b…ネジ、107…穴、108…出口、109…矢印、110…矢印、111…矢印、112…光、113…障害物、114…光、115…受光レンズ、116…フォトディテクタ、117…辺、118…辺、119…矢印、120…矢印、121…矢印、122…矢印、123…辺、124…辺、125…距離、126…穴、128…壁、131…ホルダ、132…バネ、133…凹部、134…頂部。