JP5000773B2 - 電気機械 - Google Patents
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Description
一方、数kWを越える大型電動機においては、これまでは分布巻で巻回された電機子巻線を備えた電機子を用いていたが、コイルエンドの小さい集中巻を採用する必要性が高まっている。例えば、エレベータの巻上機や工作機械のステージをダイレクト駆動するような電動機においては、省スペースの観点から、コイルエンドの小型化要求が大きい。
また、特許文献2には、界磁極の鉄心を積層鋼板としない場合に、塊状ヨークで構成し、かつそのヨークを区分し、渦電流の経路を絶つことにより渦電流損失を低減する手法が開示されている。
また、電機子を分布巻とした場合は先述のようにコイルエンドが大きくなってしまうという問題があった。
電機子は、磁気的空隙長の方向に突出し移動方向に沿って所定の間隔で形成された複数のティースを有する電機子鉄心、および各ティースに集中巻で巻回され三相交流の各相の電流が通電される複数の電機子巻線を備え、界磁極は、移動方向に沿って配置された所定の数の磁極を備えた電気機械において、
駆動時電機子巻線から発生する電機子起磁力の、駆動速度と同期する次数より低い次数の成分が低減するよう、複数のティースに、三相交流の互いに異なる相の電流が通電される複数の巻線を巻回するティースを含め、
磁束が相互間で流通し電気機械として機能する対向範囲における界磁極の磁極数Pと電機子のティース数Qとが、mを自然数としたとき、P=5m、Q=6mまたは、P=7m、Q=6mで表され、直動機として直線方向に駆動される電気機械であって、
同一のティースに巻回する巻線を( / )で、三相をU、V、Wで、巻極性を+、−でそれぞれ表示した場合、各ティースに巻回する巻線を、下記順序または下記順序を繰り返す順序の列から連続する6m個を抽出したものとするものである。
(U+/U+)(U−/V+)(V−/V−)(W−/V+)(W+/W+)(W−/U+)(U−/U−)(U+/V−)(V+/V+)(W+/V−)(W−/W−)(W+/U−)
更に、磁束が相互間で流通し電気機械として機能する対向範囲における界磁極の磁極数Pと電機子のティース数Qとが、mを自然数としたとき、P=5m、Q=6mまたは、P=7m、Q=6mで表され、直動機として直線方向に駆動される電気機械であって、
同一のティースに巻回する巻線を( / )で、三相をU、V、Wで、巻極性を+、−でそれぞれ表示した場合、各ティースに巻回する巻線を、下記順序または下記順序を繰り返す順序の列から連続する6m個を抽出したものとしたので、電機子起磁力の界磁極起磁力と非同期成分である高調波成分のうち、同期成分よりも低い次数の成分を低減できる。このため、界磁極に流れる渦電流を小さくできるので、直動機における界磁極の渦電流損失を低減できる。
(U+/U+)(U−/V+)(V−/V−)(W−/V+)(W+/W+)(W−/U+)(U−/U−)(U+/V−)(V+/V+)(W+/V−)(W−/W−)(W+/U−)
図1は、本発明の実施の形態1における電気機械の構成を示す断面図である。電気機械の例として、ここでは、3相10極12ティースの回転電機を示している。電機子1と界磁極2とが、磁気的空隙10を介して相対的に回転自在にベアリング等の保持具により配置されている。界磁極2は、軸9に取り付けられた界磁極鉄心3とこの界磁極鉄心3に固定された永久磁石4とを有している。N極の永久磁石4aとS極の永久磁石4bとを5対、計10極の磁極を有している。なお、図1では、1つの永久磁石4a(4b)で1極を構成しているが、永久磁石の具体的な構成の仕方は問わない。また、界磁極鉄心3の表面に永久磁石4a、4bが配置されているが、界磁極鉄心3の内部に埋め込むように構成してもよい。
ここで、1つのティースに巻き回す相を( / )内に示し、またU+とU−は巻極性(巻き方向)が互いに逆であることを示している。但し、同一のティースに巻き回している2つの巻線7a、7bの配置順序は問わず、例えば、(U+/V−)と記載の箇所を(V−/U+)と、径方向の位置を逆にして配置しても構わない。
図2に示した回転電機の巻線7に互いの位相差が2π/3の3相電流を通電すると、磁気的空隙10における電機子起磁力が生じ、ある時間においては図3に示すような分布を持つ。
図4は、電機子起磁力の分布をフーリエ級数展開し、高調波成分を求めた結果を示している。同期成分である空間5次成分を1.0に規格化して示している。同図によれば空間1次成分が、約0.36であり、空間7次成分が約0.71である。
電機子巻線が集中巻の場合、一般に、電機子起磁力成分の次数が高いほど磁界が磁気的空隙10内で回りこみ、界磁極2に鎖交しなくなる。換言すると、より低い次数の電機子起磁力ほど界磁極2に鎖交し、多くの渦電流を発生する。分布巻では低次の起磁力が発生しないことから,この問題は集中巻特有の問題である。
図5は、図1の場合の、電機子起磁力の周方向に沿った分布図、図6は、この図5の電機子起磁力分布をフーリエ級数に展開して求めた各次成分で、図4の場合と同様、空間5次成分を1.0に規格化している。
図7および図8は、電機子起磁力の空間1次成分の合成、ここでは、U相の電流によって作成される全起磁力の合成値を求める場合を説明するベクトル図で、それぞれ、従来例の図2の巻線構造と本発明の実施の形態1の図1の巻線構造とに対応するものである。なお、両者は、空間5次合成ベクトルの振幅を1.0としており、その場合の空間1次成分の振幅を、従来の図7では、0.348とし、実施の形態1の図8では、0.373としている。
両図から分かるように、電機子の1つのティースに、2つの集中巻の巻線を巻回することによって、空間1次のベクトルを分散させてその合成ベクトルを従来より低減させているわけである。
先の実施の形態1では、例として、10極12ティースの回転電機で説明したが、図9は、20極24ティースの回転電機を示している。このような極数Pとティース数Qとが、nを2以上の偶数としたとき、P=5n、Q=6nで表される場合は、各ティース6に巻回する巻線の相別、極性は、紙面上端から時計回りに、(U+/U+)(U−/V+)(V−/V−)(W−/V+)(W+/W+)(W−/U+)(U−/U−)(U+/V−)(V+/V+)(W+/V−)(W−/W−)(W+/U−)を繰り返すようにすればよい。
この場合、電機子起磁力の各次数成分は、図10のようになる。即ち、同期成分である(5n/2)次の電機子起磁力を1.0に規格化すると、n/2次は、0.10となり、実施の形態1と同様にして渦電流損失を低減することが出来る。
図11は、本発明の実施の形態3の回転電機を示しており、3相14極12ティースの回転電機である。14極の回転電機としても電機子1は同じであり、空間次数7次を同期成分として動作する。更に一般化すれば、極数Pとティース数Qとが、nを2以上の偶数としたとき、P=7n、Q=6nで表される場合は、同期成分が7n/2次である。
図12は、この場合の電機子起磁力の各次数成分を示す。同図には、従来の回転電機の電機子がつくる起磁力も併記している。同図において、n/2次成分が従来よりも小さくなっていることがわかる。すなわち、実施の形態1と同様にして渦電流損失を低減することが出来る。
図13は、本発明の実施の形態4の回転電機を示しており、例として、3相10極12ティースの回転電機を示している。同図において、巻線7の相順は、先の実施の形態1〜3と同じであるが、ターン数が異なる。
即ち、巻線7のうち、同一ティースに巻き回された2つの巻線が同相の場合の巻線7c、7d(例えば、図13の最上端の(U+/U+)が相当する)のターン数をそれぞれTとした場合、同一ティースに巻き回された2つの巻線が異相の場合の巻線7e、7f(例えば、図13の最上端から1つ時計方向の(U−/V+)が相当する)のターン数をそれぞれ約2T/√3としている。このように構成すると、全てのティースにおける電機子起磁力の合成値の大きさが等しくなり、結果として、電機子1がつくる起磁力の成分は、図14のようになる。
以上の内容は、先の実施の形態3で説明した極数Pとティース数Qとが、P=7n、Q=6nで表される場合も全く同様に適用でき同等の効果を奏する。
本発明の実施の形態5では、先の実施の形態4において、同一ティースに巻き回された2つの巻線が同相の場合の巻線7c、7dの導体断面積を、同一ティースに巻き回された2つの巻線が異相の場合の巻線7e、7fの導体断面積よりも大きく構成した。このように構成することにより、導体(銅)のスロット8に対する占積率を向上させることができるため、銅損を低減して高効率な回転電機とすることができる。
好ましくは、巻線7c、7dの総導体断面積(単体の導体断面積×ターン数)が巻線7e、7fの総導体断面積と同等となるように、巻線7c、7dの導体断面積を巻線7e、7fの導体断面積の約2/√3倍とすることが望ましい。
図15は、本発明の実施の形態6の回転電機の部分拡大図を示している。先の実施の形態1〜5においては、同一ティースに巻き回された2つの巻線(7a、7b等)をティースの軸方向に並べて配置していたが、この実施の形態6では、図15に示すように、内周側の巻線7hと外周側の巻線7iとに分けて配置した。このように構成しても、実施の形態1〜5で示した効果は全く同様に得られる。即ち、本願発明を適用する場合において、同一ティースに巻回する2つの巻線のスロット8内における配置構成の如何は問わない。
図16は、本発明の実施の形態7の回転電機の部分拡大図を示している。先の実施の形態1〜6では、同一ティースに巻回する巻線は、いずれのティース6でも2つの巻線7a、7b等で構成したが、この実施の形態7においては、同一ティース6に巻き回された2つの相が同相の場合の巻線7a、7bをひとまとめにしてターン数を2Tとした単体の巻線7gとしている。このように構成すると、巻線7の個数が、全体として3/4倍に低減されるため、部品点数を低減することができ、低コスト化できる。
上述の各実施の形態例では、内側が界磁極2である、いわゆるインナロータの回転電機であったが、本願発明の実施の形態8として図17に示すような、外側が界磁極2である、いわゆるアウタロータの回転電機としても、本発明を用いることが出来ることは勿論である。
更に、本発明は、回転電機として、電動機、発電機の区別なく適用できることは言うまでもない。
図18は、回転機を直線状に展開したリニアモータに適用した、本願発明の実施の形態9を示す図である。先の形態例の回転電機のようにループになっているものは、磁極数、ティース数を、2以上の偶数nを適用して表現したが、リニアモータのように端部がある場合は、1以上の自然数mを適用して表現する。
また、図18の例は、電機子11が移動側(移動方向は問わない)で、界磁極22は固定側となっており、電機子11の移動距離に応じて多数個の磁極を備えている。従って、少なくとも、本願発明で問題とする、その磁極数Pとティース数Qとは、リニアモータとして機能する対向範囲における個数を採用する。具体的に、図18の例では、磁極数P=5mに、m=1を代入したP=5、ティース数Q=6mに、m=1を代入したQ=6の場合に相当する。なお、この発明は、磁極数P=7m、ティース数Q=6mの場合も同様に適用することができる。
1:(U+/U+)、2:(U−/V+)、3:(V−/V−)、4:(W−/V+)、5:(W+/W+)、6:(W−/U+)、7:(U−/U−)、8:(U+/V−)、9:(V+/V+)、10:(W+/V−)、11:(W−/W−)、12:(W+/U−)。
ここで、1:〜12:は、以下の説明の便宜上付した番号である。
4a,4b 永久磁石、5 電機子鉄心、6 ティース、7a〜7i 巻線、
10 磁気的空隙。
Claims (4)
- 磁気的空隙を介して配置され上記磁気的空隙長の方向と直角の方向に駆動されて相対移動する、電機子および界磁極を備え、更に、
上記電機子は、上記磁気的空隙長の方向に突出し上記移動方向に沿って所定の間隔で形成された複数のティースを有する電機子鉄心、および上記各ティースに集中巻で巻回され三相交流の各相の電流が通電される複数の電機子巻線を備え、上記界磁極は、上記移動方向に沿って配置された所定の数の磁極を備えた電気機械において、
上記駆動時上記電機子巻線から発生する電機子起磁力の、上記駆動速度と同期する次数より低い次数の成分が低減するよう、上記複数のティースに、上記三相交流の互いに異なる相の電流が通電される複数の巻線を巻回するティースを含め、
磁束が相互間で流通し上記電気機械として機能する対向範囲における上記界磁極の磁極数Pと上記電機子のティース数Qとが、mを自然数としたとき、P=5m、Q=6mまたは、P=7m、Q=6mで表され、直動機として直線方向に駆動される電気機械であって、
同一のティースに巻回する巻線を( / )で、上記三相をU、V、Wで、巻極性を+、−でそれぞれ表示した場合、上記各ティースに巻回する巻線を、下記順序または下記順序を繰り返す順序の列から連続する6m個を抽出したものとしたことを特徴とする電気機械。
(U+/U+)(U−/V+)(V−/V−)(W−/V+)(W+/W+)(W−/U+)(U−/U−)(U+/V−)(V+/V+)(W+/V−)(W−/W−)(W+/U−) - 同一のティースに巻回された2つの巻線が同相のものの当該各巻線のターン数をTとした場合、同一のティースに巻回された2つの巻線が異相のものの当該各巻線のターン数を2T/√3としたことを特徴とする請求項1記載の電気機械。
- 同一のティースに巻回された2つの巻線が同相のものの当該各巻線の導体断面積を、同一のティースに巻回された2つの巻線が異相のものの当該各巻線の導体断面積より大きくしたことを特徴とする請求項2記載の電気機械。
- 同一のティースに巻回された2つの巻線が同相のものの当該2つの巻線を単一の巻線で構成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電気機械。
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