JP5000230B2 - 酸化ランタン含有酸化物ターゲット - Google Patents
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Description
しかしながら、ITO膜は、エッチング加工には強酸(例えば、王水など)を用いる必要があり、TFT液晶用の電極に用いた場合、下地層の金属配線を腐食することがある等の難点を有している。さらに、スパッタリングによりITO膜を作製する際に用いるITOターゲットは還元により黒化し易いため、その特性の経時変化が問題となっている。
1.インジウム(In)及びランタン(La)を含有する酸化物のターゲットであって、LaInO3で表される酸化物を含有することを特徴とする酸化物ターゲット。
2.前記InとLaの含有量の合計に対するLaの割合[La/(La+In):原子比]が0.001〜0.5であることを特徴とする1に記載の酸化物ターゲット。
3.スズ(Sn)及びランタン(La)を含有する酸化物のターゲットあって、La2Sn2O7で表される酸化物を含有することを特徴とする酸化物ターゲット。
4.前記SnとLaの含有量の合計に対するLaの割合[La/(La+Sn):原子比]が0.001〜0.5であることを特徴とする3に記載の酸化物ターゲット。
5.インジウム(In)、スズ(Sn)及びランタン(La)を含有する酸化物のターゲットであって、La2Sn2O7及び/又はLaInO3で表される酸化物を含有することを特徴とする酸化物ターゲット。
6.前記In、Sn及びLaの含有量の合計に対するLaの割合[La/(La+Sn+In):原子比]が0.001〜0.5であることを特徴とする5に記載の酸化物ターゲット。
7.焼結密度が6.5g/cm3以上であることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の酸化物ターゲット。
8.バルク抵抗が1Ωcm以下であることを特徴とする1〜7のいずれかに記載の酸化物ターゲット。
このターゲットIを用いた場合、単にIn2O3及びLa2O3からなるターゲットの場合に比べ、ターゲットの導電性が高く、また、ターゲット表面の黒化が少なくスパッタリング中の異常放電もなく安定したスパッタリング状態が保たれる。これにより、ITO膜と同等の光透過率を有する透明導電膜が安定して得られる。
(a)LaInO3
(b)LaInO3とIn2O3の混合物
(c)LaInO3とLa2O3の混合物
これらのうち、(b)の焼結体が好ましい。尚、ターゲット中の酸化物の構造は、X線回折測定により得られるチャートから同定する。後述するターゲットII及びIIIも同様である。
インジウム原子を含む化合物としては、酸化インジウム、水酸化インジウム等が挙げられる。好ましくは、酸化インジウムである。
ランタン原子を含む化合物としては、酸化ランタン、水酸化ランタン等が挙げられる。好ましくは、酸化ランタンである。
原料の平均粒径は、最大でも3μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは、0.8μm以下である。3μm超になると、例えば、La2O3がそのままターゲット中に絶縁性の粒子として存在するので、異常放電の原因となる場合がある。LaInO3の生成は、X線回折により確認できる。
原料粉体を所定の形状に成形したものを焼成する。焼成条件は、1000〜1600℃である。好ましくは、1200〜1500℃、より好ましくは、1250〜1450℃である。1000℃未満では、La2O3の反応性が低く、LaInO3が生成しない場合がある。1600℃超では、In2O3の昇華や熱分解が起こり組成が変化したり、生成したLaInO3が分解したりする場合がある。
本発明では、焼結体がLaInO3を含有するが、この形態の酸化物は、上記の焼結によって形成することができる。生成されるLaInO3の粒径は、EPMAのマッピングにより測定することができる。LaInO3の粒径は10μm以下であり、好ましくは5μm以下がよい。10μm超のLaInO3の粒子が存在する場合、粒子周辺の導電性の差により異常放電を起こす場合がある。10μm以下では、これら異常放電が抑えられ、安定したスパッタリングができるようになる。
このターゲットIIを用いた場合、単にSnO2及びLa2O3からなるターゲットの場合に比べ、ターゲット表面の黒化がなくスパッタリング中の異常放電もなく安定したスパッタリング状態が保たれる。
(a)La2Sn2O7
(b)La2Sn2O7とSnO2の混合物
(c)La2Sn2O7とLa2O3の混合物
上記のうち、(b)の焼結体が好ましい。
スズ原子を含む化合物としては、酸化スズ(酸化第一スズ、酸化第二スズ)、メタスズ酸、等が挙げられる。好ましくは、酸化スズ(酸化第二スズ)である。
上記の出発原料は、ビーズミル等により粉砕混合することが好ましい。これにより、原料を均一に混合でき、また、原料の粒径を小さくできる。
原料の平均粒径は、最大でも3μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは、0.8μm以下である。3μm超になると、例えば、La2O3がそのままターゲット中に絶縁性の粒子として存在するので、異常放電の原因となる場合がある。La2Sn2O7の生成は、X線回折により確認できる。
本発明では、焼結体がLa2Sn2O7を含有するが、この形態の酸化物は、上記の焼結によって形成することができる。生成されるLa2Sn2O7の粒径は、EPMAのマッピングにより測定することができる。La2Sn2O7の粒径は、10μm以下であり、好ましくは5μm以下がよい。10μm超のLa2Sn2O7の粒子が存在する場合、粒子周辺の導電性の差により異常放電を起こしたりする場合がある。10μm以下では、これら異常放電が抑えられ、安定したスパッタリングができるようになる。
このターゲットIIIを用いた場合、単にIn2O3、SnO2及びLa2O3からなるターゲットの場合に比べ、ターゲットの導電性が高く、また、ターゲット表面の黒化がなくスパッタリング中の異常放電もなく安定したスパッタリング状態が保たれる。
(a)La2Sn2O7とIn2O3の混合物
(b)La2Sn2O7とIn2O3とSnO2の混合物
(c)La2Sn2O7とLaInO3とIn2O3の混合物
(d)La2Sn2O7とLaInO3とSnO2の混合物
上記のうち、(a)、(b)又は(c)からなる焼結体が好ましい。
La/(La+In+Sn)<Sn/(La+In+Sn)
これは、LaとSnは反応しやすいため、La2Sn2O7が生成しやすいことによる。即ち、LaがSnより過剰に存在する場合は、Snのほぼ全てがLaにより消費されることから、主にLaInO3が生成される。その結果、In2O3へのSnのドーピング量が減少するため、ターゲットのバルク抵抗が上昇する場合がある。
一方、上記式を満たすようにLaの含有量をSnの含有量より少なくした場合、LaはSnにより消費されるが、過剰のSnはIn2O3にドープされる。これにより、ターゲットの抵抗値は小さくなり、安定したスパッタリングの状態が保てるようになる。
インジウム原子を含む化合物、スズ原子を含む化合物及びランタン原子を含む化合物の具体例は、上述したターゲットI又はIIと同様である。
本発明では、焼結体がLa2Sn2O7及び/又はLaInO3を含有するが、この形態の酸化物は、焼結反応(熱反応)によって、形成することができる。
密度の高い焼結体を得るには、焼成前の成形工程に冷間静水圧(CIP)等で成形したり、熱間静水圧(HIP)等により焼結することが好ましい。
これにより、異常放電なしに安定したスパッタリング状態が保たれ、工業的に連続して安定な成膜が可能となる。
(1)密度
一定の大きさに切り出したターゲットの、重量と外形寸法より算出した。
(2)ターゲット中の各元素の原子比
ICP(Inductively Coupled Plasma)測定により、各元素の存在量を測定した。
(3)ターゲットのバルク抵抗
抵抗率計(三菱油化製、ロレスタ)を使用し四探針法により測定した。
(4)ターゲット中に存在する酸化物の構造
X線回折により得られたチャートを分析することにより酸化物の構造を同定した。
純度99.99%以上の酸化インジウム700gと純度99.99%以上の酸化ランタン300gとを混合させて、ドライビーズミルにて約5時間粉砕・混合した。
次いで、上記で得られた粉末を10mmφの金型に挿入し、金型プレス成形機により100kg/cm2の圧力で予備成形を行った。次に、冷間静水圧プレス成形機により4t/cm2の圧力で圧密化した後、1350℃で10時間焼成して焼結体を得た。この焼結体をターゲット(研削、研磨、バッキングプレートへの貼り付け)に加工した。
図1に、ターゲットのX線チャートを示す。
ICP分析の結果、原子比[La/(La+In)]は0.27であった。
EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)による焼結体の面内の元素分布測定により、In、Laの分散状態を確認した。その結果、その組成は実質的に均一であった。
また、ターゲットの密度は、6.78g/cm3であり、バルク抵抗は、260Ωcmであった。
酸化スズ900gと酸化ランタン100gとを混合させて、ドライビーズミルにて約5時間粉砕・混合した。
次いで、得られた粉末を10mmφの金型に挿入し、金型プレス成形機により100kg/cm2の圧力で予備成形を行った。次に、冷間静水圧プレス成形機により4t/cm2の圧力で圧密化した後、1350℃で10時間焼成して焼結体としターゲットに加工した。
図2に、ターゲットのX線チャートを示す。
ICP分析の結果、原子比[La/(La+Sn)]は0.09であった。
EPMAによる焼結体の面内の元素分布測定により、Sn、Laの分散状態を確認したが、その組成は実質的に均一であった。また、ターゲットの密度は、6.64g/cm3であり、バルク抵抗は、950Ωcmであった。
酸化インジウム、酸化スズ及び酸化ランタンの各粉末を、表1の組成となるように各
々混合させて、ドライビーズミルにて約5時間粉砕・混合した。
次いで、得られた粉末を10mmφの金型に挿入し、金型プレス成形機により100kg/cm2の圧力で予備成形を行った。次に、冷間静水圧プレス成形機により4t/cm2の圧力で圧密化した後、1350℃で10時間焼成して焼結体としターゲットに加工した。
表2にターゲットのICP分析の結果、EPMAによる面内の元素分布測定結果、密度及びバルク抵抗を示す。
酸化インジウム400gと酸化ランタン600gとを混合させて、ドライビーズミルにて約5時間粉砕・混合した。
次いで、上記で得られた粉末を10mmφの金型に挿入し、金型プレス成形機により100kg/cm2の圧力で予備成形を行った。次に、冷間静水圧プレス成形機により4t/cm2の圧力で圧密化した後、1350℃で10時間焼成した。
この焼結体は、X線回折測定の結果、LaInO3及びLa2O3を主成分とする酸化物からなる焼結体であることが確認された。
図13に、この焼結体のX線チャートを示す。
ICP分析の結果、原子比[La/(La+In)]は0.56であった。
EPMAによる焼結体の面内の元素分布測定により、In、Laの分散状態を確認した結果、その組成は実質的に不均一であった。また、バルク抵抗は2MΩcm以上であり、ほぼ絶縁材料であった。
Claims (5)
- 実質的にインジウム(In)及びランタン(La)の酸化物からなるスパッタリングターゲットであって、LaInO3で表される酸化物を含有し、
前記InとLaの含有量の合計に対するLaの割合[La/(La+In):原子比]が0.001〜0.27であることを特徴とする酸化物スパッタリングターゲット。 - 実質的にスズ(Sn)及びランタン(La)の酸化物からなるスパッタリングターゲットあって、La2Sn2O7で表される酸化物を含有し、
前記SnとLaの含有量の合計に対するLaの割合[La/(La+Sn):原子比]が0.001〜0.5であることを特徴とする酸化物スパッタリングターゲット。 - 実質的にインジウム(In)、スズ(Sn)及びランタン(La)の酸化物からなるスパッタリングターゲットであって、La2Sn2O7及び/又はLaInO3で表される酸化物を含有し、
前記In、Sn及びLaの含有量の合計に対するLaの割合[La/(La+Sn+In):原子比]が0.001〜0.39であることを特徴とする酸化物スパッタリングターゲット。 - 焼結密度が6.5g/cm3以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸化物ターゲット。
- バルク抵抗が1Ωcm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の酸化物ターゲット。
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